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「営業アウトソーシング」に関する裁判例(98)平成21年10月 6日 東京地裁 平20(ワ)6443号 入会金返還等請求事件

「営業アウトソーシング」に関する裁判例(98)平成21年10月 6日 東京地裁 平20(ワ)6443号 入会金返還等請求事件

裁判年月日  平成21年10月 6日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)6443号
事件名  入会金返還等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA10068005

要旨
◆被告との間で、旅行会員権契約を締結して入会金等を支払った原告が、同契約は詐欺によるものであったなどと主張し、再生手続が開始された被告に対して再生債権(入会金の返還請求権等)の確定を求め、被告から事業譲渡を受けた訴訟引受人に対して入会金の返還等を求めた事案において、被告は、同契約締結時にはすでに経営状態が悪化し、被告従業員が原告に対して告げた全国124か所の直営施設等に優先的に宿泊できるといった状況ではなかった等の事実を認定し、消費者契約法4条1項1号による取消しを認め、他方、訴訟引受人が被告の債務を引き継がないことが事業譲渡において明示されているとして、被告に対する請求のみを認容した事例

参照条文
消費者契約法4条1項1号
会社法23条1項

裁判年月日  平成21年10月 6日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)6443号
事件名  入会金返還等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2009WLJPCA10068005

神奈川県相模原市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 江上千惠子
東京都新宿区〈以下省略〉
(商業登記簿上の本店所在地 東京都新宿区〈以下省略〉)
被告 株式会社 パルアクティブ
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 田邊勝己
同 寺島哲
同 世利英之
東京都豊島区〈以下省略〉
訴訟引受人 アムス・インターナショナル株式会社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 和田衛
同 市村英彦

 

 

