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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(221)平成23年 9月20日 東京地裁 平20(ワ)31173号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(221)平成23年 9月20日 東京地裁 平20(ワ)31173号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成23年 9月20日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)31173号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2011WLJPCA09208011

要旨
◆被告会社との間で投資事業組合契約を締結して出資した原告が、本件組合契約は実質的には違法な外国為替証拠金取引であったなどとして、被告会社に対しては、不法行為に基づき出資金相当額等の損害賠償を求め、被告Y2に対しては、被告会社の実質的な経営者として被告会社の業務を行ったとして、不法行為に基づく損害賠償として、被告会社と連帯した損害金の支払を求めた事案において、被告会社の訴外従業員による本件組合契約の締結の勧誘及び出資金の受領は、金融先物取引法に基づく登録を受けていない業者による金融先物取引として違法・不当なものであるなどと認定して、被告会社の不法行為責任を認めるとともに、被告Y2は不法行為に該当する行為を被告会社を主体として行わせたと認められるから被告会社と連帯して同責任を負うとして、請求を全部認容した事例

参照条文
会社法350条
民法719条
金融先物取引法56条

裁判年月日  平成23年 9月20日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)31173号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2011WLJPCA09208011

神奈川県横須賀市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 山崎康雄
東京都渋谷区〈以下省略〉
被告 株式会社Y1
同代表者代表取締役 A
東京都港区〈以下省略〉
被告 Y2
同訴訟代理人弁護士 岩井昇二

 

 

主文

1  被告らは,原告に対し,連帯して,230万円及びこれに対する被告株式会社Y1については平成20年11月27日から,被告Y2については同月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は被告らの負担とする。
3  この判決は仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
主文と同じ。
第2  当事者の主張
1  事案の概要
本件は,被告株式会社Y1(以下「被告会社」という。)との間で,被告会社が業務執行組合員を務めるa組合への出資契約を締結し,金員を支出した原告が,同組合への出資契約の形式が採られたのは,外国為替取引を行うために必要な登録を回避するためであり,実質的には登録業者ではない被告会社と原告との間の相対取引による外国為替証拠金取引であった,あるいは被告は投資事業組合の運営管理を行う意思がないのに,これを行うとの虚偽の事実を告げて原告に出資金名目で金員を交付させた等として,被告会社に対し,不法行為に基づく損害賠償として,出資金相当額300万円及び弁護士費用相当額30万円の支払を求めると共に,被告Y2は被告会社の実質的な経営者として被告会社の業務を行った者であると主張して,被告Y2に対し,不法行為に基づく損害賠償として,被告会社と連帯して同額の損害賠償を請求する事案である。
なお,原告は,本件訴訟の被告であったB及びCから,訴訟上の和解に基づき100万円の支払を受けたことにより,被告らに対する請求を100万円の限度で取り下げたので,原告の被告らに対する請求額は230万円となった。
