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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(89)平成28年 3月25日 東京地裁 平26(ワ)14054号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(89)平成28年 3月25日 東京地裁 平26(ワ)14054号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成28年 3月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)14054号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA03258021

要旨
◆被告SP社らの代表取締役であった被告Y1及び被告SPI社の代表取締役であった被告Y2(被告Y1ら)から勧誘を受け、本件ファンドに本件出資をした原告が、本件ファンドへの出資は、それ自体が金融商品まがい取引や詐欺的未公開株商法に該当して違法であり、そうでないとしても、被告Y1らによる本件ファンドへの出資の勧誘が適合性原則違反、説明義務違反及び断定的判断の提供により違法であるなどと主張して、被告Y1らに対しては不法行為責任又は役員等の第三者に対する損害賠償責任に基づき、被告会社らに対しては代表者の行為についての損害賠償責任又は不法行為責任に基づき、損害賠償を求めた事案において、本件出資に原告を勧誘するに当たり信義則上要求される説明義務を果たさなかった被告Y1らの説明義務違反を認めるとともに、同被告らによる断定的判断の提供も認めて、被告Y1らの不法行為責任を認めるとともに、本件ファンドの一連の勧誘行為につき、被告らは連帯して損害賠償責任を負うとした上で、原告の過失割合を4割と認めて、請求を一部認容した事例

参照条文
民法709条
民法719条
民法722条2項
会社法350条
会社法429条1項

裁判年月日  平成28年 3月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)14054号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA03258021

東京都新宿区〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 荒井哲朗
同 五反章裕
東京都港区〈以下省略〉
被告 Y1(以下「被告Y1」という。)
東京都中央区〈以下省略〉
東京都港区〈以下省略〉(送達場所)
被告 株式会社ストラテジックパートナーズ(以下「被告パートナーズ」という。)
同代表者代表取締役 Y1
東京都中央区〈以下省略〉
東京都港区〈以下省略〉(送達場所)
被告 株式会社ストラテジックパートナーズ・インベストメント(以下「被告インベストメント」という。)
同代表者代表取締役 Y1
東京都杉並区〈以下省略〉
被告 Y2(以下「被告Y2」という。)
同訴訟代理人弁護士 弘中惇一郎
同 品川潤

 

 

主文

1  被告らは,原告に対し,連帯して,990万円及びこれに対する被告Y1については平成26年6月26日から,被告パートナーズ及び被告インベストメントについては平成26年7月3日から,被告Y2については平成26年6月20日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は,これを5分し,その2を原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,1650万円及びこれに対する被告Y1については平成26年6月26日から,被告パートナーズ及び被告インベストメント(以下,併せて「被告パートナーズら」という。)については平成26年7月3日から,被告Y2については平成26年6月20日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は,原告が,被告パートナーズらの代表取締役であった被告Y1及び被告インベストメントの代表取締役であった被告Y2(以下,併せて「被告Y1ら」という。)から勧誘を受け,被告インベストメントを営業者,被告パートナーズを販売者とするベトナム未公開株ファンドⅡ(以下「本件ファンド」という。)に出資(以下「本件出資」という。)をしたが,本件ファンドへの出資は,それ自体が金融商品まがい取引や詐欺的未公開株商法に該当して違法であり,そうでないとしても,被告Y1らによる本件ファンドへの出資の勧誘が適合性原則違反,説明義務違反及び断定的判断の提供により違法であり,本件出資により出資金相当額の損害を被ったと主張して,被告Y1らに対しては不法行為責任(民法709条,719条)又は役員等の第三者に対する損害賠償責任(会社法429条1項)に基づき,被告パートナーズらに対しては代表者の行為についての損害賠償責任(会社法350条)又は不法行為責任(民法709条,719条)に基づき,損害賠償金1650万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
2  前提事実(証拠を掲記しない事実は当事者間に争いがないか弁論の全趣旨により認められる。)
(1)  当事者等
ア 原告は,昭和43年生まれの医師である。
イ(ア) 被告パートナーズは,投資顧問業,国内外の有価証券の投資,売買,保有,運用等を目的とする株式会社であり,本件ファンドの販売者である。
(イ) 被告インベストメントは,国内外の金融資産に関する投資顧問業務等を目的とする株式会社であり,本件ファンドの営業者である。
(ウ) 被告Y1は,平成19年4月25日に被告パートナーズの取締役に,同年5月21日にはその代表取締役に,同年6月30日に被告インベストメントの代表取締役に就任した者であり,現在も被告パートナーズらの代表取締役である。
(エ) 被告Y2は,平成14年4月18日から平成19年5月21日まで被告パートナーズの代表取締役であり,同年6月13日までその取締役であった者である。
(2)  原告の本件出資
本件ファンドは,ベトナムの未公開株式,上場予定(OTC市場銘柄)の株式等へ投資して中長期的な値上がり益を享受することを目的とし,平成22年8月31日までを契約期間として予定するものと説明されており,平成19年7月9日から同年8月3日までが申込期間とされていた(甲7の1・2)。
