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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(267)平成21年10月27日 東京地裁 平20(ワ)35114号 賃金請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(267)平成21年10月27日 東京地裁 平20(ワ)35114号 賃金請求事件

裁判年月日  平成21年10月27日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)35114号
事件名  賃金請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA10278004

要旨
◆被告の業務に従事していた原告が、主位的に雇用契約、予備的に業務委託契約又は請負契約に基づいて未払賃金又は未払報酬を請求した事案について、契約締結の経緯に加え、原告の業務が外国人研修生の受入企業を探すというものであり、業務についての時間的場所的拘束がなく、業務の報告等も求められていなかったという業務実態に照らし、契約は業務委託契約であると認定して、原告が有する未払の報酬債権と、被告の貸金債権を相殺した残額につき請求を認容した事例

参照条文
労働契約法6条
労働基準法24条

裁判年月日  平成21年10月27日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)35114号
事件名  賃金請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA10278004

横浜市〈以下省略〉
原告 X
上記訴訟代理人弁護士 伊藤幹郎
東京都多摩市〈以下省略〉
被告 Y
上記訴訟代理人弁護士 池末彰郎

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,金126万円及びこれに対する平成19年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを10分し,その9を被告の,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,150万円及びこれに対する平成19年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  事案の要旨
本件は,被告の業務に従事していた原告が,主位的に雇用契約に基づいて,予備的に業務委託契約又は請負契約に基づいて,未払賃金又は未払報酬の支払を求めた事案である。
2  判断の前提となる事実(証拠により認定した事実については,当該証拠を掲げる。)
(1)当事者
ア 被告
被告は,平成18年9月当時,社団法人国際労働運動研究協会(以下「国際労研」という。)国際研修事業東日本統括支部(以下「国際労研東日本支部」という。)の支部長であった者である(甲22)。
なお,国際労研東日本支部の事務所(以下「神保町事務所」という。)の所在場所は,東京都千代田区〈以下省略〉であった(甲10)。
イ 原告
原告は,平成18年9月1日,被告との間で労務供給契約(以下「本件契約」という。)を締結し,同日から外国人研修生を求人企業に紹介・斡旋する業務に従事した者である(乙2,4)。
(2)被告から原告に対する振込入金
原告の普通預金口座には,平成18年10月10日に24万円が,同月25日に3万6190円がそれぞれ振込入金されている(甲3)。
(3)被告から原告に対する文書の送付と原告による回答
ア 被告から原告に対する文書の送付
被告は,原告に対し,平成18年10月20日付けの文書(以下「本件文書」という。)をそのころに送付したが,本件文書には,以下のとおり,記載されている(甲4)。
「本日は下記の件を是非ともご了解を頂きたく、私の心よりの切なる願をと思いましてご送付申し上げました。
※ 現在の状況ですと、今後運営を維持していくことが非常に困難と思われますゆえ、来月11月よりは完全歩合給(報酬応相談)とさせて頂きたく存じます。
尚、別途報酬と致しまして、当社在籍中に契約終了後、研修生が受入れ企業に就職した時点で、ベトナム人研修生1名につき30万円(但し他国研修生については1名につき18万円)をお支払いさせて頂きます。
貴殿の実力は、私も充分に理解している次第でございます。依って今後共、ぜひ私と一緒に現状を脱皮致し、より一層拡大する為に何卒ご協力を賜りたく存じます。最後に、何卒ご理解の程、重ねてお願い申し上げます。」
イ 原告による本件文書に対する回答
原告は,被告に対し,本件文書に対する回答として,平成18年11月8日付け文書(以下「本件回答書」という。)をそのころに送付したが,本件回答書には,以下のとおり,記載されている(甲5)。
「11月1日より完全歩合給とさせて頂きたいとのお願いとありました
当社在籍中に契約終了後、研修生が受け入れ企業に就職した時点とありましたが企業と契約してから就職する迄約8ヶ月を要し その間完全歩合と言う事になれば私の活動資金ばかりか生活にも困ります。
完全歩合給となれば御社より解雇と言う事になり今後は委託と云う事なのでしょうか?
