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「業務委託 代理店 営業」に関する裁判例(2)平成30年12月 5日 東京高裁 平30(ネ)3095号 損害賠償等本訴請求、損害賠償反訴請求、損害賠償等請求控訴事件

「業務委託 代理店 営業」に関する裁判例(2)平成30年12月 5日 東京高裁 平30(ネ)3095号 損害賠償等本訴請求、損害賠償反訴請求、損害賠償等請求控訴事件

裁判年月日  平成30年12月 5日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平30(ネ)3095号
事件名  損害賠償等本訴請求、損害賠償反訴請求、損害賠償等請求控訴事件
文献番号  2018WLJPCA12056004

裁判経過
第一審 平成30年 4月26日 東京地裁 判決 平27(ワ)5720号・平27(ワ)16111号・平27(ワ)24677号 損害賠償等請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件、損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成30年12月 5日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平30(ネ)3095号
事件名  損害賠償等本訴請求、損害賠償反訴請求、損害賠償等請求控訴事件
文献番号  2018WLJPCA12056004

東京都品川区〈以下省略〉
第1審第1事件原告兼第1審第2事件被告 X1株式会社(旧商号a株式会社。以下「第1審原告X1社」という。)
同代表者監査役 A
東京都品川区〈以下省略〉
第1審第1事件原告兼第1審第2事件被告 X2(以下「第1審原告X2」という。)
東京都品川区〈以下省略〉
第1審第3事件原告 X3株式会社(以下「第1審原告X3社」という。)
同代表者監査役 A
上記3名訴訟代理人弁護士 北村克己
葉玉匡美
同訴訟復代理人弁護士 鈴木貴之
河田奈緒美
東京都中央区〈以下省略〉
第1審第1事件及び第3事件被告兼第1審第2事件原告 Y(以下「第1審被告」という。)
同訴訟代理人弁護士 中村信雄
友田順

 

 

主文

1  本件各控訴をいずれも棄却する。
2  第1審原告X1社及び第1審原告X3社の当審における追加的請求をいずれも棄却する。
3  控訴費用は各自の負担とする。

 

事実及び理由

第1  控訴の趣旨
1  第1審原告X1社の控訴の趣旨
(1)  原判決中第1審第1事件及び第2事件に関する部分を次のとおり変更する。
(2)  第1審被告は,第1審原告X1社に対し,1億円及びこれに対する平成27年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)  第1審被告の反訴請求を棄却する。
(4)  訴訟費用は,第1,2審を通じ,本訴反訴とも第1審被告の負担とする。
(5)  (2)項につき仮執行宣言
2  第1審原告X3社の控訴の趣旨
(1)  原判決中第1審第3事件に関する部分を取り消す。
(2)  第1審被告は,第1審原告X3社に対し,1億円及びこれに対する平成27年9月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)  訴訟費用は,第1,2審とも第1審被告の負担とする。
(4)  (2)項につき仮執行宣言
3  第1審被告の控訴の趣旨
(1)  原判決中第1審被告敗訴部分を取り消す。
(2)  第1審原告X1社は,第1審被告に対し,1550万円及びこれに対する平成27年6月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)  第1審原告X2は,第1審被告に対し,1000万円及びこれに対する平成27年6月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(4)  訴訟費用は,第1,2審を通じ,本訴反訴とも第1審原告らの負担とする。
第2  事案の概要等
1  事案の概要
(1)  第1審第1事件(本訴)
第1審第1事件は,東京証券取引所マザーズ上場会社である第1審原告X1社が,同原告の創業者であり元代表取締役である第1審被告に対し,次のア及びイの各請求(両請求の関係は単純併合)をする事案である。
ア 第1審原告X1社が,第1審被告は信義則上の義務に違反して出版社に虚偽の情報を提供し,その情報が掲載された雑誌の記事により第1審原告X1社の営業上の信用が毀損されたと主張して,不正競争防止法2条1項15号(請求の根拠規定の特定につき同法2条1項14号をもってする当事者の主張を,現行法に即して上記のとおり読み替える。以下同じ。)の不正競争行為又は不法行為による損害賠償請求権に基づき,第1審被告に対し,1億円(①顧客との取引の失注額に相当する損害金1億8942万0798円,②慰謝料1000万円の合計1億9942万0798円の一部)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年3月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「本件雑誌関係請求」という。)
