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「営業アウトソーシング」に関する裁判例(6)平成30年 8月31日 東京地裁 平29(ワ)25784号 損害賠償請求事件

「営業アウトソーシング」に関する裁判例(6)平成30年 8月31日 東京地裁 平29(ワ)25784号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成30年 8月31日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(ワ)25784号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA08318007

裁判年月日  平成30年 8月31日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(ワ)25784号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA08318007

愛知県春日井市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 中山泰章
同 奥久潤一
静岡県浜松市〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 横塚章
同 井上辰規

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,121万円及びこれに対する平成29年2月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の,その余を被告の各負担とする。
4  この判決第1項は,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,502万2386円及びこれに対する平成29年2月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,原告が,原告の勤務先の取締役であった被告に対し,被告が飲食代精算の強要,遠隔地に所在するキャバクラ,クラブ(以下「キャバクラ等」という。)への夜間の呼出し,得意先接待のキャンセルの強要,キャバクラ嬢誕生日会の参加強制,現金窃取等により損害を受けたと主張して,不法行為に基づく損害の賠償として,窃取された現金10万円,支出させられた金員342万2386円,慰謝料100万円,弁護士費用相当額50万円の合計502万2386円及びこれに対する催告の日の翌日である平成29年2月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2  前提事実
(1)  株式会社a(以下「a社」という。)は,東京証券取引所第一部上場会社であり,アウトソーシング事業,人材派遣業等を目的とする平成29年12月31日現在の資本金71億3100万円の株式会社である。
株式会社b(以下「b社」という。)は,a社の完全子会社であり国内製造系アウトソーシング事業を行う株式会社であり,b社の議決権はa社が保有している。
原告は,a社の社員であり,かつ,b社の代表取締役である。(甲2の2,19,20,22,争いのない事実)
(2)  被告は,平成18年8月にa社に入社し,平成21年3月には取締役営業本部長,平成23年7月には常務取締役営業本部長,平成24年6月には専務取締役営業本部長,平成28年3月には専務取締役製造統括本部長及び戦略事業統括本部長にそれぞれ就任し,この間,平成26年9月には,b社の取締役にも就任した。
被告は,a社では,b社が行っている国内アウトソーシング・人材紹介事業を管掌する専務取締役という地位にあり,b社においても,業務執行を監督するためにa社から派遣された取締役という地位にあったものの,平成28年11月29日,a社及びb社をいずれも退職した。(甲2の1,9,乙1)
3  争点
(1)  原告に対する被告によるパワハラ行為の有無
(2)  原告の損害額
4  争点に関する当事者双方の主張
(1)  争点(1)(原告に対する被告によるパワハラ行為の有無)について
ア 原告
(ア) 日常的な脅し行為
被告は,b社の取締役でその親会社のa社の専務取締役であり,b社を支配していた。
原告は,被告から日常的に,口頭,LINEメール等で,被告のキャバクラ等通いへの帯同や飲食代金の立替払などの理不尽な要求をしばしば行っていたが,原告が同要求を断ると,「降格させてやる。」,「給料下げてやる。」,「飛ばしてやる。」などと申し向けて,原告を畏怖させたり,キャバクラ等への呼出頻度を増やす等の嫌がらせをしていた。
被告の部下であったA及びBは,被告から退職強要まがいのパワハラを受けた結果,それぞれ平成28年4月28日,同年1月24日に退職している。
(イ) 飲食代金精算の強要行為
