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判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(384)平成14年 7月12日 大阪地裁 平12(行ウ)85号 法人税更正処分取消等請求事件

判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(384)平成14年 7月12日 大阪地裁 平12(行ウ)85号 法人税更正処分取消等請求事件

裁判年月日  平成14年 7月12日  裁判所名  大阪地裁  裁判区分  判決
事件番号  平12(行ウ)85号・平12(行ウ)86号
事件名  法人税更正処分取消等請求事件
裁判結果  棄却  上訴等  控訴  文献番号  2002WLJPCA07126001

出典
税資 252号

裁判年月日  平成14年 7月12日  裁判所名  大阪地裁  裁判区分  判決
事件番号  平12(行ウ)85号・平12(行ウ)86号
事件名  法人税更正処分取消等請求事件
裁判結果  棄却  上訴等  控訴  文献番号  2002WLJPCA07126001

原告 A株式会社
同代表者代表取締役 甲
同訴訟代理人弁護士 東畠敏明
同 大堅敢
同 富阪毅
同 松本研三
同 出水順
同 井上計雄
被告 城東税務署長
東曠
同指定代理人 石垣光雄
同 鴫谷卓郎
同 森川宗照
同 吉田昭一

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1  請求
1  被告が原告に対し、いずれも平成10年10月30日付でなした、平成5年10月1日から平成6年9月30日までの事業年度に係る法人税についての更正処分のうち、総所得金額が59万2899円、納付すべき税額が16万4900円を超える部分及び重加算税賦課決定処分を取り消す。
2  被告が原告に対し、いずれも平成10年10月30日付でなした、平成7年10月1日から平成8年9月30日までの課税期間に係る消費税についての決定処分及び無申告加算税賦課決定処分を取り消す。
第2  事案の概要
本件は、不動産業者である原告が、B株式会社(以下「B」という。)から別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)の売却に係る仲介手数料として9億円を取得した(以下、原告が本件不動産の仲介手数料として受領したと被告が主張している9億円を「本件9億円」という。)として、被告が、原告に対し、平成5年10月1日から同6年9月30日までの事業年度に係る法人税につき更正処分及び重加算税賦課決定処分を行い、さらに、平成7年10月1日から同8年9月30日までの課税期間に係る消費税につき決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分を行ったところ、原告が、被告に対し、原告は本件不動産の仲介手数料として本件9億円を受領した事実はなく上記各処分は違法であると主張して同処分の取消しを求めた事案である。
1  争いのない事実等
(1)  当事者等
原告は、不動産の仲介及び売買等を営業の目的とする株式会社であり、平成6年当時の資本金は300万円である(乙16)。
(2)  本件売買契約
Bは、株式会社C(以下「C」という。)との間で、平成4年5月1日、BがCに対し本件不動産を153億0425万0238円で売却すること、本件不動産の所有権は契約締結と同時にBからCに移転すること、売買代金の支払日は本件不動産の所有権移転と同時とすること、Cは、Bに対し、本件不動産の売買代金を現金(小切手を含む)にて支払うこと、不動産の引渡期日は平成4年5月1日とすること等を内容とする売買契約を締結した(甲14。以下「本件売買契約」という。)。
(3)  書面の作成
ア 本件誓約書
原告は、「このたび、B株式会社より、同社所有のゴルフ場用地売却の仲介代理を依頼され、B株式会社より当社へ仲介代理手数料として9億円入りますので、以前より御依頼のありました世界平和運動に協力するため、財団法人D(設立準備中)の主旨に賛同し、賛助金として献納致します。」と記載された、「財団法人D総裁乙」宛の平成5年6月6日付「誓約書」(以下「本件誓約書」という。)を作成したうえで、署名押印し、D総裁代行副理事長丙こと丁(以下「丁」という。)に対し、これを交付した(甲7、乙1)。
イ 本件約定書
(ア) B及び原告は、本件売買契約に関し、平成4年3月31日付「売買代理に関する約定書」(以下、「本件約定書」という。)を作成し、記名押印した(甲6、乙1)。
(イ) 本件約定書においては、概ね以下のとおり定められている(甲6、乙1)。
a 原告は、平成4年3月31日以降、Bが本件不動産を売却することができるまでの間、Bの代理人として本件不動産の購入者と売買条件の交渉を行う。
b 原告は、Bが別途書面で承諾する場合を除いて、売却代金150億円以上で購入者と売買契約を成立させるものとする。
c 原告が売買条件の交渉につき代理権を有する期間は、平成4年3月31日から3か月間とする。
d 原告が、3か月以内に本件不動産を150億円以上で売却することができた場合は、Bが本件不動産において計画する宅地造成事業地内地権者からの開発同意あるいは買収が全て完了した時に売買金額総額の6パーセントに相当する額を成功報酬として支払う。
ウ 原告が9億円を受領した旨の領収書
原告は、本件売買契約にかかる仲介手数料として9億円を受領した旨記載された平成6年7月26日付領収書を作成したうえ、記名押印し、これをBに対し交付した(乙2)。
エ Dが9億円を受領した旨の領収書
(ア) 原告は、丁から、平成6年7月26日、いずれもDが3億円を賛助金として受け取った旨記載されたD名義の領収書2通を受領した(甲8の1及び2、乙1)。
(イ) 原告は、丁から、いずれもDが6億円を賛助金として受け取った旨が記載されたD名義の平成6年7月29日付領収書2通を受け取った(甲8の3及び4、乙1)。
(ウ) 原告は、Dが9億円を賛助金として受領した旨記載された平成6年7月29日付領収書2通を受領した(甲9の1及び2、乙1)。
(4)  金銭の流れ
ア 本件預金口座の開設
原告は、平成6年7月21日、E銀行京橋支店に原告名義の普通預金口座(以下「本件預金口座」という。)を開設した。
イ 本件各小切手の振出