できるだけ速く御返答下さい。
何事も自分の都合の良い方に理解するクセがある私でも完全に理解する事ができません
年の瀬もせまり明日と言う日が手さぐりでも視えない私ですが何事についても社長であるオーナーの決定ならば仕方ございません
委託と言う事になればパートやアルバイト先を見つけ働きながらになると思います
私は社長殿に借金もありどなたにも相談ができず死活問題になると思います。
できれば できるだけ速く 口頭ではなく文章にて明確に御返答下されば幸いに存じます」
(4)原告による国際労研に対する訴えの提起
原告は,国際労研を被告とし,平成18年12月27日,本件契約が国際労研との間の雇用契約であるとし,同契約に基づいて,同年10月分及び11月分の賃金合計60万円の支払を求める訴えを東京簡易裁判所に提起した。
しかし,国際労研が原告との間で雇用契約を締結した事実を否認し,原告において当該雇用関係を証明することができなかったため,原告は,同訴えを取り下げた。
(甲1,6)
(5)原告と被告との間の消費貸借と被告による相殺の意思表示
被告は,原告に対し,平成18年9月1日,30万円を貸し渡した(乙2)。
被告は,原告に対し,平成21年9月29日の本件口頭弁論期日において,上記貸金債権をもって,原告の本訴請求債権とその対当額において相殺する旨の意思表示をした。
3  争点
本件の争点は,
①  本件契約が雇用契約か
②  本件契約における賃金又は報酬の定めの内容
③  平成18年10月から平成19年2月まで原告が本件契約に基づく業務の遂行をしたか
④  被告による本件契約の解除の有無
⑤  相殺の抗弁
である。
4  争点に関する当事者の主張
(1)争点①及び②(本件契約の性質及び賃金又は報酬の定めの内容)について
(原告の主張)
ア 原告は,被告との間で,平成18年9月1日,給与を固定給30万円及び歩合給(ただし,具体的な金額についての合意はなかった。),給与の支払方法を月末締めの翌月10日払いとするとの約定により,期間の定めのない雇用契約を締結した。
イ 以下の各事実からすれば,本件契約が雇用契約であることは明らかであり,これが業務委託契約又は請負契約であったとは考えられない。
(ア)本件契約に基づく業務の遂行については,原告の裁量に委ねられていたが,最低月2回開催されるミーティングについては,事前の連絡を受け,神保町事務所に赴くこととされていた。
(イ)被告自身,本件文書において,本件契約に基づく業務の遂行に対して原告が受け取る対価について「完全歩合給」という用語を用いているほか,原告が従事した業務が何ら成就していないにもかかわらず,平成18年10月10日,源泉所得税1万円が控除された後の24万円が原告に対して支払われている。
また,本件文書においては,「当社在籍」という用語が使用されている。
(ウ)被告から原告に対し,平成18年10月25日,交通費として3万6190円が支払われている。
(エ)原告は,被告から,「国際研修事業東日本統括支部渉外部長 X」という名刺200枚を作ってもらい,各企業を訪問し,営業活動をする際,これを使用していた。また,原告は,甲第14号証の秘密文書を被告から渡されていた。
(オ)被告は,本件文書を受け取った原告から,解雇となり,今後,委託となるのかと問う本件回答書を受け取ったが,これに返事をすることはなかった。
ウ 被告は,本件文書により,原告の給与について,固定給を廃止し,完全歩合給とすると一方的に通告してきたが,原告は,これに同意しておらず,このような労働条件の一方的な改悪変更をすることはできない。
また,仮に百歩譲って,本件契約が業務委託契約又は請負契約であったとしても,被告は,原告との間で,本件契約に基づく業務の遂行に対する対価として月額30万円を固定給として支払うと合意していた以上,これを一方的に変更することは許されない。
(被告の主張)
ア 被告は,原告との間で,平成18年9月1日,原告が外国人研修生の受入企業を紹介し,その受入れを実施することができれば,1人につき30万円及び交通費を支払うとの約定により,業務委託契約又は請負契約を締結した。
また,同月当時,国際労研東日本支部の統括副支部長であったA(以下「A副支部長」という。)によれば,本件契約は,受入企業が実際に外国人研修生を受け入れた場合に,1人につき15万円を支払うとの約定による請負契約であったということである。
