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「営業支援」に関する裁判例(98)平成21年12月22日 東京地裁 平20(ワ)30008号 貸金等請求事件

「営業支援」に関する裁判例(98)平成21年12月22日 東京地裁 平20(ワ)30008号 貸金等請求事件

裁判年月日  平成21年12月22日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)30008号
事件名  貸金等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA12228037

要旨
◆原告が、その会社分割により設立された被告に対し、貸金の返還並びに原告の事業に関連して、業績不振の被告を契約に取り込み多額の売上げと利益が得られるように支援する対価として合意した営業支援費の支払を求めた事案において、原告主張の具体的な営業支援費の支払に被告が合意したことを認めるに足りる証拠はないとした上で、被告主張の本件貸金債権と被告の原告に対する営業支援費債権、業務委託料債権との相殺を認容して、原告の請求の一部のみ認容した事案

参照条文
民法505条1項
民法587条

裁判年月日  平成21年12月22日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)30008号
事件名  貸金等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA12228037

東京都中央区〈以下省略〉
原告 株式会社シーエスネット
同代表者代表清算人 A
同訴訟代理人弁護士 軽部龍太郎
同 石田惠美
同 竹下洋史
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 株式会社シーエスシステムズ
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 深山徹

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,金3130万4324円及び内金1500万円に対する平成20年1月13日から,内金1630万4324円に対する同月16日から各支払済みまで年14%(年365日の日割計算)の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用はこれを3分し,その1を原告の,その余を被告の各負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,金4518万2058円並びに内金1500万円に対する平成20年1月13日から支払済みまで年14%(年365日の日割計算)の割合による金員,内金2000万円に対する平成19年12月1日から支払済みまで年14%(年365日の日割計算)の割合による金員及び内金1006万4250円に対する平成20年10月31日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告がその会社分割により設立された被告に対し,①1500万円の貸金の返還及びこれに対する弁済期の翌日以降の約定利率による遅延損害金の支払,②2000万円の貸金の返還並びにこれに対する弁済期までの約定利率による未払利息及び弁済期の翌日以降の約定利率による遅延損害金の支払,③原告のビデオ・オン・デマンド事業(以下「VOD事業」という。)に関連して,業績不振の被告を契約に取り込み多額の売上げと利益が得られるように支援する対価として合意した営業支援費1006万4250円の支払及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成20年10月31日以降の商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ請求している事案である。
被告は,①及び②の各貸金については認めるが,③営業支援費を支払う旨の合意はないとしてこれを否認し,併せて,被告が原告の依頼で実施した4件の業務支援により取得した委託料債権との相殺を主張している。これに対し,原告は,3件の業務支援に係る委託料債権は認めるものの,1件については実体のない契約であったとしてこれを否認している。
1  争いのない事実等
(1)  当事者
ア 原告は,総合レンタル業等の事業を営む株式会社であるが,平成20年2月5日午前11時30分に東京地方裁判所の再生手続開始決定を受け,同年10月1日に再生計画認可決定が確定した。
イ 被告は,平成17年12月に原告が会社分割(新設分割)することによって設立されたコンピュータのソフトウェアの開発及び企画等の事業を営む株式会社であり,現在でも原告がその株式の一部を保有している。