被告は,平成27年7月下旬頃,原告に対し,「この口座に振り込んでおけ」などと申し向け,2回にわたり,被告が利用した飲食代金相当額を被告名義の銀行口座に振り込むように強要し,上記(ア)のようなパワハラ,降格・減給・配置転換等の不利益を恐れた原告に,同月24日及び同年8月3日,飲食代金相当額49万0796円を振り込ませ,振込手数料1728円を負担させた。これは,被告が同年7月下旬頃,被告の銀行口座情報に加え,それぞれ「32万5900円」又は「16万4896円」という金額が記載された紙片を示し,「この口座に振り込んでおけ」などと申し向けて強要したものである。
(ウ) 浜松市内での呼出強要行為
被告は,静岡県浜松市内で少なくとも3軒のキャバクラに通い詰めており,原告を同キャバクラに帯同させるため,当時,名古屋から東京へ新幹線通勤をしていた原告に対し,「来ないと給料下げるぞ。」などと脅迫し,東京から名古屋に帰宅する原告を浜松で下車するよう強要し,平成28年2月13日,同月26日,同年6月7日頃,キャバクラでの飲食代金合計41万8100円を原告に立替払させたが,未だに原告に弁済していない。キャバクラでの飲食代金を原告に立替払させるときは,採点機能付きのカラオケ機の点数で判定させ,被告より点数が低い原告に対して支払を強要した。上記立替払は,被告が原告の支払を立て替えたことによる精算の金員ではない。
(エ) 東京都内での呼出強要行為
被告は,東京都内でもクラブ数軒に通い詰め,原告に帯同するよう強要し,平成28年1月頃から同年7月頃にかけて,都内のキャバクラ等での飲食代金177万6142円を原告に立替払させたが,未だに原告に弁済していない。
(オ) 名古屋市内での呼出強要行為
被告は,名古屋市内でも,原告にキャバクラへの帯同を強要し,平成27年12月頃から平成28年6月頃にかけて,キャバクラでの飲食代金67万0620円を原告に立替払させたが,未だに原告に弁済していない。
(カ) 得意先接待のキャンセル強要
被告は,平成27年9月12日,原告に対し,a社の重要顧客であるc株式会社との接待ゴルフをキャンセルして,名古屋市内のクラブ「d店」のゴルフコンペに参加するよう強要し,原告に参加費3万円及び交通費5000円の支出を余儀なくさせた。
(キ) キャバクラ嬢の誕生日会への参加強制
被告は,平成28年3月25日,浜松市内のキャバクラ「e店」の従業員「C」の誕生日会を企画し,原告に対して参加するよう強要し,原告に参加費3万円の支出を余儀なくさせた。
(ク) 現金窃取
被告は,平成28年8月4日,東京都中央区銀座8丁目のクラブ「f店」において,原告の財布から現金10万円を窃取した。
(ケ) 本件訴訟の対象となっている飲食代金はいずれもb社から精算されていないし,そもそもb社では私的な遊興のための飲食代金を交際費として支出することは本来認められていない。
イ 被告
(ア) 被告は,a社に所属し,海外も含めて10社以上の子会社の取締役を兼務しており,b社もその一つであり,被告は,非常勤の取締役であり,月に1回の会議に参加するという形でしか関わっていない。
被告には,原告を降格や転勤等させる権限はなく,被告が原告に対してパワハラ行為をした事実はない。原告は,過去に転勤は一度もなく,会社内でも重要なポストに就いている。
(イ) 立替払の原告の主張に係る領収書の記載は,宛先の記載がないものを除き,全てがb社名義で書かれていることからすれば,原告が被告に対してキャバクラ等代金等をb社の経費とすることを伝えていたことは明らかであり,被告が,原告に対して,立替払を依頼した事実さえなかったことは明らかである。
被告が私的な遊興としてキャバクラ等に行ったときは,被告個人として支払を行っている。
(2)  争点(2)(原告の損害額)について
ア 原告
(ア) 原告は,前記(1)ア(イ)ないし同(ク)の行為により,合計342万2386円の金銭の支出を余儀なくされた。
(イ) 被告によるパワハラ行為や多額の支出強要により原告が受けた慰謝料は100万円をくだらない。
(ウ) 原告が,本件訴訟の提起及び遂行に必要な弁護士費用相当額は50万円である。
イ 被告
争う。
第3  当裁判所の判断
1  認定事実(前記前提事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。)
(1)  被告は,平成18年にa社の浜松営業所の所長として,a社に入社し,その後,前記前提事実(2)の急速な昇進を経て,a社で開かれ,a社の常務執行役員以上が参加し,a社の部長級以上,子会社の執行役員以上の人事案等を決定する経営会議に出席していた。
原告は,平成16年4月5日,a社に入社し,被告が平成21年に営業本部長であったときに,原告は営業部長,構造改革推進室室長の立場であった。被告は,b社の設立に関与し,その取締役となった。(前記前提事実(2),原告本人,被告本人)