イ 本件契約においては,勤務場所,労働時間,休日等に関する定めはなく,原告が神保町事務所に来る必要もなければ,被告に対して営業活動を報告する必要もなかった。原告が1日何をしようが全く自由で,被告が原告に対して営業活動の内容を指示することもなかった。したがって,原告が被告の指揮命令に服しているとはいえないから,本件契約は雇用契約ではなく,業務委託契約又は請負契約と解さざるを得ない。
(2)争点③(本件契約に基づく業務の遂行の有無)について
(原告の主張)
原告は,東京簡易裁判所に未払賃金の支払を求める訴えを提起した平成18年12月27日以降も,東京都及び神奈川県のハローワークに赴き,少なくとも平成19年2月末日まで,ベトナム人等の外国人研修生を受け入れる企業を探すという業務の遂行を続けた。
原告がいくら足を棒にして各企業を回っても,外国人研修生の労働の実態がマスコミ等で報道されたため,各企業が外国人研修生の受入れから手を引くようになり,実績を挙げることができなかったが,それでも原告が回り,名刺交換をすることができた企業数は約30社に及んでいる。
(被告の主張)
原告は,「外国人研修生受入れ申込書」を提出した株式会社東海緑地建設(以下「東海緑地建設」という。)及び株式会社デルタコーポレーション(以下「デルタ」という。)から,各社が提出すべき多数の必要書類を受け取っておらず,また,業務を遂行したという証拠として,ハローワークでもらったとする写しと約30枚の名刺を提出するのみで,その活動内容を示すメモや活動日誌,手帳等も存在しない。さらに,原告は,平成18年10月上旬以降,神保町事務所に赴いておらず,営業報告もしていない。
したがって,原告は,同月以降,少なくとも同年11月以降,本件契約に基づく業務を遂行しているとはいえない。
(3)争点④(本件契約の解除の有無)について
(被告の主張)
仮に本件契約の内容として,外国人研修生の受入れができるか否かにかかわらず,月額30万円を支払うとの合意があったとしても,本件契約が委任契約である以上,いつでも一方的にこれを解除することができるところ,被告は,原告に対し,本件文書により,本件契約を解除する旨の意思表示をした。
(原告の主張)
本件文書は,本件契約の内容の変更を求める趣旨の文書であり,解除の意思表示であるとはいえない。
(4)争点⑤(相殺の抗弁)について
(被告の主張)
仮に原告の請求がある程度認められる場合であっても,前記第2の2(判断の前提となる事実)(5)のとおり,被告は,原告に対し,既に返還を求めている30万円の貸金債権をもって,原告の本訴請求債権とその対当額において相殺する旨の意思表示をした。
(原告の主張)
本件契約は雇用契約であるところ,賃金債権を受働債権とする被告による相殺は,賃金全額払いの原則に反するから,許されない。
第3  争点等に対する判断
1  争点①及び②(本件契約の性質及び賃金又は報酬の定めの内容)について
(1)まず,本件契約の内容,すなわち,原告の業務の遂行に対する対価の定めの内容について検討する。
証拠(甲1,3,原告本人)によれば,本件契約においては,原告の業務の遂行に対する対価について,固定給30万円及び歩合給(ただし,具体的な金額についての合意はなかった。)とし,その支払方法を月末締めの翌月10日払いとするという合意がされたと認められる。
この点,被告は,本件契約においては,原告の業務の遂行に対する対価について,原告が外国人研修生の受入企業を紹介し,その受入れを実施することができれば,1人につき30万円及び交通費を支払うとの合意がされたと主張し,被告の陳述書(甲22)中にこれに沿う供述部分がある。
しかしながら,被告が主張する対価についての合意の内容は,まさに成功報酬,すなわち,完全歩合制ともいうべきところ,前記第2の2(判断の前提となる事実)(3)アのとおり,被告は,原告に対し,平成18年10月20日ころに送付した本件文書において,「来月11月よりは完全歩合給(報酬応相談)とさせて頂きたく存じます。」と記載しているのであるから,それ以前の本件契約における対価は,少なくとも完全歩合制とは異なるものであったことが明らかであること,証拠(甲11,乙4,証人A,原告本人)によれば,原告が被告に対し,本件契約の締結時に交付した東海緑地建設作成の「外国人研修生受入れ申込書」をめぐっては,同年9月末日の時点において,東海緑地建設から採用企業が用意すべき資料が提出されることもなく,「その受入れを実施することができ」る状況になかったことが認められるが,それにもかかわらず,被告から原告に対し,同年10月10日に24万円が支払われている(前記第2の2(判断の前提となる事実)(2))ことからすると,上記供述部分を信用することはできない。
