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「成果報酬 営業」に関する裁判例(78)平成13年 8月23日 札幌地裁 平12(ワ)591号 賃金請求事件 〔日本ニューホランド事件・第一審〕

「成果報酬 営業」に関する裁判例(78)平成13年 8月23日 札幌地裁 平12(ワ)591号 賃金請求事件 〔日本ニューホランド事件・第一審〕

裁判年月日  平成13年 8月23日  裁判所名  札幌地裁  裁判区分  判決
事件番号  平12(ワ)591号
事件名  賃金請求事件 〔日本ニューホランド事件・第一審〕
裁判結果  一部認容、一部棄却  上訴等  控訴  文献番号  2001WLJPCA08236003

要旨
◆一 定年年齢を55歳から60歳に引き上げるに際して、55歳到達の翌月からの基本給をその直前の基本給の60パーセントに減額する旨を労働組合と使用者が経営協議会において決定し、会社代表者名義及び組合執行委員長名義の文書でその旨を周知したとしても、両文書は実質的な就業規則として扱われるべきものとはいえないとして、それらによる賃金減額の主張が否定され、減額分の賃金請求が認められた事例。
二 一掲記の各文書につき、就業規則につき労働基準法106条が要求する程度の周知措置がとられたとはいえないとされた事例。
三 一掲記の賃金減額の決定がなされた当時、55歳未満であった原告がその決定内容を知っており、かつ、その時点ではそれに対して特に異議を述べなかったとしても、賃金減額に対して黙示の承諾を与えたものとはいえないとされた事例。〔*〕

出典
労判 815号46頁
労経速 1803号3頁

評釈
中町誠・労経速 1803号2頁

裁判年月日  平成13年 8月23日  裁判所名  札幌地裁  裁判区分  判決
事件番号  平12(ワ)591号
事件名  賃金請求事件 〔日本ニューホランド事件・第一審〕
裁判結果  一部認容、一部棄却  上訴等  控訴  文献番号  2001WLJPCA08236003

原告 工藤日汪
同訴訟代理人弁護士 川村俊紀
被告 日本ニューホランド株式会社
同代表者代表取締役 芝本尚武
同訴訟代理人弁護士 山本孝宏
同 山崎宏征
同 大下慶郎
同 納谷廣美
同 西修一郎
同 石橋達成