イ 第1審原告X1社が,同原告と第1審被告との間の平成23年9月10日付け確認書(甲10。以下「本件確認書」という。)等で合意された競業避止義務及び第1審原告X1社株式の無断売却禁止義務に第1審被告が違反したと主張して,債務不履行による損害賠償請求権に基づき,第1審被告に対し,第1審原告X1社の株価が下落したことによる損害賠償金7826万5688円及びこれに対する上記アと同期間同割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「本訴確認書違反関係請求」という。)
ウ なお,原審において,第1審原告X1社が平成23年9月28日に非公開会社である第1審原告X3社との間で締結した株式交換契約(以下「本件株式交換契約」という。)を契機として第1審原告X1社の代表取締役に一時期就任した第1審原告X2は,第1審被告との間で締結した同日付け覚書(甲12。以下「本件覚書」という。)で合意された競業避止義務及び第1審原告X1社株式の無断売却禁止義務に第1審被告が違反したと主張して,債務不履行による損害賠償請求権に基づき,第1審被告に対し,約定違約金1000万円及びこれに対する上記アと同期間同割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「本訴覚書違反関係請求」という。)をしていた。
(2)  第1審第2事件(第1審第1事件の反訴)
第1審第2事件は,第1審第1事件を本訴とする反訴として,第1審被告が,第1審原告X2及び第1審原告X1社に対し,次のア及びイの各請求(両請求の関係は単純併合)をする事案である。
ア 第1審被告が,同被告と第1審原告X2との間の本件覚書で合意された法令等遵守義務に第1審原告X2が違反したと主張して,債務不履行による損害賠償請求権に基づき,第1審原告X2に対し,約定違約金1000万円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日である平成27年6月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「反訴義務違反関係請求」といい,本訴確認書違反関係請求と併せて「本件各債務不履行関係請求」と総称する。)
イ 第1審被告が,第1審原告X1社の公表したIR(投資家向け広報)資料により第1審被告の社会的評価が低下したと主張して,不法行為による損害賠償請求権に基づき,第1審原告X1社に対し,1650万円(①慰謝料150万円,②顧客との取引失注による損害金1500万円の合計額)及びこれに対する上記アと同期間同割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「反訴IR関係請求」という。)
(3)  第1審第3事件
第1審第3事件は,本件株式交換契約により第1審原告X1社の完全子会社となった第1審原告X3社が,第1審被告は信義則上の義務に違反して出版社に虚偽の情報を提供し,その情報が掲載された雑誌の記事(本件雑誌関係請求における記事と同じもの)により営業上の信用が毀損されたと主張して,不正競争防止法2条1項15号又は不法行為による損害賠償請求権に基づき,第1審被告に対し,1億円(①顧客との取引失注による損害金6億2750万9194円,②慰謝料1000万円の合計6億3750万9194円の一部)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年9月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求する(以下,上記請求を本訴雑誌関係請求と併せて「本件各雑誌関係請求」と総称するとともに,反訴IR関係請求と併せて「本件各不法行為関係請求」と総称する。)事案である。
(4)  原判決は,第1審原告X1社の本訴請求及び第1審原告X3社の請求をいずれも棄却した一方,第1審被告の反訴請求を第1審原告X1社に対し100万円及びこれに対する平成27年6月16日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容し,その余の反訴請求を棄却した。これに対し,第1審原告X1社,第1審原告X3社及び第1審被告がそれぞれの敗訴部分を不服として本件各控訴をした。なお,第1審原告X1社は原審においてその本訴請求(上記(1)ア及びイ)が棄却された部分について当審では第1審被告に対し1億円の支払を求める限度に不服の範囲を限定し,第1審原告X2は原審においてその本訴請求(上記(1)ウ)が棄却された部分について控訴も附帯控訴もしなかったから,上記各部分は当審における審判の対象外である。
2  前提事実,主な争点及び各争点に関する当事者の主張は,次の3及び4のとおり当審における各当事者の主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の2ないし7に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。
(1)  原判決19頁7行目の「第1・第3事件」を「第1審第1事件・第3事件」と改め,16行目の「及び本訴覚書関係請求」を削り,18行目の「本件確認書等及び本件覚書に係る各合意」を「本件確認書等に係る合意」と,26行目の「反訴対X2請求」を「反訴義務違反関係請求」と,20頁6行目の「反訴対X1社請求」を「反訴IR関係請求」と,11行目の「第1事件」を「第1審第1事件・第3事件」とそれぞれ改める。
