判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(294)平成20年 3月19日 東京地裁 平17(ワ)1881号 損害賠償等請求事件、清掃料請求事件
判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(294)平成20年 3月19日 東京地裁 平17(ワ)1881号 損害賠償等請求事件、清掃料請求事件
裁判年月日 平成20年 3月19日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平17(ワ)1881号・平18(ワ)13862号
事件名 損害賠償等請求事件、清掃料請求事件
裁判結果 甲事件一部認容、乙事件請求棄却 文献番号 2008WLJPCA03198009
要旨
◆被告から建物の1階店舗部分(本件建物)を賃借している原告が、被告が別件訴訟で成立した和解調書に基づいて本件建物の明渡しの強制執行に着手したことについて、和解条項にある停止条件が成就していないのに執行文の付与を受けて着手された不当執行である等として損害賠償を求めた(甲事件)のに対し、被告が同和解調書に基づき、原告に対して本件建物外壁の清掃料の支払を求めた(乙事件)事案において、原告の請求については、被告による執行文付与申請は権利濫用に当たる違法なものであり、明渡しの強制執行の申立ても違法なものであるなどとして一部認容したが、被告の請求については、清掃料を請求する前提要件を欠いているとして全部棄却した事例
参照条文
民法1条3項
民法709条
裁判年月日 平成20年 3月19日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平17(ワ)1881号・平18(ワ)13862号
事件名 損害賠償等請求事件、清掃料請求事件
裁判結果 甲事件一部認容、乙事件請求棄却 文献番号 2008WLJPCA03198009
平成17年(ワ)第1881号 損害賠償等請求事件(甲事件)
平成18年(ワ)第13862号 清掃料請求事件(乙事件)
東京都中央区〈以下省略〉
甲事件原告・乙事件被告 有限会社山福
代表者代表取締役 A
訴訟代理人弁護士 松田孝子
東京都中央区〈以下省略〉
甲事件被告・乙事件原告 有限会社玉清
代表者代表取締役 B
訴訟代理人弁護士 小室金之助
同 荒木哲郎
主文
1 甲事件被告・乙事件原告は,甲事件原告・乙事件被告に対し,金100万円及びこれに対する平成16年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 甲事件原告・乙事件被告のその余の請求及び甲事件被告・乙事件原告の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを2分し,その1を甲事件原告・乙事件被告の負担とし,その余を甲事件被告・乙事件原告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 甲事件
(1) 甲事件被告・乙事件原告(以下「被告」という。)は,甲事件原告・乙事件被告(以下「原告」という。)に対し,金216万9850円及び内金164万円に対する平成16年12月1日から,内金52万9850円に対する平成18年6月14日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 被告は,原告に対し,ゴミ置場を設置せよ。
2 乙事件
原告は,被告に対し,金7万3000円及びこれに対する平成17年7月15日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1(1) 本件甲事件は,被告が,原告を賃借人,被告を賃貸人とする東京都中央区○○a丁目1番地8,同番地9所在の10階建て建物(塩部ビルディングという名称の店舗・事務所・居宅,以下「本件ビル」という。)の1階店舗部分68.38平方メートル(以下「本件建物」という。)の賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)について,原告と被告間で成立した東京地方裁判所平成14年(ワ)第13517号建物明渡請求事件(以下「別件明渡事件」という。)の和解調書(以下「本件和解」といい,和解調書に記載された和解条項を「本件和解条項」という。)