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,金354万5390円並びに別表1の「満55歳直前との差額」欄記載の各金額に対するこれに対応する同表の「支給日」欄記載の各日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員及び別表3の「原告に支払うべき差額(認容額)」欄記載の各金額に対するこれに対応する別表2の「支給日」欄記載の各日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを8分し,その7を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,原告の勝訴部分に限り,仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,金369万8200円及び別表1の「満55歳直前との差額」欄及び別表2の「満55歳未満者との差額」欄記載の各金額に対する上記各表の「支給日」欄記載の各日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,被告の就業員である原告が,55歳に達した月の翌月から,給与及び賞与を一方的に減額されたとして,被告に対し,給与については,55歳に達した月の支給額と実際の支給額との差額の支払を,賞与については,55歳未満の者の査定基準の平均値に基づいて算定した支給額と実際の支給額との差額の支払を,これらに対する民法所定の割合による遅延損害金の支払とともに求めた事案である。
1  前提となる事実(証拠を掲げない事実は,当事者間に争いがない)
(1)  当事者
ア 被告(旧商号・北海フォードトラクター株式会社)は,主に農業用トラクターの販売及び修理を目的として,昭和45年に設立され,現在,全国に55か所の事業所を有する,従業員数約550名の会社である。
イ 原告は,昭和19年4月2日生まれの男性であり,昭和40年4月1日,被告の前身である北海自動車工業株式会社に正社員として採用され,昭和45年の被告の設立に伴い,被告に移籍し,平成3年8月以降,札幌営業所農機営業係長として勤務している者である。
原告は,平成11年4月2日,55歳に達した。
(2)  賃金に関する就業規則の規定
被告の就業規則(平成8年3月1日付けで作成され,現在も効力を有するもの)には,賃金に関して,次の内容の規定がある。
ア 賃金は日給月給制とする。
計算期間は毎月1日を起算日とし,その月の末日をもって締め切る。
給与は毎月4日(当日が日曜日または祝日にあたるときはその前日)に前月分を通貨をもって本人に支払う。
イ 賃金として次のものを支払う。うち(ア)から(カ)までを基準内賃金とする。
(ア) 基本給
(イ) 第2基本給
(ウ) 役職手当
(エ) 営業手当
(オ) 住宅手当
(カ) 整備士資格手当
(キ) 通勤手当
(ク) 超過勤務手当
(ケ) 宿直手当1500円,日直手当2000円,補直手当400円をそれぞれ1回につき支給
ウ 定期昇給は3月1日付けとする。ただし,臨時に期中で昇給することがある。
従業員の昇給基準については従業員組合と協議の上決定する。
(3)  被告が原告に支給した給与
ア 被告は,原告に対し,平成11年5月支給分の給与として,別表1の「H11,5」欄記載の給与を支給した。
イ 被告は,原告に対し,平成11年6月支給分から平成13年6月支給分まで,別表1の「H11,6」欄から「H13,6」欄までに記載された給与しか支給しなかった。ただし,「H11,7」「H11,9」「H11,12」欄記載の各給与の支給日については,原告が,同表の「支給日」欄記載の日であると主張するのに対し,被告が,いずれもその前日であると主張するものであるが,同表の「支給日」欄記載の日までに支給されたことについては争いがない(「H11,7」欄以降の支給については,甲26の1ないし21,甲30の1ないし3,原告,弁論の全趣旨)。
(4)  被告が原告に支給した賞与
ア 被告は,55歳未満の従業員(ただし,新入社員は除く)に対し,平成11年12月から平成13年3月までの間,5度に渡(ママ)り賞与を支給したが,その算定基準は,別表2の「55歳未満者の賞与算定基準」欄記載のとおりである(甲20ないし22)。
賞与は,従業員に一律に支給される基本賞与部分と,各従業員の査定に応じて支給されるインセンティブ部分からなるところ,前者は,当該従業員の基本給,第2基本給及び役職手当の合計額(ただし,1000円未満は切上げ。以下「賞与算定基礎ベース」という)に,各賞与毎に一律に定められた月数を乗じて決せられ,後者は,賞与算定基礎ベースに,各従業員毎の査定に基づいて定めた月数を乗じて決せられるものである。
イ 被告は,原告に対し,平成11年12月から平成13年3月までの間,上記の算定基準によることなく,別表2の「H11,12」欄から「H13,3」欄までの「原告の支給額」欄記載の賞与しか支給しなかった(「H11,12」欄以降の支給については,甲27の3ないし5,原告,弁論の全趣旨)。