株式会社F銀行は、平成6年7月26日付で、小切手(額面3億円。以下「本件小切手1」という。)、小切手(額面2億円。以下「本件小切手2」という。)、小切手(額面1億円。以下「本件小切手3」という。)、小切手(額面2億円。以下「本件小切手4」という。)を振り出した。
ウ 本件小切手1ないし3の取立て
平成6年7月27日、本件小切手1ないし3が決済され、本件預金口座に合計6億円が入金された。その際、原告代表者は、入金票を作成し、E銀行京橋支店に提出した。平成6年7月29日、E銀行大阪支店において本件預金口座から現金6億円が引き出された。原告代表者は、上記出金の際、E銀行大阪支店に赴き、払戻請求書を作成してE銀行大阪支店に提出した(甲10の1及び2、13の1及び2、原告本人)。
エ 本件小切手4の取立て
Bは、G銀行新大阪支店を通じて本件小切手4の取立てを行い、平成6年7月29日、取り立てた2億円を出金した。
オ 原告代表者の口座への入金
原告は、平成6年7月27日ころ、原告代表者名義のH総合口座に750万円を入金した(甲11の1及び2)。
(5)  法人税に関する処分等
ア 確定申告
原告は、被告に対し、平成6年11月21日、原告の平成5年10月1日から同6年9月30日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)の法人税につき別表1「確定申告」欄記載のとおり確定申告をした。
イ 法人税の更正処分及び重加算税賦課決定処分等
被告は、原告に対し、平成10年10月29日付で原告の本件事業年度以後の法人税に係る青色申告承認の取消処分を行い、平成10年10月30日、原告の本件事業年度の法人税につき別表1「更正処分等」記載のとおり更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び重加算税賦課決定処分(以下「本件重加算税賦課決定処分」という。)をなし、同日、原告にその旨を通知した。
ウ 本件更正決定の根拠
被告が、本件更正処分を行った根拠は以下のとおりである。
(ア) 本件事業年度における所得金額 8億8933万1748円
a 申告所得金額 59万2899円
b 収入の計上漏れ 9億円
原告は、平成6年7月26日、Bから9億円を受領しており、原告の収益となる。
c 寄付金の損金算入額 9億円
原告は、Dに対し、平成6年7月26日及び同月29日、賛助金9億円を支出しており、これは原告の事業に直接関係のない支払で直接対価を伴わないでしたDに対する経済的な利益の贈与であるから、法人税法37条6項所定の寄付金に該当し、寄付金の損金算入額としてこれを減算した。
d 寄付金の損金不算入額 8億8873万8849円
寄付金の損金算入限度額は、寄付金支出前の所得金額9億0059万2899円の100分の2.5である2251万4803円と資本金(300万円)の1000分の2.5である7500円との合計額2252万2303円の2分の1にあたる1126万1151円である(法人税法施行令73条1項1号)。したがって、これを超える額である8億8873万8849円は寄付金の損金不算入額であるので、これを加算した。
e 所得金額 8億8933万1748円
(イ) 所得金額に対する法人税額 3億3273万9125円
本件事業年度の所得金額につき、国税通則法118条(平成10年法第24号による改正前のもの)1項の規定により1000円未満の端数金額を切り捨てた8億8933万1000円に法人税法66条(平成10年法第24号による改正前のもの)1項に規定する税率を乗じて計算すると、上記所得金額に対する法人税額は、3億3273万9125円となる。
(ウ) 所得税額の控除額 778円
(エ) 差引法人税額 3億3273万8300円
上記所得金額に対する法人税額から所得税額の控除額を控除した金額につき国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数金額を切り捨てると3億3273万8300円となる。
エ 本件重加算税賦課決定処分の根拠
被告が、原告に対し、本件重加算税賦課決定処分を行った根拠は以下のとおりである。
すなわち、原告は、Bから成功報酬として9億円を受領したにもかかわらず、原告の会計帳簿に記載されていない本件預金口座を使用するなどして、本件金員に係る収益を隠蔽していたものである。そして、隠蔽していた事実に基づいて確定申告書を提出していることから、国税通則法68条1項に該当する。
したがって、原告は,本件更正処分に基づき納付すべき法人税額3億3257万3400円(ただし、国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた額。)に100分の35の割合を乗じて計算した額である1億1639万9500円が納付すべき重加算税の額である。
(6)  消費税に関する処分等
ア 申告
原告は、平成7年10月1日から同8年9月30日の課税期間(以下「本件課税期間」という。)分の消費税につき申告を行わなかった。
イ 決定
被告は、原告に対し、平成10年10月30日、本件課税期間分の消費税につき別表2「決定処分等」欄記載のとおりの決定処分(以下「本件決定処分」という。)及び無申告加算税賦課決定処分(以下「本件無申告加算税賦課決定処分」という。以下、本件更正処分、本件重加算税賦課決定処分、本件決定処分及び本件無申告加算税賦課決定処分を合わせて「本件各処分」という。)を行い、同日、原告にその旨を通知した。
ウ 本件決定の根拠
被告が、原告に対し、本件決定を行った根拠は以下のとおりである。
(ア) 本件基準期間における課税売上高
a 当初の課税売上高 2373万5360円
法人においては、その事業年度の前々事業年度が消費税の基準期間となり(消費税法2条1項14号)、基準期間における課税売上高とは、基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額である(同法9条2項1号)ところ、原告の本件課税期間に係る基準期間(以下「本件基準期間」という。)における当初の課税売上高は、2373万5360円である。
b 課税売上高の計上漏れ 9億円
原告が収受した本件9億円は、消費税の計算上、課税売上となる。
c 本件基準期間における課税売上高 9億2373万5360円
(イ) 納税義務を免除する規定の適用がないこと