2  前提となる事実(証拠を掲記しない事実は,当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨により容易に認められる。)
(1)  原告は,昭和5年○月○日生まれの女性である(甲7の3,18)。
(2)ア  被告会社は,平成18年11月20日に,本店所在地を東京都渋谷区〈以下省略〉,目的を事業組合の運営及び管理,有価証券の保有,運用及び売買等として設立された株式会社である。
被告会社は,その設立以後,法令に基づき金融先物取引業者としての登録を受けたことはない。
イ  被告会社の代表取締役には,設立当初から平成19年5月25日まではD,同日から同年11月30日まではA,同日から平成20年4月7日まではCが就任し,同日以降はAが就任している。なお,少なくとも,DとCは,実際には代表取締役としての権限を有していなかった。
ウ  被告会社の設立から現在まで,D,C及びAのほかに被告会社の取締役あるいは代表取締役として登記された者は存在しない。
(3)  原告は,被告会社従業員であったEからa組合(以下「本件事業組合」という。)への出資の勧誘を受け,平成19年8月27日,被告会社との間で,投資事業組合契約(以下「本件組合契約」という。)を締結し,一般組合員として,本件事業組合に3口300万円を出資した(甲7の3・4,8。以下「本件出資」という。)。
(4) 被告会社は,平成19年9月27日付けで,原告に対し,被告会社と香港に本店を置くb社(以下「b社」という。)の一部業務合併に伴い,被告会社の本件事業組合は,同年10月3日にb社の「○○ FX3」に移管されることになったとの通知をした(甲9の1)。
(5)  被告会社は,平成19年9月30日付けで,原告に対し,本件事業組合の財産について原告の持分を清算したとし,本件事業組合の財産に対する原告の持分が出資金300万円,スワップ配当15万2460円の合計315万2460円であるとの清算通知書を送付した(甲9の2)。
(6)  原告に対し,b社名義で,平成19年11月1日付け○○・FX月間持分残高報告書が送付された(甲9の3)。同報告書には,同年9月30日及び同年10月31日時点での持分残高がいずれも現金297万円である旨,同年10月31日時点の確定スワップ金利が15万7080円である旨が記載されていた。
(7)  平成19年11月12日ころ,同月12日に行った売り取引により,売買差損が330万円発生したため,原告の預託金残高が36万円の損失のある状態になったとのb社名義の決算報告書及びスワップ配当35万1120円と組合費6万円を考慮すると,損失金額は8880円であるとのb社名義の清算通知書が,原告に送付された(甲9の4・5)。
(8)  被告会社は,平成19年11月30日,本店所在地を移転し,事実上廃業した。
3  争点
(1)  被告会社が原告から本件組合契約に基づいて本件出資を受けたことについて不法行為が成立するか
(原告の主張)
ア 無登録による実質的な外国為替証拠金取引
本件組合契約が締結された当時,金融先物取引法(平成18年法第66号による改正前のもの。以下同じ。)は,2条2項1号で外国為替証拠金取引を同法の規制対象とすると共に,同法56条により,金融先物取引を行う業者は登録を要することとし,登録を受けずに金融先物取引をした者に対しては罰則を設けていた。本件組合契約は,本件事業組合への出資の形態を採っているが,実質的には,被告会社と組合員との相対取引による外国為替証拠金取引であったのであり,被告会社は同法に基づく登録を受けずに,金融先物取引を行ったことになる。したがって,本件組合契約の締結を勧誘し,出資を受ける行為は,実質的には罰則の適用が予定される違法な行為であり,原告に対する不法行為を構成する。
イ 詐欺による出資金の騙取
被告会社は,本件事業組合に出資した組合員の出資金をインターバンク市場における外国為替取引により運用する意思はなく,被告会社と組合員との間の相対取引を行い,売買差損が出たことを理由に出資金の返還を免れる意図を有していたにも係わらず,これを秘して,本件組合契約の勧誘の際,被告会社従業員であったEにより,原告に対し,本件事業組合への出資金は,組合財産として,被告会社の子会社であるc社を通じてインターバンク市場における外国為替取引により運用する旨の説明を記載した文書を交付した。原告は,これにより,出資金を原資として適正な価格で外国為替取引が行われると誤信して本件出資を行ったのであるから,詐欺の不法行為が成立する。