の執行力ある正本に基づき,原告に対し,本件建物明渡しの強制執行に着手したが,本件和解条項7項(1)ないし(4)の条件が成就していないにもかかわらず,これが成就したとして執行文の付与を受けたものであるから,上記強制執行は不当執行である旨主張して,また,被告は,原告が電気料金88万0690円の支払義務を怠り本件和解条項に違反したので本件賃貸借契約が解除されたとして執行文付与の訴えを提起した(東京地方裁判所平成17年(ワ)第2709号)が,一審では被告の請求が認容されたものの,控訴審では原判決が取り消され,被告の請求が棄却されたので,被告の上記執行文付与の訴えは不当訴訟である旨主張して,被告に対し,不法行為に基づき,原告が執行文付与に対する異議の訴えの提起を委任した原告訴訟代理人弁護士から請求を受けている着手金30万円,成功報酬50万円,控訴審の着手金20万円及び強制執行停止の供託金とするために知人から年1割の利率で借り入れた480万円についての1年4か月分の利息64万円の合計164万円並びに原告が支払った上記執行文付与の訴えの一審判決に対する控訴提起のための印紙郵券等の訴訟費用2万9850円,着手金,報酬等の弁護士費用合計50万円,以上合計216万9850円及び内金164万円に対する不法行為の後である平成16年12月1日から,内金52万9850円に対する不法行為の後(原告がこれらの費用を原告訴訟代理人弁護士に支払った日)である平成18年6月14日から各支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,被告が,本件ビルの他の賃借人に対しては2階にゴミ置場を設置しているにもかかわらず,原告に対しそのゴミ置場の使用を認めず,賃貸人としての義務を果たしていないなどと主張して,被告に対し,ゴミ置場の設置を求める事案である。
(2) 本件乙事件は,原告が本件和解条項6項(2)に定められた本件建物の外壁面の清掃義務を怠ったので,被告から催告を受けたのに5日以内にその清掃を実施しない場合には,被告が,自ら業者に依頼して清掃を実施し,その代金を原告に請求でき,原告は被告からその請求を受けたときは直ちに支払うとの本件和解条項7項(1)に基づき,業者に依頼して高圧洗浄車を用いて本件建物の外壁面を清掃した旨主張して,原告に対し,その代金6万3000円と諸経費1万円の合計7万3000円及びこれに対する請求日である平成17年7月15日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2 前提事実(争いがないか,末尾掲記の証拠等により認められる事実)
(1) 原告は,平成6年12月から,本件建物で「山福らーめん」の屋号でラーメン店の営業をしている(もっとも,当初被告から本件建物を賃借したのはCであり,その後被告が原告及びCを被告として提起した別件明渡事件について平成14年4月10日成立した本件和解において,本件建物について被告とCとの間で締結された賃貸借契約における借主の地位を平成15年4月10日以降,原告が承継することが確認された。)。(甲事件甲3)
(2) 本件和解のうち,本件に関連する部分は,次のとおりである。
ア 本件建物の平成15年4月1日以降の電気料金の計算方法については,本件ビル全体の使用量と原告の使用量とを対比して,上記全体の電気料金を案分計算して決定する(被告は原告に対して計算書を交付する。)(本件和解条項4項(2))。
イ 原告が被告から上記アの電気料金の支払を請求された後30日以内にこれを支払わず,その額が25万円を超えた場合には,本件賃貸借契約は,被告から原告に対する催告を要することなく,当然に解除されたものとする(本件和解条項4項(3))。
ウ 原告は,被告に対し,本件建物の使用について,特に次の諸点を履行する(本件和解条項6項)。
(ア) 厨房からの換気扇については,油が周囲の壁や地面に落下しないよう,これまで以上に配慮し,換気扇のカバーと網を毎日拭いて清掃する(同項(1))。
(イ) 換気扇による本件建物の外壁の汚損を防止するため,2週間に1度は外壁面を清掃する(同項(2))。
(ウ) 本件建物の1階南側階段の手すりに玄関マットを干したり,階段下やその周辺に物品を置かないよう注意し,整理整頓を心がける(同項(3))。
(エ) ラーメン店の業務に必要な作業は,原則として本件建物の厨房内で実施することとし,やむをえず厨房以外で作業をする場合には1回当たり30分以内とし,作業終了後直ちに掃除を励行し,ゴミなどが本件建物の周囲に散乱しないようにする(同項(4))。
(オ) 本件建物の周囲で野良猫に餌を与えたり,本件ビルの管理地内に野良猫のためにダンボール箱を置いたりしない(同項(5))。
エ(ア) 原告が前項(ア)及び(イ)の清掃義務を怠り,被告から催告を受けたのに5日以内にその清掃を実施しない場合には,被告は,自ら業者に依頼して清掃を実施し,その代金を原告に対して請求することができ,原告は,被告からその請求を受けたときは直ちに支払う(本件和解条項7項(1))。
(イ) 原告が前項(ウ)ないし(オ)(実際はもう1項目あるが省略)の義務を怠り,被告から文書による催告を受けたのに,その翌日までに当該義務を履行しない場合には,原告は,被告に対し,1回当たり金1万円の違約金を支払う(同項(2))。
(ウ) 原告が上記(イ)の支払を怠り,その額が10万円に達した場合には,被告は,原告に対し,何らの催告を要することなく,文書をもって本件賃貸借契約を解除することができる(同項(3))。
