【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

「成果報酬 営業」に関する裁判例(65)平成22年 6月28日 東京地裁 平20(ワ)26440号 サーバー保守費用等請求事件

「成果報酬 営業」に関する裁判例(65)平成22年 6月28日 東京地裁 平20(ワ)26440号 サーバー保守費用等請求事件

裁判年月日  平成22年 6月28日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)26440号
事件名  サーバー保守費用等請求事件
裁判結果  本訴請求棄却、反訴一部認容  文献番号  2010WLJPCA06288013

要旨
◆被告との間でウェブサイトにおいて広告収入を得るためのソフトを利用したポイント換金サービスを提供することを目的とする契約を締結した原告が、合意解除の月の保守費用を請求したところ(本訴)、被告が債務不履行に基づく損害賠償請求をした(反訴)事案について、解約後の保守費用負担合意はないとして本訴請求を棄却する一方で、原告には契約上の義務違反があったとして、説明義務違反により生じた損害につき民事訴訟法248条を適用して算定し、反訴請求を一部認容した事例

参照条文
民事訴訟法248条

裁判年月日  平成22年 6月28日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)26440号
事件名  サーバー保守費用等請求事件
裁判結果  本訴請求棄却、反訴一部認容  文献番号  2010WLJPCA06288013

東京都渋谷区〈以下省略〉
本訴原告・反訴被告 株式会社サンフィニティー(以下「原告」という。)
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 杉岡麻子
東京都世田谷区〈以下省略〉
本訴被告・反訴原告 Y(以下「被告」という。)
同訴訟代理人弁護士 早川明伸
同 澁谷展由

 

 

主文

1  原告の請求を棄却する。
2  原告は,被告に対し,50万円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3  被告のその余の請求を棄却する。
4  訴訟費用は,本訴反訴を通じ,これを20分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
5  この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  本訴
被告は,原告に対し,15万7500円及びこれに対する平成20年3月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  反訴
原告は,被告に対し,918万6195円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  争いのない事実等
当事者間に争いのない事実及び証拠によって容易に認められる事実は,以下のとおりである。
(1)  被告は,平成19年4月当時,自己のウェブサイトへ出稿された広告収入により収益を得るウェブサイト(以下「被告サイト」という。)の運営事業を行っていた。現在は,自身が代表取締役を務めるウェブインベスティゲーション株式会社によってこの事業を行っている。
(2)  原告は,コンピューターソフトの開発・販売,インターネットのホームページの企画・制作,広告・宣伝の代理業などを目的とした株式会社であり,「○○サイト」というウェブサイトを運営するとともに,「△△ポイント」(ビジネス用アプリケーションソフト。以下「本件ソフト」という。)をポイントサイト運営を希望する顧客に提供(レンタルか販売か争いがある。)する事業を行っている会社である。
(3)  原告は,平成19年4月25日,被告との間で,ウェブサイトにおいて広告収益を得るための本件ソフトを利用したポイント換金サービスを提供することを目的とする契約を締結した(以下「本件契約」という。)。本件契約においては,下記の約定があった。 (甲1)