ウ 説明義務違反
業者と顧客の相対取引による外国為替証拠金取引では,業者と顧客との利害が対立し,業者が顧客に不利益な取引を進める可能性があることから,相対取引であるかインターバンク取引であるかは,契約締結の是非を判断する顧客にとって重要事項であるが,Eは本件組合契約締結の際,原告に対し,本件組合契約の取引形態について正確な説明をしなかった。これは,金融先物取引法73条が規定していた取引態様の事前説明義務に反しており,その程度は著しいから,本件組合契約の締結は違法であり,被告会社は不法行為責任を負う。
エ 適合性原則違反
原告は,本件組合契約締結当時,高齢の女性であり,配偶者に先立たれ,一人暮らしをしており,現物株式の取引をはじめ,投資取引の経験はなく,外国為替取引の経験もない。このような原告に対し,本件事業組合への出資を勧誘することは,適合性原則に反し違法であり,不法行為を構成する。
(2)  被告Y2が,被告会社の実質的経営者として不法行為責任を負うか
(原告の主張)
被告Y2は,被告会社の実質的経営者であり,被告会社の事務所に常駐し,被告会社の営業全般を個別具体的に統括すると共に,自ら組合員らの出資金を出納管理するなど,被告会社の資金及び経理面を掌握していた。被告Y2は,警察等の摘発を避けるため,商業登記簿上の役員には就任していないが,実質的に被告会社の経営を行っていた者として,被告会社と共同不法行為責任を負う。
(被告Y2の主張)
被告会社はAが設立した会社であり,被告Y2は知人がいたことから被告会社に出入りしたことはあるが,その事業には全く関与しておらず,営業内容や役員構成等も知らない。
(3)  原告の損害額
(原告の主張)
原告は,被告らの不法行為により,本件出資相当額である300万円の損害を受けた。また,その賠償を求めるため,本件訴訟の提起を原告代理人に委任しており,その弁護士報酬のうち30万円は被告らの不法行為と相当因果関係のある損害である。
第3  争点に対する判断
1  争点(1)(被告会社の不法行為の成否)について
(1)  上記前提となる事実,証拠(甲18,証人E。その他各事実ごとに記載したもの)及び弁論の全趣旨によると,本件組合契約締結の経緯等について,以下の事実が認められる。
ア 被告会社従業員であったEは,平成19年8月27日,原告の自宅を訪問し,原告に対し,被告会社作成の投資事業組合説明書(甲7の1。以下「本件説明書」という。),本件事業組合の加入案内(甲7の2。以下「本件加入案内」という。)を交付して,本件事業組合への出資の勧誘をした。
イ 本件説明書には,募集要項として,以下の記載がされていた。
(ア) 形態:日本国の民法667条の組合として本件事業組合を設立
(イ) 組合事業:外国通貨取引においてスワップ金利を得ること及びそれに付随する運用差益を得ること目的にファンドを設立
(ウ) 運用対象:香港フィリップ証券等において外国通貨取引
(エ) 取引形態:会員個々が売買,他の通貨への乗換え,または解約を自ら判断する契約であり,為替リスク等のヘッジはしない。
(オ) 手数料:組合管理報酬として組合財産の2%,成功報酬として事業利益の3%を受領
ウ 本件加入案内には,本件事業組合に関し,複数の一般組合員が,本件事業組合に出資し,業務執行組合員である被告会社が本件事業組合の運営管理を行い,c社が本件事業組合に対し,投資のアドバイスをすると共に,香港フィリップ証券等に対する外国為替取引の注文を代行し,香港の外国為替市場において取引を行う旨を示す図が掲載されていた。
エ 原告は,本件説明書及び本件加入案内の交付を受け,スワップ金利が付き,有利な取引であるとのEの勧誘に応じ,平成19年8月27日,被告会社との間で本件組合契約を締結し,出資金300万円をEに交付したが,その際作成され,原告に交付された契約書(甲7の4。以下「本件契約書」という。)には,以下の約定が記載されていた。