原告は,同年7月頃,被告パートナーズに対し,そのホームページを通じて,本件出資を申し込み,その出資金として,同月26日,29日及び同年8月1日,それぞれ500万円(合計1500万円)を被告インベストメント名義の口座に振り込んだ(甲6)。
(3)  本件出資後の経過
被告インベストメントは,本件ファンドについて,平成20年4月30日,同年10月28日,平成21年4月28日,同年11月24日,平成22年5月1日,同年10月29日付けで,本件ファンドの出資者に対する第1期から第6期まで各期の事業報告(事業年度は毎年9月1日から翌年2月末日までと3月1日から8月31日までの各期間。)を行った(甲14の1~6)。
その後,被告インベストメントは,平成23年5月29日付けで,本件ファンドの出資者に対し,平成20年の原油価格の上昇に端を発したインフレやリーマンブラザーズ破綻に伴う世界的な金融危機など当初想定し得なかった事態に見舞われ,ファンド運用期間を平成22年9月1日から平成24年8月31日までの2年間延長することを余儀なくされたことから,上記延長期間の管理報酬を放棄して,出資者に最大のリターンをもたらすべく最大限の努力をする旨記載した書面(甲8)を送付し,平成24年6月15日付けで,ベトナムの株式市況の悪化と通貨の値下がりにより損が出ていることから,ファンドの再延長を求める旨記載した書面(甲9)を送付した。
本件ファンドでは,現在まで,出資者への配当は一度も実施されず,出資金の返金もない。
3  争点
(1)  本件ファンドへの出資が正常な金融商品取引とは異質の金融商品まがい取引であるといえるか否か(争点1)
(2)  本件ファンドへの出資が価格を偽って出資を募る未公開株商法に該当するといえるか否か(争点2)
(3)  本件出資への勧誘が適合性原則に違反するか否か(争点3)
(4)  本件出資への勧誘が説明義務に違反するか否か(争点4)
(5)  本件出資への勧誘が断定的判断の提供に該当するか否か(争点5)
(6)  被告らが上記(1)~(5)について責任を負うか否か(争点6)
(7)  損害の有無及びその額(争点7)
4  争点に対する当事者の主張
(1)  争点1について
(原告の主張)
本件ファンドは,当初から,取引により生じうる損益が出資者に適切に帰属させるに足りる実質を備えておらず,このようなファンドへの出資は,正常な金融商品取引とは異質の金融商品まがい取引に該当する。これは,下記ア~オの事実等から明らかである。
ア 本件ファンドにおいて,現在まで,出資者への配当が一度も実施されず,出資金の返金がないこと。
イ 外国人がベトナム国内で証券取引を行う際に必要となるベトナム証券振替機関への証券取引コードやCCA口座を被告らが取得したことを証明する証拠が提出されていないこと。
ウ 本件ファンドの投資対象である未公開株を被告らが取得したこと,本件ファンドの損益状況等を証明する証拠が提出されていないこと。
エ 本件ファンドに係る出資金が被告Y1個人名義の口座に入金されていること。
オ 本件ファンドの投資対象である企業のデューデリジェンスや未公開株の購入価格算定の際に作成した資料等が証拠として提出されていないこと。
(被告らの主張)
被告Y1は,ベトナムを訪問して投資対象となる企業の調査を行った結果,ベトナムの上場株式市場はバブル化しており,ベトナムに投資するのであれば未公開株企業が適当であると判断した。そこで,被告Y1は,被告Y2の助言を受けながら,企業の決算関係書類,事業計画書等を精査し,経営者と面談するなどした結果に基づき,利益の中期的成長性,財務安定性,企業や製品の地名度等を考慮して,本件ファンドの投資対象を選定した。なお,被告Y1は,本件ファンド設立に先立ち,その適法性について,弁護士の助言を受け,金融庁に確認をした上で設立を行い,その設立後も,関東財務局の検査を受けているが,問題がないとの評価を得ている。
(2)  争点2について
(原告の主張)
本件ファンドについて,①法制度上,経営状況に関する適切な情報開示の制度がないこと,②未公開株の正当な価格に関する情報を得にくいこと,③本件各株式について,上場されなかった株式があり,上場された株式の価格も購入価格を大幅に下回る価格で推移しており,原告の投下資本の大半は回収不能になっていることから,このようなファンドへの出資は,未公開株が本来の価値に比して著しく高額であるにもかかわらず,これをあたかも適正な価格であるかのように偽って販売する未公開株商法に該当すると推認できる。
(被告らの主張)
否認ないし争う。
(3)  争点3について
(原告の主張)
本件ファンドは,下記ア,イのとおり,商品自体の持つリスクの高さ,原告の投資知識や取引経験等に照らして不適当な商品であったから,その勧誘行為は適合性原則に違反するものであった。
ア 本件ファンドの商品性
本件ファンドは,下記(ア)~(カ)のとおり,多くのリスクを含む商品である。
(ア) カントリーリスク
本件ファンドの投資先であるベトナムは,先進国と比べて,政情,経済等が不安定で,為替の大きな変動等が頻繁に起こるリスクがある。
(イ) 元本の大幅欠損のリスク
本件ファンドは,株価が値下がりするときは,元本が大幅に欠損するリスクが非常に高い。
(ウ) 株式の未上場のリスク
本件ファンドの投資対象である未公開株は,結果として上場できないリスクがあり,本件各株式の中にも上場できなかったものが存在しており,そのリスクが顕在化している。
(エ) 流動性リスク
ベトナムは,株式の自由市場が整備されておらず,未公開株を当初の想定価格で売却することができるか否かが不確実であり,本件ファンドの中途解約が原則として許されないことから,出資者は,投資した資金を拘束されるリスクを負う。
(オ) 情報リスク
本件ファンドへの出資者は,出資に先立ち,その前提となるベトナム国内の株式の市況,経済の状況等の基本的な情報を取得することが困難であるから,本件ファンドは,投資判断が非常に難しいといえる。
(カ) 為替リスク
本件ファンドには為替リスクがあり,その変動の幅は大きい。
イ 原告の投資知識及び取引経験
本件ファンドは,ベトナムの未公開株市況などベトナムに関する情報に精通していることが出資の判断に必要であるハイリスクな商品であるところ,原告は,上記の情報に精通しているとはいえないから,本件ファンドに対する適合性を有していなかった。
(被告らの主張)
