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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(100)平成28年 2月18日 東京地裁 平25(ワ)22035号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(100)平成28年 2月18日 東京地裁 平25(ワ)22035号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成28年 2月18日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)22035号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA02186009

要旨
【先物取引被害全国研究会(要旨)】
◆1.ベトナム未公開株を扱う投資ファンド会社及びその代表取締役、上記投資ファンド会社を自己のメールマガジンで紹介し、また上記会社が作成したDVDに出演した者に対して、説明義務違反及び断定的判断の提供の違法があったとして、違法な勧誘行為を理由とする不法行為の成立を認めた裁判例である。
◆2.被告会社代表取締役らは、自己のブログ等でベトナム未公開株式取得により高リターンを得られることを強調し、同様の説明を被告会社の説明会でも行っており、被告らの経歴及び社会的地位も加味すると、上記説明は原告らにとって信ぴょう性あるものとなっていた。それゆえ、被告らは、原告らが出資するか否か判断可能な情報を提供する義務があったが、被告らがブログ等でリスクにほとんど言及していなかった点、説明会においてリスクにつき記載のある重要事項説明書の説明を行わなかった点等から、原告らが出資するか否か判断するために必要な情報を提供する義務を果たしたとはいえないと認定した。また、上記被告らの説明は断定的判断であったと評価し、違法であると認定した。そして、上記一連の行為につき共同不法行為の成立を認めた。
◆3.原告らが、被告らの説明を軽信し十分なリスクの検討なく出資を申し込んだことを理由に、原告らの過失割合を4割と認定した。

出典
先物取引裁判例集 77号75頁

参照条文
民法719条1項
民法709条
会社法350条
会社法429条1項

裁判年月日  平成28年 2月18日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)22035号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2016WLJPCA02186009

東京都港区〈以下省略〉
原告 X1(以下「原告X1」という。)
静岡県御殿場市〈以下省略〉
原告 X2(以下「原告X2」という。)
長野県松本市〈以下省略〉
原告 X3(以下「原告X3」という。)
長野県松本市〈以下省略〉
原告 X4(以下「原告X4」という。)
大阪市〈以下省略〉
原告 X5(以下「原告X5」という。)
東京都荒川区〈以下省略〉
原告 X6(以下「原告X6」という。)
大阪府八尾市〈以下省略〉
原告 X7(以下「原告X7」という。)
大阪府寝屋川市〈以下省略〉
原告 X8(以下「原告X8」という。)
札幌市〈以下省略〉
原告 X9(以下「原告X9」という。)
千葉県船橋市〈以下省略〉
原告 X10(以下「原告X10」という。)
静岡県藤枝市〈以下省略〉
原告 X11(以下「原告X11」という。)
上記11名訴訟代理人弁護士 荒井哲朗
同 浅井淳子
同 太田賢志
同 佐藤顕子
同 五反章裕
同 見次友浩
東京都中央区〈以下省略〉
被告 株式会社ストラテジックパートナーズ(以下「被告SP」という。)
同代表者代表取締役 Y1
同所
被告 株式会社ストラテジックパートナーズ・インベストメント(以下「被告SPI」という。)
同代表者代表取締役 Y1
山口県萩市〈以下省略〉
被告 Y1(以下「被告Y1」という。)
東京都杉並区〈以下省略〉
被告 Y2(以下「被告Y2」という。)
同訴訟代理人弁護士 弘中惇一郎
同 大木勇
同 品川潤
東京都板橋区〈以下省略〉
被告 Y3(以下「被告Y3」という。)
同訴訟代理人弁護士 國塚道和

 

 

主文

1 別紙損害一覧表の「原告」欄記載の原告らに対し,各原告に対応する「被告」欄記載の被告らは,連帯して「認容額」欄記載の金員及びこれに対する平成25年10月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,原告らと被告SP,被告SPI,被告Y1及び被告Y2との間に生じたものはこれを5分し,その2を原告らの負担,その余を上記被告4名の負担とし,原告X1,原告X5,原告X6,原告X8,原告X9,原告X10及び原告X11と被告Y3との間に生じたものはこれを5分し,その2を上記各原告の負担,その余を被告Y3の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
別紙損害一覧表の「原告」欄記載の原告らに対し,各原告に対応する「被告」欄記載の被告らは,連帯して「請求金額」欄記載の金員及びこれに対する平成25年10月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1 事案の要旨
本件は,原告らが,被告SP又は被告SPIを営業者とする,ベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」という。)の未公開株式に投資するファンドについて,上記2社の代表取締役である被告Y1及び取締役であった被告Y2並びに被告Y3から勧誘を受けてこれらに出資したところ,ファンド自体が未公開株商法又は金融商品まがい取引に該当するため違法であり,また,被告Y1,被告Y2及び被告Y3(以下「被告3名」ともいう。)による勧誘が,適合性原則違反,説明義務違反及び断定的判断の提供に当たり違法であると主張して,被告SP及び被告SPI(以下「被告両社」ともいう。)に対して民法719条1項,709条又は会社法350条による損害賠償請求権に基づき,被告Y1及び被告Y2に対して民法719条1項,709条又は会社法429条1項による損害賠償請求権に基づき,被告Y3に対して民法719条1項,709条による損害賠償請求権に基づき,別紙損害一覧表の「原告」欄記載の原告らに対し,「請求金額」欄記載の金員及びこれに対する被告らに対する訴状送達の日の翌日以降である平成25年10月5日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
2 前提となる事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠又は弁論の全趣旨により認定できる。)
(1) 被告両社は,いずれも,国内外の有価証券の投資,売買,保有及び運用並びにその他の投資事業等を目的とする株式会社である。被告SPは,「ベトナム未公開株ファンド匿名組合」(以下「本件ファンドⅠ」という。)の販売会社及び営業者であり,また,「ベトナム未公開株ファンドⅡ匿名組合」(以下「本件ファンドⅡ」といい,本件ファンドⅠと併せて「本件ファンド」と総称する。)の販売会社である。被告SPIは,本件ファンドⅡの営業者である。
被告Y1は,平成19年5月21日から平成24年12月7日まで及び平成25年4月18日以降,被告SPの代表取締役を務め,また,平成19年6月30日以降,被告SPIの代表取締役を務めている。
被告Y2は,平成19年5月21日まで,被告SPの代表取締役,同年6月13日まで取締役を務めていた。
被告Y3は,本件ファンドを紹介するDVDに出演し,そのDVDを販売ないし無償で配布するなどした者である。
(2) 本件ファンドは,出資者が営業者である被告SP(本件ファンドⅠ)又は被告SPI(本件ファンドⅡ)と匿名組合契約を締結して出資を行い,被告SP又は被告SPIが出資金で英国領バージン諸島に所在する特定目的会社であるRising Sun Co., Limited(以下「ライジングサン社」という。)の株式を取得し,同社の配当金又は株式の売却益等の分配を受けるとされ,同社は,ベトナムの未公開株式を取得して上場後にこれを売却することにより,売却益を得るものとされている(甲A8,9の各1,2,甲A16[35頁],甲A34[4頁])。
