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「営業会社 成功報酬」に関する裁判例(6)平成30年10月30日 東京地裁 平30(ワ)12282号 損害賠償請求事件

「営業会社 成功報酬」に関する裁判例(6)平成30年10月30日 東京地裁 平30(ワ)12282号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成30年10月30日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平30(ワ)12282号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA10308014

裁判年月日  平成30年10月30日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平30(ワ)12282号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA10308014

東京都葛飾区〈以下省略〉
原告 甲山X1
東京都羽村市〈以下省略〉
原告 乙川X2
上記2名訴訟代理人弁護士 野口明男
同 新美智彬
東京都東大和市〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 宮﨑浩之

 

 

主文

1  被告は,原告甲山X1に対し,11万円及びこれに対する平成29年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告は,原告乙川X2に対し,23万円及びこれに対する平成29年12月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4  訴訟費用は,これを20分し,その6を原告甲山X1の,その11を原告乙川X2の各負担とし,その余を被告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は,原告甲山X1に対し,66万円及びこれに対する平成29年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告は,原告乙川X2に対し,137万2800円及びこれに対する平成29年12月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  訴訟費用は被告の負担とする。
第2  事案の概要
1  事案の要旨
本件は,原告らが,被告に対し,①被告が,インターネット上の掲示板サイト「5ちゃんねる」(以下「本件サイト」という。)に別紙投稿記事目録記載の各記事(以下,これらの記事を同目録の番号順に「本件記事1」などといい,まとめていう場合には「本件投稿記事」という。)を投稿したところ,②本件記事1及び2がいずれも原告甲山X1(以下「原告X1」という。)の名誉を毀損するものであり,③本件記事3が,原告乙川X2(以下「原告X2」という。)の名誉を毀損し,また,同人の名誉感情を侵害するものであることから,原告らに対する不法行為が成立し,④これによって,原告らが損害を被ったとして,不法行為に基づき,原告X1について,損害合計66万円及びこれに対する本件記事2の投稿日である平成29年12月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の,原告X2について,損害合計137万2800円及びこれに対する本件記事3の投稿日である平成29年12月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める事案である。
2  前提事実(当事者間に争いがないか,掲記した証拠等により容易に認められる事実。なお,枝番のある証拠は特に断らない限り,その全てをいう。以下同じ。)
(1)  当事者
ア 原告X1は,a株式会社(以下「a社」という。)立川営業所営業部に所属している者である。
イ 原告X2は,a社の賃貸部長の地位にある者である。
(以上の事実について,争いのない事実のほか甲11)
(2)  被告による本件サイトへの投稿
被告は,本件サイトにある「昭島の○○グループを語ろう」という題名のスレッド(以下「本件スレッド」という。)に,別紙投稿記事目録の投稿日時欄記載の日(本件記事1が平成29年10月4日,本件記事2が同年12月18日,本件記事3が同月24日)に,本件投稿記事を投稿した。なお,本件投稿記事の前後の投稿内容については,別紙記載のとおりであり,本件記事1は別紙の本件スレッドの4番目に,本件記事2は別紙の本件スレッドの16番目に記載されており,本件記事3は,本件スレッドの17番目に記載されている(以下,同別紙の特定の投稿をいう場合「レス番号1番の記事」などという。)。(争いがない事実のほか甲1)
(3)  発信者情報の開示請求