主文

1  原告が被告(再生債務者株式会社パルアクティブ)に対し,東京地方裁判所平成20年(再)第112号再生手続開始申立事件において202万3350円の再生債権を有することを確定する。
2  原告の訴訟引受人に対する請求を棄却する。
3  訴訟費用は,原告と被告との間においては,被告の負担とし,原告と訴訟引受人との間においては原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告に対する請求
主文1項と同旨
2  訴訟引受人に対する請求
訴訟引受人は,原告に対し,232万3350円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,被告との間で,いわゆる旅行会員権契約である「四季の旅プレミアム会員契約」(被告が,会員に対し,被告が運営する日本全国の宿泊施設に安い料金で宿泊することができるというサービス等を提供する契約)を締結し,被告に入会金等202万3350円を支払った原告が,上記契約は,被告の従業員の詐欺等によるものであったと主張し,これを取り消して,支払った入会金等の返還等を請求し,また,上記詐欺等の不法行為に基づく損害賠償として,上記支払額及び本件弁護士費用相当額を請求した事案であったところ,被告について再生手続が開始したため,再生債権の確定と,被告が訴訟引受人に対して事業譲渡をしたため,訴訟引受人に対し,上記入会金の返還等の請求をした事案である。
2  前提となる事実(争いのない事実,証拠及び弁論の全趣旨から容易に認められる事実〔認定にかかる証拠等は各項目末に掲記〕)
(1)  当事者
ア 原告
原告は,65歳の女性であり,平成19年7月8日,被告との間で,下記(2)のとおり,四季の旅プレミアム会員契約を締結した。(甲7,11,12の1,弁論の全趣旨)
イ 被告
被告は,会員制リゾート施設の運営及び会員募集を主な業とする会社であり,当庁に民事再生手続開始の申立てをし,平成20年5月19日,再生手続開始決定を受けた。(丙1,弁論の全趣旨)
ウ 訴訟引受人
訴訟引受人は,再生手続開始決定を受けた被告から再生裁判所の許可を得て事業譲渡を受けた者である。(丙1,弁論の全趣旨)
(2)  原告と被告の契約の締結と原告の入会金等の振込み
ア 原告が雑誌に掲載された被告の「四季の旅プレミアム」と題する広告を見て資料を提供したところ,平成19年7月8日,被告の営業担当者C(以下,「C」という。)が原告を訪問した。原告は,同日,Cの説明を聞き,持参した資料を見て,被告との間で,年間18泊優先的に被告の直営施設・特別室に宿泊でき,入会金が199万5000円のタイプの契約(プレミアム18)を締結し(以下,この契約を「本件入会契約」という。),被告に対し,入会金10万円を支払った。(甲1ないし8,11,13,16,原告本人)
イ 原告は,同月10日,被告に対し,入会金残額及び平成19年7月から平成20年8月までの会費分の合計192万3350円を支払った。(甲7,10,11)
(3)  原告の取消しの意思表示
原告は,本件訴状をもって,被告に対し,本件契約の取消しの意思表示をし,平成20年3月21日,本件訴状が被告に送達された。
(4)  被告の民事再生手続開始と原告の債権届出
被告は,上記(1)イのとおり,当庁に再生手続開始の申立てをし,平成20年5月19日,再生手続開始決定を受けた。原告は,202万3350円について債権届出をしたところ,被告は,38万円を認め,164万3350円について,利用権評価額を超えることを理由として異議を述べた。(丙1,2,弁論の全趣旨)
(5)  被告と訴訟引受人との事業譲渡契約
被告と訴訟引受人は,上記再生手続開始決定の後,事業譲渡契約の締結を計画し,被告が,同年10月6日,当庁に許可申請し,同年11月6日,許可された(以下,「本件事業譲渡契約」という。)。(丙1,2,弁論の全趣旨)
3  争点及び当事者の主張
(1)  被告による詐欺行為,消費者契約法4条所定の不実告知・不利益事実の不告知の存否
(原告の主張)
被告は,平成19年ころには経営が傾いており,宿泊施設の維持が難しい状態にあり,会員による宿泊施設の利用が難しい状態であったにもかかわらず,雑誌等上で,会員は,1泊1050円で,全国123か所の直営施設はもとより,全国30か所の通常の宿泊料金が1泊2,3万円位の特別室「プレミアムルーム」を利用することができるという広告をした上,営業担当者Cをして,原告に対し,「年間決められた泊数について,プレミアム会員は,全国30か所にあるプレミアムルームを優先的に利用でき,全国123か所の直営施設があるので,四季を通じて,いつでも,行きたいところへ,1050円という安い金額で利用できる。」という説明をし,その旨誤信させて,原告に本件入会契約の締結を決意させたものであるので,原告は,詐欺,又は,消費者契約法4条所定の不実告知・不利益事実の不告知により,本件入会契約を取り消すことができる。