(エ) 上記(ウ)により本件賃貸借契約が解除された場合には,原告は,被告に対し,上記契約解除の文書を受け取った日(原告が正当な理由なく上記文書の受取を拒絶した場合には被告が原告に対して上記文書を呈示した日)の翌日から30日以内に,内装工事により本件建物と一体化した付加物や造作を収去して原状に回復した上,直ちに本件建物から退去して,これを被告に明け渡す(同項(4))。
(3)ア 被告は,原告が本件和解条項6項(3)ないし(5)に違反しているとして,原告に対し,平成15年4月25日付け(同月26日到達),同年5月1日付け(同月2日到達),同月8日付け(原告が受取拒絶)及び同年6月3日付け(原告が受取拒絶)の4通の内容証明郵便で,義務の履行を催告した。被告は,催告によっても,原告の義務が履行されず,本件和解条項7項(2)による違約金の額が10万円に達したとして,同年7月4日,原告に対し,本件和解条項7項(3)に基づき,本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。
イ 被告は,本件和解条項7(3)の条件が成就した(被告が証明すべき事実が到来した)として,東京地方裁判所書記官に対し,同年6月ころ,本件和解の調書正本に対する執行文付与の申請をし,その根拠として原告の違反状況を撮影した写真数葉を付した陳述書を提出し,同書記官は,同年7月29日,執行文を付与した。
ウ 被告は,執行文が付与された本件和解の調書正本に基づき,東京地方裁判所執行官に対し,本件建物明渡しの強制執行を申し立て,同執行官は,同年8月4日,原告に対し,本件建物を同月26日までに任意に明け渡すよう催告し,明け渡さない場合には,同日に明渡しの強制執行を実施する旨告げた。
エ そこで,原告は,同月11日,東京地方裁判所に,執行文付与に対する異議の訴えを提起する(同裁判所平成15年(ワ)第18479号,以下「別件執行文付与に対する異議事件」という。)と同時に,上記本件和解の調書正本に基づく強制執行停止の申立てをし,同裁判所は,同月19日,当該強制執行を本案訴訟において当該決定に対する裁判があるまで停止する旨の強制執行停止決定をした。
オ 別件執行文に対する異議事件について,東京地方裁判所は,平成16年5月21日,被告から原告に対する本件和解の調書正本に基づく強制執行を許さない旨の判決をし,被告はこれを不服として控訴した(東京高等裁判所平成16年(ネ)第3210号)が,同裁判所は,同年11月11日,控訴棄却の判決をし,同判決は確定した。(甲事件甲1,同甲2,弁論の全趣旨)
(4) 被告は,原告が平成14年4月1日以降の電気料金の支払を怠り,その滞納額は平成16年12月3日時点において合計86万0690円であるとして,その旨通知をして支払を請求した。原告は,同月22日に8万5000円を供託したが,これを差し引いても原告の滞納額は25万円を超えており,遅くとも上記通知から30日以上を経過した平成17年1月10日時点において,本件和解条項4項(3)の要件を満たしたと主張して,東京地方裁判所に,執行文付与の訴えを提起した(同裁判所平成17年(ワ)第2709号,以下「別件執行文付与事件」ともいう。)。同裁判所は,同年7月28日,裁判所書記官に対し執行文付与を命ずる旨の判決をしたが,原告がこれを不服として控訴し(東京高等裁判所平成17年(ネ)第4142号),同裁判所は,平成18年5月31日,原判決を取り消し,被告の請求を棄却する旨の判決をし,同判決は確定した。(甲事件甲11,同甲40,弁論の全趣旨)
3 争点及び争点についての当事者の主張
本件の争点は,①被告が原告に対してした本件和解の執行力ある正本に基づく本件建物明渡しの強制執行が違法不当なもので不法行為となるのか否か,②被告が提起した執行文付与の訴えが不当訴訟として不法行為となるのか否か,③原告の損害額,④原告のゴミ置場設置請求の成否,⑤被告の清掃料請求の成否であり,これらについての当事者の主張は,以下のとおりである。
(1) 争点1(被告が原告に対してした本件和解の執行力ある正本に基づく本件建物明渡しの強制執行が違法不当なもので不法行為となるのか否か)
(原告の主張)
被告は,本件和解の執行力ある正本に基づき,本件建物明渡しの強制執行の申立てをし,執行官は,平成15年8月4日,原告に対し,本件建物明渡しの強制執行に着手した。
被告は,本件和解条項6項(3)ないし(5)に違反し,本件和解条項7項(2)による違約金の額が10万円に達したとして,本件和解条項7項(3)に基づき本件賃貸借契約を解除し,本件和解条項7項(3)の条件が成就した(被告が証明すべき事実が到来した)として,裁判所書記官に対し,事実を捏造して本件和解の調書正本に対する執行文付与の申請をした上で,上記強制執行の申立てをしたものであって,上記強制執行は違法不当なものである。
(被告の主張)
被告が別件執行文付与に対する異議事件で敗訴した原因は,被告の原告に対する違反の是正の催告において違反日時と行為が特定されていなかったため,解除の前提が満たされてないということが理由であって,判決において原告が本件和解条項に違反している事実自体は認定されている。