(3)ア 被告Y1は,平成19年4月1日以降,被告Y1が管理する「○○」と題するブログ(以下「被告Y1ブログ」という。)に,ベトナム株への投資に関する記事を掲載した(甲A3)。
イ 被告Y2は,平成18年11月頃,インターネット上の「△△」と題するウェブサイトに,「□□」と題するコラムの連載(以下「被告Y2コラム」という。)を開始し,平成19年1月24日以降,ベトナム株への投資に関する記事を掲載した。
また,被告Y2は,「●●」と題するブログ(以下「被告Y2ブログ」という。)に,後記(4)の説明会の告知を掲載した。
ウ 被告Y3は,「▲▲」と題する有料のメールマガジン(以下「被告Y3メルマガ」という。)を配信していたところ,平成19年4月以降,被告Y1及び被告Y2と企画しているベトナムの未公開株式に対する投資ファンドについての記事を掲載した(甲A4)。
(4) 被告Y1及び被告Y2は,平成19年5月以降,ベトナムの未公開株式の投資ファンドに関する説明会(以下「本件説明会」という。)を複数回開催した。
被告Y3は,被告Y2から本件説明会の映像の提供を受け,これに自己の説明部分を加えたDVD(以下「本件DVD」といい,本件DVDを含めた,本件説明会の内容を収録したDVD全体を「本件DVD等」という。)を作成して,被告Y3メルマガの読者に有償又は無償で配布した(甲A5の1,2の各イ,ロ,甲A6の1,2,乙ホ1)。
3 争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 被告らの責任(本件ファンドの違法性及びその勧誘の違法性)
(原告らの主張)
ア 未公開株商法(詐欺的商法)
いわゆる未公開株商法の違法性の中心は,上場が確実である,将来値上がりする可能性が高いなどと一般投資家に告げて,当該株式の本来の価値に比して著しく高額であるにもかかわらず,あたかも適正な評価に基づく販売価格であるかのような言辞を申し向けて販売,媒介をするという,未公開株式の価値を偽るというところにある。しかも,本件ファンドが投資対象としている未公開株式は,情報が限られたベトナム国内の未公開株式であるから,適正な株価の算定や投資対象会社の上場の可能性の判断などが困難な株式であるにもかかわらず,被告3名は,未公開株式への投資の有利性を過度に強調して本件ファンドを販売しており,かかる販売行為には未公開株式の本来の価値を偽る違法がある。
イ 金融商品まがい取引
本件ファンドは,当初から,取引により生ずる利益を出資者に適切に帰属させるに足りる実質を備えていなかったのであり,このような商品を販売することは,正常な金融商品取引とは異なる,金融商品まがい取引であり,社会的相当性を逸脱し,違法である。
ウ 適合性原則違反
本件ファンドは,ベトナムに関する情報や同国の未公開株式の市況に精通しているといった極めて特殊な者(例えばプロの投資家)でなければ適合性を有さないものであるところ,原告らは,そのような適合性を有する者でないから,被告3名が本件ファンドへの出資を原告らに勧誘したことは,適合性原則に違反し,違法である。
エ 説明義務違反
金融商品の勧誘をする者は,被勧誘者に対し,取引内容を十分理解し自己責任において投資判断をなし得るための情報を積極的に提供し,その知識,能力等に応じて,被勧誘者が理解できる程度に取引の仕組みや方法,危険性等について説明すべき信義則上の義務を負うところ,本件ファンドは,カントリーリスク,元本の大幅欠損の可能性,流動性リスク,情報リスク,為替リスクなどのリスクがあるから,これらリスクの内容及び程度を,その者らが理解できるように十分に説明すべきであった。にもかかわらず,被告3名は,本件ファンドの有利性を強調した勧誘を行う一方で,これらのリスクの説明はインターネット上で出資者がダウンロードすれば重要事項説明書やリスク確認書を見ることができる状態にしただけであり,リスクの説明としては不十分であった。したがって,被告3名の本件ファンドへの出資の勧誘には説明義務違反があり,違法である。
オ 断定的判断の提供
被告3名は,被告Y2コラム,被告Y1ブログ,本件説明会及び本件DVD等において,ベトナムの未公開株式に投資するファンドが確実に利益を生み出す投資であるとの説明を繰り返し行っているところ,これは,本件ファンドについての断定的判断の提供に当たり,違法である。
カ 被告らの責任
以上のとおり,被告3名の勧誘行為は違法であり,不法行為責任を負う。また,本件取引の経過・態様等に照らせば,被告両社も固有の不法行為責任を負い,これらについて共同不法行為が成立する。
また,被告Y1及び被告Y2の不法行為は,被告両社の代表取締役であった被告Y1及び被告SPの代表取締役であった被告Y2が,その職務を行うについて行ったものであり,被告両社は会社法350条の責任を負う。
また,被告Y1及び被告Y2は,会社法429条1項の責任を負う。
(被告SP,被告SPI及び被告Y1の主張)
ア 争う。
イ 被告両社の代表者である被告Y1は,経営者とのインタビュー等を通じて直接に投資対象会社の情報を得て,有望かどうかを判断して投資を決定している上,本件ファンドの投資対象企業5社のうち3社が上場をしていることからも,本件ファンドが詐欺的未公開株商法とは異なる正常な投資であることは明らかである。
ウ(ア) 被告らは,本件説明会,被告Y1ブログや被告Y2ブログ等で,ベトナム経済及びそこでの株式投資の有望性等に関して述べただけであり,本件ファンドの勧誘は行っていない。
(イ) 本件ファンドの申込みは,被告会社のホームページから行うもののみで,そこには本件ファンドの投資対象に関するリスクが詳細に示されている。出資者は,これを確認した上で,自らの意思で申込みを行っているのであり,説明義務違反や適合性原則違反は問題にならない。
(被告Y2の主張)
ア 争う。
イ 被告Y2は,本件ファンドへの出資を勧誘していない。本件説明会で講演を行ったことはあるが,これはあくまでも本件ファンドの説明をしたにすぎず,原告らに契約の締結を促すなどはしていないから,勧誘行為には当たらない。
また,被告Y2は,代表取締役を退任した後,被告SPの経営に関わっておらず,本件ファンドの組成や運営に関与していない。
(被告Y3の主張)
ア 争う。
イ 被告Y3は,一投資家として本件説明会に2度出席し,また,本件DVDに出演しただけであり,原告らに対して勧誘行為を行ったことはないし,本件ファンドの運営に関与したこともない。
(2) 損害
(原告らの主張)
ア 原告らの未返還交付金員相当損害金は,別紙損害一覧表の「出資金等総額」欄記載のとおりである。
イ 弁護士費用相当損害金として,原告らは,上記アの1割相当の金額を請求する。
(被告らの主張)
争う。
第3  当裁判所の判断
1 認定事実
前提となる事実に加えて,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1) 本件ファンドの組成の経緯
ア 本件ファンドは,平成18年12月頃,被告Y1及び被告Y2らが中心となって,企画が開始された。その当時,ベトナム経済は実質成長率が8%台と好調で,その活況がメディアにおいても取り上げられており,ベトナム企業の株式も注目されていたが,被告Y1は,証券会社に二十数年勤務した経験から,ベトナムの上場株式は既に割高であると考え,主な投資対象を未公開株式に絞り,上場による転売益を得ることを目的とする本件ファンドの準備・組成を行うこととした。なお,被告Y1は,本件ファンドの企画に当たり,被告Y3ほか1名にも相談していた(甲A15[12頁],甲A21~24,甲A34[1~3,48頁],被告Y3[16頁])。
イ 被告Y1は,平成19年2月頃から,投資対象となる未公開企業の調査を始め,同月5月頃から,投資対象企業を決定するため,ベトナムの実地調査を開始した。具体的には,ベトナムの証券会社のアナリストなどの有識者からのヒアリングを行うなどしたほか,投資対象企業の過去3年の決算書類の提出を受け,財務分析を行ったり,事業計画の提出を受け,会社代表者へのヒアリングを行ったりした(甲A26ないし29,甲A34[3,30頁])。
また,被告Y2も,投資対象企業の財務諸表や会社案内を調査したり,取締役等と面談し,上場の希望の有無や株式譲渡価格等をヒアリングしたり,証券会社や現地の経済人から情報を入手したりした(甲A15[14,34頁])。
ウ 被告Y1は,平成19年7月下旬頃,投資対象企業をアルファナム,CMCグループ,サイゴンツーリスト,ダオジャファット及びモモタの5社とすることに最終決定した(甲A34[4,6頁])。
