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「営業支援」に関する裁判例(121)平成19年10月11日 東京地裁 平17(ワ)20488号 設計開発費用請求事件

「営業支援」に関する裁判例(121)平成19年10月11日 東京地裁 平17(ワ)20488号 設計開発費用請求事件

裁判年月日  平成19年10月11日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平17(ワ)20488号
事件名  設計開発費用請求事件
文献番号  2007WLJPCA10118007

事案の概要
◇原告が,被告に対し,被告から請負代金1050万円で請け負ったコンピュータソフトウェアの設計開発の請負残代金330万円及び請負代金1人月90万円で請け負ったコンピューターの旧システムのプログラムの変更等の請負残代金283万5000円並びにこれらに対する商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めたのに対し,被告が,コンピュータソフトウェアの開発設計請負契約について請負代金の合意,目的物の完成,引渡・提供を争い,プログラム変更等の請負契約については契約の内容,請負代金額を争うほか,予備的にコンピュータソフトウェアの開発設計請負契約を目的物の引渡がないとして債務不履行により解除し,既払金720万円の返還請求権とプログラム変更等の請負残代金請求権とを対当額で相殺すると主張して争う事案

裁判年月日  平成19年10月11日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平17(ワ)20488号
事件名  設計開発費用請求事件
文献番号  2007WLJPCA10118007

東京都品川区〈以下省略〉
原告 メディアサイト株式会社
上記代表者代表取締役 A
上記訴訟代理人弁護士 山﨑順一
同 内山裕史
東京都港区〈以下省略〉
被告 株式会社グリーンネット
上記代表者代表取締役 B
上記訴訟代理人弁護士 彦坂敏之

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,金613万5000円及びうち金330万円に対する平成16年7月15日から,うち金283万5000円に対する平成17年3月1日から,各支払ずみまで年6パーセントの割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は,被告の負担とする。
3  この判決は仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

1  請求
主文同旨
2  事案の概要
(1)  本件は,原告が,被告に対し,被告から請負代金1050万円で請け負ったコンピュータソフトウェアの設計開発の請負残代金330万円及び請負代金1人月90万円で請け負ったコンピューターの旧システムのプログラムの変更等の請負残代金283万5000円並びにこれらに対する商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めたのに対し,被告が,コンピュータソフトウェアの開発設計請負契約について請負代金の合意,目的物の完成,引渡・提供を争い,プログラム変更等の請負契約については契約の内容,請負代金額を争うほか,予備的にコンピュータソフトウェアの開発設計請負契約を目的物の引渡がないとして債務不履行により解除し,既払金720万円の返還請求権とプログラム変更等の請負残代金請求権とを対当額で相殺すると主張して争う事案である。
(2)  前提事実
以下の事実は当事者間に争いがないか証拠により容易に認められる事実である。
イ  原告は,映像フィルム,ビデオテープ等,各種映像物の編集・配信情報提供サービス並びに各種映像物のデータ管理・運用・配信・情報提供システムの代行及びコンサルテーション等を業とし,被告は,コンピューターのネットワークシステムの企画・開発及び販売等を業とする会社である。