原告には,投資信託や投資用のマンションを購入した経験があり,投資に失敗した経験もあった。そして,原告は,インターネットや説明会等を通じて,本件ファンドに関する情報収集を行い,重要事項説明書やリスク確認書等を読んだ上で,本件投資を行った。よって,原告は,本件ファンドのリスクを理解した上で本件投資を行ったといえるから,被告Y1らの勧誘に適合性原則違反はない。
(4)  争点4について
(原告の主張)
上記(3)(原告の主張)アのとおり,本件ファンドには多様なリスクが内在し,その程度も極めて高い。しかし,被告Y1らが,本件出資に先立ち,原告に対し,本件ファンドのリターンのみを強調して説明したことにより,原告は,本件ファンドに出資をすれば,必ず未公開株が値上がりし,利益を得ることができると誤解していた。よって,被告Y1らは,原告に対し,上記の誤解を解いた上で,上記リスクの内容及びその程度を理解できるように説明する義務があったといえる。しかし,被告Y1らは,これらについて十分な説明せず,かえって,本件ファンドのリターンばかり強調する説明を繰り返した。
(被告らの主張)
原告は,説明会等において,本件ファンドにリスクがあることや元本割れする可能性があること等の説明を受け,本件出資を行う際に,投資リスクについて詳細に説明されている重要事項説明書等を読んで,そのリスクを理解した上で本件出資を行ったものであるから,被告らは,原告に対し,必要な説明を行ったといえる。
(5)  争点5について
(原告の主張)
被告Y1らは,本件出資に先立ち,原告に対し,ベトナム未公開株が10年後には40倍,50倍になることも夢ではない,ベトナム未公開株はリスクのないただ飯であり,食わねば一生の不覚であるなどと本件ファンドが確実に利益を生み出す投資である旨の勧誘を繰り返し,断定的判断の提供を伴う勧誘を行った。
(被告らの主張)
被告Y1らは,原告に対し,ベトナム経済の有望性等を説明したが,誇大な内容を告げて原告を扇動するようなことはしておらず,断定的判断の提供はない。
(6)  争点6について
(原告の主張)
ア 被告Y1らは,上記(1)~(5)の違法行為について,不法行為責任を負う(民法709条)。
また,被告Y1らは,被告パートナーズらの代表取締役として,被告パートナーズらの事業が適法なものとなるように業務執行を行う義務があったのにこれを怠り,上記の違法行為をしたものであり,その職務を行うについて悪意又は重過失があったといえるから,これにより原告に生じた損害について損害賠償責任を負う(会社法429条)。
イ 本件ファンドに係る取引は,被告パートナーズらの通常の業務の範囲内のものであるから,被告パートナーズらは,上記の違法行為について,固有の不法行為責任を負う(民法709条)ほか,被告Y1は被告パートナーズらの代表取締役,被告Y2は被告パートナーズの代表取締役であったことから,被告パートナーズらは,被告Y1らが被告パートナーズらの職務の執行について行った上記の違法行為により生じた損害を賠償する責任を負う(会社法350条)。
ウ 被告らは,投資家への対応,資料の送付,勧誘行為等の役割を分担するなど,共同して上記の違法行為に関与していることから,共同不法行為責任を負う(民法709条,719条)。
(被告Y1及び被告パートナーズらの主張)
否認ないし争う。
(被告Y2の主張)
もともと本件ファンドの運営は,被告Y1が行っていたものであり,被告Y2は関与していないこと,被告Y2は,平成19年5月21日に被告パートナーズの代表取締役を,同年6月13日に同社の取締役を退任した後,本件ファンドに全く関与していないことからすると,原告が同年7月に行った本件出資について,被告Y2は不法行為責任を負わない。
なお,被告Y2は,上記の取締役退任後も,ベトナム未公開株ファンドの説明会等に参加して,その説明を行ったことがあるが,その目的はベトナム未公開株ファンドに対する投資家の反応を確認し,その実現可能性を調査することにあり,上記説明は本件ファンドへの勧誘行為に該当しないから,この説明を根拠に不法行為責任を負うこともない。
(7)  争点7について
(原告の主張)
原告は,被告らの不法行為等により,出資金相当額である1500万円の損害を被り,これと相当因果関係のある弁護士費用は150万円である。
過失相殺の主張は争う。被告らの不法行為等は故意によるものであるから,過失相殺をすべきではない。
(被告らの主張)
否認ないし争う。
なお,原告には本件出資について過失があるから,仮に被告らに損害賠償責任が認められる場合には,賠償額の算定に当たり,相当な割合で過失相殺がされるべきである。
第3  当裁判所の判断
1  認定事実
上記第2の2の前提事実と後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,被告Y1の本人調書(甲12)並びに被告Y2の陳述書(乙ニ1,3),本人調書(甲13)及び本人尋問の結果のうち,この認定に反する部分は採用することができない。
(1)  原告の職歴,財産状況,取引経験等
ア 原告の職歴
原告は,昭和43年○月○日に生まれ,長崎大学医学部卒業後,医師として働いており,現在は東京都内の総合病院に勤務している。
イ 原告の財産状況
原告は,本件出資を行った当時,年収約1000万円であり,金融資産として,預貯金約1700万円と投資信託(購入価格500万円)を有していたが,約8700万円の負債(下記ウのの含み損)を抱えていた。
ウ 原告の投資経験
原告は,平成7年頃,投資目的でワンルームマンションを7件購入したが,その価格が下落したため,含み損を抱えたまま,現在もこれを売却できていない。
原告は,平成18年11月頃,投資信託を500万円で購入している。(甲22,原告本人)
(2)  本件ファンド設立の経緯
被告Y1らは,平成18年12月頃,経済成長率が約8パーセントと好調であり,投資対象としての有望性がメディアにおいてしばしば取り上げられていたベトナムの株式に対する投資の検討を始めた。被告Y1は,ベトナムの経済事情を分析した上で,ベトナムの上場株式は既に割高でありバブル化していると判断し,主な投資対象を上場予定のベトナム未公開株に絞り,成長可能性の高い未公開株の転売益を得ることを目的とするベトナム未公開株ファンドを設立することにした。
