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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(179)平成25年 3月14日 東京地裁 平24(ワ)1438号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(179)平成25年 3月14日 東京地裁 平24(ワ)1438号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成25年 3月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)1438号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2013WLJPCA03148006

要旨
◆被告Y1社に勤務していた原告が、上司であった被告Y2から様々な嫌がらせを受けたと主張して、被告らに対し、民法709条、民法715条に基づく損害賠償を求めた事案において、原告の主張する被告Y2の各行為は、それ自体、原告が主張するような事実を認定できないか、認定することができたとしても、それが嫌がらせの意図をもって行ったものとは認めがたいなどとして、原告の請求を棄却した事例

参照条文
民法709条
民法715条

裁判年月日  平成25年 3月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)1438号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2013WLJPCA03148006

東京都練馬区〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 上杉雅央
同 萩原美保子
東京都品川区〈以下省略〉
被告 株式会社Y1
同代表者代表取締役 A
神奈川県横浜市〈以下省略〉
被告 Y2
上記両名訴訟代理人弁護士 小野光寛

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  当事者の求めた裁判
1  請求の趣旨
(1)  被告らは,原告に対し,各自,金330万円及びこれに対する平成24年3月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(2)  訴訟費用は被告らの負担とする。
(3)  仮執行宣言
2  請求の趣旨に対する答弁
主文同旨
第2  事案の概要
本件は,被告株式会社Y1(以下「被告会社」という。)に勤務していた原告が,上司であった被告Y2(以下「被告Y2」という。)から様々な嫌がらせを受けたと主張して,被告らに対し,民法709条,715条に基づく損害賠償として,各自,損害金330万円(内訳・慰謝料300万円,弁護士費用30万円)及びこれに対する不法行為後である平成24年3月28日(被告らに対する訴状送達日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1  基本的事実
(1)  原告は,平成19年9月4日,被告会社に雇用され,被告会社が設置・運営していたa店舗(以下「本件店舗」という。)において勤務し,新聞配達・集金・営業等の仕事に従事していたが,平成23年3月23日,被告会社を退職した者である(争いがない)。
(2)  被告会社は,新聞販売店の経営等を行っている株式会社である(争いがない。)。
(3)  被告Y2は,平成19年1月21日,被告会社に店長格として雇用され,店長と同格の立場で本件店舗において勤務し,平成21年9月,本件店舗の店長に就任し,現在までその地位にある者である(乙2,弁論の全趣旨)。
2  争点
本件の争点は,(1)被告Y2が原告に対し嫌がらせをしたか,(2)慰謝料額等という点である。
(1)  争点(1)(被告Y2が原告に対し嫌がらせをしたか)について
(原告の主張)
被告Y2は,平成19年9月から平成23年3月の原告の退職に至るまで,下記アないしツ記載のとおり,被告会社の事業の執行につき,原告に対し,様々な嫌がらせをした。
ア(ア) 被告Y2は,平成19年9月頃,原告から,顧客とのトラブルの際に被告Y2に連絡をする必要があったため,被告Y2の携帯電話の電話番号を尋ねられたが,他の従業員に対してはこれを教えていたにもかかわらず,原告に対し,「お前は電話番号を知る必要はない。」と述べ,これを教えなかった。
(イ) 被告Y2は,平成20年2月頃,原告を呼び出し,原告に対し,原告の携帯電話に登録してあった被告会社代表取締役A(以下「被告会社代表者」という。)及び原告の上司であったB(以下「B」という。)の電話番号を抹消するため,携帯電話を渡すよう求めた。これに対し,原告が理由を尋ねると,被告Y2は,「迷惑だから消す」との回答をしたが,原告が被告会社代表者及びBに対して電話をして迷惑をかけたことはなかった。結局,原告は,被告Y2の目の前で被告会社代表者及びBの電話番号を抹消した。
イ(ア) 被告Y2は,平成20年2月頃から,原告が被告会社のボールペンを業務に使用するのが気に入らないとして,他の従業員には使用を許していたにもかかわらず,原告に対してのみ,被告会社のボールペン等の文房具を使用させなかった。