ロ  被告は,企業,大学等へ特許情報を配信するために使用していた特許情報管理システムを刷新することを計画し,新システムのためのコンピュータソフトウェア「Eagle」(以下「イーグル」という。)の設計開発を原告に依頼することにした。ソフトウェア開発の一般的工程は,要求分析(要件定義)過程,外部設計過程,内部設計(詳細設計)過程,プログラム設計過程,プログラム過程,テスト過程であり,これに対応する成果物が,順次,要件定義書,基本仕様書,詳細設計書,プログラム設計書,プログラムデータであり,テスト過程を経て完成品となる。原告と被告は,平成15年4月ころから,イーグルの開発設計についての話し合いを始め,まず要求分析(要件定義)過程の設計開発について請負契約を締結し,原告は,同契約に基づく要件定義書を作成して被告に引き渡し,被告は同請負代金262万5000円を支払った。
ハ  原告と被告は,要求分析(要件定義)過程の設計開発の請負契約に引き続き,内部設計(詳細設計)過程の設計開発の請負契約を締結した(以下「第1請負契約」という。)。
ニ  原告は被告との間で,平成16年1月中旬ころ,特許庁が特許情報の提供方式をCD-ROM形式からDVD-ROM形式に変更するのに伴い,被告が使用していたCD-ROM形式による情報提供に対応する旧システムをDVD-ROM形式による情報提供に対応するものに変更するためのプログラムの設計開発を目的とする請負契約(以下「第2請負契約」という。)を締結した。
ホ  被告は,原告に対し,平成16年4月15日に300万円,同月20日に300万円を支払い,平成17年4月5日,原告は,被告から交付されていた額面合計120万円の2通の小切手の支払を受け,これらをいずれも第1請負契約の請負代金に充当した。
(3)  争点及び当事者の主張
イ  争点1
第1請負契約における請負代金額
(原告)
原告担当者C(以下「C」という。)は,平成16年1月中旬から同年2月中旬ころまでの間に,被告代表者B(以下「B」という。)に対し,詳細設計過程の工数を人月で合算すると1人月100万円で8人月分の約800万円となる旨説明し,加えて,詳細設計工程以降の工程について一部並行して行っている部分もあり,いずれは詳細設計費用以外の追加費用が発生することも見込まれるので,一部前払金を含めて第1請負契約の請負代金を1000万円としたい旨申し出たところ,Bはこれを了承した。そこで原告は,同年2月末日ころ,被告に対し1050万円の請求書を交付した。なお,前払金200万円については,その後,文書構造定義(DTD)及びデータベース作成作業に要した2人月分の費用に充てた。その後,Bは,同年4月に至り,前記1000万円の請負代金の支払のために額面1000万円の小切手を原告に交付し,1000万円の請負代金債務を承認している。
(被告)
被告は,イーグルの完成までには約8000万円の費用がかかるものと考え,詳細設計についてはその約1割程度が相当と考え,これを詳細設計の費用とすることを原告と合意した。そして,被告は,原告に対し,額面合計120万円の小切手を含め720万円を既に支払っており,被告はさらに額面1000万円の小切手を原告に交付しているから合計1720万円の支払をしている。
ロ  争点2
第1請負契約における詳細設計書の完成及び提供
(原告)
原告は,平成16年7月14日,原告本社会議室において,請負残代金の支払と引き換えに引き渡す旨告げてBの面前にバインダーに綴った完成した詳細設計書を提示する方法で提供した。
(被告)
詳細設計書の完成及びBに対し詳細設計書を提示したとの事実は否認する。要件定義を基に詳細設計書を作成するには,内容について綿密な打ち合わせが必要であるが,原告担当者のCと被告担当者のD(以下「D」という。)は数回打ち合わせをした程度であり,詳細設計書を完成させるに足りる打ち合わせを行っていないし,詳細設計書作成の途中で作成されるはずのドキュメントと称される記録もDに提示されていない。また,原告は,お金が貯まらない間は計画を進めないと被告に告げていたのであり,720万円の支払では不足すると考えた原告が詳細設計書の作成を進めていなかったことが強く推認される。したがって,詳細設計書は完成していなかったというべきであり,また,完成していたとしても技術面に疎いBに対し,ぱらぱらとめくって示す程度では提供があったとはいえない。
ハ  争点3
