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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(233)平成23年 3月25日 東京地裁 平21(ワ)30554号 損害賠償等請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(233)平成23年 3月25日 東京地裁 平21(ワ)30554号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成23年 3月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(ワ)30554号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2011WLJPCA03258022

要旨
◆A社がゴルフ場を運営するB社を買収するために設立した会社である原告が、①A社と被告Y1(B社の代表取締役)との間でB社買収に関する基本合意が締結された、②原告が被告会社から同ゴルフ場の優先施設利用権の譲渡を受ける旨の契約等は、無効又は条件不成就であるなどと主張して、債務不履行又は不当利得に基づき、被告らに対し、損害賠償又は譲渡代金の返還を求めた事案において、上記基本合意を認めるに足りる証拠はなく、また、上記譲渡契約はゴルフクラブ会員権につき預託金返還請求権を分離して優先施設利用権のみを譲渡するものであって無効であるなどの原告の主張を排斥し、原告の請求を棄却した事例

参照条文
民法415条
民法466条

裁判年月日  平成23年 3月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平21(ワ)30554号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2011WLJPCA03258022

東京都千代田区〈以下省略〉
原告 株式会社ユキコーポレーション
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 裵薫
東京都世田谷区〈以下省略〉
被告 Y1
同訴訟代理人弁護士 丹羽厚太郎
大阪市〈以下省略〉
被告 馬塲産業株式会社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 関口徳雄
同訴訟復代理人弁護士 中田直樹

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は,原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告Y1及び被告馬塲産業株式会社は,原告に対し,連帯して,9億7000万円及びこれに対する被告Y1については平成21年9月10日から,被告馬塲産業株式会社については同月11日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告Y1は,原告に対し,1億8000万円及びこれに対する平成21年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が,①被告Y1(以下「被告Y1」という。)に対しては,債務不履行または不当利得に基づき,また,被告馬塲産業株式会社(以下「被告馬塲産業」という。)については,不当利得に基づき,連帯して(原告は,被告Y1の支払義務が債務不履行に基づくものであって,被告馬塲産業の支払義務が不当利得に基づくものである場合,また,被告らの支払義務がそれぞれ不当利得に基づくものである場合のいずれであっても,それらは連帯関係にあると主張している。),9億7000万円及びこれに対する被告Y1については訴状送達の日の翌日である平成21年9月10日から,被告馬塲産業については訴状送達の日の翌日である同月11日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,②被告Y1に対し,債務不履行または不当利得に基づき,1億8000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成21年9月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1  前提事実(証拠等を掲記していない事実は,当事者間に争いがない。)
(1)  本件当事者
ア 原告
原告は,平成19年12月13日,ゴルフ場の企画,建設,開発,所有,管理,運営及び経営等を目的として設立された会社であり,設立当時の代表取締役は,C(以下「C」という。)であった(甲4)。
イ 被告Y1
被告Y1は,平成20年4月25日まで,株式会社東千葉カントリー倶楽部(以下「東千葉カントリー社」という。)の代表取締役を務めていた者である。
東千葉カントリー社は,昭和47年に設立された,「東千葉カントリー倶楽部」との名称のゴルフクラブ(以下「本件ゴルフクラブ」という。)を運営する会社である。
ウ 被告馬塲産業
被告馬塲産業は,昭和60年に設立された,不動産の売買,ゴルフ場の設計等を目的とする会社である(甲2)。
