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「営業支援」に関する裁判例(54)平成26年11月14日 東京地裁 平26(特わ)247号 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件

「営業支援」に関する裁判例(54)平成26年11月14日 東京地裁 平26(特わ)247号 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件

裁判年月日  平成26年11月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(特わ)247号
事件名  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件
裁判結果  有罪  文献番号  2014WLJPCA11149002

出典
裁判所ウェブサイト

裁判年月日  平成26年11月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(特わ)247号
事件名  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件
裁判結果  有罪  文献番号  2014WLJPCA11149002

主文

被告人C社を罰金1億4000万円に,被告人cを懲役1年6月にそれぞれ処する。
被告人cに対し,この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)
被告人C社(以下「被告会社」という。),A社,B社,D社,E社,F社,G社及びH社(以下,被告会社とこれら7社を合わせて「被告会社等8社」という。)はいずれも冷暖房等に関する設備工事の請負業等を営む事業者であり,被告人cは被告会社営業本部営業推進部副主幹,aは平成24年4月までA社東京本店長補佐,bはB社東京本社営業副統括,dはD社環境システム事業部営業統括部営業推進部員(平成24年4月から同部営業推進室長),eはE社営業本部営業開発部長,fはF社東京本店営業統括部営業グループ長,gはG社東京本店営業第三部営業課長(平成24年4月から同部長)及びhはH社営業本部副本部長の職にあり,それぞれの所属する被告会社等8社の従業者として独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。)が発注する北陸新幹線融雪基地機械設備工事及び消雪基地機械設備工事の受注等に関する業務に従事していたものであるが,被告人c及び前記7名は,前記同様の事業を営むその他の事業者3社(以下,これら3社と被告会社等8社とを合わせて「被告会社等11社」という。)にそれぞれ所属して前記同様の業務に従事していた者らと共に,それぞれその所属する被告会社等11社の他の従業者らと共謀の上,それぞれその所属する被告会社等11社の業務に関し,平成23年9月中旬頃から平成24年11月頃までの間,東京都中央区[以下省略]の飲食店等において,面談等の方法により,平成23年10月以降に鉄道・運輸機構が条件付一般競争入札の方法により順次発注する北陸新幹線融雪基地機械設備工事及び消雪基地機械設備工事(以下,これらの工事を合わせて「本件融雪基地機械設備工事等」という。)について,受注予定事業者を決定するとともに当該受注予定事業者が受注できるような価格で入札を行うことなどを合意した上,同合意に従って,同工事についてそれぞれ受注予定事業者を決定するなどし,もって被告会社等11社が共同して,同工事の受注に関し,相互にその事業活動を拘束し,遂行することにより,公共の利益に反して,同工事の受注に係る取引分野における競争を実質的に制限した。
(法令の適用)
1  被告会社について
罰     条     独占禁止法95条1項1号,89条1項1号,3条
2  被告人について
罰     条     刑法60条,独占禁止法95条1項1号,89条1項1号,3条
刑 種 の 選 択     懲役刑を選択
刑 の 執 行 猶 予    刑法25条1項
(量刑の理由)
1  本件は,被告人cを含む被告会社等11社の従業者らが,鉄道・運輸機構が条件付一般競争入札の方法により発注する一連の本件融雪基地機械設備工事等について,予め受注予定業者を決め当該受注予定業者が受注できるよう協力する旨の入札談合を行って,一連の工事の受注に係る取引分野における競争を実質的に制限したという独占禁止法違反の事案である。北陸新幹線では,それまでの新幹線における雪害対策である消雪設備(軌道上のスプリンクラーから温水を軌道上に散水して降雪を融解するための設備)に加え,新たに軌道脇に設置し加温した不凍液を循環させる融雪パネル上に軌道上の雪をラッセル車等で除雪し融雪するための設備も設置されることとなり,本件融雪基地機械設備工事等が行われることになった。
