【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(120)平成27年 1月30日 東京地裁 平25(ワ)3816号 損害賠償等請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(120)平成27年 1月30日 東京地裁 平25(ワ)3816号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成27年 1月30日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)3816号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2015WLJPCA01308010

要旨
◆原告会社が、被告Y1社との間で、同被告の行う時間貸し駐車場のフランチャイズ事業における新規加盟店の募集業務等を原告会社が受託する業務委託契約(本件契約1)を締結し、さらに同契約の報酬と必要経費に関する定めを変更することなどを定めた契約(本件契約2)を締結した等と主張して、被告Y1社に対し、未払報酬の支払と債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めるとともに、同被告の代表取締役である被告Y2に対し、共同不法行為責任又は会社法429条に基づく損害賠償を求めた事案において、原告会社と被告Y1社が本件契約2を締結したとは認められないとした上で、原告会社がフランチャイズ契約の締結が可能な状態に持ち込んだ案件について、被告Y1社が合理的な理由もなく契約締結を行わないことは本件契約1の趣旨に反するとして、被告Y1社の債務不履行を認める一方、当該行為に不法行為法上の違法性があるとはいえず、被告Y2に職務上の悪意又は重過失があったともいえないなどとして、被告らのその余の責任を否定し、請求を一部認容した事例

参照条文
民法415条
民法709条
民法719条
会社法429条

裁判年月日  平成27年 1月30日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)3816号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2015WLJPCA01308010

沖縄県名護市〈以下省略〉
原告 有限会社琉球プランニング
同代表者取締役 A
同訴訟代理人弁護士 元田秀治
同 重隆憲
東京都品川区〈以下省略〉
被告 Y1株式会社
同代表者代表取締役 Y2
東京都大田区〈以下省略〉
被告 Y2

 

 

主文

1  被告Y1株式会社は,原告に対し,48万1621円及びこれに対する平成25年2月23日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  原告の被告Y1株式会社に対するその余の請求及び被告Y2に対する請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用はこれを20分し,その1を被告Y1株式会社の負担,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告らは,原告に対し,連帯して845万6637円及びこれに対する平成25年2月23日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が,被告Y1株式会社(以下「被告会社」という。)と業務委託契約2件を締結した等と主張して,被告会社に対し,未払報酬と債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を請求するとともに,被告Y2(以下「被告Y2」という。)に対しては,民法719条の共同不法行為責任又は会社法429条に基づく損害賠償を請求した事案である(附帯請求は訴状送達の日の翌日以降商事法定利率年6分の遅延損害金)。
1  前提事実(当事者間に争いがないか弁論の全趣旨により容易に認める。)
(1)被告会社は,コインパーキング用の機械設備の開発製造販売等を行う会社であり,被告Y2はその代表取締役である。
原告は,唯一の取締役であるA(以下「A」という。)一人で業務活動を行う会社である。
(2)ア  原告と被告会社は,平成23年6月28日ころ,原告が提示した同日付け契約書案(甲1。以下「契約書1」という。)に基づいて,被告会社が行う時間貸し駐車場のフランチャイズ事業について,新規加盟店の募集業務等を原告が受託する業務委託契約(以下「本件契約1」という。)を,次の約定で締結した。