エ 被告Y2は,インターネットを用いて本件ファンドに申込みを行うシステムを考案した(甲A34[25頁],乙ニ5[2頁])。
(2) 本件ファンドの仕組み及び運用
ア 本件ファンドの仕組みは,以下のとおりである(甲A8,9の各1,2,甲A16[35頁],甲A34[4頁],被告Y1[27~29頁])。
(ア) 本件ファンドは,投資先会社(ライジングサン社)が,ベトナムの経済及び有価証券市場の発展により値上がりが期待される未公開株式,上場予定(OTC市場銘柄)の株式等へ投資し,中長期的な値上がり益を享受することを目的としている(甲A9の1,2)。本件ファンドの出資希望者は,営業者との間で匿名組合契約を締結し,営業者の営む事業のために営業者に対する出資を行い,営業者は,事業から生ずる利益及び損失を匿名組合員に分配するものとされている。
(イ) 本件ファンドⅠは,営業者を被告SP,契約期間を平成22年7月31日までとし,本件ファンドⅡは,営業者を被告SPI,販売者を被告SP,契約期間を平成20年8月31日までとしている。
ただし,いずれも,営業者の判断により有効期間を2年延長することができるものとされている。
(ウ) 本件ファンドに出資を希望する者は,営業者の国内銀行口座に1口当たり100万円の出資金を払い込む。営業者は,匿名組合員らからの出資金でライジングサン社の株式を購入し,出資金は同社の口座に送金される。ライジングサン社は,本件ファンドの営業者らの助言に従い,送金された金員でベトナムの未公開株式を取得する。
(エ) 本件ファンドにおいて,営業者は,出資金を次の使途に用いるものとされている。
a ライジングサン社の株式の購入
b 営業者が受領する管理報酬(申込み手数料として出資金の5.25%相当額,管理手数料として,本件ファンドⅠについては,毎年8月1日において,平成19年7月19日における純資産の額の2.1%相当額,本件ファンドⅡについては,毎年9月1日において,平成19年8月4日における純資産の額の2.1%相当額)
c 銀行手数料
d 本件ファンドに係る各匿名組合の決算料
e 弁護士,公認会計士又は税理士に対する顧問料
f 上記匿名組合の組成に関する費用
g 旅費交通費及び調査費
h 為替差損
i その他営業者が負担すべき費用(ブローカーへの手数料等を含む。)
j 成功報酬(収入から費用を控除した金額がプラスである場合に,その21%相当額)
(オ) 本件ファンドの利益及び損失は,収入の合計(ライジングサン社からの配当金,株式売却益,銀行利息,為替差益,営業者に帰属するその他の収入)及び費用の合計から構成され,営業者が各事業年度において利益が生じた場合,損失累計額がゼロに達するまで利益を充当し,その後,超過する利益を匿名組合員に分配するものとされている。
イ 被告Y1は,出資金を,国外の特定目的会社に送金した上でベトナムの未公開株式に投資するという仕組みを設計するに当たり,成功した他社のファンドの仕組みを参考にし,また,金融商品としての適法性を,弁護士に相談したり,金融庁に確認したりした。(甲A34[5,27頁])
ウ ライジングサン社は,ベトナム投資開発銀行(以下「BIDV」という。)に開設された被告Y1の個人名義の口座を経由して,以下のとおり,投資対象企業の未公開株式を購入した。(甲A33,甲A34[28~30頁],乙イ2ないし9,11ないし19,弁論の全趣旨)
(ア) 平成19年9月26日,サイゴンツーリスト株を1株当たり9万ドンで156万株購入した。
(イ) 平成19年10月4日,CMCグループ株を1株当たり24万ドンで39万7000株,モモタ株を1株当たり5万3000ドンで28万9000株,アルファナム株を1株当たり5万ドンで22万6000株購入した。
(ウ) 平成19年10月21日,ダオジャファット株を1株当たり11万1500ドンで96万株購入した。
(3) 被告3名による本件ファンドあるいはベトナム未公開株の紹介・宣伝
ア 被告Y1は,平成19年4月以降,被告Y1ブログに以下の記事を掲載した(甲A3)。
(ア) 「現在,世界中を見渡して最も大きく化けると思われる投資対象はベトナムの「未公開株」です。」,「これからはかなり割高になった日本株やベトナムの上場株式はすべて売却し,割安株が多いベトナムの未公開株にシフトさせるつもりです。」(同月1日)。
(イ) 「投資のプロでも入手困難なベトナム未公開株。こここそがいま世界で最も巨大な金鉱脈が横たわるエルドラド(黄金郷)と断言できます。」,「ベトナム株投資で成功するカギは割安な未公開株を買うことに尽きます。」,「「ベトナム株式市場暴落」という最悪シナリオになったとしても十分すぎる投資成果となります。」(同月6日)。
(ウ) 「上場株と未公開株では明らかに価格形成が歪んでいます。私なら上場株を売って未公開株を買います。そして未公開株が上場されて一般投資家や外国人投資家が飛びつき,大きく吹いた場面で利食います。このアービトラージ(さや取り)はどう考えてもリスクのないただ飯です。食わなければ一生の不覚だと思います。「世の中にうまい話などない」とはよく言われることです。しかし誰でも一生に一度くらいはありつけるものです。」(同月22日)
(エ) 「ベトナムには上場ラッシュという大波が押し寄せています。このため,未公開株であれば上場までたどり着く可能性が非常に大きいわけです。ですから,ヒットはいくらでも打てます。」(同年5月18日)
(オ) 「今後数年間にわたって株式上場ラッシュが続くベトナムはまさに現代のエルドラド(黄金郷)です。ごく普通の会社の未公開株さえ買えば,誰もが億万長者になれるマーケットだと私は確信しています。」,「投資家の視点からきわめて冷静に考えて,こうしたチャンスは50年に一度あるかないか,つまり一生に一度あるかないか,の大チャンスだと思います。」(同月20日)
イ 被告Y2は,平成19年1月以降,被告Y2コラムに以下の記事を掲載した(甲A2の1)。
(ア) 「14ヶ月で3倍!驚くべきベトナム株投資のパフォーマンス!」,「10年で10倍で十分なのですが,この分だと,10年後は40倍50倍になることも夢ではないと思っています。」(同月24日)
(イ) 「ベトナムで今一番難しい未公開株の玉の確保は万全です。」,「私とベトナム有力ビジネスマン2人が成功を確信する投資モデル」(同年3月23日)
(ウ) 「今回ベトナム民営化投資を行うに当り,凄腕のファンドマネージャーに一肌脱いでもらうことになりました。」(同月26日)
(エ) 「ローリスクハイリターンだと自信を持っています。」(同年4月9日)
ウ 被告Y2は,平成19年4月24日,同年5月3日及び同月8日付けの被告Y2ブログにおいて,本件説明会の開催を告知し,参加の申込みを募っていた(甲A2の2)。
エ 被告Y3は,平成19年4月頃から,被告Y3メルマガで,ベトナム未公開株投資に関する以下の記事を掲載した(甲A4,弁論の全趣旨)。
(ア) 「今回のベトナム未上場株ファンドのメンバーには,ベトナム大物華僑3人と人脈を持ったY2さん,凄腕ファンドマネージャーのY1さんに運用してもらいます。」,「メンバーは,下記の最強の2人(被告Y2及び被告Y1),会計のスペシャリスト,私を含め5人で計画しております。」(同月8日)
(イ) 「有料会員の皆様にとって優先順位が高い情報は,ベトナム未公開株情報だと思います。まず,ベトナム未公開株ファンドセミナーのDVDを5月中旬,「無料」配布する予定です。」,「セミナー開催日は,2,3日用意しております。遠方のため,参加できない人は,DVDで同じ内容を御覧になることができます。有料メルマガ会員以外の人は,有料で販売する予定です。」(同月15日)
(ウ) 「5倍-10倍のリターンを狙っていきます。勿論,私たちは,それ以上を狙っていますが,あまり大きなことは言えないので,3年間の運用で5-10倍を目標でお話をしています。」,「私たちのベトナム未公開株ファンドは,現時点,10銘柄の未公開株を購入できる確約を取っています。ですから,すぐに投資できる体制になっています。1番早い銘柄では,2007年秋頃に上場予定の銘柄もあります。他ベトナム株ファンドと違ってすぐに結果が出てきます。」(同月22日)
オ(ア) 本件説明会は,平成19年5月以降,複数回開催されたが,その一つは,次のように第1部と第2部から構成され,参加者には「ベトナム未公開株(OTC)ファンド投資」と題するパンフレット(甲A16,以下「本件パンフレット」という。)が配布された(甲A34[12頁])。