(5)  経営協議会による決定及び就業規則の変更等
ア 被告には,ユニオンショップ制を採る従業員組合(以下「本件組合」という)が存するところ,従前から,被告と本件組合との間の労働協約に基づく双方の協議機関として,経営協議会が開催されてきた。労働協約によれば,経営協議会の構成人員は,原則として,会社,組合を代表する同数の人員とされ,その付議事項は,労働協約の改訂に関する事項,労働協約に基づく協定,協議を要する事項,労働条件に関する諸規程,規約の制定,改廃に基づく協議事項,給与,賞与に協議事項等とされている。
イ 被告においては,従前,従業員の定年は55歳であったが,昭和53年ころから,労使間で定年延長が検討されるようになり,また,昭和61年10月1日には,高年齢者雇用安定法が施行され,将来において60歳定年制が義務化される方向が示されたことから,昭和63年2月26日開催の経営協議会で,次のとおりの決定がされた(乙4,5,9,11ないし17,20,証人荒井。以下,上記経営協議会による後記(イ)の内容の決定を「本件決定」という)。
(ア) 定年延長について
a 定年延長時期
60歳定年に向けて,昭和63年3月1日から段階的に定年年齢を延長する。
b 定年延長の方法
昭和63年(1988年)度内に定年を迎える社員から1年ずつ順次定年を延長し,平成4年(1992年)度中に55歳を迎える社員は5年延長し60歳定年とする。
〈省略〉
新定年は,各規定の満年齢に達した誕生日の属する月の末日となる。
(イ) 55歳以降の賃金について
55歳に達した月の翌月から,次の新しい賃金体系に移行する。
賃金体系は,基本給と付加給(仮称)の2つの賃金項目とする。
a 基本給
55歳到達直前の基準内賃金(整備士,地域手当を除く)の60パーセントとし,各々計算の上確定する。
b 付加給(仮称)
55歳以降も特に重い役割を果たしていただく方については,その責務に対して付加的な賃金が加算される。この賃金は,一定時期に見直しが行われ,定年時まで約束される固定的な賃金ではない。また,この付加給は,全員に該当するものではない。
c 通勤手当
会社の規定どおり支給される。
d 超過勤務手当
後進を指導する立場で管理,監督する者とみなし,支給の対象としない。
e 昇給・賞与
55歳以降,昇給と賞与の支給はない。
ウ 被告は,前記イの決定を受けて,昭和63年3月1日,就業規則における定年の規定を55歳から60歳に変更し,経過規定として,前記イ(ア)の内容に沿った付則を設けたが,賃金に関する就業規則の規定については,従前は,前記(2)イ(エ)の営業手当の代わりに資格手当と地域手当がありこれらも含めて基準内賃金とされていたのを前記(2)イのとおり変更しただけで(乙6,7),55歳以降,それまでと異なる賃金体系に移行し,賃金が減額される旨の規定を設けなかった。
(6)  被告における本件決定の運用
ア 被告において,昭和63年4月以降,55歳の定年が延長された者の人数は,次のとおりである(証人荒井,弁論の全趣旨)。
(ア) 昭和63年4月2日から平成元年4月1日までの間に55歳の誕生日を迎え,定年年齢が1年延長された者 2名
(イ) 平成元年4月2日から平成2年4月1日までの間に55歳の誕生日を迎え,定年年齢が2年延長された者 8名
(ウ) 平成2年4月2日から平成3年4月1日までの間に55歳の誕生日を迎え,定年年齢が3年延長された者 6名
(エ) 平成3年4月2日から平成4年4月1日までの間に55歳の誕生日を迎え,定年年齢が4年延長された者 10名
(オ) 平成4年4月2日から平成13年2月末日までの間に55歳の誕生日を迎え,定年年齢が5年延長された者(原告を含む) 99名
(カ) 合計 125名
イ 被告は,上記125名の者に対し,被告が本件決定に基づいて算定した給与しか支給していない。
上記125名の者のうち平成12年12月において在籍している者は,54名であるが,そのうち付加給の支給により55歳に達した月の翌月以降の給与が減額されなかった者は4名で,その余の者はいずれも減給となった。
ウ 被告は,従業員が55歳の誕生日を迎える2か月ほど前になると,総務担当者がその者と個別に面談して,被告が試算した55歳に達した月の翌月以降の給与及び賞与の金額を提示し,その了解を得るよう努めている。
(7)  被告による原告に対する本件決定の適用
ア 被告は,平成11年1月ころ,原告の55歳に達した月の翌月以降の賃金について,次のとおり決定した。なお,加減算を除く計算は,いずれも100円未満切上げとする(乙8,9,証人荒井,弁論の全趣旨)。
(ア) 基本給
原告は,54歳時において,月額44万2960円の基準内賃金を得ていたので,その60パーセントに当たる26万5800円を,本件決定における基本給とする。
(イ) 付加給(職能給)
a 通勤手当を除く54歳時の年収と新基本給の年額との差額を基準として,その30パーセントに職位毎に定められた割合(110パーセントから85パーセントまで5パーセント毎に6段階)を乗じた金額と,70パーセントに過去3年間の賞与のインセンティブ評価に応じた割合(過去3年間の賞与におけるインセンティブ評価の最高枠の月数の合計を,当該従業員の同評価の月数の合計で除したもの)を乗じた金額との合計額をもって,本件決定における付加給とする。
