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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(123)平成26年12月 1日 東京地裁 平25(ワ)4818号 報酬等請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(123)平成26年12月 1日 東京地裁 平25(ワ)4818号 報酬等請求事件

裁判年月日  平成26年12月 1日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)4818号
事件名  報酬等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA12018003

要旨
◆弁護士である原告が、被告Y1及び同被告が代表取締役を務める被告会社に対し、各委任契約に基づき、弁護士報酬及びその遅延損害金の支払を求めた事案において、原告と被告らとの間で原告主張に係る各報酬合意が成立したとはいえないとして、請求を棄却した事例

参照条文
民法643条
民法648条

裁判年月日  平成26年12月 1日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)4818号
事件名  報酬等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA12018003

埼玉県所沢市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 武知政芳
東京都港区〈以下省略〉
被告 Y1(以下「被告Y1」という。)
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 株式会社シマネット(以下「被告シマネット」という。)
同代表者代表取締役 A
上記両名訴訟代理人弁護士 鹿内徳行
同 榮春彦

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告らは,原告に対し,連帯して143万3250円及びこれに対する平成24年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告Y1は,原告に対し,505万4875円及びこれに対する平成24年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  本件は,弁護士である原告が,次のとおり,被告らに対し,委任契約に基づき弁護士報酬及びこれに対する弁済期の後の日である平成24年12月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
(1)  被告らに対する請求
後記損害賠償事件 着手金 57万3300円
報酬 85万9950円
合計 143万3250円
(2)  被告Y1のみに対する請求
ア 後記立替金事件 着手金 82万2150円
報酬 123万3225円
合計 205万5375円
イ 後記財産分与事件 着手金及び報酬 599万9000円(一部請求)
その半額 299万9500円
ウ 合計 505万4875円
2  争いがない事実等
(1)  原告は,弁護士である(争いがない。)。原告は,a大学大学院法務研究科の教員でもあり,国際私法,国際民事紛争に関する科目を担当している(原告本人)。
(2)  B(以下「B」という。)と被告Y1は,平成14年末頃から平成22年頃まで,内縁関係にあった(乙14)。
被告シマネットは,被告Y1が代表取締役を務める株式会社である(乙14)。
株式会社パス・コミュニケーションズ(以下「パス」という。)は,Bが代表者を務める株式会社である(乙1の5)。
(3)  被告Y1は,平成22年6月23日,東京都港区長に対し,被告Y1とBが婚姻する旨の婚姻届を提出した(乙11の1)。
