【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

「営業 外部委託」に関する裁判例(18)平成29年11月21日 東京地裁 平26(ワ)5039号 業務委託代金請求事件

「営業 外部委託」に関する裁判例(18)平成29年11月21日 東京地裁 平26(ワ)5039号 業務委託代金請求事件

裁判年月日  平成29年11月21日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)5039号
事件名  業務委託代金請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2017WLJPCA11218014

要旨
◆原告会社が、被告会社との間で同社のミネラルウォーターの定期宅配サービス(本件サービス)事業につき、顧客に対する勧誘等について業務委託契約を締結して顧客を勧誘し、業務委託代金が発生したとして、被告会社に対し、同業務委託代金の支払を求めた事案において、原告会社の勧誘した顧客が被告会社と本件サービスの契約を締結してウォーターサーバーの設置が完了した事実が認定されれば、本件業務委託契約における原告会社の被告会社に対する業務委託代金請求権の発生が認められるが、本件サービスの契約締結後6か月以内に原告会社の責めに帰すべき事由により同社の獲得した顧客が解約した場合、被告会社は当該顧客に関する業務委託代金の支払を拒むことができるというべきところ、6か月以内に解約された顧客のうち75%について、かかる事由が認められるとして、被告会社が業務委託代金の請求を拒否できる額を算出し、これを控除して原告会社の債権額を認定する一方、被告会社の原告会社に対する債権額を算定して同各債権を相殺し、請求を一部認容した事例

裁判経過
控訴審 平成30年 5月16日 東京高裁 判決 平30(ネ)111号 業務委託代金請求控訴事件

出典
ウエストロー・ジャパン

参照条文
民法505条
民法643条
民法648条
民法656条

裁判年月日  平成29年11月21日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)5039号
事件名  業務委託代金請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2017WLJPCA11218014

福岡市〈以下省略〉
原告 JTコミュニケーションズ株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 瀬戸伸一
静岡市〈以下省略〉
被告 株式会社ザ・トーカイ
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 松尾栄蔵
同 岩品信明
同 小櫃吉高
同訴訟復代理人弁護士 長井真之
同 中村恵太