(イ) 被告Y2は,原告に対してのみ,事務室への入室,被告会社代表者とと会話をすること,サービス品を自由に持ち出すことを禁じた。
ウ 被告Y2は,平成20年2月頃,原告がバイクのガソリンの領収書を事務員に渡して精算を依頼したところ,「支払わなくていい」と述べ,原告に対し,新聞配達や営業のために使用するバイクのガソリン代の支給を停止した。
エ 被告Y2は,平成20年2月頃から原告が退職するまでの間,毎日,原告が持ち出した新規勧誘のためのサービス品の個数をすべての従業員や外部の販売拡張員の前で確認し,数が合っていた場合でも,原告を午後11時過ぎまで本件店舗に残すことがあった。
オ 被告Y2は,日常的に,原告のことを「馬鹿」,「クソヤロー」と呼び,平成20年5月頃,従業員全員に対して読者紹介キャンペーンについて告知をした際,「Cとクソヤローは聞かなくていい」と述べた。
カ 原告は,平成19年10月18日,新聞配達をしている最中に犬に右足をかまれ,医療法人すこやかが経営する「高田中央病院」(以下「高田中央病院」という。)において治療を受け,同日,当時本件店舗の店長であったD(以下「D」という。)に対し,労災申請の依頼をしたところ,同人から,被告Y2に依頼するよう言われた。そこで,原告は,被告Y2に対し,労災申請を依頼したが,被告Y2は,「労災としては扱えない。」,「関係ない。」などと言うばかりで,労災申請の手続を行おうとしなかった。
キ 平成20年1月ないし2月頃,早朝の配達を終えた原告が被告Y2に挨拶をして帰宅しようとしたところ,同被告は,原告に対し,「目出し帽をかぶっているから挨拶が聞こえないんだ。」,「取れ。」,「何で黙っているんだ。聞こえないのならそんな帽子捨てろ。」などと述べ,原告が寒さをしのぐため着用していた目出し帽を取り上げ,本件店舗に置いてあったゴミ袋に捨てた。
さらに,被告Y2は,原告が自宅に別の目出し帽を有していることを知ると,原告にその目出し帽を持ってこさせ,これもゴミ袋に捨てた。
ク(ア) 平成20年6月ないし同年8月頃及び平成21年6月ないし8月頃にb1社主催の「読者紹介キャンペーン」が行われ,同キャンペーンにおいては,読者紹介をした従業員に対し換金可能な新聞拡販ポイントが付与されるところ,被告Y2は,原告が取得したポイントを換金し,現金を取得した。
(イ) 被告Y2は,原告がc社やd社主催のキャンペーンによって取得したポイントについても,上記(ア)と同様に松坂牛等の商品に交換し自分のものにした。
ケ 被告Y2は,平成21年頃,原告が被告会社代表者の葬儀に参列したいと申し出たところ,集金が遅いことのみを理由にこれを認めなかった。
コ 被告Y2は,原告が担当地区の顧客から預かっていたポイントシールの束を誤ってシュレッダーにかけてしまったにもかかわらず,自身の過誤であることを認めないばかりか,原告に対し,「お前の地区だからお前がいけないんだ」との発言をし,責任を転嫁した。
サ(ア) 被告Y2は,平成22年夏頃,本件店舗のバイク置き場付近において,原告に対し,「新人のバイクに腕時計を付けてやるのでお前のをよこせ。」と言い,原告が業務用のバイクに付けていたセイコー社製の腕時計を強引に奪い取った。
(イ) 被告Y2は,平成23年2月頃にも,原告から,腕時計を奪い取った。
シ(ア) 被告Y2は,原告に対し,平成22年9月分の給料について,通常交付される給料明細と異なる手書きの給料明細を手交した上,原告から,給与明細の記載が全て読めないので,通常の給料明細を交付して欲しいと要求されたが,原告に対し,通常交付される給料明細と異なり,字が小さくて読みにくい給料明細を交付し,「それでいいだろう。忙しいんだ。」と述べ,それ以上取り合わなかった。
(イ) 被告Y2は,原告が要求したにもかかわらず,平成23年3月分の給料明細を発行しなかった。
ス 被告Y2は,平成23年1月ないし2月頃,原告が新規顧客開拓により獲得したポイントを換金し取得した1万2000円について,「いらないだろう。」と述べ,これを奪い取った。
セ 被告Y2は,平成23年2月17日夕方,原告が同日が支給日の平成23年1月分の給与の支払を求めたにもかかわらず,忙しいとの理由から,これを支払わなかった。
ソ 被告Y2は,平成23年2月19日頃の午後10時から11時頃まで,原告に対し,原告の新聞の投函方法について,そのような方法をとることについて顧客から了解を得ており問題がなかったにもかわらず,新聞の投函の仕方に問題があるとの内容の始末書の作成を強制した。
タ(ア) 被告Y2は,平成23年2月19日,原告が単に人違いをしたことをとらえ,「社長が言うには頭がおかしい。病院へ行け。」などと罵倒した。
(イ) 被告Y2は,平成23年2月20日,原告に給料を支払った後,原告を事務所に連れて行き,「頭がおかしいから書け」と述べ,退職届の作成をしないと帰宅できない状態にした上,退職届を書くように命じ,原告に退職届を作成させた。
チ 被告Y2は,平成23年2月頃,原告に対し,「歓迎会をやるので出席すること,ついでに送別会もやるから出ろ。」と述べ,これに対して原告が欠席の意向を伝えると,「出ろ。所長が言っているんだから出ろ。既成事実がいるんだよ。お前が出たという事実がいるんだよ。分かれよ。馬鹿」等の暴言を浴びせ,原告を無理矢理送別会に出席させた。