被告Y1は,平成19年2月頃から投資対象となる企業の調査を始め,同年5月頃からは自らベトナムを訪問して現地での調査を行うようになった。被告Y1は,被告Y2の知人であるハノイ在住のベトナム人から有望な会社の紹介を受けた後,ベトナム国内のアナリストや有識者からの聞き取りや,投資対象の候補である企業の社長から財務諸表,事業計画やアニュアルレポート等の資料を踏まえた聞き取りを行った。そして,被告Y1は,上記の調査を経て,平成19年7月下旬,ベトナム未公開株ファンド(本件ファンドを含む。以下同じ。)の投資対象企業として,アルファナム,ダオジャファット,サイゴンツーリスト・トランスポート(以下「サイゴンツーリスト」という。),MOMOTA(以下「モモタ」という。),CMCの5社(以下「本件各企業」といい,本件各企業の発行する株式を「本件各株式」という。)を選定した。
被告Y2は,ベトナムにおける人脈を活かして被告Y1に現地の有力者を紹介したり,ベトナム未公開株ファンドのスキーム作りに関与するなどした。(甲2の1,3,12,13,乙イ1,9,11~13,15,17)
(3)  本件ファンドの概要
ア 本件ファンドの目的
本件ファンドは,ベトナムの未公開株等を安値で購入し,上場後に高値で売却することで差益を享受することを目的としている。
イ 本件ファンドの内容
本件ファンドは,被告インベストメントを営業者とし,被告パートナーズを販売者として,平成19年7月9日から同年8月3日までを申込期間,平成22年8月31日までを契約期間としていたが,営業者の裁量で契約期間を2年間延長する可能性があるとしていた。
本件ファンドの基本的な仕組みは,下記(ア),(イ)のとおりである。
(ア) 本件ファンドの出資希望者は,営業者(被告インベストメント)との間で,ベトナム未公開株ファンドⅡ匿名組合契約(甲7の1。以下「本件匿名組合契約」という。)を締結する。そして,出資希望者は,同契約に基づき,匿名組合員として,営業者の営む事業のために営業者に対して1口当たり100万円の出資を行い,営業者は,事業から生ずる利益及び損失を匿名組合員に分配する。
(イ) 匿名組合員は,株式売却益等から費用等を控除した金額から分配金を受け取ることができる。また,匿名組合員は,匿名組合に係る損失について,出資金の範囲内でのみ負担する。
ウ 本件ファンドに係る出資金の使途
営業者は,本件ファンドにおいて,出資金を,①英国領バージン諸島の法律に基づいて設立された法人であるRising Sun Co.,Limited(以下「ライジングサン」という。)の発行する株式の購入,②管理報酬(出資金の5.25パーセント相当額の申込手数料と,平成19年8月4日における純資産の額の2.1パーセント相当額の管理手数料),③為替差損,④成功報酬(収入から費用を控除した金額がプラスの場合その金額の21パーセント相当額。),⑤その他の経費に使用することとされていた。
エ 本件ファンドのスキーム
営業者は,匿名組合員からの出資金で,ライジングサンの発行する優先株式を購入する。優先株式購入代金(出資金)は,ライジングサンのホンコン・アンド・シャンハイ・バンキング・コーポレーション・リミテッド口座,被告Y1のベトナム投資開発銀行口座を経由して,ベトナム国内に送金される。ライジングサンは,被告インベストメントや香港に所在する会社であるベターハウスの助言に従い,送金された出資金を原資としてベトナム未公開株等を購入する。
被告Y1は,弁護士や金融庁から,営業者が投資運用を行うことが法律上禁止されていると聞いたので,他社のスキームを参考にして,ライジングサンに投資運用を行わせる上記スキームを採用した。
(甲4,7の1・2,12,乙イ4,5,8,24~28)
(4)  本件各株式の取得の経過等
本件ファンドにおける本件各株式の取得及び売却の経過は,下記ア~オのとおりである。
なお,被告パートナーズらは本件ファンドの組成及び販売と相前後してこれと同種のファンド(ベトナム未公開株ファンドⅠ)を設立して販売したところ,本件ファンド及び上記ファンドの投資対象及び投資経過は共通であり,下記購入数及び売却数は本件ファンド及び上記ファンドの合計である。
ア アルファナム
アルファナムの株式は,平成19年12月18日に上場した。
ライジングサンは,同年10月4日,上記株式を1株当たり5万ドンで22万6000株購入し,平成20年12月20日,1株当たり1万8216ドンで全株売却した。
イ CMC
CMCの株式は,平成22年1月22日に上場した。
ライジングサンは,平成19年10月4日,上記株式を1株当たり24万ドンで39万7000株購入し,平成23年8月31日時点でも,同数の株を保有していた。
ウ サイゴンツーリスト
サイゴンツーリストの株式は,平成23年7月8日に上場した。
ライジングサンは,平成19年9月26日,上記株式を1株当たり9万ドンで156万株購入し,平成20年12月20日,1株当たり8万ドンで84万2860株売却し,平成23年8月31日時点では,71万9000株を保有していた。
エ ダオジャファット
ダオジャファットの株式は,現在まで上場していない。
ライジングサンは,平成19年10月21日,上記株式を1株当たり11万1500ドンで96万株購入し,平成20年12月20日,1株当たり5万5000ドンで42万4080株買い増し,平成23年8月31日時点では,138万6000株を保有していた。
オ モモタ
モモタの株式は,現在まで上場していない。
ライジングサンは,平成19年10月21日,上記株式を1株当たり5万3000ドンで28万9000株購入し,平成20年12月20日,1株当たり5万1500ドンで138万8960株買い増し,平成23年8月31日時点では,28万9000株を保有していた。
(甲12,14の1・5,15,乙イ5~8,24,28)
(5)  被告Y1らの経歴及びベトナム未公開株ファンドへの出資の勧誘
ア 被告Y1らの経歴
(ア) 被告Y1の経歴
被告Y1は,一橋大学卒業後,コロンビア大学経営大学院に留学し,銀行や証券会社等での勤務を経て,被告インベストメントを設立した。被告Y1は,日経人気アナリストランキングに3年連続で入賞し,モーニングスター株式会社のファンドオブザイヤーで優秀賞を取得したことがある。また,被告Y1は,高杉晋作の直系七代目である,100億円を超える個人資産を保有していると自称していた。
(イ) 被告Y2の経歴
被告Y2は,一橋大学卒業後,銀行等での勤務を経て,被告パートナーズを設立した。被告Y2は,香港と台湾で通算約10年勤務したことがあり,株式や通貨への投資に関する著書がある。
(甲4)
イ ブログ等におけるベトナム未公開株についての記載
(ア) 被告Y2のコラム(甲2の1)
被告Y2は,「○○」と称するコラムサイトにおいて,「華僑の生き方 国境なき世界の先覚者に学べ 人生を楽しみ,豊かにすごすために」と題するコラム(以下「Y2コラム」という。)を連載し,その中で次の内容の記載をした。