事業者のうちその課税期間に係る基準期間における課税売上高が3000万円以下である者については、その課税期間中に国内に行った課税資産の譲渡等につき消費税を納める義務を免除される(消費税法9条1項)が、原告は、本件基準期間の課税売上高が3000万円を超えているから、納税義務を免除される事業者に該当せず、本件課税期間においては消費税の課税事業者となる。
(ウ) 消費税額
a 本件課税期間における課税売上高 4億2224万5000円
b 課税売上高に対する消費税額 1266万7350円
c 控除対象仕入税額 880万5554円
d 納付すべき税額 386万1700円
エ 本件無申告加算税賦課決定処分の根拠
被告が、原告に対し、本件無申告加算税賦課決定処分を行った根拠は以下のとおりである。
すなわち、納税申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を提出しなかった場合に、税務署長が行った決定に基づき納付すべき税額が生じるときには、その決定により納付すべき税額に100分の15の割合を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課することとされている(国税通則法66条1項2号)ところ、原告は、本件課税期間に係る消費税確定申告書を提出していないし、提出がなかったことについて正当な理由があると認められる事実(国税通則法66条1項ただし書き)は存在しない。
したがって、原告は、本件決定処分に基づき納付すべき消費税額386万1700円(ただし、国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた金額。)に100分の15の割合を乗じて計算した額である57万9000円が納付すべき無申告加算税の額である。
(7)  不服申立て
ア 原告は、被告に対し、平成10年12月4日、原告は、Bから仲介手数料として9億円を受領した事実はないし原告がDに対し9億円を賛助金として寄付した事実もないと主張して、本件各処分につき、異議申立てを行った(甲2)。これに対し、被告は、平成11年3月3日、上記異議申立てをいずれも棄却する旨の決定をした。
イ 原告は、国税不服審判所長に対し、平成11年3月30日、本件各処分につき審査請求を行い、これに対し,国税不服審判所長は、平成12年6月6日、原告の審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をし、平成12年6月9日、裁決書謄本を原告に送達した(弁論の全趣旨)。
2  争点
(1)  原告が9億円の収入を得たか。
(2)  Bから9億円の仲介手数料を受け取ったことがなかったとの原告の主張が信義則等に反するか。
3  当事者の主張
(1)  原告が9億円の収入を得たか。
(被告の主張)
ア 本件開発事業
Iプロジェクト(以下「本件開発事業」という。)は、Bが事業主体となって行っていた不動産開発事業である。Cは、平成2年ころから、本件開発事業に対する融資とその他の事業遂行に係る資金面でのサポートを行っており、いわばプロジェクトファイナンスとしてBに協力していた。
Cは、平成2年4月4日、Bに対する融資の担保とするために、Bが取得した本件不動産すべてに、代物弁済予約を登記原因とする所有権移転請求仮登記を行った。本件不動産は、本件開発事業の一環としてBがいったん取得し、これを開発した上で不動産業者等に売却することを当初から予定しており、Bに対する資金提供を行っていたCが、本件不動産を取得することは予定していなかった。
イ 本件委任契約の締結
Bは、本件開発事業の当初より、原告から本件不動産に関する売買情報の提供を受けていたことから、原告とは従前から仕事上の関係があり、本件不動産を売却する際にも、同社を代理して原告に条件交渉を行わせることを考慮しており、Bの前社長である亡戊(以下「亡戊」という。)は、どこに売却するにしても原告を通して売却することを念頭においていた。原告がCに対する売却金額を上回る売却相手方を数社紹介してきたこともあり、このような従前の原告の活動にも配慮して、Bは、原告との間で、平成4年3月31日、本件不動産について、Bが原告に対し本件不動産の売却先との売買条件交渉を委任し、原告が3か月以内に本件不動産を150億円以上で売却することができた場合には、Bが原告に対し売買金額総額の6パーセントに相当する額を成功報酬として支払う旨の委任契約(以下「本件委任契約」を締結し、本件約定書を作成した。
ウ 本件売買契約の締結
Cは、プロジェクトファイナンスとして本件開発事業に参画したもので、当初本件不動産を取得する意思はなかったが、同社の親会社である株式会社J(以下「J」という。)及びF銀行がバブル崩壊後の状況変化に伴い従来の融資及び資金保全の態様を変更したため、Cも同様の理由から本件開発事業について資金を回収することとした。
しかしながら、Bは、本件開発本業の途上で、開発物件をまとめて売却していなかったため、それまでの融資資金をCに全額返済できないことから、本件不動産をCに売却して融資の弁済に充てるほかなかった。そのため、Bは、Cとの間で、平成4年5月1日、BがCに対し、本件不動産を代金153億0425万0238円で売却する旨の契約を締結し(本件売買契約)、その旨の不動産売買契約書(甲14。以下「本件不動産売買契約書」という。)を作成した。
エ 成功報酬の受領
(ア) Bは、亡戊が、どこに売却するにしても原告を通すようにとの意向であったため、これを受けて、本件不動産をCに売却した際にも、本件約定書に従い、原告に対し、仲介手数料として所定の金額を支払うこととした。
なお、Bは、既に原告から売買に関する情報を得、売却の相手方を数社紹介され、本件不動産の売買交渉を原告に委任する旨の本件約定書も締結していたが、Cの事情により、原告が探してきた売却先ではなく、Cに本件不動産を売却しなければならなくなり、本件約定書に規定する内容をB自らが反故にしたことから、従前の原告に活動に対する対価という意味合いもあり、本件不動産の買収がすべて完了し、実際に開発許可が下りる平成6年10月27日の約3か月前には、開発許可が得られるめどがついたこともあり、仲介手数料として9億円を原告に支払うこととしたのである。
(イ) Bは、Cから仲介手数料に充てるべき金員として、本件小切手1ないし4(券面額合計8億円)及び現金1億円を受領し、これを原告に支払うこととしたが、原告がかねてより同手数料の全額を現金で支払うよう求めていたので、原告と交渉したところ、本件9億円のうち3億円については現金で、6億円については上記小切手にて支払うことになった。
