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「営業代行」に関する裁判例(5)平成30年 3月29日 東京地裁 平29(ワ)14767号 地位確認等請求事件

「営業代行」に関する裁判例(5)平成30年 3月29日 東京地裁 平29(ワ)14767号 地位確認等請求事件

裁判年月日  平成30年 3月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(ワ)14767号
事件名  地位確認等請求事件
文献番号  2018WLJPCA03298061

横浜市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 佐藤正知
同 相曽真知子
東京都中央区〈以下省略〉
被告 株式会社Y
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 村田宏禎

 

 

主文

1  本件の訴えのうち,本判決確定の日の翌日以降,毎月末日限り29万2000円及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員の支払を求める部分を却下する。
2  原告が被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
3  被告は原告に対し,8万1000円及びこれに対する平成28年5月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4  被告は原告に対し,平成28年5月末日から本判決確定の日まで,毎月末日限り24万8400円及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
5  原告のその余の請求を棄却する。
6  訴訟費用はこれを5分し,その1を原告の,その余を被告の負担とする。
7  本判決は,第3項及び第4項に限り仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  主文第2項同旨
2  被告は原告に対し,8万7000円及びこれに対する平成28年5月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3  被告は原告に対し,平成28年5月末日から毎月末日限り29万2000円及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は,原告が,被告に無期労働契約で採用されたのに,有期労働契約であるとして平成28年3月31日期間満了で雇止めされたため(主位的請求原因),仮に有期労働契約であるとしても雇止めは無効である(予備的請求原因)として,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに,平成28年3月分の未払賃金8万7000円,雇止め以降の賃金として毎月末日限り29万2000円及びこれらに対する商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。
2  前提となる事実(認定証拠等は括弧内に掲記した。)
(1)  当事者
被告は,営業コンサルティング業務,営業代行業務を主たる事業とする株式会社である(争いがない)。
(2)  労働契約の締結
原告は,平成28年2月頃,被告との間で以下の労働条件で労働契約を締結した(「以下「本件労働契約」という。争いがない。ただし契約期間の有無については争いがある。)。
ア 雇用区分 アルバイト
イ 職務 テレアポ業務(テレホンアポイント代行を依頼した企業の社員を名乗り,様々な会社に電話をかけ,アポイントの約束を取る業務である。)・その他会社の指定する業務
ウ 勤務時間 9時30分から18時30分まで(休憩1時間含む)
エ 休日 土曜,日曜,国民の祝日,その他会社の指定する日
オ 賃金 時給1800円
カ 支給日 毎月末日締め翌月末日払い
3  主たる争点及び当事者の主張
(1)  本件労働契約は無期労働契約であるか否か
(原告の主張)
本件労働契約は期間の定めのない無期労働契約である。以下に理由を述べる。
