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「営業 スタッフ」に関する裁判例(1)平成30年 7月25日 東京地裁 平28(ワ)12781号 損害賠償等請求事件

「営業 スタッフ」に関する裁判例(1)平成30年 7月25日 東京地裁 平28(ワ)12781号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成30年 7月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)12781号
事件名  損害賠償等請求事件
文献番号  2018WLJPCA07258015

裁判年月日  平成30年 7月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)12781号
事件名  損害賠償等請求事件
文献番号  2018WLJPCA07258015

大阪府箕面市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 加藤健次
同 坂本雅弥
東京都港区〈以下省略〉
被告 メガ・ブルーバード株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 神田孝
同 井嶋倫子
同 清野龍作

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,666万0619円及びこれに対する平成28年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを10分し,その8を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,798万8529円及びこれに対する平成28年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,メガ・ブルーバード英会話教室のa校(以下「本件教室」という。)について,(フランチャイジーである)被告との間でフランチャイズ契約(以下「本件契約」という。)を締結した原告が,被告に対し,①被告の勧誘は違法な欺まん的顧客誘引に当たるほか,情報提供義務違反があり,また,被告には経営指導義務違反もあったと主張して,不法行為又は債務不履行に基づき,初期費用として被告に支払われた加盟金等相当額の損害賠償金624万3000円と平成26年5月から平成27年10月までに本件教室の売上げから控除された講師派遣費用(上乗せ分)相当額の損害賠償金142万円の合計766万3000円及びこれに対する平成28年5月15日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の,また,②平成25年3月及び平成26年1月に講師採用費用として本件教室の売上げから控除された合計20万円並びに平成26年3月,同年9月及び平成27年3月にミズホファクター引落手数料等として本件教室の売上げから控除された合計12万5529円は,いずれも原告の同意なく控除された法律上の原因のないものであると主張して,不当利得返還請求権に基づき,合計32万5529円及びこれに対する平成28年5月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める事案である。
1  前提事実(認定に用いた証拠は括弧内に示した。)
(1)  原告は,昭和15年生まれの女性である。また,B(以下「B」という。)は,原告の娘であり,b生命保険相互会社(以下「b生命」という。)に勤務している。
(2)  被告は,メガ・ブルーバード英会話教室のフランチャイジーである。被告は,平成21年に大阪市〈以下省略〉所在のcショッピングセンター(以下「本件ショッピングセンター」という。)内に本件教室を開設して直営していた(甲1)。
(3)  原告は,被告との間で,平成24年10月末頃,本件契約を締結し(契約期間は,同年11月1日から平成27年10月31日までの3年間),平成24年11月から本件教室の営業を開始した。なお,本件契約の締結に当たり,被告から説明を受け,本件契約の締結後に本件教室を実質的に経営していたのは,Bであった。なお,Bは,この頃,(株式会社dが展開する)幼児親子教室のフランチャイズ「○○」(以下「別件フランチャイズ」という。)にも加盟した(乙13の16,証人B)。
(4)  原告は,平成24年10月から平成25年1月までの間に,被告に対し,初期費用として,以下の内訳欄記載の費用として合計624万3000円(なお,加盟金及びチラシ代以外は,消費税を含む。以下「本件初期費用」という。)を支払った(甲4の1,2,弁論の全趣旨)。
(内訳)
加盟金 120万0000円
教材費 52万5000円
開業準備金 78万7500円
販促費 183万7500円
内装工事費 189万0000円
チラシ代 3000円