第2請負契約の内容及び請負代金額
(原告)
原告と被告は,平成16年1月中旬,請負代金は1人月90万円として算出することとし,納期及び請負代金支払時期を同年3月末ころと定めて第2請負契約を締結した。第2請負契約の内容は,被告の特許情報提供及び検索システムのDVD-ROM形式への対応作業(以下「DVD対応作業」という。)のほか,徳島大学へのパテントニュース(PN)配信サービス作業(以下「PN対応作業」という。),旧システムのバグ対応作業(以下「バグ対応作業」という。)も含まれていた。原告は,上記作業を同年4月上旬に完了した。被告は,DVD作業に対する請負代金として189万円を支払った。PN対応作業に2人月,バグ対応作業に1人月を要したが,被告は,その請負代金283万5000円の支払をしなかった。原告は,平成17年1月25日,被告に対し,同年2月28日までに支払うよう催告した。
(被告)
DVD対応作業についての請負契約の締結及び同作業に対する請負代金を支払ったことは認める。PN対応作業はC個人に依頼したものであり,原告には依頼していない。バグ対応作業は第2請負契約の内容とはなっていない。PN対応作業もしくはバグ対応作業については,被告に対する営業支援として無償で行われたものである。
ニ  争点4
相殺(予備的主張)の当否
(被告)
被告は,第1請負契約の目的物である詳細設計書のみならず,その前提となる基本設計書の引き渡しも受けていない。よって,債務不履行により第1請負契約を解除する。これにより,被告は原告に対し,第1請負契約の請負代金として支払った720万円の返還請求権を取得し,同債権と原告の第2請負契約に基づく請負残代金債権とを対当額で相殺する。
(原告)
前記のとおり,第1請負契約の目的物である詳細設計書は,請負残代金の支払と引き換えに引き渡す旨告げてBの面前に提示して提供した。基本設計書は,一部が既に要件定義書に盛り込まれており,残部については詳細設計書に盛り込まれている。したがって,基本設計書の引き渡しはしていないが,基本設計書につき債務不履行はない。
3  争点に対する判断
(1)  争点1(第1請負契約における請負代金額)について
イ  前記前提事実に証拠(甲3,4,7,9ないし13,15ないし18,19の1及び2,甲22ないし24,27,28,乙3ないし6,乙8,9,証人C,同D,原告代表者,被告代表者)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(イ) 被告は,登録会員に対し,インターネットを介して特許庁が配信する特許情報の検索・閲覧のサービスを提供する事業を行っていたが,平成14年から同15年にかけて従来使用していた特許情報配信システム(旧イーグル)を刷新し,新システム(イーグル)の導入を計画した。被告担当者Dは,従前被告会社に勤務して旧イーグルの制作に関与したことがあり,当時原告の技術担当取締役に就任していたCにイーグルの開発を依頼することにした。ソフトウェアの開発は,通常,要求分析(要件定義),外部設計,内部設計(詳細設計),プログラム設計,プログラム,テストの各過程を経て完成され,各過程において,順次,要件定義書,基本仕様書,詳細設計書,プログラム設計書,プログラムデータが作成され,テストを経て完成品に至る。原告と被告は,平成15年4月ころから,イーグルの開発の検討を始め,同年9月ころ,要求分析につき請負契約を締結し,原告は平成16年1月ころ要件定義書を完成し,被告に引き渡した。被告は,同請負契約の請負代金として,平成15年11月28日に105万円,同16年1月30日に157万5000円を支払った。
(ロ) 原告と被告は,要件定義書がほぼ完成していた平成15年12月下旬ころ,納期及び代金支払期限を平成16年3月末日ころと定めて内部設計(詳細設計)についての第1請負契約を締結した。外部設計については,一部が既に要件定義に含まれ,残部については詳細設計書に盛り込まれる予定であったため,同過程についての請負契約は個別に締結されることはなかった。平成16年1月中旬から同年2月中旬ころまでに実施された開発会議において,Cは,Bに対し,第1請負契約の費用として1人月100万円で約8人月,約800万円を要し,同年1月9日以降既に詳細設計以降の過程に含まれる文書構造定義(DTD)及びデータベース作成作業に着手している部分があり,プログラム作成にかかる費用が発生することが確実となっていたため,前記詳細設計費用に加えて着手ずみのプログラム作業工程にかかる費用200万円を前払金として加えた1000万円を第1請負契約の請負代金とすることを申し出,Bもこれを了承した。これを受けて,原告は,被告に対し,同年1月30日ころ同日付の「EAGLE詳細設計及び開発着手一時金」1050万円の見積書を,同年2月28日ころ同日付で同額の請求書を交付した。