(4)  Bは,平成22年9月27日,被告Y1を相手方として,立替金の返還を請求する訴えを提起した(当庁平成22年(ワ)第36446号立替金等請求事件,以下「立替金事件」という。)(乙1の4)。立替金事件は,要旨,Bが,①平成16年8月5日,東京都港区高輪所在のマンション(以下「高輪マンション」という。)を被告と共同で購入するに当たり,被告Y1が負担を約束した購入代金のうち6490万円を支払わないことからBがこれを立て替えたとし,②被告Y1が,平成21年11月2日,Bの預金口座から,1340万円を引き出して領得したとして,合計7830万円及び遅延損害金の支払を求めるものであった(乙1の4)。被告Y1はこれを全面的に争った(弁論の全趣旨)。
(5)  被告Y1は,平成22年11月3日,F弁護士(以下「F弁護士」という。)及びC弁護士(以下「C弁護士」という。)との間で,立替金事件について,委任範囲を示談折衝,書類作成,契約交渉,訴訟(第1審)とし,報酬につき着手金100万円,報酬金を経済的利益の5%,出張手当を1日2万円とする委任契約を締結した(甲1,3)。そして,被告Y1は,F弁護士及びC弁護士に対し,立替金事件の着手金100万円を支払った(弁論の全趣旨)。立替金事件についての両弁護士に対する委任状には,委任事項として「被告Aがする一切の行為を代理する権限」のほか「和解」も記載されている(乙4の7)。
(6)  パスは,平成22年12月1日,被告シマネットを相手方として,損害賠償を請求する訴えを提起した(当庁平成22年(ワ)44436号損害賠償請求事件,以下「損害賠償事件」という。)(乙1の5)。損害賠償事件は,要旨,パスが,①被告シマネットとの業務委託契約に基づいて,上海承新広告有限公司(以下「上海子会社」という。)の閉鎖に伴う立替金として,被告シマネットに支払った金員のうち通常生じる実費を超える2209万8805円は詐取されたものであるとし,②星大銘嘉経済諮詢(大連)有限公司(以下「大連子会社」という。)の出資金として被告シマネットに3250万2700円を支払ったが,大連子会社の設立が履行されていないとして,合計5460万1505円及び遅延損害金の支払を求めるものであった(乙1の5)。被告シマネットは,これを全面的に争った(弁論の全趣旨)。
(7)  被告シマネットは,平成23年1月12日,F弁護士及びC弁護士との間で,損害賠償事件の訴訟追行を委任し(乙7の10),同年4月18日,委任範囲を示談折衝,書類作成,契約交渉,訴訟(第1審(反訴を含む。))とし,報酬につき着手金150万円(ただし,50万円は後払い。),報酬金を本訴について経済的利益の3%,反訴について経済的利益の8%,出張手当及び出廷日当をそれぞれ1日2万円とする委任契約を締結した(甲2)。被告シマネットは,F弁護士及びC弁護士に対し,損害賠償事件の着手金100万円を支払った(弁論の全趣旨)。
(8)  立替金事件と損害賠償事件とは,平成23年6月27日に併合された(乙2の9)。立替金事件と損害賠償事件についてB及びパスの訴訟代理人は,元法務大臣であるD弁護士であった(乙1の4及び5)。
(9)  Bは,平成23年9月26日,被告Y1を相手方として婚姻の無効確認を求める訴えを提起した(東京家庭裁判所平成23年(家ホ)第853号婚姻無効確認請求事件,以下「婚姻無効確認事件」という。)(乙11の1)。
被告Y1は,平成23年10月2日,原告との間で,着手金40万円,報酬は報酬会規による(被告Y1全面勝訴の場合は60万円)とする婚姻無効確認事件についての委任契約書に署名し,委任契約を締結した(乙14の別紙6)。
(10)  被告Y1は,平成23年10月1日付けで,原告に対しても,立替金事件についての訴訟追行を委任し,被告シマネットも,同日,原告に対しても,損害賠償事件についての訴訟追行を委任した(争いがない。)。原告と被告らは,この段階では,立替金事件及び損害賠償事件に係る弁護士報酬について合意していない(争いがない。)。
(11)  原告は,平成23年10月3日,同年12月9日,平成24年1月30日,同年3月12日,同年4月20日,同年5月18日,同年6月7日,同年7月19日,同年9月6日,同年10月15日,それぞれ立替金事件及び損害賠償事件の弁論準備手続期日に出頭した(乙2の11,2の13から21まで)。
(12)  東京家庭裁判所は,平成24年3月22日,婚姻無効確認事件につき,Bと被告Y1との間の婚姻が無効であることを確認する旨の判決を言い渡した(乙14)。この判決は控訴されずに確定した(乙14)。