(ア) 組合員は本契約の定めるところによりそれぞれ出資をなし,共同で事業を営むことを約し,平成18年12月1日付で日本国の民法667条の組合として本組合を設立する(2条)。
(イ) 一般組合員は,本件事業組合の業務を執行し又は同組合を代表する権限を一切有しない(13条(1))。
(ウ) 業務執行組合員は,組合財産を外国為替取引市場において取引差益等を得ることを目的として,本件組合契約における業務執行組合員の権限にしたがって,組合財産を運用する(18条(1))。
(エ) 組合財産は組合員の共有とし,各組合員は各自持分金額の持分割合による組合持分を有する。組合員は,組合の清算前に組合財産の分割を請求することができない(23条)。
(オ) 業務執行組合員は,毎事業年度の開始日において,管理報酬として組合財産の2%に相当する現金を受領する(29条(2))。
オ 被告会社が,被告会社と本件事業組合に関する組合契約を締結した原告及びFに対し送付した「月間持分残高報告書」及び「a組合内訳書」には,いずれも原告あるいはFの出資金に関する外国為替証拠金取引の内容,それに関する売買手数料あるいは組合費のみが記載されており,本件事業組合の財産全体についての取引は記載されていなかった(甲2,3の1~6,4の1~3,5の1・3,8)。
カ 被告会社は,平成18年12月4日,株式会社三菱東京UFJ銀行新宿中央支店に被告会社名義の普通預金口座を開設したが,平成19年11月22日に同口座が解約されるまでの間,同口座への組合員からの出資金の入金はされていたが,c社あるいは証券会社への同口座からの送金あるいはそれらの会社による同口座への入金は存在しない(甲19の1)。
また,平成18年12月12日に開設され,平成19年12月27日に全額が出金された株式会社三井住友銀行新宿西口支店の被告会社名義の預金口座及び平成19年2月9日に開設され,同年9月5日に解約されたりそな銀行新宿支店の被告会社名義の預金口座においても,c社や証券会社への送金あるいはこれらの会社からの入金は存在しない(甲19の2・3)。
(2)ア  上記で認定した事実に基づいて検討するに,Eが原告に対する本件組合契約締結の勧誘に使用した本件説明書及び本件加入案内並びに契約当日に作成された本件契約書の各内容によると,本件事業組合は,民法667条に基づく組合であるから,原告を含む組合員が出資した金員は,組合財産として総組合員の共有となり(同法668条。本件契約書23条。),業務執行組合員である被告会社が,c社を通じるなどして,外国為替市場における外国為替証拠金取引の方法により運用するとの内容で,本件組合契約が締結されたものと認められる。
しかしながら,他方で,本件加入案内は,外国為替取引の形態を,各組合員が売買,他の通貨への乗換え又は解約を自ら判断する契約であるとしていること,組合契約締結後に原告を含む組合員に送付された残高報告書等にも,組合財産全体としての取引は記載されておらず,個々の組合員の出資金に関する取引のみが記載されていたことからすると,被告会社が,原告を含む組合員との間で行っていた取引は,組合契約に基づく組合財産の運用ではなく,個々の組合員が出資した出資金ごとの外国為替証拠金取引であったと認められ,このことは,被告会社代表者であるAが,被告会社が行っていたのは,被告会社と組合員との相対取引であったとの供述等をしていることとによって裏付けられる(乙イ1,被告会社代表者兼取下げ前被告A〔以下「被告会社代表者」と表記する。〕)。
そして,組合員からの出資金が入金されていた口座を含む被告会社名義の預金口座のいずれにおいても,c社あるいは証券会社との間の金員のやり取りが認められず,他にも被告会社が外国為替証拠金取引のために出資金を運用したと認めるに足りる客観的証拠が存在しないこと,被告会社代表者のAが,被告会社が実際には外国為替証拠金取引を行っていなかったとの供述等をしていること(乙イ1,被告会社代表者)に照らすと,被告会社は,原告を含む組合員に対し,外国為替取引の内容を記載した報告書を送付してはいたが,実際には記載された取引を行っていなかったものと認められる。