原告ら訴訟代理人は,平成30年2月1日頃,株式会社NTTぷらら(以下「NTTぷらら」という。)に対し,本件投稿記事の発信者情報の開示請求をしたところ,被告は,開示に同意したことから,同月16日,NTTぷららから被告の発信者情報が開示された。(甲3,4)
3  争点
(1)  本件投稿記事が原告らの名誉を毀損するか(特定性,名誉毀損性)
(2)  本件投稿記事による原告らの損害
第3  争点に対する当事者の主張
1  争点(1)(本件投稿記事が原告らの名誉を毀損するか〔特定性,名誉毀損性〕)について
(原告らの主張)
(1) 原告X1関係
ア 特定性について
特定の記事について名誉毀損が成立するためには,一般読者の普通の注意と読み方を基準として,本件記事1及び2の対象人物が原告X1を指すと理解できることが必要であるところ,ここでいう対象人物の特定性は,本件各記事のみならず,本件スレッド内の前後のレスやタイトルの内容も文脈として参照されるべきである。
そして,本件記事1及び2は,投稿のスレッドタイトルに,「○○グループ」と会社名が,スレッドの話題を表すレス番号1に「本社F部(不動産部)のAと立川E部(営業部)のKOは肉体関係ありありのW不倫。おばはんに誘惑された若造。」との記載があり,本件記事1は,レス番号1を受けて書かれたものと理解でき,本件記事1の「営業の男」と,レス番号1の「立川E部のKO」とは同一人物を指すものと読め,「KO」とは「こ」という原告X1の名字の頭文字と一致しており,かつ,原告X1は,a株式会社の立川営業所営業部に所属しており,レス番号9の記事にイニシャルとして「X・K」と表示されていること,本件記事2に「コウ○マ」と原告X1の名字が伏字となっており,これらの記事と併せて読めば,本件記事1及び2は,いずれも原告X1を指すと特定可能である。
イ 名誉毀損性について
本件記事1は,レス番号1の記事を受けて書かれたものであり,原告X1が,本社F部のAなる人物と二人で会っていた事実が摘示されているとともに,本件記事1の「そういうこと」とは,W不倫の事実を摘示するものである。
また,本件記事2の「あなたのホルモンも食べてあ・げ・る!」との記載は,原告X1に対し,「不○産部のババー(本社F部のAと同一人物と理解できる)」が,性的な行為をすることを揶揄して表現しているものであり,当該記載も,原告X1が浮気している事実を摘示するものである。
そして,民法上の不法行為たる不倫関係をしている事実を摘示することは,原告X1の社会的評価を低下させることは明らかであり,原告X1に対する名誉毀損に該当し,不法行為となる。
(2) 原告X2関係
ア 特定性について
本件記事3は,本件スレッドのタイトルに「○○グループ」と会社名が記載され,対象人物が賃貸部長の役職にあることが記載されているところ,○○グループの中で賃貸部長の地位にある者は原告X2のみであり,一般読者の普通の注意と読み方によれば,本件記事3の対象人物は原告X2を指すと理解できる。
イ 名誉毀損性について
本件記事3は,原告X2が会社の部下に対してナンパを強要している事実を摘示するものであるところ,これは会社内でのパワハラ行為に該当する行為であり,原告X2の社会的評価を低下させるものである。
また,本件記事3は,原告X2を「ドスケベ賃貸部長」と記載し,原告X2を口汚く罵る内容であり,同人に対する侮辱行為に該当する。
そのため,本件記事3の投稿は,原告X2に対する不法行為に当たる。
(被告の主張)
(1) 原告X1関係
ア 特定性について
本件記事1は,レス番号1及びレス番号3の記事を受けて書かれたものと読むのが自然であるところ,レス番号1の記事について,必ずしも原告X1が注記するような読み方をするとは限らないし,また,これらの投稿を併せて読んだ場合,レス番号1の投稿は「KO」と,レス番号3の投稿は,「KK」と対象人物のイニシャルが混同しており,さらに原告X1のイニシャルとも異なるのであるから,本件記事1にいう「営業の男」が原告X1を指すとは想起できない。
また,本件記事2についても「コウ○マ」という記載のみでは原告X1を想起することができない。
イ 名誉毀損性について
特定性を措くとしても,本件記事1が事実として摘示しているのは,「立川のビルの階段で二人で会っていた」という点のみであり,「そういうことだったのか。」という記載は,投稿者である被告の感想でしかないのであり,原告X1がW不倫をしているとの事実を摘示するものではない。
また,本件記事2についても,同記事は,ホルモンを提供する飲食店での飲食について記載されているものであり,同記事が性的な行為をすることまでは想起できない。
そのため,本件記事1及び2が原告X1の名誉を毀損するものとはいえない。
(2) 原告X2関係
ア 特定性について
○○グループの中で賃貸部長の地位にある者が原告X2のみであることは不知。「昭島の○○グループを語ろう」との本件スレッドを閲覧する一般読者は,○○グループの広範な人員や○○グループに興味を持った社会の人物が想定されるところ,これらの人物は,「賃貸部長」との記載から直ちに原告X2を想起できない。
イ 名誉毀損性について
本件記事3が摘示している事実は,賃貸部長が旅行先で部下に対し,「20代の金持ってない男と40代の金持ちの男とどっちがいいか聞いてこい」と述べた事実である。