(2)  1500万円の貸付け
ア 原告は,被告に対し,平成19年1月15日,以下の約定で1500万円を貸し付けた(甲2,以下「第1貸付」という。)。
弁済期 同年4月15日
利息 年2.5%(年365日の日割計算)
利息の支払期 同年1月15日(先払)
遅延損害金 年14%(年365日の日割計算)
イ 原告と被告は,同年4月16日,第1貸付の弁済期を同年7月14日に変更することに合意し,被告は原告に対し,同年4月17日,同年7月14日までの利息を支払った(甲4)。
ウ 原告と被告は,同月12日,第1貸付の弁済期を同年10月13日に変更することに合意し,被告は原告に対し,同年7月13日,同年10月13日までの利息を支払った(甲6)。
エ 原告と被告は,同月10日,第1貸付の弁済期を平成20年1月12日に変更することに合意し,被告は原告に対し,平成19年10月12日,平成20年1月12日までの利息を支払った(甲8)。
(3)  2000万円の貸付け
ア 原告は,被告に対し,平成19年9月5日,以下の約定で2000万円を貸し付けた(甲10,以下「第2貸付」という。)。
弁済期 同月28日
利息 年2.5%(年365日の日割計算)
利息の支払期 同日
遅延損害金 年14%(年365日の日割計算)
イ 原告と被告は,同月26日,第2貸付の元利金の弁済期を同年10月31日に変更することに合意した(甲12)。
ウ 原告と被告は,同日,第2貸付の弁済期を同年11月30日に変更することに合意した(甲14)。
(4)  被告による業務支援
ア 営業支援
(ア) 被告は,平成19年8月31日,原告から以下のとおり同年9月ないし11月の営業支援の申込みを受けた(乙6)。
件名 CSN2007年9月~11月営業支援
受入場所 原告
受入期日 同年9月1日
検収期日 同年11月30日
発注金額 687万7500円(消費税別)
支払条件 末日締め翌々月15日現金払
(イ) 被告は,前記発注に基づいて営業支援を行い,原告に対して同年10月分として243万3615円の,同年11月分として91万5312円の業務委託料請求権を得た(乙7ないし10)。
イ なんばオリエンタルホテルVODシステム入替作業
(ア) 被告は,同年8月30日,原告から以下のとおり業務支援の申込みを受けた(乙11)。
件名 なんばオリエンタルホテル様VODシステム入替作業
受入場所 なんばオリエンタルホテル
受入期日 同年11月30日
発注金額 67万0103円(消費税別)
支払条件 末日締め翌々月15日現金払
(イ) 被告は,前記発注に基づいて入替作業を完了し,原告に対して70万3608円の業務委託料請求権を得た(乙12,13)。
ウ 寺田倉庫引揚作業
(ア) 被告は,同年11月19日,原告から以下のとおり業務支援の申込みを受けた(乙14)。
件名 寺田倉庫引揚費用
受入場所 なし
受入期日 同月30日
発注金額 8万3600円(消費税別)
支払条件 末日締め翌月末日払
(イ) 被告は,前記発注に基づいて引揚作業を完了し,原告に対して8万7780円の業務委託料請求権を得た(乙15)。
(5)  被告による営業支援に関する契約書
原告と被告は,平成19年3月1日付けで,原告が以下のとおり被告に業務支援を委託する旨の契約書を作成した(乙2,以下「デューディリジェンス支援契約」という。契約の実体があったか否か争いがある(争点(2))。)。
業務名 SPCデューデリジェンス支援
業務内容 VOD事業における調査・資料作成業務
導入費用 2800万円
請求方法 別途協議の上
作業場所 CSNの指定場所またはCSS事務所内
納品日 同年5月31日
納品物 事業概略・設備・工事・導入・VODアプリケーションにおける資料一式
備考 契約詳細はCSS社作成見積もり「CSS-1-0267」に準ずる。
(6)  被告は,原告に対し,平成20年1月10日付け通知書で,第1貸付及び第2貸付の各債務と前記(4)及び(5)の各債権とを対当額で相殺するとの意思表示をし(乙1),同通知書は,そのころ,原告に到達した。
(7)  原告は,被告に対し,同年6月24日到達の内容証明郵便で,第1貸付及び第2貸付に係る債務及び争点(1)の営業支援費を1週間以内に支払うべき旨を催告した(甲16の1・2)。
2  争点
(1)  営業支援費の支払合意の有無
(原告の主張)
ア 平成18年,原告は,電子カルテシステムの医療機関への営業開拓の足掛かりも兼ねて,病院やホテル等のベッドサイドにテレビ等の端末を無償で設置し,利用者に視聴用カードを販売してその代金を集金するというVOD事業に進出した。