イ  本件においては,被告会社の実質的な経営者が誰であるかについて争いがあるが,本件組合契約が締結された平成19年8月27日当時には,Aが被告会社の代表取締役であり,同人は,当時から,本件事業組合の実体はなく,被告会社が組合員と相対取引を行っていること,実際には市場での外国為替取引を行っていないこと,及び被告会社が金融先物取引業者の登録を受けていないことを認識していた(乙イ1,被告会社代表者)。それにも係わらず,Aは被告会社の業務を継続させていたのであるから,被告会社従業員による原告に対する本件組合契約の締結の勧誘及び出資金の受領は,金融先物取引法に基づく登録(同法56条以下)を受けていない業者による金融先物取引として違法・不当なものであり,原告に対する不法行為を構成するというべきである。また,被告会社作成の本件説明書,本件加入案内及び本件契約書は虚偽の事実を記載したものとなるから,これらを使用して被告会社従業員に本件組合契約締結を勧誘させ,出資金を受領させることは,詐欺の不法行為にも該当するというべきである。
(3)  したがって,本件組合契約締結当時の被告会社代表者であるAは,職務上の行為によって原告に損害を与えたというべきであるから,被告会社は会社法350条に基づく損害賠償責任を負う。
2  争点(2)(被告Y2の不法行為責任の有無)について
(1)  上記前提となる事実,証拠(甲16,乙イ1,乙ロ1から3,乙ハ1,証人E,証人D,分離前被告C,同B,被告代表者本人兼取下げ前被告A,被告Y2。そのほか各事実毎に記載したもの)及び弁論の全趣旨によれば,被告会社の設立の経緯や業務の執行状況等について,以下の事実が認められる。
ア 被告Y2は,平成6年4月,株式会社d(当時。以下「d社」という。)に入社し,同期社員であったBと知り合ったが,平成7年4月頃にはd社を退社した。なお,被告Y2のd社退社後も,被告Y2とBは,年数回程度連絡を取り合う関係にあった。
被告Y2は,e株式会社,株式会社f社で勤務するなどした後,平成16年7月ころから,外国為替証拠金取引を営むg株式会社(以下「g社」という。)で営業部長として稼働するようになった。被告Y2は,g社が自己破産した平成17年10より前に退社し,その後,投資組合方式による外国為替取引を営む株式会社h(以下「h社」という。)のオーナーであったGから勧誘を受け,同社に入社して,支店長として稼働した。なお,被告Y2は,遅くとも平成19年5月までには,h社を退社した。
イ Bは,平成6年4月に入社したd社において,商品先物取引の営業をしていたが,同社に在籍中の平成17年8月ころ,被告Y2から同人と一緒に仕事をするよう誘われ,当時d社に勤務していたD,Hらを誘って,同年10月にd社を退社してh社に入社し,平成19年3月中旬まで在籍した後,被告会社の仕事をするようになった。
ウ Aは,平成8年4月にe社に入社し,同社に在籍していた被告Y2と知り合い,f社にも被告Y2と同時に移ったが,先に退社した。平成16年4月,Aは,g社に入社して営業部次長となり,営業課長であったEと知り合った。
Aは,平成17年10月の破産により,g社を退職し,未公開株を販売するi株式会社に営業部長として入社したが,同年11月ころ退社して,同じ未公開株販売を目的とするj社にEを含む数名と入社した。その後,平成18年6月に同社の関連会社のh社に出向の形で移籍し,支店長であった被告Y2,営業部長であったBのもとで働くようになった。
Aは,平成18年12月末ころ,被告Y2とBから,被告会社への入社を誘われ,平成19年3月ころにh社を退社し,営業部長として被告会社に入社した。
エ Cは,平成7年7月,d社に中途採用で入社し,Bの部下として約2年間稼働し,その間,Bから被告Y2を紹介され,Aも被告Y2の部下として紹介された。Cは,平成18年9月ころもd社で勤務していたが,Bから連絡があり出向いたところ,被告Y2から,新たに始める事業の手伝いを依頼され,その後もたびたび勧誘を受けたことから,同年12月にd社を退社して,被告会社に入社した。
オ Eは,g社,j社及びh社でAと共に稼働したことがあり,h社において被告Y2やBを知った。Eは,営業を担当していたh社を退社した平成18年11月中旬ころ,Aから呼び出され,指定場所に行ったところ,Aではなく被告Y2とBがおり,外国為替取引事業を興すための会社を設立しているとして,被告会社に入社するように勧誘され,同年12月1日に営業課長として被告会社に入社した。
