【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

「営業会社 成功報酬」に関する裁判例(15)平成30年 8月 9日 東京地裁 平29(ワ)19666号 民泊営業差止等請求事件

「営業会社 成功報酬」に関する裁判例(15)平成30年 8月 9日 東京地裁 平29(ワ)19666号 民泊営業差止等請求事件

裁判年月日  平成30年 8月 9日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(ワ)19666号
事件名  民泊営業差止等請求事件
文献番号  2018WLJPCA08096003

裁判年月日  平成30年 8月 9日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平29(ワ)19666号
事件名  民泊営業差止等請求事件
文献番号  2018WLJPCA08096003

東京都港区〈以下省略〉
原告 X管理組合
同代表者理事長 A
同訴訟代理人弁護士 B
神奈川県鎌倉市〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 C

 

 

主文

1  被告は,別紙物件目録記載の建物について,不特定多数の者を対象として宿泊施設として使用させる行為をしてはならない。
2  被告は,原告に対し,97万2000円及びこれに対する平成29年6月29日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
3  原告のその余の請求を棄却する。
4  訴訟費用はこれを10分し,その2を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
5  この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  主文第1項は同じ。
2  被告は,原告に対し,147万円及びこれに対する平成29年6月29日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,マンションであるaマンション(以下「本件マンション」という。)の管理組合である原告が,被告に対し,被告が所有する本件マンションの一室である別紙物件目録記載の建物(以下「212号室」という。)を不特定多数の者を対象として宿泊施設として使用させる行為(以下「民泊行為」という。)が,原告の管理組合規約(以下「本件規約」という。)及び建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)に反するとして,212号室を民泊行為のために使用することの差止め及び違約金としての弁護士委任費用等の支払を求める事案である(違約金に対する附帯請求は,訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求めるものである。)。
2  前提事実(当事者間に争いのない事実並びに事実の後に記載した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)  当事者
ア 原告は,本件マンションの区分所有者全員をもって構成され,本件マンションの建物並びにその敷地及び附属施設の管理を目的とする管理組合である。(争いがない)
イ 被告は,平成27年10月30日に212号室を購入した本件マンションの区分所有者である。(争いがない)
(2)  管理規約(甲1の1,1の2)
本件規約(ただし改正後のもの。)は,次のとおり定める。
ア 区分所有者は,その専有部分を専ら住宅あるいは事務所として使用するものとし,他の用途(不特定の者を対象としてその専有部分を宿泊や滞在の用に供することを含む。)に供してはならない(本件規約32条1項)。
イ 区分所有者は,その専有部分を第三者に貸与する場合には,期間を1か月以上とし(いわゆるウィークリーマンション等の短期間の貸与をしてはならない。),この規約,使用細則等に定める事項及び総会の決議をその第三者に遵守させなければならない(本件規約37条の2第1項)。
ウ 区分所有者が管理規約に違反したときは,理事長は,理事会の決議を経て,その差止め又は排除のための必要な措置をとることができる(本件規約70条3項)。
エ 本件規約違反者に対して訴訟を提起する場合,理事長は,請求の相手方に対し,違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用の一切を請求することができる(本件規約70条4項。以下「本件違約金条項」という。)。