業務委託期間 平成23年7月1日~平成24年6月30日
定額報酬 税別600万円(毎月50万円支払)
成果報酬 被告会社の売上等に対する貢献額の4%相当額
イ  契約書1には,次の記載がある。
「第2条(業務委託の成果)
原告は,本件業務委託遂行の成果として,新規加盟店の開発及び加盟店への駐車場事業地の紹介による被告会社の売上等に貢献するものとし,その貢献金額を年間6000万円(税別)以上,四半期毎に1500万円(税別)以上とする。」
「第4条(業務委託報酬)
1  本件業務委託の年間定額報酬を600万円(税別)と定め,被告会社は毎月50万円(税別)を原告に支払う。
2  本件業務委託の成果報酬は,原告が遂行した業務によって被告会社の売上等に貢献した貢献金額の4%相当額とし,原告の請求に基づき被告会社が原告に支払う。」
「第5条(契約の変更)
1  第2条で定めた四半期毎の貢献金額が1500万円(税別)に満たなかった場合,原告被告会社いずれか一方から相手方に対し,業務委託報酬を変更する旨を通知することで,次項の業務委託報酬に基づく契約内容に変更することができる。
2  第4条の本件業務委託の定額報酬を無料とし,成果報酬額を貢献金額の10%相当額とする。」
「第7条(必要経費)
本件業務委託遂行のために必要な経費は,被告会社が負担するものとする。ただし,携帯電話料金及び首都圏における交通費は原告の負担とする。」
(3)ア 原告は,「業務委託契約書」と題する,原告及び被告会社作成名義の平成23年9月14日付け契約書案(甲2。以下「契約書2」という。)を作成し,所持している。契約書2の作成名義人欄には,不動文字で原告及び被告会社の当時の本店所在地及び商号等が印字されているのみで,署名押印はない。
イ  契約書2は,原告が,被告会社の首都圏営業部門及び大阪営業部門の営業管理業務を次の約定で受託する旨の内容となっているほか,後記第4条で,本件契約1の報酬と必要経費に関する定めを変更することを定めている。
業務委託期間 平成23年10月1日~平成24年9月30日
報酬 税別600万円(毎月税別50万円支払)
ウ  契約書2には,次の記載がある。
「第4条(契約の変更)
本契約の成立に伴い原告被告会社間における平成23年6月28日付け業務委託契約を以下のとおり変更する。
① 第4条の業務委託報酬は,第5条2項のとおり変更する。
② 第7条の必要経費は,いずれも被告会社の負担とする。」
2  争点
原告は,①被告会社との間で,平成23年9月,契約書2の内容どおりの業務委託契約(以下「本件契約2」という。)を締結したと主張し,契約書2第4条に沿う内容の合意による変更後の本件契約1の未払報酬439万6497円と,本件契約2の平成24年8月分及び9月分の未払報酬105万円を請求し,②本件契約1に関して被告会社に債務不履行があったと主張して,逸失利益として301万0140円の損害賠償を請求するほか,③被告らの共同不法行為責任又は被告Y2の会社法429条1項の責任に基づいて,上記合計845万6637円の損害賠償も求めている。
本件の主たる争点は,①原告と被告会社が本件契約2を締結したか,②被告らの債務不履行,不法行為又は会社法429条に基づく損害賠償責任の有無である。
3  原告の主張
(1)原告と被告会社が本件契約2を締結したか
ア 原告は,平成23年9月14日ころ,原告が提示した契約書2に基づいて,本件契約2を締結し,これにより,追加の業務委託契約を締結するとともに,本件契約1の報酬について成功報酬を10%に増額し,定額部分を廃止した。
しかし,被告会社は,本件契約2に基づく報酬の平成24年の8月分及び9月分を支払わず,また契約書2第4条により変更した本件契約1の報酬のうち,契約書1の2条所定の売上等に対する貢献金額(以下「売上貢献額」という。)の平成24年3月までの分に対する4%相当額を支払ったのみで,売上貢献額の6%に当たる439万6497円を支払わない。
イ 被告Y2は,原告が提示した契約書2について,被告会社の都合を口実に契約書作成には応じなかったが,本件契約2の成立は,次のことから明らかである。
(ア)原告が本件契約1で委託を受けた業務は,被告会社において立ち後れていたフランチャイズ事業を,事実上A一人で拡大展開するものであったのに対し,本件契約2の業務は,被告会社の本来の業務である駐車場機器販売や駐車場用地物件の取得の営業活動について,Aが営業本部長に就任して多数の部下を総括するというものであり,内容は全く異なっている。
現に,Aは,平成23年9月まで,被告会社に週3日程度出社するのみであったが,本件契約2を締結した後は,被告会社に常勤するようになったし,Aの被告会社における肩書きも,本件契約1締結当初はフランチャイズ本部開発室長であったが,平成23年9月ころ以降は営業本部本部長となり,業務の内容も,それまで独立部門として行っていたフランチャイズ事業から一転し,駐車場機器の販売という被告会社の本来業務の含めた営業部門全体を総括する内容になった。