(2)  原判決40頁26行目の「余程」を「よほど」と改め,41頁18行目の「及び本訴覚書違反関係請求」,19行目の「(後者に対する被告の相殺の抗弁に係る争点を除く。)」をそれぞれ削り,21行目及び26行目の各「本件確認書等及び本件覚書に係る各合意」をいずれも「本件確認書等に係る合意」と改め,23行目の「及び原告X2」,24行目から25行目にかけての「原告X2に対しては本件覚書により,」をそれぞれ削る。
(3)  原判決42頁3行目,21行目の各「及び本件覚書」,6行目,43頁2行目,6行目,7行目,13行目の各「及び原告X2」をそれぞれ削り,3行目の「本件覚書」(2か所)を「本件確認書等」と,7行目の「上記両原告」を「第1審原告X1社」とそれぞれ改め,44頁11行目,26行目の各「及び原告X2」,24行目の「本件覚書」から25行目末尾までをそれぞれ削る。
(4)  原判決45頁5行目の「過ぎない」を「すぎない」と改め,同行目,11行目の各「及び本件覚書」,9行目の「また,」から10行目の「すべきである。」までをそれぞれ削り,46頁2行目の「反訴対X2請求」を「反訴義務違反関係請求」と,48頁13行目の「違えたことない」を「違えたことはない」と,19行目の「反訴対X1社請求」を「反訴IR関係請求」とそれぞれ改める。
(5)  原判決51頁7行目から8行目にかけての「追い込もうとした」たこと」を「追い込もうとした」こと」と,23行目の「原告X1社や原告X3社の顧客や」を「第1審原告X1社又は第1審原告X3社の顧客や」とそれぞれ改める。
3  当審における第1審原告X1社及び第1審原告X3社の主張
(1)  本件各雑誌関係請求について
ア 原判決は,本件g誌摘示事実A及び本件h誌摘示事実Aについて,第1審原告X2及び第1審原告X3社が第1審原告X1社に対して行った第1審原告X3社の経営実態や事業計画に関する説明の内容は虚偽であったとの事実を摘示するものと解されるとした上で,第1審原告X1社は第1審原告X2から虚偽の説明を受けた客体であることを理由として上記各摘示事実は第1審原告X1社の信用を毀損するものではなく,第1審原告X3社との関係では信用を毀損するものであるが真実性の抗弁が認められると判示しているが,上記各摘示事実は第1審原告X1社の顔であり当時の代表取締役である第1審原告X2が嘘をついたことにより第1審原告X1社が乗っ取られたことを読者に伝え,第1審原告X1社の社会的評価を低下させるものである。また,上記各摘示事実は,第1審原告X2らが実態も根拠もないことを知りながら故意に事業計画や受注状況について嘘をついた(騙した)という事実を摘示したものと解すべきである。企業の代表取締役が,事業計画について見込み違いをした結果,事業計画を実現することができなかったという事実の摘示と,故意に事業計画について嘘の説明をしたという詐欺,有価証券報告書虚偽記載,風評の流布等の犯罪又はそれに準ずるコンプライアンス違反の事実の摘示とは,当該企業に対する信用毀損の程度が天と地ほどに異なり,後者における真実性の判断には極めて慎重な配慮が必要となるから,第1審原告X2らが第1審原告X1社ないし第1審被告への説明時に実態も根拠もないことを知りながら,故意に第1審原告X3社の事業計画や受注状況等について嘘をついたことが立証されなければならないが,本件では第1審原告X2らが嘘をついたことの立証はされていない。
イ 原判決は,本件g誌摘示事実Bについて,第1審原告X2が第1審原告X1社の代表取締役として不必要な第1審原告X1社本社の移転費用を支出させるなど不適切な業務執行をしたとの事実を摘示するものと解した上で,これは第1審原告X1社の社会的評価を直ちに低下させ信用を毀損するものではないと判示しているが,第1審原告X1社の代表取締役であった第1審原告X2により本来不必要な高額の本社移転費用の支出などやりたい放題の経営がされており不適切な経営によって今後も経営状況が悪化するであろうという印象を読者に与えるものであり,本件g誌摘示事実Bが第1審原告X1社の信用や社会的評価を貶めるものであることは明らかである。
ウ 原判決は,本件g誌見出し及び本件g誌本文部分6について,第1審原告X1社に関する意見ないし論評の表明であり,それにより第1審原告X1社の社会的評価を低下させ,その信用を毀損するものであることを認めつつ,これらは専ら当該記事の作成者であるEの主観的見解の表現であるから,第1審被告による情報提供と第1審原告X1社の信用毀損との間に相当因果関係は認められないと判示しているが,上記見出し及び本文部分は,強欲な中国人である第1審原告X2が違法な手段で第1審原告X1社を違法な手段により乗っ取って私物化しているという事実を摘示し,第1審原告X1社の信用を毀損するものである。また,原判決は,本件h誌本文部分1は,第1審原告X1社を第1審原告X2が乗っ取ったとの意見ないし論評を表明するものであると解した上で,それにより第1審原告X1社及び第1審原告X3社の社会的評価が低下しその信用を毀損するとまでは認められない旨判示しているが,本件h誌本文部分1は,第1審原告X2が違法な手段で第1審原告X1社を乗っ取り私物化しているという事実を摘示し,第1審原告X1社及び第1審X3社の社会的評価を低下させるものである。
