【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(358)平成17年 4月26日 東京地裁 平15(ワ)28666号 損害賠償本訴、同反訴請求事件

判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(358)平成17年 4月26日 東京地裁 平15(ワ)28666号 損害賠償本訴、同反訴請求事件

裁判年月日  平成17年 4月26日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平15(ワ)28666号・平15(ワ)21549号
事件名  損害賠償本訴、同反訴請求事件
裁判結果  本訴棄却、反訴一部認容、一部棄却  上訴等  確定  文献番号  2005WLJPCA04260004

要旨
◆投資顧問契約を締結した顧客に対して特定のファンドへの投資を助言した投資顧問業者について、リスクの説明義務違反はないとして損害賠償責任が否定された事例

出典
判時 1895号64頁

参照条文
商法261条3項
商法78条2項
投資顧問業規制法21条
民法44条1項
民法709条

裁判年月日  平成17年 4月26日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平15(ワ)28666号・平15(ワ)21549号
事件名  損害賠償本訴、同反訴請求事件
裁判結果  本訴棄却、反訴一部認容、一部棄却  上訴等  確定  文献番号  2005WLJPCA04260004

本訴原告・反訴被告 A野太郎(以下「原告」という。)
同訴訟代理人弁護士 高畠敏秀
同 桂和昭
本訴被告・反訴原告 株式会社 B山(以下「被告会社」という。)
同代表者代表取締役 C川松夫
他1名
上記二名訴訟代理人弁護士 坂井豊
同 副島史子
同 土橋靖子
同 清水琢麿

 

 