(5)  本件教室では,入学金等の現金で受け取る収入は,被告が定めた銀行口座に入金し,毎月の月謝はファクタリング会社が集金して被告の指定する口座に振り込むこととされ,また,被告は,毎月末日締めで,原告に対する当月請求分の費用(ロイヤルティ,講師派遣費用,本件教室の賃料等)と本件教室における当月分の月謝等の収入を対当額で相殺し,その残額を翌月末日に原告に返還していた(甲5,証人B,証人C,弁論の全趣旨)。
(6)  原告は,本件契約の契約期間満了時である平成27年10月に本件教室の営業をやめた(証人B)。
2  争点及びこれに関する当事者の主張
(1)  被告による本件契約の勧誘が不法行為を構成するか
(原告の主張)
本件契約の締結前に被告がBにした以下の説明と実際との乖離からすれば,被告による本件契約の勧誘は,独占禁止法の不公正な取引方法(欺まん的顧客誘引)に当たるほか,情報提供義務違反があるといえ,不法行為を構成するというべきである。
ア 原告及びBは,英会話教室の経営やフランチャイズ経営を行った経験はなかったところ,被告は,「a校収支表シミュレーション」(甲2。以下「本件シミュレーション」という。)をBに交付し,その説明をしたが,本件シミュレーションに示された本件教室の売上げ,生徒数及び粗利益の予測は,実際のそれとは大きく異なっていた。
イ 被告は,本件教室の経営開始後は,被告が原告を支援するため,英会話教室の経営の経験がなくとも安心して経営することができると説明していた。すなわち,被告は,本件教室のフランチャイズ契約は,副業,投資として,本業を持ちながらグローバル時代の教育活動に奉仕できるホワイトナイト契約である旨が記載された「校舎案内 a校」(甲1。以下「本件案内」という。)をBに交付し,加盟店が教室運営や生徒募集について義務を負うものではないから,会社員と兼職していても本件教室の経営は可能である旨説明した。しかし,実際には,本件教室の生徒数が伸びない状態の中で,被告は原告の支援等を行わなかった。
ウ 本件案内には,本件教室には,「地元出身なので,お客様の状況やニーズをよく掴んでいる」講師であるD及びE(以下,両名を「Dら」という。)がいると記載され,被告は,Dらがいるので教室経営が安心であるかのように説明していたが,原告が本件教室の経営を始めた時点ではDらは退職していた。
エ 被告は,本件教室への講師派遣費用につき,生徒数100名までは月額32万円,生徒数130名までは月額40万円と説明していたが,実際には,平成26年5月から平成27年6月まで,本件教室の生徒数が100名に満たなかったにもかかわらず,月額40万円(ただし,平成26年8月は月額38万円。合計で142万円)を本件教室の売上げから控除した。
(被告の主張)
争う。原告の主張するアからエについては,以下のとおりであり,被告の勧誘が不法行為を構成するとはいえない。
ア 被告が,本件契約の締結前に本件シミュレーションを交付して,その説明をしたことは認めるが,本件シミュレーションは,本件教室を経営した際の経費を説明する資料であって,売上げや粗利益の予測をするものではない。すなわち,本件シミュレーションには,売上高が記載されているが,これは被告のフランチャイズに加盟する際の初期投資を契約期間3年で回収するために,最低限必要な売上げを目標値として示したものであり,原告が加盟した場合の売上げを予想したり,保証したりするものではない。被告は,本件シミュレーションを示すに当たり,そのことをBに説明している。なお,Bは,b生命に勤務しているほか,本件契約の締結と同じ頃に別件フランチャイズにも加盟していたことからすれば,Bが,事業経営につき知識,経験を有していなかったとはいえない。
イ 被告は,Bに対し,ショッピングセンターは,経済的信用力の低い加盟店とは直接契約しないことから,加盟店が被告からショッピングセンター内の直営校を譲り受けて加盟する場合には,被告の信用を利用して事業を行うことになること,そのため,教室の運営や講師管理業務は被告が,生徒募集業務は加盟店が担当するという役割分担があることを説明した。また,被告は,本件契約がホワイトナイト契約であるとの説明はしたが,これは,加盟店が(初期費用の一つとしての)販促費(1回25万円の生徒募集業務7回分)を被告に先払いして,加盟後1年間のキャンペーン活動(生徒募集活動)を被告に委託する契約形態のことであり,加盟店が生徒募集義務を負わないとの説明はしていない。なお,被告は,Bに対し,加盟店が希望する場合には,(上記の1年間経過後も)有償で,ホワイトナイト契約を継続することが可能である旨(本件契約の契約書別紙費用規定6条参照)の説明もしたが,Bは,上記の1年経過後の生徒募集活動については,夫と協力して自分たちでやると述べた。
ウ 本件案内は,平成24年2月時点のデータであったため,被告は,同年10月20日にBが本件教室を見学した際に,Dらが既に退職していることを説明するとともに,本件教室の講師であるFを紹介した。さらに,被告は,本件教室内に掲示されている講師紹介を示して,同日,本件教室にいなかった他の全ての講師についても説明した。現に,本件訴訟の前に,原告側からDらがいないのは事前の説明と異なる旨の指摘がされたことはなかった。