(ハ) 原告代表者A(以下「A」という。)は,平成16年3月31日が経過しても,被告から第1請負契約の代金の支払がなかったことから,同年4月2日に被告会社を訪問し,Bに対し同契約の請負代金1050万円の支払を求めた。これに対し,Bは,依頼していた融資が遅れたので同月7日まで支払を猶予するよう求め,被告振出の額面1000万円の小切手をAに交付した。しかし,同月7日が経過しても被告からの支払がなかったため,Aは,同月13日に再度被告会社を訪問し,Bに白地となっていた前記小切手の振出日欄の補充を求め,Bは「平成16年4月15日」と振出日を補充した。しかし,同月14日,Bは,Aに対し,同月15日及び同月20日に各400万円を支払う,前払金200万円については着手していないから支払わないと連絡してきた。Aは,同日,前払金の対象となっていた作業については既に着手ずみであることを書面で連絡した。Bは,翌15日,現金300万円を原告会社に持参して支払ったうえ,第1請負契約の請負残代金については同月19日か20日に500万円を支払い,前払金200万円については,同月末もしくは5月の連休明けに支払うと説明した。被告は,同月20日に300万円を支払ったが,前払金200万円については支払をしていない。そこで,Aは,同年5月21日に被告会社を訪問し,Bに対し,同金員の支払と後記第2請負契約にかかる請負代金についての支払を求めた。これに対し,Bは,現金がないので,翌週の月曜日には450万円を支払うから,同金員と小切手を差し替えて欲しいといって被告振出の額面85万円及び35万円の小切手をAに交付した。
(ニ) Aは,その後も被告から前記450万円の支払がなかったことから,平成16年7月14日,Bを原告会社に呼び,取締役全員が出席の上,バインダーに綴った詳細設計書をBの面前に提示し,450万円の支払と引き換えに詳細設計書を引き渡す旨告げた。なお,第1請負契約では,詳細設計書の完成引き渡しは,平成16年3月末日ころとされていたが,平成16年1月中旬ころ,後記の第2請負契約が締結され,同契約による作業が急がれたことから,詳細設計書の完成は当初の予定より遅れていた。その後も,被告からの同金員の支払はなく,原告は,平成17年4月5日に至り,前記額面合計120万円の小切手2通を取立に回し,120万円の支払を受けた。
ロ  以上認定した事実によると,第1請負契約締結後,CからBに対し,詳細設計に必要な費用は約800万円であり,既に詳細設計以降のプログラム過程の作業に着手しているため,同費用の発生が確実であるので,同作業の費用の前払金として200万円を第1請負契約の請負代金に加算する旨説明したこと,これに基づき,被告に対し,平成16年1月30日ころに,「詳細設計及び開発一時金」として1050万円の見積書が,同年2月末ころ,同額の請求書が被告に交付されていること,第1請負契約の請負代金の支払期限である同年3月末日が経過した後,Aからの同請負代金の請求を受けたBは,1000万を支払うことを約束したうえ,同支払のために被告振出の額面1000万円の小切手をAに交付して同請負代金の支払の猶予を求めたこと,Bは,その後,一旦は,前払金200万円については未だ作業に着手していないから支払わないと申し出たが,その後既に作業に着手ずみであるとのAからの説明を了承し,200万円についても同年4月末もしくは5月の連休明けには支払うと約束したことが認められ,これらの事実によれば,原告から申出のあった第1請負契約の請負代金1050万円については,被告において前払金相当分について異議があったものの,最終的には,原告の申出額どおり第1請負契約の請負代金を1050万円とすることを承諾したものと認めるのが相当である。上記認定に反するB及びDの供述は(乙8,9,被告代表者,証人D)採用できず,他に上記認定を覆すに足りる証拠はない。