エ 原判決は,本件h誌摘示事実Bについて,第1審原告X2が設立した合弁会社であるd社に反社会的勢力との関係が強く疑われる人物であるDが関与していたという事実を摘示するものと解し,それにより間接的に第1審原告X1社及び第1審原告X3社の社会的評価が低下したり,信用が毀損されたりしたことと第1審被告の情報提供との間の相当因果関係及び第1審被告の故意又は過失を認めつつ,真実性の抗弁が成立すると判示しているが,当該記事は第1審原告X2が第1審原告X1社の取締役会決議を経ずに独断で設立した合弁会社に反社会的勢力が入り込んでいたという事実を摘示するものであり,仮に第1審原告X1社や第1審原告X3社にそのような事実があれば上場廃止になり得るだけでなく銀行取引を停止される可能性があるほどその社会的評価が致命的に貶められるのであるから,その真実性についてはDが反社会的勢力であると強く疑われる人物であるという事実が真実であることを強く推認させる確実な証拠が必要であるところ,本件においてそのような証拠は存在しない。
オ 原判決は,本件h誌本文部分6について,第1審原告X1社に関する旧経営陣の意見ないし論評を表明するものと解した上で,それにより第1審原告X1社の社会的評価が低下し,信用が毀損されることを認めつつ,その旧経営陣を第1審被告と特定することは困難であるから第1審被告による情報提供と第1審原告X1社の信用毀損との間に相当因果関係が認められないと判示しているが,当該記事は,第1審原告X1社は顧客との関係が失われ,その回復は不可能であるという事実を摘示するものであり,第1審被告は記事の作成者であるFの取材に対して上記摘示事実と同じ内容の説明をしているのであるから,第1審被告による情報提供と第1審原告X1社の信用毀損との間には相当因果関係が認められる。
(2)  本件各債務不履行関係請求について
ア 原判決は,本件確認書における第1審被告の競業を制限する期間が5年間と相当長期間に及ぶことや場所的範囲に何ら限定がないこと,制限の範囲が合意の当事者ではない第1審原告X3社の事業にまで及びそのような事業に該当するか否かの判断が専ら第1審原告X1社の取締役会に委ねられている一方で競業の制限に対する代償措置が講じられていないことなどから,本件確認書による競業避止義務の合意は合理的かつ必要な範囲を超えるものであり,公序良俗に違反する無効な合意であると判示しているが,本件確認書によって競業を制限される期間は実質的に3年間であり,第1審被告にとって特段の負担を生じさせるものではない。また,本件確認書を締結することは,第1審原告X1社が本件株式交換による第1審原告X3社との経営統合に向けて株主等に賛成してもらうよう説得するために必要不可欠なものであったことからすれば,本件確認書による競業の制限が合理的かつ必要な範囲を超えるとはいえず,本件確認書による競業避止義務の合意が有効であることは明らかである。
イ 原判決は,第1審被告が第1審原告X1社の株式を売却するに際し事前に第1審原告X1社の了承を得る義務を負っていたと解した上で,第1審原告X1社は第1審被告からその保有する第1審原告X1社の株式売却の承認を求められた際,当時の代表取締役の関与の下で株式の売買については第1審被告自身で判断されたい旨回答したことを理由に株式無断売却義務違反はないと判示しているが,第1審原告X1社の株式の売却には第1審原告X1社の取締役会の了承が必要であったのにその条件が満たされておらず,また,上記第1審原告X1社の回答はインサイダー取引防止規定に基づく承認に関してされたものにすぎず,第1審被告の売却承認依頼が売却の1か月前までという期限を徒過してされたものであることなどからすれば,第1審被告が本件確認書に違反して株式を無断売却したことは明らかである。
(3)  反訴IR請求について
原判決は,本件報道関係IR資料について本件IR資料摘示事実A及びBを摘示したものと解し,これらは第1審被告の社会的評価を低下させ,信用を毀損するものであり,真実性及び真実相当性が認められないから第1審原告X1社は第1審被告に対し損害賠償責任を負う旨判示しているが,本件報道関係IR資料は本件h誌記事に対する反論のためのプレスリリースや,有価証券上場規程に基づく本件訴訟の内容に関する適時開示としてされたものであり,第1審被告の行動を誹謗中傷するためのものではない。本件h誌記事が事実無根のものであることや第1審原告X1社が本件訴訟を提起したという事実の摘示により,第1審被告の社会的評価が大きく下がることはないし,第1審被告が情報提供した内容の誤りを指摘する反論の過程である程度第1審被告の社会的評価が低下したとしてもそれは受忍限度内のものであり権利侵害は認められない。また,第1審被告は,Dが反社会的勢力ではないと認識していた(少なくとも,反社会的勢力であると推認する具体的根拠がないことを認識していた)にもかかわらず,本件g誌記事や本件h誌記事の作成者に対しd社の設立に反社会的勢力と強く疑われる者が関与していた旨の虚偽の情報提供をしていのであるから,本件IR資料摘示事実A及びBの主要部分は真実であるし,少なくとも真実相当性が認められる。
(4)  当審における追加的請求原因