ア 原告は,平成28年1月頃,長期間勤務できる職場を探していたところ,求人サイトで被告の求人広告を見つけた。同求人広告には,「安定した勤務を希望している方にオススメのお仕事」と記載された上,応募情報の勤務期間欄「3ヶ月以上」,歓迎欄には「長期歓迎」,応募資格欄にも「3ヶ月以上働ける方」と記載され,契約期間を限定する記載は何もなかった。そのため,原告は,長期間勤務できる職場と考えて応募した。
イ 原告は,同年2月2日,被告の面接を受けた際,同席した被告代表者から,試用期間は勤務開始後7日間であり,その期間は時給1700円であること,その後の賃金は被告が提示した金額となること,長期の労働契約であることが説明された。毎月更新制の有期労働契約であることは説明されていない。
ウ 原告は,同月9日から勤務を開始したところ,まだ契約書を受領していなかったため,同日の退勤時に契約書の交付を求めたところ,被告代表者から,試用期間終了後に交付する旨回答された。しかし,試用期間経過後も契約書は交付されず,同年3月17日に至り,被告の取締役であるB氏から契約書(甲1)の交付を受けたところ,これには雇用期間として「平成28年3月1日~平成28年3月31日まで」,「会社と本人との間で,本契約を更新する旨の書面による合意をしないときは,本契約は,期間の満了によって終了する。」との記載があり,1か月間の有期労働契約である旨が記載されていた。
エ 原告は,同月18日,契約書に関して被告代表者に問い質したところ,同人から被告では有期労働契約の更新を繰り返す扱いであると言い,当初とは異なる説明をされた。そのため,原告が契約書は有期であるが本件労働契約は有期ではないということでよいのか確認を求めると,「うん」と回答した。原告は契約書の1か月の期間の定めの削除等を求めたが,被告代表者は社会保険労務士に相談するが,そこで長期契約でも1か月ごとにした方がよいと助言されればそれに従う旨回答した。原告は,同月22日昼頃,被告代表者に契約書の訂正を求めたが,応じてもらえなかった。
オ 原告は,同月24日,勤務中に被告代表者から個室に呼び出され,契約書に関して社会保険労務士と税理士に相談したが期間の定めのない形で契約書を作成することはできないと助言されたため,有期でないと合意できない旨説明された。これに対して原告が有期では合意できないと回答すると,被告代表者から,それならば本件労働契約は終了すると言われた。同日昼休み,原告は,再度被告代表者から個室に呼ばれ,無期労働契約にすることはない,同月31日までは給与を出すのでもうここには出勤しなくてよいと言われた。これに対して原告は退職する意思はない旨伝えたが,最終的には同日13時30分頃,被告代表者から上記契約書に納得できないならこれ以上働かせるわけにはいかないと言われ,雇止めを告知された。
カ 被告は,以前はアルバイトの雇用期間を定めずに採用していたところ,平成26年9月にアルバイトの雇用条件を刷新し,1か月間の有期契約の更新制にした旨述べているが,平成25年当時の求人広告を見ると,勤務期間は「長期(3ヶ月以上)」の記載があり,期間の定めのない社員を募集する場合も同様の文言を使用して募集している。
キ なお,被告は,原告の勤務開始日に「株式会社Y 社内ルール」と題する書面(以下「社内ルール書面」という。乙8)を用いて1か月単位の契約更新である旨の説明した旨主張するが,原告は,勤務開始日及び以降において,上記書面を見たことがない。
ク 以上のように,雇用期間の限定の有無は重要事項であるにもかかわらず,被告の求人広告には雇用期間を限定する文言はなく,むしろ長期雇用を前提とした文言が記載されていたこと,アルバイトを期間の定めのない社員として募集していた当時も原告が応募した際と同様の文言で求人広告を出していること,採用面接でも有期労働契約であるとの説明は受けていないこと,その後,原告が被告代表者に有期労働契約ではない旨を確認した際も同人はこれを否定せず,有期契約の契約書の訂正を求めても,有期契約であると説明して拒否していないこと,1か月間の有期労働契約であれば勤務開始日である2月9日から3月にかけて更新手続があるはずであるが更新手続も行われていないことに照らせば,本件労働契約は期間の定めのない労働契約であることは明らかである。
(被告の主張)
本件労働契約は,契約期間を1か月間とする毎月更新制の有期労働契約である。以下に理由を述べる。