エ 被告からの派遣講師を利用する場合,本件教室では1曜日(特定の曜日を週1回月4回10時から19時まで勤務)当たり(日本人講師と外国人講師とで)合計8万円になること,本件教室は当時5曜日開校しており,本来の月額講師派遣費用は40万円になるが,現時点では,教室が半日しか稼働していない日があるので,被告のサービスとして1年目は講師派遣費用を4曜日分(月額32万円)に減額し,2年目からは5曜日分の請求とすることを説明した。なお,本件シミュレーションの欄外に「人件費100名まで32万 130名まで40万」との記載があるが,これは被告の経験上,生徒数100名までの場合は4曜日稼働でも対応可能だが,130名となると5曜日が必要となるため,参考までに記載したもので,被告は,Bに対し,実際の講師派遣費用は開校日数で決まることを説明している。
(2)  原告(B)に対する本件教室の経営指導について被告に債務不履行があるか
(原告の主張)
本件契約上,被告は,原告に対して,英会話教室運営のノウハウ及び情報の継続的提供をすること(これに付随する業務を含む。)とされ(契約書5条1項1号,12号),被告の依頼に基づき,又は,被告と協議し,本件教室の講師の採用サポートを行うこととされている(契約書6条1項)。また,被告は,本件契約の締結前にBに対し,本件教室について指導・支援が万全であると説明していた。したがって,被告は,原告に対し,本件教室における生徒数を増加させ,収益をあげるための指導・支援を行う本件契約上の義務があったのにこれを行わなかった。
(被告の主張)
争う。以下のとおり,被告には本件教室の経営指導について債務不履行はない。
ア 本件契約には,被告に,本件教室における生徒数を増加させ,収益をあげるための指導・支援を行う義務があるとは明記されていない。
イ 被告は,本件契約の契約書5条の定める役割分担に従い,教室運営に必要なカリキュラム・教材を準備し,Bの要望に応じて教室を運営するための講師を派遣し,本件教室の運営を適切に行った。また,被告は,Bに対し,研修の受講を要請したり,加盟店の情報共有等の目的で定期的に開かれる全体会議への参加を呼びかけたりしたが,Bは,平成25年11月まで研修を受講せず,全体会議も平成26年9月の会議に参加しただけであった。本件契約上,販促活動(生徒募集業務)は,原告(B)の役割である。本件契約上,生徒募集業務を被告に有償で委託することは可能であるが,Bは夫と協力して自分たちで行うと述べて,初期費用に含まれるもの以外の販促費用を支出していない。
(3)  被告の不法行為又は債務不履行による原告の損害
(原告の主張)
原告は,被告の不法行為又は債務不履行により,被告に支払われた本件初期費用相当額624万3000円及び本件教室の売上げから控除された講師派遣費用(上乗せ分)相当額142万円の損害を被った。
(被告の主張)
争う。
(4)  被告の不当利得の有無
(原告の主張)
被告は,以下の費用について,一方的に原告の負担とする旨を通知して,原告の同意がないにもかかわらず,本件教室の売上げから控除し,不当に利得した。
ア 講師採用費用
被告は,平成25年3月及び平成26年1月,講師採用費用としてそれぞれ10万円を本件教室の当該各月の売上げから控除した。なお,G講師(以下「G講師」という。)及びH講師(以下「H講師」という。)は,いずれも被告の他の校舎に所属していた者であり,新たに本件教室の担当になったからといって,新規の講師採用費用を原告が負担する理由はない。
イ ミズホファクター引落手数料等
被告は,平成26年8月,原告に対し,「ミズホファクター引落手数料」,「生徒損害保険料」及び「会計事務所への月謝請求入力手数料」を「追徴金」として,毎年3月及び9月に売上げの3%を請求する旨の覚書を送付し,同年3月に4万8153円,同年9月に3万7588円,平成27年3月に3万9788円の合計12万5529円を本件教室の当該各月の売上げから控除した。
(被告の主張)
争う。以下のとおり,被告に不当利得はない。
ア 被告は,平成25年3月及び平成26年1月にそれぞれ10万円の講師採用費用を本件各教室の当該各月の売上げから控除した。これは,平成25年3月末にI講師が退職することとなったため,原告からの依頼に基づいてG講師を,また,平成26年1月には原告からG講師に不満があるので新しい講師を採用してほしいとの依頼があったためH講師をそれぞれ(被告において)採用し,研修した費用である。本件契約の契約書別紙費用規定4条では,加盟店が被告に講師の新規採用を依頼する場合,研修等の費用として講師1人当たり10万円を支払うこととされている。
イ 被告は,平成26年3月から毎年3月と9月の年2回,「ミズホファクター引落手数料」,「生徒損害保険料」及び「会計事務所への月謝請求入力手数料」の一部として売上げの3%を請求している。これらの費用は,いずれも加盟店の教室運営により発生する費用であるから本来加盟店が負担すべき費用であるが,加盟店が少ないうちは,被告がサービスで負担してきた。しかし,加盟店数の増加及び平成26年4月からの消費税の増税により,(被告にとって)ミズホファクター引落手数料等の負担が大きくなったことから,加盟店に一部を負担してもらう必要が生じた。そこで,被告は,平成25年9月30日に開催された加盟店が参加する全体会議の席上で,上記の負担について説明し,加盟店の多数から承諾を得た。原告(B)が,上記会議に参加していなかったことから,同年10月22日,被告は,Bに,上記会議の内容及び結果を説明し,ミズホファクター引落手数料等の負担についての同意を得ている。