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,1319万2787円及びこれに対する平成26年11月18日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを10分し,その1を被告の,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,1億1794万0438円及びうち1億1705万9250円に対する平成26年1月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が,被告との間で被告のミネラルウォーターの定期宅配サービス事業につき,顧客に対する勧誘等について業務委託契約を締結し,同契約に従い顧客を勧誘したことにより,業務委託代金が発生したと主張して,同契約に基づき,当該業務委託代金の支払及びこれに対する商事法定利率に基づく遅延損害金の支払を求めた事案である。
第3  前提事実(末尾掲記の証拠等によるもの以外は争いがない)
1  原告は,被告との間で,平成25年7月1日,以下のとおりの内容の業務委託契約を締結した(以下「本件業務委託契約」という。甲1)。
(1)  業務内容
ア 委託業務内容
「おいしい水の贈りもの うるのん」(ウォーターサーバーを貸与して定期的にミネラルウォーターの宅配を行うサービスのこと。以下「本件サービス」という。)の販売関連業務につき,原告は,被告から,本件サービスの新規顧客の勧誘業務を行う。
なお,本件サービスは,水の種類及び配送頻度に応じて,複数のプランに分かれており,本件では,そのうち,水の種類として,富士の天然水を3週間ごとに2本配送するプラン(以下「定期配送3週」という。)及び4週間ごとに2本配送するプラン(以下「定期配送4週」という。)が対象となっている(乙1)。
イ 諸条件
(ア) 原告の獲得顧客が,被告との間で本件サービスの契約を締結し,ウォーターサーバーの設置が完了した時点をもって獲得1件とする。
(イ) 訪問販売に当たっては,特定商取引法を遵守するものとする。
(ウ) 原告の獲得顧客が,被告との本件サービスの契約締結後半年以内に原告の責めに帰すべき事由(解約を前提とした獲得行為・解約を促す行為等)により,当該契約を解約した場合は,原告は,当該顧客に関し被告から受領した業務委託代金を直ちに被告に返還するものとする。
(2)  業務委託代金(甲2,3)
契約した顧客について,ウォーターサーバーの設置が完了した時点で,1件の顧客獲得とし,以下のとおり,月間の合計顧客獲得数(各プランの月間契約数の総合計)及び契約した配送プランに応じて,1件の顧客獲得に対する業務委託代金(消費税抜。当時の消費税5%)を定める。
月間合計獲得件数 定期配送3週 定期配送4週
(件) (1件当たり単価) (1件当たり単価)
1から4件 5000円 5000円
5から9件 8000円 7000円
10から14件 1万円 9000円
15から19件 1万5000円 1万2000円
20件以上 3万円 2万5000円
また,原告と被告は,平成25年9月1日,同日以降に獲得した顧客については,以下のとおりの業務委託代金(消費税抜)とすることを合意した。
月間合計獲得件数 定期配送3週 定期配送4週
(件) (1件当たり単価) (1件当たり単価)
1から4件 5000円 5000円
5から9件 8000円 7000円
10から14件 1万円 9000円
15から19件 1万5000円 1万2000円
20から499件 3万円 2万5000円
500から999件 3万2000円 2万5000円
1000件以上 3万5000円 2万5000円
(3)  支払日
被告は,原告に対し,毎月末締,翌月末日までに,当月分の業務委託代金を支払う。
2  本件サービスの内容は,概要,以下のとおりである(乙1)。
(1)  本件サービスの利用を希望する顧客は,①申込書面の郵送,②電話による申込み,③本件サービスのホームページ上での申込み(以下「WEB申込み」という。)により,本件サービスを申し込むことができる。被告が,顧客の申込みを承諾することにより,被告と顧客の間に本件サービスにかかる契約が成立する。
ただし,WEB申込みについては,平成25年10月2日以降中止された(乙10)。
(2)  契約成立後,ウォーターサーバーの配送,設置を担当するヤマトホームコンビニエンス株式会社(以下「ヤマトHC」という。)のスタッフが,顧客の自宅にウォーターサーバーを配送し,設置する。
(3)  ウォーターサーバー設置時に,初回サービスとして,水ボトル(12リットル)を2本届ける(水は無料)。
(4)  初回配送後,プランに応じて3週間(定期配送3週の場合)又は4週間(定期配送4週の場合)ごとに,水ボトルを2本届ける(水代は,税・送料込みで1本につき1750円)。
(5)  ウォーターサーバー設置後2年以内に顧客が規約した場合,顧客には,ウォーターサーバー返却手数料(以下「解約手数料」という。)5250円(税込)が発生する。
3  原告における(ただし原告が直接勧誘したもの及び原告が更に再委託した業者によるものを併せたもの),平成25年9月ないし同年11月の定期配送3週及び定期配送4週の顧客獲得数(新規契約顧客へのウォーターサーバー設置完了数)は,以下のとおり合計3182件であり,これらの件数に従って業務委託代金を算定すると,以下のとおり合計1億1034万5000円(税込1億1586万2250円)となる。