ア 平成28年2月2日の採用面接の際,被告代表者は原告に対し,本件労働契約が毎月更新制の有期労働契約であることを口頭で伝えている。確かに,求人広告には長期という文言があり,上記採用面接の際の被告代表者の発言には長期という言葉があるが,これらの言葉の趣旨は,テレホンアポイント業務はアルバイトの教育に相当程度の労力を要し,なるべく長く勤務して欲しいという実情があり,そのため,有期労働契約で1か月毎に更新するという契約方式を採ることを前提に,長く続けられるよう頑張って欲しいという趣旨であり,期間の定めのない契約を締結する趣旨ではない。
イ 被告では,アルバイトの勤務開始日にガイダンスを行い,その際,社内ルール書面を用いて社内のルールを説明している。同書面には1か月単位の契約更新である旨が記載されているところ,原告の勤務開始日である平成28年2月9日,社内ガイダンスの担当者が同書面に基づいて1か月単位の契約更新である旨を説明している。また,上記社内ルールは,在籍中は,各社員が書面を保管するほか,共有フォルダ内にも保存されているため,各社員が適宜参照することができる。よって,原告は本件労働契約が1か月間の有期労働契約であることは認識していたはずである。
ウ 上記のとおり,本件労働契約は1か月間の有期労働契約であり,平成28年3月31日に期間満了で終了している。よって,原告の労働契約上の地位確認及び同年4月1日以降の賃金請求には理由がない。
(2)  雇止めの有効性
(原告の主張)
仮に本件労働契約が有期労働契約であるとしても,労働契約法19条により契約は更新されるため,現時点でも終了していない。原告が担当していたテレホンアポイント業務は被告の基幹的業務であり恒常的業務であること,被告は1か月毎に更新といいながら更新の手続を全くしていないこと,求人広告には「安定した勤務を希望している方にオススメのお仕事」と記載し,応募情報の勤務期間欄には「3ヶ月以上」,歓迎欄には「長期歓迎」,応募資格欄にも「3ヶ月以上働ける方」と記載している上,採用面接時に被告代表者から「長く続けられるよう頑張ってほしい。」と伝えられているなど,求人広告の記載や使用者の言動には更新を期待させるものがあること,被告では有期労働契約の社員の大半が2,3年間は継続して勤務していること,更新回数の上限条項もないことに照らし,労働契約法19条1号の実質的に無期労働契約と同視できる場合又は同条2号の更新に対する合理的期待を有する場合に該当する。そして,本件では雇止めに対する客観的合理性及び社会的相当性が認められるような事情もないため,本件雇止めは無効である。
(被告の主張)
原告の主張は争う。
(3)  賃金請求の可否
(原告の主張)
ア 平成28年3月24日から同月31日までの賃金
原告は,平成28年3月24日13時30分頃,被告から雇止めされたため,以降,被告の帰責事由により労務の提供が不能である(なお,同日は18時30分までの勤務予定であったため,5時間分が労務提供不能である。)。よって,平成28年3月24日13時30分から同月31日までの未払賃金は以下の計算式のとおりである。
(計算式)
3月24日分 時給1800円×5時間=9000円
3月25日・27日~31日分
(時給1800円×所定労働時間8時間+通勤費1200円)×5労働日(25日・28日~31日)=7万8000円
以上合計8万7000円
イ 平成28年4月1日以降の賃金
原告の平成28年3月分賃金,4月分及び5か月分の賃金の見込み額を平均すると,以下の計算式のとおり,月平均29万2000円となる。よって,平成28年4月1日以降の賃金として毎月29万2000円の賃金を請求する。
(計算式)
3月分 既払18万0600円+8万7000円=26万7600円
4月分 (時給1800円×所定労働時間8時間+通勤費1200円)×20労働日=31万2000円
5月分 (時給1800円×所定労働時間8時間+通勤費1200円)×19労働日=29万6400円
3か月分の平均 29万2000円
(被告の主張)
ア 平成28年3月分の賃金
平成28年3月分に関しては,同月25日から31日までの間に未払賃金が存在する限度で認める。
イ 平成28年4月1日以降の賃金
本件労働契約は平成28年3月31日に期間満了により終了しているため,原告は同年4月1日以降の賃金請求権は発生しない。仮に同日以降も本件労働契約が継続しているとしても,原告の賃金請求は以下に述べるように制限するのが相当である。
