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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(163)平成25年 8月28日 東京高裁 平25(ネ)2668号 損害賠償請求控訴事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(163)平成25年 8月28日 東京高裁 平25(ネ)2668号 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日  平成25年 8月28日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ネ)2668号
事件名  損害賠償請求控訴事件
裁判結果  取消、自判、一部容認  上訴等  上告、上告受理申立  文献番号  2013WLJPCA08287001

要旨
◆会員権販売につき,取締役の監視義務違反を肯定した事例

新判例体系
民事法編 > 商法 > 会社法〔平成一七年法… > 第二編 株式会社 > 第四章 機関 > 第一一節 役員等の損… > 第四二九条 > ○役員等の第三者に対… > (四)取締役が代表取締役に対する監視義務を懈怠した場合
◆取締役が、代表取締役に対する監視義務を履行しておれば、代表取締役の業務執行が適正でないことを認識し、これを是正するための行動を取ることが十分可能であった場合には、取締役は、重大な過失があったことにより、本条に基づく損害賠償責任を負う。

 

裁判経過
第一審 平成25年 3月21日 静岡地裁 判決 平22(ワ)302号

出典
判タ 1418号133頁

参照条文
会社法330条
会社法355条
会社法429条1項

裁判年月日  平成25年 8月28日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ネ)2668号
事件名  損害賠償請求控訴事件
裁判結果  取消、自判、一部容認  上訴等  上告、上告受理申立  文献番号  2013WLJPCA08287001

控訴人 甲野花子
同訴訟代理人弁護士 藤森克美
被控訴人 乙川太郎
同訴訟代理人弁護士 田野壽
宮﨑隆博
石倉尚
加来典子
中山友二

 

 

主文

1  原判決を取り消す。
2  被控訴人は,控訴人に対し,300万円及びこれに対する平成22年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  控訴人のその余の請求を棄却する。
4  訴訟費用は,第1,2審を通じ,これを2分し,その1を被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。
5  この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
 