第1審被告は,本件要請文書(乙93),本件要請文書添付資料(乙94の1ないし17),「X1株式会社に関するアップデートのご送付」と題する書面(甲117)及び「X1株式会社に関する情報提供フォローアップ」と題する書面(甲118)を証券取引等監視委員会,東京証券取引所,日本取引所自主規制法人,監査法人r等にばらまき,第1審原告X1社の社会的評価を低下させ,その信用を毀損した。これにより第1審原告X1社は証券取引等監視委員会への事情説明に向けたコンプライアンス委員会の設置,日本取引所自主規制法人における上場審査のための外部への業務委託等を余儀なくされたものであり,コンプライアンス委員会関係の支払金額1173万円,上場審査のための外部への業務委託費用1557万6050円及び監査報酬増額分313万円の合計3043万6050円相当の損害を被った。
当審において追加した請求原因は,取材源としての情報提供に加えて記事自体の摘示という従前第1審原告X1社及び第1審原告X3社が主張していたのと同一の信用毀損行為に関するものであるから請求の基礎に同一性があり,第1審被告に新たな資料の収集や立証活動を課すものではなく,著しく訴訟手続を遅延させるとは考えられず,口頭弁論終結前の要件も満たしているから訴えの変更として認められるべきである。
4  当審における第1審被告の主張
(1)  第1審被告の損害額について
原判決は,第1審原告X1社の本件各IR資料による名誉毀損に基づく第1審被告の損害額を100万円と認定したが,第1審被告の被った深刻な名誉損害による損害額としてはやや低廉である。第1審原告X1社の虚偽のIRは,第1審被告憎しという感情論あるいは経営面の失策を第1審被告に押し付けるという責任転嫁がその背景にあり,上場会社という立場を最大限に利用して行われたもので,そのために,第1審被告は,同じ会社の役員を追い出そうと企てたが失敗し,その後辞任するや競合会社を立ち上げ,元いた会社の誹謗中傷記事を雑誌に掲載したりその記事を会社の顧客や取引先に送付して会社に損害を与えた人物というレッテルを数多くの投資家,上場会社,金融庁等の官公庁,弁護士や公認会計士等に対し貼られ,企業家として抹殺されたに等しい状況に陥り,契約締結直前まで進んでいた大手企業とのコンサルタント契約により得られたはずの収入も失っているのであるから,上記得られたはずの収入も含め第1審被告の損害額としては1650万円を認めることが相当である。
(2)  原判決は,本件覚書の違約金条項が十分に明確かつ具体的な内容のものではないという理由で第1審原告X2の法令違反行為に関し違約金条項の適用はないと判示しているが,第1審原告X2が上場会社の役員として活動を始めるに当たり会社法,金融商品取引法,東証などの諸規則,反社会的勢力への取組みに関するルールなどを理解・認識・遵守させるために作成されたという本件覚書の作成経緯に照らすと,本件覚書が第1審原告X2において上場会社の役員として従うべき会社法,金融商品取引法,東証などの諸規則,反社会的勢力への取組みに関するルールなどの諸法令の遵守を内容とするものであることは明確であり,上記違約金条項に違反した第1審原告X2については違約金1000万円を支払う法的義務が発生しているというべきである。
(3)  第1審原告X1社及び第1審原告X3社の主張する訴えの変更においては,証券取引等監視委員会とのやり取り等に基づく新しい損害論が定立されており,この点の主張立証を続けるとすれば著しく訴訟手続を遅延させることは明白であるから,訴えの変更の要件を満たさない。仮に訴えの変更が許される場合には追加的変更に関する請求は棄却されるべきである。
第3  当裁判所の判断
1  当裁判所も,第1審原告X1社の本訴請求及び第1審原告X3社の請求(当審における追加的請求を含む。)はいずれも理由がなく,第1審被告の反訴請求のうち本件IR関係請求は第1審原告X1社に対し損害賠償金100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がないものと判断する。その理由は,次の2及び3のとおり当審における各当事者の主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第3 本件各不法行為関係請求に対する当裁判所の判断」及び「第4 本件各債務不履行関係請求に対する当裁判所の判断」に各記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。
(1)  原判決53頁4行目から5行目にかけての「認めらる」を「認める」と,62頁19行目の「本件g誌意見・論評」を「本件h誌意見・論評B」と,67頁16行目から17行目にかけて及び20行目の各「本件h紙」をいずれも「本件h誌」とそれぞれ改める。
(2)  原判決75頁13行目の「本件確認書等及び本件覚書に係る各合意」を「本件確認書等に係る合意」と改め,76頁1行目の「及び(6)」,同行目の「各」,2行目の「ア」,7行目から12行目をそれぞれ削り,15行目の「比較考量」を「比較衡量」と改める。
(3)  原判決77頁6行目から16行目までを削り,17行目の「(4)」を「(3)」と改め,同行目の「及び原告X2」,18行目の「各」,22行目の「及び本件覚書」,23行目の「(ア)」をそれぞれ削る。
(4)  原判決78頁7行目から13行目までを削り,79頁23行目の「原告X2は」から80頁4行目の「及び原告X2は」までを「第1審原告X1社は」と,7行目の「上記両原告」を「第1審原告X1社」とそれぞれ改める。