a 第29回(平成19年1月24日付け)
ベトナムの株式に投資したところ1年2か月で投資額が3倍になったこと,投資額が10年間で40倍,50倍になることも夢ではないと思っていること。
b 第50回(同年3月16日付け)
国有企業の民営化に伴う株式上場狙いの投資を考えており,被告Y2の有する華僑との人脈を活かせばきっと大成功すると考えていること。
c 第51回(同月19日付け)
ベトナムは法制度の整備が遅れており,透明度も低く,ハイリスクハイリターンの投資環境であるが,リスクをコントロールできればミドルリスクハイリターンも十分可能であること,リスクを軽減させるために現地の有力者からのアドバイスを大切にしており,政府上層部に太いパイプを持っている大物華僑ビジネスマン2人と親しいこと。
d 第52回(同月23日付け)
上記ビジネスマンらの支援によって,一番難しいベトナム未公開株の玉の確保が万全であること,被告Y2と上記ビジネスマンらが成功を確信する投資モデルがいよいよ動き出しそうであること。
e 第53回(同月26日付け)
台湾の未公開株投資で株価が100倍近くになった経験があること,株価が高騰して上場ラッシュが続いている市場において有望な未公開企業に投資すれば数十倍のリターンが十分期待できること,日経人気アナリストランキングの入賞歴などの輝かしい経歴を持つ凄腕のファンドマネージャーが被告Y2の企画するベトナム未公開株投資に賛同し,現地で指揮をとってくれること。
f 第55回(同月30日付け)
ベトナムでは民営化に関連した未公開株投資を積極的に行おうと思っており,これが資産を増やす大チャンスだと思っていること。
g 第58回(同年4月9日付け)
ベトナムの上場株式に対する投資は,新規の投資家が株式を購入することができず,透明性も低くリスクが高いが,有力ビジネスマンと共同して民営化に関連した未公開株投資をすることはローリスクハイリターンだと自信を持っていること。
h 第73回(同年5月16日付け)
ベトナムの上場株式の問題点として,①株価が高すぎること,②市場制度が未熟であること,③上場企業の規模が小さいことがあることを指摘できるが,今後大型の国営企業の民営化及びその上場が次々に控えており,ベトナムの証券市場が飛躍的に発展するのは間違いなく,民営化に関連した未公開株の取得に動きたいと思っていること。
(イ) 被告Y2のブログ(甲2の2)
被告Y2は,「△△」と題するブログにおいて,平成19年4月24日付けで,「Stop the ベトナム 過熱するベトナム投資が危ない!!」と題したセミナーを同年5月12日に開催する旨を告知する記事を掲載し,そのセミナーの内容として,「オフショア投資の第一人者でありベトナム投資のパイオニア・Y2とカリスマ100億円ファンドマネージャーY1が人気先行の中身のないベトナム投資に疑問符を投げかける」と記載した。そして,同月3日付けで,同月12日のセミナーが定員に達したため参加募集を締め切ること,同年6月2日に同内容の第2回セミナーを開催することを告知し,さらに,同年5月8日付けで,同月12日及び同年6月2日のセミナーが満員御礼であること,同月9日にも同様の内容のセミナーを定員30名で追加開催することを告知した。
また,上記各記事の末尾には,上記アと同様の被告Y1らの経歴等を記載していた。
(ウ) 被告Y1のブログ(甲3)
被告Y1は,「□□」と題するブログ(以下「Y1ブログ」という。)に,次の内容の記載をした。
a 平成19年4月1日付けの記事
ベトナムの株式市場がゴールドラッシュに沸いており,現在,世界で最も巨大な金鉱脈が眠るのがベトナム未公開株市場であること,これからは割高になった日本株やベトナム上場株式をすべて売却し,割安株が多いベトナム未公開株にシフトさせるつもりであること。
b 同月6日付けの記事
ベトナム株式投資の勝敗は上場の可能性の高い未公開株をどれだけ割安に手に入れることができるかによること,ベトナム未公開株が世界で最も巨大な金鉱脈が横たわるエルドラド(黄金郷)と断言できること,ベトナム未公開株投資はベトナム株式市場暴落という最悪シナリオになったとしても十分すぎる投資成果となり,2~3年で10倍の投資成果を得るのは不可能なことではないこと。
c 同月22日付けの記事
ベトナム未公開株はフリーランチ(リスクなしで利益が得られる状態)であること,未公開株を購入してその上場後に売却する鞘取りはどう考えてもリスクのないただ飯であり,食わなければ一生の不覚であること。
d 同年5月6日付けの記事
ベトナムにおける株式投資では大株主が保有する未公開株を相対で購入する以外に高いパフォーマンスを上げる方法がないが,日本人の投資家が未公開株を取得するには未公開企業が望んでいる経営コンサルティングや不動産開発などのノウハウの提供ができなければ事実上不可能であること。
e 同月15日及び18日付けの記事
ベトナムには歴史上類をみないような空前の株式上場ラッシュの大波が押し寄せており,未公開株であれば上場までたどり着く可能性が非常に大きいこと,そのため銘柄選別が非常に重要になってくること。
f 同月20日付けの記事
今後数年にわたって株式上場ラッシュが続くベトナムはまさに現代のエルドラド(黄金郷)であり,ごく普通の会社の未公開株さえ買えば誰もが億万長者になれるマーケットだと確信していること,これは一生に一度あるかないかの大チャンスであること。
ウ ベトナム未公開株ファンド説明会
(ア) ベトナム未公開株ファンド説明会の内容
被告パートナーズは,平成19年5月から6月に,ベトナム未公開株投資についての説明会(以下「本件説明会」という。)を複数回開催した(甲2の2)。
本件説明会の第1部では,被告Y2が,ベトナム経済が好調であり,投資するのはよいが,上場株式への投資はあまり有益でなく,国営企業の民営化に伴う未公開株への投資が有益であること,未公開株の購入が困難であるが被告Y2の人脈を活かしてその購入に動いていること,被告Y1と相談してファンドを設立することになったこと等を述べた。本件説明会の第2部では,被告Y1が,ベトナムでは国営企業の民営化に伴う未公開株の上場ラッシュにより5年後には上場株式の時価総額が10倍になる,一生に一度あるかないかのチャンスであるなどと述べ,被告Y2が,ベトナム未公開株ファンドの概要,スキーム,手数料等について紹介し,参加者から質問を受け付けた。
(イ) パンフレットの内容
本件説明会の参加者は,資料として,「ベトナム未公開株(OTC)ファンド投資」と題するパンフレット(甲4)を受け取った。