2  本件入札談合の規模及び影響は大きい。本件融雪基地機械設備工事等は,国家的なプロジェクトである北陸新幹線建設工事の建設主体である鉄道・運輸機構が,同工事の一環として発注した公共性の高い事業であり,談合による落札額が合計174億7000万円に上る大規模公共工事である上,前記のとおり,新幹線に初めて融雪パネルを用いた新技術を採用するものであり,冷暖房や空調,給排水設備工事等の関連する設備工事を手掛ける被告会社等の管工事業界の事業者が,強い関心を示すものであった。このような事業について,管工事業界の年間工事高の上位を占める大手事業者の多くが参加して入札談合が行われたこと自体,公正かつ自由な競争を阻害する程度ははなはだしく,その社会経済に対する影響は大きい。
管工事業界では,長年にわたり各事業者の担当従業者による談合が行われていたところ,平成18年に防衛施設庁の談合事件が発覚し,関与した事業者及び従業者が,刑事処分や捜査を受けたため,各事業者の担当従業者が集まっての談合等を控えていたが,個別の事業者間の折衝を通じて,前施工業者の優先等の様々な慣行に基づき,入札の受注業者を予め調整することが続けられていた。そのような背景のもと,本件では,被告会社とA社,B社の幹事社3社の担当従業者が,条件付き指名競争入札に応じる可能性があると思われる8社の担当従業者から受注希望を聴取し,受注順序に関する事務局案を作成した上で,被告会社等11社の担当従業者が一堂に会して,この事務局案を前提に協議し,受注本命業者の順序等について基本合意を形成し,その後,相互に連絡を取り合い,受注本命業者が落札できるような入札価格で入札を行うなどの形で,基本合意が遂行された。その態様は,過去の談合事件に対する反省を無視した大胆で悪質なものである。また,この経緯からは,被告会社及び被告人cを含む管工事業界における公正で自由な競争に関する意識の低さが明らかであって,強い非難に値する。
3  被告人cは,幹事社の担当従業者として,A社のa,B社のbと共に,主体的かつ積極的に,本件談合成立に不可欠な役割を果たした。すなわち,本件は,B社のbが被告人c,aに声をかけて受注調整を試みることになり,3名は本件融雪基地機械設備工事等について談合をすることが可能かを検討するため会合を重ね,その中で,同被告人は,消融雪基地の名称と所在地などの情報を整理し,基地数や所在地から発注される工事数を予想してa,bに伝え,3名で入札に応じる可能性がある事業者を予想して,それらの事業者に対して分担して受注意欲及び受注希望工事を聴取し,予想工事数と照らし合わせた結果,談合が可能であると判断し,受注順序に関する事務局案を作成した上で,入札予定事業者の担当従業者らに会合への参加を呼びかけた。この基本合意が締結された会合においても,被告人cは自ら作成した発注が予想される工事の一覧表を資料として他社の担当従業員に配布して説明をするなど,積極的に幹事社としての役割を果たしている。また,基本合意後も,被告人cは,自己が担当する事業者について事業者間の連絡調整を行ったほか,平成24年3月上旬に本件談合を告発する投書があった際には,鉄道・運輸機構のヒヤリングを受けながら談合を否定する旨の虚偽の事実を述べて発覚を免れた。しかも,前記告発を契機に,被告人cは,上司から北陸新幹線は止めようという指示を受け,その後は受注を断念し,その方針をa,bに伝えながらも,その後も幹事社の従業者として連絡調整を続け,談合発覚を免れるための受注予定順序の変更や,受注本命業者となっていない事業者が工事の受注を希望した際の調整にも関与した。このように被告人cは,談合の成立とその遂行に関し,幹事社の従業者として終始主体的かつ積極的に関与したのであって,その果たした役割の重要性に照らせば,同被告人はもとより,被告会社も強い非難に値する。
4(1)  被告会社の弁護人は,被告会社には本件融雪基地機械設備工事等について受注意欲がなく,被告人cが被告会社の他の従業者と本件談合について共謀した事実もなかったのであり,被告会社には談合する意思も談合が成立して相互拘束が生じているという認識もなかったのであるから,被告会社は,同被告人が行った逸脱行為について,選任上の過失に基づき本件について責任を負うのみである旨主張する。そして,これに関し,被告人cも,公判廷において,被告会社は,平成23年8月末の時点で,本件融雪基地機械設備工事等についての受注意欲を失ったが,同年9月に行われた基本合意の会合には,情報収集のため出席し,本件談合に加わったにすぎない,基本合意で被告会社の受注予定順序が9番目と決まったが,被告会社には受注意欲がなかったため,同被告人は後で辞退しようと考えており,受注調整していることも,基本合意で決まった受注予定順序についても,被告会社の他の従業者には伝えることはなかった旨,被告会社の主張に沿う供述をしている。