(2)  本件関係会社
ア 株式会社サイカンホールディングス
株式会社サイカンホールディングス(以下「サイカン」という。)は,平成18年に設立された,不動産投資,ゴルフ場建設及び運営等を目的とする会社であり,不動産開発を主たる目的とする韓国法人である株式会社サイカンホールディングス(以下「韓国サイカン」という。)の日本における100パーセント子会社である(甲5,弁論の全趣旨)。
イ 株式会社ジャパンゴルフインベストメント
株式会社ジャパンゴルフインベストメント(以下「JGI」という。)は,平成20年1月16日,ゴルフ場の企画,建設,開発,所有,管理,運営及び経営等を目的として設立された会社であり,代表取締役はサイカンの取締役を兼ねている(甲6)。
ウ 株式会社ジャパンゴルフマネージメント
株式会社ジャパンゴルフマネージメント(以下「JGM」という。)は,平成14年に設立された,ゴルフ場の経営,管理,企画,設計等を目的とする会社である(甲7)。
エ 合同会社坂井興業
合同会社坂井興業(以下「坂井興業」という。)は,平成19年12月12日,金銭の貸付等を目的として設立された会社である(甲3,なお,坂井興業は,原告から,被告Y1と連帯して1億8000万円の支払を求める訴えを提起されたが,口頭弁論期日に欠席したため,弁論分離の上,平成21年10月23日,判決が言い渡された。)。
(3)  民事再生手続
東千葉カントリー社は,平成20年1月21日,民事再生手続開始の申立てをし,同月28日,民事再生手続開始決定がされ,同年8月19日,再生計画の認可決定が確定した。
しかし,再生計画に従った弁済ができず,平成21年3月23日,会社更生手続開始決定がされ,現在その手続中である(なお,東千葉カントリー社の現在の商号は「更生会社株式会社エイチシーシー」であるが,以下では従前の商号である東千葉カントリー社を使用する。)。
(以上,甲1,弁論の全趣旨)。
2  争点及びこれに対する当事者の主張
本件の争点は,被告Y1の原告に対する債務不履行の有無,被告らの不当利得の成否であるが,具体的には,サイカンと被告Y1との間で東千葉カントリー社買収に関する基本合意が締結されたか否か,原告と被告馬塲産業との間で本件ゴルフクラブの優先施設利用権譲渡契約が成立したか否か,同優先施設利用権譲渡契約及び原告と坂井興業との間で締結されたアドバイザリー契約が無効であるか否か,同優先施設利用権譲渡契約及び同アドバイザリー契約における条件が成就したか否か,被告馬塲産業及び坂井興業は被告Y1がサイカンから金員を受領するための被告Y1のダミーであったか否かであり,これに対する当事者の主張は,以下のとおりである。
(1)  原告の主張
ア 東千葉カントリー社買収に関する基本合意の締結
(ア) サイカンは,既に日本のゴルフ場を所有しており,さらなる不動産投資を経営目標としていたところ,平成19年夏ころ,韓国サイカンのD会長(以下「D会長」という。)が本件ゴルフクラブを訪れて気に入り,東千葉カントリー社の取得を望んだ。
そして,D会長は,同年10月ころ,サイカンの従業員であるEからCを紹介された。当時,Cは,東千葉カントリー社の売却に携わっており,被告Y1と面識があった。Cは,D会長の意向を被告Y1に伝えたが,被告Y1は,韓国資本には売却しないとの意向であったため,D会長は,東千葉カントリー社の買収を一旦断念した。
(イ) その後,Cは,東千葉カントリー社の買収にJGMを介在させてサイカンに売却する方法を考えつき,平成19年10月ころ,D会長とJGMの実質的所有者であり経営者であるF(以下「F」という。)を引き合わせた。
(ウ) そして,平成19年11月ころ,D会長,被告Y1,C及びFの4者間で,以下の内容の基本合意(以下「本件基本合意」という。)が締結された。
a サイカンは,被告Y1が実質的に所有している東千葉カントリー社(本件ゴルフクラブ)の会員権及び株式を相当な対価で買い取る。また,被告Y1が,民事再生手続において,サイカンが東千葉カントリー社の経営権を取得できるよう協力し,サイカンが東千葉カントリー社の完全な所有権及び経営権を取得した場合は,サイカンは,被告Y1に対し,相当額の成功報酬を支払う。
b 被告Y1は,東千葉カントリー社の民事再生手続開始の申立てをする。
c JGMは,サイカンに代わり,民事再生会社である東千葉カントリー社との間に,スポンサー契約を締結する。
d サイカンは,JGMが民事再生手続を通じてサイカンが東千葉カントリー社の完全な所有権及び経営権を取得できるようにする代わりに,JGMに必要な資金を提供する。
e サイカンが民事再生手続を通じて東千葉カントリー社の完全な所有権及び経営権を取得した場合は,サイカンは,JGMとの間に業務委託契約を締結する。
f サイカンは,Cに対し,相当額の仲介報酬を支払う。
イ 本件基本合意に基づく各契約の締結等
(ア)a サイカンは,平成19年12月13日,東千葉カントリー社を買収するための会社として,Cを代表取締役とする原告を設立した。
b また,被告Y1は,一方で,東千葉カントリー社の民事再生手続開始の申立てをし,預託金返還請求権を大幅にカットして本件ゴルフクラブの会員に多大な損害を与えながら,他方では,自らが株式及び会員権の売買代金や経営権移転に対する協力を名目にして多額の報酬を得ることを同会員に知られることを恐れ,金員受領のためのダミーとして,被告馬塲産業及び坂井興業を利用することとした。