ア 役割分担(契約書3条)
(ア) 被告の業務
①本サービスの企画・立案・実施
②本サービスのサイトレイアウト・デザイン・アップ業務
③有償・無償に関わらず本サービスを利用する会員獲得業務全般(メディアプラン策定,メディアバイング,広告原稿作成,入出稿)
④本サービスで使用する広告の調達及び制作業務全般
⑤ユーザーサポート(問い合わせへの窓口)
⑥本サービスにおける原告との打合せ等,必要業務全般
⑦その他上記各号に附帯関連する業務
(イ) 原告の業務
①本サービスのシステム開発業務全般
②本サービスのネットワーク構築及びサーバー監視
③必要に応じ携帯電話キャリアとの折衝業務等全般
④本サービスで使用する広告の調達及び制作業務全般
⑤本サービスにおける被告との打ち合わせ等,必要業務全般
⑥本サービス納品後の運用サポート
⑦その他上記各号に附帯関連する業務
イ 被告が原告に支払うべき対価(契約書5条1項)
初期費用180万円(税別),初期サーバー費用22万円(税別),保守メンテナンス費用15万円(税別)
ウ 原告が被告に対し,「別途コンテンツ及びオプションサービスを提供する場合は,その都度詳細及び対価を取り決め,書面にて取り交わすものとします。」(契約書5条2項)
エ 原告及び被告は,「相手方の書面による事前の同意なくして,本契約上の権利義務の全部又は一部を第三者に譲渡し,又は譲渡の試みをしてはならないものとします。」(契約書11条)
オ 原告及び被告は,「相手方に次の各号に定める事由のいずれかが発生したときは,何らの通知催告を要せず,直ちに本契約等の全部又は一部を解除することができるものとします。」(契約書14条)
「①本契約等を継続しがたい重大な背信行為を行った場合」
「⑥債務の一部について履行を遅滞し,当該遅滞が本契約を継続しがたい重大な背信行為となる場合又は本契約等に違反し,違反是正を促す催告にもかかわらず,30日以内に相手方が当該違反行為を是正しなかった場合」
「⑧その他上記に準ずる事由が発生した場合」
(4)  被告は,平成20年1月18日,原告との間で,本件契約を合意解除した(以下「本件合意解除」という。)。
2  請求の概要
本訴は,原告が被告に対し,本件契約に基づき,本件合意解除があった平成20年1月分の保守費用15万7500円を請求する事案であり,反訴は,被告が原告に対し,原告が本件契約に基づく義務の履行を怠った債務不履行に基づく損害賠償として,918万6195円を請求する事案である。
3  争点及びこれに対する当事者の主張
(本訴)
(1) 被告が月の途中で解約した場合,解約以降月末までのサーバー保守費用を負担すべきか否か
ア 原告
サーバー保守費用は,月の途中で解約しても,1か月分かかるものであり,原告は,被告にそのことを説明し,被告がそれを了承したため,本件合意解除に応じたものである。
原告は,委託先の訴外株式会社ミックナイン(以下「ミックナイン」という。)から,サーバー費用が月単位で発生することを告知されており,ミックナインとサーバーのレンタル会社であるATリンクとの利用契約(甲4)も渡されていたから,本件契約でも前提となっていた。被告サイトが閉鎖された後,サーバーから△△ポイントソフトウェア及び被告サイトのデザイン等を取り除く作業が必要となるため,被告サイトの閉鎖がただちにサーバーの解約とはならないのである。
イ 被告
本件契約の契約書には,月の途中で解約した場合,解約時以降月までのサーバー保守費用を被告が支払わなければならないとする定めはないし,原告から事前にそのような説明を受けたこともない。
(本訴及び反訴)
(2) 本件契約の内容をどのように理解すべきか(本件契約は,売買契約か否か,甲15,乙32による契約とは別契約か否か)
ア 被告
(ア) 本件契約は,本件ソフトの販売契約である。
(イ) 被告と原告の間の契約は本件契約のみであり,その他は本件契約に基づくオプションサービスの申込みとその提供にすぎない。
イ 原告
本件契約と「○○クライアント利用契約」(甲15,乙32。以下「○○クライアント契約」という。)とは別の契約である。
(ア) 本件契約は,ASPサービス,すなわち,本件ソフトをインターネットを通じて,顧客である被告にレンタルし,サービスを提供する契約であり,「ポイント換金サービス」のための契約である。被告は,ウェブブラウザなどを通じて,原告が管理するサーバーにインストールされた本件ソフトを利用することになる。
(イ) 本件契約は,本件ソフトのレンタルサービスを提供する契約であり,売買契約ではない。
そもそも,本件ソフトは,ミックナインからOEM提供を受けたものであって,ミックナインの所有権,著作権を保護するために,売買契約とすることはできない。そのため,本件ソフトのプログラムのソースコードは,ミックナインが管理している。また,本件ソフトの名称である「△△ポイント」のうちの「ASP」は,ビジネス用のアプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルする事業者を指し,本件契約上も,初期費用について「ライセンス費用」と明記されていることから明らかである。
本件契約の前文に「販売契約」とあるのは事実であるが,それは本件ソフトの利用権の販売を意味するものにすぎないし,他の業者がポイントサイトシステムを販売しているとしても,当該業者は「ASP」とは表示しておらず,原告と異なることは明らかである。さらに,被告は,本件契約の解消後も本件ソフトのプログラムデータの引渡しを要求したことはなく,被告自身も本件契約がASPサービスであることを熟知していたものというべきである。
(ウ) 本件契約は,原告を本件ソフトのレンタル事業者とする契約であり,○○クライアント契約は,原告をアフィリエイト事業者(アフィリエイトサービスプロバイダー)とする契約であり,両者は別個の契約である。
○○クライアント契約は,①原告が運営していたアフィリエイト事業「○○サイト」の会員専用ページ(以下「管理画面」という。)において,広告主である被告の情報をアフィリエイターに提供すること,②被告と提携した他社アフィリエイターとの間で行われたアクション情報(効果を測定するためのもの)を被告に対して提供することを内容とするものである。
そのことは,原告と被告との間で別途書面が交わされていること(甲15,乙32),契約書上も本件契約とは全く別の規約が規定されていること,本件契約の契約書(甲1)には「○○サイト」の文字がないことから明らかである。
被告の場合,○○クライアント契約の代金が0円となっているが,これは,業界としては後発であった「○○サイト」を売り込むため,保証金,初期費用及び月額費用を0円としたものであって,ASP手数料によって利益を見込んだものであるから,上記主張と矛盾するものではない。
(3) 原告には,遅くとも平成19年8月31日までに被告サイトの運営を開始させる義務があったか否か,その不履行があったか否か
ア 被告
本件契約が締結されたのは平成19年4月25日であるのに,原告が,被告に対し,被告サイトの設定を行うための申込書類を送付したのは,同年7月30日であり,これを受けて,被告が運営する予定であった被告サイトの設定情報を原告に送付できたのは,同年8月2日であった。他方で,被告は,原告に対し,同年5月16日に初期サーバー費用23万1000円,同年6月15日に初期費用189万円,同年7月17日にサイトデザイン費用37万8000円を支払っていた。このような事情を考慮すれば,原告は,遅くとも平成19年8月31日までに被告サイトの運営を開始させる義務を負っていた。しかるに,原告は,この義務に違反した。
イ 原告
原告に債務不履行はない。原告は,平成19年7月18日ころのメールにおいて,被告に対し,「このロゴ納品後からサイトは運用開始して頂けます。」と告知した(甲10)。そして,被告サイトの管理画面を見ると,被告サイトに消費者金融(広告主)が登録され,会員登録がなされ,その会員のうち少なくとも1人はテスト登録ではなく一般ユーザーの登録であり,さらに,平成19年7月17日以降,相当数のアクセス数と若干のユーザー登録数が記録されているから(甲52の1ないし11),被告サイトは運用開始可能な状況にあった。
(4) 原告は,被告に対し,被告サイトと他のウェブサイトを連動させる義務を負っていたか否か,その不履行があったか否か
ア 被告
(ア) 「アフィリエイト連動」の意義
〈アフィリエイトによる会員獲得方法〉
① 被告サイトに登録する会員を呼び込むために,被告は,他のウェブサイト(以下「□□サイト」という。)に広告を出稿する。
② □□サイトを閲覧し,□□サイト上の被告の広告をクリックして,被告サイトに来た一般ユーザーが,被告サイトの会員(以下「被告サイト会員」という。)となった場合,被告が,□□サイト運営者に一定の手数料を支払う。この□□サイトの運営者を「アフィリエイター」という。