(3)  原告は,被告に対し,平成29年2月21日頃,212号室で民泊行為をしないよう申し入れた。(甲7の1,7の2)
(4)  原告は,平成29年5月1日開催の第25期臨時総会において,被告に対して民泊営業差止等請求訴訟を提起する議案を可決した。(甲8)
3  争点
(1)  被告が民泊行為をしているか。
(原告の主張)
被告は,212号室において民泊行為をしている。
(被告の主張)
否認する。原告の主張する民泊行為の意味が不明確である。また,原告の提出する証拠からは,212号室が民泊行為のために提供されているか不明である。
(2)  被告による民泊行為が「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たり,差止めを求めることができるか(区分所有法6条1項,57条1項)。
(原告の主張)
ア 被告は,平成28年1月頃から,b社が開設するウェブサイト(以下「本件サイト」という。)を利用して,不特定多数者を対象として212号室の宿泊予約を受け付けるようになり,212号室において民泊行為を開始した。これにより,素性の不明な不特定多数の外国人が頻繁に本件マンションを訪問し,出入りするようになった。
イ 平成28年夏頃,管理会社に対し,212号室の隣接住戸居住者より,212号室において,夜間,大声で会話していてうるさいとの苦情が寄せられた。また,同じ頃,212号室の宿泊者である外国人が,ごみの分別を行わずに,カン,ビン,ペットボトルをまとめて捨てた。
ウ 本件マンションのエントランスはオートロック式であるところ,被告の民泊行為により,全く素性の不明な不特定多数の人々が頻繁に出入りすることとなり,多大な迷惑行為となっている。
エ よって,被告による民泊行為は,「区分所有者の共同の利益に反する行為」といえ,区分所有法6条1項,57条1項に基づき,民泊行為の差止めを求めることができる。
(被告の主張)
否認し,争う。外国人が本件マンション内におり,何らかの行為をしたとしても,被告の責任に起因するものではない。
(3)  本件規約32条1項,37条の2第1項,70条3項に基づき民泊行為の差止めを求めることができるか。
(原告の主張)
原告は,本件規約32条1項,37条の2第1項,70条3項に基づき,被告に対して民泊行為の差止めを求めることができる。
被告は,上記各条項の改正手続に瑕疵があると主張するが,本件規約32条1項及び37条の2第1項は,平成28年4月21日開催の第24期臨時総会において,区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数によって可決承認されており,改正手続に瑕疵はない。なお,同改正は,被告のみに特別の影響を及ぼすものではないから,区分所有法31条1項に基づき被告の承諾を得る必要はない。
(被告の主張)
平成28年4月21日開催の第24期臨時総会にて可決承認されたとする本件規約32条1項,37条の2第1項の有効性には疑義がある。また,上記各条項の改正は,被告を含む個別的承諾を得ているか不明であり,そもそも,招集手続に瑕疵がある可能性もある。
よって,原告が,本件規約32条1項,37条の2第1項,70条3項に基づき差止めを求めることはできない。
(4)  本件違約金条項の効力及び違約金の額
(被告の主張)
ア 区分所有法31条1項の承諾がないこと
本件違約金条項は改正により新設されたものであるところ,新設に当たって被告の個別的承諾を得ていないから,区分所有法31条1項の要件を充足していない。
イ 公序良俗違反
本件違約金条項は,事実上,区分所有者である被告に一方的かつ著しい不利益を課す規定変更を強引に進めたものであり,管理組合の権限を逸脱ないし濫用する行為に他ならないから,規約変更の必要性も相当性もなく,社会通念上到底許されない暴利行為として,公序良俗に反して無効である。
(原告の主張)
争う。本件違約金条項の改正に区分所有法31条1項の適用はなく,また,公序良俗に反しない。そして,本件訴訟の提起に伴う弁護士費用は,着手金49万円,報酬金98万円の合計147万円であるから,原告は,被告に対し,違約金として147万円を請求することができる。なお,口頭弁論終結時に規約が設定されていれば,同項に基づいて弁護士費用を請求することができる。
第3  当裁判所の判断
1  上記前提事実に加えて,証拠(甲1ないし8,14,16ないし21,25,29,32,33。枝番のあるものは枝番を含む。主な証拠は事実の後に記載した。)によれば,次の事実が認められる。
(1)  本件マンションは,昭和53年6月築の5階建ての建物であり,総戸数は94戸で各戸の広さは24ないし57平方メートルである。(甲5,16の1)