これに対し,被告人cは,捜査段階において,本件融雪基地機械設備工事等について,被告会社としては,施行実績のためには是非受注したいものの,十分な情報収集と収益性の検討を行い,その結果によって応札するか否かを判断する方針であったこと,本件の基本合意については,被告会社が本命受注業者となった工事を担当すると思われる名古屋支店のi営業部長,同被告人と共に営業推進部副主幹として官庁工事の営業支援業務を担当し,北陸新幹線消融雪基地機械設備工事の情報収集等に当たっていたjに,同業者間で受注予定者を決め,被告会社が9番目となった旨を伝えたこと,平成24年3月上旬頃に談合を告発する投書があったため,被告会社は本件融雪基地機械設備工事等から手を引くことになったことなどを供述している。
(2) そこで検討すると,確かに,証拠上,被告会社については,他社と比較して,本件融雪基地機械設備工事等についての受注方針が明確でなかった面がある。しかし,基本合意に先立つ平成23年8月11日の被告会社の受注案件審議会において,都市施設事業部長が,融雪基地機械設備工事に関し,今までの散水方式と異なったパネル方式であるが,経験・実績の為にも1箇所は手がけたい旨発言していること(a114 添付資料2,b4),被告人c及びjは,平成24年1月から2月上旬にかけて,次期の計画を立てるため,融雪設備工事の実施設計を担当した設計事務所を訪れるなどの本件融雪基地機械設備工事等に関する情報収集及び検討や,名古屋支店との情報交換などを行い,営業部長を含む営業推進部内に報告していたこと(a115,b8),平成24年3月中旬に本件談合の告発があって初めて,同被告人が他の幹事社の担当従業者に受注を辞退する旨伝えたことなどからすると,被告会社が,談合を告発する文書があるまでは,本件融雪基地機械設備工事等について,その採算性を見極めた上で受注するか否かを決める方針で検討を続けていたことが強く推認されるのであり,これに関する同被告人の前記捜査段階の供述は,これらの事実と整合し,信用できる。また,そうであるからこそ,被告人cが,前記3で認定したとおり,本件談合の成立に向けて積極的な役割を果たしたと理解できるのであり,同被告人が,公判供述で述べるように,平成23年8月末の段階で被告会社が受注意欲を失っていたと認識しながら,基本合意のための会合においても幹事社の従業者として役割を果たすというのは,不自然というほかない。そして,これを前提とすれば,基本合意による被告会社の受注予定順序を,受注検討を効果的に行うとともに基本合意に反する方針とならないようにするために,関連する担当者に伝える必要があり,受注予定工事を担当する名古屋支店のi営業部長及び被告人cと共に北陸新幹線の融雪設備機械工事の情報収集にあたっていたjに対して,同業者との調整の結果被告会社の受注予定順序が9番目となった旨伝えたという同被告人の前記捜査段階の供述は,合理性かつ自然であって十分信用できる。これを否定する被告人cの公判供述は,供述を変遷させた理由が説得的でなく,信用性に乏しい。
(3)  このように,被告会社は,本件融雪基地機械設備工事等について入札に参加する方針を決めていなかったものの,採算性を踏まえてこれを検討しており,被告人cは,被告会社が入札に参加する方針になった場合に備え,順位を確保するために,幹事社の従業者として本件談合成立に向け尽力し,被告会社の他の従業者らにも基本合意の結果を伝えて共謀し,同人らは相互拘束の認識を有していたと認められる。
したがって,被告会社弁護人の前記主張は失当であり,被告会社は,従業者である被告人cが本件談合において果たした役割に応じた責任を負うべきである。
ただし,被告会社は,前記談合を告発する投書があった後に,本件融雪基地機械設備工事等の受注を断念し,結局入札しなかったため,談合による不正な利益も得ていないのであって,こうした点を考慮すると,被告会社の犯情は,幹事社以外の参加事業者より重いが,他の幹事社よりは軽く評価すべきである。
5  これに加え,本件談合が摘発された後,被告会社はコンプライアンス体制を一応再構築し,被告会社管理本部長が再発防止を誓っていること,官公庁及び地方自治体等から指名停止措置を受けていること,被告人cは自らが談合に参加したことは認めていることといった事情も考慮して,主文のとおりの刑を定めるのが相当であると判断した。
(求刑 被告会社につき罰金1億5000万円,被告人cにつき懲役1年6月)
(裁判長裁判官 稗田雅洋 裁判官 吉田静香 裁判官 山田明香)
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