Bは、原告に対し、平成6年7月26日、Cから受領した上記現金1億円とBが別途用意した2億円とを合わせた現金3億円、及び本件小切手1ないし3(券面額合計6億円)を成功報酬として支払った。
なお、Bが別途用立てた現金2億円は、Cから受け取った本件小切手4(券面額2億円)を後日取り立てることで、平成6年7月29日に充当された。
オ 原告の本件小切手の換金
原告代表者は、平成6年7月21日、本件9億円のうち本件小切手によって決済が予定されている6億円の取り立てを行うため、E銀行京橋支店において原告名義の預金口座を自ら開設した上、同月26日、自ら入金票を作成してBから受け取った本件小切手1ないし3(券面額合計6億円)につき取り立てを依頼し、同月29日、自ら6億円の出金票を作成して、E銀行大阪支店において6億円の払戻しを受けた。
カ Dに対する寄付
原告代表者は、Dなる組織との関係を持ち、多数回にわたり、多額の金銭を提供し、自ら理事に就任するなどして、同団体の運動に参加していた。原告代表者は、本件不動産の仲介手数料として9億円を得られる見込みがあったことから、平成5年6月6日、Dの趣旨に賛同し、賛助金として本件9億円をDに対し献納することを合意し、その旨誓約した本件誓約書を作成した。
原告は、本件約定書に基づきBから成功報酬として本件9億円を受領したため、本件誓約書に従い、Dに対し、平成6年7月26日に3億円を、同月29日に6億円をそれぞれ賛助金として支払い、総額9億円の同月29日付賛助金領収書をDより受け取った。
キ まとめ
以上のとおり、原告は、Bから、本件約定書に基づき本件売買契約の仲介手数料として9億円を受領し、これをDに賛助金として寄付したものであるから、かかる事実を前提として行われた本件各処分は適法である。
(原告の主張)
ア Dについて
Dは、納税者に対し同団体を租税回避行為を目的とするための隠れ蓑として利用させることの対価として租税を回避することによって得た利益の一部を報酬として受け取ることを目的とする組織である。Dは、団体ということになっているが、実際には、丁が総裁代行兼副理事長と称して一人で活動を行っている。
原告代表者が、Dの理事となっているのは、原告が本件売買契約に関し宅地建物取引業の名義貸を行ったことを丁がDに貢献したとして、一方的に評価して理事としたのである。
イ Bの目的
Bは、Cとの間で本件売買契約を締結したことを奇貨として、仲介手数料名下に多額の簿外資金を捻出することを企て、不動産の仲介手数料相当額が売買代金の6パーセント以内とされていることから、本件売買契約に関して9億円の仲介手数料が支払われた外形を創出することとし、丁らに対し、かかる外形を創出することに協力するよう依頼し、合わせて相当額の報酬を支払うことを約束した。
なお、原告ないし原告代表者は、本件開発事業を含むBの事業に関し、売買情報の提供を含め一切関与したことはないし、本件不動産を売却する相手方を紹介したこともない。
ウ 丁からの依頼
丁は、原告代表者に対し、平成6年4月又は5月ころ、原告代表者が宅地建物取引資格を有していたことから、本件不動産の売買契約に宅地建物取引業の名義を貸して欲しい旨依頼した。この際、丁は、原告代表者に対し、仲介手数料の全額をDに賛助金として寄付したことにすれば原告の収益にはならないので原告には課税されず、また、原告代表者が丁らに協力すれば相当の報酬を支払うと述べたので、原告代表者は、これを承諾した。
エ 本件誓約書の作成
原告代表者は、丁から、原告がDに9億円を寄付する旨の誓約書を作成日付を平成5年6月6日として作成するようにとの指示を受け、平成6年7月初旬ころ、本件誓約書を作成し、これを丁に交付した。
オ 本件預金口座の開設
原告は、丁からの指示を受けて、平成6年7月21日、E銀行京橋支店に原告名義の普通預金口座(本件預金口座)を開設し、そのころ、Dの相談役であったK(以下「K」という。)に対し、本件預金口座の通帳と印鑑を交付した。
なお、原告代表者は、そのころ、丁とともにE銀行大阪支店1階応接室に赴いた。丁は、同支店の営業第1課課長であったLに対し、6億円の小切手の取立依頼を行うので速やかに換金するよう要請していた。
カ 平成6年7月26日の取引
原告代表者は、同月26日、丁からの指示を受けて、原告がBから9億円を受領した旨記載した領収書(乙2)を作成し、同領収書と原告の会社印及びゴム印を持参してBの本社応接室を訪れた。原告代表者は、丁に対し、上記領収書を交付し、本件約定書に押印した。さらに原告代表者は、丁が持参していたE銀行所定の用紙を用いて入金票を作成した。
また、原告代表者は、丁から、それぞれDが原告から9億円を賛助金として受領した旨記載された受領書2通(甲9の1及び2、乙1)、いずれもDが原告から3億円を賛助金として受領した旨記載された平成6年7月26日付領収書2通(甲8の1及び2、乙1)、いずれもDが原告から6億円を賛助金として受領した旨記載された平成6年7月29日付領収書2通(甲8の3及び4、乙1)を受領した。
この時、丁及びKは、Bから、本件小切手1ないし4(券面額合計6億円)と現金を受領していたが、受領した現金の額については不明である。
原告代表者は、丁から、平成6年7月26日、新大阪「Mホテル」内にある喫茶店において、名義貸料として現金900万円を受領した。なお、原告代表者は、同月27日、上記900万円のうち750万円を原告代表者名義のH口座に入金し、残額150万円は別途費消した。
キ 小切手の換金
原告代表者は、平成6年7月29日、K及び氏名不明の者2名に同行してE銀行大阪支店に赴き、Kから指示を受けて本件預金口座の払戻請求書を作成し、これをKらに対し交付した。Kらは、本件預金口座から6億円を引き出してこれを持ち帰った。
ク まとめ
以上のとおり、原告は、Bが簿外資産を作り出すために宅地建物取引業者である原告の名義を貸し、その一環として本件約定書等を作成したにすぎず、本件委任契約を締結したことや本件売買契約の締結に関与したことはなく、Bから仲介手数料として9億円を受け取った事実もない。
そして、原告がBから名目上受領したことになっている本件各小切手及び現金は、丁らが支配・管理していたのであり、原告は、本件9億円を受け取ったことはなく、一度たりとも原告の支配、管理、帰属に服したことはない。
したがって、原告が9億円の仲介手数料を受領したことを前提とする本件各処分は違法である。
(2)  Bから9億円の仲介手数料を受け取ったことがなかったとの原告の主張が信義則等に反するか。
(被告の主張)