ツ 被告Y2は,平成23年3月中旬頃,原告から退職証明書及び離職票の交付を依頼されていたにもかかわらず,現在に至るまで退職証明書や離職票を交付しなかった。
(被告の主張)
ア(ア) (原告の主張)ア(ア)の事実については否認する。
被告Y2は,同被告所有の携帯電話から原告の携帯電話に対し,日常的に電話やメールをしていた。
(イ) (原告の主張)ア(イ)の事実については否認する。
イ(ア) (原告の主張)イ(ア)の事実については否認する。
なお,被告Y2は,本件店舗の全従業員に対して,ボールペンを除き,蛍光ペン,マジック等の文房具の使用を許可しており,実際に原告以外の従業員はこれらを自由に使用していた。したがって,原告がボールペンを除く文房具を使用しなかったとしても,それは,原告の意思で使用しなかったにすぎない。また,ボールペンについては,従業員が無断で持ち出すのを防ぐため,被告会社の経費での購入は行っておらず,原告に限らず,従業員全員が自費で購入していた。
(イ) (原告の主張)イ(イ)事実については否認する。
ウ (原告の主張)ウの事実については否認する。
なお,被告会社では,ガソリン代の領収書を提出すれば,金庫残高の点検をしているときを除き,その場で現金を支払って精算していた。原告に対してガソリン代が支給されなかったとすれば,それは,単に原告がガソリン代の領収書を提出して精算をしようとしなかったからである。
エ (原告の主張)エの事実については否認する。
被告Y2は,原告が再三の指導にもかかわらず,契約カードに記載することになっていたサービス品の数量等に誤りが多かったことから,原告が業務で持ち出したサービス品の数と実際に使用したサービス品の数を対照して数量のチェックを行っていたが,午後11時過ぎまで原告を本件店舗に残した事実はない。
オ (原告の主張)オの事実については否認する。
カ (原告の主張)カの事実については,被告Y2がDから原告の労災申請をするように頼まれたころ,被告Y2が,労災事故には該当しないと判断して労災申請をしなかったことは認めるが,その余は否認する。
被告Y2が労災事故に該当しないと判断したのは,①犬の飼い主が顧客ではなかったので,仮に,原告が犬にかまれたとしても,配達中の事故ななのかどうか不明であったこと,②犬の飼い主から,人をかむような犬(小型犬)でなく,犬には通行人に届かない鎖を付けていたので,原告が犬に近づかない限り,かまれるようなことはない旨の説明を受けたこと,③被告Y2及びDが原告に対し犬にかまれたところを見せて欲しいと頼んだところ,原告がこれを拒んだこと,④原告が当日はいていたジーパンにかまれた様子がなかったこと,⑤原告が病院で「通院の必要はない」と言われた旨を述べていたので,仮に,かまれたとしても大したけがではないと判断したこと,⑥被告Y2が病院の領収書を持参すれば,被告会社において,治療費を精算すると述べたところ,原告がこれを断ったことなどから,配達中の事故かどうか不明であり,かまれたかどうか確認できず,仮にかまれたとしても大したけがではなかったこと等の事情から労災の要件を満たさないと判断したにすぎない。
キ (原告の主張)キの事実については,被告Y2が目出し帽をかぶっていた原告を注意したことは認めるが,その余は否認する。被告Y2が原告の目出し帽を取り上げてゴミ袋に捨てたことはない。
なお,被告Y2が原告が目出し帽をかぶっていたことを注意したのは,目出し帽をかぶっていた原告に声をかけたところ,返答がなかったことから,目出し帽をかぶっていたために自分の声が聞こえなかったのではないかと思い,配達中に顧客から声をかけられたにもかかわらずこれに気が付かず,無視されたというクレームが顧客からよくあったことや,原告が医師の指導により昼も夜もサングラスをかけていたことから,更に目出し帽をかぶっていると強盗等に間違えられる可能性があったことが理由である。
ク (原告の主張)ク(ア),(イ)の各事実についてはいずれも否認する。
そもそも,本件店舗では,「読者紹介キャンペーン」に応じて,従業員に対して成功報酬としてポイントを付与する制度を実施していない。また,拡販時に読者に対するサービス品の価格の単価を示すものとして「ポイント」という言葉が使われることがあるが,これは被告会社が拡販を委託した外部のセールスチームに適用されるものであり,被告会社の従業員の拡販業務に対してポイント制が適用されることはない。
したがって,被告Y2が原告に渡すべきポイントを原告に渡さずに取得したという事実は一切ない。
ケ (原告の主張)ケの事実については否認する。
被告Y2は,全従業員に対して,被告会社代表者の妻の葬儀への参列を希望する者は事前に申し出るよう説明し,実際に希望者3名が参列したが,原告から被告Y2に対して希望する旨の申出はなかった。
コ (原告の主張)コの事実については否認する。
サ (原告の主張)サ(ア),(イ)の各事実についてはいずれも否認する。
シ(ア) (原告の主張)シ(ア)の事実については否認する。
なお,被告Y2が原告の給与明細の一部を手書きした事実はあるが,それは,被告Y2が通常渡している給与明細を誤ってシュレッダーにかけてしまったことから,当日,被告会社の本店から急遽ファックスで送信してもらいこれを原告に渡したところ,原告から,差引支給額の箇所が読めないと言われ,その箇所だけ被告Y2が手書きをしたものを原告に渡したにすぎず,嫌がらせの意図によるものではない。