〈被告が広告報酬を得るための仕組み=ポイントサイト〉
③ 被告サイトに広告主企業が広告を出稿する。被告サイトには,被告サイト会員がクリックすると,広告主のウェブサイトへ移動するリンクが設置される。
④ 被告サイト会員が,そのようにして広告主のウェブサイトに移動し,そこで,広告主から物やサービスを購入したり,契約をしたり,契約の資料請求をした場合などに,広告主から,被告に対し,物やサービスの価格の数%の報酬,あるいは,数百円から数万円の報酬が支払われる。このように,被告サイト会員が広告主に対するアクションをした場合に,被告に報酬が支払われる仕組みは,「成果型報酬広告」,「アフィリエイト広告」などと呼ばれている。
⑤ 広告主から報酬を受領した被告は,広告主から物を購入したり,契約をするなどした当該被告サイト会員に対し,受領した報酬の数十%を支払う。その結果,当該被告サイト会員としては,実質的には,物やサービスの購入などのアクションに対し,キャッシュバックを受けるのと同等の効果があり,そのことから,被告サイトのようなウェブサイトを「ポイントサイト」と呼んでいる。
〈アフィリエイト連動〉
「アフィリエイト連動」とは,ポイントサイト(本件では被告サイト)運営のために,①□□サイトとポイントサイトを連動させるシステム,②ポイントサイトと広告主サイトを連動させるシステムを合わせた機能をいう。
(イ) 本件契約は,原告が被告に「△△ポイント」を販売して,被告がポイントサイトを運営することができるようにすることを契約内容の基本としている。そして,原告は,被告に事前に交付していた資料(乙13。以下「本件資料」という。)及び自社のウェブサイト(甲29)において,「アフィリエイト連動」をセールスポイントとし,ポイントサイト運営者が□□サイトへ広告を出稿して,新規会員の8~9割を獲得するというモデルを示していたから,原告が,被告サイトと□□サイトを連動させることは,本件契約上の義務であった。
このような義務は,契約書上は,「納品後の運用サポート」(3条2項6号),「その他」「附帯関連する業務」(同7号)に含まれるものである。
(ウ) しかるに,原告は上記の義務を怠り,被告サイトと□□サイトの「アフィリエイト連動」を提供しなかった。そのことは,①被告サイトへの会員登録は,本件契約期間である平成19年4月25日から平成20年1月18日の約9ヶ月間,被告サイトの会員となったのは,被告と取引関係にある者や原告がテストのための登録を依頼した者の数名程度であったこと(乙85),②被告サイト会員が被告サイトの広告部分を何回クリックしたかを示す「クリック数」については,平成19年4月から平成20年1月までの間,平成19年8月にわずか10回クリックされたのみであること(乙35),③他のサイトを通じて調査した被告サイトのクリック数もゼロ件ないし数件であったこと(乙40ないし44)からすると,明らかである。どのような条件のサイトであれ,広告出稿先である□□サイトとのリンクが適正に完了しているポイントサイトであれば,9ヶ月間にわたって全く一般ユーザーがサイトに誘導されず,クリックがほぼゼロということは考えられず,被告サイトと□□サイトとの連動が完了していなかったとみるべきである。
被告サイトと□□サイトとの連動に失敗したことは,原告のBが「弊社でも再度テストを行いましたが確認が取れませんでした」(乙73)とのメールをしていることから明らかである。
イ 原告
原告は,本件契約上,被告が主張するような義務は負わない。
もっとも,原告は,被告に対し,○○クライアント契約に基づき,「アフィリエイト連動」を提供する義務を負っていたことは事実であるが,被告から○○クライアント契約の申込みがあったのは,平成19年8月1日である。そして,「アフィリエイト連動」とは,アフィリエイトASPのサイトと△△ポイント利用者のサイト(本件では被告サイト)との間で,アフィリエイトデータの受け渡しをするためのシステムを連動させることをいい,具体的には,被告サイト会員が,アフィリエイトASP事業者に登録されているどの広告主のサイトで借入れ,申込みをしたかのデータを相互につなぎ合わせることをさすものである。そして,原告が,○○クライアント契約に基づき,被告に提供すべき義務を負っていたのは,アフィリエイトASPのウェブサイトと被告サイトとの間で上記の機能を備えることである。
(5) 原告は,被告に対し,□□サイト運営者を紹介する義務を負っていたか否か,その債務不履行はあったか否か
ア 被告
(ア) 本件契約上,原告は,被告がポイントサイトを運営することができるようにする義務を負っており,「アフィリエイト連動」の提供義務に伴うものとして,被告に対し,原告が取引関係を有している□□サイト運営者を紹介する義務を負う。
(イ) このような義務は,契約書上は,「納品後の運用サポート」(3条2項6号),「その他」「附帯関連する業務」(同7号)に含まれるものである。
(ウ) しかるに,原告は,上記義務を怠った。
被告は,平成19年9月1日,原告に対し,「アフィリエイト配信」すなわち□□サイトに被告サイトの情報を送信することを求め,同月5日及び同年10月16日にも求めた(乙7ないし9)。これに対して,同年11月26日になって,原告から,「ご出稿のご連絡を頂ければ早急に開始しいたします」とのメールが送信され,同月29日には配信準備が整ったとのメールが来たので,被告は開始するようにメールした(乙56,81)。しかるに,□□サイトに被告サイトの情報は送信されなかった。
イ 原告
原告は,本件契約上,被告が主張する義務は負わない。
もっとも,原告は,被告に対し,○○クライアント契約に基づき,被告の情報を□□サイト(アフィリエイター)に提供する義務を負っているが,それにとどまり,個々のアフィリエイターを被告に紹介する義務はないし,アフィリエイターとの成約を保証するものではない。
原告は,○○クライアント契約に基づく上記義務は履行している。
(6) 原告は,被告に対し,広告主を紹介する義務を負っていたか,その不履行はあるか否か
ア 被告
(ア) 本件契約上,原告は,被告に対し,被告サイトに広告を出稿する広告主を紹介する義務を負っていた。
すなわち,本件契約の契約書3条2項4号には,原告の業務として,「本サービスで使用する広告の調達」と規定されており,これに基づき,原告は,上記義務を負う。
そして,本件資料や原告のウェブサイト(甲29)には,「弊社が・・・広告代理店として培ってきたノウハウを使った運用代行サービスもご用意」と記載しており,これは,本件契約上の義務として,被告サイトに出稿する広告主を紹介することを約しているとみることができる。
さらに,原告は,自らの業務内容の1つとして,「インターネット広告」,「代理店事業」をあげているから,広告主の紹介が本件サービスの主要な内容となっていたというべきである。
そのことは,原告と被告のメールのやりとりからも明らかである(乙14)。
(イ) しかし,原告は,平成19年12月1日,被告の同意を得ることなく,広告代理店事業の一環として取り扱っていた「○○サイト業務」(これには広告主を紹介する業務が含まれる。)を株式会社フルスピード(以下「フルスピード」という。)に譲渡した。その通知に対し,被告は,広告代理店の紹介を求めたが,原告がそれを具体的に紹介することはなかった。したがって,原告には債務不履行がある。
イ 原告
(ア) 原告は,本件契約上,広告主を紹介する義務は負っていない。
本件契約で原告の業務とされているのは,本件契約の契約書の文言のとおり,「広告の調達」であって,「広告主の調達」ではない。前者は,利用者が運営する△△ポイントサイトにおいて,バナー広告やテキスト広告等を行うに際して広告原稿作成を行うための無償の素材の提供のみをさすものである。仮に,「広告の調達」に広告主の紹介が含まれるとすると,本件契約の契約書で,被告の業務として,「本サービスで使用する広告の調達及び制作業務全般」と規定されていることを合理的に説明できない(被告が広告主を原告に紹介することになる。)。
また,○○クライアント契約上もそのような義務は負わない。
(イ) そもそも,被告は,アフィリエイターとして,原告が運営していた「○○サイト」(多数の消費者金融を営む広告主が登録されている。)のアフィリエイターとして契約しており,原告が抱える広告主を何時でも閲覧することが可能であった(甲52の1)。被告は,他のアフィリエイトASP事業者とも提携しており,各事業者が抱える数百ないし数千の広告主の情報の提供を受けていた。そうすると,被告があらためて広告主の紹介を求める実質的な意味なく,上記義務を認める必要性はない。なお,平成19年11月13日付けのメール(乙14)は,原告からフルスピードに事業譲渡がされることになったことから,その前に直接広告主を紹介してほしいとの希望が被告からあったため,それに対応したものにすぎず,法的に広告主の紹介義務があったことを示すものではない。