(イ) 本件パンフレットにおいて,被告Y2は「台湾,香港,シンガポール等華僑に幅広い交流を持つ。国際金融,ベンチャー投資,不動産投資,不動産ファンド等広範な知識と実務経験の持ち主」と紹介され,著書及び被告Y2コラムのURLが掲載された。また,被告Y1についても,大学卒業から投資コンサルタントとして独立するまでの経歴,受賞歴が掲載されているほか,「年収600万円のサラリーマンのかたわら,株,不動産の長期投資を続け,昨年来のベトナム株の急騰も手伝って個人資産総額は100億円を超える」と紹介されていた。
(ウ) 本件説明会の第1部では,被告Y2が,ベトナムの現在の情勢についての講演を行い,ベトナム経済が急速に成長し,上場株式の株価が上昇しすぎているため,優良な株式を取得しづらいことから,自分の華僑人脈を用いて未公開株に投資することとして,本件ファンドを被告Y1と企画したなどと説明し,ベトナム未公開株式を取得することが,今一番世界で注目されている高いリターンを得る投資だと思っているなどと述べた(甲A5の2のイ[17頁,18頁])。
(エ) 第2部では,被告Y1が講演をするとともに,被告Y2が本件ファンドの概要等を説明した(甲A5の2のロ)。
被告Y1は,この講演で,ベトナムが,5年間で時価総額が10倍になる株式市場であり,これはだいたい50年に一度のチャンス,つまり,一生に一度あるかないかのチャンスで,ものすごい可能性がある投資案件,投資対象だと思っているなどと述べた(甲A5の2のロ[5頁])。
(オ) 本件説明会当時,本件ファンドの募集はまだ開始されていなかったが,ファンドの募集をインターネット上で行うことは決定しており,本件説明会では,ファンドの募集を開始する旨の予告がされ,本件パンフレットにも,「ファンド募集は5月24日(木)から開始」,「原則全てネットでのお申し込み」,「ファンドへの投資にご興味のある方は,配布された「アンケート」にご記入下さい。」などと記載されていた(甲A5の2のロ[20頁],甲A15[34頁]),甲A16)。
カ 被告Y3は,前記第2の2(4)のとおり本件DVDを作成し,被告Y3メルマガの読者に有償で販売し又は無償で配布した(甲A6の1,2,乙ホ1,被告Y3,弁論の全趣旨)。
本件DVDにおいて,被告Y3は,「このベトナム未公開株ファンドというのは,私自身中国株の経験から考えますと最大のチャンスじゃないかなと考えております。」,「今,ベトナムはPER50とか60とか言われますけれども,例えばPER5倍で買ったとして,もし50倍で上場したときに売れれば,それで10倍という夢もありますし,話は半分だとしても,5倍ぐらいの魅力があるのではないかと考えております。」などと述べるとともに,「我々のベトナム未公開株ファンド」,「私たち,ストラテジック・パートナーズ」,「我々,直接ストラテジック・パートナーズが直接皆様の方からお金をいただく」,「ぜひ,ベトナム未公開株ファンドの方,ご検討をよろしくお願いします。」などと,自己が被告SPの関係者であることを前提とした発言をしていた(甲A6の1,2[23頁])。
(4) 本件ファンドのリスクの説明
ア 本件ファンドへの出資の申込みは,被告SPのウェブサイトを通じて行う仕組みとなっており,出資希望者に対しては,契約締結前書面として重要事項説明書,リスク確認書及び電子交付による同意書が,契約締結時書面として匿名組合契約書が,決算後書面として事業報告書が,それぞれ電子交付された(甲A8及び甲A9の各1,2,乙ニ1ないし4)。
イ 重要事項説明書及びリスク確認書には,本件ファンドが,元本及び一定の投資目標の達成を保証しておらず,出資金の全部又は一部に損失が生じ,返還されない可能性がある,同書面にはリスクの可能性のあると考えられる主な要因を記載しているが,全てのリスクではない,各投資者は自らの責任において,資料に記載された事項その他の事情を熟慮した上,投資判断を行うよう求める旨が記載されており,リスクとして,①投資対象に関するリスク(株式等の変動リスク,市場に関するリスク,為替変動リスク,投資先の地域的集中リスク,カントリーリスク,投資判断に関するリスク,ヘッジ手段利用のリスク,利益相反,ベトナムへの投資特有のリスク(政治リスク,経済的リスク等,投資証券の流動性の欠如,通貨,会計,税務等,国内外からの投資,外国の仲裁の承認等,ベトナムの統計データ等)),②営業者の破綻リスク,③関係法人等に関するリスク,④匿名組合の運営に関わる関係法人等への依存リスク,⑤他の匿名組合員の破産等のリスク,⑥税務上のリスク,⑦法令及び税制その他の規制変更に関するリスク,⑧流動性に関するリスクが挙げられており,これらについて,説明がされていた(甲A9の1,2,乙ニ2,3)。
また,匿名組合契約書には,営業者は,明示又は黙示を問わず,本契約から得られる分配損益の分配,予定利回り,事業の成功,出資金の元本の返還又は本契約にいかなる結果をも保証するものではなく,その損失を補填するものでもないし,匿名組合員は,このことを了承し,自らの判断と責任において本契約に基づく出資を行うものであるとの免責条項が設けられていた(甲A8の1,2)。
ウ 本件ファンドの申込画面には,申込みを行おうとすると,重要事項説明書,リスク確認書及び匿名組合契約書が表示されるようになっており,これらをマウス等でスクロールして,ウェブサイト最下段にある「上記の内容に同意し,次へ進む」のボタンを押さなければ,申し込めない仕組みとなっていた。また,重要事項説明書,リスク確認書及び匿名組合契約書は,PDF版がダウンロードできる仕組みとなっており,申込み画面上,プリントアウトして手元に保管するよう求める記載がされていた(乙ニ2,3)。
エ 被告Y2は,本件説明会の質疑応答の時間に,カントリーリスクや為替リスクを説明した。また,本件説明会では,リスクについての説明が記載されたレジュメが配布された(甲A5の2のロ[22頁])。
他方,被告Y1及び被告Y2が,出資希望者に個別に重要事項説明書やリスク確認書を示してリスクを説明することはなかった(弁論の全趣旨)。
(5) 原告らの出資
ア 原告X1は,昭和49年○月○日生まれであり,平成9年に大学を卒業して大手化粧品会社に就職した。本件ファンドⅠに出資した当時,年収は約500万円で,預貯金約1300万円,株式約900万円分を保有し,投資経験は,証券会社で株式を購入したことがある程度であった。
原告X1は,以前より被告Y3と面識があり,平成19年4月頃,被告Y3から,自分が関わっているベトナム未公開株ファンドがあると教えられて本件DVDの送付を受け,また,被告Y2コラム,被告Y2ブログ及び被告Y1ブログを読むなどして,本件ファンドⅠに出資することを決め,平成19年6月5日,本件ファンドⅠの申込みをし,同月7日,出資金として,300万円を被告SPに支払った(甲Bイ1ないし4)。
イ 原告X2は,昭和29年○月○日生まれであり,昭和53年に大学を卒業して銀行に入社したが,平成17年に退職し,現在は家業の不動産管理の仕事に従事している。本件ファンドⅡに出資した当時,収入はなく,預貯金約1000万円,投資信託約1300万円分,金現物約960万円分,株式約50万円分を保有していた。投資経験は,金の現物取引,銀行や証券会社を通じた株式や投資信託の購入経験がある程度であった。
原告X2は,証券会社のセミナーに参加してベトナムへの投資に興味を抱き,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログを見て,本件ファンドⅡに出資することを決め,平成19年7月19日,本件ファンドⅡの申込みをし,出資金として,同日及び同月20日にそれぞれ500万円(合計1000万円)を被告SPIに支払った(甲Bロ1ないし5)。
ウ 原告X3は,昭和45年○月○日生まれであり,原告X4の子である。高校卒業後,40歳まで病院に勤務し,その後,訪問看護ステーションに勤務している。本件ファンドⅡに出資した当時,年収は約400万円で,預貯金約500万円,投資信託約1700万円分を保有していた。投資経験は,証券会社を通じて投資信託を購入したことがある程度であった。
原告X3は,海外投資に興味を抱き,インターネットで調べているうち,被告Y2コラムを知り,さらに,被告Y2ブログや被告Y1ブログを読むようになり,被告SPから来た本件説明会の告知のメールを見たことから,平成19年7月15日,本件説明会に出席した。その後,本件DVD等を購入して視聴するなどして,本件ファンドⅡに出資することを決め,本件ファンドⅡの申込みをし,出資金として,平成19年8月1日に1500万円,同月2日に1100万円(合計2600万円)を指定された被告SP名義口座に送金した。なお,出資金の原資は,300万円が預貯金,1700万円が投資信託を売却した代金,残り600万円は親族からの借入れであった(甲Bハ1,2,原告X3)。