第3  判断
1  認定事実
前記前提事実に加え,証拠(認定に用いた証拠は括弧内に示す。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(1)  Bは,大学の法学部卒業後フルタイムでb生命に勤務していたところ,平成22年○月に出産し,平成23年4月まで育児休暇を取得していたが,その後仕事に復帰した(甲23,証人B)。
(2)  Bは,平成24年9月17日,インターネットのフランチャイズ総合情報サイトを通じて,メガ・ブルーバード英会話教室のフランチャイズに関する資料請求をしたところ,被告の担当者であるJ(以下「J」という。)がBに電話をし,東京都内の被告の本社で面談することとなった。なお,Bは,この時までに,英会話教室の経営やフランチャイズの経営の経験はなかった。(甲23,乙1,17)
(3)ア  Bは,平成24年10月15日,被告の本社を訪ね,被告代表者及びJと1時間ほど面談した。その際被告代表者及びJは,本件案内(甲1)及び本件シミュレーション(甲2)をBに交付して,それらを示しながら本件教室を経営することを前提とする被告のフランチャイズシステムについての説明をした。なお,被告代表者及びJは,Bが,保険会社に勤務し,子供がいて子育てが大変であること及びBが二人目の子供をもうけることも考えていることを聞いていた。(証人B,証人J)
イ  本件案内には,以下のような,記載がある。
(ア) 本件教室が,平成21年に被告の直営校として本件ショッピングセンター内に開設され,平成24年2月現在の生徒数が75名であること。
(イ) 本件教室の予想収益額が,1年目116万2166円,2年目113万1298円,3年目199万3710円であること。
(ウ) 本件教室の講師として担当歴3年以上のDらがおり,地元出身なので,お客様の状況やニーズをよく掴んでいること。
(エ) 平成24年4月現在の教室稼働率が60%で,生徒増加余力があること。
(オ) 費用として,加盟時費用と運営費用があること,並びに,加盟時初期費用として,物件保証金150万円及びメガ・ブルーバード向け保証金100万円を含めて約850万円の支払が必要であること。
(カ) 他社と比較したホワイトナイト契約の特色として,講師採用,講師管理,校舎運営,販売促進の全てを被告が行い,オーナーの関与は「副業として営業」であること。また,ホワイトナイト契約は,副業,投資として,本業を持ちながら,グローバル時代の教育活動に奉仕できる魅力があること。
(キ) 他社との収益モデルの比較として,ホワイトナイト契約では,平均初期投資額が約800万円,平均生徒数が約120名,平均月謝が約9450円,平均月間経費が約88万円,平均月間オーナー収入が約28万3000円であること。
ウ  本件シミュレーションには,(6月から翌年5月までを1年分とする)3年間分について,各月の生徒数(在来人数,新規人数),売上高,ロイヤルティを含む各種費用,粗利益,純利益率等が記載されている。生徒数(在来人数)について,1年目の10月は78名だが,その後増加を続け,3年目の7月には120名を超える旨(具体的には123名)の記載がされている。また,粗利益は,月間ベースでは,マイナスとなる月もあるが,年間ベースでは,1年目が154万8206円,2年目が192万7315円,3年目が283万9678円と記載されている。
(4)  Bは,平成24年10月20日,Jの案内で本件教室を見学し,その際,本件教室にいた講師と顔合わせをした。なお,Dらは,この時既に,本件教室の講師をやめていた。(証人B,証人J)
(5)  Bは,被告側からの説明を原告に伝えて,相談した結果,平成24年10月下旬頃,Jに対して本件契約を締結する意向を伝えた。なお,本件契約に関する資金を原告が出えんすることから,契約者名義はBでなく,原告となった。(証人B,証人J)
(6)  原告は,被告との間で,平成24年10月末頃,本件契約を締結し(契約期間は,同年11月1日から平成27年10月31日までの3年間),平成24年11月から本件教室の営業を開始した(なお,本件教室を実質的に経営したのは,Bであった。)。
Bは,この頃,別件フランチャイズにも加盟した。別件フランチャイズは,都市部の新規出店の場合,完全業務委託型であり,また,黒字化まで本部が責任を持って運営し,黒字化しない場合は本部が買い取りを保証しており,Bは,別件フランチャイズが加盟店の実働を前提としていないという認識のもとに加盟した(甲14,乙13の18,証人B)。
(7)  原告は,平成24年10月から平成25年1月までの間に,被告に対し,本件初期費用を支払った。なお,Bの要請を受けて,被告は,初期費用のうち物件保証金及びメガ・ブルーバード向け保証金の支払を免除した(乙3,証人J)。