事実及び理由

第1  控訴の趣旨
1  原判決を取り消す。
2  被控訴人は,控訴人に対し,300万円及びこれに対する平成21年7月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人の負担とする。
4  第2項について仮執行宣言
第2  事案の概要(以下,略語等は,原則として,原判決に従う。)
1  事案の要旨
本件は,控訴人が,株式会社Y情報センター(以下「Y」という。)の取締役である被控訴人に対して,同社の会員権を詐欺行為(数年後には数倍に値上がりするので転売すれば儲かると述べるなどして購入を勧誘)により多数口購入させられ,2520万円を代金として支払い,損害を被ったところ,①被控訴人は上記不法行為の共同不法行為者であると主張して不法行為に基づく損害賠償として,又は②同社の代表取締役の春野一郎(原審分離前相被告,以下「春野」という。)には上記違法行為を認識しながら放置していたことについて不法行為責任があり,被控訴人には同社の取締役として任務懈怠があったと主張して取締役の任務懈怠(会社法330条,355条及び429条1項)に基づく損害賠償請求として,3024万円(上記代金相当額2520万円,慰謝料及び弁護士費用各252万円の合計額)及びこれに対する最終の不法行為日である平成21年7月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
原審は,控訴人の請求を棄却したところ,控訴人が,これを不服とし,請求の認容を求めて控訴した。
控訴人は,当審において,請求を300万円の損害賠償請求及びこれに対する平成21年7月9日から支払済みまでの遅延損害金の請求に減縮した。
2  当事者の主張等
前提事実,争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の補正)
4頁9行目から同12行目までを次のとおり改める。
「(控訴人の主張)
控訴人の損害額は,Yの会員権の購入代金として支払った2520万円,慰謝料及び弁護士費用各252万円の合計3024万円である。
控訴人は,本件に関して被控訴人と連帯して損害賠償義務を負うべき原審相被告の夏川二郎(Yの取締役)から,平成24年7月10日に成立した裁判上の和解に基づき,同月25日解決金として100万円の支払を受けた。また,本件と分離された事件の控訴審において,原審相被告のY,株式会社Zリゾート(以下「リゾート社」という。),春野,秋山三郎ほか3名のYの取締役との間で,和解が成立し,控訴人は,約600万円の支払を受けた。
なお,遅延損害金は最終取引日である平成21年7月9日を起算日として請求することとする。」
第3  当裁判所の判断
1  認定事実
証拠(甲1の1,甲2の1のA,B,甲2の2,甲2の3及び4の各A,B,甲2の5ないし16,甲3の1ないし25,甲4,甲5の1,2,甲7,16,乙1,乙5の1ないし18,乙9,13,14,乙A1,6,8,控訴人,春野,被控訴人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。
(1)Yは,春野の創業したセブ島,バリ島,チェンマイにあるリゾート施設の利用権を権利内容とする会員権を発行して販売し,会員に対して上記施設の利用等に関するサービスを提供することを業務とする会社である。
Yは,上記会員権の販売を平成20年4月に開始したが,会員権販売のために必要な人員を擁しておらず,他社に委託して会員権を販売していた。主要な委託先はV社であった。委託の報酬は,会員権販売額の35パーセントを成功報酬として支払う方法であり,V社との間では,同社からの申入れに応じて,1か月に20口以上を販売した場合には,これに5パーセントを付加することになっていた。会員権の販売価格は1口100万円(税別,以下同じ。)と高額であり,平成20年中に販売した会員権(1次販売)には,1口につきYの提供する施設を,15年にわたり年間10日間使用できるコース(Aコース),10年にわたり年間15日間使用することができるコース(Bコース)及び5年にわたり年間30日間使用することができるコース(Cコース)があった。平成21年から販売した会員権(2次販売)には,1口につき3300ポイントの付与を受け,5年間を資格期間として付与されたポイントを使用するまで上記施設使用ができる権利を有する会員権(プランⅠ)と,1口につき3000ポイントのを付与を受け,10年間を資格期間として付与されたポイントを使用するまで上記施設使用ができる権利を有する会員権(プランⅡ)があった(これらの各種内容の会員権をあわせて,以下「本件会員権」という。)。
Yは,V社の提案により,本件会員権を多数口購入した会員に対して,「シルバー会員」,「ゴールド会員」,「プラチナ会員」などとして,会員資格の期間を延長する等の特典を付与することとした。