(イ) そして,原告と被告馬塲産業は,平成19年12月20日,以下の内容の優先施設利用権譲渡契約(以下「本件優先施設利用権譲渡契約」という。)を締結した。
被告馬塲産業は,本件ゴルフクラブの優先施設利用権を11億2000万円(なお,後に9億7000万円に減額された。)で原告に譲渡することとし,譲渡代金は,JGM及びその関連会社が本件ゴルフクラブの営業の全部もしくは重要な一部の買収を行う目的で,東千葉カントリー社がJGM及びその関連会社をスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出された時点で支払うものとする。
(ウ) また,原告と坂井興業は,平成19年12月20日,以下の内容のアドバイザリー業務契約(以下「本件アドバイザリー契約」という。)を締結した。
原告は,坂井興業に対し,原告及びその関連会社が本件ゴルフクラブの営業の全部もしくは重要な一部の買収を行う目的で,東千葉カントリー社が原告及びその関連会社をスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出された時点で,アドバイザリー手数料1億8000万円を支払うものとする。
ウ 被告馬塲産業及び坂井興業に対する支払
原告は,平成20年8月22日,被告馬塲産業に対し,本件優先施設利用権譲渡契約に基づき,9億7000万円を支払い,また,同月29日,坂井興業に対し,本件アドバイザリー契約に基づき,1億8000万円を支払った。
エ 被告Y1の損害賠償義務・被告らの不当利得返還義務
(ア) 被告Y1の損害賠償義務・不当利得返還義務
a 以下のとおり,被告Y1は本件基本合意に違反し,また,サイカンは,民事再生手続により東千葉カントリー社の所有権及び経営権を取得することができなかった。
(a) 経営権譲渡の不履行
東千葉カントリー社の民事再生手続においては,増減資によりスポンサーが株式全部を取得するのではなく,旧株主からスポンサーへ全株式が売買されることになっていた。
JGIは,サイカンが東千葉カントリー社の全株式を取得するために設立された会社であるが,再生計画の認可決定が確定した翌日である平成20年8月20日,東千葉カントリー社の全株式4万株がJGIに譲渡され,東千葉カントリー社の取締役会においてもその譲渡が承認された。また,翌21日,株式譲渡契約の効力発生の停止条件とされていたソーラーウインドツーリミテッド(以下「ソーラー社」という。)が東千葉カントリー社に対して有する再生債権のJGIによる買取も実行された。
このように,同月21日,東千葉カントリー社の全株式の取得が確定したため,JGIは,東千葉カントリー社の経営権を移転してもらうよう旧経営陣である取締役に対して辞任届の作成・交付を要請していたところ,それは遅々として進まなかった。
(b) 無断増資
被告Y1は,平成20年9月4日,臨時株主総会を開催して12万株の増資を決議し,実行した。これにより,JGIは,東千葉カントリー社16万株のうち4万株を持つにすぎなくなり,経営権を取得することができないまま少数株主に転落し,東千葉カントリー社の完全な所有権及び経営権の取得という目的を達成できなくなった。
(c) 再生計画の不履行
JGIは,JGMを通じて,東千葉カントリー社の再生計画により,本件ゴルフクラブの退会会員等に対し,預託金返還請求権等の7パーセントである約10億円を弁済する予定であったが,経営権を確保できなくなったため,10億円の弁済に応ずる訳にはいかず,また,JGMも独自の弁済を拒否したため,再生計画は破綻した。
そして,平成21年3月12日,会社更生手続開始決定がされ,サイカンは,民事再生手続により東千葉カントリー社の経営権を取得することが完全にできなくなった。
b(a) 被告Y1の損害賠償義務
原告は,被告Y1の本件基本合意の債務不履行により,被告馬塲産業に支払った9億7000万円及び坂井興業に支払った1億8000万円の損害を被ったから,被告Y1は,原告に対し,同額を賠償する義務がある。
(b) 被告Y1の不当利得返還義務
ⅰ 本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件不成就
本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約に付された条件は成就しなかったから,被告Y1は,原告に対し,不当利得に基づき,上記(a)と同額を返還する義務がある。
ⅱ 本件優先施設利用権譲渡契約の無効(分離譲渡禁止)
本件優先施設利用権譲渡契約に先立つ平成19年12月14日,東千葉カントリー社の取締役会は,本件ゴルフクラブ会員権につき,優先施設利用権と預託金返還請求権とを分離するとの決議を行ったが,ゴルフクラブ会員権に基づく権利義務は不可分一体であって,各債権を個別に譲渡することはできないから,同取締役会決議は無効であり,したがって,本件優先施設利用権譲渡契約も無効であるから,被告Y1は,原告に対し,不当利得に基づき,原告が本件優先施設利用権譲渡契約に基づいて被告馬塲産業に支払った9億7000万円を返還する義務がある。