ア 仮に、原告主張の事実経過が認められるとしても、原告は丁から対価を得て、丁らの租税回避目的ないし裏金作りの意図を知りながらこれに自ら荷担し、本件約定書及び本件誓約書に自ら署名・押印し、本件預金口座を自ら開設するなどして、本件約定書に基づき本件不動産売買契約が締結されたことの成功報酬として原告が本件9億円を受領し、これをDに寄付したかのような虚偽の外形を作出し、調査段階でも、これに沿う供述をしていたため、被告はかかる虚偽の外形を信頼して本件9億円は原告に帰属すると認定し、本件各処分を行ったのである。
その後、原告は異議申立ての時点で急きょその供述を撤回して課税庁の処分が違法である旨を主張するに至っているが、かかる原告の主張は、正義に反し、かつ租税の衡平負担に著しく反する行為であって、信義則ないし禁反言の法理に照らし許されない。
イ また、原告ら関係者がこのような行動を取った理由は、原告の主張によるとかぶり屋である丁らが租税回避目的ないし裏金作りのために行ったのであり、原告も900万円を受け取り、これに加担しているだけでなく、丁からの依頼で、宅地建物取引業法13条、79条3号により刑罰をもって禁止されている名義貸しを行ったというものであり、かかる不法な目的のため犯罪行為を行い、虚偽の外形を作出した者は、信義則の派生原理であるとともに、民法708条の趣旨であるクリーンハンズの原則に照らしても、裁判所にその救済を求めることはできない、すなわち、虚偽の外形に基づき課税庁が行った処分の違法を訴訟で主張することは許されないというべきである。
ウ なお、課税処分取消訴訟において、信義則が問題となるのは、納税者が課税庁の公的見解を信頼した場合に限られ、租税法律主義の立場からは、課税要件がないのに、信義則によって課税が認められる場合は考えられないとする見解もあり得るところであるが、被告は、信義則によって実体上存在しない課税要件が存在することになると主張しているのではなく、訴訟手続において、信義則に反する主張が許されないとする訴訟上の信義則を主張しているのである。
エ 以上より、本件では、仮に本件9億円が原告に帰属しないとしても、本件9億円が帰属しない旨原告が主張することは信義則、禁反言の法理あるいはクリーンハンズの原則に照らし許されない。したがって、仮に本件9億円が原告に帰属しないとしても本件各処分は適法である。
(原告の主張)
ア 租税関係における信義則及び禁反言の法理の適用は、課税制約原理として主張されているものであり、賦課処分等を許容するための法理ではない。先行する実態のない行為を納税者が認容したという理由で課税できるとすれば、虚偽行為に対する懲罰課税を容認することになるが、虚偽行為に対する刑事罰が別途検討される可能性があることは別論として、課税は懲罰ではないから、かかる結論は妥当でない。しかも、実体的納税義務者の納税義務が否定されることはないのであるから、納税義務の重複という事態が生じることになり不当である。したがって、賦課処分等を肯定するために信義則又は禁反言の法理は適用されるべきではない。
イ 仮に、信義則又は禁反言の法理が賦課処分等を許容するために適用されうるとしても、原告代表者は、本件各処分が行われた平成10年10月30日より前である同年10月28日に、城東税務署に出頭し、丁から頼まれて虚偽行為の作出に協力したことを申述しているのであるから、原告が、本件訴訟において本件9億円を受領していないことを主張しても信義則又は禁反言の法理に反しない。
ウ したがって、被告らの信義則違反等の主張は理由がないから、本件各処分は違法であり、取り消されるべきである。
第3  当裁判所の判断
1  争点1 原告が9億円の収入を得たか。
(1)  問題の所在
被告は、原告がBから仲介手数料として9億円を受領したことを前提に、これが法人税法22条2項の「収益」に当たるとして本件更正処分及び本件重加算税賦課決定処分を行い、さらに、消費税法9条2項1号の「基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の対価」に当たるとして本件決定処分及び本件無申告加算税賦課決定処分を行っているので、本件各処分が適法であるかどうかは、原告が9億円を受領したという事実が認められるかどうかにかかることになる。
(2)  ところで、被告は、わが民法においては表示主義を採用しているところ、本件においては、原告代表者が本件約定書を作成しているから、本件委託契約は成立しており、本件約定書は内容虚偽のものであるとする原告の主張は虚偽表示ないし心裡留保の主張であるから、本件約定書の内容が虚偽であるとの事実は抗弁事実として原告が主張立証すべき事実であると主張するが、そもそも本件更正処分が適法かどうかは、前述のとおり原告に9億円の収入があったかどうかによるのであり、単に原告がBとの間で本件委任契約が成立したという事実は、原告に9億円の収入があったことを基礎付ける間接事実にすぎないから、原告側において上記委任契約が虚偽表示ないし心裡留保であることを主張立証しない限り、本件更正処分が直ちに適法であるとする被告の主張は採用することができない。
(3)  証拠(甲5、10ないし12の各1及び2、15、18、20、21の1ないし3、22の1ないし22、29、乙1、3、4、6、7、15、原告本人(一部))及び弁論の全趣旨によれば、前記第2、1の争いのない事実等に加え以下の事実が認められる。
ア 原告と丁及びDとの関係
丁は、D総裁代行副理事長であるところ、原告代表者は、平成4年ころ、丁と知り合い、その後、原告はDの賛助会員となった。そして、原告代表者は、平成7年2月11日付Dの役員一覧に理事として記載されている(甲15、18)。
丁は、原告から依頼を受けて、原告が希望する電話番号を使用することができるよう交渉する、原告の従業員の父親が交通事故に遭った際に保険会社と保険金の交渉をする、原告及び原告代表者の知人が経営する会社がNから借り入れを受けるに当たって交渉を行う際に同行する、原告が官公庁に対し公共工事を行う業者として指名してもらえるよう嘆願に行く際に同行するなどし、原告は、丁に対し、これらに対する報酬を支払っていた(甲18、原告本人)。
イ 本件売買契約
(ア) B(平成2年5月14日当時の商号は株式会社N)、C(平成2年5月14日当時の商号は株式会社O)及び株式会社J(以下「J」という。)は、平成2年5月14日、和歌山宅地造成事業暫定協定書(以下「本件暫定協定書」という。)を締結した。
本件暫定協定書には、おおむね以下の内容が記載されている。