Yが作成した会員募集用のパンフレットには,将来建設予定の段階にあるセブ島のバケーション・ハウスを「広大な敷地に圧巻の100棟」などと,既に保有しているかのように記載したり,利用していない同島のゲスト・ハウスやホテルを利用できる施設であるかのような記載があった。しかし,Yは,当該パンフレットを会員の勧誘用に委託業者に使用させていた。
Yは,本件会員権の販売方法を販売を委託した業者に任せていたが,販売代金の入金状況を管理することにより,本件会員権の購入者と購入口数を把握していた。春野もそのデータを見ていた。
(甲1の1,甲2の1のA,B,甲2の2,甲2の3及び4の各A,B,甲2の5ないし13,甲2の16,甲4,乙5の1ないし18,乙9,14,春野)
(2)Y従業員と称し「一色」と名乗る者及びその後任者と称し「二宮」と名乗る者は,平成20年7月から9月にかけて,控訴人に対し,頻繁に電話をかけ,1次販売で購入すると,2次販売以降,数年で2倍や3倍に値上がりする,3口買ってブロンズ会員となった方がより高く転売できる,5口のシルバー会員の方が良い,10口のゴールド会員の方が良い,12口(ワンルーム権利者)の方が転売できる,ワンルーム以外に1口買ってプラスアルファの価値をつけておいた方が良い,ワンルームの権利にブロンズ会員(3口)をつけた方が買い手が見つかりやすいし高く売れるなどと順次説明して,本件会員権の投資目的による購入を勧誘した。さらに,その間に,「四谷」と名乗る者が,控訴人に対して,電話により,本件会員権は評判がよい,1次販売を買えるチャンスは滅多にない,5口(シルバー会員)より10口(ゴールド会員)の方が転売するときに有利であり,値段が上がるなどと言って口数を増やすことを勧めた。
これらの者の説明は,本件会員権は1口100万円の販売価格を大きく超えた価格により転売ができるから投資目的で購入すると有利であるとするものであったが,現実には,本件会員権は,投資の対象として販売されていたものではなく,1口100万円の購入価格を上回る価格で転売できる見込みはなかったのであり,上記説明等は,本件会員権を控訴人に売り込むために虚偽の事実を述べるものであった。
そして,控訴人は,上記の説明等を信用し,実際には転売することを期待できないにもかかわらず,高額の転売が可能であり,かつ,多数口を保有しておけば,転売の際に有利となると誤信し,平成20年9月までの間に,本件会員権を,投資目的で,原判決別紙「甲野花子被害一覧表」の契約番号1ないし13に記載のとおり合計13口(第1次販売分のBコース)購入した。春野は,入金のデータなどから,本件会員権を多数口購入した会員の存在を認識していたが,多数口購入による特典を求めて購入したものと理解していた。
(甲2の1のA,B,甲2の2,甲2の3及び4の各A,B,甲2の5,6,甲3の1ないし13,甲7,控訴人,春野)
(3)平成20年9月に,本件会員権の購入者から春野が理事となっていたY財団に対して,本件会員権の買い戻しを求めるクレームが入り,同財団からYに本件会員権販売の営業活動の実情を確認する電話があった。そこで,春野は,V社に対し担当者を問いただしたところ,V社は,調査すると回答し,最終的に,同社の従業員のうち何人かが本件会員権を販売するに際して,顧客に対し,本件会員権は,Y財団が買い戻してくれると説明して販売を行っていた事実があったかもしれないという曖昧な言い方による報告をした。これにより,春野は,V社の従業員が本件会員権を投資目的の物件として販売していることを認識した。
そこで,春野は,V社に対して,詫び状の作成を求めたところ,V社は,「顧客からY財団に買い戻しのクレームが入ったことで迷惑を掛けたこと」について詫びた上,「個々の営業担当者単位でお客様にそのような状況で感じとれるようなご案内をしていたことが一部判明した」との事実関係を確認し,「今後,ご案内トークの改善,業務の監視などを行い,再度担当者を徹底教育するなどの対応を取ること」を約束する内容のV社営業本部長名の「お詫び状」を同年10月29日付けで作成し提出した。
さらに,春野は,上記詫び状の提出だけでは十分ではないと考え,本件会員権の申込書と契約書中に,「投資ではない旨の確認」との項目名の下に,「甲(甲は会員となろうとする顧客を意味する。以下同じ。)は本件会員権に基づく権利が施設使用を目的としたものであり,投資を目的としたものではないことを確認する」旨の記載と,「甲が満75歳以上の方の確認」との項目名の下に,「甲は,75歳以上の場合,申込みに当たり,家族又は親族に相談したことを確認する」旨の記載を加えた。これらの記載がある申込書及び契約書は,平成20年12月から使用が開始され,それまでは,上記記載のない従前の申込書及び契約書の使用が継続された。