(2)  争点2(第1請負契約における詳細設計書の完成及び提供)について
イ  前記争点1のイで認定したとおり,第1請負契約にかかる詳細設計書は,平成16年1月中旬ころに締結した後記第2請負契約の業務が急がれたことから,当初予定されていた平成16年3月末日ころには完成していなかったが,遅くとも,平成16年7月14日にBを原告会社に呼び,原告の全取締役出席の下,バインダーに綴った詳細設計書をBの面前に提示して第1請負契約の残代金の支払を求めた時点においては完成していたと認められる。
被告は,詳細設計には注文者との綿密な打ち合わせが必要であるにもかかわらず,原告は被告の担当者であったDと二,三回しか打ち合わせを行っていないし,詳細設計書がBに提示された際にも,ぱらぱらとめくって示された程度であったことなどから,詳細設計書は完成していなかったと主張し,D及びBはこれに沿う供述をする(乙8,9,証人D,被告代表者)が,それらの供述は,単に詳細設計書の内容を確認していないというにとどまり,同内容の確認ができないままとなったのは,被告が第1請負契約の請負残代金の支払を遅滞していたからであることに加え,前記争点1のイで認定した詳細設計がBに提示されるまでの経緯,Cは旧イーグルの制作にも携わり,Dもその技術を高く評価していたことなどの事情に照らすと,B及びDの供述は採用できず,他に前記認定を覆すに足りる証拠はない。
前記争点1のイで認定した事実によれば,被告が,第1請負契約の請負残代金の支払を再三にわたり怠ったため,Bを原告会社に呼び,原告の全取締役出席の下,バインダーに綴った詳細設計書をBの面前に提示して,請負残代金の支払と引き換えに詳細設計書を引き渡す旨告げたことが認められ,これによって請負契約の目的物である詳細設計書の提供(弁済の提供)があったと認めるのが相当である。被告は,技術者でもないBに提示したとしても詳細設計書が完成しているかどうかもわからず,弁済の提供にはあたらないと主張するが,詳細設計書が完成していたことは,前記認定のとおりであり,被告は,第1請負契約の請負残代金の支払をすればそれと引き換えに詳細設計書の引渡しを受け,その内容を確認できたにもかかわらず,前記のとおり請負残代金の支払を再三遅滞してその機会を得ないままになっていたところ,結局,原告がBを原告会社に呼び,前記のような詳細設計の提示となったのであるから,技術者でないBが詳細設計書の内容を確認することが事実上できなかったとしても,Bに対する前記詳細設計書の提示をもって弁済の提供があったと認めるのが相当であって,前記被告の主張は理由がない。
(3)  争点3(第2請負契約の内容及び請負代金額)
イ  前記前提事実に証拠(甲4ないし6,9,10,15,16,19の1及び2,甲24,25及び26の各1及び2,証人C,同D,原告代表者,被告代表者)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(イ) 原告は,被告と第1請負契約締結後,同作業に取りかかっていたが,平成16年1月中旬ころから,DVD対応作業のほかPN対応作業及びバグ対応作業の依頼を受けた。被告は,同15年12月当時,徳島大学から特許情報の配信サービスの依頼を受けており,同大学向けの特許情報の配信サービスの運用のためにはコンピューター上の各種設定を行う必要があり,上記各対応作業を行う必要があった。原告は,同16年1月中旬以降,PN対応作業に着手して同年2月下旬ころ同作業を完了し,その間に発生したバグに対する対応作業は,同年1月中旬ころに被告から依頼があり,同年2月下旬ころには同作業を完了した。また,DVD対応作業については同年4月初旬に完了した。これにより,被告は,徳島大学に対する特許情報の配信サービスを開始した。