(2)  被告は,b社の会議では,「死ね」,「ばかだ」,「降格させるぞ」,「飛ばすぞ」という発言をすることもあり,原告を含む部下に対して,電話をかけて,仕事上の打合せと称して,被告の個人的な遊興としてキャバクラ等の飲食への帯同を求めたり,キャバクラ等においてその経費負担を求めたりし,部下がそれを断ると不機嫌になり畏怖させたり,配置転換や降格,減給等の不利益が及ぶことを示唆したりした。なお,キャバクラ等で仕事の打合せが実際に行われたことはなかった。キャバクラ等では被告が原告に遊興費を負担させるために,カラオケの点数が低い者が飲食代金を負担するというルールを言い出して,原告に負担させていた。(甲16ないし19,証人D,原告本人)
(3)ア  原告は,平成26年頃から,被告よりキャバクラ等への帯同及び費用負担を求められ,それが平成28年8月まで続いた。その間に,原告が負担したキャバクラ等の飲食代金は次のとおりである。(原告本人)
イ  原告は,浜松市内の複数のキャバクラでの飲食代金として平成28年2月13日に20万円,同月26日に1万円及び11万7000円,同年6月7日に9万1100円,合計41万8100円を支払い,その際の領収証を「上様」宛か「(株)b」として受領した(甲5の1ないし4,10の3)。
ウ  原告は,東京都内の複数のキャバクラ等や飲食店の飲食代金として,平成28年1月12日に3万3870円,同年3月24日に3万3060円,同年4月14日に7万9900円,同月21日に5万5512円,同月28日に7万8000円,その頃から平成28年にかけて11万円,33万円,同年5月18日に20万円,18万6000円,同年3月14日に25万3060円,21万3800円,同年7月26日に20万2940円を支払い,その際の領収証を「(株)b」,「株式会社b」か宛先を白紙として受領した(甲6の1ないし12,10の1ないし3・5)。
エ  原告は,平成27年頃,名古屋市内の複数のキャバクラの飲食代金として,18万0620円,平成28年6月18日に29万円を支払い,その際の領収証を「(株)b」として受領した(甲7の1・2,10の4)。
オ  原告は,交際費についてb社の経費として決裁する権限を有しているが,原告の本件請求に係るキャバクラ等の飲食代金の上記領収証は,いずれもb社の中で経費として処理されたことはない(甲15,証人E)。
(4)  被告は,平成27年6月24日,原告に対し,原告が転送した部下からのメールの内容が気に入らずに「殺してしまえ!なめとる!」と返信した(甲19)。
(5)  被告は,原告に対して,被告の遊興費を原告個人が負担するように求め,原告は,これに応じ,「F」の名義を用いて,被告に対して,平成27年7月24日に32万5900円を,同年8月3日に16万4896円の合計49万0796円をそれぞれ送金した。
原告は,b社の小口現金からこれを支出したが,被告が領収証を提出しないために,b社の経費として処理することができず,原告が個人の金員を補填して負担した。(甲1の1・2,原告本人)
(6)  被告は,平成28年3月10日,被告の部下であったG(以下「G」という。)に対して,「数値確定したら殺すぞ」,「おまえ,Hに経営会議資料の件はいってないのか!絶対に製造に人事してやるからな」と送信し,同年4月5日にはGが「おはようございます。昨夜電話申し訳ありません。後ほどお電話させて頂きます。」とメールしたことに対する返信として,「はぁ?ざけんなよ。おまえ,降格」と送信し,同年6月1日には,「電話なしか!」,「降格!!」というメールを出した(甲4の1ないし3,17,19)。
(7)  被告は,平成28年8月4日,東京都中央区銀座のクラブにおいて,原告がトイレにいっている際に,原告の財布から現金10万円を抜き取り,被告の部下のDに目撃され,原告から返還を求められると,窃取したことを否定し,返還には応じなかった。原告は,被告がa社の専務取締役であり,警察に被害届等を提出すると会社に迷惑がかかると考えて,被害届等の提出は行わなかった。
被告の部下のIは,被告が同席しているキャバクラ等でトイレに行くときは,他の同席者に対して,被告が財布から金を取らないように「すいません。財布と鞄死守願います。」とのメールを送るなどしていた。(甲16,18,19,証人D,原告本人)
(8)  b社においては,外部の取引先をキャバクラ等で接待する際には,交際費としての支出が認められていたが,私的な遊興のための飲食代金を交際費として支出することは認められていない。
b社の経理事務は,経費の精算事務を含めて,親会社であるa社の経理部が処理している。(甲12の1・2,13の1・2,14,15,証人E)
(9)ア  a社は,平成28年10月11日付けで社内調査委員会を設置し,被告の部下に対するパワーハラスメントに係る調査を行い,被告に対するヒアリングのほか,被告と関係のある19名に対するヒアリングを実施した(甲21)。
イ  被告は,平成28年11月29日,a社及びb社をいずれも退職した(甲20,乙1)。
(10)  原告訴訟代理人弁護士は,平成29年2月23日付けで,被告に対し,被告の不法行為による損害の賠償として502万2386円を支払うよう内容証明郵便により催告し,同通知は同月25日被告に到達した(甲8,11)。