春野は,多数口の会員権を購入する者が増えてきたため心配になり,会員に直接確認をしたいと考えた。そこで,春野は,平成21年初めころ,V社に対し了解を求めたところ,V社から,そのような行為は同社の営業活動に対する妨害行為であるから差し控えるようにとの抗議を受け,これを断念した。
Yは,平成20年8月以降,本件会員権の購入者からの解約申入れに対応して,年齢等から判断して解約を相当と判断する場合について,購入代金の全額(数人について)又は一部を返還して解約に応じていた。
(甲2の8ないし13,16,乙1,春野)
(4)本件会員権の購入者からのクレームは,国民生活センターにも寄せられ,平成20年9月に5件の相談があったのを始めとして平成22年9月までの間に合計42件の相談があった。相談者の年代は,70歳代が15人,80歳代が13人であった。購入金額が500万円を超える相談者は17人いた。相談内容として,高額で売却することができると言われて勧誘を受けたり,他社を称する者から高額で購入すると言われて,投資目的で購入したところ虚偽の説明であったとするものが多数あった。(甲5の1,2)
(5)V社が「お詫び状」を提出した後も,控訴人に対する本件会員権購入の勧誘が続いた。平成20年12月中旬以降,前記「二宮」の後任者と称し「三井」と名乗る者は,控訴人に対し,電話により,本件会員権の買い増しを勧めた。これに応じた控訴人が平成20年12月24日を契約日とする契約書の送付を受け,前記「投資ではない旨の確認」の項目の記載をみて不審に思い問い合わせたところ,「三井」は,「リゾートの会員権を投資とうたって売るわけにはいかないので」とか「みなさん投資目的で購入されていますから。会社も暗黙の了解なので心配しなくても結構です。」などと説明した。控訴人は,その説明を信用した。
その後,前記「四谷」は,控訴人に対し,電話により,本件会員権12口をJTBが買い取りたいという話がある,本件会員権の2次販売分を買って1次販売の会員権と抱き合わせにして売るとプレミアムがつくなどと述べて,本件会員権の買い増しを勧め,上記「三井」もこれに合わせて本件会員権の買い増しを勧めた。さらに,リゾート会員権販売の仲介業者と称し「五木」と名乗る者は,控訴人に対して,2次販売の会員権も,1次販売の会員権と同じように複数で揃えた方が値打ちが上がる,2次販売が正式に始まれば販売価格が高くなるので安いうちに買っておくべきだ,大手業者が購入を希望しているなどと順次述べて,本件会員権の買い増しやリゾート社の会員権の購入を勧めた。
そして,控訴人は,上記の説明等を信用し,実際には転売することが期待できないにもかかわらず,高額の転売が可能であり,かつ,多数口を保有することによって,転売の際に有利となり,購入済みの会員権と合わせて間もなく売却することができると誤信し,平成20年10月以降,本件会員権を,投資目的で原判決別紙「甲野花子被害一覧表」の契約番号14ないし22に記載のとおり,11口を購入し,これに加えて同番号23,24に記載のとおり,リゾート社の会員権2口も購入した。
控訴人の保有する本件会員権(1次販売)の権利内容は,平成20年12月に合計18口を有するに至った時点では,1年間に270日間,Yの施設を利用することができるほどのものとなっていた。
(甲2の7ないし16,甲3の14ないし25,甲7,控訴人)
(6)控訴人は,上記「三井」を介して,Yの旅行手配の担当者に連絡を取り,2次販売の会員権のポイントを使用して平成21年4月14日から1泊の国内旅行をした。また,娘夫婦の同年5月9日から1泊の国内旅行にも上記ポイントを使用した。(甲7)
(7)被控訴人は,平成19年1月ころ春野と知り合った。その際,被控訴人は,春野から,海外にリゾート施設を建てて,これを利用する会員権を販売する事業を予定していること,また,会員権は販売代理店を通じて販売することを予定していること,販売代理店になることを希望するのであれば,事業に出資し,事業を行う会社の取締役となることが条件であることなどを聞いた。
被控訴人は,同時点でWプランニングの常務取締役の職にあったところ,同社は,新事業を確保するため,上記会員権の販売代理店となることを決定し,同年6月,Yに500万円を出資した上,被控訴人がYの取締役に就任した。
被控訴人は,Yは海外にリゾート施設を建設後に会員権販売の事業を開始するものと考えており,同施設の建設の状況を春野に確認したが,同人からは,施設完成の話がないまま推移した。被控訴人は,平成19年10月ころには,Yや春野に対して,大きいことを言っているが,予定していた事業が何一つ実現していないという認識に至っていた。被控訴人は,平成20年3月ないし5月ころ,春野からYのパンフレット(甲1の1)の送付を受けたが,そのころには,Yへの出資を後悔し,春野に対して,出資金500万円の返還を求めたが,春野は,金がないので返還はできないと言って拒絶した。そこで,被控訴人は,Yが芳しくない経営状態にあると判断していた。