さらに,原告が被告会社に提出していた請求書においても,業務内容は,平成23年9月分請求書までは「FC開発業務」と記載されていたが,同年10月分以降は,「営業本部長業務」となった。
(イ)本件契約2が,本件契約1の受託業務の範囲を超える新たな業務を委託するものである以上,これを,原告が,報酬の増額なしに受託することはあり得ない。
被告会社が,本件契約1の成果報酬として,売上貢献額の4%相当額を原告に支払ったのは,被告会社が,資金逼迫を理由に,本件合意による10%のうち4%分のみを請求するよう求めたからである。
(ウ)被告会社は,平成24年7月31日,平成24年7月分の本件契約2の報酬52万5000円に約13万円の必要経費を加えた65万円余りを,原告の口座に振り込んだ。
また,原告は,本件契約1で原告負担となっていたAの携帯電話料金と首都圏交通費を,平成23年10月以降,本件契約2の約定に従い,被告会社に請求するようになった。
(2)債務不履行等に基づく被告らの損害賠償責任の有無
ア 被告会社の債務不履行責任
原告は,平成24年4月以降も本件契約1に基づく業務に注力し,被告会社から提示された駐車場用地や駐車場機器について加盟店契約の希望者を募ってフランチャイズ契約締結が可能な状態まで持ち込んだが,被告会社は,これらの希望者に対して次々とフランチャイズ契約締結を断った。被告が,原告が募集した契約締結希望者と契約を締結しないことは,本件契約1における債務不履行に当たり,これにより,原告は,平成24年4月から同年6月までに得られたはずの報酬を失うという損害を被った。
損害額は,平成24年3月までの月平均の売上貢献額1003万3800円により計算し,その10%の3か月分として,301万0140円となる。
イ 被告らの不法行為責任等
被告らは,平成24年3月ころ以降,他者に売却済みの駐車場用地や駐車場機器について,被告会社の資金繰りを目的に,原告に多重に契約を獲得させるという詐欺的商法を行っていたところ,この点をAが指摘追及すると,本件契約1及び本件契約2を反故にし,原告に対する報酬を不払にして放置した。これは,原告に対する不法行為を構成するとともに,職務上の悪意又は重過失によってこれを行った被告Y2は会社法429条1項の責任も負う。
そして,被告会社の原告に対する544万6497円の未払報酬額と,被告会社が債務不履行責任に基づき賠償すべき原告の逸失利益301万0140円が,被告らの不法行為等により原告が被った損害の額である。
4  被告らの主張
(1)原告と被告会社が本件契約2を締結したか
ア 被告会社は,本件契約1を原告と締結して,コインパーキングのフランチャイズ展開に関する営業活動全般を委託したが,成果は上がらず,平成24年3月ころ,本件契約1を所定の期日で終了させる旨通知し,毎月の定額報酬のほかに成果報酬として契約どおり売上貢献額の4%を支払っただけであり,本件契約2として別の業務委託契約を締結したり,本件契約1の報酬を変更したことはない。
仮に,被告会社と原告が本件契約1の成果報酬を10%に変更したとしても,被告会社と原告は,平成24年6月ころ,本件契約1の終了に当たって,委託報酬の清算について協議し,改めて成果報酬を売上貢献額の4%とすることを合意した。
イ 被告会社が本件契約2を締結していないことは,次のことからも明らかである。
(ア)Aが営業本部長の肩書きで活動していたのは,原告と被告会社が,本件契約1に基づくAの営業活動に関して,被告会社の使用人として名刺を持って活動することが合意されていたからにすぎない。
(イ)原告の提出した請求書上,平成23年10月分以降の業務内容が「営業本部長業務」と記載されているのは,原告が一方的に変更したにすぎず,被告会社が指示したものではない。
(ウ)原告は,平成24年5月,被告に,本件契約1に基づく成果報酬として,それまでの全売上貢献額の4%に当たる金額のみを請求しており,原告が10%の成果報酬を請求したことは一度もない。
(エ)被告会社が支払った平成24年7月分に支払ったのは,原告が同月に残務処理を行ったことに対する対価と必要経費の立替金である。
(2)債務不履行等に基づく被告らの損害賠償責任の有無
ア 被告会社が,原告の募集した新規加盟店希望者と契約を締結できなかったのは,駐車場用地の調達確保に関する原告の業務活動が不十分であったためであり,被告会社に債務不履行はない。
イ 被告会社が詐欺的商法を行っていたという事実は否認する。仮にそのような事実が存在していたとしても,原告に対する不法行為責任や会社法429条に基づく損害賠償責任の原因にはならない。