ここにいう「旅行」は業務とは無関係な出来事を想起させるものであり,「会社内でのパワハラ行為」に該当する事実を摘示しているとは理解できず,原告X2の社会的評価を低下させるものではない。
2  争点(2)(本件投稿記事による原告らの損害)について
(原告らの主張)
被告の不法行為により原告らは以下の損害を被った。
(1) 原告X1の損害
ア 慰謝料 60万円
イ 弁護士費用 6万円
合計 66万円
(2) 原告X2の存在
ア 慰謝料 60万円
イ 調査費用 64万8000円
原告X2は,5ちゃんねるに対する発信者情報開示請求・記事削除費用として54万円を要し,さらに,NTTぷららに対する発信者情報開示請求費用として10万8000円を要しており,これらは,本件投稿記事の削除及び発信者の調査のために要した費用であり,被告の不法行為と相当因果関係のある損害である。なお,被告は,当該費用の相当因果関係を争うが,同一スレッド内の複数の投稿により名誉毀損が行われた場合には,これらの行為は共同不法行為に該当すると解されることから,全額が被告の不法行為と相当因果関係のある損害といえる。
ウ 弁護士費用 12万4800円
エ 合計 137万2800円
(被告の主張)
原告らの主張は争う。
(1) 名誉毀損行為に関する同種の裁判例により認定された慰謝料額からすると,原告らの慰謝料額は,一人当たり10万円を超えることはない。
(2) また,発信者の調査等に要した費用については,仮に損害と認められるとしても,支出した費用全額を損害として計上することはできず,特に被告によるものでない投稿(レス番号1,5,7,9,11,12,13の各記事)の調査等に要した費用までも,原告X2の損害とはできない。
第4  当裁判所の判断(争点に対する判断)
1  争点(1)(本件投稿記事が原告らの名誉を毀損するか〔特定性,名誉毀損性〕)について
(1)  原告X1関係
ア 前記前提事実,証拠(各項末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア) ○○グループは,a社,b株式会社のほか,複数の事業所からなり,そのうち,頭文字が「E」で始まる部署は,a社の営業部以外になく,また,「F」の頭文字で始まる部署は,a社の不動産部以外にない。また,○○グループの平成29年頃の社員数は合計191名であり,a社営業部の構成員は,顧問等を含めて9名であったところ,そのうち,イニシャル(名字又は氏名のいずれも含む。)が,「K」で始まる者は,原告X1のほか,女性と思われる者も含めれば,係長である甲川B及び派遣社員の甲谷Cがおり,イニシャル「KO」の者は,その読み方が姓名のいずれを先に読んだ場合にもいない。なお,a社の所在地は,東京都昭島市であるほか,東京都立川市に立川営業所がある。(甲11)
(イ) 本件スレッドには,平成29年12月25日時点において,別紙記載の17件の投稿がなされていたところ,被告は,本件記事1及び2(レス番号4及び16の各記事)を投稿した。(甲1,3~5)
イ 特定性について
(ア) 本件記事1及び2は,いずれも原告X1の氏名を明示してはいないところ,匿名記事について名誉毀損が成立するためには,その記載に係る人物の属性等を総合することにより,不特定多数の者が,匿名であってもなお当該特定人について記載されたものと認識することが可能であることを要すると解される。そして,匿名記事の場合には,実名を挙げるなどして客観的に当該記事の対象者を特定した場合と比較すると,対象者を特定できる読者の範囲は限定されるが,実名が記載されていなくとも,記事の記載内容から当該対象者の属性等について,一定の知識,情報を有している者らによって,対象者の特定がなされる可能性があり,さらに,これらの者から特定された対象者が不特定多数の第三者に伝播する可能性があれば,名誉毀損における対象者の特定としては十分であるというべきである。
(イ) そして,本件記事1及び2が,原告X1を特定しているか検討するに,前記認定のとおり,本件スレッドは,「昭島の○○グループ」と,a社を含む一連の会社群が明記されており,そのうち,本件記事1に先立つレス番号1及び3の各記事があるところ,レス番号3の記事は,レス番号1の「W不倫」という言葉を受けて,「この二人のW不倫関係は社内で超有名」との記載があること,レス番号1の記事には,「立川E部」と部署の記載があり,○○グループの部署で,「E」で始まる頭文字の部署が営業部しかなく,東京都立川市内には,a社の営業所があること,レス番号1の記事を受けたレス番号3において,女性に対する蔑称である「ババー」という言葉で,「F部」の人物が特定されており,その記載内容からすれば,「本社F部のA」とは,○○グループに勤務する女性(以下「本件女性」という。)を意味すると認識されるものといえる。そして,立川市所在の部署の人物が,「KO」又は「KK」であり,「若造」という若い男性を意味する単語が用いられていることが認められ,これらの記事をa社について一定の知識,情報を有している者が,一般読者の通常の注意と読み方をもって本件記事1以前の記事を読んだ場合には,a社営業部の若い男性で,「K」という姓名のいずれかがKで始まる人物がおり,その人物が社内の女性と不倫関係にあるという認識を持つものと認められる。前記認定のとおり,a社内において,上記の条件に合致する人物は,原告X1以外にいないこと(甲川Bが係長であることからも推認できる。)からすれば,少なくともレス番号1及び3の各記事における男性は,a社について一定の知識,情報を有する者がみれば,原告X1を指すと認識できると認められる。