被控訴人がYの取締役に就任した後,Wプランニングの経営状況が次第に悪化し,被控訴人は,同社の経営へのてこ入れや取引先との折衝に多忙となった。平成20年2月以降は,同社の各地の支店閉鎖業務でさらに多忙となっていた。Wプランニングは同年9月に解散した。被控訴人は,Yの株主総会や取締役会に出席したことはなく,春野の業務執行を監視する事務を行ったことはなく,同社から報酬の支給を受けたこともない。(甲1の1,乙13,乙A1,6,8,被控訴人)
2  被控訴人の責任について
(1)上記認定事実からすれば,Yの従業員と称していた「一色」,「二宮」及び「三井」は,「四谷」や「五木」と共謀して,控訴人に対し,虚偽の情報を提供し,本件会員権は購入額を大きく上回る額で確実に転売できるものであると誤信させ,控訴人に本件会員権を購入させたものと認めるのが相当であり,これらの行為は控訴人に対する不法行為(以下「本件不法行為」という。)を構成する。
しかし,上記認定の事実経過からすれば,控訴人に本件会員権を販売した「一色」,「二宮」及び「三井」は,いずれもV社の従業員ないし同社から再度委託を受けて本件会員権を販売していた者であり,「四谷」及び「五木」も,上記3名と同様に同社の従業員等であったか,あるいは上記3名と意思を通じて上記不法行為を共同で行った者であると推認することができ,これらの者がYの従業員であったと認めるに足りる証拠はない。
そして,被控訴人が,本件不法行為について共同不法行為者としての責任を負うべき事実を認めるに足りる証拠はない。
(2)春野の責任について
もっとも,春野については,本件不法行為に故意に加担したと認めることはできないものの,平成20年9月末の時点において,Yの代表取締役として,本件会員権が投資目的の物件として不正に販売されている実情を調査して確認し,不正な行為が確認された場合には,これを是正すべき職務上の義務があったところ,これらを怠ったものと認めるのが相当である。その理由は次のとおりである。
(ア)本件会員権は,1口あたりの販売価格が100万円と高額であり,不当に販売が行われた場合には,購入者の被害額が多額にのぼることが予想された。また,販売委託の手数料は,1口について35万円ないし40万円という高額の成功報酬を予定するものであり,販売業者において手数料を増やしたいために無理な販売を行う動機を生ずる懸念がある仕組みであった。上記懸念は,V社の提案により合意された1か月に20口以上を販売した場合には,販売手数料を1口40パーセントに増額するという約定や,会員に,多数口を購入するに従って,「シルバー」,「ゴールド」,「プラチナ」などの場合にランクをつけ,1人の会員が30口もの会員権(プラチナ会員,乙14)を購入する仕組みを作成することにより,さらに増幅されたものとなっていたということができる。そして,春野及びYにとって,V社関係者は過去に面識があった取引先ではなく,その業務遂行における適法性,誠実性について過去に具体的な情報や経験を有していなかったことを考慮すれば,Yとしては,本件会員権の販売が適正に行われることについて,相応の注意を払うべき状況があったといえる。
(イ)そして,Yにとって,平成20年9月のY財団からの連絡により,本件会員権を投資の対象として販売されていた事実が明らかになり,上記懸念が現実のものとなったといえる。
V社は,Yに対して,不正に行われた販売は,「個々の営業担当者単位でお客様にそのような状況で感じとれるようなご案内をしていたことが一部判明した」などと例外的なものであったかのように述べているが,本件以外にも訴訟に至っている事案が存在すること(甲17)や国民生活センターに寄せられた相談の状況に照らせば,本件会員権を将来値上がりすると称して投資の対象として販売する不正な行為は,V社従業員及びその販売委託先において相当数行われていたものと認めるのが相当である。
(ウ)そうであるとすれば,Yには,Y財団からの連絡により上記懸念が明らかになった時点において,V社従業員による不正な販売行為の実情を具体的に把握し,不正な販売行為が継続されてこれによる被害者が生じることがないように適切な対応をすべき注意義務が生じるに至っていたといえる。