ⅲ 本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約の無効(目的物不存在)
本件優先施設利用権譲渡契約における目的物である本件ゴルフクラブ会員権は,平成19年1月5日,被告馬塲産業が,日本グリーンフイルド株式会社(以下「日本グリーンフイルド」という。)から購入したとされているが,その時点で日本グリーンフイルドは本件ゴルフクラブ会員権を有しておらず,日本グリーンフイルドと被告馬塲産業の間の譲渡契約は偽装されたものである。したがって,目的物が不存在のため,本件優先施設利用権譲渡契約は無効である。また,原告は,日本グリーンフイルドが本件ゴルフクラブ会員権を有しているとの被告Y1及び被告馬塲産業の言を信じて本件優先施設利用権譲渡契約を締結したものであり,同契約は錯誤により無効である。よって,被告Y1は,原告に対し,不当利得に基づき,原告が本件優先施設利用権譲渡契約に基づいて被告馬塲産業に支払った9億7000万円を返還する義務がある。
また,本件アドバイザリー契約も同様に無効であるから,被告Y1は,原告に対し,不当利得に基づき,原告が本件アドバイザリー契約に基づいて坂井興業に支払った1億8000万円を返還する義務がある。
ⅳ 本件優先施設利用権譲渡契約の不成立
本件優先施設利用権譲渡契約においては,目的物が特定されておらず,同契約は成立していないから,被告Y1は,原告に対し,不当利得に基づき,原告が本件優先施設利用権譲渡契約に基づいて被告馬塲産業に支払った9億7000万円を返還する義務がある。
(イ) 被告馬塲産業の不当利得返還義務
前記の被告Y1の不当利得返還義務と同様であり,被告馬塲産業は,原告に対し,不当利得に基づき,支払を受けた9億7000万円を返還する義務がある。
(2)  被告Y1の主張
ア 本件基本合意の不存在
被告Y1は,原告も認めるとおり,平成19年10月ころ,サイカンによる東千葉カントリー社の買収申出を明白に拒絶しており,D会長とは東千葉カントリー社の民事再生手続の前後を通じて一切面識はないのであって,本件基本合意が成立する余地はない。したがって,被告Y1が,D会長やCに対して裏金なるものを要求したことはないし,原告と被告馬塲産業及び坂井興業との間のやり取りや契約関係は関知しない。
そして,このことは,以下の経緯からも明らかである。
(ア) 東千葉カントリー社は,被告Y1とその息子が株式の大半を保有する同族会社であったが,バブル崩壊後に経営危機に陥った。また,当時,東千葉カントリー社に対して64億円の債権を有していたソーラー社は,本件ゴルフクラブの買収を意図して同債権を取得したものであり,同債権の弁済要求や本件ゴルフクラブの施設に設定された担保権の実行を示唆して東千葉カントリー社への圧力を強めていた。そこで,被告Y1は,ソーラー社に対抗するため,スポンサーからの支援を受けて東千葉カントリー社を再建することを模索していた。
(イ) 被告Y1は,平成19年9月ころ,東千葉カントリー社の総務部長から,韓国系の企業が東千葉カントリー社の買収を希望しているとの報告を受けた。しかし,被告Y1は,外資系企業に本件ゴルフクラブの経営権を譲渡する意思がまったくなかったことから,条件面等の協議をするまでもなくこれを拒絶した。すなわち,本件ゴルフクラブの事業を再建するには,民事再生手続等により東千葉カントリー社が負担する債務を圧縮する必要があり,債権者である本件ゴルフクラブ会員の協力が不可欠であったところ,同会員には競技志向の強い者が多く,優先的施設利用権の保護やプレー環境の維持を最優先に考えるスポンサーが事業を承継する計画でなければ同会員の協力を得ることができず,再生計画の可決・認可を得ることが不可能であった。そこで,被告Y1は,ゴルフ場の投機売買を目的とする傾向のある外資系の企業は,スポンサーとして適切ではないと判断したものである。
一方,サイカン以外にもJGMを含む数社がスポンサーとして名乗りを上げていたが,JGMは,東千葉カントリー社に対して最も好条件を提示し,ゴルフ場運営に十分な実績を有していたことから,JGMであれば本件ゴルフクラブ会員の理解が得られるものと考えられた。そこで,東千葉カントリー社とJGMが協議をし,JGM及びその関連会社が東千葉カントリー社の民事再生手続におけるスポンサーとして本件ゴルフクラブの事業を承継し,東千葉カントリー社は,JGM及びその関連会社から提供を受けた資金で再生債権等の弁済を実施するという基本方針を確認した。そして,東千葉カントリー社は,同年12月21日,JGMとの間でスポンサー契約を締結し,それを前提として民事再生手続開始の申立てをした。
(ウ) 東千葉カントリー社の再生計画は,JGMの支援の下で本件ゴルフクラブの事業を再生・継続していくというものであったが,JGMのグループ戦略上,弁済原資はJGMの関連会社が提供し,同関連会社が東千葉カントリー社の全株式を取得して,東千葉カントリー社を100パーセント子会社にするという計画の下に策定された。
同再生計画提出後,JGMは,被告Y1に対し,JGMの100パーセント子会社であるJGIが東千葉カントリー社の全株式を買い取ることを伝えた。
その後,再生計画の認可決定が確定した。