その上で,そのような者が,本件記事1を読んだ場合には,本件記事1が,「なんで本社のおばはんが営業の男とこんなとこで会ってんのか不思議だった」などとレス番号1及び3の各記事を受けて記載したと読み取れるものであることからすれば,本件記事1にある「営業の男」とは,原告X1を指すものと認識されるものといえる。また,本件記事2についても,「不○産部」という,通常「不動産部」を意味すると読み取れる部署の記載があり,これはレス番号1及び3の「F」という名称の部署と頭文字が同一であること,かつ,「ババー」という女性に対する蔑称が用いられており,レス番号3及び本件記事1の各記事との連続性を想起させるものであること,本件記事2は,「コウ○マ」と,原告X1の姓を伏字にしていることからすると,本件記事2をa社について一定の知識,情報を有するものが通常の注意と読み方を持って読んだ場合,本件記事2の「コウ○マくーーーん」は,原告X1を指すものと認識されるものといえ,本件記事2についても,原告X1を指すものと認識できる。
(ウ) そのため,本件記事1及び2は,一般読者の通常の注意と読み方を持って読んだ場合には,いずれも原告X1を指すものと認識されるものと認められる。
これに対して,被告は,○○グループが,総勢600名に上ること,本件スレッドに原告X1を特定する記載がない旨を指摘し,これに沿う書証(乙2)もある。
しかしながら,本件記事1及び2並びにレス番号1及び3の各記事の記載を読むと,○○グループの中でもいわゆる正社員を意味するものと読み取ることができ,その中で原告X1以外に上記の各記事から特定されるべき人物がいないことからしても,被告の主張は採用できない。
ウ 名誉毀損性
(ア) そして,さらに,名誉毀損性(不法行為の該当性)について検討するに,本件記事1は,社内でW不倫をしている者がいる旨の記載があるレス番号1及び3の各記事を受けて,「立川のビルの階段で二人だけで会っていたのを見たことがある」などと,具体的な事実を摘示しており,その摘示の態様も,両者が人目を隠れて会っているかのような印象を与えるものであることからすれば,本件記事1を一般読者の通常の注意と読み方を持って読んだ場合には,原告X1が,本件女性と不倫関係にあり,社内で人目を隠れて会っていたとの印象を与えるものといえる。そして,前記認定のとおり,○○グループが少なくとも200人近くの社員により構成されていることからすれば,本件記事1及び2の上記の事実摘示が伝播する可能性があることから,本件記事1に係る事実の摘示は,不貞行為が民事上の不法行為を構成し得るものであることからすれば,原告X1の社会的評価を低下させるものと認められ,原告X1に対する不法行為を構成するものと認められる。
(イ) この点について,被告は,不法行為の該当性を争うものの,本件記事1の内容が,被告の感想のみを現わしていると認識することができず,採用することができない。
(ウ) また,本件記事2についても,本件スレッドの本件記事2に至る以前の記事,特にレス番号5及び9の各記事で,原告X1と本件女性とが,性行為に及んでいることを前提とする投稿がなされていることを踏まえると,「あなたのホルモンも食べてあ・げ・る!」との表現も,一般読者の通常の注意と読み方をもって読んだ場合には,原告X1と本件女性が肉体的な接触関係を持つことを想起させるものであり,原告X1が本件女性と不倫関係にあるとの印象を与えるものといえ,原告X1の社会的評価を低下させるものと認められる。
(2)  原告X2関係
ア 前提事実及び証拠(甲1,3,4,11)によれば,○○グループの中には,「賃貸部」という部署があり,原告X2が平成29年当時,その部長をしていたこと,被告が,本件記事3を投稿した事実が認められる。
イ 特定性について
本件記事3を,○○グループについて一定の知識,情報を有する者が一般読者の通常の注意と読み方を持って読んだ場合には,本件記事3にある「賃貸部長」が原告X2を指すと認識すると認められ,本件記事3は原告X2を特定するものと認められる。
これに対して,被告は,本件記事3が原告X2を想起させるとはいえないなどと主張するが,前記(1)認定に係る○○グループの組織構造に照らせば採用することができない。
ウ 名誉毀損性及び名誉感情の侵害について
そして,本件記事3が原告X2の社会的評価を低下させるものか検討するに,本件記事3は,原告X2が旅行先で部下にナンパさせる旨の事実が摘示されているところ,このような記事を一般読者の通常の注意と読み方をもって読んだ場合には,原告X2が部下に対して,通常業務と考えられない事柄をすることを要求するとの印象を与えるものといえ,このような記載は,原告X2の社会的評価を低下させるものと認められ,同人の名誉を毀損し,不法行為を構成する。