あ Bは、地主より本件不動産を交渉及び取得するものとするが、国土法等の手続が終了次第これをCに引き渡す。
い 本件事業にかかわる全ての資金はCが調達する。
う Jは、B及びCに協力するとともに、有益な情報等を提供する。
(イ) Cは、平成2年10月24日、同日付代物弁済予約を登記原因として、本件土地につき所有権移転請求権仮登記を経由した(甲19、乙6)。
(ウ) 原告は、BとCとの売買条件について何ら交渉を行っていない(乙4)。
(エ) Cは、平成6年7月20日付で、「(Iプロジェクト)Bが契約した売買代理契約に基づき仲介料を支払う件」と題する稟議書を作成しており、同稟議書には、以下のとおり記載されている(乙3・乙15)。
あ 締結済の売買代理契約に基づきBが下記仲介料を支払う件、承認致したい。
(売買代理契約写別添)
① 支払日 平成6年7月26日
② 支払金額 9億円
③ 支払先 原告
い 平成2年5月1日付B・C間の売買契約前に、Bが契約した売買代理契約に基づく仲介料の支払いである。
う 今般、上記支払日をもって計画地内最後の地権者の用地買収は完了し、開発許認可取得後に必要な全ての開発同意取得或いは買収が完了することにより契約に基づき上記金額を支払うものである。
そして、同稟議書には本件約定書が添付され、平成6年7月21日、J(現商号Q株式会社)にも同稟議書は交付されている。
(オ) F銀行大阪支店は、Jの依頼を受けて、同社名義の預金口座から振り替えられた金員を資金として本件小切手1ないし4を振り出した(甲29)。
(カ) Bは、和歌山県知事に対し、本件不動産を含む和歌山市中字藤戸等において大規模宅地造成販売事業を行うことを目的とする「(仮称)Iプロジェクト」の開発行為について許可申請を行っていたところ、和歌山県知事は、平成6年10月27日付で、都市計画法29条の規定に基づき、Bの上記申請を許可した(乙7)。
ウ 原告の行動
原告は、平成10年9月17日、城東税務署長に対し、原告の法人税調査に際して、本件約定書に基づき、Bから平成6年7月に同社所有の本件不動産売却の仲介手数料として9億円を受領し、同額をDに対し賛助金として支払ったが、簿外取引として確定申告の際には計上していなかった事実を認める旨の確認書を提出した(乙1)。
エ 丁の行動
(ア) 丁は、城東税務署長に対し、平成10年11月30日付で、原告が本件各処分に基づいて負担することとなった納税義務につき、丁が以下のとおり納税する旨記載した返済計画書を提出した(甲20)。
第1回目 平成10年11月30日 80万円
第2回目 平成10年12月31日までに5万円以上返済
第3回目 平成11年1月末日以降は、毎月末日までに5万円以上返済
第25回目 平成12年11月30日 500万円以上返済
第26回目 平成12年12月末日以降は、毎月末日までに500万円以上返済
(イ) 丁は、城東税務署に対し、平成10年11月から平成11年2月まで毎月8万円宛(合計32万円)、平成11年3月から平成12年10月26日まで毎月6万円宛(合計240万円)、平成12年11月に7万円、合計279万円を原告名義で支払った(甲22の1ないし22)。
オ B関係者の供述
Bの代表取締役社長であるR(以下「R」という。)及び平成4年以降Bの従業員として「Iプロジェクト全般を担当していたS(以下「S」という。)は、平成13年1月26日、大阪国税局課税1部において、国税実査官Tに対し、次のとおり任意に供述し、同国税実査官の作成した調査質問顚末書に署名押印している(乙4)。なお後記(キ)の証拠として振り替え伝票を提出した。
(ア) Bが原告と取り引きすることとなったきっかけは、原告の側から和歌山の物件にからむ売買情報の提供があったからだと聞いている。もともと、本件約定書に係る売買代理の約定に関する話は、本件開発物件(すなわち本件不動産のこと)の情報提供とともに原告の側から貰ったと聞いている。当初、Bが本件開発物件をまとめて買収し、ある程度まとまった段階で売り先をさがしてくるという話で原告が入ってきた。
(イ) Bの先代社長である戊は、「どこに売るにせよ原告を入れる。」と言っていた。戊は、Cに本件不動産を売却することには反対であったが、本件売買契約が締結された時点で戊が死亡しており、調書の詳細がわからないまま、Cにもお願いして、原告がCに本件開発物件の売買代理を行ったという形を整えた。
(ウ) Cはプロジェクトファイナンスを目的として本件開発物件に関与していたものであるから、当初から本件開発物件を取得することは考えていなかったはずであるが、Cの親会社であるJとその親会社であるF銀行が、バブル崩壊後、両者を取り巻く状況が変わってきて、ともに資金を回収しだしたおかげで、Cも本件開発物件そのものをCが所有するという形で保全せざるを得なくなった旨の説明を受けている。Bとしても、Cから融資を受けないと本件の開発事業を行えないことから、Cの意向に従わざるを得ず、結局、代物弁済をする形で本件不動産をCに売却した。
(エ) Bが原告に9億円を支払ったのは、以前より原告には買収にからむ情報提供や売却代理の活動をしてもらっているという戊の強い意向があったことと、BとC側の事情により、本件約定書にある内容を反故にしてしまったので、後日、原告から何らのクレームが出ないようにするということがある。
(オ) 平成6年7月26日、大阪市淀川区東三国所在の旧Bの事務所2階にある応接間において、原告側からは原告代表者と従業員1、2名、B側からはSが立ち会って、現金3億円、保証小切手6億円(すなわち本件小切手1ないし3)が原告代表者に交付された。
原告に支払った9億円は、すべてCが用立て、その内訳は、J取組のF銀行の保証小切手8億円(すなわち本件小切手1ないし4)と現金1億円であったが、原告らの要求に応じて、Bの方で7月26日までにあらかじめ現金2億円を用意したうえ、これとCからの1億円を含めて、まとめて現金3億円を7月26日に交付している。なお、Bは、7月29日に本件小切手4(2億円の小切手)を現金化した。
(カ) Bは、Cに対し、本件約定書を示して、本件開発物件周辺の取りまとめ料として必要であるとして、原告に支払った9億円を用立ててもらった。
(キ) Bは、平成6年7月26日付で、原告が支払った9億円を支払手数料として経理しており、相手科目はCからの短期借入金勘定で経理した。
(4)  検討