エ 原告X4は,昭和17年○月○日生まれであり,原告X3の母である。専門学校を卒業し,38歳から定年退職するまで,病院の経理課に勤務していた。本件ファンドⅡに出資した当時,収入は2か月ごとに約20万円の年金のみであり,預貯金約1000万円,株式約600万円分,投資信託約400万円分を保有していた。投資経験は,証券会社を通じて株式や投資信託を購入したことがある程度であった。
原告X4は,原告X3から,本件ファンドの存在を教えられ,本件DVD等を見せられて出資することを決め,本件ファンドⅡの申込みをし,平成19年7月31日,出資金として300万円を被告SPIに支払った(甲Bニ1,2)。
オ 原告X5は,昭和45年○月○日生まれ,平成元年に商業高校を卒業した後,複数の会社に勤務して主として経理業務に従事し,現在は派遣社員である。原告X5が本件ファンドⅡに出資した当時,年収は約250万円,預貯金は約300万円であった。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X5は,原告X8から,本件ファンドの存在を聞き,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログ及び被告Y3メルマガを教えられてこれらを読み,本件DVDを見せられて,本件ファンドⅡに出資することを決め,本件ファンドⅡの申込みをし,平成19年7月30日,出資金として,200万円を被告SPIに支払った(甲Bホ1,2)。
カ 原告X6は,昭和44年○月○日生まれ,大学卒業後,マスコミ関係の会社に勤務している。本件ファンドⅠに出資した当時,年収は約750万円で,預貯金約100万円,株式約800万円分を保有していた。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X6は,中国株に関心を抱き,インターネット等で調べていたところ,被告Y3を知り,被告Y3メルマガに登録し,これを読んで本件ファンドを知り,また,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログを読み,本件DVDを購入して視聴し,本件説明会に出席するなどして,本件ファンドに出資することを決め,本件ファンドⅠの申込みをし,平成19年6月29日から平成19年7月7日にかけて,出資金合計700万円を被告SPに支払った。なお,出資金の原資は,保有した株式を売却した代金によるものであった(甲Bヘ1ないし4)。
キ 原告X7は,昭和34年○月○日生まれ,大学を中退し家業に従事した後,平成5年に雑貨等の商品の輸入商社を設立し,現在まで同社の代表取締役を務めている。本件ファンドに出資した当時,年収は約2000万円で,預貯金約3200万円,株式約1000万円分を保有していた。
原告X7は,被告Y2コラム及び被告Y2ブログを読み,本件ファンドの存在を知り,また,平成19年5月19日,本件説明会に出席し,平成19年7月13日頃,本件ファンドⅠの申込みをし,同月17日,出資金として,2000万円を被告SPに支払った(甲Bト1,2,原告X7)。
ク 原告X8は,昭和45年○月○日生まれ,平成4年に大学を卒業し,複数の会社に勤務した後,平成8年に知人と会社を設立したが,4年で会社が倒産し,その後は,コンサルタント業を行う会社で営業のサポート業務に従事している。本件ファンドⅠに出資した当時,年収は約360万円で,預貯金約300万円,株式約300万円分を保有していた。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X8は,平成17年10月,被告Y3が作成した中国株レポートをインターネットでダウンロードし,また,平成18年11月9日,被告Y3メルマガに登録し,これを参考にして,中国株を数銘柄取引した。その後,原告X8は,被告Y3メルマガを見て,本件ファンドを知り,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログ及び被告Y3メルマガを読み,本件DVDを視聴し,本件ファンドに出資することを決め,平成19年6月8日,同月28日及び同年7月5日,本件ファンドⅠの申込みをし,出資金として,同年6月27日から同年7月9日にかけて,合計500万円を被告SPに支払った(甲Bチ1ないし7)。
ケ 原告X9は,昭和40年○月○日生まれ,昭和59年に高校を卒業し,昭和61年から平成7年まで一般事務職員として勤務した後,個人代理店として健康食品等の販売員をしていたが,平成18年に退職し,その後は専業主婦をしている。
本件ファンドに出資した当時,夫の収入により生活をしていたため年収はなく,預貯金が約500万円あった。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X9は,平成19年4月28日,日本株のセミナーに参加したところ,被告Y3と知り合い,その後の懇親会で,本件ファンドを教えられた。その後,原告X9は,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログ及び被告Y3メルマガを読み,本件DVDを視聴し,本件ファンドに出資することを決め,平成19年6月13日に本件ファンドⅠ,同年8月2日に本件ファンドⅡの申込みをし,出資金として,同年6月14日に200万円を被告SPに,同年8月3日に100万円を被告SPIにそれぞれ支払った(甲Bリ1ないし7)。
コ 原告X10は,昭和37年○月○日生まれ,昭和57年に短大を卒業して保険会社に就職し,平成2年に退職した後,パート勤務をしている時期もあったが,平成19年からは専業主婦をしている。本件ファンドⅠに出資した当時,年収は月に数日程度の派遣労働による35万円程度で夫の収入で生活しており,預貯金は約550万円であった。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X10は,平成17年頃,中国株に興味を抱き,インターネットで検索していたところ,被告Y3メルマガを知り,これに登録し,平成19年5月頃,被告Y3メルマガにより,本件ファンドを知った。そして,原告X10は,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y1ブログ及び被告Y3メルマガを読み,また,同月12日,本件説明会に出席し,本件ファンドに出資することを決め,本件ファンドⅠの申込みをし,同年7月11日,出資金として,500万円を被告SPに支払った。
また,原告X10は,被告SPから送付された事務経費の負担を求める書面(前記1(6)オ)に応じて,平成25年1月25日に1万3000円を,さらに,被告Y1らから本件ファンドⅠの買い増しを求められ,同年2月12日に43万2000円を,被告SPに支払った(甲ヌ1ないし5,原告X10)。
サ 原告X11は,昭和27年○月○日生まれ,昭和52年に大学を卒業し,同年から約4年間企業に勤務した後,父が経営していた会社を手伝うようになり,昭和63年以降,同社の代表取締役を務めている。本件ファンドⅠに出資した当時,年収は360万円で,預貯金はほとんどなく,株式約700万円分を保有していた。投資経験は,証券会社を通じて株式を購入したことがある程度であった。
原告X11は,平成19年頃,被告Y3メルマガを読んで本件ファンドの存在を知り,その後,本件DVDや被告Y2ブログ,被告Y1ブログ等を読み,本件ファンドに出資することを決め,平成19年6月30日,本件ファンドⅠの申込みをし,同年7月13日,出資金として,100万円を被告SPに支払った(甲ル1ないし3)。
(6) 原告らの出資後の本件ファンドの状況
ア 被告両社は,出資者に対し,年2回,本件ファンドの事業報告書により報告を行っていたところ,これらの事業報告書には,各匿名組合の決算書類並びに同書類が財政状態及び経営成績を全ての重要な点において適正に表示しているものと認める旨の公認会計士による監査報告書が付されていた(甲A31及び32の各1ないし6)。
イ 本件ファンドの投資対象株式のうち,アルファナム株は平成19年12月に上場したが,その上場当時の株価は1株当たり約6万ドンであったところ,被告Y1は想像していたより株価が上がらなかったため,売却せず保有する方針を採った(甲A31,32の各1,甲A34[39,40頁])。