このパンフレットには,上記アと同様の被告Y1らの経歴等のほか,一般の個人投資家がベトナム未公開株を手に入れるのは困難だが,これが世界で最も巨大な金鉱脈が横たわるエルドラド(黄金郷)であること,華僑ネットワークを駆使した人脈や有力ベトナムビジネスマンとの人脈によりベトナム未公開株を取得することができること,ベトナム未公開株ファンドの内容,スキーム,ファンド手数料や分配・成功報酬の方法等が記載されていた。
(ウ) 本件説明会の初回が開催された平成19年5月12日の時点において,ベトナム未公開株ファンドの募集はまだ開始されていなかったが,ファンドの申込みを被告パートナーズのホームページで受け付けることやそのサイトの構成・記載内容はおおむね決まっており,本件説明会では,ファンドの募集を開始する旨の予告がされ,配布されたパンフレットにもファンド募集は原則としてインターネットでの申込みであるとの記載がされていた。
(甲4,13,26の1~27の2)
(6)  本件ファンドにおけるリスクの説明
ア 重要事項説明書等による説明
本件出資の申込みは,被告パートナーズのホームページを通じて行う必要があり,出資希望者は,同ホームページにおいて,契約締結前に重要事項説明書(甲7の2),リスク確認書,本件匿名組合契約書(甲7の1)を確認することができた。
本件ファンドのリスクについては,重要事項説明書及びリスク確認書(以下「重要事項説明書等」という。)に記載があり,具体的には,本件出資には,出資金の全部又は一部に損失が生じて返還されない可能性があり,個別のリスク要因として,①投資対象に関するリスク(株式等の変動リスク,市場に関するリスク,為替変動リスク,投資先の地域的集中リスク,カントリーリスク,投資判断に関するリスク,ヘッジ手段利用のリスク,利益相反,ベトナムへの投資特有のリスク),②営業者の破綻リスク,③関係法人等に関するリスク,④本件匿名組合の運営に関わる関係法人等への依存リスク,⑤他の匿名組合員の破産等のリスク,⑥税務上のリスク,⑦法令及び税制その他の規制変更に関するリスク,⑧流動性に関するリスクがあるとして,それぞれのリスクについて一般的な説明がされていた。また,出資希望者は,重要事項説明書等のページ画面の最下段にある「上記の内容に同意し,次へ進む」のボタンをクリックしなければ,出資を申し込む画面に到達できないシステムになっていたため,出資希望者には本件ファンドに付随するリスクが表示された画面を確認する機会が付与されていた。
(甲7の2,13,乙ニ3,原告本人)
また,本件匿名組合契約書(甲7の1)の第19条には,免責条項として,営業者は,本契約から得られる分配損益の分配,予定利回り,本事業の成功,出資金の元本の返還又は本契約におけるいかなる結果をも保証するものではなく,その損失を補填するものでもないこと,匿名組合員はこれを了解し,自らの判断と責任において本契約に基づく出資を行うものであることが規定されている。
イ 本件説明会における説明
被告Y1らは,本件説明会の最後に,カントリーリスクや為替リスクといった一般的なリスクについて触れ,ベトナム未公開株ファンドにリスクが全くないというわけではないことに言及していた。他方で,被告Y1らが,本件説明会において,出資希望者に対し,重要事項説明書等を示して,本件ファンド等に付随するリスクについて説明したことはなかった。(甲26の1~27の2)
(7)  本件出資に至った経緯
原告は,従来から被告Y2のコラムサイトを閲覧しており,平成19年1月頃から,そこで連載されていたY2コラムを読むようになった。原告は,Y2コラムを読み,ベトナム未公開株投資について興味を持つようになったことから,Y2のブログも読むようになり,また,Y2コラムにおいて,被告Y1が凄腕のファンドマネージャーとして紹介されていたことから,Y1ブログも読むようになった。そして,原告は,同年6月15日,本件説明会に参加した上,さらにこれに続く懇親会にも参加し,被告Y2と同席して,直接ベトナム未公開株ファンドに関する説明等を聞いた。
その後,原告は,リスクをさほど考えることのないまま本件ファンドへ出資することに決めて,同年7月頃,被告パートナーズに対し,そのホームページを通じて,本件ファンドへの出資を申し込み,同月26日,29日及び同年8月1日,それぞれ500万円(合計1500万円)を被告インベストメント名義の口座に送金した。
(上記第2の2(2),甲22,原告本人)
(8)  本件出資後の本件ファンドの状況
本件ファンド組成後の平成20年4月,原油価格が急上昇するなど国際商品市況が高騰したことから,ベトナム経済もその影響を受けて物価が高騰し,ベトナム国内金利も大きく引き上げられ,ベトナムの株価指数であるVNインデックスが暴落した。さらに,平成20年9月15日には,いわゆるリーマンショックにより世界的に株価が暴落し,ベトナムの株価は一層下落した。
本件ファンドの保有株式は,価格の下落等により実際には売却できないような状態が続いている。
(甲12,13,14の1~6,乙ニ2)
2  争点1について
原告は,本件ファンドが,取引により生じ得る損益を出資者に適切に帰属させるに足りる実質を備えておらず,本件ファンドへの出資は,金融商品まがい取引に該当すると主張する。
しかし,被告Y1らが,成長可能性の高いベトナム未公開株の転売益を得ることを目的とするベトナム未公開株ファンドの設立を企画し,投資対象の候補である企業の社長から財務諸表等の資料に基づく聞き取りを行うなどして投資対象を選定したこと(上記1(2)),本件ファンドのスキーム(上記1(3)エ)に従って,現実に出資金が本件ファンドにおける株式売買担当会社であるライジングサンの口座を経由して被告Y1のベトナム投資開発銀行口座に入金され,これにより本件各株式を現実に売買されたこと(甲12,乙イ4~8,24~28),そのうち3企業の株式は実際に上場したこと(同(4))が認められる。したがって,原告の主張するとおり,被告らがベトナム国内の証券取引に必要な証券取引コードやCCA口座を取得したことを認めるに足りる証拠はないものの,本件ファンドが,設立当時,実体がなかったり,成功する可能性が極めて乏しかったとまではいえず,本件ファンドは,未公開株の転売などで現実に利益を上げて,出資者に対して配当を行う可能性があるファンドであったということができる。
