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「営業代行」に関する裁判例(10)平成29年 2月28日 東京地裁 平27(ワ)11236号 損害賠償請求事件

「営業代行」に関する裁判例(10)平成29年 2月28日 東京地裁 平27(ワ)11236号 損害賠償請求事件

要旨
◆株式会社である被告との間で非常用自家発電装置(本件商品)に関する契約(本件契約)を締結した本件幼稚園を運営する学校法人である原告が、被告に対し、本件商品が契約所定の仕様に反したものであったなどと主張して、債務不履行に基づき、また、原告は被告が負担すべき本件商品のテストに係る費用を立て替えたと主張して、不当利得に基づき、合計1615万5860円等の支払を求めた事案において、本件契約の締結時点では本件商品に係る性能保証の基準となる「仕様書」に当たるものがなく、原告は本件パンフレットにおいて標準的な仕様として記載された性能・機能を備えた商品が納入されることを期待して本件契約を締結したと考えられ、被告もそのことを認識・了解していたと認められるから、この点も本件契約所定の仕様を構成するなどとして、本件商品に係る各瑕疵(債務不履行)を認定した上で、代替品の調達に要する1160万円及び弁護士費用116万円を原告の損害と認定する一方、本件商品のテストに係る費用が被告の負担すべき費用とは認められないと判断して、請求を一部認容した事例

参照条文
民法415条
民法416条
民法703条

裁判年月日  平成29年 2月28日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平27(ワ)11236号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2017WLJPCA02288006

東京都練馬区〈以下省略〉
原告 学校法人X
同代表者理事長 A
同訴訟代理人弁護士 野川晶巨
東京都荒川区〈以下省略〉
被告 株式会社Azumax
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 新田紀仁
同 築山宗之