そして,Yは,会員権販売による入金のデータを管理しており,また,業務の遂行上,個々の会員の有する会員資格の内容も把握していたはずであるから,本件会員権を多数口保有するに至っている会員が相当数存在することを容易に認識し,このような会員に会員権購入の経過を確認したり,あるいは,その保有数の増加の状況に注意を払い,利用実績に照らして明らかに多くの口数を購入している会員については本件会員権の保有数が不自然であると判断して,その購入の経過を確認する対応を取ることが容易にできたはずである。これを控訴人についてみると,その保有していた本件会員権の口数は,平成20年9月末の時点において,13口であり,1年間に195日間の施設使用権を有する権利を取得していたことになるところ,このような長期間をリゾート地で過ごすことは一般的ではないし,控訴人が同時点まで会員権を利用した実績もなかったのであるから,多数口を保有することによって会員資格の有効期間が延長される特典があることを考慮しても,控訴人の保有する会員権の口数及びその利用実績からみて,控訴人の本件会員権の保有数が不自然であることはYにとっても明らかであったといえる。実際に,春野において,会員に直接,会員権取得の経過を直接確認する必要があると判断して,これを行うためにV社に了解を求め,拒絶された経過があったこと(なお,Yが自らの会員に対して,会員権の購入の経過を確認するについては,V社の承諾を要するものではない。)は前記のとおりである。このような確認によって,V社従業員による不正な販売が明らかとなれば,当該顧客に対しては解約に応じ,V社に対しては販売の手数料を支払わないこととし,さらに不正な販売が継続する場合には,V社への販売委託を解消するという方針で対応することは容易であったといえる。
(エ)それにもかかわらず,Yの行った実情の確認は,不正な販売行為を行って多額の手数料を取得していたV社自身に事実の確認を求めたのみで,自らは不正な販売行為の実情の把握を行わず,その結果,V社からの曖昧で矮小化された実情報告と「お詫び」を受け入れるにととまったものであり,被害の実情の把握が不十分であったといわざるを得ない。また,Yの行った対応をみても,会員権の払戻しを求めてきた会員に対してのみ全部又は一部の払戻しの対応をしたにとどまり,その後の不正な販売行為の防止のための対応を十分に行っていないというべきである。なお,Yは,不正な販売行為への対応として,本件会員権の申込書及び契約書に,甲(会員となろうとする顧客)は本件会員権に基づく権利が施設使用を目的としたものであり,投資を目的としたものではないことを確認する」旨の記載をすることとしたが,これは,投資目的で会員権を購入した顧客に対して,紛議が生じた場合に,その責任を顧客側に負担させる趣旨の記載と解されるものであり,会員権を購入しようとする顧客に対して,投資目的で購入しても転売によって利益を得ることができないことについて注意を喚起する趣旨の記載としては不十分である(現に,控訴人が上記記載に気がつきながら,投資目的による購入が容認されているとする「三井」の説明を信用したように,販売行為を行う者が不正を行う場面において,これを防止する効果は十分なものではない。)。よって,これをもって,Yが不正販売の防止のための適切な対応を行ったと認めることはできない。
(オ)以上によれば,Yにおいては,本件会員権の不正な販売について,平成20年9月末の時点において,これを調査して確認し,不正な行為が確認された場合には,これに適切な対応をして是正すべき注意義務があったところ,同社はこれを怠ったものと認めるのが相当である。そして,春野には,Yの代表取締役として,上記注意義務に従った調査及び是正の対応を履行すべき職務上の義務の懈怠があり,これに基づく不法行為責任を負うと認めるのが相当である。
(3)被控訴人の取締役の任務懈怠による責任について
被控訴人は,Yの取締役であり,代表取締役である春野の業務執行を監視する義務があり,被控訴人が取締役としての報酬の支給を受けていなかったとしても,これを免れるものではない。そして,被控訴人が,春野に対して,Yの事業の進行状況について質問をしたことはあったものの,春野の業務執行が適正に行われているかについて,監視を行っていなかったことは,被控訴人の供述(被控訴人本人尋問の結果)により明らかである。
被控訴人は,春野の業務執行に対する監視義務の履行が困難であったことについて,Wプランニングの業務執行で多忙であったこと,被控訴人の住所が,Yの本店と遠隔地になったこと,出資の払戻を要求して断られたことなど種々の事情を主張するが,いずれも,被控訴人の監視義務の不履行を相当とする事情として認めることはできない。また,被控訴人は,Yの事業が円滑に進んでいないことを認識しており,Yが現時点で保有していない施設を既に保有しているものとして記載されている同社のパンフレットの交付も受けていたのであるから,春野の業務執行への監視について必要性を認識し得ない状況にあったと認めることもできない。
そして,Yの業務内容,本件会員権販売を他社に委託している状況及び平成20年9月末における不正販売行為発生に係る状況からみて,被控訴人が春野に対する監視義務を履行していれば,本件会員権販売に関して発生した不正販売への対応について春野の業務執行が適正なものでないことを認識し,これに対する是正のための行動を取ることが十分に可能であったといえる。