(2)  被告は,宿泊先を斡旋するインターネット上のサイトである本件サイトに,被告の名前をローマ字表記で明示し,かつ,被告の顔写真を添付して,212号室を1泊1万3016円で宿泊させる旨の案内を掲載した。(甲6の1,6の2,29)
(3)  原告は,平成28年4月21日開催の第24期臨時総会において,改正前の本件規約32条1項に「(不特定の者を対象としてその専有部分を宿泊や滞在の用に供することを含む。)」との文言を付加すること,37条の2を新設することにつき,組合員総数に対する賛成組合員数の割合76.1%,議決権総数に対する賛成議決権数75%で可決した。(甲25の1)
(4)  本件マンションを管理するc株式会社の従業員であるD(以下「D」という。)は,平成28年5月以降,管理員に指示して本件マンション内で宿泊客として所在していると思われる来訪者に関して調査させたところ,同月から平成29年1月までの間に,10名を越える外国人の家族連れ等が本件マンション内に所在していたことを確認した。また,Dは,被告に対し,平成28年11月頃から12月頃にかけて,212号室での民泊行為を中止するよう複数回申し入れた。そして,管理会社に対しては,平成28年夏頃,212号室の隣接住戸居住者より,212号室が夜間バルコニーにおいて大声で会話していてうるさいとの苦情や,212号室の利用者がごみを分別せずにごみ置き場に捨てたとの情報が寄せられた。(甲21)
(5)  原告は,被告に対し,被告が212号室を継続して民泊行為のために使用していることに対し事情を確認した。被告は,これに対し,現在募集を停止しているものの予約済みの案件が平成28年12月まで4件あるため,その分だけ許可してもらいたいとの希望を伝えた。原告の理事会は,同年10月27日開催の第24期第8回理事会においてこれを却下し,直ちに民泊使用を止めなければ法的措置を検討することとした。(甲14)
(6)  平成29年1月26日頃,本件マンションの管理員が同マンション内にいた宿泊客と思われる外国人より受領した宿泊予約票には,212号室に同月24日から27日までの間の宿泊が予約されている旨の記載があった。(甲20の1,20の2,33)
(7)  原告は,平成29年5月1日に開催された第25期臨時総会において,本件規約70条4項(本件違約金条項)の新設を,組合員総数に対する賛成組合員数の割合87.5%,議決権総数に対する賛成議決権数の割合87.8%で可決した。(甲8)
(8)  原告と原告代理人とは,平成29年5月1日,本件訴訟の処理に関し業務委託契約を締結し,原告は,原告代理人に対し,着手金として32万4000円を支払い,成功報酬として協議により決定した額を支払う旨約した。原告は,同月31日,原告代理人に対し,着手金として32万4000円を支払った。(甲8,27,28)
(9)  本件サイトにおける212号室のレビュー欄は,平成30年2月28日の時点で,同年1月及び2月付けのレビューが投稿され,随時更新されていた。(甲32)
2  争点(1)(被告が民泊行為をしているか)について
(1)  上記1(2),(5)に認定したところによれば,被告は,本件サイトに212号室の情報をアップして,212号室を有料で貸し出し,不特定多数の者を対象として宿泊施設として使用させていたと認められ,被告は212号室を使用して民泊行為をしていたものと認められる。
(2)  被告は,本件ウェブサイトに掲載された部屋が本件建物であるか否かは判明しないなどと主張するが,上記に照らし,採用できない。
3  争点(3)(本件規約32条1項,37条の2第1項,70条3項に基づき民泊行為の差止めを求めることができるか)について
(1)  上記前提事実のとおり,改正後の本件規約32条1項は,「区分所有者は,その専有部分を専ら住宅あるいは事務所として使用するものとし,他の用途(不特定の者を対象としてその専有部分を宿泊や滞在の用に供することを含む。)に供してはならない」と定め,37条の2第1項は,「区分所有者は,その専有部分を第三者に貸与する場合には,期間を1か月以上とし(いわゆるウィークリーマンション等の短期間の貸与をしてはならない。)」と定める。
(2)  上記1(2),(5)の各事実に照らせば,被告は,平成28年5月以降,212号室において不特定の者を対象としてその占有部分を宿泊や滞在の用に供し,又は短期間の貸与をしていたと認められ,被告の行為は,本件規約32条1項及び新設された37条の2第1項に反するものであったといえる。
(3)  また,被告は,本件訴訟提起後も民泊行為を否認するのみで,212号室をどのように使用しているのかについて明らかにしようとしないことは当裁判所に顕著である上,上記1(9)のとおり,民泊行為を今後行わないと述べておきながら宿泊客を募集していたことに照らすと,被告は,今後とも,本件規約32条1項,37条の2第1項に反して,不特定多数の者に対し212号室を短期間の宿泊や滞在の用に供する可能性が高い。