原告は,出資者への配当が一度も実施されず,出資金の返金がないことから,本件ファンドへの出資が金融商品まがい取引に該当すると主張する。これに対し,被告Y1らは,カントリーリスクや流動性リスク等が顕在化したことにより,株式の売却が困難になったために,配当などができない旨供述する(甲12,13,被告Y2)ところ,上記1(8)のとおり,本件出資後,ベトナム国内の物価の高騰やリーマンショック等によるベトナムの株価の下落が認められ,これらの結果として現在も株式の売却が困難な状況が継続しているという被告らの供述が不自然不合理であるとはいえない。そうすると,配当が一度も実施されていないことをもって,本件ファンドへの出資が金融商品まがい取引であるとは認められない。
よって,この点に関する原告の主張は採用できない。
3  争点2について
原告は,本件ファンドへの出資が,未公開株が本来の価値に比して著しく高額であるにもかかわらず,これをあたかも適正な価格であるかのように偽って販売する未公開株商法に該当すると主張する。
確かに,上記1(4)のとおり,本件各株式のうち2企業の株式が購入から約1年後に購入時の価格の2分の1から3分の1近い価格に下落した(同ア,エ)一方,他の2企業の株式は若干の下落があるものの,ほぼ当初の購入時の価格を維持している(同ウ,オ)こと,本件各株式の価格の下落原因が少なからずベトナム国内の物価の高騰やリーマンショックにある(上記2)ことからすると,本件各株式の購入時の価格が本来の価値に比して著しく高額であったとまでは認められない。
よって,この点に関する原告の主張は,採用できない。
4  争点3について
(1)  投資商品を販売する業者の担当者が,顧客の意向と実情に反して,明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど,適合性の原則から著しく逸脱した金融取引の勧誘をしてこれを行わせたときは,当該行為は不法行為法上違法になると解される。
(2)  原告は,本件ファンドが様々な高いリスクを有し,原告の投資知識や取引経験等に照らして不適当な商品であったから,その勧誘行為は適合性原則に違反するものであったと主張する。
確かに,本件ファンドがベトナムの未公開株等を投資対象とするものであり,様々なリスクを内包しており(上記1(6)ア),本件ではこれらのリスクが発現して株式の売却ができなくなり,配当が極めて困難になっている(同(8))ことから,本件ファンドは相当高いリスクを有する商品であったことは認められる。他方で,本件ファンドがベトナム未公開株の売買差益等から費用等を控除した額を基に配当を受けるという比較的単純な仕組みであること(同(3)イ),出資者の被る損害の範囲が出資額に限定されていること(同(3)イ)から,本件ファンドの内容は,理解が困難であるとはいえず,著しく過大な危険を伴うともいえない。
そして,原告が医師であり,本件出資当時,年収が約1000万円,預貯金が約1700万円あったこと,マンションや投資信託に対する投資経験があったこと(上記1(1)),従来から被告Y2のコラムサイトを閲覧するなど投資に関心を有しており,本件説明会にも被告らから直接の勧誘を受けたのではなく自分の意思で参加したこと(同(7))を考慮すると,被告Y1らによる本件ファンドの勧誘行為は,原告の実情に照らして明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど,適合性の原則から著しく逸脱していたとはいえない。
(3)  よって,この点に関する原告の主張は採用できない。
5  争点4について
(1)  投資商品を販売する業者の担当者は,顧客に対して取引を勧誘するに当たっては,顧客の自己責任による取引を可能とするため,取引の内容や顧客の投資取引に関する知識,経験,資力等に応じて,顧客において当該取引に伴う危険性を具体的に理解できるように必要な情報を提供して説明する信義則上の義務を負うと解される。
(2)  上記4(2)のとおり,本件ファンドは,相当高いリスクを有する商品であったから,被告Y1らには,顧客の自己責任による取引を可能とするため,本件ファンドへの出資をしようとする者に対し,そのリスクについて一般的な説明に加えて,本件ファンドの有する高いリスクを具体的に説明する信義則上の義務があったというべきである。
被告Y1らは,上記1(6)のとおり,重要事項説明書等や本件説明会において,本件ファンドのリスクについて一応言及しているが,その内容は一般的な説明にとどまるものであって,それだけで本件ファンドのリスクを原告ら出資希望者が具体的に理解することができたとはいえない。また,被告Y1らは,本件説明会及びこれに続く懇親会において,原告その他の出資希望者に対し,重要事項説明書等を示すなどしてそのリスクを具体的に説明したこともなかった。
それどころか,被告Y1らは,ベトナム未公開株ファンドの設立を検討していた平成19年1月以降,Y2コラム及びY1ブログを通じて,株価が高騰して上場ラッシュが続いている市場において有望な未公開企業に投資すれば数十倍のリターンが十分期待できる,有力ビジネスマンと共同して未公開株投資をすることはローリスクハイリターンだと自信を持っている(上記1(5)イ(ア)),ベトナム未公開株が世界で最も巨大な金鉱脈が横たわるエルドラド(黄金郷)と断言できる,ベトナム未公開株はフリーランチ(リスクなしで利益が得られる状態)であり,未公開株を購入してその上場後に売却する鞘取りはリスクのないただ飯であり,食わなければ一生の不覚である,ごく普通の会社の未公開株さえ買えば誰もが億万長者になれるマーケットだと確信しており,これは一生に一度あるかないかの大チャンスである(同イ(ウ))などと,繰り返しベトナム未公開株投資のローリスクハイリターンを喧伝している。そして,被告Y2は,ブログを通じて,本件説明会の告知をして参加者を募り,被告Y1らは,本件説明会の参加者に対し,ベトナム未公開株投資が世界で最も巨大な金鉱脈が横たわるエルドラド(黄金郷)であるなどと記載されたパンフレットを交付し(同ウ(イ)),説明会では,ベトナムでは国営企業の民営化に伴う未公開株の上場ラッシュにより5年後には上場株式の時価総額が10倍になる,一生に一度あるかないかのチャンスである(同ウ(ア))などと説明した上,ベトナム未公開株ファンドの概要,申込方法等を紹介している。