第3  当裁判所の判断
1  事実認定
前提事実に加えて,証拠(個別に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,次のとおりの事実が認められる。
(1)被告会社は,コインパーキング用の機械設備の開発製造販売等を主たる事業とする会社であるが,平成21年以降,時間貸し駐車場のフランチャイズ事業に取り組むようになり,不動産を所有し被告会社から有償で機器設備のレンタルを受けて時間貸し駐車場を経営するフランチャイズ経営者を募集する営業活動を行っていた(甲7,9,10)。
(2)原告と被告会社は,平成23年6月28日ころ,原告が提示した契約書1に基づいて,口頭で,本件契約1を次の約定で締結した。
業務委託期間 平成23年7月1日~平成24年6月30日
定額報酬 税別600万円(毎月50万円支払)
成果報酬 被告会社の売上等に対する貢献額の4%相当額
業務委託内容 1 加盟店に駐車場事業地を紹介するシステムを構築し,フランチャイズ事業に加える業務
2 新規加盟店を募集する業務及び募集に必要な販促ツールを作成する業務
3 前項の募集活動に基づき新規加盟店契約を行う業務
4 加盟店に駐車場事業地を紹介する業務
(3)被告会社は,平成23年7月以降,Aに,フランチャイズ本部開発室室長の肩書きを与えるとともに,本社事務室の一画に机を与え,本件契約1に基づく業務活動に従事させていたが,同年9月以降,Aの肩書きを営業本部本部長と改め,管理職の位置に机も移した。このころ以降,Aは,被告会社におけるフランチャイズ事業のための営業活動全般にわたり,営業部従業員からの報告を受けたり決裁を行うなど,管理職業務に従事するようになった(甲29~46,原告代表者)。
原告は,平成23年9月から平成24年3月までの間,被告会社のフランチャイズ事業の営業活動をAにおいて本部長として統括し,15件のフランチャイズ契約を成約させ,これによる売上貢献額は合計9030万4020円となった(甲16)。
(4)原告は,平成23年7月から平成24年5月ころまでの間,毎月20日頃,被告会社宛ての52万5000円の請求書を作成し,これを被告会社に交付して当月分の業務委託費を請求し,被告Y2の署名を受けていた。原告は,この請求書中の請求の内容欄に,平成23年9月分請求書では「FC開発業務」と記載していたが,翌10月分以降は,「営業本部長業務」と記載するようになった。被告会社は,原告の請求に基づき,平成23年7月から平成24年4月までの間の毎月末頃,52万5000円を振り込んで支払った(甲51~59,86)。
また,原告は,平成24年5月,被告会社に対し,本件契約1に基づく成果報酬として,平成23年8月から平成24年3月までの売上貢献額である8600万4001円(税抜)の4%に消費税を加えた361万2168円を請求額として表示し,本文に「以上のとおり,業務委託契約第4条に基づく成果報酬を請求申し上げます。」と記載した請求書を作成し,これを被告会社に交付して本件契約1の成果報酬の支払を求め,被告会社は,平成24年5月31日,この金額に52万5000円を加えた金額である413万7168円を原告の預金口座に振り込んで支払った。(甲85,86)
(5)原告は,平成24年3月ころ以降,被告会社が,顧客に所有権を取得させられない物件を事業用地として紹介売却するなどの詐欺行為を行っているのではないかと疑念を抱き,被告Y2にこれを問いただすようになった。
(6)被告会社は,平成24年4月ころ,駐車場のフランチャイズ事業を廃止する方針を立て,これとともに原告との契約関係も同年6月限りで終了させることとした。また,被告会社は,同年5月以降,加盟店契約締結を申し込んできた相手方2名に対し,新規の加盟店加入は受け入れていないとの理由で,契約締結を断った。(甲87,88,94)
(7)被告会社は,平成24年4月,駐車場のフランチャイズ事業廃止の方針とともに原告との契約関係も同年6月限りで終了させたい旨を原告に伝えた。これに対し,原告は,前記疑念から,契約締結相手等から原告に対し責任追及が及ばないことを確約する内容の確認書作成を要求した。(甲94,乙1の1)