(エ) ところが,その後,JGIがJGMではなくサイカンの100パーセント子会社であることが判明し,被告Y1が,JGMに事情を確認したところ,サイカンがJGMとの約束を一方的に反故にして,JGMを排除して本件ゴルフクラブの経営を独占しようとしているとの説明を受けた。
そのため,東千葉カントリー社は,JGIへの株式譲渡の無効を主張するとともに,臨時株主総会を開催して12万株の増資を決議し,実行した。
(オ) その後,再生債権の弁済原資が提供されず,東千葉カントリー社が再生計画に従った債務の履行ができずに再生手続が廃止される危機に直面したが,JGMが,破産手続開始決定の発令を回避するために,会社更生手続開始の申立てをし,同開始決定がされた。
そして,上記会社更生手続において,本件ゴルフクラブ会員の多くが,JGIではなくオリックス・ゴルフ・マネジメント株式会社をスポンサーとして支持したことから,JGIは,東千葉カントリー社の経営権を取得することができなかった。
イ 被告Y1の損害賠償義務について
本件基本合意は存在しないから,その債務不履行ということはあり得ない。
ウ 被告Y1の不当利得返還義務について
(ア) 本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件不成就について
本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約に付された代金の支払条件は成就している。
(イ) 本件優先施設利用権譲渡契約の無効(分離譲渡禁止)について
ゴルフ会員権発行会社と会員との合意により優先的施設利用権と預託金返還請求権を分離することは可能であり,本件優先施設利用権譲渡契約は有効である。
また,原告が無効を主張することは,禁反言の原則に反する。
(ウ) 本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約の無効(目的物不存在)について
本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約が締結された当時,日本グリーンフイルドは本件ゴルフクラブ会員権を有しており,それが消滅もしていない。
(エ) 本件優先施設利用権譲渡契約の不成立
原告の主張を争う。
(3)  被告馬塲産業の主張
ア 本件優先施設利用権譲渡契約締結の経緯
本件優先施設利用権譲渡契約締結の経緯は以下のとおりであり,被告馬塲産業は被告Y1の金員受領のためのダミーではなく,本件優先施設利用権譲渡契約は通常の商取引であって,原告の主張するサイカンやその他の会社の関与は知らない。
(ア) 被告馬塲産業は,東千葉カントリー社から,資金調達のためとの理由で,同社の関連会社である日本グリーンフイルドの保有する本件ゴルフクラブの会員権及びこれに係る東千葉カントリー社に対する預託金返還請求権の買取の申出を受け,これを承諾し,日本グリーンフイルドから,平成19年1月5日,本件ゴルフクラブの会員権及びこれに係る東千葉カントリー社に対する預託金返還請求権(額面総額83億4605万3800円)を,代金8000万円で譲り受け,また,同様に,本件ゴルフクラブの会員権及びこれに係る東千葉カントリー社に対する預託金返還請求権(額面総額6億5400万円)を,代金2000万円で譲り受け,それぞれの代金を支払った。
(イ) その後,被告馬塲産業は,東千葉カントリー社が民事再生手続の申立てをせざるを得ない状況にあることを知るとともに,東千葉カントリー社から,同手続の場合のスポンサー候補の1社が,被告馬塲産業が保有する本件ゴルフクラブの会員権を債権者としての議決権を得るために欲していることを知らされた。
そして,被告馬塲産業は,東千葉カントリー社を通じてスポンサーとなるJGMからの懇請を受け,本件ゴルフクラブの会員権をJGMの関連会社に売却することになり,本件優先施設利用権譲渡契約が締結された。
イ 被告馬塲産業の不当利得返還義務について
被告Y1の不当利得返還義務についての主張と同様である。
第3  当裁判所の判断
1  本件基本合意の存否について
原告は,平成19年11月ころ,D会長,被告Y1,C及びFの4者間で,本件基本合意が締結されたと主張し,証人のD会長はこれに沿う供述(陳述書(甲44)を含む。)をする。
しかしながら,原告自身が主張するとおり,同年10月ころ,Cが東千葉カントリー社買収の意向を被告Y1に伝えた際,被告Y1は,韓国資本には売却しないとの意向を示していたのであり,それから本件基本合意が締結されたと主張する同年11月ころまでのわずか1か月の間に,被告Y1がいかなる説得を受けて東千葉カントリー社をサイカンに売却することを決めたのかということについては,D会長においても具体的な供述はなく,また,そもそも,D会長においても,被告Y1との直接交渉はなく,CやFを通じて話を聞いていたに過ぎないというのであるが,Cの陳述書(甲31)(Cは,証人尋問において,同陳述書の内容が正しい旨供述している。)によれば,Cが「D会長とF氏を引き合わせましたところ,F氏は,D会長に対し,『日本のゴルフ場は韓国資本がスポンサーになることを嫌うので,JGMが表に立って,サイカンの代わりに東千葉カントリーを取得してあげるので,取得に成功した暁にはJGMに経営を業務委託して欲しい。』