(8)  本件教室では,入学金等の現金で受け取る収入は,被告が定めた銀行口座に入金し,毎月の月謝はファクタリング会社が集金して被告の指定する口座に振り込むこととされ,また,被告は,毎月末日締めで,原告に対する当月請求分の費用(ロイヤルティ,講師派遣費用,本件教室の賃料等)と本件教室における当月分の月謝等の収入を対当額で相殺し,その残額を翌月末日に原告に返還していた。
(9)  被告は,初期費用の一つとして販促費175万円(税抜き価額)を受け取っていたことから,Bが本件教室の営業を始めてから1年間の間に本件ショッピングセンター内において,少なくとも7回のキャンペーン(1回当たり2週間で,費用は25万円(本件契約の契約書別紙費用規定6条参照))を行った。しかし,本件教室の生徒数は,2年目の一時期に70名台のこともあったが,その余は概ね60名台であり,粗利益も,月単位では黒字の月もあったが,黒字分は全てそれまでの赤字分に補填されて,原告が収益を受け取ったことは一度もなく,原告が本件教室の営業を終了した平成27年10月時点では,累計で138万3217円の赤字となっていた(なお,甲5の3枚目の平成27年10月における累積赤字を示した欄には「138万3216円」と記載されているが,同号証の3年間分の売上げ合計2582万0699円(1年目789万0938円,2年目939万6541円,3年目853万3220円)と費用合計2720万3916円(1年目825万3903円,2年目939万6902円,3年目955万3111円)との差は,138万3217円となる。)。被告は,同年12月,原告に対して,138万3216円の支払を求める請求書を送付したが,原告はこれを支払っていない。(甲5,41,乙4,19,証人B,証人C)
2  被告による本件契約の勧誘が不法行為を構成するか(争点(1))について
(1)  フランチャイズ契約においては,店舗経営の知識・経験に乏しく資金力も十分でない者が加盟を希望する場合が少なくない。そして,このような場合,加盟を希望する者がフランチャイザーの意見に大きく影響され得ることから,フランチャイザーは,フランチャイズ契約の勧誘するに当たり,加盟を希望する者に対して客観的かつ的確な情報を提供すべき信義則上の義務を負っているというべきである。そして,フランチャイザーが上記のような情報提供義務に違反したといえるか否かは,加盟を希望する者の知識・経験や契約締結の経緯等の事情を考慮して判断するのが相当である。
(2)  Bの知識・経験等について
Bは,大学の法学部卒業後,フルタイムでb生命に勤務する者であり,被告の英会話教室のフランチャイズ及び別件フランチャイズへの加盟の検討を同時並行的に行っていたが,以前に,英会話教室の経営を経験したり,フランチャイズの経営をしたりした経験はなかったから(前記認定事実(1),(2)),フランチャイズに関する知識・経験は限定的なものであったといえる。また,Bは,上記の会社勤務のほかに,育児を抱え,さらに二人目の子をもうけることも考えていることを被告代表者及びJに告げており(前記認定事実(3)ア),Bは,別件フランチャイズについて,加盟店の実働を前提としていないという認識のもとに加盟した(前記認定事実(6))。
(3)  被告代表者及びJのBに対する説明ついて
ア 原告は,被告代表者及びJのBに対する説明の問題点として,①本件シミュレーションに基づく本件教室の売上げ,生徒数及び粗利益の予測が,実際のそれとは大きく異なっていたこと,②本件教室のフランチャイズ契約は,副業,投資として,本業を持ちながら(経営が)でき,加盟店が教室運営や生徒募集について義務を負うものではないから,会社員と兼職していても本件教室の運営は可能である旨説明されたが,実際には生徒募集が加盟店の担当業務とされていたこと,③本件教室にはDらがいるので教室経営が安心であるかのように説明されたが,原告が本件教室の経営を始めた時点ではDらは既に退職していたこと,④本件教室への講師派遣費用につき,生徒数100名までは月額32万円,生徒数130名までは月額40万円と説明されたが,実際には,平成26年5月から平成27年6月まで,本件教室の生徒数が100名に満たなかったにもかかわらず,月額40万円(ただし,平成26年8月は月額38万円。合計で142万円)を本件教室の売上げから控除されたことを主張している。そこで,以下,これらについて検討する。
イ ①について
(ア) この点,被告は,本件シミュレーションには,売上高が記載されているが,これは被告のフランチャイズに加盟する際の初期投資を契約期間3年で回収するために,最低限必要な売上げを目標値として示したものであり,原告が加盟した場合の売上げを予想したり,保証したりするものではない旨主張し,被告J〈原文ママ〉がこれに沿う証言及び陳述をしている。