また,本件記事3は,原告X2を「ドスケベ賃貸部長」と表記しているところ,このような表記は,原告X2の品性を貶め,原告X2の名誉感情を社会通念上許容される限度を超えて侵害するものといえることから,この点からも不法行為を構成するものと認められる。
(3)  小括
そのため,本件投稿記事は,いずれも原告らの名誉及び原告X2の名誉感情を侵害し,不法行為を構成すると認められる。
2  争点(2)(本件投稿記事による原告らの損害)について
本件投稿記事により,原告らは以下の損害を被ったと認められる。
(1)  原告X1関係
ア 慰謝料 10万円
前記1で認定説示したとおり,本件記事1及び2は,原告X1が本件女性と不倫関係にあることを摘示するものであり,これによって,原告X1の社会的評価を低下させるものといえ,原告X1としても相応の精神的苦痛を受けたものと認められる。
他方,本件記事1及び2は,○○グループ外の者からは,原告X1を指すものとは容易に理解することができず,その伝播の可能性も限定的であること,書き込みの回数も2回であり,その記載の態様も,原告X1が不倫関係にあると断定するものとはいえないことなど,本件に関する一切の事情からすれば,本件記事1及び2による原告X1の精神的苦痛を慰謝するに相当な金銭の額は10万円と認められる。
イ 弁護士費用 1万円
原告X1は,弁護士に委任して本件訴訟を追行しており,被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は1万円が相当である。
ウ 合計 11万円
(2)  原告X2関係
ア 慰謝料 10万円
前記1で認定説示したとおり,本件記事3は,原告X2が,部下に対して女性のナンパという業務外の事項をさせているとの印象を与えるものであり,同人がa社の賃貸部長の地位にあることからしても,同人の社会的評価を大きく低下させかねないものといえ,同人としても相応の精神的苦痛を被ったと認められ,また,名誉感情の侵害も認められる。
他方で,投稿回数は1回であり,その記載内容等も考慮すれば,原告X2の精神的苦痛を慰謝するのに相当な金銭の額は,10万円と認められる。
イ 調査費用
(ア) 証拠(甲2,3,9,10)によれば,原告らは,原告ら訴訟代理人に対し,本件スレッドの発信者情報の開示手続を委任し,これを受けて,同人が,レス番号1,4,5,7,9,11,12,13,16,17の10件の記事に関してIPアドレスの開示請求をし,本件投稿記事について,NTTぷららに対し,発信者情報の開示請求をしたこと,これらの費用として,合計64万8000円(削除請求及びIPアドレスの開示成功報酬54万円,ログ保全及び発信者情報開示請求費用10万8000円)を要したことが認められる。
本件投稿記事が,インターネット上でなされており,通常,発信者を特定することが困難であり,法律専門家である弁護士の関与なくして,発信者を特定することは困難であると考えられることからすれば,発信者の特定に要する費用も,これに要した費用のうち相当な範囲内においては,被告の不法行為と相当因果関係のある損害と認められる。
そして,その相当因果関係の範囲に含まれる調査費用について検討すると,前記認定のとおり,原告X2がしたIPアドレスの開示請求には,本件投稿記事の他に7件の記事が含まれ,原告X2に関する記事は1件であったこと,被告が,発信者情報開示請求に対して,開示に同意して発信者情報が開示されたことからすれば,被告の不法行為と相当因果関係のある開示請求費用は11万円と認められる。
(イ) なお,この点に関し,原告X2は,原告ら訴訟代理人との委任契約に関し,復委任を行う場合には,10投稿までは一律50万円であり,調査等の費用に差異がないと主張するが,これをもって,相当因果関係の範囲を左右するものとはいえない。
ウ 弁護士費用 2万円
原告X2は,弁護士に委任して本件訴訟を追行しており,被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は2万円とするのが相当である。
エ 合計 23万円
(3)  まとめ
以上のとおり,原告らの損害額は,原告X1について11万円,原告X2について23万円と認められ,これらの損害賠償債務は,原告X1については,本件記事2の投稿日である平成29年12月18日から,原告X2については,本件記事3の投稿日である平成29年12月24日から履行遅滞に陥ったものと認められる。
第5  結論
よって,主文掲記の限度で,原告らの請求を認容し,その余は理由がないからこれらを棄却することとし,訴訟費用の負担について民訴法61条,64条本文,65条1項ただし書きをそれぞれ適用し,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第10部
(裁判官 山口雅裕)

 

〈以下省略〉

 

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