(1)  平成25年9月
定期配送3週 1627件 5694万5000円
定期配送4週 26件 65万円
合計 1653件 5759万5000円
(税込6047万4750円)
(2)  平成25年10月
定期配送3週 1417件 4959万5000円
定期配送4週 38件 95万円
合計 1455件 5054万5000円
(税込5307万2250円)
(3)  平成25年11月
定期配送3週 71件 213万円
定期配送4週 3件 7万5000円
合計 74件 220万5000円
(税込231万5250円)
4  原告は,被告に対し,本件業務委託契約における同年9月ないし11月分の業務委託代金の支払を求めたが,被告は,顧客の解約につき原告に責任があると主張して,これを支払わない。
第4  争点及びこれに関する当事者の主張
1  どのような場合に原告の被告に対する業務委託代金請求権が発生するか(請求原因として原告の主張立証すべき事実について・争点1)
(原告の主張)
原告が顧客を勧誘し,当該顧客が被告と本件サービスの契約を締結し,被告が当該顧客にウォーターサーバーを設置した時点で,本件業務委託契約に基づく業務委託代金請求権が発生するものと解され,被告の主張する内容は,業務委託代金請求権が発生するための要件としては必要ではない。
(被告の主張)
(1) 原告の顧客獲得業務の中には,以下の内容も含まれる。
ア 顧客に対し,被告からの指示に従い,本件サービスの利用契約の内容を正確に説明すること
イ 顧客自身に本件サービスの利用契約の申込みをさせること
ウ 解約を前提とした獲得行為・解約を促す行為等を行わないこと
エ 特定商取引法その他法令を遵守すること
オ 顧客に対し営業上の信頼を得るよう適切に対応すること
(2) そして,原告は,獲得顧客ごとに,上記アないしオを含む,顧客獲得業務を履行したことを主張立証しなければならない。
(3) しかし,原告は,これらの事実を主張立証していない。
なお,原被告双方が本件に関して実際に調査することができた個別の顧客につき,原告の顧客獲得業務において不備があるものについての被告の主張は,別紙における,「両調査結果及び原告の主張を踏まえた被告の主張及び証拠評価」欄各記載のとおりである(下記2ないし4についても同様である。)
2  被告が本件業務委託契約第8条第2項④に基づき代金支払を拒むことができるか(被告の抗弁1・争点2)
(被告の主張)
本件業務委託契約第8条第2項④の「支払を中断若しくは拒絶」という文言は,ウォーターサーバーを設置した当月の業務委託代金全部の支払に関するものである。また,実質的にも,本件のように,多数の債務の履行に対して報酬を支払う契約において,一部に債務不履行があった場合はともかく,相当部分に債務不履行があった場合においては,被告は,ウォーターサーバー及びボトルウォーターの配送料,ウォーターサーバーのリニューアル費用,サービスボトル代,回収不能の水代金等で,業務委託代金を上回る損害の負担を強いられる。そして,債務不履行部分について既に支払った報酬を事後的に返還させることが困難であることから,当事者間の合理的意思解釈又は公平の見地から,一方当事者は,報酬全額の支払を拒絶できると解すべきである。
そして,原告の顧客獲得行為の相当部分において,本件業務委託契約違反の行為があったといえ,かような場合は,原告の平成25年9月から11月までの顧客獲得業務の内容には不備があるといえる。
したがって,被告は,本件業務委託契約第8条第2項④に基づき,原告の請求する業務委託代金全額の支払を拒絶する。
(原告の主張)
被告の主張は否認ないし争う。
原告の被告との間に,被告の主張するような合意はない。
被告が,委託業務の内容に不備があり,業務委託代金の支払を拒絶できるのは,原告の責めに帰すべき事由により,契約後半年以内に解約を行った顧客分の業務委託代金のみである。
なお,原被告双方が本件に関して実際に調査することができた個別の顧客につき,原告の顧客獲得業務において不備があると被告が主張する者についての原告の主張等は,別紙における,「両調査結果を踏まえた原告の主張及び証拠評価」欄各記載のとおりである(下記3及び4についても同様である。)
3  早期解約した顧客につき本件業務委託契約第3条(2)3点目に基づき業務委託代金の支払を拒絶できるか(被告の抗弁・争点2)
(被告の主張)
被告は,獲得顧客が,ウォーターサーバー設置日から半年以内に原告の責めに帰すべき事由(解約を前提とした獲得行為・解約を促す行為等)により本件サービスの利用契約を解約した場合には,本件業務委託契約第3条(2)の3点目及び原被告間の個別契約(甲3)第1条(4)の3点目並びに本件業務委託契約第8条第2項④に基づき,原告に対し,当該顧客に係る業務委託代金の支払を拒絶することができる。
原告の主張する獲得顧客のうち,ウォーターサーバー設置後6か月以内に本件サービスの利用契約を解約した顧客は,平成25年9月に契約した者について1353件,同年10月に契約した者について1144件,同年11月に契約した者について50件の合計2547件であり,これらは,原告の責めに帰すべき事由によって解約されたものであり,被告は,上記各規定により,上記合計2547件にかかる業務委託代金9294万6000円の支払を拒絶する。
(原告の主張)