VOD事業を展開するには,各施設に設置するテレビ等の機器を大量に用意する必要があるところ,原告はこれらをリースで調達することとし,その際,業績不振の被告が売上げを伸ばせるよう,まず被告が機器の製造・販売業者から機器を買い取り,被告がこれをリース会社に売却し,原告がリースを受けるという仕組みで機器の調達を行うこととした。
原告は,規模のメリットを考慮して多数の施設に営業をかけることとし,これに伴ってリース契約数が多数に及び,被告の売上げも増加することが予測されたことから,同年11月20日ころ,原告及び被告の代表者らが被告を支援することの対価について被告会議室で協議したところ,被告の売上げが毎月1億円程度,粗利益が15%程度に及ぶとの見込みから,被告が原告に対し,営業支援費として毎月約1000万円を支払うことを想定し,具体的な金額は原告が毎月算出して請求することに合意した。
イ 実際に被告を取り込んだリース契約が締結され,見込みどおりの売上げと利益が生じたのは,同年12月のみであった。そこで,同月中旬,原告と被告は,同月分の被告の売上げ1億4468万6735円から営業支援費1006万4250円を支払うことを改めて合意した。
ところが,被告は,平成19年1月中旬に原告従業員が上記金額の営業支援費の請求書を持参したのに対し,同月末ころ,決算数字を良くしたいので6月以降に経費計上したいと申し入れ,請求書を返還してきた。
(被告の主張)
ア 被告は,VOD事業に使用する機器の製造・販売業者から機器を買い取って,リース会社であるフーズレック株式会社(以下「フーズレック」という。)に売却し,原告が同社からリースを受ける取引を行ったことは認めるが,その目的が被告の支援にあったとの部分は否認ないし争う。原告とフーズレックは,ともにSBSホールディングス株式会社(以下「SBS」という。)のグループ会社であり,原告は,SBSの意向を受けて原告自身の事業のために,被告に対し,VOD事業に使用する機器を買い取りフーズレックへ売却するよう指示した。
被告は,リース機器の取引に係る支援の対価に関して,原告との間で営業支援費を支払うことを協議したことも合意したこともなく,これを書面化したものも存在しない。
イ 原告は,被告のリース機器の取引による平成18年12月の売上額を示すが,実際の売上げとは著しく異なる。また,同月中旬の時点で同月分の売上金額が判明することはあり得ず,これを前提に具体的な営業支援費の支払を合意したとの事実もない。
(2)  デューディリジェンス支援契約の実体の有無
(原告の主張)
ア デューディリジェンス支援契約は,実体のないものである。
被告は,元々原告の一事業部門であったのを平成17年12月新設分割により設立された会社であり,原告は,同月27日,被告株式の51%を株式会社フレームワークス(以下「フレームワークス」という。)に譲渡した。他方,原告は,被告の設立と株式譲渡に限らず,積極的に事業売買の機会を窺っていたところ,株式会社パースジャパンが運営するホテル向けテレビレンタル事業を買い取り,これをL&Hパートナーズ株式会社(以下「L&H」という。)が運営する投資ファンドに売却するという事業売買の話が存在し,平成19年5月8日には原告,フレームワークス,L&Hの関連会社MTI及び被告の各代表者で協議がなされた。
平成19年6月5日,被告は,原告に対し,「被告の第2期決算を良くしたいので,5月末で売上げを計上させてほしい。」と,上記事業売買のデューディリジェンス費用という名目での売上げ計上を依頼した。そこで,原告は,被告が実際に事業売買のデューディリジェンスを支援したという実体はないものの,これに絡めて架空の売上げ計上に応じることとし,5月末日を納品日とする契約書(乙2)を作成した。
イ デューディリジェンス支援契約の納品物として表示されているもの(乙2ないし4)は,より高度なシステムを用いたVOD事業における機器の導入方法等といったものであり,前記事業売買に関連するものではなく,多額の売上げ計上が可能となるよう明細を利用したにすぎない。そのため,デューディリジェンス支援契約においては,業務名にSPCデューデリジェンス支援と,業務内容にVOD事業における調査・資料作成業務とそれぞれ記載され,関連性が見いだせないものとなっている。また,被告が主張する成果物(乙16の1ないし16の5,以下「本件納品物」という。)は,CD-ROMに収録された文書ファイルであるが,印刷すると一定量に達するとはいえ,文書作成以外にプログラミングや機器の製作・設置等の実作業が生じないにもかかわらず,2940万円もの請求が生じることはあり得ない。
これは,原告には技術的な内容の企画書を作成できる人材が不足していたことから,被告に営業支援という名目でVOD事業に関する企画作成業務(第1次作業が平成18年12月から平成19年5月に行われた一般的な企画書の作成,第2次作業が同年9月から同年11月に行われた個別具体的な施設に関する導入計画の策定(争いのない事実等(4)ア))を依頼した際,被告が第1次作業で作成した企画書であり,これをデューディリジェンス支援契約の成果物に充てることとしたためである。