(イ) しかし,被告代表者及びJが,平成24年10月のBとの面談時に示した本件案内には,本件教室が平成21年から被告の直営校として運営され,平成24年2月現在の生徒数が75名であること,本件教室の予想収益額が,1年目116万2166円,2年目113万1298円,3年目199万3710円であること,同年4月現在の教室稼働率が60%で,生徒増加余力があること,(被告の英会話教室の)平均生徒数が約120名であることなどが記載され,本件シミュレーションには,各月の売上高のほか,生徒数(在来人数)について,1年目の10月は78名だが,その後増加を続け,3年目の7月には120名を超えること(具体的には123名),粗利益は,月間ベースでは,マイナスとなる月もあるが,年間ベースでは,1年目が154万8206円,2年目が192万7315円,3年目が283万9678円であることなどが記載されている。そして,本件シミュレーションは,その体裁・内容からして,被告が主張するような被告のフランチャイズに加盟する際の初期投資を契約期間3年で回収するために,最低限必要な売上げを目標値として示したものとみるのは困難であり,売上高,生徒数,粗利益等についての予測を記載したものと理解するのが自然である。
このように,本件案内及び本件シミュレーションは,本件教室がもともと被告の直営校としての実績があったことを踏まえ,加盟を希望する者にとって,本件教室における収益は1年目から黒字であり,その生徒数も大幅に増加することを強く期待させる内容となっているが,そのような予測の合理性を裏付ける証拠はない。
(ウ) そうすると,平成24年10月のBとの面談時に,上記のような内容を持つ本件案内及び本件シミュレーションに基づいて行われた被告代表者及びJの説明は,本件教室の売上高,生徒数,粗利益等について,本件教室が直営校であったことを一つのセールスポイントとしつつ,合理的な裏付けがないまま極めて楽観的な予想を示したものであったといわざるを得ない。
ウ ②について
(ア) この点,被告は,平成24年10月のBとの面談時に,本件契約では,教室の運営や講師管理業務は被告が,生徒募集業務は加盟店が担当するという役割分担があることを説明し,さらに,本件契約がホワイトナイト契約であるとの説明はしたが,これは,加盟店が(初期費用の一つとしての)販促費を被告に支払い,加盟後1年間(回数にして7回前後)のキャンペーン活動(生徒募集活動)を被告に委託する契約形態のこと(なお,加盟店が希望する場合には,(上記の1年間経過後も)有償で,ホワイトナイト契約を継続することが可能)であり,加盟店が生徒募集義務を負わないとの説明はしていない旨主張し,証人Jがこれに沿う証言及び陳述をしている。
(イ) 確かに,Bは,初期費用のうちの販促費175万円について,被告が行うキャンペーンの経費であるという認識はあり(証人B),本件契約の契約書5条2項には,生徒募集が加盟店の担当業務である旨が定められ,さらに,同契約書別紙費用規定6条には,加盟店が被告に対してキャンペーンへの営業スタッフの派遣を要請する場合の費用(1クール(2週間)当たり,25万円)に関する定めが設けられている(甲3)。
(ウ) しかし,上記面談時に示された本件案内には,他社と比較した被告の英会話教室フランチャイズの特色として,ホワイトナイト契約の紹介があり,それによると講師採用,講師管理,校舎運営及び販売促進を全て被告が行い,加盟店は,副業,投資として,本業を持ちながら(経営が)できる旨が記載されているが,その記載から,販促活動(生徒募集)が原則として加盟店の担当業務であり,加盟店が有償で被告に委託した場合に限り,被告がこれを代行するという趣旨を読み取るのは難しいといわざるを得ない。また,フルタイムの仕事を持ち,幼児を抱えていることを被告代表者やJに告げているBが,被告が主張するような役割分担を説明されれば,本件案内の記載との違いが問題になるなどしたはずであるにもかかわらず,そのようなことが問題とされた形跡もなく,最終的に,Bが,本件契約後に教室のオーナーとして何ら業務をする必要はないという認識のまま,本件契約の締結に至っていること(証人B)からすると,加盟店が原則として生徒募集業務を担当することについて説明した旨の証人Jの上記証言及び陳述は採用できない(なお,被告は,上記面談時に本件契約の契約書のひな形をBに示して説明した旨主張し,証人Jがこれに沿う証言をするが,上記と同様の理由から,同証言は採用できない。加えて,本件契約の契約書5条2項には,英会話教室の運営,管理及び英会話指導を行う講師の管理は加盟店の担当業務である旨が定められているにもかかわらず,これらは被告の担当業務であるとされており(証人J),上記契約書の担当業務の定めから,被告と加盟店の担当業務の分担が一義的に明らかであるとまではいえない。)。
(エ) 以上によれば,被告代表者及びJは,平成24年10月のBとの面談時に被告の英会話教室フランチャイズの特色として,加盟店は,副業,投資として,本業を持ちながら(経営が)できる旨を述べる一方で,生徒募集業務については,被告に有償で委託するほかは,原則的に,加盟店の担当業務であることを明確に説明していなかったと認めるのが相当である。
エ ③について
(ア) 確かに,本件案内には,本件教室の講師として担当歴3年以上のDらがおり,地元出身なので,お客様の状況やニーズをよく掴んでいる旨の記載がある。
(イ) しかし,Bは,平成24年10月20日にJの案内で本件教室を見学し,本件教室の講師を紹介されるなどしていることからすれば,その際に,Dらの在職の有無も話題になったと考えるのが自然であり,Dらの退職についての説明がされていた旨の証人Jの証言及び陳述は信用することができる。