と申し入れられ,D会長も同意されましたので,早速,韓国企業が後ろについている点を秘してF氏をY1氏に紹介しましたところ,Y1氏と東千葉カントリーの総務部長であるG氏に,JGMであれば可能ではないかと言われ,JGMにスポンサーをさせる方針が決定されました。このときはサイカンがスポンサーになるのではなく,JGMもしくはその子会社のJGIがスポンサーになるとY1氏に説明し,Y1氏のOKを取り付けました。」というのであり,この陳述書どおりであるとすれば,むしろ本件基本合意は締結されていないことになる(すなわち,Cはサイカンが後ろに付いていることを被告Y1に隠しているのであるから,被告Y1がサイカンのD会長と合意をすることはあり得ないし,サイカンが東千葉カントリー社(本件ゴルフクラブ)の会員権及び株式を買い取るという内容の合意をすることもあり得ない。)。加えて,本件基本合意の存在を窺わせる何らの書面も存在しない。したがって,本件基本合意が締結されたとの事実は,到底これを認めることができない。
これに対し,原告は,平成19年11月以降,東千葉カントリー社が民事再生手続開始の申立てをするまでの経過からして,本件基本合意が締結されたことが裏付けられるかのように主張するが,本件基本合意を前提とせずともその経過を説明することは可能であるから,その経過が裏付けとはなり得ない。
2  本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件成就の有無について
本件優先施設利用権譲渡契約においては,被告馬塲産業は,本件ゴルフクラブの優先施設利用権を11億2000万円(なお,後に9億7000万円に減額された。)で原告に譲渡することとし,譲渡代金は,JGM及びその関連会社が本件ゴルフクラブの営業の全部もしくは重要な一部の買収を行う目的で,東千葉カントリー社がJGM及びその関連会社(なお,後にこの関連会社はJGIとされた。)をスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出された時点で支払うものされ(甲12,丙9),本件アドバイザリー契約においては,原告は,坂井興業に対し,原告及びその関連会社が本件ゴルフクラブの営業の全部もしくは重要な一部の買収を行う目的で,東千葉カントリー社が原告及びその関連会社をスポンサー企業として民事再生手続開始申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出された時点で,アドバイザリー手数料を支払うものとされていること(甲14)が認められる。
原告は,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件,すなわち,サイカンが民事再生手続により東千葉カントリー社の所有権及び経営権を取得するとの条件が成就していないと主張する。
確かに,サイカンが民事再生手続により東千葉カントリー社の所有権及び経営権を取得することができていないことは当事者間に争いがないが,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件とは,上記のとおり,東千葉カントリー社が,JGM及びその関連会社あるいは原告及びその関連会社がスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出されることであるところ,東千葉カントリー社が,JGMをスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出されたことは当事者間に争いがないから,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件が成就したことは明らかである。このことは,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約において,原告と被告馬塲産業及び原告と坂井興業が弁護士との間で財産管理に関する委任契約(エスクロー契約)を締結し,代金相当額及びアドバイザリー手数料相当額を弁護士に預託した上,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約における条件が成就した時点(同契約においては,「成功」と表現されている。)でそれらが被告馬塲産業及び坂井興業に支払われるものとされているところ(甲12,14),弁護士の上記条件成就の判断の下に,実際に代金やアドバイザリー手数料が支払われていることからもまた明らかである。
3  本件優先施設利用権譲渡契約の成否,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約の効力について
(1)  まず,前提事実に加え,証拠(甲13,15,16,甲33の11,12,乙9,12,丙1の1,2,丙2の1,2,丙5,6,11,証人G,同C,被告Y1)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。
ア 東千葉カントリー社は,バブル崩壊後経営難に陥り,平成8年以降,期限の到来した本件ゴルフクラブの預託金償還の対応に追われていたが,これについては,関連会社である東千葉開発株式会社(以下「東千葉開発」という。)を通じて日本グリーンフイルドに金銭を貸し付け,同社において会員権を買い取るという方法を取っていた。