なお,A副支部長は,本件契約における対価については,受入企業が実際に外国人研修生を受け入れた場合に,1人につき15万円を支払うとの合意であったと供述する(乙4,証人A)が,その供述は被告の供述内容とも異なるばかりか,その供述に従うと,同日に24万円が支払われたことの説明が困難である(デルタ作成の「外国人研修生受入れ申込書」は,同日の支払後に提出されたものと認められる(原告本人)。)から,これを信用することはできない。
(2)次に,本件契約が雇用契約といえるかについて検討する。
証拠(甲17,乙4,証人A,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,①本件契約は,平成18年9月1日,神保町事務所において,口頭により,原告と被告との間で締結されたものであること,②本件契約の締結に際しては,被告から契約をたくさん取ってくれとの要請があっただけであり,原告が業務を遂行すべき場所,業務を遂行すべき日,すなわち,休日,業務を遂行すべき時間等に話が及ぶことはなく,また,営業活動の方法,被告に対する営業報告,神保町事務所への出頭等,業務の具体的な遂行方法等に話が及ぶこともなかったこと,③その結果,本件契約に基づく業務の遂行については,原告の全くの裁量に委ねられており,被告から業務の遂行に関する具体的な指示がされることもなく,また,業務の遂行について被告から報告を求められることもなかったことがそれぞれ認められる。
このような本件契約の締結の経緯と原告の就業の実態からすると,本件契約においては,もともと原告の労働力の処分を使用者たる被告に委ねるという結果をもたらすような,被告の原告に対する一般的な指揮命令権が予定されていたということはできず,実際の業務の遂行状況をみても,原告と被告との間にこのような指揮命令関係があったということもできない。したがって,本件契約をもって,雇用契約ということはできず,その実態等に照らすと,本件契約の性質は業務委託契約であるというべきである。
この点,原告は,いくつかの事実を指摘し,本件契約が雇用契約であり,業務委託契約等であったとは考えられないと主張し,なるほど前記第2の2(判断の前提となる事実)(3)イのとおり,原告が,本件回答書において,「御社より解雇と言う事となり今後は委託と云う事なのでしょうか?」と記載していることからすると,本件契約を雇用契約であると認識していたことを伺うことができる。
しかしながら,本件契約の締結の経緯と原告の就業の実態は,前述のとおりであり,このような事実に照らすと,被告が本件文書において「完全歩合給」及び「当社在籍」という文言を使用し,国際労研に在籍していることを示す名刺の使用を許諾しているからといって,被告においても,本件契約を雇用契約であると認識していたとすることは困難である。また,本件契約に基づく業務の遂行に対する対価が出来高払いではなく,月額の固定給とされていること,所得税の源泉徴収手続がされていること(ただし,後記4のとおり,当該事実を認めるには足りない。),交通費又は名刺の作成費用を被告が負担していること及び原告が被告ないし国際労研において秘密とされるべき文書の交付を受けていることは,いずれも必ずしも雇用契約に特有のものではなく,業務委託契約においてもままみられるものである。
したがって,原告の指摘する事実をもってしても,上記認定を左右するものではない。
2  争点③(本件契約に基づく業務の遂行の有無)について
前記第2の2(判断の前提となる事実)(4)のとおり,原告は,国際労研を被告とし,平成18年12月27日,本件契約が国際労研との間の雇用契約であるとし,同契約に基づいて,同年10月分及び11月分の賃金合計60万円の支払を求める訴えを東京簡易裁判所に提起しているが,これは,本件契約に基づいて同年10月及び11月に就業したとの事実を根拠とするものであり,また,同訴えに係る訴状(甲6)の「紛争の要点(請求の原因)」欄には「働いていた期間」の項があるが,同項には当該期間の終期が空欄とされている。このことは,原告が,この時点においてなお,本件契約に基づく業務を遂行しており,就業の意思を失っていないことを伺わせる事実である。また,証拠(甲1,証人A,原告本人)によれば,原告は,その営業活動の一つとして,ハローワークに行き,そこで求人活動をしている企業に対し,外国人研修生の受入れを勧誘するという方法をとっていることが認められるところ,平成19年2月7日にハローワークで打ち出した求人票(甲9の1及び2)が証拠として提出されているところである。