(ア) 本採用されない可能性が高いこと
被告の就業規則(乙9)12条では,採用日から3か月間の試用期間を設け,「通常の教育研修をしたにもかかわらず,一定の水準に達しないとき」(同条2項7号)は解雇できる旨規定している。原告は入社後7日間の研修期間(乙8)の評価で基準に満たなかったため,本来は時給2000円であるがこれを減額した時給1800円で設定し,しかも,その後も原告が在職中に獲得したアポイント数は20件であり(内6件は顧客からキャンセルされたため実質獲得数は14件である。),本来なら1日当たり平均3,4件は獲得を要するのに1日当たり1件の水準であり,この成績では「一定の水準に達しないとき」と評価されることは確実である。よって,仮に平成28年4月1日以降も本件労働契約が継続していたとしても,本採用せずに解雇する可能性が高い。よって,遅くとも試用期間終了日の翌日以降の賃金請求は認められない。
(イ) 出勤日数が限定される可能性が高いこと
仮に原告が本採用され勤務を継続したとしても,被告ではアルバイトの能力に応じて出勤日数の調整を行っていたため,原告の在職時の勤務成績からすれば,出勤日数は週2,3回程度に限定されるはずである。よって,原告の賃金請求は週2,3回程度の労働日を基礎に算定するのが相当である。
(ウ) 権利濫用に該当すること
仮に本件労働契約が無期労働契約であるとしても,原告が被告で稼働したのは1か月間程度であること,2回の労働審判において,有期労働契約である旨の判断を前提とした審判が示されているにもかかわらず,原告は自らの主張に固執して紛争を長期化させていることに鑑みれば,復職を前提とした2年を超える賃金請求は権利濫用に該当し,認められない。
第3  当裁判所の判断
1  事実経過(前記前提事実のほか,認定証拠は括弧内に掲記した。)
(1)  原告は,平成28年1月頃,長期間勤務できる安定した職場を希望して求人サイトで検索していたところ,被告の求人広告を見つけた。これには,「安定した勤務を希望している方にオススメのお仕事」と記載され,応募情報の勤務期間覧には「3ヶ月以上」,歓迎欄には「長期歓迎」,応募資格欄には「3ヶ月以上働ける方」と記載されていたが,雇用期間の限定については記載がなかった。(甲2,7,原告,弁論の全趣旨)。
(2)  原告は,同年2月2日,被告で採用面接を受け,その際,長期で働きたい旨述べたところ,同席した被告代表者から,会社としてもやるなら長期で働いてほしい旨言われた。翌3日,被告から採用の連絡があり,その頃,本件労働契約が締結された(甲7,乙5,原告,被告代表者)。
(3)  原告は,同月9日,被告での勤務を開始したが,まだ契約書を受領していなかったため,退勤時に被告代表者に対し契約書の交付を求めた。すると,同人から被告では契約書は社員に交付していないと回答されたため,再度契約書の交付を要請した。しかし,7日間を経過しても契約書は交付されず,原告はその後も交付要請を繰り返した。(甲7,原告,被告代表者)
(4)  原告は,同年3月17日,被告の取締役であるB氏から労働契約書(甲1)を交付された。同契約書は,雇用期間欄に「平成28年3月1日~平成28年3月31日まで」,その他の欄に「会社と本人との間で,本契約を更新する旨の書面による合意をしないときは,本契約は,期間の満了によって当然に終了する」と記載されていた。(甲1,7,原告)
(5)  原告は,翌18日,被告代表者に対し,労働契約書の記載内容が有期労働契約なのか否かを問い質したところ,有期労働契約ではないと理解してよいかという問いかけには否定しないながらも,同契約書は有期労働契約に見えるがという問いかけには契約は1か月単位である旨述べるなど,明確な回答はしなかった。原告は被告代表者に対し,無期労働契約である旨に訂正した内容の契約書の交付を求めたが,同人は,社会保険労務士に確認してから回答する旨述べた。(甲6,7,原告)
(6)  原告は,同月22日の昼及び勤務終了後に,被告代表者に対し,訂正した契約書の交付を求めたが,交付してもらえなかった。翌23日は体調不良で欠勤した。(甲4,7,原告,被告代表者)
(7)  原告は,同月24日午前の勤務時間中,被告代表者から個室に呼び出され,社会保険労務士と税理士に確認した結果,被告としては契約書の文言を無期労働契約に変更することはできない,交付済みの契約書で納得できないのなら雇用できない旨言われた。原告はこれを拒否し,被告代表者がそれなら雇用は終了すると述べるなど,しばらくやり取りが続いた後,原告は一旦勤務に戻った。(甲7,原告,被告代表者)