2  当審における第1審原告X1社及び第1審原告X3社の主張に対する判断
(1)  本件各雑誌関係請求について
ア 第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(1)アのとおり主張する。
しかしながら,本件g誌摘示事実A及び本件h誌摘示事実Aは,本件株式交換契約に至る過程において第1審原告X3社及び第1審原告X2が第1審原告X1社に対して行った第1審原告X3社の経営実態や事業計画に関する説明の内容は虚偽であった等の事実を摘示するものであり,第1審原告X1社は第1審原告X2らから虚偽の説明を受けた客体であることからすると,上記各摘示事実について,そのような説明を行った第1審原告X2ら現経営陣の社会的評価への影響を超えて,第1審原告X1社の社会的評価を直ちに低下させるものとまで認めることができないことは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の3(5)ア及びエに説示するとおりであるし,仮に上記各摘示事実により上記の影響を通じて本件各記事掲載当時の第1審原告X1社の社会的評価が低下することを前提としても,本件においては後記原告X3社の信用毀損に関する認定説示(原判決「事実及び理由」欄の第3の6)と同様に真実性又は真実相当性の抗弁が認められるから違法性を認めることはできないという結論は左右されない。また,本件g誌本文部分1~4及び本件h誌本文部分2~4について一般の読者の普通の注意と読み方を基準として当該記事の意味内容を解釈した場合には,いずれも「本件株式交換契約に至る過程において第1審原告X3社及び第1審原告X2が第1審原告X1社に対して行った第1審原告X3社の経営実態や事業計画に関する説明の内容は虚偽であったとの事実(本件g誌摘示事実A及び本件h誌摘示事実A)」を摘示するものであると解釈されることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の3(2)及び(3)が適切に説示するとおりであり,第1審原告X2らが実態も根拠もないことを知りながら故意に事業計画や受注状況について嘘をついた(騙した)と解釈すべきであるとする第1審原告X1社及び第1審原告X3社の主張は,本件g誌本文部分1~4及び本件h誌本文部分2~4の記載内容について過度に限定的な解釈を加えて真実性又は真実相当性の抗弁の成立範囲を狭めようとする企図に基づくものであることがうかがわれ,採るを得ないものであるというほかない。そして,当審で第1審原告X1社及び第1審原告X3社が提出する取引先の報告書や第1審原告X2及びCらの陳述書等の内容に照らしても,第1審原告X2らが本件株式交換契約に至る過程において第1審被告に対し第1審原告X3社が100%受注できると説明していた複数の案件について結局のところ受注ができず,また,第1審原告X3社がc社との法的な独占販売契約を締結していなかったという前記認定説示が覆されるものではなく,仮に第1審原告X3社がc社の実質的な総代理店であったとしても,第1審原告X3社の事業計画書の「独占販売契約を締結した」旨の記載は客観的事実に反するから,「事業計画がウソや紛らわしい内容ばかり」という本件g誌本文部分2が真実性を欠くとはいえないし,本件h誌が発行された当時,既にc社が我が国に第1審原告X3社とは無関係の営業活動を行う会社を設立していたのであるから,「c社の実質的な総代理店であるとの説明も虚偽であったことが後に判明」との本件h誌本文部分4についても,その時点で第1審被告や第1審被告から情報提供を受けたEがこれを真実と信じることには相当な理由があったというべきであることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の6(2)ウ(イ)の説示するとおりである。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
イ 第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(1)イのとおり主張する。
しかしながら,本件g誌摘示事実Bは第1審原告X2が第1審原告X1社の代表取締役として第1審原告X1社の本社の移転について不必要な移転費用を支出させるなど不適切な業務執行をしたという事実を摘示するものであり,不適切な業務執行の主体とされる第1審原告X2の社会的評価への影響はさておき,株式会社の経営者と会社は法的に別の主体であって当然に同一視することはできないことに鑑みれば,本件g誌摘示事実Bが第1審原告X1社の社会的評価を直ちに低下させるものとまで認めることはできないことは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の3(5)イの説示するとおりである。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
ウ 第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(1)ウのとおり主張する。