控訴審でも,控訴自体は棄却されているものの,この点は判決理由においても覆されていないのであって,被告が事実を捏造したことのないことは明らかである。
そして,原告において本件和解条項違反の事実が存在した以上,結果として被告が別件執行文付与に対する異議事件において敗訴したとしても,被告が当時,執行文付与の申請をしたことは何ら不当ではない。
(2) 争点2(被告が提起した執行文付与の訴えが不当訴訟として不法行為となるのか否か)
(原告の主張)
ア 被告は,原告が平成14年4月1日以降の電気料金の支払を怠り,その滞納額は平成16年12月3日時点において合計86万0690円であり,本件和解条項4項(3)の要件を満たしたと主張して,執行文付与の訴えを提起したが,一審では,被告の請求を認容する判決がされたものの,控訴審では,原判決を取り消し,被告の請求を棄却する判決がされた。
イ 被告の執行文付与の訴えは,明らかに権利の濫用であり,不当訴訟であって,違法である。
(被告の主張)
別件執行文付与事件について,控訴審において被告は敗訴したが,一審では被告が勝訴している。一審で勝訴したということは,控訴審で逆転され,結果として敗訴になったとしても,被告の訴訟における請求には一定程度の正当性を基礎づける理由と根拠があったということであり,被告の訴訟提起は,不当訴訟ではない。
(3) 争点3(原告の損害額)
(原告の主張)
ア(ア) 原告は,原告訴訟代理人弁護士に委任し,執行文付与に対する異議の訴えを提起すると同時に強制執行停止の申立てをして強制執行停止決定を得て本件建物明渡しの強制執行は免れた。
しかし,別件執行文付与に対する異議事件について,原告勝訴の一審判決に対し被告が控訴したため,強制執行の取消しは,控訴審判決後の平成16年11月25日になった。
(イ) 原告は,原告訴訟代理人弁護士との訴訟委任契約に基づき,平成15年8月8日に着手金として30万円の請求を受けたほか,一審判決後にその成功報酬として50万円の請求を受け,その後,控訴審の着手金として20万円の請求を受けた。
また,原告は,同月15日,強制執行停止に必要な供託金とするため知人から年1割の利率で480万円を借り入れた。原告は,強制執行取消し後の平成16年12月15日に供託金の払戻しを受け,1年4か月分の利息64万円を付して借入金の返済をした。
(ウ) 上記合計164万円は,被告の不当執行に基づき原告が被った損害というべきである。
イ 原告は,別件執行文付与事件の控訴提起のため印紙郵券等の訴訟費用2万9850円を費やし,さらに,平成18年6月14日,原告訴訟代理人弁護士に対し,弁護士費用として,着手金及び報酬合計50万円を支払った。
これらは,被告の不当訴訟により原告が被った損害というべきである。
(被告の主張)
否認し争う。
仮に被告に過失があるとしても,原告の主張する借入金や弁護士費用のすべてが被告の不法行為と相当因果関係のある損害とは認められない。
(4) 争点4(原告のゴミ置場設置請求の成否)
(原告の主張)
被告は,原告のゴミの置き方が本件和解条項6項(4)に違反しているなどと主張して本件建物明渡しの強制執行を申し立てている。原告と被告間では,これまでゴミ置場について裁判所で争いとなったが,被告はゴミを本件建物の周辺に置いてはならないというばかりであった。
被告は,本件ビルの他の賃借人に対しては,2階にゴミ置場を設置しており,原告にはそのゴミ置場の使用を認めない。
本件ビルの規模からしても,当然ゴミ置場が設置されているべきであり,被告は賃貸人としての義務を果たしていない。
(被告の主張)
原告は,ゴミ置場について,本件ビルの規模からしても当然ゴミ置場が設置されるべきであるとするが,ビルの規模と本件建物のゴミ置場の設置は無関係である。
原告は,2階にはゴミ置場が設置されていることも理由として主張するが,原告指摘の場所はゴミ置場ではなく,資材置場である。
原告は,被告においてゴミ置場を設置しないことが賃貸人の義務の不履行であると主張するが,本件和解はもちろん,当初の本件建物の賃貸借契約の契約書等においても,ゴミ置場の設置を賃貸人の義務とする条項等はなく,また,ゴミ置場の設置なしでも,個別にゴミを回収用に出すなどすれば,清掃局がゴミの回収をすることは可能であるから,1階におけるゴミ置場の設置が特約等によらない一般的な賃貸人の義務であるとも考えられない。
そもそも,原告は,飲食店を営業している者であり,本来,一般的な曜日によるゴミ収集に頼るべきではなく,収集業者等に個別に毎日のゴミ収集を依頼すべきでものであるから,この点に関する原告の主張は失当である。
(5) 争点5(被告の清掃料請求の成否)
(被告の主張)
