「営業 外部委託」に関する裁判例(17)平成29年11月21日 東京地裁 平29(ワ)29136号 利用料金等等請求事件
「営業 外部委託」に関する裁判例(17)平成29年11月21日 東京地裁 平29(ワ)29136号 利用料金等等請求事件
裁判年月日 平成29年11月21日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(ワ)29136号
事件名 利用料金等等請求事件
文献番号 2017WLJPCA11218018
裁判年月日 平成29年11月21日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(ワ)29136号
事件名 利用料金等等請求事件
文献番号 2017WLJPCA11218018
東京都千代田区〈以下省略〉
原告 株式会社ぐるなび
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 関聖
同 石塚智教
同 髙野諒平
東京都新宿区〈以下省略〉
被告 株式会社日丸
同代表者代表取締役 B
主文
1 被告は,原告に対し,175万0896円及びこれに対する平成29年2月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は,被告の負担とする。
3 この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
主文同旨
第2 当事者の主張
1 請求原因
別紙「請求の原因」記載のとおり
2 請求原因に対する認否
被告は,陳述したものとみなされた答弁書により,「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め,請求の原因に対する認否については,全て否認するとしている。
第3 当裁判所の判断
1 証拠(甲1ないし17(枝番を含む。))及び弁論の全趣旨によれば,請求原因事実はいずれも認められ,これを覆すに足りる主張及び立証はない。
2 よって,原告の請求には理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第32部
(裁判官 日浅さやか)
別紙
請求の原因
1 当事者
原告は,パソコン・携帯電話・スマートフォン等による飲食店のインターネット検索サービスの提供等を行う株式会社である。
被告は,「a店」(東京都新宿区〈以下省略〉),「b店」(東京都新宿区〈以下省略〉)等,東京都内において複数の飲食店経営等を行う株式会社である。
2 原告と被告の間の取引
(1)レストラン加盟契約及び販促年間パック契約等の締結
ア 原告は,被告との間で,平成27年3月25日,レストラン加盟申込書に基づき,同年4月を始期とするレストラン加盟契約及び販促年間パック契約を締結した(甲1)。
イ レストラン加盟契約は,原告が提供するインターネット検索サービスにおいて,被告が,被告が運営する店舗毎に,原告から各種販売促進支援サービス提供を受けたり,上記サービスにおいて,WEB予約システム等の特別機能を利用したりする前提となる基本契約である(甲14の1)。
ウ 販促年間パック契約は,原告が,被告に対し,上記検索サービスにおいて,各店舗毎に,被告が経営する飲食店の特集や広告を掲出するなどの,利用料金に応じた各種販売促進支援サービスを提供する個別契約である。販促年間パック契約において,被告は,原告に対し契約時に支払った利用料金の他,契約後に追加料金を支払い,利用料金を増額する契約を締結することによって,上記検索サービスにおいて,被告が経営する飲食店の特集や広告の掲出回数を増加させるなどにより販売促進効果の高いサービスを受けることができる(甲14の2)。
エ 販促年間パック増額契約とは,原告が被告に対し,上記販促年間パック契約で合意した以上の利用料金を事後的に支払うことにより,上記検索サービスにおいて,同契約で合意した契約内容よりも多数回,被告の経営する飲食店の特集や広告の掲出を行うなど,さらに販売促進効果の高いサービスを受けることができるようになる契約である。
オ 被告は,原告との間で,上記レストラン加盟契約及び販促年間パック契約の締結以降,販促年間パック契約の利用料金を増額する契約を締結したり,販促年間パック契約を合意解約し,より利用料金の高い販促年間パック契約を締結したりするなど,短期間に何度も取引を重ねてきた。
しかし,平成28年4月8日,被告は訴外盛鴻株式会社に飲食店事業を譲渡したため(甲2),原告との取引は一度中断した。その後,平成28年7月14日,原告は,被告との間で,新たな店舗(店舗名「a1店」,後に店名を「a店」に変更。)について,レストラン加盟契約を締結し,原告との取引を再開した(甲3)。
被告と原告間の取引再開後,被告が原告との間で締結された契約及び当該契約に基づいて発生した利用料金等をまとめると,下記別表1(レストラン加盟契約等一覧表)のとおりとなる。
別表1・・・「レストラン加盟契約等一覧表」。
原告と被告の間で締結されたレストラン加盟契約等の契約内容,契約申込日,利用料金等を整理した一覧表である。
なお,販促年間パック契約の利用料金は,契約開始月の末日に請求書が作成された後,契約開始月の翌月中旬頃に外部委託業者を通じて請求が行われ,振込による支払いの場合には,請求書到着月の月末までに,振込手数料と併せて利用料金を支払うことになっている(甲4の2,甲14の2)。実際に,原告は被告に対し,取引期間中の各月末日に請求書を作成した上で(甲12),下記別表2(支払料金等一覧表)及び別表3(未払料金一覧表),「請求書発送日」記載のとおり,契約開始月の翌月中旬頃に請求書の発送を行い,両者の間では,「支払期限」記載のとおり,到達月である当月末日が利用料金の支払期限に設定された(甲13)。