(イ) (原告の主張)シ(イ)の事実については否認する。
被告会社は,平成23年4月18日,原告に対し,平成23年3月分の給与明細を退職金請求の書類と一緒に同封して書留郵便で送付した。
ス (原告の主張)スの事実については否認する。
上記のとおり,被告会社ではポイント制を実施していないので,そもそも現金を渡す行為自体がない。
セ (原告の主張)セの事実については,原告に対し,平成23年1月分の給与を同年2月17日ではなく,同月20日に支払った事実は認め,その余は否認する。
なお,平成23年2月17日に給与を支払わなかったのは,同日が原告の休暇であり,原告が出勤していなかったからである。また,同月18日に支払わなかったのは,原告からの請求がなかったため,被告Y2において,これを失念してしまったからにすぎない。さらに,同月19日には,Bが原告に対して給与を支払おうとしたところ,原告が受領を拒否したので,同月20日の夜に支払うに至った。
ソ (原告の主張)ソの事実については,原告が始末書(乙5)を作成した事実は認めるが,その余は否認する。
被告Y2が原告に対して始末書の作成を強制した事実はない。
タ(ア) (原告の主張)タ(ア)については,否認する。
なお,被告Y2が,平成23年2月21日,原告に対し,精神内科又は精神科の診察を受けるよう説得したことはあるが,それは,原告が,平成2月19日に会っていない被告会社の従業員E(以下「E」という。)に会って質問をしたが無視されたと言い張っていたため,心配になったからにすぎない。
(イ) (原告の主張)タ(イ)については,否認する。
被告Y2が,原告を強制的に退職させた事実はない上,退職届を書いてもらった事実もない。原告の退職は,原告の自発的な意思に基づくものであった。
なお,被告Y2は,平成23年2月21日,上記(ア)記載の出来事があったことから,休養を勧めたが,原告は,「私は健康です。」の一点張りであった。そして,被告Y2は,同月22日,原告から,私が健康であることを認めてもらえないなら,3月末で辞めさせて欲しい旨を強く申し出られたことから,これを了承したものである。
そして,被告Y2は,平成23年3月11日,原告から,転職先から1日でも早く来て欲しいと言われたので,同月末より早く退職したい旨の申し出があったことから,原告と相談の上,退職日を同月19日に変更することを了承したものである。
チ (原告の主張)チの事実については,被告Y2が,原告に対し,送別会をやるから参加して欲しいと述べた事実は認めるが,その余は否認ないし不知。
本件店舗では,平成23年3月21日,被告Y2を含む7名の従業員が原告のために送別会を開催し,原告は,その翌日の同月22日,被告Y2に対し,感謝の意を表す電子メールを送信している。
ツ (原告の主張)ツの事実については,被告Y2が原告が退職する際に原告に対し退職証明書及び離職票を交付しなかった事実は認めるが,その余は否認する。
原告が退職の際に退職証明書や離職票の交付を求めた事実はない上,被告Y2が原告に対し退職証明書等を交付しなかったのは,間を置かずに転職する場合にはこれらの交付が不要であると誤解していたからにすぎず,嫌がらせの意図によるものではない。
なお,b社グループにおいて,原告から被告会社に交付要求があれば応じる旨を回答しているが,原告訴訟代理人が被告訴訟代理人に対し平成25年1月7日付けファックスにより交付を要求するまで,原告からの要求はなかった。
(2)  争点(2)(慰謝料額等)について
(原告の主張)
ア 慰謝料 300万円
被告Y2の上記様々な嫌がらせにより,原告は,精神的に追い詰められ退職を余儀なくされ,多大な精神的苦痛を被った。原告が被った精神的苦痛を償うに足る慰謝料は300万円を下回らない。
イ 弁護士費用 30万円
本件事案の性質上,本件訴訟の追行には弁護士を必要とするので,その費用(上記慰謝料額の10パーセント相当額)は,被告Y2の不法行為と相当因果関係にある損害である。
(被告の主張)
争う。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)(被告Y2が原告に対し嫌がらせをしたか)について
(1)  (原告の主張)アについて
ア (ア)について
原告は,被告Y2が,平成19年9月頃,原告が携帯電話の電話番号を尋ねたにもかかわらず,「お前は電話番号を知る必要はない。」と述べ,これを教えなかった旨主張し,同旨の陳述をする。
しかしながら,被告Y2がこれを否定する陳述していること,原告の陳述を裏付ける客観的証拠がないこと,原告は,自らの携帯電話につき電話帳に登録されていない番号からの着信ができない設定にしており,被告Y2の携帯電話から着信ができない状態であった旨陳述するが,仮に,原告の携帯電話が真実そのような状態にあったのであれば,被告Y2は,新聞配達,集金,営業等で外出の多い原告との連絡に支障を来すことになるが,それにもかかわらず,被告Y2が原告に自らの携帯電話の番号を教えなかったということはにわかに信じ難く,これらの事情を考慮すれば,原告の上記陳述はたやすく採用することはできず,他に,原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。