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,1276万円及びこれに対する平成27年5月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを5分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,1615万5860円及びこれに対する平成27年5月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  事案の要旨
本件は,被告から非常用自家発電装置の供給を受けた原告が,被告に対し,被告が供給した前記装置が契約所定の仕様に反したものであった旨主張するほか,被告から依頼を受けて立替払いをした同装置に係るテスト費用の精算を行わず,同金額を不当に利得している旨主張し,債務不履行ないし不当利得に基づき,損害賠償金及び不当利得金の合計1615万5860円(内訳は損害賠償金が1606万円,不当利得金が9万5860円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年5月2日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2  前提事実(当事者間に争いがないか,該当箇所掲記の証拠〔ただし,枝番の記載は省略する〕及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)
(1)  被告は,各種産業用蓄電池・電源装置・照明機器・発電機・電気部材等の電気設備の販売及び電気工事の設計,施工並びにこれらの業務に関する営業代行等を目的とする株式会社である。(甲2)
(2)  原告は,東京都内に所在する幼稚園(以下「本件幼稚園」という。)を運営する学校法人であるところ,平成24年6月26日,被告との間で,被告が大韓民国から非常用自家発電装置(DAEWOO製,型式DWG200E,50Hz。以下「本件商品」という。)を仕入れた上,これを本件幼稚園の敷地において組み立て,同所に設置することとし,これに対して原告が代金1560万円を支払うとの内容を含む契約(以下「本件契約」という。)を締結した。(甲1,3,弁論の全趣旨)
なお,本件契約により被告が負う義務が,本件商品の仕入れ,組立て及び設置に限られるのか,それ以外の義務をも含むものであるのかについては,後記のとおり,当事者間に争いがある。
(3)ア  本件契約に当たって作成された契約書(甲3。以下「本件売買契約書」という。)には,要旨,次のとおりの条項が存在する。
(ア) 被告は,原告に対し,本件商品がその仕様書の性能を有することが確認された日から1年間又はその確認後初めて稼動した時から1000時間稼動した時のいずれか早く到来した時まで保証する(第5条1項)。
(イ) 被告は,前項の保証期間中,本件商品の仕様書の性能を発揮できなかった場合には本件商品を修理する(同条2項)。
(ウ) 本件商品の全部又は一部に瑕疵がある場合(ただし,引渡前に生じた瑕疵に限る)には,被告は,原告に対し,修理可能なものはその修理を無償で行い,それ以外のもの,あるいは当該修理に代えて,当該瑕疵ある本件商品と引き換えに,瑕疵のないものを引き渡して設置する(第7条1項本文)。
イ  被告は,本件契約締結の際,原告に対し,本件商品に係る「仕様書」と題する文書を交付しておらず,平成24年8月30日頃,本件商品の仕様等について定めた完成図書(甲13。以下「本件仕様書」という。)を原告に対して交付した。(弁論の全趣旨)
(4)ア  被告は,平成24年8月14日までに,本件商品を仕入れ,これを組み立てた上で,本件幼稚園の敷地内に設置(以下「本件設置」という。)した。
イ  被告は,本件設置の際,本件幼稚園の職員室内に,本件商品を同所から遠隔操作したり,燃料残量を確認することができる装置であるコントロールパネル(以下「本件コントロールパネル」という。)を取り付けたほか,いわゆるPC連動機能と呼ばれるシステム(以下,単に「PC連動機能」という。)の接続設定等を行った。(甲17,19,弁論の全趣旨)
3  争点及びこれに関する両当事者の主張
(1)  本件商品の設置等に瑕疵があるか否か(以下「争点①」という。)
(原告の主張)
ア 被告が本件契約により負う義務は,本件商品を仕入れた上,これを本件幼稚園の敷地において組み立て,同所に設置することだけにとどまらず,コントロールパネルなどの付属装置を取り付け,それらの装置を使用するための設定等を行うことも含んでいる。また,その設置等に当たっては,本件商品(付属装置を含む。なお,以下でも同様の意味で用いることとし,付属装置を含まない意味で用いる場合には,「本件商品本体」という。)が,本件契約により合意された仕様(以下「本件契約所定の仕様」という。)を満たす性能・機能等を備えた状態で納品されることが必要であり,具体的には,本件仕様書や,被告が原告に交付したパンフレット(甲14。以下「本件パンフレット」という。)に記載された事項のほか,両当事者が合意した事項が本件契約所定の仕様を構成するものといえる。
イ しかし,本件では,以下のとおり,本件商品本体の組立て・設置のほか,前記付属装置の取付けや,その設定等については,本件契約所定の仕様に違反する点があり,本件商品の設置等に瑕疵(債務不履行)がある。
(ア) コントロールパネルについて
被告が取り付けた本件コントロールパネル(GCU-DG3)は,本件商品の主要構成品として本件仕様書に明記された「発電機制御コントローラー(GCU)」に対応するものであるから,その取付けが本件契約上の義務に当たることは明らかである。
しかし,本件コントロールパネルは,その機能である本件商品本体の燃料残量を表示するとの機能が正常に稼動しておらず,本件契約所定の仕様を満たしていない。