しかし,その後,リーマンショックの影響により,株価が低迷したため,ライジングサン社は,平成20年12月20日,アルファナム株の全てを1株当たり1万8216ドン,サイゴンツーリスト株の一部84万2680株を1株当たり8万ドンで売却し,同日,モモタ株を1株当たり5万1500ドンで138万8960株,ダオジャファット株を1株当たり5万5000ドンで42万4080株追加取得した(甲A33,甲A34[39~41頁])。
その後,CMCグループ株は平成22年1月,サイゴンツーリスト株は平成23年7月に上場した(甲A31,32の各5,甲A33)。
ウ 被告Y1は,本件ファンドの出資者に対し,平成22年5月頃,匿名組合契約に基づき,本件ファンドⅠの満期を平成24年7月31日まで,本件ファンドⅡの満期を同年8月31日まで,それぞれ2年間延長することを通知し,平成23年5月29日頃,ファンド延長期間中の管理報酬を放棄することを通知した(甲A10,甲A11の1,2)。
エ 被告Y1は,本件ファンドの出資者に対し,平成24年6月15日頃,未上場株が2銘柄あるが,株式市場の状況が悪く買い手が見つからないこと,ファンドを開始した時点と比較して,ベトナム・インデックスが1200ポイントから400ポイントと3分の1まで値下がりし,ベトナムの通貨であるドンも日本円に対して6割も下がったことから,損失が生じていること,ベトナムはインフレが収まり,同年中に4回の利下げが行われ,今後も利下げが行われる見込みであること,ベトナム経済の成長は間違いないと考えていること,未上場の2社についても上場の準備が完了していることなどの状況を理解いただき,ファンド再延長を検討いただきたい旨を通知した(甲A12の1,2)。
オ 被告SPの従業員であるAは,本件ファンドの出資者に対し,平成25年1月頃,事務経費の負担を求める書面を送付した(甲A13)。
カ 原告らは,被告両社に対し,平成27年7月30日の本件口頭弁論期日において,原告らが締結した本件ファンドに係る匿名組合契約を解除するとの意思表示をした(当裁判所に顕著な事実)。
2 争点(1)(被告らの責任(本件ファンドの違法性及びその勧誘の違法性))
(1) 未公開株商法(詐欺的商法)
原告らは,未公開株商法の違法性の中心は,上場が確実である,将来値上がりする可能性が高い等と一般投資家に告げて,未公開株の価値を偽るところにあるところ,被告3名の本件ファンドの勧誘行為は,未公開株の本来の価値を偽った違法な勧誘であるなどと主張する。
しかしながら,そもそも本件ファンドの仕組みは前記1(2)認定のとおりであって,本件ファンドは,未公開株の値上がりによる転売益を得て,そこから(いわば間接的に)利益(21%の成功報酬等)を得ることを想定して組成されたものであり(前記1(1)ア),被告らが売買代金と適正価格との差額を直接騙取することを目論んでいたと認めることはできない(本件は,顧客に対し未公開株を不当な高額で直接売却することによって,直ちに不当な利益を得ようとする事案とは異なるものである。)。
また,実際に取得した株式について見ても,前記1(2)ウ及び(6)イによれば,ライジングサン社が取得した株式のうち,サイゴンツーリスト株,CMCグループ株及びアルファナム株は上場を実現していること,サイゴンツーリスト株については,取得時から約1年3か月後に,一部が未上場のまま売却されているが,取得時の株価(9万ドン)に比べて売却時の株価は約9割(8万ドン)であること,アルファナム株も,上場当時は1株当たり約6万ドンという値をつけており,取得時の株価(5万ドン)よりも上回っていたこと,その後リーマンショックの影響により株価が低迷したことが認められ,これらの事実に照らせば,これらの株式が上場する可能性の低いものであって,本来の価値に比して著しく高額に取得されたということもできない。
したがって,原告らの上記主張は,採用することができない。
(2) 金融商品まがい取引
ア 原告らは,本件ファンドが,当初から取引により生ずる利益を出資者に適切に帰属させるに足りる実質を備えておらず,かかる商品を販売することは,社会的相当性を逸脱し,違法であると主張する。
イ(ア) そこで検討するに,本件ファンドは,ベトナムの経済及び有価証券市場の発展により値上がりが期待される未公開株式,上場予定(OTC市場銘柄)の株式等へ投資し,中長期的な値上がり益を享受することを目的としているところ(前記1(2)ア),本件ファンドの企画を開始した当時,ベトナム経済が好調であり,その活況がメディアで取り上げられる状況であって,ベトナム企業の株式が注目される状況にあったこと,そこで,被告Y1は,上場株式が既に割高となっていたことから,収益を上げるため,未公開株式に投資することを決めたこと(前記1(1)ア)が認められ,このような判断は,リスクが大きい反面,そのことから直ちに金融商品としての適切性を欠如させるものではない。
(イ) 被告Y1は,投資対象企業を決定するため,ベトナムの証券会社のアナリストなどの有識者からのヒアリングを行い,また,投資対象企業の決算書類の提出を受け,財務分析を行ったり,事業計画等の提出を受け,会社代表者からのヒアリングを行ったりしていた(前記1(1)イ)のであり,投資対象企業が上場する可能性や,株価上昇の可能性,取得価額の適正さを判断する基礎となる情報を得るための調査を行っていたことが認められる。
(ウ) 本件ファンドの仕組みとして,特定目的会社であるライジングサン社を介在させた理由について,被告Y1は,被告両社が投資一任業務を行うことができないため,投資家から出資を受けて自ら運用することができず,出資金の帰属先と投資助言を行う主体を分ける必要があった旨説明している(甲A34[5頁])ところ,その内容に特段不自然な点はなく,また,本件ファンドの仕組みの適法性について,弁護士や金融庁の見解を確認していたことも認められる(上記1(2)イ)。
(エ) 本件ファンドへの出資金は,本件ファンドの営業者である被告SP又は被告SPIの口座に振り込まれた後,ライジングサン社が香港に保有する口座に送金され,その後,ライジングサン社は,ベトナムの銀行であるBIDVの被告Y1の個人口座を経由して投資対象企業であるCMCグループ等5社の株式の購入に当てられたことが認められる(前記1(2)ウ)。被告Y1の個人口座を経由した理由について,被告Y1は,法人であるライジングサン社の名義で同口座を開設するには1か月以上かかるため,ブローカーとの間で機動的な売買を行うには,より早期に開設できる個人口座を経由せざるをえなかったと説明している(甲A34[29頁])ところ,この説明が不合理と断ずることはできない。そして,本件ファンドにより約30億円の出資金が集まったところ,被告Y1及び被告両社は,うち約24億7000万円をライジングサン社の口座に送金し,それがベトナム未公開株の取得資金となったこと,約2億9400万円がブローカーへの手数料としてベトナムのブローカーの口座へ送金されたことが認められ(甲A34[28,29頁],乙イ2ないし19),その残額についても,申込み手数料が5.25%相当額(1億5750万円),管理手数料が2.1%相当額(6300万円)であり,合計約2億2000万円であるから,約30億円の出資金の流れとしても,概ね理解が可能である。
(オ) そうすると,本件ファンドの仕組みや資金の流れは,不自然,不合理とまではいえず,仮にライジングサン社が購入した未公開株が上場して転売益が生じた場合には,そこから諸々の経費を控除した残額を出資者に分配することができる仕組みであったということができる。
ウ 以上によれば,本件ファンドの仕組みや資金の流れが金融商品として不合理であると認めるに足りる証拠はなく,これに加えて,本件ファンドから被告両社らが得る管理報酬等(前記1(2)ア(エ))も不当に高額なものとまではいえないこと,年2回,本件ファンドについて事業報告が行われていたこと(前記1(6)ア),本件ファンドにおいて一度も配当が行われていない理由は,本件ファンドのリスクのうち,特にカントリーリスクと流動性リスクが実現したものであり,現在に至るまで償還が行われていないのは,ライジングサン社が保有している株式の値上がりを期待して,売却処分せず保有し続けることを選択したことによるものであるとの被告Y1の説明(甲A34[7~8頁,41~42頁])も,その選択の妥当性には批判があり得るとしても,不自然・不合理であるとまではいえないことなどを総合すれば,本件ファンドが出資者に損益を適正に帰属させるという金融商品の実質を欠いていたとまでは認められない。
エ したがって,原告らの主張は採用できない。
(3) 適合性原則違反