イ ところで,東千葉カントリー社は,株式会社熊谷組に対し,ゴルフ場の開発資金として借り入れた43億円の債務を負担していたが,その後,ニューリアルプロパティ株式会社(以下「NRP」という。)が同債権を承継取得した。そして,NRPに債権を有していたゴールドマン・サックスグループが,本件ゴルフクラブを買収すべくNRPから同債権を譲り受けることを検討していた。
東千葉カントリー社は,ゴールドマン・サックスグループによる本件ゴルフクラブの買収を阻止するため,NRPとの間で上記債権の買取交渉をしたが,平成18年12月ころ,NRPから,同債権を10億円で売却する旨の回答を得た。
これを受け,東千葉カントリー社は,資金の調達を図ったが,10億円のうちの1億円については,日本グリーンフイルドが保有していた本件ゴルフクラブの会員権を第三者に譲渡することにより調達することとした。そして,東千葉カントリー社の税務申告を担当していた税理士から譲渡先として紹介された会社が被告馬塲産業であった。
ウ そこで,まず,日本グリーンフイルドと被告馬塲産業との間で,平成19年1月5日,日本グリーンフイルドが保有していた本件ゴルフクラブの会員権980口及びこれに係る東千葉カントリー社に対する額面総額83億4605万3800円の預託金返還請求権(以下,会員権と預託金返還請求権を合わせて「本件ゴルフ会員権等」という。)を被告馬塲産業が8000万円で買い取る旨の契約が締結された。
また,当時,25口・額面総額6億5400万円の本件ゴルフ会員権等について株式会社スター・キャピタルが質権を設定しているものがあったが,後に日本グリーンフイルドが株式会社スター・キャピタルから質権の被担保債権及び質権の譲渡を受けることを前提に,日本グリーンフイルドと被告馬塲産業との間で,上記同日,上記本件ゴルフ会員権等を被告馬塲産業が日本グリーンフイルドから2000万円で買い取る旨の契約が締結された。なお,その後の同年4月13日,上記被担保債権及び質権が株式会社スター・キャピタルから東千葉開発に1億4500万円で譲渡され,さらに,翌14日,上記被担保債権及び質権が東千葉開発から日本グリーンフイルドに譲渡された。
エ ところが,その後,NRPの東千葉カントリー社に対する前記債権はゴールドマン・サックスグループ中のソーラー社に譲渡された。
そのため,東千葉カントリー社は,ゴールドマン・サックスグループによる買収に対抗するため,自主再建を断念し,本件ゴルフクラブを承継するスポンサーを探し,そこに経営権を移転することによって再建を図る途を選択せざるを得なくなった。
オ その後,東千葉カントリー社は,いくつかのスポンサー候補との交渉の結果,平成19年12月ころ,JGMをスポンサーとして民事再生手続開始の申立てをすることを決定した。
ところで,民事再生手続において東千葉カントリー社及びJGMの意向に従った再生計画を実現するためには,JGM側でゴールドマン・サックスグループを上回る大口の債権を有する必要があった。そこで,当時,被告馬塲産業が保有していた合計1005口・額面総額90億5万3800円の本件ゴルフ会員権等をJGM側が買い取る話が関係者間でまとまった。
カ そして,被告馬塲産業が保有していた本件ゴルフ会員権等のJGM側による買取に関しては,平成19年12月17日ころ,具体的には以下のとおり実施された。
(ア) 東千葉カントリー社の取締役会において,被告馬塲産業が保有していた本件ゴルフクラブの会員権につき,これに係る預託金証書が表象する権利を,優先施設利用権と預託金返還請求権とに分離し,優先施設利用権のみを表象する額面0円の終身正会員証書を発行する旨の決議がされた。
(イ) 被告馬塲産業が,原告に対し,25口・額面総額6億5400万円の本件ゴルフ会員権等を4000万円で譲渡する旨の契約が締結された。
(ウ)a 被告馬塲産業が,有限会社エイチエムワン(平成17年に設立された,日用品雑貨の販売,不動産の売買等を目的とする会社である。)に対し,980口・額面総額83億4605万3800円の本件ゴルフ会員権等を1億4000万円で譲渡する旨の契約が締結された。
b 有限会社エイチエムワンが,原告に対し,980口・額面総額83億4605万3800円の本件ゴルフ会員権等を4億5600万円で譲渡する旨の契約が締結された。
(エ) 被告馬塲産業が,原告に対し,本件ゴルフクラブの優先施設利用権を11億2000万円(この金額については,平成20年6月6日,9億7000万円に変更する旨の合意がされた。)で譲渡する旨の契約(本件優先施設利用権譲渡契約)が締結された。
そして,本件優先施設利用権譲渡契約においては,被告馬塲産業及び原告が,各側の弁護士2名と財産管理に関する委任契約(エスクロー契約)を締結し,同契約に基づき,両弁護士に各5億6000万円(譲渡代金の半額)を預託するものとし(譲渡代金が9億7000万円に変更されたことに伴い,両弁護士に5億6000万円と4億1000万円を預託することに変更された。),その預託金は,JGM及びその関連会社が本件ゴルフクラブの営業の全部もしくは重要な一部の買収を行う目的で,東千葉カントリー社がJGM及びその関連会社をスポンサー企業として民事再生手続開始の申立てをし,債権者集会で再生計画案が可決された後,再生計画の認可決定が出された時点で支払うものとされた。