イ (イ)について
被告Y2は,平成20年2月頃,原告を呼び出し,原告に対し,原告の携帯電話に登録してあった被告会社代表者及びBの電話番号を抹消するよう強制した旨主張する。
証拠(乙14)によれば,被告Y2が,Bから原告から頻繁に業務の質問の電話が入り業務に集中できないという苦情があったことから,原告に対し,質問は全て本件店舗に電話するように注意したことがあったことが認められるが,かかる事実から,被告Y2が,原告に対し,原告の携帯電話に登録してあった被告会社代表者及びBの電話番号を抹消するよう強制したものと直ちに推認するには足りず,他に原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。
(2)  (原告の主張)イについて
ア (ア)について
被告Y2は,平成20年2月頃から,原告が被告会社のボールペンを業務に使用するのが気に入らないとして,他の従業員には使用を許していたにもかかわらず,原告に対してのみ,被告会社のボールペン等の文房具を使用させなかった旨主張する。
しかしながら,本件全証拠を検討しても,被告Y2が原告以外の従業員に被告会社のボールペンを使用することを許していたものと認めるに足りる証拠はなく,かえって,弁論の全趣旨によれば,被告会社は,従業員が無断で持ち出すのを防ぐため,ボールペンを被告会社の経費での購入を行っておらず,原告に限らず,従業員全員が自費で購入していたものと認められる。
また,本件全証拠を検討しても,被告Y2が,原告に対し,ボールペン以外の文房具を使用させなかったものと認めるに足りる証拠はなく,仮に,原告がボールペンを除く文房具を使用しなかったとしても,それは,原告が,ボールペンの使用を許されなかったことから,ボールペンを除く文房具の使用も許されないものと誤解して自らの意思で使用しなかったにすぎないものと思料される。
よって,原告の上記主張は採用することができない。
イ (イ)について
原告は,被告Y2が,原告に対してのみ,事務室への入室,被告会社代表者と会話をすること,サービス品を自由に持ち出すことを禁じた旨主張する。
しかしながら,本件全証拠を検討しても,被告Y2が原告に対して事務室への入室や被告会社代表者と会話することを禁じたものと認めるに足りる的確な証拠はない。甲第2号証(F作成の報告書)及び甲第5号証(G作成の陳述書)は,作成者の反対尋問を経ておらず,これらを直ちに採用することはできない。
また,証拠(乙9,14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2は,原告について,サービス品の持ち出し量及び使用料が他の従業員と比べて多かったことや,契約カードに記載することになっているサービス品の数量等に誤りが多かったことから,サービス品の持ち出し量及び使用量を点検していたことが認められるが,かかる点検が原告に対する嫌がらせとして行われていたものと認めるに足りる的確な証拠はない。
(3)  (原告の主張)ウについて
原告は,原告がバイクのガソリンの領収書を事務員に渡して精算を依頼したところ,被告Y2が「支払わなくていい」と述べ,原告に対し,新聞配達や営業のために使用するバイクのガソリン代の支給を停止した旨主張する。
そして,原告は,平成23年3月までの間,被告Y2又は被告会社の事務員に対しガソリン代の領収書を提出し続けたが,一度も支払ってもらえなかった旨陳述する。
しかしながら,支払を受けられないにもかかわらず,ガソリン代の領収書を約3年間にわたり提出し続けるという行動はあまりに不自然であること,証拠(甲1,乙14,原告本人,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,被告会社代表者に対し,給料の支給が遅れたことや他の従業員に無視されたことを申告しながら,ガソリン代の支給を受けられないことについては,これを申告しなかったことが認められるが,かかる対応の差異は不自然であること,ガソリン代の領収書が書証として証拠申請されていないことを考慮すれば,原告の上記陳述は直ちに採用することができず,他に原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。
(4)  (原告の主張)エについて
原告は,被告Y2は,平成20年2月頃から原告が退職するまでの間,毎日,原告が持ち出した新規勧誘のためのサービス品の個数をすべての従業員や外部の販売拡張員の前で確認し,数が合っていた場合でも,原告を午後11時過ぎまで本件店舗に残すことがあった旨主張する。
前記認定事実によれば,被告Y2は,原告について,サービス品の持ち出し量及び使用量を点検していたことが認められるが,これが嫌がらせとして行われていたものと認めるに足りる的確な証拠がないことは前記のとおりである。
また,本件全証拠を検討しても,被告Y2が,上記点検のために,原告を午後11時過ぎまで本件店舗に残すことがあったものと認めるに足りる的確な証拠はなく,他に原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。
(5)  (原告の主張)オについて