平成24年4月20日の弁論準備手続期日において和解が具体的に検討されることとなり,その後,和解案の調整が行われた(乙2の16から21まで,原告本人)。
(13)  東京地方裁判所は,立替金事件及び損害賠償事件につき,平成24年11月16日に開かれた第13回弁論準備手続期日において,被告ら本人も出頭の上,裁判上の和解を成立させた。その内容は,被告Y1は,Bに対し,内縁関係解消に伴う財産分与として,高輪マンションの共有持分2分の1を全部移転し,4項の金員の支払を受けるのと引換えにその移転登記手続をすること(1項),被告Y1は,Bに対し,平成25年5月31日限り,上記建物を明け渡すこと(3項),Bは,被告Y1に対して,上記財産分与として,平成24年12月17日限り,4300万円を「弁護士X預り口」名義の預金口座に振り込んで支払うこと(4項),Bは,被告Y1に財産分与としてパスの株式37株を譲渡すること(5項),被告Y1は,パスに対し,大連子会社の全株式を譲渡すること(6項)などを内容とするものであった(乙1の2及び3)。
(14)  被告Y1は,平成24年12月2日,B本人に対し,上記の財産分与に係る4300万円の振込先を,被告Y1名義の口座に変更する旨申し出,そのとおり変更された(甲19の2及び3,乙14)。
3  争点
(1)  立替金事件についての報酬合意の成否
【原告の主張】
原告と被告Y1との間で,平成24年7月7日,立替金事件につき,被告Y1が,原告に対し,以下の支払をすることが合意された。
ア 着手金として,訴訟物の価格の1%及びこれに対する消費税
訴訟物の価格7830万円×0.01=78万3000円
消費税 78万3000円×0.05=3万9150円
合計 82万2150円
イ 報酬として,訴訟物の価格の1.5%及びこれに対する消費税
訴訟物の価格7830万円×0.015=117万4500円
消費税 117万4500円×0.05=5万8725円
合計 123万3225円
【被告Y1の主張】
被告Y1は,原告が主張するような報酬についての合意などしていない。
原告が立替金事件に関与するようになったのは,F弁護士の紹介によるのであり,被告Y1は,F弁護士及びC弁護士とは別途原告に対しても報酬を支払う意思はなかった。
(2)  損害賠償事件についての報酬合意の成否
【原告の主張】
原告と被告シマネットとの間で,平成24年7月7日,損害賠償事件につき,被告シマネットが,原告に対し,以下の支払をすることが合意された。
ア 着手金として,訴訟物の価格の1%及びこれに対する消費税
訴訟物の価格5460万円×0.01=54万6000円
消費税 54万6000円×0.05=2万7300円
合計 57万3300円
イ 報酬として,訴訟物の価格の1.5%及びこれに対する消費税
訴訟物の価格5460万円×0.015=81万9000円
消費税 81万9000円×0.05=4万0950円
合計 85万9950円
【被告シマネットの主張】
被告シマネットは,原告が主張するような報酬についての合意などしていない。
原告が損害賠償事件に関与するようになったのは,F弁護士の紹介によるのであり,被告シマネットは,F弁護士及びC弁護士とは別途原告に対しても報酬を支払う意思はなかった。
(3)  被告らにおける法人格否認の法理の適用
【原告の主張】
被告シマネットは,平成4年6月9日,被告Y1により設立されたものであり,被告Y1が唯一の株主であり,そうでないとしても広義の一人会社である。被告シマネットの登記には,被告,B及びEが平成15年1月15日に取締役に就任したままの登記がされていたが,Bが取締役に就任した事実は存在しないし,Eは,取締役に就任したかは疑わしく,そうでなくても名ばかりの取締役であったから,被告シマネットの取締役は被告Y1のみであり,被告シマネットは,被告Y1が実質的に支配している会社である。
被告シマネットの本店所在地として登記されている場所は,被告Y1が所有し第三者に賃貸しているマンションの1室であり,事業活動の拠点たり得ないものであり,専従の従業員等はいないから,営業の実体がない。
被告シマネットの業務は,株式会社アドエー及びその後身であるパスから受けた業務委託に限られているが,その報酬は,実質的には被告Y1の所得であり,被告らは,業務及び財産を全般的かつ継続的に混同している。