原告に債務不履行があったとすることはできない。
(7) 原告は,被告に対し,被告サイトのために「タグ」を設定する義務を負っていたか否か,その債務不履行はあったか否か
ア 被告
(ア) 本件において「タグ」とは,被告サイトに会員登録があった場合に,その会員が,被告が広告を出稿したどの□□サイトを経由して被告サイトで会員登録をしたのかを認識する仕組みをいう。このようなタグを設定することは,本件契約上,原告が被告に対して負う義務である。
(イ) このような義務は,契約書上は,「納品後の運用サポート」(3条2項6号),「その他」「附帯関連する業務」(同7号)に含まれるものである。
(ウ) 原告は,被告に対し,上記の「タグ」を設定する義務を怠った。
原告は,被告が他の業者からの会員獲得仲介サービスの提供を受けることに協力する義務があった。しかるに,被告が,平成19年12月26日,株式会社ファンコミュニケーションズ(以下「ファンコミュニケーションズ」という。)の提供する「◎◎ネット」という会員獲得仲介サービスの提供を受けることに協力するように求め,具体的には,ファンコミュニケーションズの「タグ」設定を申し入れた(乙36ないし38)のに対し,原告は,平成20年1月10日,被告に対し,時間の猶予を求めるメールを送信し(乙47),さらに,「タグ」の設定について,原告は,委託先のミックナインに委ね(乙65),ミックナインは,同月16日,被告に対し,設定したと返答したが,同日,ファンコミュニケーションズが稼働テストをしたところ,作動していないことが確認された(乙48,49)。
このように,原告は,被告に対し,「タグ」を設定する義務を怠ったものである。
イ 原告
(ア) 原告は,本件契約上,原告が主張する上記義務を負っていない。
もっとも,前記のとおり,原告は,被告に対し,○○クライアント契約に基づき,「アフィリエイト連動」を提供する義務を負っていた。
(イ) 被告は,アフィリエイトASP事業者であるファンコミュニケーションズと契約を締結し,原告に,被告サイトとファンコミュニケーションズのサイト「◎◎」を連動させるように申し入れた。そこで,原告は,○○クライアント契約に基づき,これに対応したが,後記のとおり,被告から送付されたタグ情報には誤りがあったため,連動を設定することができなかった。
「アフィリエイト連動」の設定の流れは,①アフィリエイトASP事業者(本件ではファンコミュニケーションズ)が狭義のアカウントを開設(IDとパスワードを発行し,被告のための管理画面を設定)する,②ファンコミュニケーションズから被告に対しタグが発行される,③被告が,タグ情報に「プログラムID」などの代入を行った後,原告にタグ情報を伝達する,④原告は,タグ情報をミックナインに伝え,ミックナインが,タグ情報の「申込番号」のみを代入し,被告サイトにタグを埋め込む,という手順で行われる。ところが,被告は,誤って,本来のタグ情報の冒頭に「http://〈省略〉」を付け加えて,原告に伝達した。そのため,設定がうまくいかなかったのであり,被告に責任がある。
(8) 原告は,被告に対し,「アカウント」を使用させる義務を負っていたか否か,その債務不履行はあったか否か
ア 被告
(ア) 原告は,被告サイトを管理するための被告専用の管理画面である「アカウント」を作成し,アカウントに被告がログインするためのIDとパスワードを発行する義務があった。アカウント画面なしにポイントサイトを運営することはできないから,上記義務があることは明らかである。
(イ) このような義務は,契約書上は,「納品後の運用サポート」(3条2項6号),「その他」「附帯関連する業務」(同7号)に含まれるものである。
(ウ) 原告は,本件契約締結時から約7か月を経過しても,いっこうに被告のためのアカウントを開設せず,そのためのIDやパスワードも発行しなかった。そこで,被告は,平成19年11月26日,原告に対し,アカウントの開設を求め,同月29日,IDやパスワードの発行を求めた。このように,原告は,本件契約締結後遅滞なくすべきアカウント開設,ID及びパスワードの発行をすべき義務があったのに,著しく遅滞した。
イ 原告
(ア) 原告は,前記(3),イのとおり,平成19年7月17日ころには,被告サイトは運用開始可能な状況にあったものであり,債務不履行はない。
(イ) 平成19年11月26日付けで被告から「今月中にアカウント開設をお願いしたいと考えております。」とのメールが来たことは事実であるが,アカウント自体は既に設定済みであった。このメールに係るやりとりは,出稿の条件を「ポイントバック可」から「ポイントバック不可」に変更するためのものである。
(9) 原告は,被告に対し,本件サービスに関わる事業を被告の事前承諾なしに譲渡してはならない義務を負っていたか否か
ア 被告
(ア) 被告は,原告がポイントサイト運営や広告代理店としてのノウハウを有しているという個性に着目して本件契約を締結しており,本件契約上も,契約上の地位・権利義務の無断譲渡を禁止する条項があったから,原告は,本件サービスに関わる事業を被告の事前承諾なしに譲渡してはならない義務を負っていた。
(イ) 本件契約の契約書の11条には,契約上の地位・権利義務の無断譲渡を禁止する条項がある。また,本件契約書の3条は,原告の業務として「広告の調達及び制作業務全般」の提供義務を定めているが,事業を譲渡した場合には,この義務も果たせなくなる。
(ウ) しかるに,原告は,平成19年12月1日,被告の同意を得ることなく,広告代理店事業の一環として取り扱っていた「○○サイト」事業(これにはアフィリエイト連動を提供する業務が含まれる。)をフルスピードに譲渡した。これは,債務不履行に該当する。
イ 原告
(ア) 原告が運営していた「○○サイト」事業におけるサービスの提供は,本件契約に基づいてされるものではなく,○○クライアント契約に基づいてされるものである。
(イ) そして,本件契約の契約書11条には事業譲渡の禁止が定められているものの,○○クライアント契約には,事業譲渡を禁止する規定はない。
(ウ) したがって,原告がフルスピードに「○○サイト」事業を譲渡したことは,債務不履行にはならない。
(10) 原告は,被告に対し,「携帯キャリアとの折衝業務等全般」を履行する義務を負っていたか否か
ア 被告
(ア) 原告は,NTTドコモやソフトバンクのような携帯電話サービス提供会社である「携帯電話キャリア」との折衝を,被告に代わって行う義務を負っていた。
(イ) そのことは,契約書3条2項3号が,原告の業務として「必要に応じ携帯キャリアとの折衝業務等全般」と定めていることから明らかである。
(ウ) しかるに,原告は,上記業務をしなかったのであり,これは債務不履行に該当する。
イ 原告
(ア) 「携帯電話キャリアとの折衝」とは,具体的には,携帯電話キャリアが行うユーザーからの料金回収のための決裁システムを構築するため,携帯電話キャリアのデータとポイントサイト(本件では被告サイト)のデータをつなぎ合わせることを意味する。
(イ) 「△△ポイント」は,PC,モバイル(携帯電話)の両方に対応可能なソフトであるところ,ポイントサイト運営希望者は,契約締結時,PCかモバイルのいずれかを選択することになっている。もとより,PC及びモバイルの両方を選択することも可能であるが,その場合には別途契約を締結する必要がある。これは,ポイントサイト(本件では被告サイト)にアクセスしたユーザーが,PCからかモバイルからかを判別し,被告サイトのそれぞれのページに振り分ける設定を別に行う必要があるからである。
そして,本件の場合,被告は,モバイルではなくPC対応を選択していたのであり,モバイルを選択した場合の「携帯電話キャリアとの折衝」を行う義務を原告が負う余地はない。
(11) 原告は,被告に対し,ポイントサイトの運営を代行するサービスを提供する義務を負っていたか否か
ア 被告
(ア) 原告は,被告に対し,本件資料及び原告のウェブサイトにおいて,「アフィリエイト事業者・メディア運用会社・広告代理店として培ってきたノウハウを使った運用代行サービス」を提供することを事前にYに約していた(甲29,乙13)。
(イ) 上記のサービスは,本件契約の契約書3条2項6号の「納品後の運用サポート」に含まれるものである。
(ウ) しかるに,原告は,上記サービスを提供しなかったのであり,これは債務不履行に該当する。
イ 原告
原告は,そのような義務を負わない。
(12) 原告は,被告に対し,本件ソフトを引き渡すべき義務を負っていたか否か
ア 被告
(ア) 原告は,本件契約により,被告に対し,ビジネス用アプリケーションソフトである本件ソフトを販売したから,それを被告に引き渡すべき義務を負っていた。