このような一連の経過を踏まえると,被告Y1らは,ブログや本件説明会等において,ベトナム株式市況に関する一般的な説明をするにとどまらず,ベトナム未公開株投資にはリスクがほとんどなく極めて大きいリターンが期待できるという趣旨の説明を繰り返すことにより,潜在的な投資希望者に対してベトナム未公開株ファンドに関心を持たせ,実際に投資を行うように働きかけていたものであって,ブログの記事や本件説明会における説明等は,いずれもベトナム未公開株ファンドへの出資勧誘行為の一環とみることができる。そうすると,これらのブログの記事を読み,本件説明会において説明を受けるなどした者は,原告を含め,専らベトナム未公開株への投資が有利であることに意識が向き,リスクをさほど意識しない状態になったと考えられるところ,被告Y1らは,出資勧誘行為により原告ら出資希望者をこのような状態に陥らせながら,本件ファンドのリスクについては一般的な説明しかしなかったのであるから,本件出資に原告を勧誘するに当たり信義則上要求される説明義務を果たさなかったものといえる。
もっとも,被告Y2は,本件説明会に参加して,その説明を行った目的は,ベトナム未公開株ファンドに対する投資家の反応を確認し,その実現可能性を調査することにあったから,上記説明は,本件ファンドへの勧誘行為に該当しないと主張する。しかし,上記のとおり,被告Y2も,本件ファンドについて,ベトナム未公開株投資にはリスクがほとんどなく極めて大きいリターンが期待できるという趣旨の説明を繰り返したが,そのリスクについて具体的に説明をしなかったのであるから,このような説明が,投資家の反応を調査することを目的としていたとは到底認められず,被告Y2の主張は採用できない。
(3)  よって,被告Y1らの勧誘行為は,説明義務に違反する。
6  争点5について
被告Y1らは,上記5(2)のとおり,ベトナム未公開株ファンドへの出資勧誘行為として,ベトナム未公開株投資にはリスクがほとんどなく,極めて大きいリターンが期待できるという趣旨の説明を繰り返しているところ,これは,本件ファンドにより確実に利益が得られるであろうことを断定的に伝えたものといえるから,断定的判断の提供に該当すると認められる。
よって,本件出資への勧誘は断定的判断の提供にも該当する。
7  争点6について
(1)  被告Y1らは,上記5,6のとおり,本件ファンドについて違法な一連の勧誘を行い,原告に本件出資を行わせたことが認められるところ,被告Y1らは,当該ファンドに内在する各種リスクを熟知しながら,ベトナム未公開株ファンドの魅力を喧伝していたのであるから,上記説明義務違反及び断定的判断の提供に該当する勧誘行為について,過失があると認められる。よって,被告Y1らは,原告に対し,民法709条に基づく不法行為責任を負う。
このように,被告Y1らは違法な一連の勧誘行為を行い,原告に本件出資を行わせたものであるところ,被告Y1は平成19年5月に被告パートナーズの代表取締役に,同年6月に被告インベストメントの代表取締役にそれぞれ就任した者,被告Y2は同年5月21日まで被告パートナーズの代表取締役を,同年6月13日までその取締役を務めた者であって,被告パートナーズらは,本件ファンドに関し,営業者,販売者の役割分担をし,被告Y1らと共同して,それぞれ役割を果たしながら一体となって原告を勧誘したとみられることからすると,被告らは,本件ファンドの一連の勧誘行為について,原告に対し,民法709条,719条に基づき,連帯して損害賠償責任を負う。
(2)  被告Y2は,もともと本件ファンドの運営は被告Y1が行っていたものであり,被告Y2は関与していないし,取締役退任後は,本件ファンドに全く関与していないと主張する。しかし,上記5(2)のとおり,被告Y2は,取締役退任後も,本件説明会において,本件ファンドについて説明し,出資勧誘行為を行ったのであるから,本件ファンドの運営に関わったか否かにかかわらず,本件出資勧誘行為により原告に生じた損害について,他の被告と連帯して責任を負う。
8  争点7について
原告は,本件ファンドに1500万円を出資したが,その返還を受けることができていないので,本件出資により出資金相当額である1500万円の損失を被ったといえる。
しかし,原告が上記5(2)のようなベトナム未公開株投資の有望性を強調する説明を受けていたとしても,本件ファンドは,新興国であるベトナムの未公開株に投資するものであり,様々なリスクがあると考えるのが自然であり,また,被告らは,出資希望者が事前にリスクの記載された重要事項説明書等を確認することができるようにしており,原告がインターネット上で本件出資を申し込む際にもこれを確認することができたことからすると,原告は,本件ファンドへの出資を申し込む前に,重要事項説明書等を読めば,本件ファンドに内在するリスクについて気付くことができたといえる。加えて,原告には,上記1(1)のとおり,資産運用目的でのワンルームマンションへの投資等の経験があったにもかかわらず,被告Y1らの説明を軽信し,本件ファンドのリスクを検討することなく本件出資を行ったものである。そうすると,原告が本件出資により被った損害については過失相殺をすべきであり,上記のほか本件に現れた一切の事情を考慮すると,原告の過失割合は4割と認めるのが相当である。
原告は,被告らの不法行為等は故意によるものであるから,過失相殺をすべきではないと主張するが,本件における説明義務違反や断定的判断の提供は,必ずしも故意による不法行為であるとはいえず,また,不法行為が故意による場合に常に過失相殺が許されないとまではいえないから,原告の主張は採用することができない。
よって,原告が本件出資により被った損失のうち,被告らに帰責できるのは,損失の6割である900万円である。また,弁護士費用については,90万円(上記損害の1割に相当する額)をもって相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
9  まとめ
以上のとおり,被告らは,原告に対し,連帯して,説明義務違反及び断定的判断の提供を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき,990万円及びこれに対する被告Y1については平成26年6月26日から,被告パートナーズ及び被告インベストメントについては平成26年7月3日から,被告Y2については平成26年6月20日から,各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払わなければならない。
第4  結論
よって,原告の請求は,主文掲記の限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 後藤健 裁判官 鈴木尚久 裁判官 雨宮竜太)

 

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