ア 本件和解条項6項(2)は,原告において,「換気扇による本件建物の外壁の汚損を防止するため,2週間に1度は外壁面を清掃する。」とされている。また,本件和解条項7項(1)は,「原告が上記清掃義務を怠り,被告から催告を受けたのに5日以内にその清掃を実施しない場合には,被告は,自ら業者に依頼して清掃を実施し,その代金を原告に対して請求することができ,原告は,被告からその請求を受けたときは直ちに支払う。」とされている。
イ 原告が本件建物の外壁面の清掃をしなかったので,被告は,本件和解条項7項(1)に基づき,平成17年7月4日,原告訴訟代理人弁護士に対し,5日以内に外壁面を清掃するようファックスにより催告したが,原告は期限内に清掃をしなかった。
そこで,被告は,同月11日,原告訴訟代理人弁護士に対し,被告が代替清掃を実施するので,被告の請求後5日以内に被告の銀行口座に清掃代金を振込入金するようファックス送信した。
ウ 被告は,同月14日,業者に依頼して高圧洗浄車を用いて本件建物の外壁面(幅約8メートル高さ3.2メートル)を清掃した。
エ 被告が業者に支払った清掃代金は,6万3000円(消費税込み)である。また,被告は乙事件訴訟の提起のための印紙及び郵券の代金7000円,訴状に附属書類として添付する原被告の登記事項証明書各1通1000円とそれを取得するため法務局に行った交通費2000円を要したので,これらの諸経費も原告が負担すべきである。
(原告の主張)
原告訴訟代理人弁護士が被告からその主張に係るファックスを受けたこと,被告が業者に依頼して高圧洗浄車で本件建物の外壁面を清掃したことは認めるが,原告に対し,清掃代金の請求ができるとする点は否認する。
すなわち,原告は,平成17年7月5日に本件建物の換気扇の下の外壁面の清掃をした。
また,原告は,本件建物の北側の外壁に設置してある換気扇の下壁面を清掃する義務を負っているが,被告が業者に依頼して洗浄した外壁面は広範囲にわたっており,原告において清掃義務のない範囲まで被告は業者に清掃させた。
さらに,被告の清掃代金の請求は,その清掃範囲からして極めて高額であり,不当である。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(被告が原告に対してした本件和解の執行力ある正本に基づく本件建物明渡しの強制執行が違法不当なもので不法行為となるのか否か)について
(1) 前記前提事実(3)のとおり,被告は,原告が本件和解条項6項(3)ないし(5)に違反しているとして,原告に対し,平成15年4月25日付け(同月26日到達),同年5月1日付け(同月2日到達),同月8日付け(原告が受取拒絶)及び同年6月3日付け(原告が受取拒絶)の4通の内容証明郵便で,義務の履行を催告したこと,被告は,催告によっても,原告の義務が履行されず,本件和解条項(2)による違約金の額が10万円に達したとして,原告に対し,同年7月4日,本件和解条項7項(3)に基づき,本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしたこと,被告は,本件和解条項7項(3)の条件が成就した(被告が証明すべき事実が到来した)として,東京地方裁判所書記官に対し,同年6月ころ,本件和解の調書正本に対する執行文付与の申請をし,その根拠として原告の違反を撮影した写真数葉を付した陳述書を提出し,同書記官は,同年7月29日,執行文を付与したこと,被告は,執行文が付与された本件和解の調書正本に基づき,東京地方裁判所執行官に対し,本件建物明渡しの強制執行を申し立て,同執行官は,同年8月4日,原告に対し,本件建物を同月26日までに任意に明け渡すよう催告し,明け渡さない場合には,同日に明渡しの強制執行を実施する旨告げたこと,そこで,原告は,同月11日,東京地方裁判所に,執行文付与に対する異議訴訟を提起すると同時に,上記本件和解の調書正本に基づく強制執行停止の申立てをし,同裁判所は,同月19日,当該強制執行を本案訴訟において当該決定に対する裁判があるまで停止する旨の強制執行停止決定をしたこと,別件執行文に対する異議事件について,東京地方裁判所は,平成16年5月21日,被告から原告に対する本件和解の調書正本に基づく強制執行を許さない旨の判決をし,被告はこれを不服として控訴した(東京高等裁判所平成16年(ネ)第3210号)が,同裁判所は,平成16年11月11日,控訴棄却の判決をし,同判決は確定したことが認められる。
(2) しかして,被告は,被告が別件執行文付与に対する異議事件で敗訴した原因は,被告の原告に対する違反の是正の催告において違反日時と行為が特定されていなかったため,解除の前提が満たされてないということが理由であって,判決において原告が本件和解条項に違反している事実自体は認定されており,控訴審でも,控訴自体は棄却されているものの,この点は判決理由においても覆されていないのであって,被告が事実を捏造したことのないことは明らかであり,原告において本件和解条項違反の事実が存在した以上,結果として被告が別件執行文付与に対する異議事件において敗訴したとしても,被告が当時,執行文付与の申請をしたことは何ら不当ではない旨主張する。
