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「成果報酬 営業」に関する裁判例(44)平成26年 6月12日 大阪高裁 平26(ネ)41号 報酬支払請求控訴事件

「成果報酬 営業」に関する裁判例(44)平成26年 6月12日 大阪高裁 平26(ネ)41号 報酬支払請求控訴事件

裁判年月日  平成26年 6月12日  裁判所名  大阪高裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ネ)41号
事件名  報酬支払請求控訴事件
裁判結果  控訴棄却  上訴等  上告・上告受理申立て<上告棄却・不受理>  文献番号  2014WLJPCA06126004

要旨
◆行政書士である控訴人が、亡Y1及び被控訴人Y4を被害者とする交通事故に関して、亡Y1らとの間でそれぞれ締結した準委任契約による報酬請求権に基づき、亡Y1の相続人である被控訴人ら及び被控訴人Y4に対し、報酬等の支払を求めた事案において、将来法的紛議が発生することが予測される状況において控訴人が行った書類の作成や相談に応じての助言指導は、いずれもそもそも行政書士の業務(行政書士法1条の2第1項)に当たらず、また、弁護士法72条により禁止される一般の法律事件に関する法律事務に当たることが明らかであるから、行政書士が取り扱うことが制限されているものである等とした上で、控訴人の請求を棄却した原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例

新判例体系
公法編 > 組織法 > 弁護士法〔昭和二四年… > 第九章 法律事務の取… > 第七二条 > ○非弁護士の法律事務… > (三)法律事務 > A 該当事例
◆行政書士が交通事故の被害者と加害者との間で将来法的紛争がほぼ不可避な状況においてこれを認識しながら、被害者が受診した整形外科医宛及び保険会社宛ての被害者に有利な等級認定を得させるために必要な事実や法的判断を含む意見を記載した上申書、保険金請求書類等を作成することは、一般の法律事務に関して法律事務を行う過程で作成されたものとして、行政書士法第一条の二にいう「権利義務又は事実証明に関する書類」とはいえず、これらの書類の作成は弁護士法第七二条により非弁護士による事務としてその取扱いが禁止される。

民事法編 > 民法 > 民法〔明治二九年法律… > 第一編 総則 > 第五章 法律行為 > 第一節 総則 > 第九〇条 > ○不法(犯罪又は不法… > (七)弁護士法違反行為
◆行政書士が、交通事故の被害者との間で締結した自賠責保険の申請手続、書類作成及びこれに附随する業務に関し報酬の支払を受ける旨の契約は、弁護士法第七二条に違反し無効である。

 

裁判経過
第一審 平成25年11月29日 神戸地裁尼崎支部 判決 平24(ワ)604号

出典
判時 2252号61頁

参照条文
弁護士法72条
行政書士法1条の2
民法90条

裁判年月日  平成26年 6月12日  裁判所名  大阪高裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ネ)41号
事件名  報酬支払請求控訴事件
裁判結果  控訴棄却  上訴等  上告・上告受理申立て<上告棄却・不受理>  文献番号  2014WLJPCA06126004

控訴人 X
被控訴人 原審甲事件被告亡Y1訴訟承継人Y2(以下「被控訴人Y2」という。)〈他2名〉
上記三名訴訟代理人弁護士 石井将治
同 吉岡萌
同 大崎幸宏

 

 

主文

一  本件控訴をいずれも棄却する。
二  控訴費用は控訴人の負担とする。

 