なお,このような付加給(職能給)の算定基準は,平成10年10月ころ,被告において策定されたものである。
b 原告の場合,通勤手当を除く54歳時の年収額は,713万2620円(給与の年額531万5520円,賞与181万7100円)であり,新基本給の年額は318万9600円であるから,その差額は394万3020円となる。
原告は,55歳時において係長であったから,職位に応じた割合は90パーセントとなる。また,過去3年間の賞与におけるインセンティブ評価の最高枠の月数の合計は7.8か月であり,原告の同評価の月数の合計は3.4か月であるから,過去3年間の賞与のインセンティブ評価に応じた割合は,43.6パーセントとなる。
したがって,原告の付加給の年額は,226万7300円となる。
(計算式)0.3×0.9+0.7×0.436=0.575
394万3020円×0.575=226万7300円
(ウ) したがって,本件決定に基づく原告の55歳に達した月の翌月以降の年収額は,545万6900円(318万9600円+226万7300円)となる。
そこで,その14分の1に当たる39万円を,各月の通勤手当を除く給与として支給するとともに,その14分の2に当たる78万円を,夏冬2回の賞与として支給することにした(ただし,賞与については,実際には,平成11年6月の賞与としては,従前の基準に従い82万6000円が支給され,同年12月の賞与として39万円が支給された)。端数処理の結果,原告の年収額は546万円となった。
イ 被告の荒井祐二総務担当部長は,平成11年3月2日,原告と面談し,原告に対し,55歳に達した月の翌月以降の年収額を提示し,その算定根拠を説明したが,原告は,納得できない旨述べ(甲13,17,乙9,証人荒井,原告),同年7月16日付け文書により改めて,給与の減額支給に異議をとどめ,差額の支払を求める旨を被告に通知した。
ウ 被告は,平成12年4月ころ,原告の56歳以降の付加給を見直し,成果報酬として最大78万円を従前の賞与に加算し得ることとし,その結果,原告の年収額は最大で624万円となり得ることを決め,札幌営業所長がその旨を原告に通知したが,原告は,55歳に達した月の翌月以降の賃金減額を前提とするこの措置に了解することはなかった(甲9,10,17,証人荒井,原告)。
なお,前記ア(イ)aの基準により算定された付加給に成果報酬を加算することは,平成12年より,被告において取り入れたものである(証人荒井)。
(8)  本件組合と被告との交渉
ア 本件組合においては,平成8年9月,小杉政行を中央執行委員長とする執行部(以下「小杉執行部」という)が成立し,原告は,その中央執行委員に就任した(甲16,17,証人小杉)。
なお,本件組合には,平成9年5月ころ以降,上記執行部の他に,鈴木某を中央執行委員長とする執行部が存している(証人小杉)。
イ 小杉執行部は,本件決定に基づく55歳以降の従業員の処遇を,問題として取り上げ,被告に対し,これに関する交渉を求めたところ,被告は,当初,同執行部の選出方法に問題があるとして,交渉に応じなかったが,平成10年3月に,北海道地方労働委員会による団交拒否に対する救済命令が,同年7月に,札幌地方裁判所による緊急命令が出されるに至り,交渉の席に着くような(ママ)った(甲11,16,証人小杉,弁論の全趣旨)。
ウ 小杉執行部は,被告との交渉において,本件決定に基づく55歳以降の従業員の処遇について,年齢による差別に当たる,被告は,一方において,55歳以降の従業員を被告組合員であると主張しながら,他方において,被告と本件組合との合意である本件決定を55歳以降の従業員に適用するのは,矛盾であるなどと主張し,55歳以降の従業員の処遇を55歳未満の従業員の処遇と同等のものにすることを要求しているが,被告は,55歳以降の従業員の処遇は,経営協議会における本件決定によって決められたことであるとして,上記要求に応じない態度をとっている(甲16,19の2ないし4,証人小杉,弁論の全趣旨)。
2  争点
被告は,経営協議会の本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することができるか。
(被告の主張)
(1) 本件決定の内容は,被告代表者名義の文書及び本件組合執行委員長名義の文書により,全従業員に周知徹底されているから,本件決定は,実質的な就業規則としての効力を有している。本件決定が全従業員に周知徹底されたことは,昭和63年4月以降,本件決定の適用を受けた従業員の大半が,何らの異議を唱えなかったことからも,明らかである。
なお,本件決定は,定年延長に伴い,延長された雇用期間における賃金体系を新設したものであって,既存の労働条件を変更したものではない。仮に既存の労働条件を労働者に不利益に変更したものと見る余地があるとしても,本件決定は,55歳から60歳への定年延長と不可分一体のものであって,55歳以降の労働者の雇用の確保を目的とし,被告の社内外の状況を踏まえ,本件組合との合意に基づいて,55歳以降の者の賃金体系を定めたもので,その内容においても不合理な点はないもので,合理性が認められるから,その効力が否定されることはない。