確かに,別件執行文付与に対する異議事件の一審判決(甲事件甲1)では,原告が本件和解条項6項(3)ないし(5)に違反していなかったと評価することは困難である旨認定判断されたが,本件和解条項7項(2)の被告から原告に対する催告でその具体的な違反の日時と行為が記載されていないことから,被告による義務履行の催告をもって本件和解条項7項(3)による解除の前提が満たされたと評価することには疑問があり,執行文について債権者である被告の証明すべき事実が到来した(本件和解条項7項に定める条件が成就した)とは認められない旨判断され,控訴審判決(甲事件甲2)でも,その点の判断は維持されている。
しかし,他方,一審判決では,被告の義務履行の催告が本件和解条項7項に定めるところに適合しているとして,被告の執行文付与の申請が可能とする立場を採ったとしても,義務違反の内容を特定していないだけでなく,本件和解成立後,被告が原告の義務違反の発見に熱心であったこと,本件和解が成立してから2か月の間に4回も連続して催告を行っているといった催告の態様等を総合すると,本件建物明渡しの強制執行のために,被告が執行文の付与を申請する行為は,権利の濫用に当たり許されない旨判断されていること(原告代表者本人尋問の結果によっても,被告は,本件和解成立直後から原告の本件和解条項の違反行為の発見に熱心でしばしば写真撮影をしていたことが認められる。)からすれば,原告が主張するような事実を捏造して執行文付与の申請をしたとまでは認められないけれども,被告の執行文付与の申請は,少なくとも権利の濫用に当たり違法なものと評価できるというべきである。
したがって,被告の上記主張は採用することができない。
そして,前示のとおり,被告は,執行文が付与された本件和解の調書正本に基づき,東京地方裁判所執行官に対し,本件建物明渡しの強制執行を申し立て,同執行官は,平成15年8月4日,原告に対し,本件建物を同月26日までに任意に明け渡すよう催告し,明渡さない場合には,同日に明渡しの強制執行を実施する旨告げているのであるから,前記執行文付与の申請が違法である以上,被告の本件建物明渡しの強制執行の申立ても違法というほかない。
そうすると,被告は,上記不法行為により原告が被った損害を賠償する義務があるというべきである。
2 争点2(被告が提起した執行文付与の訴えが不当訴訟として不法行為となるのか否か)について
(1) 前記前提事実(4)のとおり,被告は,原告が平成14年4月1日以降の電気料金の支払を怠り,その滞納額は平成16年12月3日時点において合計86万0690円であるとして,その旨通知をして支払を請求したこと,原告は,同月22日に8万5000円を供託したが,これを差し引いても原告の滞納額は25万円を超えており,遅くとも上記通知から30日以上を経過した平成17年1月10日時点において,本件和解条項4項(3)の要件を満たしたと主張して,東京地方裁判所に,執行文付与の訴えを提起(同裁判所平成17年(ワ)第2709号)したこと,同裁判所は,同年7月28日,裁判所書記官に対し執行文付与を命ずる旨の判決をしたが,原告がこれを不服として控訴し(東京高等裁判所平成17年(ネ)第4142号),同裁判所は,平成18年5月31日,原判決を取り消し,被告の請求を棄却する旨の判決をし,同判決は確定したことが認められる。
(2) しかして,原告は,被告の執行文付与の訴えは,明らかに権利の濫用であり,不当訴訟であって,違法である旨主張するところ,訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは,当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものである上,提訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのに,あえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。なぜなら,訴えを提起する際に,提訴者において,自己の主張しようとする権利又は法律関係の事実的,法律的根拠につき,高度の調査,検討が要請されるものと解するならば,裁判制度の自由な利用が著しく阻害される結果となり妥当でないからである。
(3) そこで被告による執行文付与の訴えの提起が違法な訴えの提起として不法行為を構成するかどうかについて検討するに,証拠(甲事件甲11,同甲40)によると,被告は,別件執行文付与事件において,平成16年12月3日時点での原告の滞納額を86万9601円に訂正した上で,同月22日に原告が8万5000円を供託しても,原告の滞納額は平成17年1月2日現在で78万4601円となり,遅くとも被告の通知から30日以上を経過した同月10日においては本件和解条項4項(3)の期間及び金額の要件を満たしたと主張し,これに対し,原告は,被告の請求金額は,被告の勝手な計算方法によるものであって,その金額の正当性を争ったが,一審裁判所は,原告が平成15年5月分から平