
「営業代行」に関する裁判例(16)平成27年 7月17日 東京地裁 平27(ワ)14088号
「営業代行」に関する裁判例(16)平成27年 7月17日 東京地裁 平27(ワ)14088号
裁判年月日 平成27年 7月17日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平27(ワ)14088号
事件名
文献番号 2015WLJPCA07178032
弁論の要領等
裁判官
別紙の主文及び理由の要旨を告げて判決言渡し
裁判所書記官 黒田洋年
(裁判長裁判官 嶋末和秀 裁判官 鈴木千帆 裁判官 天野研司)
別紙
請求の理由
第1 当事者
原告は、映画・ビデオの映像制作、編集業務、販売及びその企画営業代行業務並びにそのコンサルタント業務などを目的とする会社である(甲1)。
第2 原告の著作権について
原告は、別紙記載の著作物(以下、「本件著作物」という。)の著作権者である。
本件著作物は、職務著作として、DMM(甲2)が原著作権者であるところ、原告はこのメーカーを含む企業グループの中核企業であり、本件著作物の著作権は、原告がDMMから譲渡を受けている。
第3 被告による著作権の侵害
1 被告は、原告の許諾なく、また何らの権限もないのに、本件著作物を平成25年10月2日午後2時22分16秒に、動画共有サイトである「FC2アダルト」のサーバー上に、全編にわたってアップロードし、それによって本件著作物を公衆に送信しうる状態においた。
被告の当該行為は、本件著作物に関して原告が保有する著作権(著作権法23条1項)を侵害する行為であり、故意又は過失によって他人の権利を侵害したといえ、不法行為にあたる(民法709条)。
なお、現在においては、被告がアップロードしたFC2アダルト上の動画は、著作権者である原告の要請により、削除されており、閲覧できない状態となっている。
2 被告の特定経緯
本件著作物は、ユーザーID「○○」、ユーザーネーム「△△」によってアップロードされているところ(甲3及び甲4)、原告が上記ユーザー情報を保有しているFC2に情報開示を請求し、上記ユーザーID及びユーザーネームで登録している人物が被告であることが判明した(甲5)。
第4 損害の発生及びその額
本件著作物は、原告のグループ企業の一つである「DMM.com」のウェブサイト上で配信、販売されているところ、その形態はストリーミングやダウンロードのほか(甲2)、DVDやBlu-rayなど多岐にわたる。そのため、著作物全
本件各著作物は、原告のグループ企業の一つである「DMM.com」のウェブサイト上で、配信、販売されているところ、その形態はストリーミング、ダウンロードのほか(甲2)、DVD、及びBlu-rayなど多岐にわたる。そのため、著作物全体での単位数量当たりの利益の額は、一概には算出困難である。
この点、本件各著作物につき、被告により本件著作物のアップロードがなされ、原告がそれを発見した平成25年10月2日の時点での最も安い販売価格として、「HD版ストリーミング(7日間)」の390円(甲2)であり、これを単位数量当たりの利益の額として、損害賠償の基準とするのが相当である。
また、FC2アダルトのようにストリーミングによって動画を視聴する場合には、その再生ごとに視聴者のPC等にキャッシュとしてデータが蓄積され、それが、公衆送信が公衆によって受信されることにより作成された著作物(受信複製物)となるから、その数量(譲渡等数量)は本件各著作物の再生回数を基に算出されるべきである。本件各著作物の再生回数は、本件著作物につきアップロード日である平成25年10月2日の時点で4639回(甲3)となる。
したがって、推定される損害金額は、180万9210円(390円×4639回)である(著作権法114条1項)。
第5 まとめ
「よって、原告は被告に対し、著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求として180万9210円、及び、これに対する、被告が本件著作物をFC2にアップロードした日かつ再生回数が4639回に達した日である平成25年10月2日から支払い済みまで年5分の割合による金銭の支払いを求める。」
以上
〈以下省略〉
*******
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。