原告は,被告Y2が,日常的に,原告のことを「馬鹿」,「クソヤロー」と呼び,平成20年5月頃,従業員全員に対して読者紹介キャンペーンについて告知をした際,「Cとクソヤローは聞かなくていい」と述べた旨主張するが,かかる事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
(6)  (原告の主張)カについて
原告が平成19年10月18日新聞配達中に犬に右足をかまれ,高田中央病院において治療を受け,同日,Dから対応を依頼された被告Y2に対し,労災申請を依頼したが,被告Y2は,労災申請の手続を行おうとしなかった旨主張する。
証拠(甲1,3)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成19年10月18日,新聞配達中に犬に右下腿をかまれ,高田中央病院において治療を受け,Dに対し,労災申請を依頼したこと,Dは,被告Y2に対し,労災申請を依頼したことがそれぞれ認められ,また,被告Y2が労災申請をしなかったことは当事者間に争いがない。
しかしながら,証拠(原告本人,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば被告Y2が労災申請をしなかったのは,犬の飼い主が顧客ではなかったので,仮に,原告が犬にかまれたとしても,配達中の事故なのかどうか不明であったこと,犬の飼い主から,犬には通行人に届かない鎖を付けていたので,原告が犬に近づかない限り,かまれるようなことはない等の説明を受けたこと,原告が病院で「通院の必要はない」と言われた旨を述べていたので,仮に,かまれたとしても大したけがではないと判断したこと等の事情から労災の要件を満たさないと判断したにすぎないことが認められ,この事実に,被告Y2が病院の領収書を持参すれば被告会社において治療費を精算すると述べたところ,原告がこれを断った旨の被告らの主張及び被告Y2の陳述を虚偽と断するに足りる証拠がないことを併せ考慮すれば,被告Y2が原告の労災申請をしなかったという事実から,これが嫌がらせとして行われていたものと推認することはできない。
(7)  (原告の主張)キについて
原告は,平成20年1月ないし2月頃,被告Y2が,原告が着用していた目出し帽を取り上げ,本件店舗に置いてあったゴミ袋に捨て,さらに,原告が自宅に別の目出し帽を有していることを知ると,その目出し帽についても持ってこさせ,これもゴミ袋に捨てた旨主張する。
証拠(甲1,乙14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,原告に対し,目出し帽をかぶっていたことを注意したことが認められるが,本件全証拠を検討しても,被告Y2が,原告の目出し帽を取り上げてゴミ袋に捨てたり,原告に自宅から別の目出し帽を持ってこさせ,その目出し帽もゴミ袋に捨てたりしたものと認めるに足りる的確な証拠はない。
そして,証拠(乙14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が原告が目出し帽をかぶっていたことを注意したのは,目出し帽をかぶっていた原告に声をかけたところ,返答がなかったことから,目出し帽をかぶっていたために自分の声が聞こえなかったのではないかと考え,配達中に顧客から声をかけられたにもかかわらずこれに気が付かず,無視されたというクレームが顧客からないようにとの意図によるものであることが認められ,かかる事実からすれば,原告に対する注意が嫌がらせとして行われたものとは認め難い。
(8)  (原告の主張)クについて
原告は,b1社,c社及びd社主催のキャンペーンにおいては,読者紹介をした従業員に対し換金可能な新聞拡販ポイントが付与されるところ,被告Y2は,原告が取得したポイントを現金や商品に交換して取得した旨主張する。
しかしながら,本件店舗において,キャンペーンに応じて,従業員に対して成功報酬としてポイントを付与する制度を実施していたものと認めるに足りる証拠はなく,かえって,証拠(乙9,10の1ないし4,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件店舗においては,キャンペーンに応じて,従業員に対して成功報酬としてポイントを付与する制度を実施していなかったものと認められるから,原告の上記主張は採用することができない。
(9)  (原告の主張)ケについて
原告は,被告Y2が,平成21年頃,原告が被告会社代表者の葬儀に参列したいと申し出たところ,集金が遅いことのみを理由にこれを認めなかった旨主張するが,かかる事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
(10)  (原告の主張)コについて
被告Y2は,原告が担当地区の顧客から預かっていたポイントシールの束を誤ってシュレッダーにかけてしまったにもかかわらず,原告に対し責任を転嫁した旨主張するが,かかる事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
(11)  (原告の主張)サについて
原告は,被告Y2が,平成22年夏頃及び平成23年2月頃,原告から,腕時計を合計2個奪い取った旨主張するが,かかる事実を認めるに足りる証拠はない。
(12)  (原告の主張)シについて