2  争点(1)(原告に対する被告によるパワハラ行為の有無)について
(1)  前記認定事実(2)のとおり,被告は「死ね」,「ばかだ」,「降格させるぞ」,「飛ばすぞ」という発言し,原告を含む部下に対して,被告の個人的な遊興としてキャバクラ等の飲食への帯同と,その経費負担を求めて,部下がそれを断ると不機嫌になり畏怖させたり,配置転換や降格,減給等の不利益が及ぶことを示唆したりしており,これらの行為は,前記前提事実(1)及び(2)並びに前記認定事実(1)の原告と被告との人的関係性に照らせば,被告の優越的な地位に基づいて原告の意に反したことを行わせるというものであって,パワーハラスメントに当たるものというべきである。
(2)  これに対し,被告は,パワーハラスメントの存在を否定し,証人A及び被告本人もこれに沿った供述をするが,前記認定事実(2),(4),(6),(9)の事実に照らして,同供述部分は,いずれも信用することができない。
3  争点(2)(原告の損害額)について
(1)  前記2において説示したとおり,被告の原告に対するパワーハラスメントが存在し,これを慰謝するには100万円が相当である。
また,前記認定事実(7)のとおり,被告は,原告の財布から10万円を窃取しており,これらの原告の損害は110万円であり,これと相当因果関係のある弁護士費用相当額は11万円であると認められる。
したがって,原告の損害額は121万円であるというべきである。
(2)  これに対して,原告は,平成27年7月及び同年8月の飲食代金精算の送金分として,飲食代金相当額49万0796円及び振込手数料1728円を挙げ,これらが被告のパワーハラスメントによるものであると主張する。
しかし,前記認定事実(5)のとおり,被告の求めに応じて,原告は,これをb社の小口現金からこれを支出し,被告が領収証を提出しないために,b社の経費として処理することができず,原告が個人の金員を補填して負担したものであって,原告は,b社の経費として処理することができると考えて,被告の求めに応じたにすぎず,結果的に同処理ができなかったことをもって,被告のパワーハラスメントとの間の相当因果関係が認められるものではない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(3)  さらに,原告は,浜松市内の複数のキャバクラでの飲食代金合計41万8100円,東京都内の複数のキャバクラ等や飲食店の飲食代金合計177万6142円,名古屋市内の複数のキャバクラの飲食代金として合計67万0620円を支出したと主張して(名古屋市内の飲食代金は18万0620円及び29万円の合計47万0620円の限度で認めることができる),これらが,被告のパワーハラスメントによるものであると主張する。
これらの飲食代金は,前記認定事実(3)のとおり,原告が負担したものであるが,原告も参加した飲食に係る代金であって,しかもその飲食は取引先を接待するというものではないから,前記認定事実(8)のとおり,b社の経費として処理することができるものではなく,個人として行った飲食であったにすぎなく,原告がその領収証の宛先を「白紙」,「上様」,「(株)b」,「株式会社b」としており,原告個人としているものではないことに照らすと,原告は,これをb社の経費として処理する予定であったことが窺え,前記認定事実(3)オのとおり,その後の事情で経費として処理されなかったとしても,被告のパワーハラスメントとの間の相当因果関係が認められるものではない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(4)  原告は,被告が得意先接待のキャンセルの上で名古屋市内のクラブのゴルフコンペに参加するよう強要し,原告に参加費3万円及び交通費5000円の支出を余儀なくさせ,浜松市内のキャバクラのキャバクラ嬢の誕生日会への参加を強要し,原告に参加費3万円の支出を余儀なくさせたと主張し,これらの参加及び支出の事実は認められるものの,これらも原告は自己の判断で参加していたにすぎず,被告のパワーハラスメントとの間の相当因果関係が認められるものではない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
4  結論
以上によれば,原告の請求は,窃取された現金10万円,慰謝料100万円,弁護士費用相当額11万円の合計121万円及びこれに対する催告の日の翌日である平成29年2月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとする。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第5部
(裁判官 吉村真幸)

 

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