カ Dは,平成15年4月から平成18年5月までd社に勤務していたときに上司としてBと知り合い,同人から被告Y2の紹介を受けた。その後,被告Y2からh社への入社を勧誘され,同年6月から,h社において,被告Y2及びBの部下として勤務していたが,同年10月ころ,被告Y2から,新しく設立する会社への入社を勧誘され,同年11月初旬には,被告Y2から被告会社の代表取締役として名義を貸すよう依頼されて,これに応じることとした。
Dは,被告Y2と共に行政書士事務所に赴いて,被告会社の設立登記手続を依頼したり,同被告の指示に従い,三菱東京UFJ銀行,三井住友銀行及びりそな銀行に被告会社名義の預金口座を開設するなどの手続をしたが,被告会社の代表印,銀行印,通帳やキャッシュカード等は被告Y2に交付し,Dは管理していなかった。
なお,Dは平成19年4月までh社で稼働し,同年5月から,被告会社において営業を担当するようになったが,役職は最下位の主任であった。
キ 東京都渋谷区にあった被告会社の本店事務所は,従業員であったHを賃借人として賃借されており,広さ40平方メートル弱で,被告Y2及びBの使用する部屋と他の従業員が使用し電話勧誘などの営業を行う部屋があった。被告会社において,被告Y2は「社長」,Bは「専務」と呼ばれており,他の従業員は部長,課長,係長等の肩書で呼び合っていた。
本件事業組合への出資金など被告会社の経理の管理は,被告Y2が行っており,原告を含む出資者に送付していた「月間持分残高報告書」及び「a組合内訳書」も被告Y2が作成していた。
ク 被告会社が使用していた本件契約書は,h社が使用していた「a組合 投資事業組合契約書」とその体裁及び内容においてほぼ同一であり,本件契約書の第4条は所在地として,h社の契約書と同一の「本組合の所在地は,東京都渋谷区に本店を有する『株式会社h』に設置する。」と記載されていた(甲7の4,15)。
ケ 平成19年7月31日,東京都渋谷区の被告会社の本店所在地を本店所在地,資本金を5000万円として,k株式会社(以下「k社」という。)が設立された。k社の代表取締役は被告Y2であり,設立時における他の取締役2名のうち1名はB,監査役はAであった(甲1)。k社の業務は,平成19年10月1日から,被告会社の上記事務所において開始され,b社の業務のため香港にいたCを除き,被告会社で稼働していた者がk社の業務に関与した。なお,B,C,A及びDは,いずれも平成20年5月ころまでにk社あるいはb社を退社した。
コ 被告会社の三菱東京UFJ銀行新宿中央支店の預金口座から,以下の金員合計8700万円が被告Y2の預金口座に送金された(甲19の1・2。日付はいずれも平成19年である。以下「本件各送金」と総称する。)。
また,上記口座から,Bに対し,平成19年7月31日及び8月30日に各200万円,9月27日及び10月23日に各250万円が送金された。
(ア) 6月18日 400万円
(イ) 7月30日 5000万円
(ウ) 7月31日 200万円
(エ) 8月30日 200万円
(オ) 9月26日 250万円
(カ) 10月4日 100万円
(キ) 10月9日 50万円
(ク) 10月23日 500万円
(ケ) 12月27日 2000万円(三井住友銀行の預金口座解約時)
(2)  上記(1)で認定した事実によれば,被告Y2は,被告会社設立前に,被告会社の業務に関係したB,A,C,E及びDと就労先の同僚あるいは部下等として面識を持つに至り,被告会社と同じく投資事業組合への出資を募る方式で外国為替証拠金取引を行っていたh社における経験を下に,被告会社を設立し,被告会社の財産や本件事業組合に関する組合契約締結後の組合員との取引関係を管理するなど,実質的に被告会社の業務を執行していたと認められる。
(3)  これに対し,被告Y2は,被告会社に関し,同社を経営していたBの相談に乗る以上の関与をしたことはなく,被告会社とは無関係であると主張し,それに沿う供述等をする。また,本件各送金については,平成18年ころ,被告Y2の友人IをBに紹介したところ,被告会社との取引でIが約9000万円の損失を被ったため,被告Y2がこれを許せず返還するよう求めたが,Iが返還金の受領に自分の口座を使いたくなかったため,被告会社に被告Y2の口座に振り込ませたものであるとの供述をする。