原告らは,本件ファンドが,ベトナムに関する情報や同国の未公開株式の市況に精通している者でなければ適合性を有さないものであるところ,原告らはそのような適合性を有しないから,被告3名が本件ファンドへの出資を原告らに勧誘したことは,適合性原則に違反し,違法であると主張する。
そこで検討するに,確かに,本件ファンドの投資対象であるベトナムの未公開株式は,一般の投資家にとってその企業の情報やその価値等の正確な情報を得ることが困難なものであることは否定できない。しかし,本件ファンド自体は,各出資者が個別に投資先企業を選択して投資判断を行うものではなく,その仕組みは,ライジングサン社が取得した株式の転売価格等による収入の総額から,購入価格と諸経費の合計額を控除した差分が利益分配の原資となる(前記1(2)ア(オ))という比較的単純な構造の金融商品である。他方,原告らは,いずれも証券会社等を通じて株式等の取引を行ったことがあり,投資経験を有していた(前記1(5))上,原告X2,原告X3,原告X6,原告X8及び原告X10は,海外投資に興味を抱き自らインターネットで情報収集を行っていたもの(前記1(5)イ,ウ,カ,ク,コ),原告X1,原告X9及び原告X11は,被告Y3から直接又は被告Y3メルマガを通じて本件ファンドの存在を教えられ,本件DVDを視聴したり,被告Y1ブログ,被告Y2コラム及び被告Y2ブログを読んだりして情報収集を行っていたもの(前記1(5)ア,ケ,サ),原告X7は,被告Y2コラム及び被告Y2ブログを読んで本件ファンドの存在を知り,本件説明会に参加するなどしたもの(前記1(5)キ),原告X4は原告X3から,原告X5は原告X8から,本件ファンドを紹介されて出資を決めたもの(前記1(5)エ,オ)であって,それぞれ更なる投資に興味を抱いていた。加えて,本件ファンドは1口当たり100万円であって,出資額以上の損失を被ることはないから,原告らの財産状態(前記1(5))に照らして不相当な商品とまではいえない。
これらを総合すれば,原告らが,およそ本件ファンドへの出資を自己責任で行う適性を有していなかったとはいえないというべきである。そうすると,原告らに本件ファンドの出資を勧誘する行為が,適合性の原則から著しく逸脱するものであったということはできない。
(4) 説明義務違反
ア 原告らは,被告3名の本件ファンドへの出資の勧誘には説明義務違反があり,違法であると主張するのに対し,被告3名はいずれも,本件ファンドへの出資の勧誘を行ったこと自体を否認している(前記第2の3(1))。
しかしながら,被告Y1及び被告Y2が出席した本件説明会(前記1(3)オ),被告Y3の講演が収録されている本件DVD(前記1(3)カ)を含む本件DVD等及び本件パンフレット(前記1(3)オ(イ))が,本件ファンドを説明し,その出資を勧誘する目的に基づくものであることは,その内容自体から明白というべきである。また,被告Y2コラムは,ベトナムの未公開株式の有望性・希少性を謳うものであり,本件説明会の開催を告知し参加の申込みを募る被告Y2ブログ(前記1(3)ウ)と相まって,本件説明会ひいては本件ファンドを申し込む誘因として,本件ファンドの勧誘方法の一部となっていたということができるし,被告Y1ブログも,被告Y2コラムと同様,ベトナムの未公開株式の有望性・希少性を謳うものであり,本件説明会や本件パンフレットとの内容の類似性(前記1(3)ア,オ)等に照らせば,やはり本件ファンドの勧誘方法の一部となっていたというべきである。さらに,Y3メルマガも,本件説明会や本件DVD等を紹介するものであり(前記1(3)エ),本件DVDにおける被告Y3の説明等と相まって,本件ファンドの勧誘方法の一部となっていたということができ,被告Y3が被告Y1から紹介料として1600万円を受け取っていたこと(被告Y3[17,21頁])も,このような見方を裏付けるものということができる。
以上によれば,被告3名は,いずれも本件ファンドへの出資の勧誘を行ったものと認められる。
イ そして,前記1(5)のとおり,原告らはいずれも,被告Y1ブログ,被告Y2コラム,被告Y2ブログ,被告Y3メルマガ,本件説明会及び本件DVD等の全部又は一部に接した結果として,本件ファンドに出資することを決め,申込みをして,出資金を支払ったことが認められる。
ウ そこで,次に,被告3名の出資の勧誘が説明義務違反により違法となるかを検討する。
(ア) 前記1(3)認定のとおり,被告Y1ブログ及び被告Y2コラムには,ベトナム経済が好調であり,特にベトナム未公開株は上場時に売り抜けることで大きなリターンが期待できること,ベトナム未公開株ファンドの成果は,上場可能性の高い未公開株をどれだけ割安に手に入れることができるかによるところ,本件ファンドでは投資のプロでも困難な未公開株の確保が既にできていること,今後数年間にわたって株式上場ラッシュが続くベトナムはまさに現代のエルドラド(黄金郷)であること等が記載され,「だいたい50年に一度のチャンス」,「自分が生きている間,一生に,ま,一度あるかないかのチャンス」,「どう考えてもリスクのないただ飯」,「食わなければ一生の不覚」などといった表現までが用いられて,本件ファンドあるいはベトナム未公開株ファンドのリターンを強調した情報が繰り返し発信されていた。また,本件説明会及び本件DVD等(説明に用いられた本件パンフレットの記載を含む。)では,被告Y1や被告Y2の経歴や成功体験等が紹介されるとともに,ベトナム経済が好調であること,未公開株式への投資が有益であること等が説明され,被告らが募集するファンドの概要,戦略等が紹介された。その上で,ベトナムの未公開株式を取得することが,今一番世界で注目されている高いリターンを得る投資である,ベトナム株式市場が5年間で時価総額が10倍になる市場である,ベトナム未公開株への投資が50年に一度あるいは一生に一度あるかないかのチャンスであるなどといった話がされたところ,このような被告Y1及び被告Y2の説明等は,両者の経歴の紹介等から一般人が感得する社会的信用の高さや成功者としての体験も相まって,情報の受け手となる出資希望者に相当の信憑性を伴って伝わったものと考えられる。このことは,被告Y2及び被告Y1を「最強の2人」と称して本件ファンドを紹介した被告Y3メルマガの記事や,本件説明会の様子を収録した映像に,「ベトナム未公開株は最大のチャンス」,「5倍ぐらいの魅力がある」などとする被告Y3の説明を加えた本件DVDの情報に接した出資希望者についても,同様であったと考えられる。
他方において,本件ファンドには,重要事項説明書,リスク確認書等に記載されている(前記1(4)イ)とおり,株式等の変動リスク,市場に関するリスク,為替変動リスク,カントリーリスク等,様々なリスクが存在していたものであるが,原告らは,被告3名の上記勧誘により,ベトナムの未公開株式のリターン面に強く意識が向いている状態になっていた反面,そのリスクについては意識が向きにくい状態となっていたことが推認される。
そうすると,そのような状況を作出した被告3名には,原告らに対し,匿名組合契約締結に先立ち,本件ファンドに出資するか否かの適切な判断を行うのに必要となる情報を提供すべき信義則上の説明義務が存したというべきである。
(イ) しかるに,被告Y1ブログ,被告Y2コラム,被告Y2ブログ及び被告Y3メルマガには,そのリスク等についての言及はほとんどなく,本件説明会についても,その場で配布されたレジュメにリスクについて記載があり,最後にカントリーリスクや為替リスク等の存在に言及がされたものの,その時間は全体からすれば僅かなものであった上,内容も一般的なものにとどまり具体性を欠くものであったから,上記リスクの内容を的確に理解できるような説明があったと評価することはできない。実際,本件説明会に出席した原告はいずれも,リスクの説明はあったものの,印象に残らなかった,気にならなかった,記憶に残らなかったなどと供述しているところである(原告X3[5,10~11頁],原告X7[10~11頁],原告X10[14頁])。