ウ 原告と被告との間では,前記争いのない事実等(2)及び(3)のとおり,平成19年には第1貸付及び第2貸付の実行並びに返還期日の延期合意が行われていたものであり,そのような時期に2940万円ものデューディリジェンス支援契約の決済が何らなされず放置されていたということ自体が実体なき契約であることを裏付けている。
(被告の主張)
ア 被告は,原告との間で,前記争いのない事実等(5)のとおりデューディリジェンス支援契約を締結し,これに従って業務を完了した(乙3,4)。
デューディリジェンス支援契約に基づく被告の業務内容は,VOD事業における調査・資料作成業務であり,納品する資料は事業概略・設備・工事・導入・VODアプリケーションにおける資料一式で(乙2),被告は,契約締結直後の平成19年3月5日から,これに従ってVOD事業の調査に着手し,委託業務を遂行した上,同年5月31日に本件納品物を原告に納品し検収を受けた。
被告が納品した本件納品物は,ソフトウェア開発及び導入支援を事業とする被告の複数の従業員がVOD事業全体を実際に調査し,被告が集積したノウハウを集約して作成した詳細かつ広範にわたるもので,プリントアウトすると大型ファイル1冊に匹敵する。したがって,デューディリジェンス支援契約が実体のないものであるとの原告の主張は理由がない。また,原告は,デューディリジェンス支援契約の業務内容につき,テレビレンタル事業の事業売買に関するデューディリジェンスを意味するとするが,前記のとおり,VOD事業についての契約であって特定の取引のデューディリジェンスの支援を内容とするものではない。
デューディリジェンス支援契約に基づく本件納品物は,不特定の第三者によるVOD事業についてのデューディリジェンスにとって価値の高いものであり,業務名と業務内容に関連性がないとする原告の主張は当たらない。その成果物は,VOD事業についての専門的,技術的な知識を有する複数のスタッフが,導入事例をピックアップし現地に赴いて事情聴取を行うなどの情報収集と調査を重ね,被告の保有するノウハウを駆使してVOD事業の総合的な情報を集約し将来的な方向性を検討して取りまとめたVOD事業のビジネスモデルを提供したものであり,VOD事業の積極的な展開を図る原告にとって事業展開の成否を左右する貴重なものであり,2940万円という対価は相当である。
被告が架空の売上げの計上を申し込んだこともない。
イ よって,被告は,原告に対し,デューディリジェンス支援契約に基づき,2940万円の業務委託料請求権を取得した。原告と被告との間では,別途支払条件を定めない限り月末締め翌月末日支払で決済が行われていたところ,原告は,同債権の支払日である平成19年6月30日の経過後もその支払を怠った。
第3  争点に対する判断
1  争点(1)について
(1)  前記争いのない事実等及び証拠(甲15,18ないし21,乙21,22,証人C(以下「C」という。),同D(以下「D」という。),同E(以下「E」という。),被告代表者本人)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。
ア 被告は,平成17年12月に原告からの会社分割(新設分割)により設立された会社であり,原告は,被告株式の51%をフレームワークスに譲渡し,当時の被告代表者にはフレームワークスの役員が就任した。
イ 原告は,フレームワークスに対し,原告が保有する残りの被告株式を売却することをフレームワークスと協議していたが,売却価格は被告の売上げ等業績に連動して決定することとされたことから,原告としては,被告の売上げを伸ばして被告株式を高値でフレームワークスに売却しようと考えていた。
ウ 平成18年に入り,原告は,新たにVOD事業に進出してホテルや病院等に営業活動を行うようになった。
原告は,VOD事業を実施するにあたってはテレビや端末,管理サーバー等の機器が必要であり,初期費用が嵩むことから,規模を拡大することにメリットがあるとして多数の施設に営業活動を行い,機器も大量に用意する必要があった。
そこで,原告は,これらをリースで調達することとし,その際,業績不振の被告が売上げを伸ばせるよう,まず被告が機器の製造・販売業者から機器を買い取り,被告がこれをリース会社に売却し,原告がリースを受けるという仕組みで機器を調達することとした。