被告シマネットでは,株主総会は開催されたことはなく,合議機関としての取締役会は設置されていない。
被告Y1は,原告やF弁護士との間で,被告シマネットと被告Y1個人を区別して応対したことはない。
以上によれば,被告シマネットの法人格は形骸にすぎず,被告Y1に被告シマネットと同様の責任を負担させるべきである。
【被告らの主張】
被告Y1と被告シマネットとの間には,法人格否認の法理を適用すべき事情はない。
(4)  財産分与事件についての委任契約の成否
【原告の主張】
平成24年5月17日,原告及びF弁護士と被告Y1との間で,Bと被告Y1との間の財産分与事件についての委任契約が成立した。
【被告Y1の主張】
そもそも財産分与に係る事件自体存在しないし,被告Y1が,原告に対し,その訴訟委任をした事実もない。
(5)  財産分与事件についての報酬合意の成否
【原告の主張】
ア 原告及びF弁護士と被告Y1との間で,平成24年7月7日,財産分与事件につき,被告Y1が,原告及びF弁護士に対し,以下の支払をすることが合意された。
着手金及び報酬として,和解金額の16%及びこれに対する消費税
和解金4300万円×0.16=688万円
消費税 688万円×0.05=34万4000円
合計 722万4000円
イ 原告は,上記722万4000円のうち599万9000円の半額である299万9500円を請求する。
【被告Y1の主張】
被告Y1は,原告が主張するような報酬についての合意などしていない。
第3  当裁判所の判断
1  争いがない事実及び後掲各証拠(ただし,認定に反する部分は採用しない。)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(1)  F弁護士は,平成23年4月ないし5月頃,心臓に関わる疾患に罹患し,手術を受けるなど体調不良であった(乙16の5の2,16の6)。
F弁護士は,平成23年5月30日,被告らに対し,「Bさんの経済的負担の無いように,交渉につき力量のある弁護士にお願いしようかとも考えております。」などと記載したメールを送信した(乙16の6)。なお,F弁護士は,被告Y1のことを「Bさん」と表記していた。
(2)  F弁護士は,被告らに対し,立替金請求事件及び損害賠償事件については,担当裁判官が原告側に偏った訴訟指揮をしている旨を伝えており,平成23年8月12日,被告らに対し,「裁判官は,原告勝訴の結論をもっており,原告勝訴の判決を書く作業を念頭に置いているために,被告の準備書面の主張が判決を書くための障害物に映るのだと思われます。裁判官は,最後に当職に向かって「先生が頑張られると困るんです。」と言いました。裁判官にあるまじき言動ですが,原告への肩入れを露骨に感じます。」,「…とはいえ,証拠次第の問題ですので,行く手には困難を感じずにはおれません。」などと記載したメールを送信した(乙16の10)。
F弁護士は,平成23年9月5日,被告らに対し,婚姻無効確認事件については,「婚姻の無効確認の件は,困難な事件ですので,他の弁護士さんに依頼していただきたく思っております。」とした上で,「今まで受任しております2件の事件も,既にご説明いたしました通り,きわめて不利な事態に陥っております。」,「証拠を探し出して,再構築しないと,Bさんは,マンション2戸すべての財産を失うことになりかねません。」,「原告のマンションの代金の立替金の請求と横領金の返還請求が認められた場合,敗訴にともなって支払わなければならなくなる金銭の調達方法を今から考えておいてください。」などと記載したメールを送信した(乙16の11)。
(3)  F弁護士は,平成23年9月30日,被告らに対し,「事態を打開するためには,弁護士を増員して,裁判所に圧力をかけることも,有益と思われます。しかし,そのためには,Bさんに経済的負担をかけることになります。苦肉の策として,当方が考えた案は,婚姻無効訴訟を受任した弁護士さんに手伝ってもらうことです。ただ,無報酬で働いてくれる弁護士さんは居ません。そこで,当方にとってbossの立場にあるX弁護士に,無理を言ってお願いみたいと言って相談したのが,先日の電話の話です。」,「X先生には,当方が受任している事件については,Bさんからの報酬を受け取ることなく訴訟代理人をお願いする立場です。当方との関係で,X先生にご無理をお願いすることをご理解ください。」などと記載したメールを送信した(乙16の12)。