(イ) そのことは,本件契約の契約書の前文に「販売契約」とあることから明らかである。
(ウ) しかるに,原告は,本件ソフトを引き渡さなかったのであり,これは債務不履行に該当する。
イ 原告
本件契約の内容は,前記のとおり,本件ソフトをレンタルするものであるから,原告は,被告に対し,本件ソフトを引き渡すべき義務を負わない。
(13) 原告は,被告に対し,取引上の誠実義務として,頻繁に担当者を交替させてはならない義務を負っていたか否か,また,説明義務として,被告に本件サービスの提供方法・手順について十分に説明すべき義務を負っていたか否か
ア 被告
(ア) 担当者のたらい回し(誠実義務違反)
原告は,本件契約が解消されるまでの約9か月間において,被告の担当者を,C,D,E,Fと交代させ,被告が本件契約上の義務の履行を促すと,担当者が交替してたらい回しにされた。
(イ) 説明義務違反
原告は,被告に対し,本件サービスの提供方法・手順についての十分な説明を行わず,被告のメールは,「殆ど主語がなく,何を指しているか全く分からない」などとするだけで,電話や面談により,被告の要望を確認することもなく,適切な説明も行わなかった。
イ 原告
(ア) 被告が主張する義務違反はない。
(イ) Fはミックナインの者であり,原告の従業員ではない。また,平成19年4月の本件契約の事前説明から,本件契約締結,○○クライアント契約の締結,ポイントサイトの納品,アフィリエイト連動の設定,被告サイトの情報のアフィリエイターへの提供という一連の作業が終了するまで,いわば本件契約及び○○クライアント契約の重要部分は,原告のCが担当していた。したがって,平成19年11月中旬から末にかけての原告の担当者の交替は,本件契約及び○○クライアント契約の履行において影響を及ぼすものではなかった。
(14) 原告の義務違反により被告は損害を被ったか否か
ア 被告
被告は,契約締結後9か月を通じて,「広告主を紹介する義務」,「被告サイトと□□サイトを連動させる義務」,「□□サイト運営者を紹介する義務」,「タグを設定する義務」,「アカウントを利用させる義務」などについて,再三履行を催促したが,原告は,その義務を履行しなかった。そのため,被告は被告サイトを閉鎖せざるを得ず,次のとおり,合計918万6196円の損害を被った。
(ア) 被告が原告に支払った代金等相当額
被告が原告に支払った下記①ないし⑤の各費用は,原告の債務不履行によって無駄な支出となったので,被告は同額の損害を被った。
① 初期費用189万円(税込)
被告サイトのシステム開発費用であり,本件解除後は,当該システムを被告に引き渡すべきところ,引き渡されていないから,上記費用が損害となる。
② 初期サーバー費用23万1000円(税込)
③ 保守メンテナンス費用月額15万7500円(税込)の5か月半分である86万3715円
④ 被告サイトのデザイン費用37万8000円
被告は,平成19年7月18日,原告に被告サイトのデザイン費用として上記費用を支払ったが,デザインされたサイトのデータは被告の権利に属するのに引き渡されておらず,上記費用相当分の損害が生じた。
⑤ 被告サイトへの会員登録の申込み履歴構築のための費用15万7500円
一般人がどれだけ会員登録の申込みをしたかの履歴を残す機能と,広告主から物・サービスを購入した会員に手数料の一部を支払ったことをメールで会員に通知する機能を備えるための費用である。このシステムの権利は被告に属するが,引き渡されておらず,上記費用相当分の損害が生じた。
(イ) 被告が被告サイト構築のために支出したその他の費用
① 被告サイトのアドレスの購入 3980円
被告は,平成19年5月18日,被告サイトのアドレス(ドメイン)として,「〈省略〉」というアドレスをGMOインターネット株式会社から代金3980円で購入したが,無駄な支出となり,同額の損害を被った。
② 他の会員獲得サービス提供業者の手数料 46万2000円
被告は,平成19年11月29日,被告が経営するウェブインベスティゲーション株式会社を通じて,ファンコミュニケーションズとの間で,会員獲得サービスの提供を受ける契約を締結し,保守費用12か月分として46万2000円を支払った。この費用も,原告の債務不履行によって無駄となり,被告は同額の損害を被った。
(ウ) 被告サイトが正常に機能すれば得られたはずの利益
原告の債務不履行がなく,被告サイトが正常に機能していたならば,月平均50万円程度の収益を得ることができ,アフィリエイト連動が提供開始されるはずであった平成19年8月から平成20年4月までの9ヶ月間に450万円を下らない利益を上げることができた。
(エ) 原告の債務不履行に対応するため,被告は合計160時間を費やしたが,被告の時給は4375円であるから,これに160時間分を乗じた70万円の損害を被った。
イ 原告
否認ないし争う。
(ア) ア,(ア),①については,金額は認めるが,その余は否認する。本件契約はシステムをレンタルする契約であり,利用者が取得するのはソフトの使用権のみであるから,被告が主張する引渡義務は負わない。
同②,③の金額は認める。そもそも被告が主張する「アフィリエイト連動機能」を提供する義務はなかった。
同④の金額は認める。被告サイトは,インターネット上,誰でも閲覧できる状態にあった。
同⑤の金額は認める。当該費用は,申込履歴構築費用ではなく,申込履歴を構築するためのカスタマイズに関する費用である。また,このシステム自体はレンタルであり,その権利は被告に属しない。
(イ) ア,(イ)は,知らない。原告に債務不履行はない。
(ウ) ア,(ウ)は否認ないし争う。被告サイトと他のポイントサイトとではサイトの特性や会員獲得の条件が異なっており,同一に論ずることはできない。
(エ) ア,(エ)は否認ないし争う。
第3  当裁判所の判断
1  本件契約の内容について
(1)  争いのない事実及び証拠(各認定事実の末尾に掲記する。)によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 被告は,平成18年8月ころ,アフィリエイト広告事業を開始し,平成18年11月ころ,原告との間で,原告運営する「○○サイト」について,アフィリエイターとして契約し,広告主の情報の提供を受け始め,平成19年1月以前から,消費者金融やクレジット会社の比較サイトを運営し,同年夏ころ,アフィリエイトASP事業者として「□□コネクト」の運営を開始した(甲51の1ないし3,乙79,被告本人)。
イ 原告は,被告に対し,本件資料を交付したが,その記載内容は次のとおりである。なお,本件資料の内容は,原告のウェブサイトにも記載されていた。(甲29,乙13)
(ア) 「「△△―ポイント―」とは?」と題して,「『△△―ポイント―』は,広告モデルで収益を目指す全てのサービス事業者様にポイントサイト構築に必要なプラットフォームをご提供いたします!」,「『△△―ポイント―』なら,特別な設備や専用回線を用意することなく,アフィリエイトの広告選定からメール配信およびレポートまでの機能を搭載!」と記載されていた。
(イ) 「『△△―ポイント―』だからできる6つのメリット」と題して,「オリジナルデザイン レイアウトは自由自在」,「PC・モバイル対応 SFASPはPC・モバイルどちらにも対応したポイントサイトです。」,「簡単・安心運用 弊社がアフィリエイト事業者・メディア運用会社・広告代理店として培ってきたノウハウを使った運用代行サービスもご用意。初めてのポイントサイト運用でも安心です。」,「アフィリエイト連動 弊社はアフィリエイト事業者です。集客およびアフィリエイト広告収入の面で強みが発揮できます!」,「複数サイトの立ち上げ」,「安心の保守体制」と記載されていた。
(ウ) 「『△△―ポイント―』機能概要」,「搭載機能一覧」と題して,「モバイルポイントサイト機能」,「PCポイントサイト機能」,「会員向けターゲティングメール配信機能」,「アフィリエイトサービスプロバイダー会社様とのサービス接続機能」,「独自ドメイン運用」,「会員管理機能」,「成果報酬管理機能」,「ASP広告および(純)広告管理機能」,「会員獲得先判別機能」,「サイト追加機能」,「ページおよびメール作成機能」と記載されていた。
(エ) 「料金」として,「ライセンス費用」が170万円,「保守費用」が10万円とされていた。そして,「オプション料金」として,「SSL」,「SSL設定費用」,「デザインレイアウト費用」が記載されていたが,それ以外のオプション費用の記載はなかった。
ウ 原告は,平成19年4月25日,被告との間で,本件契約を締結したが,それには,「各自の業務内容及び事業責任の詳細については,甲と乙の合意により本契約の各条項に抵触しない範囲で必要に応じて個別契約を締結して定めるものとします。」(契約書1条)と定めるほか,下記の約定があった。 (甲1)

