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「成果報酬 営業」に関する裁判例(41)平成26年 7月23日 東京地裁 平24(ワ)31199号 業務委託料請求事件

「成果報酬 営業」に関する裁判例(41)平成26年 7月23日 東京地裁 平24(ワ)31199号 業務委託料請求事件

裁判年月日  平成26年 7月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)31199号
事件名  業務委託料請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2014WLJPCA07238003

要旨
◆広告主開拓等の業務を委託された原告が、被告に対し、業務委託契約に基づく報酬金の支払を求めた事案において、原告が被告の担当者として契約締結交渉を行った結果、被告は広告主と契約し各広告料を得たと認めた上で、本件契約では報酬対象は「全ての広告売上」とされており、本件契約に原告による購入斡旋行為等、通常の広告活動には必ずしも含まれない行為内容が含まれていたとしても、本件契約が広告契約であってその売上が広告売上となることまでが否定されるものではなく、また、民法上、本件報酬支払時期は委任事務履行時と解され、委任契約の解除は解除前に発生した法律効果を覆滅させるものではないから、準拠法を日本法とする本件契約では広告料の受領が本件契約解除後であることは本件報酬支払を拒む理由にはならないなどとして、請求を全部認容した事例

参照条文
民法620条
民法648条2項
民法652条

裁判年月日  平成26年 7月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)31199号
事件名  業務委託料請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2014WLJPCA07238003

東京都港区〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 井上俊一
東京都渋谷区〈以下省略〉
被告 英語タウン・ドット・コム株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 奥山崇