ア (ア)について
原告は,被告Y2が,原告に対し,平成22年9月分の給料について,通常交付される給料明細と異なる手書きの給料明細を手交した上,原告から,通常の給料明細を交付して欲しいと要求されたが,通常交付される給料明細と異なり,字が小さくて読みにくい給料明細を交付し,それ以上取り合わなかった旨主張する。
証拠(甲1,乙14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,原告の平成22年9月分の給与明細について,通常交付される給与明細を交付せず,通常交付される給与明細をファックス送信した不鮮明なものに,差引支給額を手書きしたものを交付したことが認められる。
しかしながら,証拠(乙14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,原告に対し,通常交付される給与明細を交付せず,ファックス送信された不鮮明なものに差引支給額を手書きしたものを交付するに至ったのは,原告に対して交付すべき通常の給与明細を紛失してしまったことから,被告会社の本店から急遽ファックスでこれを送信してもらったが,これが不鮮明であるとの指摘を受け,差引支給額を手書きしたにすぎないことが認められ,かかる事実に加えて,被告Y2において,自らの手間が増えるような嫌がらせを行うとはにわかに考え難いことからすれば,これが原告に対する嫌がらせの意図によるものとは認め難い。
イ (イ)について
原告は,被告Y2が原告に対し平成23年3月分の給料明細を発行しなかった旨主張する。
しかしながら,証拠(乙3)及び弁論の全趣旨によれば,被告会社は,平成23年4月18日,原告に対し,退職金請求の書類を書留郵便で送付し,原告は同月25日これを受領したことが認められるところ,これに平成23年3月分の給与明細を同封されていた可能性は否定し難い上,仮に,これに同給与明細が同封されていなかったとしても,これが過誤によるものでなく,嫌がらせの意図によるものであったと認めるに足りる証拠はない。
(13)  (原告の主張)スについて
原告は,被告Y2が,平成23年1月ないし2月頃,原告が新規顧客開拓により獲得したポイントを換金し取得した1万2000円を奪い取った旨主張する。
しかしながら,本件店舗において,従業員に対して成功報酬としてポイントを付与する制度を実施していたものと認めるに足りる証拠はないから,原告の上記主張は採用することができない。
(14)  (原告の主張)セについて
原告は,被告Y2が,平成23年2月17日夕方,原告が平成23年1月分の給与の支払を求めたにもかかわらず,忙しいとの理由から,これを支払わなかった旨主張し,被告Y2が,平成23年2月17日が支給日の平成23年1月分の給与を同年2月17日ではなく,同月20日に支払ったことは当事者間に争いがない。
しかしながら,原告は,原告本人尋問において,平成23年2月17日夕方,平成23年1月分の給与の支払を求めたにもかかわらず,被告Y2が忙しいとの理由からこれを支払わなかった旨陳述するとともに,その後,支給日に給料が支払われなかったことから,他の従業員に給料日が変わったのか尋ねた旨陳述するところ,原告が給与の支払を求めたにもかかわらず,被告Y2が忙しいとの理由で給与の支払をしなかったのであれば,給料日が変わったのではないかと疑問に思うことはないから,原告の上記主張は不自然であってこれを直ちに採用することはできず,他に,原告が平成23年2月17日夕方被告Y2に対し平成23年1月分の給与の支払を求めたものと認めるに足りる証拠はない。
そして,証拠(甲1,原告本人,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成23年2月18日及び同月19日には,被告Y2に対し,同年1月分の給与の支払を求めず,また,被告Y2も原告に対して同給与を支給することを失念していたことなどから,同月19日までには同給与が支給されなかったこと,原告が,同月19日,被告会社代表者に対し,同給与の支払を受けていないことを告げたことから,被告会社代表者は,同月20日,被告Y2に対し,連絡を入れ,原告に対して給与を支払うよう告げたこと,これを受けて,被告Y2は,同日,原告に対し,同給与を支給したことがそれぞれ認められ,これらの事実を総合考慮すれば,被告Y2において,平成23年2月17日が支給日の同年1月分の給与を原告に対して支払うのが同月20日になってしまったことをもって,これを嫌がらせの意図によるものとは認め難い。
(15)  (原告の主張)ソについて
原告は,被告Y2が,平成23年2月19日頃の午後10時から11時頃まで,原告に対し,原告の新聞の投函方法について,そのような方法をとることについて顧客から了解を得ており問題がなかったにもかわらず,新聞の投函の仕方に問題があるとの内容の始末書の作成を強制した旨主張する。
証拠(乙5,原告本人,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,平成23年2月20日,原告に対し,原告の新聞の投函方法に関して始末書(乙5)を作成するよう求め,原告がこれを作成したことが認められる。