成16年11月分までの電気料金として,平成17年1月2日現在において,少なくとも234万6612円を支払うべきところ,原告は,185万1356円を支払ったにとどまり,原告が被告に支払った合計20万5000円をこれに充当しても,原告の滞納金額は少なくとも29万0256円になり,優に25万円を超えている旨判断し,被告の執行付与付与の訴えを認容したが,控訴審裁判所は,平成15年4月1日から平成16年12月2日までの間の本件ビル全体の電気料金として被告が支払った額は,合計517万3988円であり,原告が負担すべき電気料金の額は,220万4119円であるところ,原告が被告に対し上記期間に使用した電力の料金として197万1316円(判決では205万6316円とされているが,平成16年12月22日に供託された8万5000円を含めているので計算違いであり,その旨更正決定がされている。)を銀行振込み又は供託の方法で支払ったのであるから,原告の平成16年12月2日時点における電気料金未払額は,23万2803円(判決では14万7803円とされているが,上記同様計算違いである。)であり,25万円を超えておらず,同月3日における同滞納額が25万円を超えていないことも明らかである旨判断し,また,原告がした平成15年11月28日の7万円,同年12月25日の5万円及び平成16年4月11日の8万5000円,合計20万5000円の銀行振込分は損害金として受領したもので,電気料金の支払ではないとの被告の主張については,原告は,電気料金の支払の趣旨で銀行振込分の支払をしたことが明らかである旨判断し,原判決を取り消し,被告の請求を棄却する判決をした。
このように,一審と控訴審とで原告の電気料金の支払について判断が分かれたが,本件和解条項4項(2)は,電気料金の計算方法について,本件ビル全体の使用量と原告の使用量とを対比して,上記全体の電気料金を案分計算して決定するとのみ定め,その具体的な使用量の算定方法については何らの基準も設けていないことから,被告独自の使用量の算定がなされた面がないとはいえない(原告に対する電気料請求書にも基本料金等の記載がないとか,これまで原告に対して被告宛の東京電力の電気料金計算書等を提示したこともない)が,意図的に原告にとって過大な使用量の算定をしたなどの事情は認められない上,被告は法律に関して全くの素人であるとうかがわれること等に徴すると,執行文付与の訴えの提起について,被告が主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものであって,被告がそのことを知りながら,あえて訴えを提起したなど訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認めることは困難というべきである。
そうすると,原告の上記主張は採用することができない。
3 争点3(原告の損害額)について
(1) 証拠(甲事件甲29)及び弁論の全趣旨によると,原告は,原告訴訟代理人弁護士に委任し,執行文付与に対する異議の訴えを提起すると同時に強制執行停止の申立てをして強制執行停止決定を得たこと,別件執行文付与に対する異議事件について,原告勝訴の一審判決に対し被告が控訴したため,強制執行の取消しは,控訴審判決後の平成16年11月25日になったこと,原告は,原告訴訟代理人弁護士との訴訟委任契約に基づき,同弁護士から平成15年8月8日に着手金として30万円の請求を受け,平成16年5月30日に一審判決後の成功報酬として50万円の請求を受け,その後,上記のとおり被告が控訴したため同年6月20日に控訴審の着手金として20万円の請求を受けたことが認められる。
別件執行文付与に対する異議事件や強制執行停止の内容等を考慮すると,原告が原告訴訟代理人弁護士に対して支払うべき上記弁護士費用は,被告の不法行為と相当因果関係があるから,被告は,原告に対し,上記弁護士費用相当損害金合計100万円を賠償する義務があるというべきである。
(2) 次に,原告は,平成15年8月15日,強制執行停止に必要な供託金とするため知人から年1割の利率で480万円を借り入れ,原告は,強制執行取消し後の平成16年12月15日に供託金の払戻しを受け,1年4か月分の利息64万円を付して借入金の返済をした旨主張する。
しかして,証拠(甲事件甲28,原告代表者本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,強制執行停止に必要な供託金を手持資金から調達することができなかったため,平成15年8月15日,知人から480万円を弁済期平成16年12月末日とし,利息年1割の約定で借り入れたことが認められるけれども,その借入利息が被告の不法行為と相当因果関係のある損害であるとは認められない(特別の事情によって生じた損害というべきであり,被告がその事情を予見し,又は予見することができたと認めるに足りる証拠はない)から,被告に対し,1年4か月分の利息64万円の損害賠償を求める原告の請求は理由がない。