(イ) PC連動機能
本件商品には,インターネット回線を通じてパソコンと本件コントロールパネルを接続し,これにより本件商品の遠隔制御等を可能とするシステム(PC連動機能)が搭載されている旨の記載が本件パンフレットにあるから,被告は,本件契約上の義務として,同機能が稼動するように正しく接続設定等を行う必要がある。
しかし,本件商品は,パソコンとの連動機能が正常に稼動しておらず,本件契約所定の仕様を満たしていない。
(ウ) 防音カバー
本件商品の防音カバー部分は,以下のとおり,本件契約所定の仕様に違反している。
a 防音カバーをSUS304の素材により製作することは当事者間の合意により決まっていたのに,被告はこれと異なる素材により製作した。
b 本件仕様書によると,ラジエーターカバーをダクト構造にすべきであったのに,そのようになっていない。
c 本件仕様書によると,防音カバー内部に吸音材を用いることにより消音を最小化できるとされているのに,被告が行った吸音材の配置に隙間があったため,吸音性能に問題が生じている。
(エ) 単相出力
本件商品本体に単相出力を取り付ける際には日本仕様の100ボルト対応のものを取り付けるべきであったのに,被告は,これに反し,126ボルト対応のものを取り付けた。
(オ) 三相出力
三相出力の取付けに当たっては,本件契約上,本件商品の主要構成品として本件仕様書に明記された「負荷遮断機(VCB)」を設置することが必要であったのに,被告は,これに反し,単なるブレーカー(遮断機)を設置した。
(被告の主張)
ア 原告の前記アの主張のうち,本件仕様書が本件契約所定の仕様を構成するものであることは認め,その余は否認ないし争う。
本件契約により被告が負う義務は,本件商品本体の仕入れ,組立て及び設置のみである。コントロールパネルなどの付属装置の取付けや,これらを用いるための設定等は全てオプションとして行われるものであり,本件では,原告との間にオプションについての取決めは全くない。
イ 原告の前記イの主張のうち,前記イ(イ)につき,PC連動機能が正常に稼動していないこと,前記イ(ウ)aにつき,製作された防音カバーの素材がSUS304とは異なること,前記イ(オ)につき,負荷遮断機が設置されていないことは認め,その余は否認する。
原告が本件商品の瑕疵として主張する点は,いずれも本件商品の改善の問題であり,本件商品本体の運転には何ら支障がない。
(2)  損害額(以下「争点②」という。)
(原告の主張)
被告の債務不履行により,原告に以下の損害が生じた。
ア 財産的損害(修補費用) 1160万円
原告は,当初,本件契約の約定に従って,被告に対して瑕疵修補のみを求めてきたが,被告は無償による瑕疵修補を一方的に打ち切った。そして,被告以外の業者において,コントロールパネルやPC連動機能を本件契約所定の仕様に合致するように修補するには,製品自体を入れ替える以外になく,そのために要する費用は1160万円である。
イ 精神的損害(慰謝料) 300万円
原告は,これまで被告に対して自主的な瑕疵修補を求めてきたが,被告がこれに対して迅速かつ誠実に対応することはなく,前記のとおり,一方的に瑕疵修補を打ち切ったから,原告は本訴提起を余儀なくされた。これにより原告が被った精神的苦痛を慰謝する金額は300万円を下らない。
ウ 弁護士費用相当額(前記損害合計額の1割) 146万円
(被告の主張)
原告の主張は,いずれも否認ないし争う。
仮に原告が主張する仕様違反(瑕疵)が認められたとしても,それによる損害は数十万円程度のはずである。また,前記イについては,原告は法人であり精神がないのであるから,精神的苦痛による損害は認められない。
(3)  テスト費用の立替合意の成否(以下「争点③」という。)
(原告の主張)
原告は,被告から依頼され,被告が支払うべき本件商品のテストに要した費用合計9万5860円を立て替えたところ,被告はその精算をしない。
したがって,被告は同額を不当に利得している。
(被告の主張)
原告の主張は,否認ないし争う。
第3  当裁判所の判断
1  争点①について
(1)  前記前提事実(第2の2)及び証拠(甲13,14)並びに弁論の全趣旨によれば,本件契約は,その締結時点においては,本件パンフレットを除き,本件売買契約書第5条記載の本件商品に係る性能保証の基準となる「仕様書」に当たるものがなく,本件商品が設置された後に,本件仕様書が作成されたことが認められる。そうすると,原告は,当時,本件パンフレットにおいて標準的な仕様として記載された性能・機能を備えた商品が納入されることを期待して本件契約を締結したものと考えられ,被告もそのことを認識・了解していたと認めるのが相当であるから,この点も本件契約所定の仕様を構成するものといえる。
(2)  そこで検討するに,本件パンフレットは,1頁分を使って,PC連動機能をその内容に含む「自動遠隔制御システム」について説明等を行っており,これを本件商品の長所・特性として宣伝していることが認められる。また,本件パンフレットにはオプションに係る記載があるところ,前記システムがそれに当たるものとして記載されているとは解し難いし,被告がオプションに当たる機能を無償のサービスとして取り付けるとも考えにくいことに照らせば,PC連動機能は,本件契約所定の仕様に当たるものであり,被告は,同機能を備えた商品を納入すべき義務があったと認めるのが相当である。
また,コントロールパネルについてみても,本件パンフレットに同装置に係る記載がある上(なお,オプションとして記載されているとは考えにくい),本件仕様書にも本件商品の主要構成品としてコントロールパネルに相当する装置の記載があること,更に,同装置が自動遠隔制御システムの一端を担うものであることなどに照らせば(甲13,14,17),被告は,本件契約上,同装置を適切に取り付けるべき義務を負っていたものと認められる。