事実及び理由

第一  控訴の趣旨
一  原判決を取り消す。
二  被控訴人Y2は、控訴人に対し、九万七五七四円及びこれに対する平成二四年七月一八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
三  被控訴人Y3は、控訴人に対し、九万七五七四円及びこれに対する平成二四年七月一八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
四  被控訴人Y4は、控訴人に対し、一〇六万八九六一円及びこれに対する平成二四年七月一八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二  事案の概要(略称は、特記しない限り原判決の例による。)
一  本件の要旨及び訴訟の経過
(1)  本件は、行政書士である控訴人が、亡Y1(承継前原審甲事件被告。以下「亡Y1」という。)及び被控訴人Y4との間でそれぞれ締結した準委任契約による報酬請求権に基づき、亡Y1の相続人である被控訴人ら(相続分は被控訴人Y2及び被控訴人Y3が各六分の一、被控訴人Y4が三分の二)及び被控訴人Y4に対し、報酬及び訴状送達の日以降の民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。
(2)  控訴人が亡Y1及び被控訴人Y4(以下「亡Y1ら」という。)を被害者とする交通事故に関して、亡Y1らとの間で締結した準委任契約(以下、これらを併せて「本件各契約」という。)は、「自賠責保険の申請手続き・書類作成及び付随業務の委任並びに報酬契約書」(原判決別紙一、二参照)に記載されているとおりの内容であるが、被控訴人らは、①控訴人は弁護士法七二条に違反し、弁護士又は弁護士法人でもないのに、報酬を得る目的で、法律事件に関して法律事務を取り扱い、又はこれらの斡旋を業としており、本件各契約は無効である、②亡Y1らは、着手金や書類作成費用以外の報酬等は発生しないと誤信して、本件各契約を締結したのであり、報酬金、解任料等の名目で多額の支払義務を負うことになる本件各契約を締結する旨の意思表示は錯誤により無効であるなどと主張して、控訴人の請求を争った。
(3)  原審は、控訴人は、本件各契約に関し報酬を得る目的で一般の法律事件を取扱い、又はその斡旋を行ったものであり、かつ、控訴人はこれらの事項を業として行っていたものであるから、本件各契約はいずれも弁護士法七二条に違反し、無効であると判断して、被控訴人らが主張したその余の抗弁について判断することなく、控訴人の請求をいずれも棄却した。
(4)  控訴人は原判決を不服として本件控訴を提起し、原判決を取り消して控訴人の請求を認容するよう求めた。
二  「前提事実」及び「争点」(争点に関する当事者の主張を含む)は、原判決を次のとおり補正し、後記三として「当審における控訴人の補充主張」を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の第二の二及び三の記載と同一であるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1) 二頁一六行目の「普通自働二輪車」を「普通自動二輪車」に改める。
(2) 二頁二一行目の「自賠責保険の保険金請求、自賠責保険の後遺障害認定申請等」を「自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の保険金請求、後遺障害認定申請等」に改める。
(3) 二頁末行から三頁一行目にかけての「同年八月一五日」を「平成二三年八月一五日」に改める。
(4) 三頁五行目の「平成二五年一月一二日死亡し、被告らがその債務を承継した。」を「本訴係属中の平成二五年一月一二日死亡し、被告らがその法定相続分に応じて亡Y1の債務を承継した。」に改める。
(5) 三頁一二行目の「設立し」を「開設し」に改める。
(6) 六頁二一行目の「別紙一の三条」を「別紙一の四条二」に改める。
(7) 七頁三行目の「別紙二の三条」を「別紙二の四条二」に改める。
三  当審における控訴人の補充主張
(1)  弁護士法七二条の改正の経緯等