(8)  原告は,同日の昼休み,被告代表者から再度個室に呼ばれ,被告が無期労働契約を締結することは100%ない,同月31日までの給与を支給するので出勤しなくてよい旨言われた。これに対して原告は自主退職する意思はない旨回答した。そして,最終的には同日13時30分頃,被告代表者は原告に対し,交付済みの契約書に納得できないならこれ以上は被告で勤務させるわけにはいかない旨を述べ,本件労働契約の終了を告知した。(甲7,原告,被告代表者)
(9)  原告は,平成28年4月15日,被告に対し,復職を求める旨の通知書を送付した(甲9,乙6)。しかし,同年5月27日,被告は原告に対し,原告の復職には応じられないが解決金20万円を支払う旨の解決案を提示した(乙7)。
(10)  原告は,上記提案には応じられなかったため,同年6月17日,労働審判を申し立てた(以下「第一次労働審判」という。当庁平成28年(労)第435号)。第一次労働審判では,同年9月27日,労働審判委員会から解決金40万円の労働審判が告知されたが,原告はこれに不服であるため,一旦同労働審判の申立てを取り下げた。(甲7,乙3,原告,弁論の全趣旨)
(11)  原告は,平成29年3月5日,再度労働審判を申し立て(以下「第二次労働審判」という。当庁平成29年(労)第149号),平成29年4月21日,労働審判委員会から解決金40万円の労働審判が告知された。これに対しては被告の側から異議の申立てがあり,本件訴訟に移行した。(甲7,乙4,5,原告,弁論の全趣旨)
2  本件労働契約は無期労働契約であるか否か
被告は,本件労働契約は契約期間を1か月間とする有期労働契約である旨主張し,被告代表者も尋問において1か月単位の有期労働契約であると説明した旨供述し,陳述書(乙1,5)にも同旨の記載がある。
しかし,本件では,原告の入社までに契約書や採用条件通知書等の書面を授受していないため,契約内容を推知する資料として求人広告が重要な意味を有するところ,原告が応募した当時の求人広告には,「安定した勤務を希望している方にオススメのお仕事」と記載した上,応募情報の勤務期間欄には「3ヶ月以上」,応募資格欄には「3ヶ月以上働ける方」,歓迎欄には「長期歓迎」とあり,一時的な勤務というよりも長期間の勤務を期待する文言が表示され,他方で契約期間を限定する文言も1か月ごとに更新する旨の文言も一切存在しないこと(前記1(1)),被告は平成26年9月まで期間を限定しない形でアルバイト社員を募集していたが(乙5,被告代表者5頁),当時の求人広告(甲8)の勤務期間欄を見ると「長期(3ヶ月以上)」とあり,期間の定めのない社員を募集する際も「3ヶ月以上」の文言を用いているため,この文言には契約期間を限定する意味はないものと理解できること,被告代表者は,採用面接で原告に対して1か月ごとの更新であると説明した旨供述するが,これは原告から明確に否認されている上に裏付ける証拠もなく,むしろ上記求人広告の記載内容に照らしてにわかに信用できないこと,上記採用面接で被告代表者は原告に対して長期で働いてもらいたい旨を伝え,これを表明した理由としてテレホンアポイント業務の担当者を育成する労力との関係で長期間勤務してほしいという趣旨である旨述べる(乙5,被告代表者7頁)が,これも無期労働契約に整合すること,被告は,原告の勤務開始後に同人から求められて労働契約書を交付し,これに対して原告が契約書を無期労働契約の内容に訂正するよう求めると,被告代表者は直ちに契約内容が有期である旨を説明して訂正を拒否する態度を明確にせず,むしろ社会保険労務士に相談してどうするかを決定する旨回答していること(前記1(4)(5)),他のアルバイト社員についても月単位の更新の有期労働契約を締結しているとしながら,月ごとに審査するなどの更新手続を実行している形跡はなく,アルバイト社員のかなりの人数が1,2年の勤務を継続しているのが実態であること(被告代表者22頁),被告は,勤務開始日のガイダンスの際,「1か月単位での契約更新」の記載のある社内ルール書面を使い有期労働契約である旨説明し,同書面は原告にも交付し,共有データファイルで原告も閲覧できる旨主張し,被告代表者の陳述書(乙10)にも同旨の記載があるが,これは原告から明確に否認されている上,上記主張は被告代表者の尋問においても一切供述されておらず,最終準備書面の段階で初めて主張された内容であることの照らしてにわかに信用できないことに鑑みると,本件労働契約では契約期間を定めたものとは認められず,むしろ無期労働契約を締結したものと認定するのが相当である。