(ウ) したがって,Jが,本件契約締結時までに,Dらの退職をBに説明していなかったとは認められない。
オ ④について
(ア) 確かに,本件シミュレーションの1ページ目の欄外には,「人件費100名まで32万 130名まで40万」との記載がある。
(イ) しかし,本件シミュレーションの「人件費」欄をみると,1月目(すなわち営業開始月)から11月目までが月額32万円(この間の生徒数(在来人数)は63ないし93名),1年目から2年1月目までが月額40万円(この間の生徒数(在来人数)は93ないし118名),2年2月目から3年目までが月額48万円(この間の生徒数(在来人数)は123ないし138名)と記載され,必ずしも上記(ア)で示された規則性に従った金額とはなっていない。また,本件教室には,日本人講師と外国人講師がいたところ(証人J),本件契約の契約書別紙費用規定4条には,講師派遣費用として,1曜日(10時から19時を基本とする8時間勤務)当たり,日本人講師が4万5000円,外国人講師が3万5000円と規定されていること(甲3)にも照らすと,本件教室は当時5曜日開校しており,本来の月額講師派遣費用は40万円になるが,現時点では,教室が半日しか稼働していない日があるので,講師派遣費用を4曜日分(月額32万円)に減額すること,本件シミュレーションの欄外に「人件費100名まで32万 130名まで40万」との記載があるが,これは目安であり,開校する曜日によって変わり得ることをBに説明した旨の証人Jの証言は信用できる。
(ウ) したがって,被告代表者及びJが,平成24年10月の面談時に,Bに対して,講師派遣費用について事実と異なる説明をしたとは認められない。
(4)  情報提供義務違反の有無ついて
ア 本件教室は,もともと被告の直営校であり,被告から売上げ等の予測を示された者は,それらがこれまでの実績に基づく信頼性の高いものと受け止めやすいと考えられるから,被告としては,そのような予測を示すに当たり,その合理性を吟味するとともに,説明の際にも誤解を与えないように注意すべきであった。また,上記(2)で認定したとおり,Bは会社員としてフルタイムで稼働している上,幼児の子育てを抱えているなどの事情があることを被告代表者及びJに告げていたから,被告としては,そのような原告(B)において,本件教室を経営していけるか否かを適切に判断できるように,原告(B)と被告との間の業務の役割分担について誤解を与えないように特に配慮すべきであった。
イ しかしながら,上記(3)で検討したところによれば,被告代表者及びJの説明は,本件教室の売上げ,生徒数及び粗利益等の予測について,本件教室が直営校であったことを一つのセールスポイントとしつつ,合理的な裏付けのない極めて楽観的なものであったこと,被告の英会話教室フランチャイズの特色として,副業,投資として,本業を持ちながら(経営が)できる旨を述べる一方で,生徒募集業務については,被告に有償で委託するほかは,原則的に,加盟店の担当業務であることを明確に説明していなかったことが認められ,上記(2)で認定したBの知識・経験を踏まえると,これらの点は,契約締結についての判断を誤らせるおそれの大きかったものといえる。
ウ したがって,被告には,上記の点について情報提供義務違反があり,被告による本件契約の勧誘は不法行為を構成するというべきである。
3  被告の不法行為(情報提供義務違反)による原告の損害(争点(3))について
(1)ア  上記2で述べたところによれば,被告には情報提供義務違反があり,これがなければ,(Bから説明を受けた)原告が本件契約を締結することはなかったといえる。そうすると,上記情報提供義務違反と相当因果関係のある原告の損害は,本件契約を締結した場合と本件契約を締結しなかった場合の財産状況の差,すなわち,①原告が実際に出えんした本件初期費用(624万3000円)及び②本件教室の損失分(売上げと費用の差額(マイナス分))ということになる(なお,原告は,上記損失分を支払っていないが(前記認定事実(9)),本件の事実関係に照らして,本件契約が公序良俗に反して無効とまでは認められない以上,原告は,上記損失分の債務を負っていることになるので,損害を観念し得る。また,上記情報提供義務違反による損害を上記のように考える以上,争点(2)の判断如何によって,これを超える損害が認められることはないから,争点(2)については判断しない。)。
イ  ところで,上記②について,甲5に記載された本件教室の3年間の費用合計は,2720万3916円(前記認定事実(9))となっているが,このうち,22万5529円分は,後記4(1)ウ及び(2)ウで判示するとおり,本件契約が無効とならないとしても,被告が原告に請求し得るものとはいえないから,これを,上記費用から控除すべきであり,その結果,本件教室の損失分は,115万7688円(計算式:2582万0699円(3年間の売上合計)-(2720万3916円-22万5529円))となる。
ウ  過失相殺