被告は,平成25年9月から同年11月分の獲得顧客のうち,合計2547件が解約され,この全部が,原告の責めに帰すべき事由によるものであると主張するが,全部否認する。
個別の解約理由として問題のあるものは,被告の整理によっても,376件しかないとされており,被告の主張は全く認められない。
4  相殺の抗弁(争点4)
(被告の主張)
(1) 本件サービスの申込みと解約により生じた被告側の費用
ア ウォーターサーバーの設置費用 合計1451万9956円
イ ウォーターサーバーの撤去費用 合計1138万8419円
ウ ウォーターサーバーの洗浄費用 合計1161万7247円
(2) 本件サービスの解約により生じた被告側の損害の填補
平成26年9月末現在で,ウォーターサーバー設置後6か月以内に解約した顧客のうち,解約手数料の支払を行った顧客は,2448名であり,被告の受領した解約手数料は,総額1285万2000円である。
(3) 原告ルートで獲得された顧客の平成25年7月及び8月分の業務委託代金は,被告から原告に対して支払済みであるが,当該顧客のうち,ウォーターサーバー設置後6か月以内に解約された顧客に対しては,業務委託代金として2325万7500円を支払っており,被告は,原告に対し,当該部分の業務委託代金の返還請求権を有する。
(4) 被告は,平成26年11月17日,本件訴訟の第3回弁論準備手続において,上記(1)及び(3)の合計額から上記(2)の額を控除した4793万1122円を,原告の請求と対当額で相殺する旨意思表示した。
(原告の主張)
被告の主張する自働債権の発生については否認する。
当該債務不履行の内容は,結局のところ,ウォーターサーバーが設置されたが解約された顧客について,原告が顧客を勧誘するに当たって,原告の帰責事由があったことにより,被告と当該顧客との間で有効な本件サービスの契約が締結されなかったというものである。
そして,この債務不履行による被告の損害は,顧客の解約時に,顧客との間で有効な本件サービスの契約が締結されていれば得られた利益であり,具体的には,1件当たり,解約手数料相当額の5250円のはずである。
被告は,顧客が解約した際には,ウォーターサーバーの設置費用,同撤去費用,同洗浄費用を顧客に請求するものとはせず,解約手数料5250円の請求をするのみであったのであるから,これを超える損害賠償請求は理由がない。
また,被告は,解約した顧客の大半から,解約手数料を受領しており,仮に,原告の被告に対する損害賠償請求権が発生するとしても,その件数は,被告の主張に比べてきわめて少数である。
その他,洗浄費用について,平成26年4月時点の外部委託先発行の請求書を基にして算定しており,本件の顧客の勧誘委託が中止された平成25年11月上旬頃までは,委託先やその費用が異なる可能性があるもので,洗浄費用を算定するには不適当である。
第5  当裁判所の判断
1  争点1について
前記前提事実及び証拠(甲1)によれば,本件業務委託契約における原告及び原告から再委託を受けた業者(更に委託を受けた業者を含む。以下同様とする。)の業務内容は,本件サービスの販売関連業務であり,具体的には,①原告の勧誘した顧客が被告と本件サービスの契約を締結し,②ウォーターサーバーの設置が完了した時点で獲得1件とするとされていることからすれば,原告の被告に対する業務委託代金請求権が発生するための要件としては,上記①及び②の事実が認定されれば足り,これに関し,原告の勧誘方法に問題があった場合,被告が代金支払前にそれを拒み,あるいは代金支払後に返還を求める際には,被告の方で,原告の勧誘方法に問題があったこと(原告の責めに帰すべき事由の存在)を主張立証しなければならないものと解する。この点,被告は,原告の上記請求権の発生のためには,原告において,適切に勧誘したこと(原告の責めに帰すべき事由がないこと)を主張立証しなければならないと主張するが,前記前提事実1(1)イ(ウ)によれば,本件業務委託契約の諸条件として,原告の獲得顧客が,被告との本件サービスの契約締結後半年以内に原告の責めに帰すべき事由(解約を前提とした獲得行為・解約を促す行為等)により,当該契約を解約した場合は,原告は,当該顧客に関し被告から受領した業務委託代金を直ちに被告に返還するものとするとされていることが認められ,このような契約文言に照らせば,上記の場合は,原告の責めに帰すべき事由が存在した場合に業務委託代金の返還を求めることができると定めたと解するのが自然であり,また,証拠(甲1)によれば,被告が業務委託代金の支払を中断又は拒絶できる場合として,委託業務が一部又は全部が未完了の場合,あるいは委託業務の内容や請求金額等に不備がある場合と定められていることが認められ,やはり,上記文言に照らせば,被告において,上記事実を主張立証しなければならないと解するのが自然である。したがって,被告の主張は採用できない。
そして,前記前提事実のとおり,平成25年9月から11月までの間,合計3182件の新規顧客においてウォーターサーバーが設置されたというのであり,これらについて,請求原因としては,いずれも原告の被告に対する業務委託代金請求権が発生したものと認められる。
2  争点2について