ア 弁護士法七二条は、平成一五年に改正された。改正前は、同条の「法律事件」に関する「法律事務」の鑑定は、弁護士の独占業務であったが、改正後の同条は「ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」とされた。
そして、行政書士法一条の二第一項は「行政書士は・・・その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。」と定めているから、弁護士法七二条ただし書の他の法律による別段の定めに当たる。
鑑定は、上記の事実証明文書であるから、「事件性のある法律事務」の鑑定であったとしても、行政書士はその鑑定書を作成することができるはずである。
イ 仮に「法律事件に関する法律事務」の鑑定が弁護士の業務であったとしても、事件性のない法律事務の鑑定は、弁護士法七二条に該当しないことは異論がないはずである。
交通事故業務の全てが「法律事件に関する法律事務」に当たるはずはないから、契約書等の「慰謝料等の根拠書類の作成をする」旨の記載をもって、即弁護士法七二条にいう鑑定と判断することは妥当でない。
ウ 仮に交通事故業務が全て「法律事件に関する法律事務」の鑑定であったとしても、控訴人の行う業務は、依頼者の求めに応じて、市販の裁判基準の表に当てはめて、該当する金額を慰謝料等として記載したり、無料の慰謝料計算ソフトを使用して、これにより算出された金額を慰謝料等として記載したりしている程度のものである。
これは、弁護士法七二条にいう鑑定とされる、法律上の専門的知識に基づいて具体的な事案に関して判断する行為には程遠いものである。
(2)  弁護士法七二条に関する最高裁判決の判示内容
最高裁平成二二年七月二〇日第一小法廷判決(刑集六四巻五号七九三頁)は、賃貸借期間中で、立ち退き交渉に応じる意思のない賃借人に対して、賃貸人側の都合で立ち退きを迫り、賃借人らに不安や不快感を与えるような振る舞いをしながら、交渉に当たった被告人らの行為について、法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件に係るものとして、弁護士法七二条の「法律事件に関する法律事務」に当たると判断した。
弁護士法七二条は罰則を伴う条文であるから、「法律事件に関する法律事務」に当たるか否かの基準は明確でなければならないと考える。
(3)  成果報酬の適法性
書類作成においての成果報酬は、依頼者と報酬について合意がされているなら、契約自由の原則により法律上合法的な契約である。
交通事故業務は、本件のように長期にわたるものであり、例えば報酬金額を書類一枚につき一万円等とすると、最終的に考えていなかったほど書類の枚数が増えて依頼者とのトラブルになりかねない。また、委任者が、受任者の不当な書類作成によって不要な報酬を負担させられるとの疑問を抱くおそれもある。
しかし、成果報酬では、結果が依頼者の望んだ結果でない場合、たとえ何枚書類を作成しても、報酬を支払う必要がないので、上記の不安要素を払拭できる効果がある。控訴人も、いい加減な書類だと報酬の請求ができないので、真剣に業務に取り組む。
このように、成果報酬は、被控訴人(依頼者)の利便のために設けた契約形態で、合理的な契約であり、何ら不合理ではない。
原判決が、控訴人の交通事故に関する書類の作成及び本件各契約の成果報酬の定めをもって、「示談代行に類する業務」と認定し、弁護士法七二条違反と判断したのであれば、成果報酬の約定を設けることは同条の構成要件に該当しないから、誤りである。
(4)  支払請求書兼支払指図書の作成・提出
控訴人は、代理人として自賠責保険の申請を行ったが、行政書士の業務として行ったわけではない。飽くまでも、亡Y1らの利便のために無償で代理申請をしたものである。
契約書等や請求書に、自賠責保険の代理申請についての記載がないこと、支払請求書兼支払指図書には、控訴人個人の印鑑登録証明書及び実印を用いて申請がされていることから、無報酬の申請である。
控訴人は、報酬を得ないで代理申請をしているので、弁護士法七二条の構成要件である「報酬を得る目的で」の要件を欠き、同条に違反しないことは明らかである。
(5)  書類作成費用等に関する報酬請求の適法性