(ア) 基本的合意(契約書2条)
「1.甲と乙は,定められた役割分担に基づき業務を行い,NTTドコモ・KDDIなどの携帯電話キャリアが正式に料金回収代行を認可した公式コンテンツとは違う,いわゆる勝手サイトにて広告収益モデルでのポイント換金サービス(以下「本サービス」といいます)を提供するものとします。
2.PCに対応する本サービスについては,基本サービスのオプションとして乙が提供するものとします。」
(イ) 役割分担(契約書3条)
a 被告の業務
①本サービスの企画・立案・実施
②本サービスのサイトレイアウト・デザイン・アップ業務
③有償・無償に関わらず本サービスを利用する会員獲得業務全般(メディアプラン策定,メディアバイング,広告原稿作成,入出稿)
④本サービスで使用する広告の調達及び制作業務全般
⑤ユーザーサポート(問い合わせへの窓口)
⑥本サービスにおける原告との打合せ等,必要業務全般
⑦その他上記各号に附帯関連する業務
b 原告の業務
①本サービスのシステム開発業務全般
②本サービスのネットワーク構築及びサーバー監視
③必要に応じ携帯電話キャリアとの折衝業務等全般
④本サービスで使用する広告の調達及び制作業務全般
⑤本サービスにおける被告との打ち合わせ等,必要業務全般
⑥本サービス納品後の運用サポート
⑦その他上記各号に附帯関連する業務
(ウ) 責任分担(契約書4条)
「甲及び乙は,前条の役割分担に従って,各自の業務につき責任を負うものとし,顧客満足度の向上や,サービス・レベルの安定化及び向上に各自努力するものとします。本契約に別段の定めがある場合を除き,それぞれの分担業務に必要な費用は各自の負担とします。」
(エ) 被告が原告に支払うべき対価(契約書5条1項)
初期費用180万円(税別),初期サーバー費用22万円(税別),保守メンテナンス費用15万円(税別)
(オ) 原告が被告に対し,「別途コンテンツ及びオプションサービスを提供する場合は,その都度詳細及び対価を取り決め,書面にて取り交わすものとします。」(契約書5条2項)
エ 原告は,平成19年7月30日,被告に対し,「○○サービス御申込書」及び発注書を送付し,その後,被告は,原告に対し,「○○サービス御申込書」に記入して,送付した(ただし,保証金の「300,000円」,初期登録料「50,000円」,基本システム利用料「30,000円」は抹消されていた。)。その際,被告は,原告に対し,あわせて「○○サイト申込書」を送付し,成果報酬単価を285円,認証条件を「ユーザー登録後アクションがあった会員(不正登録,同一IPは却下)」と条件を設定した。(乙32)
オ 原告は,平成17年11月16日,「○○クライアント利用規約」(以下「本件規約」という。)を制定しており,それには次の記載がある。(甲15)
(ア) 「すべてのクライアント」は,原告が提供する「○○サイト」によるアフィリエイトプログラムサービス及びこれに付随する各種サービスを利用するにあたり,「本規約および本規約に付随する全ての規約,規則およびそれに準ずるものを遵守するものとし,これに基づく契約を弊社との間で締結することが必要となる。」(本件規約1条)
(イ) 「「本サービス」とは,弊社が提供するサービスに登録したクライアントサイトとアフィリエイターとの間での任意の合意により,クライアントサイトの広告をアフィリエイターに掲載し,その広告効果に基づいてクライアントサイトがアフィリエイターに確定報酬を支払う仕組みを提供するサービスをいう。」
「「クライアント」とは,弊社が契約を締結しているアフィリエイターを通じて,自己の販売する商品およびサービスを表示しているウェブサイト・メールマガジンなどのメディア(以下,メディア)に誘導して,商品およびサービスの販促を行うことを目的として,弊社所定の審査を経て,本規約に基づき利用契約を締結する者をいう。」
(2)  まず,本件契約が本件ソフトの売買契約なのか,これをレンタルする契約なのかについて判断するに,上記認定事実によれば,①本件契約の目的は,「本サービス」(広告収益モデルでのポイント換金サービス)の提供にあり,物の販売ではなく,本件契約には瑕疵担保の条項もないこと,②本件契約の前文には「販売契約」との文言があるが,本件資料では,初期費用のうち170万円は「ライセンス費用」であることが明記されていることが認められるのであるから,本件契約を売買契約とみることはできない。
原告の主張には理由があり,被告の主張は採用できない。
(3)  次に,本件契約と○○クライアント契約との関係について判断するに,前記認定によれば,①本件契約の目的は,「本サービス」(広告収益モデルでのポイント換金サービス)の提供にあり,本件ソフトをレンタルするのみでは本件契約の目的を達成することはできないこと,②本件契約には,「各自の業務内容及び事業責任の詳細については,・・・必要に応じて個別契約を締結して定めるものとします。」(契約書1条)と定められていること,③本件資料には,オプション料金として,デザイン料などの記載はあるが,「アフィリエイト連動」等については記載がないこと,④後に,被告が,原告に対し,何らの異議を述べずに「○○サービス御申込書」及び「○○サイト申込書」を提出していること,⑤それらのサービスは無料であったこと,⑥本件規約では,原告のアフィリエイト○○事業(○○サイト)をクライアントとして利用するには個別に契約することとされていたことが認められるのであるから,本件契約と○○クライアント契約は別個の契約ではあるが,基本契約は本件契約であり,○○クライアント契約は,個別のサービス(本件資料でオプション料金が示されていないものは,原則として無料となる。)を提供するに対し,本件契約を補充するために締結されるものとみるのが相当である。
原告の主張は,別個の契約であることを強調しすぎるものであり,本件資料があげる本件契約を締結することによる6つのメリットのうち,5つのメリットが本件契約と関係がない結果となるという不合理なものであって,採用できないし,被告の主張も単なるオプションサービスの提供であるとする点において,採用できない。
2  原告には,遅くとも平成19年8月31日までに被告サイトの運営を開始させる義務があったか否か,その不履行があったかについて
(1)  争いのない事実及び証拠(各認定事実の末尾に掲記する。)によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 被告は,平成19年4月25日,原告との間で,本件契約を締結し,原告に対し,平成19年5月16日,初期サーバー費用23万1000円,同年6月15日に初期費用189万円を支払い,訴外GMOインターネット株式会社から,被告サイトのアドレスとなる「〈省略〉」というアドレスを入手した(乙17,18,50)。
イ 原告のCは,平成19年6月26日,被告に対し,被告サイトが「テストで動いてますが,サイトデザイン等問題があれば,修正いたしますので宜しくお願いします。」とメールした。(乙70)
ウ 被告は,平成19年7月9日,原告に対し,被告サイトのデザインを代金37万8000円で正式に発注し,同月17日に当該代金を支払った(乙19,乙27)。正式な発注前に,当事者間でサイトデザインやロゴの作成についてやりとりがあった(甲10)。
エ 原告のCは,平成19年7月18日ころのメールにおいて,被告に対し,「今週末ぐらいに,ロゴのデータを郵送にてご納品差し上げますので宜しくお願いします。」,「このロゴ納品後から,サイトは運用開始して頂けます。」と告知した(甲10の4枚目)。
オ 被告は,平成19年7月24日,原告のCに対し,「アフィリエイト連動」について,メールで次のような条件を希望した。
① 対応キャリア PC
② カウント方法 3か月以内にポイント払い出しポイントに達するユーザー獲得(このようなカウント方法をとることで,成果単価のアップを図る。)
③ メディア提携審査 なし
④ ポイントバック可否 可
これに対し,Cは,そのようなカウント方法では承認まで90日近くかかることになり,現状では他の金融関係クライアントが承認まで約60日としても掲載不可とするアフィリエイターが多いので,疑問ではないか,獲得単価70円の「全承認」(一般のユーザーがポイントサイトに会員登録するだけで,ポイントサイト運営者が,その会員をポイントサイトに誘導した□□サイト運営者に成功報酬を支払うとの認証条件をいう。)ではどうかと返信したが,被告は,「基本的に確実に利益の上がる形にしたいと考えております」として,これを受け入れず,「別件ですが,NISローン@6900で他社様からいただいておりまして,今月35件獲得しておりますので,御社でも単価調節を検討していただきますよう,担当の方にお伝えいただけませんでしょうか」と回答した。(以上につき甲12)
カ 原告は,平成19年7月30日,被告に対し,「○○サービス御申込書」及び発注書を送付し,被告は,同年8月2日,原告に対し,「○○サービス御申込書」を送付するとともに,「○○サイト申込書」を送付し,成果報酬単価を285円,認証条件を「ユーザー登録後アクションがあった会員(不正登録,同一IPは却下)」と条件を設定した。(乙32,79)
キ 原告のCは,平成19年8月3日,被告に対し,上記の「ユーザー登録後アクションがあった会員」というときの「アクション」の意義について質問した。(乙33)
ク 被告は,平成19年8月13日,原告のCに対し,「御社アフィリエイトとキックバックアフィリエイトの設置のご案内をいただけませんでしょうか。早期に開始したいと考えておりますのでお手数ですが作業の方お願いいたします。」とメールした。(乙3)
ケ 被告は,平成19年夏ころ,自らがアフィリエイトASP事業を行うこととし,「□□コネクト」というサイトを展開するに至った。(甲51の1ないし3)
コ 原告のCは,平成19年8月20日,被告に対し,広告原稿について,サンプルを送付していくつかのパターンを作成するように依頼し,他社アフィリエイトASP事業者へ「アフィリエイト連動」を打診した結果を報告している(検討中のところが多く,メディパートナーは個人の広告主,比較サイトの出稿は拒否した。)。(甲13)
サ 被告は,平成19年9月初旬,原告のCに対し,「ユーザー側から申し込み履歴が見えないようですので,改善していただくことはできませんでしょうか」とメールし,これにCが「成果の確認の機能は機能追加となりますので別途費用で追加となります。想定費用は15万~ぐらいほどです。構築には各ASPとのテストも含めると時間も多少頂く事になります。」と回答した。そこで,被告は,同月11日,「申込履歴機能」の設定の申込みをし,同月18日,その代金15万7500円を原告の口座に振り込んだ。この機能は,一般ユーザーが被告サイトにどれだけ会員登録をしたかについてユーザー側に履歴を残す機能,及び会員に成功報酬を支払ったことをメールで当該会員に通知する機能である。(甲27,29,乙30,31,79)