この点,被告が,原告に対し,業務委託代金の返還を求めることができるのは,上記1において示した場合であるとされているところ,これは,個々の顧客において,当該事由が存在する場合に,業務委託代金の返還を求めることができる規定と解するのが自然である。そうでなければ,何ら問題なく顧客が本件サービスを利用している場合があっても,当該顧客との関係でも被告は業務委託代金の返還を求め得ることになり,いかにも不合理である。
そして,このことは,業務委託代金が支払済みである場合であっても,未だ支払に至っていない場合であっても同様である。
そうすると,仮に,一部の顧客に関し,原告の勧誘方法に問題があったことなどの原告の責めに帰すべき事由の存在が認められたとしても,全ての顧客においてそのようにいえない限り,被告において,上記1で認定した件数の全てについて,業務委託代金の支払を拒むことができるということはできない。もちろん,個別の顧客について上記事情が認められた場合には,被告が業務委託代金の支払を拒むことができるのは当然であるが,それは,下記3において検討すれば足り,少なくとも,当該争点に対する判断としては,被告の主張には理由がないということになる。
3  争点3について
上記1及び2において示した点に照らせば,本件サービスの契約締結後6か月以内に原告の責めに帰すべき事由により顧客が本件サービスを解約した場合,被告は,原告からの当該顧客に関する業務委託代金請求を拒むことができるというべきである(請求を拒むことができる部分については,遅延損害金も発生しないことは当然である。)。
そして,前記前提事実で認定した事実関係からうかがわれる,本件サービスにかかる被告のビジネスモデルに鑑みれば,顧客が,2か月や3か月といった短期間の利用ではなく,年単位の利用を想定して契約が締結されることが求められていると解することができる。そうすると,本件において,原告の責めに帰すべき事由があるといえる場合とは,勧誘時に,直ちに解約しても構わないとか,解約時に解約手数料がかかることを告げないとか,顧客において,6か月以内のいわゆる短期解約でもいいからとりあえず契約すればよく,かつ,そのことによって顧客に特段の不利益が生じないと思わせるような勧誘文言を用いて勧誘したと認められる場合をいうと解すべきである。
なお,被告は,WEB申込み時におけるメールアドレスが重複していることをもって,勧誘時における上記事由に当たる旨主張するが,少なくとも,本件においては,いったんはウォーターサーバーが設置された件についての請求であることを考えると,登録されたメールアドレスが顧客本人のものでなかったとしても,そのことから直ちに,短期解約に結びついたということはできず,これらの事情から,当然に上記事由の存在が認められるということはできない。また,キャッシュバックについて言及して勧誘した場合については,確かに,キャッシュバックがもらえると顧客が認識すれば,短期解約に至る動機の形成に資するともいえるが,原告が,キャッシュバックが可能であると告げて勧誘することを被告において明確に禁止したことを認めるに足りる証拠はないことからすれば,キャッシュバックが可能であることを告げて勧誘したとしても,直ちに,上記事由の存在が認められるとまではいえないが,その結果,顧客において,短期解約に至る動機となっている場合には,そのリスクは勧誘者の側において負担すべきであるというべきであり,上記事由の存在が認められるというべきである。
これらを前提に本件についてみるに,まず,被告において調査した顧客(乙30,31,45)につき,被告のみが聴取できた者については,調査時の質問の方法や時間等,具体的な調査の状況が明確でなく,また,一方当事者からのみの聴取結果であることに照らすと,直ちにその内容が信用できるということはできない。
一方,上記調査対象者のうち,原告からも調査した,あるいは裁判所の書面尋問の結果が存在する者については,その回答内容は信用できるというべきである。そして,これらの者の合計99人(甲10ないし甲15)のうち,約25%に当たる25人(甲10,11,12の242,12の253,12の294,12の354,12の356,12の357,12の358,12の363,12の365,12の404,12の408,12の422,12の480,12の495,12の551,12の553,12の556,12の580,12の591,13(C及びD),15(E及びF))については,解約手数料の説明を受けたことがあるとか,解約した者においても,その理由として,味が合わないなど,本件サービスの内容自体に対する理由であるとか,原告の勧誘方法に問題があったとはいえないといえる(これらの者について,被告側からの調査においては,別途発言があった者の存在もうかがわれるが,これら事由の存在については被告において立証しなければならないことに照らせば,ただちに上記事由の存在が認められるとまではいえない。)。しかし,その余の者(約75%)については,前記事由に当たる事情が存在していることがいずれも認められる。そうすると,当該事情が存在すると認められる上記74人について,被告が業務委託代金の請求を拒否できることは明らかである。