仮に、控訴人の本件各契約に関する行為につき弁護士法七二条に違反すると評価されるとしても、行政書士が明らかな示談交渉(法律事件に関する代理行為)を行った事案について弁護士法七二条違反であるとしながらも書類作成等の行政書士が行うことのできる業務に限り報酬請求を認めた下級審の裁判例(東京地裁平成五年四月二二日判決。甲八九)と比べて、控訴人の行った業務が全て無効とされるのは、明らかに均衡を失する。
少なくとも、行政書士業務に関する部分の報酬請求は認められるべきである。
第三  当裁判所の判断
一  当裁判所も、控訴人が本件各契約に基づいてした行為は弁護士法七二条に違反するものであり、本件各契約は公序良俗に反し無効であるから、控訴人の亡Y1及び被控訴人Y4に対する報酬請求権は発生しないものと判断する。
その理由は、原判決を次のとおり補正し、後記二として「当審における控訴人の補充主張に対する判断」を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の第三の一の記載と同一であるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1) 七頁二〇行目の「四六ないし四九」を「四六ないし五〇」に、「六、八、九」を「六~九」に、二一行目の「二三、二四」を「二三~二七」にそれぞれ改める。
(2) 八頁二行目の「上記」を削る。
(3) 八頁六行目の冒頭に「示談金額の」を加える。
(4) 九頁一八行目の冒頭に「本件事故に関し」を加える。
(5) 九頁末行の「財団法人自賠責保険、共済紛争処理機構」を「財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構」に改める。
(6) 一〇頁二行目から六行目までを次のように改める。
「ウ 被控訴人Y4は、本件事故後、頸部、腰部等の痛み以外にも、顔面のしびれや頭部への圧迫感、もの忘れの症状を訴え、神経内科で診察を受けたが、神経学的な異常は認められなかった。被控訴人Y4はこれらの症状について治療を受けたいと考えていたが、加害者であるAと契約していた損害保険会社の担当者からは上記症状についての治療費を支払うことはできないと主張され、苦慮していた。そこで、被控訴人Y4は、亡Y1らの代わりに、症状固定時期や後遺障害等級の記載内容について医師と交渉し、上記損害保険会社に対し示談交渉をしてくれる専門家を探していた。
被控訴人Y4は、平成二二年一〇月二五日、ウェブサイトで検索して知った控訴人の事務所を訪れ、本件事故の損害賠償について事情を説明して相談した。
その際、被控訴人Y4は、上記の症状についての治療に関することのほか、控訴人が損害保険会社との間の示談交渉や、後遺障害の認定手続の代理を行ってくれること、症状固定時期や後遺障害等級の相談及び医師に対する説明をしてくれることを確認した。
エ 被控訴人Y4は、亡Y1を伴って、同年一一月四日、控訴人の事務所を訪れ、診断書や診療報酬明細書等の資料を示して、治療の経過や現在の症状等について説明した。
亡Y1らは、後遺障害等級一二級の認定を受けることを希望していたので、その旨を控訴人に伝えたところ、控訴人は、亡Y1の頸椎の症状について「一二級はいける」と述べた。控訴人は、後遺障害診断書に関し、医師に同診断書を作成してもらう際には、診断書の記載内容に関する上申書を提出するため、通院に付き添うと述べた。また、症状固定の時期や後遺障害の認定に必要な検査等に関しても、控訴人は亡Y1らの通院に付き添い、亡Y1らに代わって説明すると述べた。
さらに、亡Y1らは控訴人に対し、亡Y1らに代わって損害保険会社との示談交渉を行ってほしい旨頼み、控訴人は亡Y1らに代わって損害保険会社に対する請求や受領をする旨述べた。
亡Y1らは、上記の説明を聞いて、本件各契約の契約書にそれぞれ署名した。
オ 亡Y1らと控訴人は、本件各契約の締結後、主にメールで連絡を取り合い、亡Y1らは、症状の経過について報告するとともに、症状固定の時期や損害賠償の額等について質問をしたり、助言を求めたりした。
控訴人は、これに対して、メールで回答していたが、「亡Y1が仕事を辞めることは休業損害の額に影響するか」(乙八)、「いつまで治療を続けるのが有利か(症状固定の時期をいつとするのがよいか)」(乙九)といった事項についても、自らの意見を述べ、対応方針を指示するなどしていた。