その後,被告会社は,平成24年6月ころ,原告に対し,①被告会社が締結したフランチャイズ契約に関して契約相手方等からクレームや損害賠償を受けても被告会社の責任でこれを解決することを確約する旨及び②営業委託に係るフランチャイズ営業については同月末をもって営業委託を解消する,との内容の確認書案を提示したが,原告は,原告に対して訴訟が提起された場合の弁護士費用等を被告会社が負担する内容を追加するよう求め,合意には至らなかった。被告会社は,同月27日,弁護士を通じて,①原告との業務委託契約が同月30日をもって終了すること,②業務委託契約書所定の成果報酬相当額が支払済みであること,③被告会社が原告に対し契約書所定の定額報酬として50万円を支払うこと,④被告会社のフランチャイズ契約に関して相手方がクレームを申し立てたときには被告会社がその責任及び費用負担において処理し,原告に費用負担が生じたときにはこれを被告会社が弁償すること,⑤以上のほか原告と被告会社との間には何らの債権債務がないこと,を確認する内容の確認書案を送付したが,原告はこれを無視した。(甲94,乙1の1,1の2,5)
(8)被告会社は,原告に対し,平成24年6月29日に6月分の定額報酬として52万5000円を振り込んだ後,同年7月31日には,1か月分の定額報酬相当額に必要経費の立替金13万2110円を加えた65万7110円を振り込んで支払った。被告会社の原告に対する必要経費の立替金の支払は,それまで,振込みで行われたことはなかった。(甲86)
(9)被告会社は,平成24年8月初旬以降,Aの被告会社での就業を拒絶するようになり,原告と被告会社の関係は断絶した。
原告は,被告Y2に対し,平成24年8月31日,同月分の定額報酬の請求書の電子ファイルをメール送信した。(甲90)
2  争点①(原告と被告会社が本件契約2を締結したか)について
当裁判所は,本件全証拠によっても,原告と被告会社が本件契約2を締結したとは認めるに足りないと判断する。その理由は以下のとおりである。
(1)原告は,契約書2を提示し,これに基づき本件契約2を締結したと主張し,Aは代表者尋問でその旨供述するものの,契約書2には被告会社の押印等はないし,以下に説示するとおり,Aの供述を裏付けるべき証拠はないというべきであるから,原告に有利な供述をたやすく採用することはできない。
(2)被告会社が,平成23年9月以降,Aの肩書きを,従前のフランチャイズ本部開発室室長から営業本部本部長に改めたこと,Aが,被告会社においてフランチャイズ事業のための営業活動全般を統括する管理職業務に従事していたこと,原告が,被告会社に提出していた請求書上,業務内容の記載が,平成23年10月分以降は「営業本部長業務」と改められたことは認められる。
しかしながら,原告は,本件契約1の締結によって,当初から,フランチャイズ事業のシステム構築や販促ツール作成といった事業の立上げ(すなわちフランチャイズ事業の開発)のみならず,立ち上げた事業の営業活動に従事する業務も受託していたのであって,本件契約1締結の約3か月後に,原告の肩書きが開発室長から営業本部長に変更されたり,請求書の記載が変わったのも,フランチャイズ事業の開発が一段落し,Aが統括的な立場で対外的なフランチャイズ事業の営業活動に専念することになったためと理解すれば説明のつく事柄である。
もちろん,Aは,平成23年9月以降,被告会社の営業部長としての管理職業務も行うようになったのであり,原告と被告会社との間で,Aの地位や業務内容について何らかの変更が合意されたことは窺われるのであるが,そのことをもって,直ちに,報酬増額を含む原告主張どおりの内容で本件契約2が締結されたと認めるべきことにはならない。
(3)被告会社は,平成24年7月31日,原告の口座に,1か月分の定額報酬に必要経費の立替金約13万円を加えた金額を振り込んでおり,このことに照らすと,原告と被告会社との間では,少なくとも同月には業務委託関係が存続していたことが推認される。
しかし,被告会社は,平成24年4月以降,同年6月末をもって契約関係を終了させる意向を伝えた上,原告も,これに対して確約書の作成を求めるという対応をしていたのであり,契約終了を内容に含む被告会社作成の契約書案に対しても何ら異論を述べていない。このほか,被告会社が,平成24年7月に限って必要経費を振込みで支払った事実,被告会社が同年8月分以降Aの就業を拒絶するようになった事実を合わせて考えれば,上記平成24年7月分の定額報酬支払の事実によっても,原告と被告会社が,平成24年7月に限って業務委託を延長した可能性が否定できず,これを排除して,本件契約2のような期間の契約が締結された事実を認めることはできない。
このほか,原告は,被告会社に対し,平成23年10月以降,本件契約1では原告負担とされていた携帯電話料金等を請求するようになったとも主張し,その精算書であるとする甲63号証ないし甲81号証を提出するものの,これらの精算書を原告が被告会社に提示,交付等していた事実を認めるべき確たる証拠はない。
(4)原告が,被告会社に対し,現在まで,売上貢献額の4%を上回る報酬を請求した事実は認められないし,被告会社がそのような報酬を支払った事実もない。このことに照らすと,原告と被告会社との間で本件契約2が締結されたのかは,大いに疑問といわなければならない。