(ロ) 原告は,前記各作業等につき1人月70万円から80万円で外注に出していたため,DVD対応作業には1人月90万円で2人月要したとして,被告に対し消費税分を加えた189万円の請求をし,被告は同金員を支払った。原告は,PN対応作業には2人月,バグ対応作業には1人月要した。Aは,平成16年5月21日ころ,同日付け文書で,3人月分の工数が発生している旨連絡した。その後原告は,1人月90万円として前記各作業に対する請負代金として消費税分を含む283万5000円を,第1請負契約の請負残代金と共に被告に請求した。しかし,被告からの支払がなく,原告は,平成17年1月25日ころ,支払期限を同年2月28日とする同日付の283万5000円の請求書を被告に送付した。なお,同請求書には「EAGLE詳細設計残作業費用」と記載されているが,当時の第1契約にかかる詳細設計についての請負残代金は,450万円から額面合計120万円の小切手の支払を受けて330万円となっており,他には,第2請負契約にかかるPN対応作業及びバグ対応作業の請負代金の支払が残るのみとなっていたのであるから,被告においても同請求書が前記各対応作業の請負代金の請求書として理解できたものと推測され,同請求書によって,前記各請負代金の支払の催告があったと認めるのが相当である。
ロ  以上認定した事実によれば,被告は,第1請負契約締結後,徳島大学への特許情報配信サービス開始のため,原告に対しDVD対応作業を依頼したほか同配信サービス開始のため必要であったPN対応作業も依頼し,その間に発生したバグ対応作業も依頼したことが認められ,第2請負契約には,DVD対応作業のほかPN対応作業及びバグ対応作業もその内容となったと認めるのが相当である。
被告は,PN対応作業は,C個人に対する依頼であった旨主張し,Dはそれに沿う供述をするが,同作業には原告従業員Eも関与して行われたことが認められ(甲26の1),また,同作業のほか,第2請負契約の各作業が第1請負契約の作業開始後,追加割込作業として加わったため,第1請負契約の作業が遅れ,詳細設計書の完成も当初予定時期から遅れたことは前記認定のとおりであり,その旨Aから被告に対し文書(甲4,10)で説明していたこと,当時Cは原告技術担当取締役であったことなどの事実に照らすと,前記Dの供述は措信できず,他に前記認定を覆すに足りる証拠はない。
また,原告は,PN対応作業及びバグ対応作業に対する請負代金額を1人月90万円として算出するとの合意があったと主張し,Cもこれに沿う供述(甲16,証人C)をし,Bもそれを認めていたとの記載のある役員会議の議事録(甲19の1及び2)を提出するが,他に客観的に同合意を裏付ける証拠はなく,それらの証拠のみでは前記合意があったと認めるに足りない。しかしながら,第2請負契約中のDVD対応作業については,被告は,原告の請求に従い,1人月90万円として2人月分に相当する189万円を支払っていることからすると,同契約にかかるPN対応作業及びバグ対応作業においても同程度の請負金額となることは被告において推測できるところであり,原告において前記認定のとおり外注費として1人月70万円から80万円を支払っていたことに照らすと,1人月90万円としてPN対応作業及びバグ対応作業にかかる請負代金額を算出することもあながち不合理とはいえず,第2請負契約の請負残代金はPN対応作業2人月及びバグ対応作業1人月合計3人月分として消費税分を加えた283万5000円であると認めるのが相当である。なお,被告は,Aが被告宛に作成した書面(甲4)に,第2請負契約にかかる作業につき「被告に対する営業支援という意味合いで行ったことをご理解ください。」と記載されていることから,第2請負契約にかかる作業は無償であったと主張するが,そのように主張する被告自身,第2請負契約に含まれることに争いがないDVD対応作業についての請負代金の支払をしており,前記記載のみで第2請負契約にかかる作業が無償であったと認めることはできない。
(4)  争点4(相殺(予備的主張)の当否)について
被告の相殺の主張は,第1請負契約の詳細設計書の引渡しがないことを前提とする主張であり,前記争点1において述べたとおり,原告は完成した詳細設計書をBに対し提示し,弁済の提供をしたのであり,被告の前記主張は前提において既に理由がない。
4  以上によれば,本訴請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。
(裁判官 飯田恭示)

 

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