エ 同年11月20日ころ,原告及び被告の代表者らは,原告がVOD事業に必要な機器をリースで調達すること,被告をリース契約に組み入れることにより支援すること,リース契約により被告の売上げがあがることの対価を原告に支払うこと等について,被告会議室で協議した。原告は,リース契約による被告の粗利益が15%程度に及ぶとの見込みから,売上高の約10%の営業支援費を支払うよう要求した。営業支援費の具体的な金額は,原告が毎月算出して請求することとなったが,毎月の被告の売上げは1億円程度と予測されていたことから,営業支援費も月1000万円程度と試算された。
オ 原告は,平成19年1月,平成18年12月分の営業支援費1006万4250円の請求書を被告に持参したが,被告はその支払をしなかった。
(2)  これら認定事実によれば,原告は被告に対し,被告をVOD事業に必要な機器の調達のためのリース契約に組み入れることにより被告の売上げと利益を伸ばし,そこから生じる被告の利益を,売上高の10%程度の割合で原告に営業支援費の名目で支払うことを要求し,被告もこれに異論がなかったことが認められる。
しかしながら,平成18年12中旬ころ,被告が原告に対し,同月分の営業支援費として同月の被告の売上げ1億4468万6735円から1006万4250円を支払うことを確定的に合意したことを認めるに足りる証拠はないというべきである。すなわち,原告は,1000万円を超える多額の金銭を支払うことに合意したとしながら,かかる合意の成立を認めるに足りる客観的証拠が全く存しない上,前記の原告主張に係る同月分の被告の売上高は,証人C及び同Dの各証言によっても記憶に基づく曖昧なものにすぎず,かえって,被告代表者の供述によれば,同月分以外の売上げや原告が関与しない売上げ等も含まれているというのであり,それ自体にわかに認め難いものであるから,これをもとに具体的な営業支援費の金額を算定して改めて合意したとの原告の主張は,なお採用できないといわざるを得ない。さらに,前記認定説示のような営業支援費の支払に関する概括的合意が成立していたとしても,同月における被告の売上高を認定することは困難であるから,かかる基本合意に基づく営業支援費の請求もまた金額を確定することができない。
その他,原告主張の具体的な営業支援費1006万4250円の支払に被告が合意したことを認めるに足りる証拠はない。
(3)  よって,原告による営業支援費の請求は理由がない。
2  争点(2)について
(1)  前記認定事実及び証拠(甲17,20,21,乙1ないし5,16の1ないし16の5,17,21ないし23,証人C,同D,同E,被告代表者本人)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。
ア 原告は,平成18年からVOD事業へ新たに進出することとしたが,原告には主に営業販売部門しかなく,ソフトやシステムの開発部門等の技術的側面に関しては十分な能力がなかったことから,原告の開発部門を分割した被告にその開発等を発注していた。
イ 被告は,同年6月以降,原告の発注に基づき,VOD事業の実施に必要な機器構成,その他のハード面及びソフト面の設計,開発等に関わり,これを原告に提供した。
その際,原告の営業活動に必要なプレゼンテーション資料等の作成も委託業務に含まれており,これを作成して原告に提供した。
ウ 原告と被告は,平成19年5月中旬ころ,デューディリジェンス支援契約に係る契約書を同年3月1日付けで作成したが,同契約の納品物は,これまで被告が作成して原告に提供してきたVOD事業に関する様々な資料等をまとめた資料一式とした。
その上で,デューディリジェンス支援契約に基づく本件納品物の検収を了した旨の検収書が,同年5月31日付けで作成された。
エ 被告は,平成20年1月に至るまで,原告に対し,デューディリジェンス支援契約に基づく業務委託料の支払を請求したことがなく,他方で,この間に第1貸付の弁済期の変更に合意したり新たに第2貸付を受けたりするなど,デューディリジェンス支援契約の契約代金に匹敵する3500万円の借入れを原告から受けていた。
(2)  前記争いのない事実等及び前記認定事実並びに弁論の全趣旨によれば,デューディリジェンス支援契約は,被告作成によるVOD事業に係る資料をまとめた資料一式を納品物とするものにすぎず,新たに2940万円もの代金が発生するほどの作業を要するものとはにわかに認められないし,本件納品物によりVOD事業の概要を把握できるとはいえ,これによってVOD事業の収益性等に関する評価・査定が可能となるものとは認め難く,業務名であるSPCデューディリジェンス支援と業務内容との間には不自然な不一致が生じているというべきである。加えて,前記認定事実及び証拠(乙2ないし4,16の1ないし16の5)並びに弁論の全趣旨によれば,デューディリジェンス支援契約が平成19年5月に締結されながら日付を遡って契約書が作成されたこと,本件納品物には同契約書の作成日付以前に作成され既に原告に提供された資料が含まれていること,様式が不統一な資料がそのまま編成されるなど完結した資料一式として作成されたものとはいい難いこと,契約書の作成日から間もない同月31日を納品日として同日検収を了していること,被告が原告に対する多額の借入れをしながらデューディリジェンス支援契約の契約代金を請求する態度に出なかったことなどが認められ,これらの事実からすれば,デューディリジェンス支援契約の成立及び履行の過程やその内容について,不自然な点が多数認められるといわざるを得ない。