しかしながら,本件g誌見出し,本件g誌本文部分6及び本件h誌本文部分1について一般の読者の普通の注意と読み方を基準として当該各記事の意味内容を解釈した場合には,当該各記事における「乗っ取り」は,第1審原告X1社の経営陣に第1審原告X2らが乗り込み,第1審被告を含む旧経営陣を排除したという記事作成者の主観的な評価が含まれた文言であるということができ,当該各記事が本件g誌意見・論評及び本件h誌意見・論評Aと解釈されるものであることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の3(2)及び(3)の説示するとおりであり,第1審被告による情報提供と本件g誌意見・論評との間に相当因果関係があるとは認められず,本件h誌意見論評Aが第1審原告X1社の社会的評価を直ちに低下させるものとは認められないことも,同第3の4(4)及び同第3の3(5)カの説示するとおりである。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
エ 第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(1)エのとおり主張する。
しかしながら,本件h誌記事においては,大見出しに「旧経営陣が現経営陣を告発 新興上場企業に巣くう病巣」という表題があり,小見出しで「反社勢力の姿も 問われる証券行政の監督のあり方」と記載された後の本文中に「X2氏が取締役会決議を経ずに独断で設立した合弁会社には,反社会的勢力との関係が強く疑われる人物が入り込んでいた」と記載されているところ,本件h誌記事を上記の各見出しも含めて全体として見た場合には,第1審原告X1社には旧経営陣と現経営陣の内部対立が生じており,その中で取り上げられている問題の一つとして,第1審原告X2が取締役会決議を経ずに独断で設立した第1審原告X1社又は第1審原告X3社と関係する合弁会社に「反社会的勢力との関係が強く疑われる人物」が関与していたことを指摘するものであると解されるから,本件h誌摘示事実Bが上記合弁会社に反社会的勢力が入り込んでいたという事実を摘示するものであるとは考え難いというほかない。そして,第1審原告X3社が出資した合弁会社であるd社の設立には,中村弁護士の意見書(乙25)や第1審原告X1社の内部調査委員会が作成した平成24年9月27日付けの調査報告書(乙26)において「反社会的勢力と疑われる可能性がある」旨の指摘を受けたDが相当程度関与していたことが認められ,本件h誌摘示事実Bはその主要部分において真実であると認めることができ,真実性の抗弁が成立することは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の6(3)に説示するとおりである(なお,当審で第1審原告X1社及び第1審原告X3社が提出する調査報告書(甲181,182)はd社とDとの関係が問題とされた平成24年から約6年もの期間が経過した時点で,原判決において第1審原告ら側が一部敗訴した後に,第1審被告側の関係者からの聴き取りは全く行わずに作成されたものであるから,中立的な第三者の立場にある弁護士によって構成された委員会による見解が示されたものであることを踏まえても,その証拠価値を高くみることはできず,これにより上記認定が覆されるものではない。)。また,仮に,本件h誌摘示事実Bがその主要部分において真実であると認められないとしても,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の6(3)アに掲げる認定事実によれば,第1審被告が本件h誌摘示事実Bを真実と信じたことには相当な理由があったというべきであり,真実相当性の抗弁が成立する。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
オ 第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(1)オのとおり主張する。
しかしながら,本件h誌本文部分6の意味内容について,その見出しも含めて全体として一般の読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した場合には,当該部分はそれまで記事の中で指摘してきた事実全般を基に第1審原告X1社内部の私的な経営権争いではなく新興上場企業に関する監視の在り方について警鐘を鳴らす趣旨の記事であることを示すために旧経営陣側の第1審原告X1社の現状に関する主観的な評価を記載したものであると解されるから,当該部分が事実を摘示するものであるとはいえず,「X1社の商圏はすでにボロボロになっており,再建は不可能」との第1審原告X1社に関する意見ないし論評を表明するもの(本件h誌意見・論評B)と解釈されるものと認められ,その意見ないし論評が第1審被告の言動に基づく表現であると認めるには足りないことは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の3(3)及び同4(6)の説示するとおりである。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
(2)  本件各債務不履行関係請求について
ア 第1審原告X1社は,前記第2の3(2)アのとおり主張する。