シ 被告サイトの管理画面を見ると,被告サイトに消費者金融(広告主)が登録され,会員登録がなされ,その会員のうち少なくとも1人(G)はテスト登録ではなく一般ユーザーの登録であり,さらに,平成19年7月17日以降,相当数のアクセス数(同月24日には84,同月27日には87,同月29日には73,同年8月23日には102)と若干のユーザー登録数(同年7月は0,同年8月は5,同年9月は1)が記録されている(甲52の1ないし12)。
(2)  以上の認定事実からすると,被告サイトは平成19年6月中にはテストで動いていた,被告は同年7月9日に被告サイトのデザイン・ロゴを発注した,原告のCは同年7月18日付メールで被告サイトの運用開始が可能であることを告知した,被告サイトには平成19年7月17日以降相当数のアクセスがあったというのであり,その後のやりとりは平成19年8月2日付けで申し込んだ「アフィリエイト連動」に係るものであるか(被告による8月13日付の催告もこれに係るものである。),あるいは,平成19年初旬に申し込んだ「申込履歴機能」に係るものであるから,原告の対応に著しい遅滞があったとまでは認められない。
3  原告は,被告に対し,被告サイトと他のウェブサイトを連動させる義務を負っていたか否か,その不履行があったか否かについて
(1)  本件契約及び○○クライアント契約の関係については,前記のとおり,基本契約としての本件契約と○○クライアント契約は,別個の契約ではあるものの○○クライアント契約は本件契約を補充する従たる契約とみるべきである。すなわち,被告サイトと他のウェブサイトを連動させる義務については,本件契約に基づく「本サービス」を提供する一般的義務が,○○クライアント契約によって,その意味内容が補充され,「アフィリエイト連動」を提供する具体的な義務となると考えられる。
(2)  次に,前記1,(1)及び2,(1)に認定したところによれば,○○クライアント契約の具体的内容を規定する本件規約では,同契約により提供されるサービスの内容を「弊社が提供するサービスに登録したクライアントサイトとアフィリエイターとの間での任意の合意により,クライアントサイトの広告をアフィリエイターに掲載し,その広告効果に基づいてクライアントサイトがアフィリエイターに確定報酬を支払う仕組みを提供するサービスをいう。」としており,他社アフィリエイトASP事業者との連動を直ちにそのサービス内容として保証しているわけではないこと(1,(1),オ),被告は,同年8月2日,原告に対し,「○○サービス御申込書」及び「○○サイト申込書」を送付し,これにより○○クライアント契約が締結されたこと(1,(1),エ),その前後,被告と原告のCとの間で成果報酬を支払うための認証条件をどうするかについてやりとりがあったこと(2,(1),オないしキ),被告は,同月13日,他社アフィリエイトASP事業者との連動を希望したこと(同ク),原告のCは,同月20日,被告に対し,他社アフィリエイトASP事業者へ「アフィリエイト連動」を打診した結果を報告しているが,検討中のところが多く,メディパートナーは個人の広告主,比較サイトの出稿は拒否したこと(同コ),被告サイトに会員登録がなされた会員のうち少なくとも1人(G)は一般ユーザーの登録であり,さらに,同年7月17日以降,相当数のアクセス数(同月24日には84,同月27日には87,同月29日には73,同年8月23日には102)と若干のユーザー登録数(同年7月は0,同年8月は5,同年9月は1)が被告サイトに記録されていること(同シ)が認められる。
(3)  以上によれば,「アフィリエイト連動」は,アフィリエイトASPのサイトと△△ポイント利用者である被告サイトとの間で,アフィリエイトデータの受け渡しをするためのシステムを連動させることをいうが,それは被告の意思のみによって設定されるものではなく,相手方となるアフィリエイターないしアフィリエイトASP事業者の任意の同意が必要であるから,原告の義務は「アフィリエイト連動」を実行できる環境を整える義務にとどまるものと考えられる。そして,原告が運営する「○○サイト」との連動については,相当数のアクセス数及び若干のユーザー登録があったことから,履行されていたと認められるし,他社アフィリエイトASP事業者との連動については,原告のCは,被告の希望に従って,何社かに打診していたというのであるから,本件契約及び○○クライアント契約に基づく「アフィリエイト連動」義務の履行について,原告に債務不履行があるとはいえない。結果として,他社アフィリエイトASP事業者との連動が十分にはかれなかったとしても,直ちに債務不履行となるものではなく,他社アフィリエイトASP事業者が「アフィリエイト連動」に同意しているのに,それが実現できない場合でない限り,債務不履行とはならないと考えられる(なお,ファンコミュニケーションズのタグの設定については,後記のとおりである。)。
4  原告は,被告に対し,□□サイト運営者を紹介する義務を負っていたか否か,その債務不履行があるか否かについて
上記3において説示したとおり,「アフィリエイト連動」は,被告の意思のみによって設定されるものではなく,連動の相手方の任意の同意が必要であるから,原告に□□サイト運営者(アフィリエイター,アフィリエイトASP事業者)との成約を図る義務はないことは当然である。
次に,本件契約及び○○クライアント契約に基づき,原告に何らかの紹介義務があるにしても,原告は,被告の情報を「○○サイト」の会員であるアフィリエイターに提供しているし(2,(1),シ),また,他社アフィリエイトASP事業者に被告の情報を提供して打診しているから(同コ),紹介義務の違反があるともいえない。原告にそれ以上のことをすべき義務があったとする根拠は見出し難い。
5  原告は,被告に対し,広告主を紹介する義務を負っていたか,その不履行はあるか否かについて
(1)  証拠(甲1)によれば,本件契約の契約書3条2項4号には,原告の業務として,「本サービスで使用する広告の調達」と規定され,他方,同条1項4号では,被告の業務として,「本サービスで使用する広告の調達」と規定されていることが認められる。そして,同一の契約書における同一文言であるから,「本サービスで使用する広告の調達」の意味内容は同一であるべきところ,被告の義務として,広告主を紹介する義務は想定し難いから,「本サービスで使用する広告の調達」には,広告主を紹介する義務は含まれないと解される。
また,○○クライアント契約上も広告主を紹介する義務を認めるべき根拠は見出すことができない。
(2)  原告は,本件資料や原告のウェブサイトに「弊社が・・・広告代理店として培ってきたノウハウを使った運用代行サービスもご用意」と記載しているが(甲29,乙13),その文言上も広告主の紹介に触れていないから,上記義務を認める根拠となるものではない。
原告が運営していた「○○サイト」には,多数の消費者金融を営む広告主が登録されており,被告は,アフィリエイターとして契約したのであるから,原告が抱える広告主を何時でも閲覧することが可能であったはずであり(甲52の1),被告が広告主の紹介義務違反を主張する実質的根拠も欠いていると認められる。
(3)  したがって,被告の紹介義務違反をいう主張には理由がない。
6  原告は,被告に対し,被告サイトのために「タグ」を設定する義務を負っていたか否か,その債務不履行はあったか否かについて
(1)  原告は,被告に対し,本件契約及び○○クライアント契約に基づき,「アフィリエイト連動」を提供する義務を負っていたところ,「アフィリエイト連動」とは,アフィリエイトASPのサイトと△△ポイント利用者である被告サイトとの間で,アフィリエイトデータの受け渡しをするためのシステムを連動させることをいい,具体的には,被告サイト会員が,アフィリエイトASP事業者に登録されているどの広告主のサイトで借入れ,申込みをしたかのデータを相互につなぎ合わせることをさすものであるから,そのために,被告サイトにアフィリエイトASP事業者から提供された「タグ」を設定することも,上記義務に含まれるものと解される。
そこで,原告に被告サイトのために「タグ」を設定する義務の不履行があったか否かについて,以下検討する。
(2)  証拠(各認定事実の末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 被告は,アフィリエイトASP事業者であるファンコミュニケーションズと契約を締結し,平成19年12月26日,原告に対し,被告サイトとファンコミュニケーションズのサイト「◎◎」と連動させるため,ファンコミュニケーションズから提供されたタグの設定を依頼した。被告は,誤って本来のタグ情報の冒頭に「http://〈省略〉」を付け加えて,原告に伝達した。(乙37)
イ 原告のEは,平成20年1月10日,被告に対し,時間の猶予を求めるメールを送信し,同月11日,「タグ」の設定について,原告は,委託先のミックナインに委ねることにし,被告に対し,ミックナインの電話番号を連絡した。そして,ミックナインは,同月16日,被告に対し,設定したと返答したが,同日,ファンコミュニケーションズが稼働テストをしたところ,作動していないことが確認された。(乙47ないし49,65)
ウ 以上によれば,ファンコミュニケーションズの「◎◎」サイトと連動させるためのタグの設定がうまくいかなかったのは,被告が誤ったタグ情報を伝達したためであると推認される。
(3)  以上によれば,原告は,委託先であるミックナインをして,被告から提供されたタグ情報を被告サイトに設定したが,被告が誤ったタグ情報を伝達したために「◎◎」サイトと連動しなかったのであるから,原告に債務不履行責任を問うことはできない。
7  原告は,被告に対し,「アカウント」を使用させる義務を負っていたか否か,その債務不履行はあったか否かについて
(1)  被告サイトを管理するための被告専用の管理画面である「アカウント」を作成することは,本件サービスにとって必要不可欠のものであるから,原告は,本件契約及び○○クライアント契約に基づき,アカウントを開設するとともに,IDとパスワードを被告に提供し,アカウントを使用可能な状態にする義務があったというべきである。それは本件契約の契約書3条2項2号の「本サービスのネットワーク構築」に含まれ,本件規約第2条の「本サービス」の「仕組みを提供するサービス」に含まれると考えられる。
(2)  前記認定事実に加え,証拠(各認定事実の末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 原告のCは,平成19年7月18日ころのメールにおいて,被告に対し,「ロゴ納品後からサイトは運用開始して頂けます。」と告知した。そして,被告は,同年8月2日,原告に対し,「○○サービス御申込書」及び「○○サイト申込書」を送付した。(前記認定事実)