(被告の認否)
被告がプレミアム会員権について1泊1050円で利用できる,全国123か所の直営施設及び30か所の特別室を利用できる旨広告していたこと,原告と被告が本件入会契約を締結したことは認め,その余は争う。
(2)  被告による不法行為の成否
(原告の主張)
被告は,経営が傾いており,宿泊施設の維持が難しい状態にあり,会員による宿泊施設の利用が難しい状態であったにもかかわらず,さらに多数の会員を加入させて会員権代金を詐取する目的で,平成19年7月ころ,雑誌,新聞等へ「プレミアム会員になると,全国30か所の特別室を1泊1050円という格安の金額で年間指定された泊数,自由に宿泊できる」という趣旨の広告を大々的にし,被告営業マンにも積極的に勧誘して,会員を多数集めるように指示した。原告は,被告の広告と営業マンCによる説明,「プレミアム会員18会員権はプレミアムルームを年間18泊優先的に利用でき,全国に123か所も直営施設があるので,四季を通じて,いつでも,行きたいところへ,1泊1050円で利用できる。入会金を払っても,すぐに元が取れる。」との説明を信用して,プレミアム18会員権を購入し,202万3350円を支払った。しかし,上記広告も説明も虚偽であり,入会直後から,プレミアムルームの優先的利用はできず,2回だけやっと利用した施設はお粗末な内容であり,2度と利用したくない施設であった。したがって,被告は,営業マンを通じて,悪意により,本件会員権を販売したものであり,原告に対し,不法行為による損害を賠償する義務を負う(なお,(1)とは選択的主張)。
(被告の認否)
被告がプレミアム会員権について1泊1050円で利用できる,全国123か所の直営施設及び30か所の特別室を利用できる旨広告していたこと,原告と被告が本件入会契約を締結したことは認め,その余は争う。
(3)  訴訟引受人に対する請求の可否
(原告の主張)
訴訟引受人は,平成20年11月6日,被告から,20億円で事業譲渡を受けた。被告から会員及び債権者に送付された文書によれば,平成21年1月31日までに「移行選択をしない旨の意思表示をした」会員以外は,訴訟引受人の会員として移行することになっている。したがって「移行選択をしない旨の意思表示をしていない」原告の地位は,当然に訴訟引受人の会員として移行することになるので,原告の地位は事業譲渡により,被告から訴訟引受人に対し移転するのであり,原告は,その地位に伴う請求権に基づく請求を訴訟引受人に対してすることができる。
(訴訟引受人の主張)
本件事業譲渡契約は,第6条として「譲渡の対象となる財産及び負債不承継」の条項を置き,事業譲渡目的物を同契約書別紙資産目録の資産に限り,「乙(被告)は,甲(訴訟引受人)の負債を一切引き継がないものとする。」と明確に規定している。また,同事業譲渡契約書12条において,被告の会員は,被告が新設するアムス倶楽部プラチナ会員に移行することができると規定しているが,この処遇に関する定めは,被告の会員は,被告が会員事業として新規に募集するアムス倶楽部プラチナ会員に,原則として第12条2項の内容で移行することができること,すなわち,その条項の条件で被告の会員が移行を申し出てきた場合に,被告がその内容で被告の会員を受け入れることを合意したものである。訴訟引受人がその内容で被告の会員を受け入れることを合意したものである。訴訟引受人が被告会員の被告に対する入会金や会員等の債権を引き受けたものではない。
第3  争点に対する判断
1  争点(1)(被告による詐欺行為,消費者契約法4条所定の不実告知・不利益事実の不告知の存否)について
(1)  前提事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる(認定にかかる証拠等は各項目末に掲記)。
ア 被告は,JALカード会員に送付される雑誌「Agora」に,「全国に広がる特別室(プレミアムルーム)で「極上の休日」を…パルアクティブ全国123ヶ所の直営施設の利用はもとより全国より厳選した30ヶ所のリゾート施設平均60m2の特別室「プレミアムルーム」を占有利用できる会員制リゾートクラブ「四季の旅プレミアム」が誕生しました。…「四季の旅プレミアム」の会員なら,このような極上の空間を,お得な価格で利用することができます。通常2~3万円の特別室が1泊1050円で宿泊することができるのです。最初に支払う入会金や年会費を含めても,夫婦2人で年に12回宿泊すれば,約3年半~4年で元がとれてしまいます。」との広告を掲載した。原告は,この広告を見て興味を感じ,被告に資料を請求した。(甲1の1,甲16,原告本人)
イ 被告から資料が送付され,被告の営業担当者Cから,原告宅に「本日たまたま近くに来たので,自宅へお伺いしてご挨拶したい。」という電話があった。