しかしながら,当該主張は原審段階における主張の繰り返しにすぎず,本件確認書が第1審原告X1社の代表取締役の立場にあった第1審被告と第1審X1社との間で任意に作成されたものであることなどを踏まえても,本件確認書における第1審被告に関する競業の制限は合理的かつ必要な範囲を超えており,本件確認書に定められた競業避止義務の合意は公序良俗に反し無効と解するのが相当であることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第4の2に説示するとおりである。よって,第1審原告X1社の上記主張を採用することはできない。
イ 第1審原告X1社は,前記第2の3(2)イのとおり主張する。
しかしながら,第1審原告X1社は,第1審被告からその保有する第1審原告X1社の株式を売却する予定があるのでその承認を得たい旨伝えられ,その後の第1審被告とのやり取りにおいて本件第1審被告保有株式の売却を妨げないとの立場をあらかじめ表明していたものであり,第1審被告がその保有する第1審原告X1社の株式の売却につき事前に第1審原告X1社の了承を得るべき第1審被告の義務は全うされたものというべきであることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第4の3に説示するとおりである。よって,第1審原告X1社の上記主張を採用することはできない。
(3)  反訴IR請求について
第1審原告X1社は,前記第2の3(3)のとおり主張する。
しかしながら,そもそも有価証券上場規程に基づく適時開示としてされたことをもって直ちにその行為が正当化されるものではないことは当然であるし,本件各IR資料には本件訴訟の内容やそれに至る経緯等に係る第1審被告の反論は全く記載されておらず,本件各IR資料の一般の読者としては第1審原告X1社の主張が一応正しいものと受け止める者が少なからず存在することが推認されるから,本件各IR資料は第1審被告の社会的評価を低下させるものと認められる一方,第1審原告X1社の真実性又は真実相当性の抗弁等は認められず,第1審被告の反訴IR関係請求は慰謝料100万円の限度で理由があることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の7に説示するとおりである。よって,第1審原告X1社の上記主張を採用することはできない。
(4)  第1審原告X1社及び第1審原告X3社は,前記第2の3(4)のとおり主張する。
しかしながら,本件要請文書(乙93)及びその添付資料(乙94の1ないし17,甲117,118)等に記載された内容について第1審原告X1社及び第1審原告X3社が信用毀損行為であると主張する内容は,本件各雑誌関係請求に関して第1審原告X1社及び第1審原告X3社が主張する内容と同様であって(仮に同様のものでないことを主張するものであれば,請求の基礎の同一性を欠くことにより訴えの変更自体認められないことになる。),上記認定説示のとおり本件各雑誌関係請求について第1審被告の損害賠償責任は認められないのであるから,本件要請文書等についても第1審被告の損害賠償責任は認められない。よって,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の上記主張を採用することはできない。
3  当審における第1審被告の主張に対する判断
(1)  第1審被告は,前記第2の4(1)のとおり主張する。
しかしながら,第1審原告X1社の不法行為に係る経緯,態様,発生結果その他本件に顕れた諸般の事情を勘案すれば,第1審被告が当審において指摘する点も踏まえても,その精神的損害に対する慰謝料は100万円と認めるのが相当であることは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第3の10に説示するとおりである。よって,第1審被告の上記主張は採用することができない。
(2)  第1審被告は,前記第2の4(2)のとおり主張する。
しかしながら,第1審被告の主張するように,本件覚書の対象とする法令等が,本件株式交換後,第1審原告X2が上場会社の役員として従うべき会社法,金融商品取引法,東証などの諸規則,反社会的勢力への取組みに関するルールなどの諸法令であるというのであれば,本件覚書の作成時にそれを明確に示しておけばよく,かつ,そのことは可能であったと考えられるし,本件覚書第7条が定める義務に関し,当事者が従うべき「各種」法令及び適用対象である「役職員」の範囲が十分になっておらず,義務の内容に十分な明確性及び具体性があるとは到底いえないことは,引用した原判決「事実及び理由」欄の第4の4に説示するとおりである。よって,第1審被告の上記主張は採用することができない。
4  結論
以上のとおり,本件については,第1審原告X1社の本訴請求及び第1審原告X3社の請求(追加的請求を含む。)はいずれも理由がないから棄却すべきであり,第1審被告の反訴請求のうち本件IR関係請求は第1審原告X1社に対し損害賠償金100万円及びこれに対する遅延損害金の支払の限度で理由があるからこれを認容し,その余の反訴請求は棄却すべきであるから,これと同旨の原判決は相当である。よって,本件各控訴は理由がないからこれらを棄却し,第1審原告X1社及び第1審原告X3社の当審における追加的請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第17民事部
(裁判長裁判官 川神裕 裁判官 武藤真紀子 裁判官 中辻雄一朗)

 

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