(2) 原告は,本件決定当時,本件決定の内容を知りながら,特段の異議を唱えなかったものであるから,原被告間において,55歳に達した月の翌月以降の賃金は,本件決定による旨合意が成立した。
(3) したがって,被告は,本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することができる。
(原告の主張)
(1) 定年が55歳から段階的に60歳に延長されることは,従業員に知らされたが,本件決定の内容については,経営協議会に出席した者が知っている程度であり,従業員に周知されることはなかった。
仮にこれが全従業員に周知されたとしても,本件決定の内容は就業規則として文書化されることはなく,また就業規則として周知されたものでもないから,就業規則としての効力を有することはない。
また,仮に本件決定が就業規則としての効力を有するとしても,従前の就業規則の内容を労働者に不利益に変更するものであって,かつ,55歳に達した月の翌月以降,業務量は従前と異ならず,かえって増える傾向にあるのに,賃金を大幅に減額するもので,年齢による違法不当な差別であること,付加給については算定基準が明確でないこと,平成10年4月1日以降は高年齢者雇用安定法が最低基準として60歳定年制を定めている以上,60歳への定年延長は,賃金減額の十分な代償措置とはいえないこと,経営協議会の決定手続は,労使対等ではなく,組合員全体の公正な意思を反映するものではないことに鑑みると,その変更に合理性を認めることはできないから,無効である。
(2) 原告は,本件決定の内容について,個別に同意をしたことはないから,本件決定が原被告間の労働契約の内容となっているとはいえない。原告が本件決定時異議を述べなかったとしても,原告は,当時本件決定の内容を知らされていなかったし,仮に知らされていたとしても,当時43歳であった原告にとって,55歳以降の労働条件は切実な問題ではなかったから,黙示の同意があったとはいえない。
仮に,本件決定が原被告間の労働契約の内容となっているとしても,現在効力を有している被告の就業規則は,60歳定年を定めているが,55歳に達した月の翌月からそれまでとは異なる賃金体系の適用を受け,給与が減額される旨の規定を欠いているので,その解釈としては,55歳に達した月の翌月以降も,それまでの賃金体系に基づく給与を支給すべきものと解するほかないから,労働基準法93条により,上記就業規則の基準に達しない労働契約の部分は無効となり,原被告間の労働関係は,上記就業規則の内容に従って規律されることになる。
(3) したがって,被告は,本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することはできない。
第3  争点に対する判断
1  本件決定を,実質的な就業規則としての効力を認め得るかについて検討する。
(1)  被告においては,就業規則とこれに基づく諸規程を1冊の冊子にまとめ,これを従業員に配布して,その周知を図っている(甲1,15,乙2,6,7,証人荒井,弁論の全趣旨)ところ,昭和63年2月26日開催の経営協議会の決定を受けて被告が作成した同年3月1日付けの冊子に掲載された就業規則(乙7)には,上記決定のうち定年延長に関する決定(前記の前提となる事実(5)イ(ア)記載の決定)に沿った記載がされたが,55歳以降の賃金に関する本件決定に沿った記載は全くなく,平成8年3月1日付けの冊子に掲載された就業規則(現在も効力を有するもの。甲1,乙2)も,同様である。その結果,冊子に掲載された就業規則を見る限りにおいては,平成4年4月2日以降,定年は60歳となり,同定年に至るまで従業員は一律に,前記の前提となる事実(2)記載の賃金体系による賃金の支給を受けるものと解さざるを得ないようになった。
被告は,本件決定の内容が被告代表者名義の文書及び本件組合執行委員長名義の文書により,全従業員に周知徹底されている以上,本件決定は,実質的な就業規則として扱われるべきである旨主張するので,この点について検討する。
まず,被告代表者名義の文書とは,被告代表者が部門長,支店長及び営業所長という管理職に宛てた「経営協議会の決定事項について」と題された文書で,本件決定を含む昭和63年2月26日開催の経営協議会の決定内容が記載されるとともに,「決定内容については,充分な確認と周知徹底をお願いいたします」と記載されているものである(乙4)。しかしながら,この文書は,その表題及び内容に照らし,上記経営協議会の決定内容を上記管理職に知らせるとともに,上記管理職を通じてこれを従業員に周知させることを目的とするものであることは明らかであるばかりか,被告においては,前記のように,就業規則とこれに基づく諸規程を1冊の冊子にまとめ,これを従業員に配布することにより,その周知が図られていたというのであるから,仮にこの文書により上記経営協議会の決定内容が上記管理職及び従業員に周知されたとしても,上記管理職及び従業員において,その決定内容が実質的に就業規則として扱われると理解するものと期待することは到底できず,そもそも,作成者の被告代表者においても,そのような意図を有していなかったと認めるのが相当である。したがって,この文書により本件決定の内容が従業員に周知されたとしても,そのことから直ちに,本件決定が実質的な就業規則として扱われるべきであると解することはできない。