カ 被控訴人Y4は、平成二三年八月三〇日、後遺障害診断書を作成してもらうため、a整形外科に行ったが、その際、控訴人の事務所の事務員であるBが付き添った。Bは、同病院の医事課の担当者に控訴人の事務所の名刺を示したうえで、負傷部位の一部に関する後遺障害診断書を作成しても法的に問題はないと述べ、左膝の症状のみを内容とする後遺障害診断書の作成を依頼した。また、Bは、被控訴人Y4と一緒に診察室に入り、C医師に対し、後遺障害診断書の記載内容に関する上申書を提出した。
キ Bは、平成二三年九月一七日、控訴人からの伝言として、亡Y1らに対し、被控訴人Y4について一四級の等級認定を狙える資料は整ってきているが、認定が認められず異議申立てが必要になる可能性もある旨、亡Y1について現在の資料によっては一二級の等級認定は難しいと思われる旨をメールで連絡した。
ク 亡Y1は、後遺障害等級一四級の認定を受けた後の平成二三年一二月一日、控訴人の事務所を訪れ、Bに対し、「解任するから書類を返せ」「後遺障害一四級なら誰でも取れる」などと述べた。」
(7) 一〇頁七行目の「エ」を「ケ」に改める。
(8) 一〇頁九行目の「各支払請求書兼支払指図書を」の次に「、亡Y1らの委任状並びに亡Y1ら及び控訴人の印鑑登録証明書を添付した上で」を加える。
(9) 一〇頁一一行目の「オ」を「コ」に改める。
(10) 一〇頁一八行目の「とも告げている。」を「と宣伝して顧客を勧誘している。」に改める。
(11) 一一頁四行目の「認められる。」から五行目の「全体として」までを「認められる。そして、前記(1)の認定事実によれば、本件事故に関する亡Y1ら損害賠償問題は、既に亡Y1については後遺障害等級一二級の認定を希望しているのに同認定がされるには問題が多い(最終的に同認定はされなかった)ため、亡Y1が控訴人の手腕による同認定の獲得を求めていた状況にあり、被控訴人Y4については顔面のしびれ等の治療について主張が対立しているなど、亡Y1らと加害者ないしその契約先の損害保険会社との間で、亡Y1及び被控訴人Y4それぞれの損害の内容及び額に関し将来法的紛議の発生することがほぼ不可避である案件であったというべきところ、控訴人はその事情を認識しながら本件各契約を締結し、亡Y1らの質問に対して、後遺障害等級に関する予測を述べ、症状固定時期という法的判断について具体的な助言をしたほか、自らの名前で被害者請求を行っているというのである。そうすると、前記(1)認定の本件各契約の内容に加えて、本件事故に関し控訴人及びその使用人が行った具体的な業務の内容を総合すると、本件各契約は、全体として」に改める。
二  当審における控訴人の補充主張に対する判断
(1)  弁護士法七二条の解釈に関する主張について
控訴人は、弁護士法七二条は、そのただし書で「他の法律に別段の定めがある場合」を例外として定めるところ、行政書士法一条の二第一項はその例外に当たるから、弁護士法七二条により非弁護士が取り扱うことのできない事件性のある法律事務の鑑定に関するものであっても、権利義務又は事実証明に関する書類を作成することは許されると主張する。
しかし、行政書士法一条の二第一項の「権利義務又は事実証明に関する書類」に該当するか否かは、他の法律との整合性を考慮して判断されるべき事柄であり、抽象的概念としては「権利義務又は事実証明に関する書類」と一応いえるものであっても、その作成が一般の法律事務に当たるもの(弁護士法三条一項参照)はそもそもこれに含まれないと解するのが相当である。
本件において、控訴人は、亡Y1及び被控訴人Y4のそれぞれについて加害者との間で将来法的紛議の発生することがほぼ不可避である状況において、その事情を認識しながら、a整形外科宛ての上申書や保険会社宛ての保険金の請求に関する書類等を作成し提出したものであると認められるが(甲二〇~二二、乙九)、これらの書類には、亡Y1らに有利な等級認定を得させるために必要な事実や法的判断を含む意見が記載されていたものと認められる。そうすると、そのような書類は、一般の法律事件に関して法律事務を取り扱う過程で作成されたものであって、行政書士法一条の二第一項にいう「権利義務又は事実証明に関する書類」とはいえないから、弁護士法七二条ただし書の適用はなく、これらの書類の作成については、弁護士法七二条により非弁護士による事務の取扱いが禁止されるものである。
よって、控訴人の主張は理由がない。