この点,被告は,第1貸付及び第2貸付は株主間協定に基づいてフレームワークスとの均衡から貸付残高を維持すべく締結され弁済期の延長がなされたものであるとして,デューディリジェンス支援契約に基づく2940万円もの契約代金を放置していたものではないと主張するが,証拠(乙1,証人D,被告代表者本人)並びに弁論の全趣旨によれば,原告及びフレームワークスは,被告に対する運営資金の貸付に関して株主間協定を締結し,出資割合である49:51の比率で貸付残高を保有するよう協定したが,実際には原告からの発注による売上げを考慮するなどして,厳密に前記株主間協定が履行されていたものではなかったことが認められ,第1貸付及び第2貸付を受けていながらデューディリジェンス支援契約に基づく業務委託料につき原告に何らの請求等をしなかった被告の態度は,極めて不自然といわざるを得ないから,この点の被告の主張は採用できない。また,被告は,デューディリジェンス支援契約の締結前に原告に見積書(乙20)を提出したとし,その見積内容や時期に照らして,デューディリジェンス支援契約には実体があったと主張するが,前記認定説示のとおり,本件納品物は同見積書にあるような工数を要するものとは認められず,見積もりの内容自体不自然なものといわざるを得ない上,デューディリジェンス支援契約に係る契約書が作成日付を遡って作成されたこととの整合性を合理的に説明できているとはいえないから,同見積書に基づく被告の主張は採用できないというべきである。
(3)  以上の諸事情を総合すると,デューディリジェンス支援契約が実体のある契約であったとする被告の主張はにわかに採用できず,むしろ,原告主張のような実体のない契約であったものと認めるのが相当というべきであるから,被告によるデューディリジェンス支援契約に基づく業務委託料の請求は理由がない。
3  相殺後残高の計算
以上の結論に基づき,各契約代金の相殺適状における債権額を計算し,順次対当額で相殺することとする。
(1)  平成19年12月15日,争いのない事実等(4)アの営業支援費の10月分につき弁済期が到来するから,同年11月30日に既に弁済期が到来している第2貸付との間で,両債権を対当額で相殺する。
第2貸付は,元金2000万円,同年11月30日までの利息11万7808円及び同年12月1日から同月15日までの約定の年14%の遅延損害金11万5068円の合計2023万2876円,営業支援費の10月分は元金243万3615円であるから,第2貸付の相殺後残高は,1779万9261円となる。
(2)  同年12月31日,争いのない事実等(4)ウの引揚作業費につき弁済期が到来するから,第2貸付の相殺後残高との間で,両債権を対当額で相殺する。
第2貸付は,元金1779万9261円及び同月16日から同月31日までの約定の年14%の遅延損害金10万9233円の合計1790万8494円,引揚作業費は元金8万7780円であるから,第2貸付の相殺後残高は,1782万0714円となる。
(3)  平成20年1月15日,争いのない事実等(4)アの営業支援費の11月分及び同(4)イの入替作業費につき弁済期が到来するから,第2貸付の相殺後残高との間で,両債権を対当額で相殺する。
第2貸付は,元金1782万0714円及び平成20年1月1日から同月15日までの約定の年14%(年365日の日割計算)の遅延損害金10万2530円の合計1792万3244円,営業支援費の11月分は元金91万5312円,入替作業費は元金70万3608円であるから,第2貸付の相殺後残高は,1630万4324円となる。
4  結論
よって,原告の請求は,第1貸付の元金1500万円及びこれに対する弁済期の翌日である平成20年1月13日から支払済みまで約定の年14%(年365日の日割計算)の割合による遅延損害金と,第2貸付の相殺後残高1630万4324円及びこれに対する相殺適状の日の翌日である同月16日から支払済みまで同割合による遅延損害金の各支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法64条本文,61条を,仮執行宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 小崎賢司)

 

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