次に,本件組合執行委員長名義の文書とは,本件組合の執行委員長が各組合員に宛てた「経営協議会の決定事項について」と題された文書で,本件決定を含む昭和63年2月26日開催の経営協議会の決定内容が記載されているものである(乙5)。この文書も,その表題及び内容に照らし,上記経営協議会の決定内容を本件組合の組合員に周知することを目的とするものであることは明らかであり,被告においては,就業規則とこれに基づく諸規程は,前記のような方法で周知が図られていたことに加えて,この文書が本件組合の執行委員長が各組合員に宛てたものであることに鑑みれば,この文書の配布を受けた組合員において,上記経営協議会の決定内容が実質的に就業規則として扱われると理解することは期待できず,また,作成者の執行委員長においても,そのような意図を有していなかったものと認めるのが相当である。したがって,この文書が組合員である従業員に配布されたとしても,そのことから直ちに,本件決定が実質的な就業規則として扱われるべきであると解することはできない。
また,この他に,本件決定が実質的な就業規則として扱われるべきものとして,被告の従業員に周知されたと認めるに足りる証拠はない。
したがって,本件決定は,実質的な就業規則として扱われるべきである旨の被告の主張は,採用できない。
(2)  また,労働基準法106条1項は,就業規則について,「常時各作業場の見やすい場所に掲示し,又は備え付けること,書面を交付することその他の命令で定める方法によって」労働者に周知させることを求めているところ,少なくとも同条項の定める上記方法と同視し得るような周知方法が採られない限り,就業規則としての効力は認められないものと解するのが相当である。しかるに,被告代表者名義の文書及び本件組合執行委員長名義の文書はいずれも,昭和63年3月3日の日付であって(乙4,5),これらの文書がその日付のころにその名宛人に対して配布されたものと推認することはできるにしても,それ以外の時期において,これらの文書が配布されたり,また,その他の方法によって本件決定の内容が従業員に周知されたと認めるに足りる証拠はない。そうすると,昭和63年3月ころに在籍していた従業員はともかく,その後に入社した従業員については,本件決定の内容を知る由がなく,55歳以降の労働条件に関し,冊子として配布された就業規則によって判断することになってしまう。したがって,昭和63年3月ころに,被告代表者名義の文書及び本件組合執行委員長名義の文書によって,本件決定の内容が当時の従業員の知るところとなったとしても,それだけでは,労働基準法106条1項の定める方法と同視し得るような周知方法が採られたということはできないから,この点においても,本件決定に,就業規則と同様の効力を認めることはできないといわねばならない。
2  本件決定の内容について,原告の個別的同意があったといえるかについて検討する。
被告は,この点について,本件決定当時,本件決定の内容を知りながら,特段の異議を唱えなかったものであるから,原被告間において,55歳に達した月の翌月以降の賃金は,本件決定による旨合意が成立した旨主張する。
なるほど,原告は,本件決定当時,函館営業所長の職にあったもので(証人荒井,原告),前記の被告代表者名義の文書(乙4)の名宛人になっていたものである。このことに加えて,当時営業所長であった複数の者が,同文書を受け取った記憶がある旨の記載のある陳述書を提出していること(乙21の1ないし3・5・6),原告も,その本人尋問において,同文書以外の会社からの文書を受け取ったことがあることは認めていること,函館営業所及び同文書のみが,他の営業所や文書と異なる取扱いを受けるべきことを窺わすような事情は何も認められないこと,当時八雲営業所長であった高松五郎の陳述書(甲29)にも,同文書を受け取った記憶がない旨の記載があるだけで,受け取っていない旨の記載があるわけではないことに照らすと,原告は,本件決定当時,本件決定の内容を記載した被告代表者名義の文書を受け取ったことがあると推認することができ,この推認に反する原告の供述及び陳述書(甲17)の記載は採用することができないというべきである。したがって,原告は,本件決定当時,本件決定の内容を知っていたものと推認することができるにもかかわらず,原告が被告に対し,本件決定の内容について異議を述べた形跡は窺えない。