しかし,本件はこれにとどまるものということはできない。上記調査対象者の母数は,本件の対象となる顧客全体との比較で見れば,割合としては多くないとはいえ,絶対数で見れば,十分本件における他の顧客に対する勧誘状況を推認させるに足りるといえる。このことは,証拠(乙133。本件において,顧客獲得数については当事者間に争いがなく,その信用性はおくとしても,被告において,前記証拠(乙30,31,45)等において,多数の顧客に調査を行っていることに照らすと,信用できる数値である。)及び弁論の全趣旨によれば,原告の勧誘した顧客において,6か月以内に解約した者が全体の8割に及んでいることとも整合する。なお,この点について,原告は,解約者が増加したのは,平成25年10月15日以降,被告が顧客に対して本件に関する調査を行い,キャッシュバックが受けられなくなった顧客等から解約が急増したからであると主張するが,上記証拠(乙133)のとおり,同日より前においても,既に同年7月分の顧客で78.95%,同年8月分の顧客で49.40%の解約率であったのであるから,その後,結果的にどの月の顧客においても同程度の解約率となっていることを併せ考えると,解約率の高さは,被告の責任ではないというべきである。そして,被告においても,原告以外の業者においても,6か月以内の解約率として10%であると主張していることも踏まえると,本件請求の対象となっている顧客のうち,6か月以内に解約された顧客(2547名)のうち75%(1910名分・本件で対象となる顧客全体の6割)について,原告の責めに帰すべき事由があるというべきである。なお,原告は,原告を含め,実際に勧誘を担当した業者ごとに検討する必要がある旨主張するが,原告による請求全体との比較で見れば足り,そのように検討する必要はない。
そうすると,上記事由に基づき,被告が業務委託代金の請求を拒否できるのは,前記合計額1億1586万2250円の6割に当たる6951万7350円ということになる。なお,具体的には,平成25年9月分のうちの6割に当たる3628万4850円,同年10月分のうちの6割に当たる3184万3350円,同年11月分のうちの6割に当たる138万9150円の合計となる。
4  争点4について
(1)  証拠(乙27)によれば,本件の対象となっている顧客に関し,被告は,ウォーターサーバーの設置費用合計1451万9956円,ウォーターサーバーの撤去費用合計1138万8419円及びウォーターサーバーの洗浄費用合計1161万7247円を要したことが認められる。
(2)  また,証拠(乙25)によれば,平成26年9月末現在で,ウォーターサーバー設置後6か月以内に解約した顧客のうち,解約手数料の支払を行った顧客は,2448名であり,被告の受領した解約手数料は,総額1285万2000円であることが認められる。
(3)  さらに,証拠(乙25)によれば,原告ルートで獲得された顧客の平成25年7月及び8月分の業務委託代金は,被告から原告に対して支払済みであるが,当該顧客のうち,ウォーターサーバー設置後6か月以内に解約された顧客に対しては,業務委託代金として2325万7500円を支払ったことが認められる。
(4)  そして,上記(1)については,本件の原告の請求する顧客に関し,原告の責めに帰すべき事由によって,被告が負担を余儀なくされたものが含まれており,原告の債務不履行として,被告が原告に対し請求し得るが,前記3のとおり,当該顧客のうち,被告が原告からの請求を拒めるのは6か月以内に解約された者の75%であり,自働債権として認められるのも,上記(1)の合計の75%である。
また,(2)についても,自働債権に対して控除する必要があるのは,上記(2)の額の75%である。
そして,(3)については,原告の本件の請求の対象とはなっていない時期であるが,原告の勧誘に態様に特段の違いがあると認められる事情はなく,(3)についても,被告が原告に対して返還を請求できるのは,(3)のうち75%である。
(5)  そうすると,上記(1)及び(3)の合計から(2)を控除した合計4793万1122円の75%に当たる3594万8341円をもって,被告は,原告に対し,平成26年11月17日に,原告の請求額と対当額で相殺することが認められる。
5  まとめ
以上の結果,原告が被告に対し請求できる金額は,以下の計算のとおりとなる。
(1)  被告が拒絶できる請求金額を控除した額
1億1586万2250円-6951万7350円=4634万4900円
(2)  被告の相殺後の残額
ア 相殺日(同日以前の被告準備書面において被告の請求権を主張していることなど弁論の全趣旨により,同日をもって相殺適状の日と認める。)までの確定遅延損害金(1円未満切捨て)
(ア) 平成25年11月30日時点での損害金 11万9292円
(イ) 同年12月1日から同月31日までの損害金 23万1449円
(ウ) 平成26年1月1日から同年11月17日までの損害金 244万5487円
イ 相殺後の残額
4634万4900円+11万9292円+23万1449円+244万5487円-3594万8341円=1319万2787円
(3)  小括
以上により,原告は,被告に対し,1319万2787円及びこれに対する平成26年11月18日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。
第6  結論
以上のとおりであるから,原告の請求は主文掲記の限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求については理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第24部
(裁判官 奥田大助)

 

〈以下省略〉

 

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