しかしながら,証拠(甲19)及び弁論の全趣旨によれば,本件商品は,PC連動機能が正常に稼動しておらず,本件コントロールパネルについても,その機能の1つである本件商品本体の燃料残量を表示するとの機能が正常に稼動していない。
以上によれば,これらの点につき,本件商品に瑕疵(債務不履行)があることが認められる。
(3)  次に,防音カバーの点についてみると,証拠(甲13)及び弁論の全趣旨によれば,ラジエーターカバー部分をダクト構造とすることや,防音カバー内部に吸音材を用いることは本件仕様書により定められており,防音カバーの素材については,当事者間の合意により,SUS304の素材により製作することが決められていたものと認められる。そして,本件商品の防音カバーの素材が実際にはSUS304でないことは当事者間に争いがなく,証拠(甲18)及び弁論の全趣旨によれば,ラジエーターカバー部分が実際にはダクト構造になっていないことが認められるから,これらの点に瑕疵(債務不履行)があったことは明らかである。
他方,吸音材の設置の点は,本件仕様書を見ても,その設置方法等に係る記載はなく,消音効果が発揮されていないとの点をうかがわせる証拠もないから,その設置に瑕疵(債務不履行)があると認めるには足りない(なお,吸音材の剥がれを示す証拠〔甲18写真⑥〕はあるものの,それだけでは,剥がれの時期や状況までは明らかでなく,設置の瑕疵を認めるに足りない。)。
(4)  さらに,単相出力の取付けの点をみると,被告は,これを100ボルトの仕様とする合意があったことを否認するが,日本国内で使用する本件商品に単相出力を取り付けるとの合意があれば,電圧も国内仕様の100ボルトとすることが黙示に合意されているとみるのが相当である。そして,本件商品に単相出力が取り付けられていることは当事者間に争いがないところ,その設置に係る合意がないにもかかわらず,被告が単層出力の取付けをするとは考え難いことに照らせば,本件においては,原告と被告との間に単相出力の設置に係る合意があり,かかる合意は,その電圧を国内仕様の100ボルトとするとの合意を含むものであったと解するのが相当である。しかしながら,証拠(甲19)によれば,本件商品に設置された単相出力の電圧はいずれも126ボルトであったことが認められるから,その設置に瑕疵(債務不履行)があったことは明らかである。
最後に,三相出力についてみると,本件商品に三相出力が設置されていることは当事者間に争いがなく,証拠(甲19)及び弁論の全趣旨によれば,同装置は通常のブレーカー(遮断機)に接続されていることが認められる。しかし,本件仕様書には本件商品の主要構成品として負荷遮断機(VCB)を設置する旨の記載があり,これは,本件商品において三相出力との接続が想定されていたものと考えられるから,本件では,三相出力の設置に当たって瑕疵(債務不履行)があったものと認められる。
2  争点②について
(1)  財産的損害について
本件商品には前述のとおりの瑕疵があったと認められるところ,証拠(甲24)及び弁論の全趣旨によれば,本件商品につき自動遠隔制御システムを正常に稼動させるため,本件商品自体を替えず,本件コントロールパネルを他社製のものに取り換えようとすると,本件商品自体を替えるよりも多額の費用を要するものと認められる(なお,この点につき,被告は,証拠に基づいた具体的な反論をしない)。そして,本件では,被告による瑕疵修補の履行が困難であることや,本件契約上,瑕疵修補ができない場合は,被告が瑕疵のない代替品を引き渡す旨の条項が存在することなども勘案すると,代替品の調達のために要する1160万円が,被告が賠償すべき財産的損害と認めるのが相当である。
(2)  精神的損害について
原告は,被告の債務不履行により多大な精神的苦痛を被ったとして慰謝料の支払を求めるが,本件においては,財産的損害の賠償に加えて精神的損害の賠償を必要とすべき事情が存在するとは認められない(財産的損害の賠償によっては償われない程度の精神的損害が生じているとは認められない)。
以上によれば,原告の前記主張は理由がない。
(3)  弁護士費用について
本件で認容された瑕疵の内容,認定された損害額その他本件に係る一切の事情を考慮すると,弁護士費用のうち前記(1)の認容額の約1割(116万円)を被告の債務不履行と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
(4)  小括
以上によれば,被告が賠償責任を負うべき損害額は1276万円である。
3  争点③について
原告は,本件商品のテストに係る費用が被告の負担すべき費用であることを前提に,被告からの依頼を受けて同費用を立て替えた旨主張し,自らが同費用を支出した証拠(甲16)を提出する。
しかしながら,本件売買契約書の第3条1項及び2項を見ると,本件商品の設置費用及び輸送費用以外の費用の負担者については,原告と被告が協議して定める旨記載されており,これによると,本件商品のテストに係る費用が被告の負担すべき費用とは直ちには認められない。そして,本件全証拠によっても,同費用が被告の負担すべき費用とする旨の協議がされたことや,被告からその立替えを依頼されたとの事実を認めることはできないから,原告の前記主張は理由がない。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は主文の限度で理由がある。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第18部
(裁判官 藤原靖士)

 

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