よって,本件労働契約は無期労働契約であるから雇止めはできず,原告の労働契約上の権利を有する地位の確認を有する。
3  賃金請求の可否
(1)  平成28年3月分の賃金
原告は,平成28年3月24日午前13時30分頃,被告から雇止めをされているところ(前記1(8)),本件労働契約は無期労働契約であるから雇止めは無効であり,上記時刻以降の就労不能は被告の帰責事由による就労不能である。したがって,原告は,平成28年3月分の賃金として,同月24日は13時30分から所定終業時刻の18時30分までの5時間分の賃金,翌25日以降は,所定就業日である同月25日,28日から31日までの5日分の賃金の請求を請求できる。もっとも,通勤費は通勤に要する費用に応じて支給されるなど,支出された実費を補う実費補償的性質を有するため,実際に就労していない日については請求できない。よって,同年3月分の未払賃金は以下の計算式のとおり,8万1000円である
(計算式)
3月24日分 時給1800円×5時間=9000円
3月25日・28日~31日分
時給1800円×所定労働時間8時間×5労働日(25日・28日~31日)=7万2000円
合計8万1000円
(2)  平成28年4月1日以降の賃金
ア 原告の賃金は時給計算で約定しているため,同年4月分以降の賃金については,実際に稼働した3月分の賃金を基礎に推定するのが相当である(原告は,3月分,4月分及び5月分賃金の平均額を基礎に推定しているが,4月分と5月分賃金自体が推定額であるため,これらを含めて平均額を算出すると,二重に推定して将来分を算出することになるため,相当ではない。)。そして,同年3月分は上記のとおり,以下の計算式のとおり,月額24万8400円と推定するのが相当である。
(計算式)
既払賃金16万7400円(通勤費を除く,甲4)+未払賃金8万1000円=24万8400円
イ 被告は,平成28年4月1日以降も本件労働契約が継続しているとしても,原告は試用期間中であり原告の勤務成績では本採用されない可能性が高いため,遅くとも試用期間経過後の賃金請求は認められない旨主張する。しかし,仮に被告の就業規則(乙9)が原告に適用されるとしても,同就業規則12条は,採用日から3か月間の試用期間を設け(同条1項),所定事由に該当する場合は試用期間満了日までに解雇できる(同条2項)とされているところ,本件では既にその期間を優に経過しているため,試用期間中の解雇の蓋然性を理由に賃金請求を否定することはできない。
ウ 被告は,アルバイトの能力に応じて出勤日数の調整を行っているが,原告の在籍時の勤務成績からすると出勤日数は週2,3回に限定される旨主張する。しかし,原告は勤務開始日から僅か1か月半程度の勤務期間であり,被告が主張する試用期間の半分程度の期間しか経過していないため,仮に被告の主張するように原告の実績がよくなかったとしても,そのことから直ちに労働日が週2,3回程度に限定される蓋然性が高いとまでは認められない。
エ 被告は,原告の賃金請求が権利濫用に該当する旨主張するが,本件では権利濫用に該当する事情があるとまでは認められない。
4  まとめ
まず,本件訴えのうち,本判決確定日の翌日以降の賃金請求の部分は,あらかじめその請求をする必要がある場合に該当しないため不適法であり(民訴法135条),却下する。次に,原告の地位確認請求,平成28年3月分の賃金請求は8万1000円,4月分から本判決確定の日までの賃金は毎月24万8400円の限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却する。なお,原告は地位確認請求についても仮執行宣言を求めているが,相当ではないためこれを付さないものとする。
5  よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第36部
(裁判官 遠藤東路)

 

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