4 争点4(原告のゴミ置場設置請求の成否)について
(1) 原告は,本件ビルの規模からしても,当然ゴミ置場が設置されているべきであり,被告は賃貸人としての義務を果たしていないなどと主張して,被告に対し,ゴミ置場の設置を求めているが,その設置場所や規模等を特定していないし,そもそも被告は,本件建物の賃貸人として賃借人である原告のためにゴミ置場を設置すべき義務について,本件和解はもちろん,当初の賃貸借契約の契約書(甲事件乙7)においても,ゴミ置場の設置を賃貸人の義務とする条項はないから,被告に対しゴミ置場の設置を求める法的根拠が明らかでなく,加えて,原告は,本件建物でラーメン店を営業しているのであり,仕事柄,本件ビルの他の賃借人に比して,調理用の生ゴミ等が多量に出ることが推測できるが,被告から原告のゴミの置き方が本件和解条項6項(4)に違反しているなどと主張されたり,ゴミを本件建物の周辺に置いてはならないなどと言われたりしたとしても,特別区による特定の曜日のゴミ収集のみに依存することなく,ゴミ収集業者等に依頼することもできるのである(実際,甲事件乙26によれば,Cが被告から本件建物を賃借しそこで原告がラーメン店を営業していた平成12年7月18日,被告及びその代表者であるBを債権者,Cを債務者とする東京地方裁判所平成12年(ヨ)第1827号土地使用禁止仮処分命令申立事件において,1年間効力を有するという暫定的なものであったが,債務者が債権者らに対し,債務者が排出する生ゴミを特別区による収集の外,債務者の費用をもって週一回の割合で廃棄物処理業者をして,収集する旨の和解が成立したことが認められ,一時的にではあるが,廃棄物処理業者に依頼して原告の排出する生ゴミを処理していたことからすれば,原告においてそのような処理方法を検討すべきである。)。
(2) 上記認定したところによれば,被告において原告のためゴミ置場を設置すべき義務があるとは認めることができないから,被告に対しゴミ置場の設置を求める原告の請求は理由がない。
5 争点5(被告の清掃料請求の成否)について
(1) 被告は,原告が本件建物の外壁面の清掃をしなかったので,平成17年7月4日,原告訴訟代理人弁護士に対し,本件和解条項7項(1)に基づき,5日以内に外壁面を清掃するようファックスにより催告したが,原告は期限内に清掃をしなかったから,被告は,同月14日,業者に依頼して高圧洗浄車を用いて本件建物の外壁面(幅約8メートル高さ3.2メートル)を清掃した旨主張する。
しかしながら,前記前提事実(2)のとおり,本件和解条項6項(2)は,原告において,「換気扇による本件建物の外壁の汚損を防止するため,2週間に1度は外壁面を清掃する。」と定め,本件和解条項7項(1)は,「原告が上記清掃義務を怠り,被告から催告を受けたのに5日以内にその清掃を実施しない場合には,被告は,自ら業者に依頼して清掃を実施し,その代金を原告に対して請求することができ,原告は,被告からその請求を受けたときは直ちに支払う。」と定めているところ,証拠(乙事件乙1,原告代表者本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,その頻度や回数はともかく,これまでに本件建物の換気扇下の外壁面の清掃を行い,平成17年7月5日及び同月13日にも,その清掃をしたことが認められる上,上記のとおり,原告が換気扇による本件建物の外壁の汚損を防止するため外壁面の清掃をするのは2週間に1度と定められており,その2週間に1度の清掃義務を怠り,被告から催告を受けたのに5日以内にその清掃を実施しない場合に初めて,被告が自ら業者に依頼して清掃を実施することができるのであって,被告が同年7月4日に原告訴訟代理人弁護士に対し,5日以内に外壁面を清掃するようファックスにより催告した時点において,原告が2週間に1度の外壁面の清掃義務行を怠っていたことを認めるに足りる証拠はない。
(2) そうすると,被告が自ら業者に依頼して清掃を実施し,その代金を原告に対して請求することができるとする本件和解条項7項(1)の前提要件を欠くから,被告の原告に対する清掃代金等の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。
第4 結論
以上によれば,原告の本訴請求(甲事件請求)は,被告に対し,金100万円及びこれに対する不法行為の後である平成16年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余の請求及び被告の本訴請求(乙事件請求)は,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条本文を,仮執行宣言につき同法259条1項を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 山﨑勉)
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