(2)  弁護士法七二条により禁止される行為の外延は明確でなければならないとの主張について
控訴人は、弁護士法七二条違反の罪の成否が問題となった刑事事件に関する最高裁判例を引用して、同条の定める「法律事件に関する法律事務」に該当するかの基準は明確でなければならないと主張する。
控訴人の上記主張は、本件で控訴人が行った業務は弁護士法七二条に違反するものではないとの立場を前提に、仮に同条に違反するとしても禁止行為の外延が明確でない規定によって本件各契約が無効とされることは予測可能性を害するという趣旨であると解されるが、将来法的紛議が発生することが予測される状況において控訴人が行った書類の作成や相談に応じての助言指導は、いずれもそもそも行政書士の業務(行政書士法一条の二第一項)に当たらず、また、弁護士法七二条により禁止される一般の法律事件に関する法律事務に当たることが明らかであるから、行政書士が取り扱うことが制限されているものである。
よって、控訴人の主張は理由がない。
(3)  成果報酬に関する主張について
控訴人は、書類作成についての成果報酬の約定は合理的なものであり、契約自由の原則により許されると主張する。
本件各契約の報酬金の約定は、単なる書類作成の結果というよりは、控訴人による助言指導や、示談の代行等による成果(それによって得られた経済的利益)に対する報酬を定めたものと理解することができ、それ自体、控訴人が、弁護士法七二条の法律事務の取扱いに関わり、これを業とするものであることを示すものである。そうすると、上記の報酬金の約定が有効であるか無効であるかに関わりなく、その旨の定めがあることを弁護士法七二条違反を基礎付ける事実として考慮することは許される。
よって、控訴人の主張は失当である。
(4)  支払請求書兼支払指図書の作成・提出に関する主張について
控訴人は、損害保険会社宛ての支払請求書兼支払指図書を作成して提出した行為は、亡Y1らの利便のために無償で代理申請をしたものであって、本件各契約に基づく業務ではないと主張する。
しかし、本件各契約は「自賠責保険の申請手続き・書類作成及び付随業務」に関するものであるところ、支払請求書兼支払指図書とともに提出された委任状(甲四六の二、四七の三)には受任者の欄に「行政書士X」と記載され、委任事項として、本件事故による損害に関し、①自動車損害賠償保障法に基づく損害賠償の全額及び②財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構への申請手続のそれぞれの請求・受領に関する一切の権限と記載されているのであるから、上記の支払請求書兼支払指図書の作成・提出は本件各契約に基づく業務に当たるというべきである。
よって、控訴人の主張は理由がない。
(5)  書類作成費用等に関する報酬請求は適法であるとの主張について
控訴人は、仮に本件各契約が無効であるとしても、少なくとも書類の作成等の行政書士が行うことのできる業務の部分に関する報酬請求は認められるべきであると主張する。
しかし、本件事故に関する書類の作成自体が法律事務に当たり、行政書士法一条の二の対象外というべきであるから、本件各契約に基づき控訴人が行った業務は全体として弁護士法七二条違反の評価を受けるものであり、契約書の記載等から書類作成に関する費用のみを計算することは不可能ではないとしても、不可分である本件各契約の一部分についてのみ報酬請求権の発生を認めることは相当でないというべきである。
付言するに、本件各契約に係る契約書には、書類作成費用として一定額を支払うほか、後遺障害申請・異議申立書の作成作業に関する報酬として、得られた経済的利益の一定割合を支払うなど、一見すると顧客が行政書士の行う書類作成業務に関して報酬を支払うかのような記載があるが、何をもって一定の割合を乗ずべき経済的利益とみるのかは契約書の記載からは明らかでなく、上記の約定が合理的な内容であるかは疑問であるといわざるを得ない。
よって、控訴人の主張は理由がない。
第四  結論
以上の次第で、控訴人の請求は理由がなく、これを棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 山田知司 裁判官 久保田浩史 和久田道雄)

 

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