ア 原告はBに対し、平成6年7月26日、Bから本件売買契約にかかる仲介手数料として9億円を受領した旨記載した領収書を交付していること、原告代表者は、平成10年9月17日には、城東税務署においてBから本件不動産売却の仲介手数料として9億円を受領した旨記載された確認書(乙1)に署名押印しており、実際には9億円を受領していないにもかかわらず、税務署に対して自己に不利益な記載がなされている書面に署名押印するとは通常考えられないこと、かかる9億円の授受の現場に立ち会ったという当時Bの従業員であったSも、平成6年7月26日、原告代表者に現金3億円と合計6億円の小切手を交付した旨を国税実査官に供述しており、かかる供述の信憑性に疑いを差し挟むような証拠もないこと、Jの資金で本件小切手1ないし4が振り出されており、平成6年7月27日に本件小切手1ないし3が決済されて本件預金口座に合計6億円が入金され、原告代表者自身がこれを引き出していること、Bの代表者であるRの国税実査官に対する供述中には、本件不動産の売却をめぐっての原告の関わりを伺わせる部分が多々あり(実際に原告が本件売買契約の成立と具体的にどのようにかかわっていたのかは、Rの供述をもっても明確にされていない。)、しかも、B、C、その親会社であるJが本件9億円をどうしても原告に支払わなければならない状況にあったことが容易に看取できること、以上の事実に上記(3)で認定の各事実及び前記第2、1の事実を総合勘案するならば、原告は、Bから、本件売買契約あるいは本件不動産を含む「Iプロジェクト」の開発事業との関連において、何らかの報酬として、本件不動産の仲介手数料名下に9億円を受領したものと認めるのが相当である。
これに対し、原告は、丁から依頼されて本件委任契約に名義を貸しただけであり、本件預金口座についても、印鑑及び通帳はDの丁に渡したままで返してもらっておらず、出入金についても丁又はKから指示されるままに行ったにすぎず、一度も上記9億円を管理支配したことはないと主張し、原告代表者はこれに沿う供述をしている。しかしながら、まず、原告代表者が本件預金口座の通帳及び印鑑をKに渡したとの原告代表者の証言を裏付ける客観的な証拠はなく、かえって、原告代表者自身が本件預金口座を開設し、上記6億円の入金票及び出金票を作成しており、上記6億円を出金する際に自ら立ち会っていることからすると、原告が、何らの事情も知らずにいわれるがままに換金手続きをおこなったとは信じ難く、本件預金口座の通帳及び印鑑をKに預けておく具体的な理由も説明できていないのであるから、原告代表者の上記供述は信用することができない。
また、原告代表者は、Bから9億円を受領した旨が記載された確認書(乙1)に記名押印したことにつき、本件9億円を受領したとしても9億円を賛助金として寄付したことにしておけば税金がかからないといわれていたので記名押印したと供述するが、原告は、本件9億円を簿外で処理していたのであるから、原告代表者としては、9億円を受領した事実が税務署の知るところとなれば課税されることを認識していたというほかなく、そうであるならば、原告が真実は9億円を受領していないにもかかわらず、巨額の課税を受ける危険を冒してまで、税務署に対し、かかる不利益な供述をするとは到底首肯し難いところであり、原告が真実9億円を受領したからこそ税務署にその旨述べたものというべきである。
イ また、被告は、原告が、Bから受領した9億円をDに対して寄付したと主張するのに対し、原告は、原告が9億円もの多額の寄付をDに対して行ったことはなく、9億円の支出先が解明されていないから、9億円の受領についても立証できていないと主張する。
そこで、原告が、Dに対して9億円を寄付した事実が認められるかどうかについて検討すると、被告の主張に沿う証拠として、本件誓約書、Dが原告に対して発行した領収書、原告がDに対して9億円を寄付した旨記載された城東税務署長宛の確認書(乙1)、証人丁の証言がある。
しかしながら、Dが原告から9億円を賛助金として受領した旨が記載された平成6年6月29日付の領収書の他に、Dが原告から3億円を受領した旨記載された平成6年6月26日付の領収書及びDが原告から6億円を受領した旨記載された平成6年6月29日付の領収書が存在し、しかも、いずれも同内容の領収書が2通ずつ存在している。Dから原告に対し、必要以上の領収書が発行されているのは不可解というほかはなくかかる領収書の発行状況からすると、単に寄付がなされたから交付されたのではなく、他の目的があって交付されたのではないかとの疑念が生ずる。
また、本件誓約書には、「世界平和運動に協力するため、財団法人D(設立準備中)の主旨に賛同し、賛助金として献納致します。」と記載されているが、証人丁の証言によっても、Dがいかなる理念を持っているのか、どのような組織となっているのか、どのような活動を行っているのかといった重要な点が全く不明確であり、原告代表者が、Dの趣旨に賛同して9億円もの多額の寄付を行ったとの供述は不自然かつ不合理であって到底信用することができない。
確認書についても、原告がBから9億円を受領したという点については、原告代表者が税務署に対してあえて自己に不利益な事実を述べるとは考えがたいことから信用することができることは前述のとおりであるが、原告がDに対して9億円を寄付したことは原告にとって課税上有利な事実であるから、確認書に上記記載があることのみをもって原告がDに対して寄付を行った事実を認めることはできない。
さらに、原告がDに対し、本件9億円を寄付したときの状況についても、証人丁の供述は具体性がなく曖昧であり、また、Uの裏にあるゴミ置き場で受け渡しが行われたと証言するが、3億あるいは6億という多額の金員をゴミ置き場で受け渡しをするということもにわかに信じがたい。
なお、被告は、原告がVに対し、平成7年1月14日にも1000万円を寄付しており、かかる事実から本件9億円を寄付した事実が推認することができる旨主張するが、仮に原告がDに対し1000万円を寄付した事実が認められるとしても、9億円と1000万円とでは額が顕著に異なるのであり、事実関係も全く異なるのであるから、かかる事実から本件9億円を寄付した事実を推認することはできず、上記被告の主張は失当である。
以上によれば、本件誓約書、Dが原告に対して交付した上記各領収書及び証人丁の証言は、いずれも信用することができず、他に原告がDに本件9億円を寄付した事実を認めるに足りる証拠はない。
しかしながら、原告がDに9億円を寄付した事実が認められないということは、仮に原告がBから9億円を受領していたとしても、その使途が不明であるということを意味するにすぎず、原告がBから9億円を受領したことと矛盾するものではないから、かかる事実が認められないことをもって、原告がBから9億円を受領したという前記事実を左右するものではないというべきである。