(4)  被告Y1は,平成23年10月2日,F弁護士とともに原告の事務所において面談を行った。被告Y1は,同日,原告との間で,着手金40万円,報酬は報酬会規による(被告Y1全面勝訴の場合は60万円)とする婚姻無効確認事件についての委任契約書に署名し,委任契約を締結した(乙14の別紙6)。そして,被告Y1と被告シマネットは,同日,平成23年10月1日付けで,原告に対しても,立替金事件及び損害賠償事件についての訴訟追行の委任状を交付した(甲7,8)。この委任状の委任事項には,立替金請求事件及び損害賠償事件に関する「一切の訴訟行為」のほか「和解」も記載されている。
原告は,この段階では,被告らに対し,立替金事件及び損害賠償事件に係る弁護士報酬について説明をしていないし,合意もしていない(争いがない。)。
(5)  その後,原告は,平成23年10月3日,同年12月9日,平成24年1月30日,同年3月12日,同年4月20日,同年5月18日,同年6月7日,それぞれ立替金事件及び損害賠償事件の弁論準備手続期日に出頭した(乙2の11,2の13から18まで)。また,原告は,平成23年10月24日,東京地方裁判所に,立替金事件及び損害賠償事件について送達場所を原告事務所に変更するよう届け出た(乙4の10及び11)。
原告は,立替金事件及び損害賠償事件について時系列表を提出したところ,一部被告らが記載した内容がそのまま転記されていたことについて,弁論準備手続期日にいて,担当裁判官から叱責を受けた(乙18・11頁,原告本人)。
(6)  東京家庭裁判所は,平成24年3月22日,婚姻無効確認事件につき,Bと被告Y1との間の婚姻が無効であることを確認する旨の判決を言い渡した(乙14)。この判決は控訴されずに確定した(乙14)。
立替金事件及び損害賠償事件の平成24年4月20日の弁論準備手続期日において和解が具体的に検討されることとなり,その後,和解案の調整が行われた(乙2の16から21まで,原告本人)。
原告,F弁護士及び被告らは,平成24年5月17日,打合せを行い,和解の内容等について検討を行った(甲99,100)。
(7)  原告は,平成24年7月7日,F弁護士も同席の上で,被告らとの間で打合せを行い,被告らに対して弁護士報酬に関する説明を行った(甲4,乙14,原告本人,被告本人)。原告は,同日の打合せの際には,被告らに対して委任契約書の草案を示して説明していない(原告本人)。
原告は,平成24年7月7日の打合せの後,被告らに対し,立替金事件及び損害賠償事件についての委任契約書を送付したが,被告らが押印してこれを原告に返却することはなかった(原告本人,被告本人)。
その後,原告は,同年7月19日,同年9月6日,同年10月15日,それぞれ立替金事件及び損害賠償事件の弁論準備手続期日に出頭した(乙2の11,2の13から21まで)。
(8)  被告Y1は,平成24年7月12日,F弁護士に対し,弁護士報酬の内容について問い合わせる内容のメールを送信した(乙16の20)。
これに対し,F弁護士は,平成24年7月13日,被告Y1に対し,「報酬の金額の話は,ほとんどX弁護士との間でやり取りされたおりましたので,私は,部分的にしか聞いておらず,私に関係のある部分しか記憶にございません。」としながら,「また,X弁護士を含めて3者で合意したのは,財産分与の件については,X・F両弁護士との間で,別途委任契約を締結し,成功報酬の金額は両弁護士の分を併せて18%にするということでした。」などと記載したメールを送信した(乙16の20)。
(9)  被告Y1は,平成24年7月27日,今後について,原告を外してF弁護士との間でのみ打合せをしたいとの希望を述べるメールを送信し,F弁護士は,平成24年7月30日,特別の事情がない限りその希望には応じられないとするメールを送信した(乙16の22)。
F弁護士と被告らは,平成24年8月13日,シェラトン都ホテルにおいて面談をし,被告らは,原告に対する報酬を支払いたくないとの申し出をした(乙18・9頁)。被告らは,C弁護士に対する報酬を減額し,原告の報酬に充てるべきであるとの主張をF弁護士に対して行った(乙18・9頁,18頁から19頁まで)。