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,226万円及びこれに対する平成24年11月14日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は,被告の負担とする。
3  この判決は,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
主文同旨
第2  事案の概要
本件は,原告が被告に対し,業務委託契約に基づき,報酬金226万円(うち10万円は,平成23年10月分の月額報酬の残金)及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成24年11月14日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1  前提事実(当事者間に争いのない事実並びに弁論の全趣旨及び括弧内に掲げた証拠により容易に認定できる事実)
(1)  原告は,被告から,平成23年7月4日,被告が運営する媒体の広告主の開拓等の業務を委託された(以下「本件契約」という。)。
被告は,本件契約において,① 原告との間で,原告が直接的で,かつ実質的な責任で得られた全ての広告売上の50パーセントの報酬を支払うこと,② 報酬は,広告売上の入金を受領したら支払うものとすること,③ 報酬は原告が被告(又はその関連会社)との契約が交わしているときのみ支払うことを合意した(以下,①の定めを「①文」といい,他もこの例による。)。
また,被告は,本件契約において,原告との間で,原告が業務遂行中,20万円の月額報酬を支払うこと,上記各報酬は,翌月末日払であり,本件契約が月の途中で解除された場合,解除の月の月額報酬を全額支払うことを合意した。
なお,本件契約には,この契約は,日本国法において管理されているとの約定がある(甲2。13条)。
(2)  被告は,次のとおり,各広告主から,広告申し込みを受け,合計432万円(税抜額。以下,広告料につき同様である。)の広告料の支払を受けた(以下「本件各売上」ともいう。なお,オの契約は,ELT Services Japan株式会社(以下「ELT」という。)名義でなされたものであり,その主体や内容等については,争点に対する判断中において検討する。)。
ア 広告主エン・ジャパン株式会社との間の契約(以下「エン・ジャパン契約」という。)
広告注文受領日 平成23年7月29日(甲4)
広告料 60万円
広告料の受領 同年10月11日 60万円
イ 広告主ニューズウィークとの間の契約(以下「ニューズウィーク第1契約」という。)
広告注文受領日 平成23年8月23日(甲5)
広告料 13万円
広告料の受領 同年11月17日 13万円
ウ 広告主ランスタッドとの間の契約
広告注文受領日 平成23年8月24日(甲6)
広告料 50万円
広告料の受領 同年10月31日 50万円
エ 広告主ジェイエイシーリクルートメントとの間の契約(以下「ジェイエイシー契約」という。)
広告注文受領日 平成23年9月21日(甲3の10,甲7)
広告料 60万円
広告料の受領 同年11月30日 60万円
オ 広告主ニューズウィークとの間の契約(以下「ニューズウィーク第2契約」という。)
広告注文受領日 平成23年9月30日(甲8)
広告料 150万円
広告料の受領 平成24年1月27日 50万円
同年2月27日 25万円
同年3月28日 25万円
同年4月27日 25万円
同年5月28日 25万円
カ 広告主ランスタッドとの間の契約
広告注文受領日 平成23年9月7日(甲9)
広告料 99万円
広告料の受領 同年11月30日 16万4500円
同年12月29日 16万4500円
平成24年1月31日 16万4500円
同年2月29日 16万4500円
同年3月30日 16万4500円
同年4月27日 16万4500円
(3)  被告は,平成23年10月14日,本件契約を解除し,原告に対し,同年11月30日,10万円を支払った。
2  争点(原告の業務遂行)
(原告の主張)
(1) 主体等
原告は,被告の担当者として,前提事実(2)記載の各広告主との間で契約締結交渉を行い,その結果,被告(なお,ニューズウィーク第2契約については,ELT)は,当該広告主と契約し,同記載の各広告料を得た。
なお,①文にある「直接かつ実質的な責任において」との文言について,「原告が自ら営業先を開拓して獲得した新規の顧客に対する売上に」限定する被告の解釈には根拠がない。
また,ニューズウィーク第2契約は,被告ではなくELTとの間の契約ではあるが,当初,被告名義で契約書(甲10)も締結されたが,その後被告の申入れにより,名義だけ,ELTとの契約(甲8)とされたものである。加えて同社は,被告と事務所を共通にし,従業員も共通であり,代表もかつては被告代表者が務めていた会社だから,本件契約においては法人格は実質的には被告と共通である。
(2) 内容等
また,ニューズウィーク第2契約は,その内容においても,被告主張内容に加え,ニューズウィークの宣伝を掲載する広告も伴っていたから,報酬の支払対象である。さらにいえば,費用分を報酬対象から除外したいときは,事前に話し合って契約書に記載すべきであり,費用の点は,問題となるものではない。
(3) 支払時期等
②文は,支払時期に関する定めでしかなく,支払請求権の成立時点を定めたものではない。
また,③文は,契約が存在する間に原告の業務の成果として成立した契約のみが対象となる旨定めたものであり,単に原告が実質的な責任者として活動して得られた成果とのみ定めると,契約成立時期が本件契約終了後であっても,原告が実質的な責任者として活動した成果であるとして,原告が報酬を請求し,紛争となる事態が想定できるところ,この記載は,報酬発生の有無を広告契約成立時期と本件契約終了時期の前後で客観化することで,上記のような紛争を予防する意味のある記載である。