なるほど被告が指摘するとおり,原告の就業の事実を示す書証は乏しいといわざるを得ないが,このような事態は,前記1(2)のとおり,本件契約においては,被告が原告に対し,契約をたくさん取るという成果のみを求め,その業務の遂行に関する報告を求めることもなかったという本件契約の締結とその履行の実態にもその一因があると考えられるから,書証が乏しいからといって,これをあながち不自然ということはできない。
そうすると,平成18年10月から少なくとも平成19年2月までの間,本件契約に基づく業務を遂行したという原告の供述(甲1,原告本人)は,これを信用することができるといわなければならない。
3  争点④(本件契約の解除の有無)について
被告は,仮に本件契約の内容として,外国人研修生の受入れができるか否かにかかわらず,月額30万円を支払うとの合意があったとしても,原告に対し,本件文書により,本件契約を解除する旨の意思表示をしたと主張する。
しかしながら,前記第2の2(判断の前提となる事実)(3)アのとおり,本件文書は,「本日は下記の件を是非ともご了解を頂きたく、私の心よりの切なる願をと思いましてご送付申し上げました。」と記載され,原告の同意を求める内容のものであるばかりか,平成18年11月以降の業務の遂行に対する対価の内容についても,「完全歩合給(報酬応相談)とさせて頂きたく存じます。」と記載され,原告との協議の結果として最終的に報酬額を決定することを予定する内容のものである(なお,その後のなお書きにおいては,「当社在籍中に契約終了後、研修生が受入れ企業に就職した時点で、ベトナム人研修生1名につき30万円(但し他国研修生については1名につき18万円)をお支払いさせて頂きます。」と確定的な報酬に言及する部分があるが,これは「別途報酬と致しまして」とあることから,上記「完全歩合給(報酬応相談)」とは別のものであると考えられる。)。
そうすると,被告が原告に対して本件文書を送付したことをもって,本件契約を解除する旨の意思表示があった,あるいは,当該解除の意思表示を含む本件契約の内容を変更する旨の意思表示があったとすることはできない。
そして,本件回答書の内容をみる限り,被告から原告に対し,本件回答書に関して何らかの対応があれば,結果として,本件契約の内容が変更される蓋然性は相当に高いものであったと推認することができるが,被告が本件回答書に何ら対応することがなかった以上,本件契約は,その内容が変更されることなく,従前のまま存続したものというほかない。
4  小結
前記1から3までに述べたところからすれば,原告は,被告に対し,業務委託契約である本件契約に基づいて,平成18年10月から平成19年2月までの就業について,合計150万円の報酬の支払を求めることができる。
もっとも,前記第2の2(判断の前提となる事実)(5)のとおり,被告は,原告に対し,平成21年9月29日の本件口頭弁論期日において,平成18年9月1日の消費貸借契約に基づく貸金債権をもって,原告の本訴請求債権とその対当額において相殺する旨の意思表示をしているが,同年10月10日に支払われた24万円(同(2))は,同年9月分の就業に対する対価である30万円から上記消費貸借契約に基づく原告の借入金返還債務6万円を控除した後のものであると認められる(原告本人尋問の結果中,同6万円のうち1万円が源泉所得税の控除であるかのごとき供述部分があるが,上記供述は推測に基づくものにすぎないばかりか,源泉所得税額が1万円であるということも不自然であり,また,上記源泉所得税額に相当する金員が年末調整等により被告から返戻等されたとの事実を認めるに足りる証拠もないから,結局,その控除部分の全部が上記借入金債務の返済に充てられたものと認定することが相当である。)から,上記相殺は貸金債権残額24万円の範囲にとどまることとなる。
そうすると,原告の請求は,未払報酬合計126万円及びこれに対する最終の支払期日の翌日である平成19年3月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。
第4  結論
以上のとおりであるから,主文のとおり判決する。
(裁判官 松本真)

 

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