しかしながら,証拠(乙5,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が原告に対して新聞の投函方法に関して始末書の作成を求めたのは,被告Y2が平成23年2月18日に新聞がはみ出さないような投函方法を指導したにもかかわらず,同月19日,原告が被告Y2の指導どおりに新聞を投函しなかったことによることが認められ,かかる事実を考慮すれば,被告Y2が原告に対して始末書の作成を求めたことが,嫌がらせによるものとまでは認め難い。
なお,原告は,原告の新聞の投函方法について,そのような方法をとることについて顧客から了解を得ていた旨主張するが,かかる事実を認めるに足りる証拠はなく,仮に,かかる事実があったとしても,そのことを原告Y2に告げたものと認めるに足りる証拠はないから,新聞の投函方法について顧客の了解を得ていたからといって,そのことから,被告Y2が嫌がらせの意図で原告に対して始末書の作成を求めたことを推認することはできない。
(16)  (原告の主張)タについて
原告は,(ア)被告Y2が,平成23年2月19日,原告が単に人違いをしたことをとらえ,「社長が言うには頭がおかしい。病院へ行け。」などと罵倒し,(イ)同月20日,原告に対し,「頭がおかしいから書け」と述べ,退職届の作成をしないと帰宅できない状態にした上,退職届を書くように命じ,原告に退職届を作成させた旨主張するが,これらの事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
証拠(乙14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,平成23年2月21日頃,原告に対し,精神内科又は精神科の診察を受けるよう説得したことが認められるが,他方で,証拠(乙14,原告本人,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が原告に対してそのような説得をしたのは,原告が,同月19日に会ったはずのないEに会って質問をしたが無視されたと言い張っていたこと等から,原告の精神状態が心配になったためであることが認められ,かかる事実を考慮すれば,かかる被告Y2による説得をもって,嫌がらせの意図によるものとは認められない。
(17)  (原告の主張)チについて
原告は,被告Y2は,平成23年2月頃,原告に対し,「歓迎会をやるので出席すること,ついでに送別会もやるから出ろ。」と述べ,これに対して原告が欠席の意向を伝えると,「出ろ。所長が言っているんだから出ろ。既成事実がいるんだよ。お前が出たという事実がいるんだよ。分かれよ。馬鹿」等の暴言を浴びせ,原告を無理矢理送別会に出席させた旨主張する。
証拠(被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が,原告に対し,原告の送別会兼新入社員の歓迎会への出席を求めたことは認められるが,証拠(乙7)によれば,原告が,送別会後,被告Y2に対し,「お疲れの所 時間をさいて頂き有難うございました。(略)忙しい時に有難うございました。X」との内容の携帯電話の電子メールを送信したことが認められ,かかる事実を考慮すれば,これが無理矢理であったものと評価することはできない。
また,被告Y2が,上記のような発言をしたものと認めるに足りる証拠はない。原告は,被告Y2が「既成事実がいるんだよ。お前が出たという事実がいるんだよ。」と述べたと主張するが,仮に,被告Y2が何らかの既成事実を作出するため原告を送別会に出席させる意図があったとすれば,そのような意図は隠すはずであって,それを原告に対しわざわざ伝えるとはにわかに考え難い。
(18)  (原告の主張)ツについて
原告は,被告Y2が,平成23年3月中旬頃,原告から退職証明書及び離職票の交付を依頼されていたにもかかわらず,現在に至るまで退職証明書や離職票を交付しなかった旨主張する。
被告Y2が原告が退職する際に原告に対し退職証明書及び離職票を交付しなかったことは当事者間に争いがないが,本件全証拠を検討しても,平成23年3月中旬頃,被告Y2に対し,退職証明書及び離職票の交付を依頼したものと認めるに足りる的確な証拠はない。
また,証拠(乙9,14,被告Y2本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告Y2が原告に対し退職証明書等を交付しなかったのは,原告が間を置かず転職する予定であったところ,間を置かずに転職する場合にはこれらの交付が不要であると誤解していたからにすぎなかったことが認められ,これが嫌がらせの意図によるものであったとは認め難い。
(19)  以上によれば,原告の主張する被告Y2の各行為は,それ自体,原告が主張するような事実を認定できないか,これを認定することができたとしても,それが嫌がらせの意図をもって行ったものとは認め難い。そして,認定することができた被告Y2の各行為を総合しても,被告Y2が原告に対し嫌がらせの意図を持っていたものとは推認するには足りないから,被告Y2が原告に対し嫌がらせをしたものとは認め難い。
2  以上によれば,原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判官 堀田匡)

 

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