逆に,被告主張のように解釈するとすれば,本件契約は,被告から毎月一方的に解約できるものだから(11条),原告がどれだけ努力して広告契約を獲得しても,被告は,契約成立直後に解約して報酬の支払を免れることができる。このような解約条項の建て付けから考えても,被告主張の解釈は,報酬の性質が原告が実質的に責任者として活動して得られた成果,すなわち「広告契約の成立」に対する報酬として支払われるものであることと矛盾することになる。
(被告の主張)
(1) 主体等
本件契約は,報酬支払の対象となる売上(契約)について,原告の「直接かつ実質的な責任において」得られた広告売上としているところ,本件契約が雇傭契約ではなくコンサルタント契約であることにも鑑みれば,「直接的かつ実質的な責任において得られた売上とは,原告が自ら営業先を開拓して獲得した新規の顧客に対する売上を指すものと解するのが相当である。
そして,本件各売上は,原告が被告の担当者として交渉を行った結果として成立したものではあるが,被告の既存顧客であった会社からの売上だから,報酬支払の対象外である。
また,ニューズウィーク第2契約は,ELTとの間の契約だから,被告との間の契約でもない。
(2) 内容等
また,ニューズウィーク第2契約は,ニューズウィーク誌の再販キャンペーン(Reseller Promotion)と題するもので,その実質は,英語教師が生徒に対してニーズウィーク誌購読のあっせんをし,成約に際して手数料を得るというアフィリエイトシステムをELT側で構築することにあった。したがって,当該売上は,ニューズウィークの宣伝を掲載するなどの広告とは性質を異にし,報酬支払の対象外である。
(3) 支払時期等
エン・ジャパン契約以外の契約については,本件契約が約定した「当該売上の報酬を受領したとき」に契約締結中であるとの要件を満たさないことから,報酬支払の対象外である。
支払時期については,別途,月末締め翌月払いが定められており,また,契約が成立しただけで顧客が実際に支払をするかが不確定な段階で既に権利が発生しているとの理解は,成果報酬性を有する金銭支払条項についての理解としては相当では無く,②文は,権利の発生を定めたものである。また,①文及び②文に続いて③文が置かれている場合,③文が②文と全く無関係であることが文言上明らかであるなど特別な事情がない限り,③文は,②文に係るか,①文及び②文に係るかのものであって,①文にのみ係るものではない。
そもそも,本件契約は,有能なスタッフを採用・雇用すること,M&Aアドバイザーと面談して新会社が最低2億円で売れるための方策を協議することを原告に期待された役割としたものであり(附則①),さらにその先の段階としては,新会社が設立されて原告が代表者に就任することまでが想定されており,単なるコンサルタントにとどまらず,経営に参画することまで視野に入れた長期にわたる関係が見込まれていたものである(附則②)。他方,その報酬については,基本的には毎月20万円と比較的低廉に抑えられ,これを補う趣旨で定められたのが,広告売上に対しての50パーセントの報酬であり,このような報酬が動機付けとなり,将来に向けて上記附則に記載された役割を原告が積極的に果たすことが期待された。そのような契約の全体構造を踏まえれば,既に契約関係が終了し,上記附則に記載された役割を原告が履行する可能性が完全になくなった場合にまで,報酬の支払が継続することは契約の趣旨に反するものであり,本件契約終了後に現実に入金があり被告に売上がもたらされたことは結論を左右しない。
第3  争点に対する判断
1  主体等
(1)  前提事実(2)の事実に証拠(甲3の1ないし13,甲24,乙17,原告本人)及び弁論の全趣旨を総合すれば,原告は,被告の担当者として,前提事実(2)記載の各契約についての契約締結交渉を行い,その結果,被告(なお,ニューズウィーク第2契約については,ELT)は,当該広告主と契約し,同記載の各広告料を得たとの事実が認められる(なお,被告は,本件契約が対象とする売上には,既存顧客に対する売上は含まれない旨主張し,乙3及び4の中には,原告が取引した会社が全て被告の以前の顧客であり,その顧客が被告の従業員によって原告に紹介され,原告が被告の従業員と協力して顧客と取引した旨や本件契約前から,ニューズウィーク第1契約についての契約交渉や作業が開始されていた旨など述べる部分がある。しかしながら本件契約上,そのような場合を報酬支払対象から除外する旨の条項が存するとは認められない上,甲3の12によれば,被告代表者は,平成23年9月21日,原告から,ジェイエーシー契約を60万円で受注できる見込みであるとする報告を受けて,原告に対し,「すごい状況だ!本当に良くやったよ,尊敬!」と述べるなど,強い喜びの気持ちを伝えているとの状況も認められるし,乙12,17及び18によれば,ニューズウィークとの間の各契約についても,原告が,平成23年7月14日のミーティングに先立って「現在企画中のサイトリニューアルの責任者」として紹介され,また,ニューズウィークとの間のアジェンダの決定や価格交渉等を行い,契約に至ったとの経緯も認められるから,各広告主が既存顧客であって,他の従業員の関与もあったにしても,上記各売上が原告の直接且つ実質的な責任によって得られたものであることが,否定されるものではない。さらに,乙3及び4の中には,ニューズウィーク第2契約などについて,本件契約期間中には,その販売に関して原告に要求されていた業務が完了していなかった旨などを述べる部分があるものの,乙15の1ないし3,乙16の1ないし3,乙17及び18によれば,本件契約の終了後になされた対応は,広告掲載の報告,バーナー等の一部修正依頼やメルマガ配信数及びクリック総数についての照会に対する対応,広告入稿依頼やテスト配信の報告,広告掲載期間満了後のレポート報告,次のプロジェクトに向けた交渉などであったと認められるから,そのような事務が本件契約終了後になされたからといって,当該広告料が,原告の直接的かつ実質的な責任により得られたとの関係が否定されるものではない。)。