しかしながら,被告Y2の本件各送金に関する供述は,当初,本件各送金がいずれもIの損失に関する分割返還であり,Iの損失は約9000万円であったが,返還を受けたのは7200万円から7300万円であり全額は回収できなかったというものであったが,本件各送金の額が上記供述より多いことを指摘されると,7500万円は回収したと変更し,さらに,本件各送金の額がその額を超えていることを指摘されると,被告Y2がBに金銭を貸し付けていた旨を供述するというように,送金の趣旨や回収額といった重要な部分において変遷している。また,被告Y2の供述が事実であるとすれば,被告会社としては,Iとの間で紛争が再燃しないよう,被告Y2への送金がIへの出資金の返還の趣旨であることを明らかにする手立てを取るのが通常であるが,そのような手立てが取られたとの事情は窺われないし,被告Y2が同人の口座に入金された金員をIに交付したとの事実についても,これを認めるに足りる証拠は一切存在しない。後者の事実は,預金口座の履歴等により被告Y2が容易に立証しうる事実であるにも係わらず,被告Y2が本件各送金について,被告Y2の本人尋問まで何ら反論反証しなかったことも考慮すると,被告Y2の本件各送金にかかる供述は信用性を欠くと言わざるを得ない。
そうであれば,本件各送金は,本件事業組合に対する出資金等として被告会社が受領した金員について,被告会社から被告Y2自身に交付されたものと推認するのが合理的であるし,平成19年7月30日に送金された5000万円は,被告Y2が設立し,代表取締役に就任したk社の資本金であると推認されることからすれば,被告Y2は,被告会社の財産を自己のために処分していたと認められる。
さらに,本件各送金がされた被告会社の預金口座からのBに対する送金は,k社の取締役となれば月額200万円を支払うと被告Y2から依頼されて同社の取締役に就任したとのBの供述に合致するものであり,上記送金にかかる金員は,Bに対するk社の役員報酬として支払われたものと認められる。このようにk社の役員報酬が被告会社の財産により支払われていることからすれば,被告会社の財産は被告Y2の意思により管理処分されていたと認められ,これを覆すに足りる証拠はない。
この事実によれば,被告Y2が被告会社と無関係であるとの同被告の供述も信用性を欠き採用できず,他方,被告Y2が被告会社を設立し,「社長」として同社の財産を管理し,業務を指示していたとの趣旨で一致しているB,A,C,E及びDの供述はいずれも信用性がある。
(4)  以上で認定説示したところに,被告会社が金融先物取引の登録を受けずに,原告を含む組合員との間で相対取引による外国為替証拠金取引を行う形態を採っており,実際には外国為替取引を行っていなかったことを併せ考えると,被告Y2は,不法行為に該当する上記行為を被告会社を主体として行わせたと認められ,したがって,被告Y2は,被告会社と並んで原告に対する不法行為責任を負うと解するのが相当である。
3  争点(3)(原告の損害額)について
原告が支出した本件出資は,これに対する配当の支払や組合財産の返還等がされていないから,本件出資相当額300万円が,被告会社役員及び被告Y2の不法行為による損害となる。また,本件訴訟の内容及び審理の経過等の事情に照らすと,原告が本件訴訟提起のために原告訴訟代理人に委任したことによる弁護士費用のうち30万円は,上記不法行為と相当因果関係がある損害であると認められる。
したがって,原告の損害額は330万円となるが,原告は,本件訴訟の被告であったB及びCから100万円の和解金の支払を受けたことにより,請求を230万円に減縮したので,その範囲で損害を認定する。
4  以上によれば,原告の被告らに対する請求は,いずれも理由があるから,これを認容することとして,主文のとおり判決する。
(裁判官 倉地真寿美)

 

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