上記2(2)で認定したBの属性等に鑑みれば,Bにおいても,本件契約を締結するまでに,被告の示した本件シミュレーションによる予測の合理性について,被告代表者やJに問い合わせて,検討することが可能であったといえること,また,本件契約の契約書にも一とおり目を通しており(証人B),加盟店の役割分担についてBの認識と異なることが記載されている以上,被告代表者やJに問い合わせて,検討することが可能であったといえることなどの事情に鑑みると,本件契約を締結したことにつき,原告側にも過失があるといえるから,10%の過失相殺をするのが相当である。
エ  以上によれば,本件契約の勧誘時における被告の情報提供義務違反と相当因果関係のある原告の損害は,666万0619円(1円未満切り捨て。計算式:(624万3000円+115万7688円)×(1-0.1))となる(原告は,本件初期費用相当額(624万3000円)及び講師派遣費用の上乗せ分(142万円)の合計766万3000円を被告の不法行為又は債務不履行による損害と主張しているところ,確かに,講師派遣費用の説明に限定してみれば,前記2(3)オで判示したとおり,被告代表者及びJは,平成24年10月の面談時にBに対して事実と異なる説明をしたとは認められない。しかし,既に判示したとおり,本件契約の勧誘過程全体を見た場合に,被告に情報提供義務違反が認められ,それによる原告の損害として認められる額(666万0619円)が,原告の請求する損害額(766万3000円)の範囲内である以上,前者の金額(666万0619円)を原告の損害として認容することに特段の問題はない。なお,上記ア,イで述べたことからすれば,上記の115万7688円については,被告は原告に対して債権を有しているといえるから,別途その支払を請求できることになる。)。
4  被告の不当利得の有無(争点(4))について
(1)  講師採用費用について
ア 被告が,平成25年3月にG講師の講師採用費用として,また,平成26年1月にH講師の講師採用費用として,本件教室の売上げから被告に10万円ずつ(合計20万円)を控除したことは当事者間に争いがない。
イ 本件契約書の契約書別紙費用規定5条1項によれば,加盟店が被告に講師の新規採用を依頼する場合には,講師の新規採用研修費として10万円を支払う旨の定めがある(甲3)。この点,乙12(日本人講師雇用契約書)によれば,H講師は,本件教室の講師として新規採用された蓋然性が高く,被告による(同講師の)講師採用費用の控除が法律上の原因に基づかないとは認められない。これに対して,G講師については,証人Bは,同講師が被告のe校で既に採用されていた旨証言するところ,上記のような雇用契約書の証拠提出もないことからすれば,本件教室の講師として新規採用されたものとは認められず,被告による講師採用費用の控除は,法律上の原因に基づかないものと認められる。
ウ もっとも,G講師に係る講師採用費用(10万円)は,原告が実際に出えんしたものではなく,原告が本件教室の損失分を被告に支払っていないことも既に認定したとおりであるから,前記3(1)イのとおり,被告が原告に請求し得る金額から控除すれば足り,それとは別に不当利得返還請求を認める必要はない。
(2)  ミズホファクター引落手数料等について
ア 被告が,「ミズホファクター引落手数料」,「生徒損害保険料」及び「会計事務所への月謝請求入力手数料」として,平成26年3月に4万8153円,同年9月に3万7588円,平成27年3月に3万9788円の合計12万5529円を本件教室の売上げから控除したことは当事者間に争いがない。
イ 被告は,平成25年9月30日に開催された加盟店が参加する全体会議の席上で,ミズホファクター引落手数料等の負担について説明し,加盟店の多数から承諾を得,また,Bにも,上記会議の内容及び結果を説明して,同意を得た旨主張し,証人Cがこれに沿う証言をする。しかし,上記アの各費用は,その内容に照らして一義的に加盟店が負担すべきものとまではいえないところ,前記全体会議のプログラムに,上記各費用の負担の件が議題とされたことを示す記載がない(甲27の1・2,証人C)など,前記証言を裏付ける客観的な証拠がないことからすると,これを直ちに採用することはできない。そして,このほかに被告の上記主張に係る事実が存在することをうかがわせる証拠もない。したがって,被告によるミズホファクター引落手数料等の控除は,法律上の原因に基づかないものと認められる。
ウ もっとも,ミズホファクター引落手数料等(12万5529円)は,原告が実際に出えんしたものではなく,原告が本件教室の損失分を被告に支払っていないことも既に認定したとおりであるから,前記3(1)イのとおり,被告が原告に請求し得る金額から控除すれば足り,それとは別に不当利得返還請求を認める必要はない。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は,被告に対し,損害賠償金666万0619円及びこれに対する平成28年5月15日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。よって,主文のとおり,判決する。
東京地方裁判所民事第44部
(裁判官 飛澤知行)

 

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