(2)  また,証拠(甲8,10,11,24,乙4,12,13,17)及び弁論の全趣旨を総合すれば,ニューズウィーク第2契約は,英語教師が,生徒に対してニューズウィーク誌の購読斡旋を行い,成約に際して手数料を得るというアフィリエイトシステムの構築を含む再販プロモーションであって,上記購読斡旋は,ELTが運用する日本で働く外国人の英語教師向けの「a」というウエブサイトを介してなされるものであること,もっとも,被告とニューズウイークは,ニューズウィーク第2契約締結の2週間前である平成23年9月16日,これと同内容契約についての契約書(甲10)を作成したものの,その後被告代表者の意向を受けてELTとの間の契約(甲8)とされたものであって,被告代表者自らも,甲11(同年9月7日の電子メール)において,ELTは,我々の代理店として役割を果たしているとも述べていたこと,また,その内容を具体化させるための作業についても,被告代表者や従業員が被告の名において行っていたことが認められるところであって,上記契約は,その実質においては,被告との間で締結されたものと認められるから,その主体が被告と異なる旨の被告の主張も採用できない。
2  内容等
(1)  本件契約における報酬の対象が「全ての広告売上」であることは,前提事実(1)でみたとおりである。
(2)  そして,上記1(2)にみた事実によれば,ニューズウィーク第2契約は,再販プロモーションであって,その内容には,ニューズウィーク誌の購読斡旋についての英語教師向けの手数料の支払についてのアフィリエイトシステムの構築が含まれるにしても,ここにおける購読斡旋行為は,ELTが運用するウエブサイトを介してなされるものであるところ,このような購入斡旋行為には,一般に広告活動と言われる行為である顧客を誘致するため,ウエブサイト媒体を利用して,広告主の商品を多くの人に知られるようにする活動が含まれることになる。したがって,上記契約の内容には,アフィリエイトシステムの構築といった通常の広告活動には必ずしも含まれない行為内容が含まれているとしても,これが広告契約であって,その売上が広告売上となることまでが否定されるものではない。被告代表者の供述中,これと異なる理解を述べる部分は,この認定の妨げとなるものではない。
なお,上記手数料の支払に関わるアフィリエイトシステムの構築に要する費用如何によっては,ニューズウィーク第2契約により被告が得る利益よりも原告に支払うべき報酬の方が大きいという事態が生じるとしても,前提事実(1)でみたとおり,本件契約における広告売上についての報酬合意は,もともと「広告売上の50パーセント」としたものであって,売上額を基準としたものであった以上,上記費用の多寡が原告の報酬額を左右する理由となるものではない。
3  支払時期等
(1)  本件契約の内容が被告が運営する媒体の広告主の開拓などの委託であることや①文ないし③文の内容については,前提事実(1)でみたとおりである。
(2)  そうすると原告が受任した委任事務の内容である広告主の開拓は,広告主と被告との間における広告契約の締結によって履行されたことになる。そして,委任契約における報酬請求権は,委任事務の履行に対し生じるものだから,これと異なる特約がない限り,その時に発生したことになる(民法648条2項)。そこで,②文が上記と異なる特約と解されるかについて検討すると,広告契約が締結された場合には,広告料の支払がなされるのが通常であるが,広告主の資力等の理由から被告が広告の支払を受けられない場合の危険を開拓者である原告に転嫁することも完全に不合理であるとまではいえないところからして,広告料の受領と報酬の支払と先後関係ないし条件関係についての定めと解されるにしても,これを原告の報酬請求権の成立要件の規定とまで解する必要はないから,民法648条2項の特約と解されるものではない(なお,証拠(甲2)によれば,本件契約には,5条2項として,報酬支払につき,月末締め翌月末払いとする支払日の合意があるとの事実が認められるが,このような合意は,②文の上記の合意と併存しうるものである以上,このような内容の5条2項が存在することは,上記解釈の妨げとなるものではない。)。
また,委任契約の解除は,解約告知と法律学上いわれる終了原因であって,将来に向かってのみその効力を生じるものであり(民法652条が準用する同法620条),通常,解除前に既に発生した法律効果を覆滅させるものではない。そこで,③文が,これと異なり既発生の報酬請求権を遡及的に覆滅させる趣旨の特約であると解されるかについて検討すると,③文の記載からは,既発生の報酬請求権を覆滅させるとまでの趣旨が明確であるとはいえない上,むしろ,報酬が支払われるのは,本件契約期間中の広告契約の締結に対してのみであって,上記期間内に締結に至らなかった広告契約については報酬は支払われないこと(報酬請求権の不発生)についての確認規定とも理解可能なものだから,これが報酬請求権の遡及的消滅を規定した特約と解されるものではない。また,本件契約に被告主張のような附則が存在するにしても,このような附則とは別途,かつ,このような附則との関係も規定されないままで明確に合意された上記報酬請求権の内容を左右するものとは解されない。乙3,14や被告代表者の供述中,これらの判断と異なる理解を述べる部分は,採用しうるものではない。
したがって,準拠法を日本法とする本件契約(前提事実(1))にあっては,広告料の受領が本件契約解除後であることは,報酬の支払を拒む理由となるものではなく,この判断と異なる乙19の1及び2も,採用できるものではない。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は,理由があるから認容し,主文のとおり判決する。
(裁判官 松井英隆)

 

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