(10)  F弁護士は,平成24年9月4日,被告Y1に対し,「X弁護士が,いくらの金額の報酬を請求をしているのかは,私は存じませんが,X弁護士の貢献により,既に実質的には,報酬額の何倍もの利益が得られておりますので,是非とも,契約書の調印を前向きにお考えいただくよう,お願い申し上げます。」などと記載したメールを送信した(乙16の23)。
被告らは,平成23年9月5日,F弁護士に対し,「今回の準備書面(9)は,未だに届いておりません。F先生は本件訴訟について,出廷以外に,完全にタッチなさらなくなったのでしょうか。何とかご協力を頂きたく存じます。」などと記載したメールを送信した(乙16の23)。
(11)  東京地方裁判所は,立替金事件及び損害賠償事件につき,平成24年11月16日に開かれた第13回弁論準備手続期日において,被告ら本人も出頭の上,裁判上の和解を成立させた(争いがない。)。
原告及びF弁護士は,この和解が成立する前に,財産分与についての弁護士報酬が具体的にいくらになるかについては説明していない(乙18・28頁)。
(12)  被告Y1は,平成24年12月2日,B本人に対し,上記の財産分与に係る4300万円の振込先を,被告Y1名義の口座に変更する旨申し出,そのとおり変更された(甲19の2及び3,乙14)。
(13)  原告は,平成24年12月13日付けで,被告Y1に対して,立替金事件の報酬123万3225円及び「平成24年財産分与請求事件」の報酬599万9000円の支払を,被告シマネットに対して,損害賠償事件の報酬85万9950円の支払を求める各請求書を送付した(甲16から18まで)。
上記「平成24年財産分与請求事件」についての請求書には,算定の根拠として,着手金198万円(43,000,000に対して第二弁護士会報酬会規による),報酬金496万円(43,000,000に対して第二弁護士会報酬会規による)との記載がある(甲18)。この合計額である694万円は,4300万円の16.1395…%となる。
(14)  東京地方裁判所は,平成24年12月27日,原告を債権者,被告Y1を債務者として被告Y1が所有する東京都千代田区九段南にあるマンションを仮に差し押さえる仮差押決定を発令した(甲26)。
(15)  被告Y1は,平成25年2月12日,第二東京弁護士会長に対し,相手方を原告とする紛議調停の申立てを行った(甲27の1及び2)。
(16)  F弁護士及びC弁護士は,平成25年7月22日,被告らを相手方として,弁護士報酬等の支払を求める訴えを提起した(当庁平成25年(ワ)第19471号報酬等請求事件,以下「別件訴訟」という。)(乙14,17,18)。
2  立替金事件についての報酬合意の成否(争点(1))及び損害賠償事件についての報酬合意の成否(争点(2))について
原告は,平成24年7月7日,①被告Y1との間で,立替金事件につき,被告Y1が,原告に対し,着手金として訴訟物の価格の1%及びこれに対する消費税,報酬として訴訟物の価格の1.5%及びこれに対する消費税を支払うことを合意し,②被告シマネットとの間で,損害賠償事件につき,被告シマネットが,原告に対し,着手金として訴訟物の価格の1%及びこれに対する消費税,報酬として訴訟物の価格の1.5%及びこれに対する消費税を支払うことを合意した旨主張し,証拠(甲4,5,6,原告本人)がこれに沿う。
しかし,平成24年7月7日の打合せの際の被告らの態度については,原告は,「静かに聞いて,私は,我々私たちの説明,提案を理解したというふうに考えております。」(原告本人8頁)などと供述しながら,他方で「何も言いませんでした。分かりましたというふうにおっしゃいました。」(同15頁),「結構ですと言われました。」「はい。分かりましたと。」(同26頁)などと,その内容は曖昧なものにとどまっている。