(4)  以上によれば,被告は,本件規約32条,37条の2第1項に反して今後とも民泊行為をするおそれが高く,民泊行為を差し止める必要性が認められる。
(5)  そして,本件規約70条3項によれば,原告は,区分所有者が本件規約に違反したものとして,理事会の決議を経て,その差止め又は排除のための必要な措置(法的手続を含む)をとることができるとされているところ,上記1(5)のとおり,平成28年10月27日開催の理事会において,法的措置の検討をすることとされ,その後,平成29年5月1日の臨時総会で本件訴訟提起について総会決議を経ているのであるから,同条項に基づいて,被告に対し,民泊営業の差止め等を求めることができる。
(6)  被告の主張について
ア 被告は,本件規約32条1項及び37条の2第1項の改正手続に瑕疵があると主張するが,上記1(3)のとおり,本件規約32条1項の改正及び37条の2の新設は,平成28年4月21日に開催された第24回臨時総会において組合員総数及び議決権総数のいずれも4分の3以上の賛成を得て有効に可決成立したことが認められる。
イ また,被告は,本件規約32条の改正及び37条の2の新設は被告の権利に特別の影響を及ぼすものであるから,区分所有法31条1項による被告の承諾を得る必要があると主張する。しかし,上記各条項の改正は,本件マンションの居室を民泊又は短期間の賃貸借に供することを禁止する規定であって,被告の権利に特別の影響を及ぼすものではないから,上記改正に区分所有法31条1項に基づく被告の承諾は不要である。
(7)  よって,原告は,本件規約32条1項,37条の2第1項,70条3項に基づき,被告に対し,212号室を民泊行為のために使用することの差止めを求めることができる。
4  争点(4)(本件違約金条項の効力及び違約金の額)について
(1)  本件違約金条項の効力について
ア 被告は,本件違約金条項の新設につき区分所有法31条1項により被告の承諾を要すると主張するが,本件違約金条項は被告のみに特別の影響を及ぼすものではないから,この点に関する被告の主張は理由がない。
イ また,被告は,本件違約金条項が公序良俗に反し無効であると主張する。しかし,上記1(7)に認定した事実によれば,本件違約金条項の新設手続に瑕疵があるとは認められず,また,その内容は,原告が本件規約違反者を被告として訴訟を提起する場合の弁護士費用を相手方に負担させるというものであるが,このような規定が公序良俗に反するともいえない。
ウ よって,本件違約金条項は有効に成立しているといえる。
(2)  本件違約金条項に基づく違約金の額について
ア 本件違約金条項によれば,原告は,被告に対し,違約金として弁護士費用相当額を請求することができるところ,上記1(8)のとおり,原告は,代理人弁護士に本件訴訟の提起を依頼して着手金として32万4000円を支払い,成功報酬については協議の上で決定することとされていることが認められる。
イ 上記認定事実によれば,原告は,弁護士費用として32万4000円を支払っており,これが違約金となることは明らかであるが,成功報酬に関しては協議の上で決定することとされており,証拠(甲9)も参照すると,その額が64万8000円を超えるとはいえない。
ウ そうすると,本件違約金条項に基づく弁護士費用相当額としては,上記(2)ア及びイの合計である97万2000円を超えない。
5  よって,その余の争点(争点(2))について判断するまでもなく,原告の請求は212号室について民泊行為をすることの差止めを求めること及び違約金として97万2000円の支払を求める範囲で理由があり,その余は理由がないから,主文のとおり判決する。なお,主文第1項に対する仮執行宣言は,相当でないから付さない。
東京地方裁判所民事第50部
(裁判官 浦上薫史)

 

〈以下省略〉

 

*******

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。


Notice: Undefined index: show_google_top in /home/users/1/lolipop.jp-2394bc826a12fc5a/web/www.bokuore.com/wp-content/themes/rumble_tcd058/footer.php on line 296

Notice: Undefined index: show_google_btm in /home/users/1/lolipop.jp-2394bc826a12fc5a/web/www.bokuore.com/wp-content/themes/rumble_tcd058/footer.php on line 296