Cは,平成19年7月8日,原告方を訪れ,「プレミアム会員権はプレミアムルームを優先的に利用できるし,全国123か所も直営施設があるので,四季を通じて,いつでも,行きたいところへ,安い金額で利用でき,入会金を支払っても,すぐに元がとれるとの説明があり,また,日本全国に高級な施設があり,食事代金は別であるが,特にプレミアムルームを安い宿泊料で宿泊できる,宿泊数もプレミアム18では,プレミアムルームに年間18泊宿泊ができるので,利用価値が高い,18泊までなら好きなときに利用できます」と説明し,絶対に満足できる素晴らしいホテルであると強調し,原告を勧誘した。原告は,Cの説明と被告の資料を見て,家族や友人と年に18泊位,日本全国のホテルに安く宿泊して楽しむことができれば,入会金を一時的に支払っても損はないと考え,被告の「四季の旅プレミアム,会員プランプレミアム18」に入会することを決め,入会申込書を作成してCに渡し,本件入会契約を締結し,入会金の一部として10万円を支払った。(甲7,8,16,原告本人)
さらに,原告は,同月10日,被告に入会金等の残りとして192万3350円を支払った。(前提事実)
ウ 原告は,本件入会契約締結後,直営施設を利用しようとしたが,休日は,予約でいっぱいで優先利用することができず,契約内容に疑問を感じ,Cに電話をすると,2か所の直営施設の利用をすることができたが,いずれも特別室ではなく,また,掃除が行き届かないなどサービスも満足いくものではなかった。旅行後,原告がCに苦情の電話をすると被告の経営状態が悪化していることを告げられた。(甲16,原告本人)
エ 被告は,平成20年1月,会員に対し,経営(本社,支店組織・ホテル)のスリム化を推進し,社内業務の効率ならびに再建を進めるため,コンドミニアム営業の一時停止(多くのコンドミニアムが停止していること),直営施設(保養所)の縮小,本社の移転(縮小,人員削減)大阪支店の閉鎖,予約センターのアウトソーシング,不採算施設の閉鎖と提携施設増設等の経営のスリム化を断行していること,今まで多くの健康保険組合等の保養施設を運営してきたが,どの施設も採算がとれず,経営圧迫の一因となっており,多くの保養施設を閉鎖していること等記した「お詫びとお知らせ」と題する書面を送付した。(甲14の1)
(2)  上記認定のとおり,本件入会契約においては,全国123か所の直営施設や30か所の特別室に,年間18泊優先的に宿泊できることが重要な事項であり,被告は,営業担当者Cをして,原告にこれを告げて,原告を勧誘したものであるが,原告が本件契約直後に直営施設等の利用ができなかったこと,本件入会契約締結のわずか7か月後に経営のスリム化が必要で,直営施設の縮小等を公表していることに照らすと,被告は,本件入会契約時には既に,経営状態が悪化し,直営施設の閉鎖が進められ,Cが告げた全国123か所の直営施設や30か所の特別室に優先的に宿泊できるといった状況ではなかったと認めることができる。とすると,原告は,被告が本件入会契約締結について勧誘するに際し,重要事項について事実と異なることを告げたことにより,その旨誤信し,本件入会契約の申込みをしたと認めることができ,本件入会契約を消費者契約法4条1項1号により,取り消すことができるというべきである。
原告は,被告に対し,平成20年3月21日,被告に対し,本件訴状送達をもって,本件入会契約の取消しの意思表示をした(前提事実)ので,本件入会契約は始めに遡って無効となり,払い込んだ202万3350円の不当利得返還請求権を有することになる。
2  争点(3)(訴訟引受人に対する請求の可否)について
上記のとおり,原告が被告に対して平成20年3月21日に本件入会契約の取消しの意思表示をしたことによって,本件入会契約は始めに遡って無効となり,原告は,被告に対して不当利得返還請求権を有することとなった。そして,訴訟引受人は,被告が平成20年5月19日に再生手続開始決定を受けた後,被告との間で本件事業譲渡契約を締結したものである(前提事実)。ところが,本件事業譲渡契約において,訴訟引受人が被告の債務を一切引き継がないことが明示されている(丙1〔事業譲渡許可申請書〕の「事業譲渡契約書」6条(譲渡の対象となる財産及び負債の不承継)2項)ので,上記原告に対する不当利得返還債務は,訴訟引受人に承継されず,原告は,訴訟引受人に対し,上記不当利得返還請求をできないものというべきである(不法行為に基づく損害賠償請求についても同様である。)。
第4  結論
以上の次第で,原告の被告に対する請求は理由があるからこれを認容し,訴訟引受人に対する請求は,理由がないからこれを棄却し,主文のとおり判決する。
(裁判官 坂田千絵)

 

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