別表2・・・「支払料金等一覧表」。
原告が被告に対し,販促年間パック契約等に基づき請求した利用料金等のうち,被告から支払があったものについて,請求金額,支払期限,支払日等を整理した一覧表である。
別表3・・・「未払料金等一覧表」。
原告が被告に対し,販促年間パック契約等に基づき請求した利用料金等のうち,被告から現在に至るまで支払いがないものについて,請求金額,支払期限等を整理した一覧表である。
(2)WEB予約システム利用契約の締結
また,被告は,原告との間で,平成28年10月14日,WEB予約システム利用契約も締結した(甲4の1)。
WEB予約システム利用契約を締結すると,被告は,原告が上記検索サービスにおいて提供するWEB予約システムなるサービスを利用して,顧客から上記検索サービス上で来店予約を受けることができるようになり,原告に対して,そのシステム利用料金として,来店予約の後実際に来店した顧客1人につき,216円(消費税込)の送客手数料を支払うことになる(甲14の3)。
なお,上記送客手数料は,例えば6月の来店客で発生した送客手数料は7月分の利用料金と併せて請求するように,当月分の送客手数料は,次月分の利用料金と併せて請求されることになっている。
原告は,被告に対し,平成29年1月13日,平成28年12月分の利用料金と併せて,平成28年11月分の送客手数料1296円を請求した。
3 被告の利用料金等の未払いの経緯
(1)被告による従前の利用料金等の支払状況
被告は,原告との間で,平成28年7月14日にレストラン加盟契約1及び販促年間パック契約1を締結して取引を開始して以来,別表1のとおり取引を重ねてきた。これら取引によって発生した利用料金及び送客手数料の金額は,別表2及び別表3のとおりである。別表2記載のとおり,被告は,原告に対し,平成28年10月25日,平成28年8月分の利用料金32万4000円(No.1)を支払った。
(2)平成28年9月分利用料金の不支払い
しかしながら,別表3(未払料金等一覧表),No.2のとおり,原告は,被告に対して,平成28年10月11日,同年9月分の利用料金である54万円(別表1③販促年間パック契約1の月額支払分21万6000円及び別表1⑤増額分32万4000円)を支払うよう請求したが,被告は,同利用料金を支払期限である平成28年10月31日までに支払わず,現在に至るまで支払いはない。
(3)平成28年10月分利用料金の不支払い
別表3,No.3のとおり,原告は,被告に対して,平成28年11月10日,同年10月分の利用料金である32万4000円(別表1③販促年間パック契約1の月額支払分21万6000円,別表1⑥増額分10万8000円)を支払うよう請求したが,被告は,同利用料金を支払期限である平成28年11月30日までに支払わず,現在に至るまで支払いはない。
(4)平成28年11月分利用料金の不支払い
別表3,No.4のとおり,原告は,被告に対して,平成28年12月9日,同年11月分の利用料金である33万4800円(別表1⑦販促年間パック契約2の月額支払分22万6800円及び⑧増額分10万8000円)を支払うよう請求したが,被告は,同利用料金を支払期限である平成28年12月31日までに支払わず,現在に至るまで支払いはない。
(5)平成28年12月分利用料金等の不支払い
別表3,No.5のとおり,原告は,被告に対して,平成29年1月13日,平成28年12月分の利用料金である55万800円(別表1⑦販促年間パック契約2の月額支払分22万6800円及び⑨増額分32万4000円)及び同年11月分の送客手数料1296円を支払うよう請求したが,被告は,同利用料金を支払期限である平成29年1月31日までに支払わず,現在に至るまで支払いはない。
4 レストラン加盟契約等の解除
原告は,被告が経営する飲食店について,従前より,同飲食店を訪れた来店客から,実際に被告の飲食店が提供したサービスと原告が来店客向けに掲載しているサービス内容の乖離,劣悪なサービス品質,来店客の予期しない代金の請求等,多数の苦情を受けていた。
原告は,被告と面談を行って店舗運営の改善を促す,適切な店舗運営を約束する書面の提出を受けるなどの対応を行ってきたが,上記苦情は一向に減少せず,被告においても真摯に対応する態度が見られなかった。そこで,原告は,被告に対し,平成28年12月28日,「通知書」を送付し,基本契約たる上記レストラン加盟契約を解除する意思表示を行い,その後,同書面は,平成29年1月6日,被告に到達し,原告と被告の間で存続していたレストラン加盟契約及び同契約に基づく全ての販促年間パック契約,WEB予約システム利用契約等関連する全ての契約は,同日付で解除された(甲11)。
5 債権仮差押命令
なお,原告は,平成29年4月19日,別表3の「請求金額」記載の利用料金等債権の合計である金175万896円を請求債権として,被告の第三債務者に対する債権につき仮差押決定を得た(甲15)。
6 結語
よって,原告は,被告に対し,原告と被告の間で締結された別表1の「契約番号」①ないし③及び⑤ないし⑨記載の各契約及び平成28年10月14日付WEB予約システム利用契約に基づき,別表3の「請求金額」記載の利用料金等債権の合計として金175万896円及びこれに対する平成29年2月1日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
以上
〈以下省略〉
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