よって,被控訴人は,本件会員権の不正な販売行為に関して,Yの取締役としての春野の業務執行に対する監視義務の履行を怠ったことについて重大な過失があったことにより,控訴人に対し,同過失による損害について会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負うものと解するのが相当である。
3  控訴人の損害
(1)被控訴人の取締役の任務懈怠と相当因果関係のある損害額
前記認定事実からすれば,春野において,本件会員権の不正販売の事実を認識し,これに対応すべき状況が生じたのは,平成20年9月末の時点のことであり,被控訴人による監視業務についても同様であると認めることができる。
そして,被控訴人が適切に監視義務を履行していれば,同年10月以降の本件不法行為の発生を防止し,これによる損害の発生を回避することができたものと推認することができる。
よって,被控訴人の取締役の任務懈怠と相当因果関係を認めることができる損害は,本件会員権の購入代金を支払ったことによる財産的な損害として,原判決別紙「甲野花子被害一覧表」の契約番号14ないし22に記載の支払金額合計1155万円と認めるのが相当である。
なお,本件不法行為により控訴人が被った精神的な損害については,本件不法行為が控訴人を騙して本件会員権を購入させるという財産上の侵害行為としての態様のものであること,また,被控訴人の責任が不法行為責任ではなく,取締役の任務懈怠に基づくものであることを考慮すると,被控訴人の任務懈怠との間に相当因果関係を認めることはできない。
(2)過失相殺
被控訴人の控訴人に対する損害賠償責任は,故意の不法行為に基づくものではないから,過失相殺を認めることを妨げるものではない。
そして,本件不法行為の態様に照らし,被害者である控訴人においても,申込書に投資目的でないことを確認する記載が追加されたことを認識しながら本件会員権の購入を継続するなどの点において,相応に軽率な点があったことは否定できないものの,控訴人が「一色」,「二宮」及び「三井」をYの従業員と認識していたことなど本件不法行為の経過に照らせば,損害賠償額の負担において考慮すべきまでの過失が控訴人にあったと認めるには足りないというべきである。
よって,被控訴人の過失相殺の主張は,理由がない。
(3)損益相殺
控訴人は,本件に関し,原審において相被告夏川二郎との間で成立した和解により100万円の支払を受け,原判決言渡し後,Y及び春野等との間で成立した和解により最大限650万円(約600万円との主張があるのみで確定的な金額が明らかでないため最大限650万円であったものと推認する。)の支払を受けている。
上記650万円は,本件不法行為に加えて,リゾート社の会員権の販売に係る不法行為による損害も対象とするものであり,本件不法行為による損害や被控訴人の任務懈怠による損害との間の充当関係について合意があったことは明らかでない。
しかし,これらをすべて被控訴人の任務懈怠による損害額に充当すべきものと仮定しても,控訴人の上記損害の残額として,少なくとも405万円が残されていることになる。
(4)弁護士費用
被控訴人の任務懈怠との間に相当因果関係を認めることができる弁護士費用額は,本件事案の内容,本件訴訟の経過,上記損害額等の本件に関する一切の事情を考慮すると,50万円と認めるのが相当である。
(5)以上によれば,控訴人は,被控訴人に対して,会社法429条1項に基づく損害賠償請求として,少なくとも455万円の支払を求めることができるから,これを上回らない300万円の支払を求める本件請求は,理由がある。
4  遅延損害金の起算日について
控訴人は,損害金に対する遅延損害金について,平成21年7月9日を起算日として請求している。
しかし,会社法429条に規定する取締役の損害賠償責任は,不法行為責任とは異なる法定の責任であり,履行の請求を受けた時点から遅滞に陥ると解するのが相当である(最高裁判所第一小法廷平成元年9月21日判決,最高裁判所裁判集民事157号635頁参照)。よって,本件における遅延損害金の請求は,訴状送達の日の翌日である平成22年3月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。
第4  結論
以上によれば,控訴人の減縮後の請求は,被控訴人に対して,会社法429条1項に基づく損害賠償請求として300万円及びこれに対する平成22年3月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容し,その余の請求は理由がないから棄却すべきである。よって,控訴人の請求を棄却した原判決は相当でないから,これを取り消し,控訴人の請求を上記理由のある限度で認容することとする。
(裁判長裁判官 難波孝一 裁判官 中山顕裕 裁判官 飛澤知行)
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