イ 被告は,同年11月26日,原告のDに対し,「来月からフルスピード様へ譲渡されるとのことですので,事務手続き上,今月中にアカウントの設定をお願いしたいと考えております。」とメールした。(乙34)
ウ これに対し,Dは,同日,「以前にお申込書を頂いておりますので,アカウント開設は完了しております。ただ出稿先など申込書以外での条件をいただけますと幸いでございます。」(乙3)
エ 被告は,同月29日,原告のEに対し,「○○サイトの件ですが,IDとパス発行だけは今月中に済ませていただけませんでしょうか。」とメールした。(乙3)
オ これに対し,Eは,同月30日,「先程のメールの件ですが,下記にIDとPASSを表記します。」として,IDとパスワードを通知した。(乙3)
(3)  以上によれば,原告は,○○サイトの申込みを受けて遅滞なく被告サイトのアカウントを開設していたと認められる。そして,そのIDとパスワードがアカウント開設直後に被告に交付されていたか否かは証拠上不明であるが,被告がそれを初めて催告したのが平成19年11月26日であり,それを受けて同月30日にはIDとパスワードが送付されているから,少なくとも催告前に被告に債務不履行があったとはいえず(期限の定めのない債務は催告によって遅滞となる。),履行遅滞が認められるとしても,わずか数日のことである。
8  原告は,被告に対し,本件サービスに関わる事業を被告の事前承諾なしに譲渡してはならない義務を負っていたか否かについて
(1)  以下の事実は当事者間に争いがない。
ア 本件契約の契約書11条には,「甲及び乙は,相手方の書面による事前の同意なくして,本契約上の権利義務の全部又は一部を第三者に譲渡し,又は譲渡の試みをしてはならないものとします。」と規定されている。
イ 原告は,平成19年12月1日,被告の同意を得ることなく,「○○サイト」の事業をフルスピードに譲渡した。
(2)  前記のとおり,本件契約は基本契約としての性格を有し,○○クライアント契約は,これを補充する個別契約としての性格を有すると解すべきところ,本件契約の契約書11条の規定は,これと一体となっている○○クライアント契約にも適用されるべきものである。したがって,原告は,被告の同意を得ることなく,「○○サイト」の事業をフルスピードに譲渡してはならない義務を負っていたと認められる。
この点に関する被告の主張には理由がある。
9  原告は,被告に対し,「携帯キャリアとの折衝業務等全般」を履行する義務を負っていたか否かについて
証拠(甲12,乙32)及び弁論の全趣旨によれば,「△△ポイント」は,PC,モバイル(携帯電話)の両方に対応可能なソフトであるが,被告は,「対応キャリア」としてPCを選択していたことが認められる。
そうすると,モバイル(携帯電話)を選択した場合であることを前提とする「携帯電話キャリアとの折衝」を行う義務を原告が負うとは認められない。原告の主張には理由がない。
10  原告は,被告に対し,ポイントサイトの運営を代行するサービスを提供する義務を負っていたか否かについて
証拠(甲29,乙13)によれば,原告は,本件資料や自社のウェブサイトにおいて,「△△ポイント」のメリットとして,「簡単・安心運用」の内容として,「弊社がアフィリエイト事業者・メディア運用会社・広告代理店として培ってきたノウハウを使った運用代行サービスもご用意。初めてのポイントサイト運用でも安心です。」としていたことが認められる。
これを合理的に解釈すれば,初めてポイントサイトを運用しようとする者に対して必要なサポートをするという趣旨のものと認められる。
しかし,前記のとおり,被告は,本件契約前から「○○サイト」のアフィリエイターとして活動し,平成19年夏には,アフィリエイトASP事業者として「□□コネクト」の運営を開始したほどであり,到底初心者とはいえないから,上記のようなサポートを必要とする状況にあったとは認められず,原告が被告に対する関係で上記の義務を負っていたとはいえない。
11  原告は,被告に対し,本件ソフトを引き渡すべき義務を負っていたか否かについて
本件契約を売買契約とみることはできないことは,前記1のとおりであるから,原告は,被告に対し,本件ソフトを引き渡すべき義務を負うものではない。したがって,被告の主張には理由がない。
12  原告は,被告に対し,取引上の誠実義務として,頻繁に担当者を交替させてはならない義務を負っていたか否か,また,説明義務として,被告に本件サービスの提供方法・手順について十分に説明すべき義務を負っていたか否かについて
(1)  本件契約が解消されるまでの約9か月間において,原告における被告の担当者がC,D,Eと交代したこと,ミックナインのFも担当したことは当事者間に争いのない事実であるが,被告が本件契約上の義務の履行を促したために,意図的に担当者を交替させてたらい回しにしたと認めるに足る証拠はない。したがって,被告の主張には理由がない。
(2)  原告が,被告に対し,本件サービスの提供方法・手順について十分な説明をしたか否かについて判断するに,前記認定によれば,①基本となる本件契約の契約書は,極めて意味内容が不明確なものであって,どこまでのサービスが含まれるか否か自体が明確でなく,②原告が説明のために被告に交付した本件資料の内容も必ずしも明確でなく,「アフィリエイト連動」の意味が不明確であること,何が基本サービスに含まれていて何がオプションであるのか不明であるから,結局,被告が本件契約及び○○クライアント契約の履行として何を求められるのかが明確でなく,本件サービスの提供方法等について原告に説明義務違反があることは明らかである。
(3)  以上によれば,説明義務違反をいう被告の主張には理由がある。
13  原告の義務違反により被告は損害を被ったか否か
(1)  義務違反の内容について
1ないし12に判示したところによれば,原告は,被告に対し,①本件サービスに関わる事業を被告の事前承諾なしに譲渡してはならない義務を負っていたにもかかわらず,フルスピードに「○○サイト」事業を譲渡し,②本件サービスの提供方法・手順について十分な説明をすべきであったのに,これを怠ったというのである。また,③被告にアカウントを利用させる義務を平成19年11月26日から数日間遅滞したとみる余地がある。
(2)  各義務違反と原告が主張する損害との因果関係について
ア 原告が「○○サイト」の事業をフルスピードに譲渡したのは平成19年12月1日であるから,それ以前にされた支出とは相当因果関係がないと考えられる。フルスピードに事業が譲渡されなければ,被告サイトにおける事業がうまくいったと認めるに足る証拠はない(甲52の1ないし12の会員登録数をみれば,上記の譲渡前から被告サイトの運営が事実上失敗に終わっていることは明らかであった。)。したがって,被告主張の損害との相当因果関係を認めることはできない。
イ 被告にアカウントを利用させる義務を平成19年11月26日から数日間遅滞したとみたしても,これによって損害が生じたと認めるに足りる証拠はない。
ウ 原告が本件サービスの提供方法等について十分な説明をすべきであったのに,これを怠ったことは事実であるが,十分な説明がされていれば,損害が生じなかったか否かには問題がある。まず,被告が原告に支払った①初期費用189万円,②初期サーバー費用23万1000円及び③保守メンテナンス費用月額15万7500円の5か月半分,④被告サイトのアドレスの購入費用3980円については,本件契約をして被告サイトの運営に乗り出す以上,支出を免れないものであるし,⑤デザイン費用37万8000円は本件資料にもオプションであることは明記されていたから,支出を免れることはできず,本件契約に伴う付随義務としての説明義務の不履行とは,相当因果関係は認められない。⑥ファンコミュニケーションズとの契約の手数料46万2000円も,説明義務が果たされたとしても,被告サイトの積極的な運営を目指す以上,支出を免れないから,相当因果関係がない。⑦被告サイトが正常に機能すれば得られたはずの利益については,被告サイトは正常に機能していたから,損害自体が認められないし,原告が説明義務を果たさなかったことによって得べかりし利益が失われたと認めるに足りる証拠はない。
これに対し,原告が十分に説明義務を果たしていたなら,被告が原告とのやりとり(前記のとおり相当数のメールが書証として提出されている。)や自らの事業活動に余分な時間を使うことがなかったであろうことは容易に推認することができる。
(3)  損害の算定
そこで,上記の点に係る損害額の算定について検討するに,原告の説明義務違反によって被告が無駄に費やした時間がどれくらいで,損害がいくらとなるかを証拠によって認定することは困難である。そこで,民事訴訟法248条により,上記の損害を50万円とみるのが相当である。
14  被告が月の途中で解約した場合,解約以降月末までのサーバー保守費用を負担すべきか否か(本訴請求の当否)
本件契約上,解約後もサーバーの保守費用を支払うべき旨を規定した条項は存在しない(甲1)。
確かに,サーバーのレンタル会社である訴外株式会社リンクの利用規約において,サーバー費用について,「解約を希望する利用者は,その旨を事前通知した上で前月27日の入金を停止するものとします(事前通知による月中の解約も可能ですが,日割による利用料の返還はありません。・・・)」と規定されていることが認められるが(甲4の6条),この利用規約が被告に対して拘束力を有する根拠は見出し難い。しかも,上記利用規約では,「運用開始当月の利用料は運用開始日の如何によらず初期費用に含まれるものとします」(甲4の5条2項A)とされているのに対し,原告は,初期サーバー費用(22万円税別。甲1)とは別に,15日分の日割計算したサーバー費用(平成19年7月分)を徴収しているのであるから(乙20),実質的にも原告の主張は不当である。
さらに,原告は,被告から解約の申し入れがあった際,被告に対し,月半ばの解約であっても1か月分のサーバー費用がかかることを口頭で説明し,了承を得たと主張し,甲38を援用するが,これを否定する被告本人の供述に照らすと,上記事実を認めるに足りる十分な証拠はない。
以上によれば,原告の本訴請求には理由がない。
15  以上の事実によれば,原告の本訴請求は,理由がないのでこれを棄却し,被告の反訴請求は,50万円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから,これを認容することとし,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条,仮執行の宣言につき同法259条1項を各適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 齊木敏文)

 

*******

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。