しかし,だからといって,原告が本件決定の内容について黙示の同意を与えたと解することは相当ではない。本件決定の内容を知らせる被告代表者名義の上記文書に,異議のある者は名乗り出るよう促すような記載があれば格別,上記文書にはそのような記載は何もないのであるから(乙4),上記文書により本件決定の内容を知ったからといって,直ちに被告に対して異議を述べなかったからといって,本件決定の内容について黙示の同意を与えたということはできず,本件決定が55歳以降の労働条件を定めるものである以上,これに対する異議は,55歳になって本件決定の適用を受けるまでに述べればよいと解するのが相当である。しかるところ,原告は,前記の前提となる事実(7)イのとおり,55歳になる前である平成11年3月2日,荒井祐二総務担当部長に対し,本件決定に基づく賃金の減額は納得できない旨述べ,これに異議を述べたのであるから,原告は,本件決定の内容について黙示の同意を与えたということはできない。
3  以上のとおりであるから,その余の点を判断するまでもなく,被告は,経営協議会の本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することができないというべきである。
4(1)  ところで,被告は,原告に対し,55歳になる平成11年5月まで,前記の前提となる事実(2)の就業規則に定める賃金体系に基づく給与を支給していたもので,同月の支給額は,別表1の「H11,5」欄記載のとおり,49(ママ)万9040円であった。
ところが,被告は,同年6月支給分以降,本件決定に基づくものとして,原告の給与を一方的に減額し,平成13年6月支給分まで,同表の「H11,6」欄から「H13,6」欄までに記載された給与しか支給しなかった。
しかし,本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することができないことは,前記3のとおりであるし,また,この他に,被告において,原告の上記給与の減額を正当化できる事情は見出せない。したがって,原告には,平成11年6月以降も毎月,少なくともその前月分の支給額である49(ママ)万9040円の給与の支給を求める権利があるというべきであるから,同月支給分から平成13年6月支給分の給与について,実際に支給された額(同表の「合計」欄記載の金額)と49(ママ)万9040円との差額(同表の「満55歳直前との差額」欄記載の金額)の支払を求める原告の請求は理由があるということができる。
(2)  賞与については,就業規則やこれに基づく諸規程には,賞与に関する規定はないものの,被告においては,55歳に達するまでは,月額給与の他に,前記の前提となる事実(4)アの算定基準に従って賞与を支給する慣行があり,原告も,平成11年6月まで,他の従業員と同様,上記算定基準に従った賞与の支給を受けていた。
ところが,被告は,同年12月支給分以降,本件決定に基づくものとして,原告の賞与を一方的に減額し,平成11年12月から平成13年3月までの間,別表2の「H11,12」欄から「H13,3」欄までの「原告の支給額」欄記載の賞与しか支給しなかった。
しかし,本件決定に基づき,55歳に達した月の翌月からの原告の賃金を減額することができないことは,前記3のとおりであるし,また,この他に,被告において,原告の上記賞与の減額を正当化できる事情は見出せない。したがって,原告には,平成11年12月以降も,55歳未満の他の従業員同様,前記の前提となる事実(4)アの基準に従って算定した賞与の支給を求める権利があるというべきである。
しかるところ,原告の賞与算定基礎ベースの額は,同表の〔注〕記載のとおり41万3000円であり,平成11年12月から平成13年3月までの間の5回の賞与において,基本賞与部分の算定において賞与算定基礎ベースの額に乗じるべき月数は,別表3の「一律」欄記載の月数であった(甲20ないし22)。また,原告が平成8年6月から平成10年12月までの間に支給を受けた6回の賞与において,インセンティブ部分の算定において賞与算定基礎ベースの額に乗じるべき原告の月数の平均値は,最高枠の月数の43.6パーセントであり(乙8),平成11年12月から平成13年3月までの間の5回の賞与における上記月数の最高枠は,同表の「インセンティブ最高枠」欄記載のとおりであった(甲21,22)から,上記5回の賞与における原告の上記月数は,同表の「原告のインセンティブ」欄記載の月数となる蓋然性が高いといえる。そうすると,上記5回の賞与における原告の賞与額は,同表3の「原告に支給すべき賞与額」欄記載の金額となった蓋然性が高く,上記金額と実際に支給された額(別表2の「合計支給額」欄記載の金額)との差額は,別表3の「原告に支払うべき差額(認容額)」欄記載の金額となる。
したがって,上記5回の賞与について賞与の差額を求める原告の請求は,上記差額の支払を求める限度において理由があるということができる。
5  よって,主文のとおり判決する。
(裁判官 村田龍平)

 

(別表1) 月例賃金支給一覧表
〈省略〉

(別表2) 賞与支給一覧表
〈省略〉

(別表3) 賞与認容額一覧表
〈省略〉

 

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