ウ また、丁は、城東税務署署長に対し、平成10年11月30日付で、原告が本件各処分に基づいて負担することとなった納税義務について、丁が返済する旨の返済計画書を提出しており、実際に平成10年11月以降毎月6万円から8万円を原告名義で支払っているところ、丁は、原告がDに9億円の賛助金を寄付したことで課税され困っていたので、同志として何とかしてあげようとの気持ちから、納税を肩代わりしていると供述しているが、前述のとおり、原告がVに対し9億円を賛助金として寄付した事実を認めることはできないのであるから、丁の上記供述もとうてい信用することができない。そして、丁が原告の納税を肩代わりしていることから、丁が原告に対し何らかの負い目があるのではないかということは推測できるものの、上記丁の供述が信用できない以上、いかなる理由により丁が原告の税金を支払っているのか不明であるというほかはないが、原告代表者が本件小切手1ないし3の換金手続に関与していること、原告代表者はDの賛助員であり、従前から丁に対し、交渉についてきてもらうなどのつき合いをしていたことからすると、原告代表者自身も何らかの目的のために丁と行動をともにしていた可能性を否定することはできず、原告が丁から依頼されて単に名義を貸しただけであると断定することはできないから、丁が原告名義で納税を肩代わりしていることから、原告が上記9億円を取得したとの前記認定を覆すことはできず、その他に上記認定を左右するに足りる証拠はない。
エ まとめ
以上によれば、原告がBから、本件売買契約あるいは「Iプロジェクト」の開発事業との関連において何らかの報酬として」本件不動産の仲介手数料名下に合計9億円を受領した事実が認められ、かかる9億円は、法人税法22条1項の原告の事業所得及び消費税法9条2項1号の課税売上高に該当することが明らかである。
(5)  税額の計算
上記(4)で検討したとおり、原告は、平成6年7月26日、Bから本件売買契約に関する報酬として9億円を受領していること、原告がDに対して寄付をした事実は認められないことから、原告が納付すべき税額は、以下のとおりとなる。
ア 法人税
(ア) 本件事業年度における所得金額 9億0059万2899円
a 申告所得金額 59万2899円
b 収入の計上漏れ 9億円
c 寄付金の損金算入額 0円
d 所得金額 9億0059万2899円
(イ) 所得金額に対する法人税額 3億3772万2000円
本件事業年度の所得金額につき、国税通則法118条(平成10年法第24号による改正前のもの)1項の規定により1000円未満の端数金額を切り捨てた9億0059万2000円に法人税法66条(平成10年法第24号による改正前のもの)1項に規定する税率を乗じて計算すると、上記所得金額に対する法人税額は、3億3772万2000円となる。
(ウ) 所得税額の控除額 778円
(エ) 差引法人税額 3億3772万1200円
上記所得金額に対する法人税額から所得税額の控除額を控除した金額3億3772万1222円につき国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数金額を切り捨てると3億3772万1200円となる。
イ 重加算税
原告は、9億円を受領したにもかかわらず、原告の会計帳簿に記載されていない本件預金口座を使用するなどして、上記金員に係る収益を隠蔽していたものである。そして、隠蔽していた事実に基づいて確定申告書を提出していることから、国税通則法68条1項に該当する。
したがって、原告は、本件更正処分に基づき納付すべき法人税額3億3712万8323円(ただし、国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた額。)に100分の35の割合を乗じて計算した額である1億1799万2000円が納付すべき重加算税の額である。
ウ 消費税
(ア) 本件基準期間における課税売上高
a 当初の課税売上高 2373万5360円
b 課税売上高の計上漏れ 9億円
原告が収受した本件9億円は、消費税の計算上、課税売上となる。
c 本件基準期間における課税売上高 9億2373万5360円
(イ) 納税義務を免除する規定の適用がないこと
事業者のうちその課税期間に係る基準期間における課税売上高が3000万円以下である者については、その課税期間中に国内に行った課税資産の譲渡等につき消費税を納める義務を免除される(消費税法9条1項)が、原告は、本件基準期間の課税売上高が3000万円を超えているから、納税義務を免除される事業者に該当せず、本件課税期間においては消費税の課税事業者となる。
(ウ) 消費税額
a 本件課税期間における課税売上高 4億2224万5000円
b 課税売上高に対する消費税額 1266万7350円
c 控除対象仕入税額 880万5554円
d 納付すべき税額 386万1700円
エ 本件無申告加算税賦課決定処分の根拠
納税申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を提出しなかった場合に、税務署長が行った決定に基づき納付すべき税額が生じるときには、その決定により納付すべき税額に100分の15の割合を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課することとされている(国税通則法66条1項2号)ところ、原告は、本件課税期間に係る消費税確定申告書を提出していないし、提出がなかったことについて正当な理由があると認められる事実(国税通則法66条1項ただし書き)は存在しない。
したがって、原告は、本件決定処分に基づき納付すべき消費税額386万1700円(ただし、国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた金額。)に100分の15の割合を乗じて計算した額である57万9000円が納付すべき無申告加算税の額である。
2  結論
以上のとおり、本件各処分はいずれも上記金額の範囲内であって適法であり、その余の点につき判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 三浦潤 裁判官 島戸真 裁判官 中島崇)

別紙

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