そして,被告らは,立替金事件及び損害賠償事件について既にF弁護士及びC弁護士に委任していたものであるところ,証拠(原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告も受任した理由は,上記両事件について,F弁護士がほぼ単独で処理しているが進行が思わしくないこと,裁判所がB側に偏った訴訟指揮をすることから裁判所に圧力をかけるために弁護士を増員する必要があることとされていたが,これらは,専らF弁護士側の事情にすぎないのであって,被告らとしては,F弁護士及びC弁護士に対する報酬に加えて原告に対する報酬の支払まで合意する理由としては十分な合理性があるとは認め難い(現に,F弁護士も,前記のとおり,被告らに対して,原告を紹介する際には,原告に対しては無報酬で依頼する予定である旨を説明しているし,被告らも,前記のとおり,平成24年8月13日の時点で,C弁護士に対する報酬を原告に対する報酬に充てるべきと主張しているところである。)。
そして,前記のとおり,被告らは,原告が裁判官から叱責を受けたことなどもあり,被告らは,平成24年7月27日の時点で,原告を外してF弁護士のみとの間での打合せを希望するなどし,同年9月5日,F弁護士に今後も立替金事件及び損害賠償事件に関与することの確認と助力を求めていることからすれば,被告らと原告との間には十分な信頼関係は築かれていなかったことが認められる。
そして,原告は,平成24年7月7日の打合せの際には,被告らに対して委任契約書の草案を示して説明しておらず,被告らがその内容を理解していたとは認め難い(現に,被告らは,前記のとおり,平成24年7月7日の打合せの後である同月12日,F弁護士に対して弁護士報酬の内容について問い合わせているところである。)。
その上,被告らは,前記のとおり,F弁護士から,立替金事件及び損害賠償事件についての原告との委任契約書に押印して返送するようにとの説得を受けながら,同委任契約書に押印して返送することを拒絶しているが,この事実は,報酬合意を否定する上で重要な間接事実というべきである。
以上によれば,被告らが,原告が主張する各報酬合意について承諾したと認めることはできず,原告と被告らとの間の各報酬合意の成立について認めることはできない。
したがって,原告の前記主張は採用することができない。
3  財産分与事件についての委任契約の成否(争点(4))及び財産分与事件についての報酬合意の成否(争点(5))について
原告は,平成24年5月17日,原告及びF弁護士と被告Y1との間で,Bと被告Y1との間の財産分与事件についての委任契約が成立し,同年7月7日,財産分与事件につき,被告Y1が,原告及びF弁護士に対し,着手金及び報酬として,和解金額の16%及びこれに対する消費税の支払をすることを合意した旨主張し,証拠(甲4,18,原告本人)がこれに沿う。
しかし,財産分与に関する委任契約書は,原告との間だけでなく,F弁護士との間においても作成すらされていない。そして,Bと被告Y1との間に,財産分与に係る訴訟が係属しているわけではなく,飽くまでも立替金事件及び損害賠償事件についての裁判上の和解を行う流れの中で取り扱うこととなったものであり,原告やF弁護士に対する上記両事件についての各委任状には,前記のとおり,委任事項として「和解」の項目も含まれていたのであるから,原告及びF弁護士としては,財産分与の業務に関する弁護士報酬を得たいのであれば,被告Y1に対して報酬の内容についてより一層丁寧な説明をしなければ,その承諾を得ることは困難であると認められるところ,原告及びF弁護士がこのような説明をしたとは認め難い。
そして,原告は,本件訴訟において,平成24年7月7日に被告Y1が和解金額の16%及びこれに対する消費税の支払を合意したと主張しているが,F弁護士は,前記のとおり,被告Y1に対し,成功報酬につき18%で合意したとするメールを送信しているし,別件訴訟においても原告及びF弁護士の報酬が併せて18%となる旨説明したと供述しているところ(乙18・19頁),原告は,本件訴訟の訴状において18%では少し多すぎるから原告の所属する第二東京弁護士会の平成8年の会規に基づいて請求書を送付したと主張するなど,その報酬の具体的な内容は曖昧なものといわざるを得ない。
これらの事情に加え,前記2において検討したところを併せ考慮すれば,被告Y1が,少なくとも原告が主張する報酬合意について承諾したと認めることはできず,原告と被告Y1との間の報酬合意の成立について認めることはできない。
したがって,原告の前記主張は採用することができない。
第4  結論
よって,原告の請求は,いずれも理由がない。
(裁判官 上村考由)

 

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