この点,原告は,被告会社に対し,平成23年9月以降の売上貢献額の10%の金額を請求する内容の請求書(甲84)を提示したと主張し,Aはこれに沿って,平成24年5月に甲84号証を提示したが,被告Y2からは同年8月ころまで支払を待つよう求められ,言われるがままに売上貢献額の4%分の成果報酬のみを求める請求書を再提出した旨供述をするものの,原告が,被告会社との関係が断絶した後の平成24年8月末になっても,未払の成果報酬の請求をせず定額報酬のみを請求している事実に照らし,Aの供述は採用できず,このほかにも原告が甲84号証を被告会社に提示又は交付したとの事実を認めるに足りる証拠はない。
(5)以上の検討を総合すると,原告代表者の供述は採用できず,本件全証拠によっても,原告と被告会社が本件契約2を締結したとは認められない。
2〔編注:原文ママ 「3」と思われる。〕 争点②(債務不履行等に基づく被告らの損害賠償責任の有無)について
(1)ア  原告は,平成24年4月以降にフランチャイズ契約締結が可能な状態に持ち込んだ案件について,被告会社がフランチャイズ契約締結を断り,損害を被ったと主張するところ,被告会社が,平成24年5月以降,契約締結申込者2名に対して,新規加盟店は受け入れていないとの理由で契約締結を断ったことは上記のとおりである。
イ  ここで,原告が本件契約1に基づき被告会社の営業活動に従事する中で契約成立が可能な状態にまで持ち込んだにもかかわらず,被告会社が合理的な理由もなく契約締結を行わないことは,本件契約1の趣旨に反する債務不履行行為に当たるというべきところ,被告会社が,平成24年4月ころ,フランチャイズ事業廃止の方針を立て,これに沿って新規のフランチャイズ契約締結を受け容れないことは,平成24年6月までの契約期間を定めた本件契約1の趣旨に反しており,本件契約1との関係では合理的な理由とはいえない。
よって,被告会社は,原告に対し,上記2名の契約者との契約締結によって原告が得られたはずの,本件契約1所定の成果報酬について,損害賠償義務を負う。
ウ  平成24年3月までの原告の売上貢献額が,平均して契約1件当たり602万0268円であったことに照らすと,被告会社が断った2件の契約についても,仮に契約が締結された場合の売上貢献額は,その2件分である1204万0536円を下回らないと認めることができる。
よって,被告会社が賠償すべき損害額は,48万1621円となる。
¥12,040,536×0.04=¥481,621
エ  よって,原告の被告会社に対する債務不履行責任に基づく損害賠償請求は,48万1621円の限度で理由がある。
(2)ア  原告は,被告らが,不当に本件契約1及び本件契約2を反故にして,その報酬を支払わなかったと主張し,被告らの共同不法行為責任又は被告Y2の会社法429条1項の責任に基づき,これを損害賠償すべきであると主張する。
しかしながら,本件契約2の締結が認められない以上,被告会社がそれを反故にしたとの事実も認められない。また,本件契約1に関しても,定額報酬と,平成24年3月分までの売上貢献額に対する成果報酬に関しては,全額が支払われており,主張は前提を欠いている。
イ  被告会社が,平成24年4月以降,フランチャイズ事業廃止の方針の下,新規契約の締結を拒むようになり,これにより原告が成果報酬を得られなくなったことは事実ではあるものの,被告会社がいかなる事業方針を立て,いかなる相手方と契約を締結するかは,被告会社の事業運営上の裁量的判断に属する事柄であって,被告会社が新規のフランチャイズ契約を締結しなかったことは,原告に対する債務不履行を構成することは格別,不法行為を構成するに足りる違法性があるとはいえないし,そのことに関して被告Y2に取締役としての職務上の悪意又は重過失があったともいえない。
この点,原告は,被告会社がそれまでフランチャイズ事業において詐欺的商法を行っており,原告がこれを指摘追及したという経過があると主張するものの,そのような経過の存在は,上記判断を左右しない。
したがって,原告の,被告らに対する共同不法行為に基づく請求と,被告Y2に対する会社法429条1項に基づく請求は,いずれも理由がない。
3〔編注:原文ママ 「4」と思われる。〕 まとめ
以上によれば,原告の請求は,被告会社に対し48万1621円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成25年2月23日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金を請求する限度で理由がある。
(裁判官 宮﨑謙)

 

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