また,本件ファンドにおいては,出資希望者に対し,締結前書面として,重要事項説明書,リスク確認書が電子交付され,これらが自由に閲覧できる状況に置かれた上,その内容について同意しない限り申込みができない仕組みになっていたことが認められる(前記1(4)ウ)ものの,上記認定のとおり,被告らが繰り返しリターンを強調した勧誘を行っており,原告らは,本件ファンドのリスクに意識が向きにくい状態に陥っていたのであるから,原告らが上記締結前書面を精読し,当該リスクを自覚できる可能性は低かったといわざるを得ない。実際,原告X3,原告X7及び原告X10は,重要事項説明書及びリスク確認書には目を通したものの,本件説明会でリスクについて重要視していないような説明をされたので,重要視しなかった(原告X3[12頁]),被告Y1や被告Y2の経歴や人脈を信頼していたため,投資すれば間違いなくリターンが得られるという認識でおり,リスクは気にならなかった(原告X7[10~11頁]),確実に投資額が数倍になると思っていたので,リスクに気が行っていなかった(原告X10[18頁])などと供述しているところである。このような本件の事実関係の下では,単にリスクの記載があるこれらの書面を電子交付し閲覧し得る状態に置くのみで,実際にリスクを認識し理解することを全て受け手に委ねる方法では,上記説明義務を果たしたとはいえないというべきである。
(ウ) 以上の事情からすれば,原告らは,被告3名(原告X2,原告X3,原告X4及び原告X7に関して被告Y3を除く。以下,この項において同じ。)が自ら発信したベトナム未公開株に係る情報等によって本件説明会や本件DVD等の存在を知り,実際に本件説明会に参加しあるいは本件パンフレットとともに本件DVD等を見て被告3名の説明を聞くなどして,本件ファンドへの出資を決めたものであるから,被告3名は,本来,本件説明会に出席した出資希望者に対しては,重要事項説明書やリスク確認書等を示して,本件ファンドに付随するリスクについて十分理解できるように説明すべきであったし,本件説明会に参加しないで本件DVD等を購入・視聴する者に対しても,本件DVD等を視聴する際に本件ファンドに付随するリスクについて十分理解できる手段や,出資希望者がかかるリスクを正しく認識しているか否かを出資前に確認する手段を講ずるべきであった。しかるに,現実には,上記のような手段が採られていたとは認められないから,被告3名の勧誘行為には,説明義務違反の違法があるというべきである。
なお,一般的に,インターネットを利用した非対面取引は,対面取引に比べて安価な手数料や顧客の利便性を重視した取引であること,顧客としても担当者の勧誘,助言,指導等を介在させることなく,自己の情報収集,調査及び分析等に基づいて自己の責任と判断で取引を行いたいという意向を有しているのが通常であると考えられることからすると,顧客に対するリスク等の説明としては,顧客が自由に閲覧できるリスクの説明書面を交付(電子交付を含む。)した上で,これについて理解したことを書面又はウェブ上の入力で確認するという手法は,一定の合理性を有するというべきである。したがって,それに加えて,個別に電話等で確認をするなどしなくとも,直ちに説明義務違反があるとはいえないと考えられる。しかしながら,本件では,上記のような契約締結前の募集勧誘方法によって,原告らをしてベトナム未公開株のリターン面に強く意識が向いた状態とさせた反面,そのリスクについては意識が向きにくい状態に陥らせたまま,インターネットを利用した申込方法に限定して本件ファンドを販売しているので,先行する勧誘行為に基づき,被告3名は,原告らに対し,本件ファンドに出資するか否かの適切な判断を行うのに必要となる情報を提供し,その理解度を確認すべき信義則上の説明義務を負っていたというべきものである。
(5) 断定的判断の提供
前記認定のとおり,被告Y1が,「未公開株であれば上場までたどり着く可能性が非常に大きい」,「ヒットはいくらでも打てます」,「未公開株さえ買えば,誰もが億万長者になれるマーケット」などと被告Y1ブログに記載し(前記1(3)ア),被告Y2が,「10年で10倍で十分なのですが,この分だと,10年後は40倍50倍になることも夢ではない」,「ローリスクハイリターン」などと被告Y2コラムに記載し(前記1(3)イ),被告Y3が,「このベトナム未公開株ファンドというのは,私自身中国株の経験から考えますと最大のチャンスじゃないかなと考えております。」,「例えばPER5倍で買ったとして,もし50倍で上場したときに売れれば,それで10倍のという夢もありますし,話は半分だとしても,5倍ぐらいの魅力があるのではないかと考えております。」等と本件DVDで述べる(前記1(3)カ)など,本件において,ベトナムの未公開株式の有望性は繰り返し説明されていた反面,具体的なリスクの説明は行われていなかった(前記(4)ウ(ア))のであって,上記の説明内容は,原告らに対し,本件ファンドにより確実に利益が得られるであろうことを断定的に伝えるものであったと評価することができる。そして,原告らにおいては,これらの勧誘により,ベトナムの未公開株式のリターン面に強く意識が向いている状態になっていた反面,そのリスクについては意識が向きにくい状態となっていたことが推認される。また,上記(4)ウ(イ)に引用した原告X3,原告X7及び原告X10の各供述によれば,本件説明会や,重要事項説明書及びリスク確認書におけるリスクの説明をもってしても,これらの原告について,実際に上記断定的判断の提供による影響が払拭されていなかったことが認められる。
以上によれば,被告3名は,断定的判断を提供した違法があったというべきである。
(6) 被告らの責任
被告3名は,上記(4)及び(5)のとおりの違法な勧誘を実行したと認められるから,いずれも不法行為が成立する。また,被告SPは本件ファンドⅠの営業者兼本件ファンドⅡの販売者,被告SPIは本件ファンドⅡの営業者であり,被告Y1と被告Y2は,本件ファンドの組成を相談しながらその仕組みや匿名組合契約書の雛形等を作成し,本件説明会でも登壇し説明をしたこと,本件説明会は本件ファンド全体の勧誘方法であること等の前記1認定の事実を総合すると,被告Y1及び被告Y2の一連の行為は,正に被告両社の行為と評価すべきものであるから,被告両社についても不法行為が成立する。そして,被告らの不法行為は共同して行われたものと評価できるから,被告らは関連する原告らに対して共同不法行為責任を負うというべきである。
3 争点(2)(損害)について
ア 前記1(5)認定のとおり,原告らは,別紙損害一覧表の「出資金等総額」欄記載の金額の金員を被告SP又は被告SPIに支払ったものであり,同額の損害を受けたものといえる。
イ 過失相殺
上記2(4)及び(5)のとおり,被告3名の勧誘について,説明義務違反及び断定的判断の提供の違法が認められる。しかしながら,他方,本件ファンドは,新興国であるベトナムの未公開株式に投資するものであり,種々のリスクがあると考えるのが自然であること,本件説明会に出席しあるいはその内容を収録した本件DVD等を視聴した原告らは,質疑応答の時間に一般的ながらリスクの説明を受けていたこと,本件ファンドは,重要事項説明書及びリスク確認書の内容に同意しなければ申込みができない仕組みになっており,これらの書面には,本件説明会よりも詳細なリスクの説明(前記1(4)イ)がされていたことからすれば,原告らは,本件ファンドへの出資を申し込む前に,本件ファンドに内在するリスクについて気付くことはできたし,その内容が自らの理解を超えていれば,被告らにメール等で質問することも可能であったといえる。そうであるにもかかわらず,原告らは,被告3名の説明を軽信し,慎重にリスクを検討することなく出資を申し込んだという点において,原告らにも一定の落ち度があったことは否定できない。
したがって,原告らが本件ファンドに出資したことにより被った損害について過失相殺すべきである。そして,原告らの落ち度の程度や被告らの勧誘の内容・程度等に照らすと,損害の公平な分担の見地から,本件においては損害の4割につき過失相殺を行うのが相当であり,過失相殺後の損害額は,別紙損害一覧表の「過失相殺後の損害額」欄記載のとおりとなる。
ウ 本件事案の内容や訴訟遂行の困難性に照らすと,弁護士費用は,上記イの金額の1割をもって相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
エ 以上によれば,別紙損害一覧表の「原告」欄記載の原告らに対し,各原告に対応する「被告」欄記載の被告らは,連帯して「認容額」欄記載の金員及び遅延損害金を支払う義務を負う。
第4  結論
以上の次第で,原告らの請求は,別紙損害一覧表の「被告」欄記載の被告らに対し,連帯して「認容額」欄記載の金員及びこれに対する平成25年10月5日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 上田哲 裁判官 堀禎男 裁判官 伊藤健太郎)

 

〈以下省略〉

 

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