キ 前記カの各譲渡代金のうち,本件優先施設利用権譲渡契約に基づく9億7000万円の譲渡代金については,その他のものと異なり,東千葉カントリー社の再生計画の認可決定が確定した後の平成20年8月22日,原告から被告馬塲産業に対して支払われた。
(2)ア  本件優先施設利用権譲渡契約の成否について
原告は,本件優先施設利用権譲渡契約においては,目的物が特定されておらず,同契約は成立していないと主張するが,前記認定事実によれば,本件優先施設利用権譲渡契約の目的物は,本件ゴルフ会員権等1005口につき預託金返還請求権が分離された優先施設利用権であることが明らかであり,目的物は特定されているものと認められる。
イ  本件優先施設利用権譲渡契約の無効(分離譲渡禁止)について
原告は,ゴルフクラブ会員権につき,優先施設利用権と預託金返還請求権とを分離するとの取締役会決議は無効であり,したがって,本件優先施設利用権譲渡契約も無効であると主張する。
前記認定のとおり,東千葉カントリー社の取締役会においては,被告馬塲産業が保有していた本件ゴルフクラブの会員権につき,これに係る預託金証書が表象する権利を,優先施設利用権と預託金返還請求権とに分離する旨の決議がされている。このような決議がされた理由については必ずしも明確ではないが,前記認定事実によれば,民事再生手続において東千葉カントリー社及びJGMの意向に従った再生計画を実現するためには,JGM側が額面総額90億5万3800円の本件ゴルフ会員権等を全部取得する必要があった一方,その譲渡代金については,再生計画が失敗した場合があることを考えると全額を直ちに支払うことには危険が伴うことから,本件ゴルフクラブの会員権につき,優先施設利用権と預託金返還請求権とに分離した上,譲渡代金の一部を支払うことにより上記本件ゴルフ会員権等の額面総額90億5万3800円の債権を全部取得したとの外形を作り出すとともに,譲渡代金の残額については,再生計画の認可決定が確定した後に支払うこととするため,譲渡代金の残額と優先施設利用権とが対価関係にあるように形式を整えたものと推測される。そして,前記認定事実によれば,原告は,JGMの関連会社と認められるから,当然のことながら,上記の仕組みも知悉していたものと認められる。
これらの事実によれば,関係会社間においては,本件優先施設利用権譲渡契約が単純に優先施設利用権を分離して譲渡する旨の契約とは必ずしも言い難いから,仮に,一般論として,ゴルフクラブ会員権につき,優先施設利用権と預託金返還請求権とを分離して譲渡することが許されないとしても,本件優先施設利用権譲渡契約を無効ということはできないし,少なくとも,原告がその無効を主張することは,禁反言の原則に反するというべきである。
ウ  本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約の無効(目的物不存在)について
原告は,被告馬塲産業が日本グリーンフイルドから購入したとされている本件ゴルフクラブ会員権を日本グリーンフイルドが有しておらず,日本グリーンフイルドと被告馬塲産業の間の譲渡契約は偽装されたものであり,したがって,目的物が不存在のため,本件優先施設利用権譲渡契約は無効である,また,原告は,日本グリーンフイルドが本件ゴルフクラブ会員権を有しているとの被告Y1及び被告馬塲産業の言を信じて本件優先施設利用権譲渡契約を締結したものであり,同契約は錯誤により無効であると主張する。
しかしながら,前記認定事実に照らせば,日本グリーンフィルドと被告馬塲産業との間の合計1005口・額面総額90億5万3800円の本件ゴルフ会員権等が存在せず,同譲渡契約が偽装されたものであるとの事実を認めることはできない上,原告が上記本件ゴルフ会員権等の譲渡契約において支出した金額が極めて高額のものであることからすれば,原告が本件ゴルフ会員権等の存在を確認しないで契約を締結したというのは不自然であり,仮に原告がその存在を確認しなかったとすれば,それは,前記イで説示したとおり,原告にとっては,本件ゴルフ会員権等の額面総額90億5万3800円の債権を全部取得したとの外形を作り出すことに意味があったからと認められるのであり,したがって,本件優先施設利用権譲渡契約が目的物不存在ゆえに無効とはいえず,また,少なくとも,原告がその無効を主張することは,禁反言の原則に反するというべきである。
また,本件アドバイザリー契約についても,同様にこれを無効とする理由はない。
4  まとめ
(1)  被告Y1に対する本件基本合意の債務不履行に基づく損害賠償請求については,そもそも本件基本合意の存在が認められないから,その余の点を判断するまでもなく理由がない。
(2)  被告らに対する不当利得に基づく返還請求については,本件優先施設利用権譲渡契約及び本件アドバイザリー契約が成立し,同契約が有効であり,同契約に付された条件が成就しているから,その余の点を判断するまでもなく理由がない。
5  以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,よって,主文のとおり判決する。
(裁判官 佐藤重憲)

 

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