主文

一  原告の本訴請求をいずれも棄却する。
二  原告は、被告らそれぞれに対し、五五万円及びこれに対する平成一五年一二月一七日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
三  被告らのその余の反訴請求をいずれも棄却する。
四  訴訟費用は、本訴反訴を通じ、これを五分し、その四を原告の負担とし、その余を被告らの負担とする。
五  この判決は、第二項に限り、仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判
一  本訴
1  原告
(一) 被告らは、原告に対し、連帯して三四三四万三六五五円及びこれに対する平成一五年一二月三日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(二) 訴訟費用は被告らの負担とする。
(三) 仮執行宣言
2  被告ら
(一) 原告の請求をいずれも棄却する。
(二) 訴訟費用は原告の負担とする。
二  反訴
1  被告ら
(一) 原告は、被告らそれぞれに対し、五五〇万円及びこれに対する平成一五年一二月一七日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(二) 訴訟費用は原告の負担とする。
(三) 仮執行宣言
2  原告
(一) 被告らの請求をいずれも棄却する。
(二) 訴訟費用は被告らの負担とする。
第二  事案の概要
(本訴)
本訴は、投資顧問会社である被告会社と投資顧問契約を締結していた原告が、被告会社の代表者である被告C川は、「ロータスファンドⅡ」というファンド(以下「本件ファンド」という。)のリスクを一切説明することなく、これに投資するよう勧誘したため、これを信じて本件ファンドに投資した原告は、本件ファンドの価格の下落によって損害を被ったとして、被告C川に対しては不法行為に基づく損害賠償請求として、被告会社に対しては代表者の不法行為についての法人の責任(商法二六一条三項、七八条二項、民法四四条一項)に基づく損害賠償請求として、三四三四万三六五五円及びこれに対する損害額確定の日である平成一五年一二月三日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
(反訴)
反訴は、被告会社が、原告は、被告会社におびただしい量のファクシミリを送信し、また、被告会社を誹謗する内容のファクシミリを被告会社の顧客や第三者に送信し、さらに第三者をして被告会社に嫌がらせや業務妨害行為を行う等したとして、原告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、五〇〇万円及び弁護士費用五〇万円並びにこれらに対する反訴状送達の日の翌日である平成一五年一二月一七日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を、被告C川が、原告は被告C川の妻であるC川花子(以下「花子」という。)に被告C川を誹謗中傷する内容の書面を送付したり、被告C川を誹謗する内容の葉書を元外務大臣である田中真紀子(以下「田中」という。)に送付しようとするなどし、被告C川の関係者に被告C川を侮辱する内容の文書を送付して、被告C川を侮辱するなどし、被告C川に精神的苦痛を与えたとして、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料五〇〇万円及び弁護士費用五〇万円並びにこれらに対する反訴状送達の日の翌日である平成一五年一二月一七日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
一  争いのない事実等(末尾に証拠等の摘示のない事実は、当事者間に争いがない。)
1 当事者等
(一) 原告は、昭和五九年に大学の医学部を卒業した医師である。
(二)被告会社は、平成一一年八月一三日、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(以下「投資顧問業法」という。)四条の投資顧問業登録をした資産運用・保全に関するコンサルタント及び投資顧問業を主たる業務とする株式会社であり、被告C川は、被告会社の代表取締役であるとともに、経済ジャーナリストとして、D原竹夫の名前で投資等に関する書籍を著したり、講演会を開くなどして投資助言等を行う者である。
2 原告の入会
原告は、平成一二年七月二〇日、被告会社との間で、契約期間を同年八月一日から平成一三年七月三一日まで、投資顧問契約(以下「本件契約」という。)を締結し、入会金一〇万円、年会費一〇万円を支払い、会員となった。その後、原告は、平成一三年七月二〇日、本件契約を更新した。
3 本件ファンド
(一) 本件ファンドは、ロータス・キャピタル・マネージメント社(以下「LCM社」という。)が投資マネージャーとなって投資活動と全ての運営を行うファンドであり、主として、アメリカのナスダック市場に上場しているIT関連企業の株式に投資し、高いリターンを目指すものであった。
(二) このため、本件ファンドは、株価変動と為替相場の影響を受け、それに伴うリスクがあり、そのリスクについては、原告が交付を受けた目論見書にも記載があった。
4 原告による本件ファンドへの投資と被告会社の助言
(一) 原告は、平成一二年九月五日、パークハイアット東京で開かれた被告会社主催の「第六回資産運用特別レクチャー」(以下「本件レクチャー」という。)に参加し、被告C川の講演を聴いた。
(二) 被告C川は、本件レクチャーにおいて、本件ファンドを「本当にものがいい。」、「他では買えない」とどと紹介した。
(三) 原告は、平成一二年九月二〇日に二〇万四五〇〇ドルを、同年一〇月一九日に一〇万二一二七・五ドルを、平成一三年二月一六日に一〇万二一四二・五ドルを、同年四月二七日に五万一〇七八・七五ドルを、それぞれ本件ファンドに送金して、本件ファンドに投資した。
5 本件ファンドの価格の推移
本件ファンドは、平成一一年二月に六八・〇〇ドルで始まり、その価格は、ナスダックにほぼ連動する形で推移し、平成一二年八月に二二一・八三ドルになるまでは価格を上げ続けていたが、以後は下降し続け、原告が投資した平成一二年九月は二〇四・五〇ドル、同年一〇月は一九〇・七〇ドル、平成一三年二月は一一一・七七ドル、同年四月は一〇五・二三ドルとなり、平成一五年九月には五〇・〇九ドルとなった。
6 原告の本件ファンドの解約
原告は、平成一五年九月二〇日、本件ファンドを五万ドル分解約し、同年一〇月二〇日、残りの分を解約し、同年一〇月二三日付けと同年一二月三日付けで、払戻しを受けた。
7 原告による文書送付等
(一) 原告は、平成一三年一一月ころから平成一五年一一月にかけて、被告会社、被告C川の個人事務所、被告会社の会員ら宅、被告会社の親会社である株式会社E田(以下「E田社」という。)の運営する「経済トレンドレポート」の会員ら、E田社が企画したセミナー旅行の旅行代理店である株式会社ジェイティービー(JTB)に対し、別紙記載のような内容のファクシミリ(以下「本件文書」と総称する。)を送付した。また、原告の情報提供を受け、A田梅夫(以下「A田」という。)と名乗る人物が塾長を務める「B野」と称する団体から、被告会社会員ら宅に対し、「E田社D原竹夫関係会社による被害者の皆様へ」と題する「茨城県のA野太郎氏及び大勢の皆様からの依頼と情報提供によりE田社、D原氏に被害を受けたという人達に対して救援活動を行っております。」等と記載された文書が配布された。
(二) 原告は、平成一四年五月二六日、田中に宛てて、被告C川が、田中を誹謗中傷していたので、刑事告発すべきである、被告C川は危険である等と記載した匿名の葉書(以下「本件葉書」という。)を送付しようとしたが、宛所に尋ね当たらず到達しなかった。
(三) 原告は、平成一五年五月二八日、花子に宛てて、被告C川は詐欺師まがいである、告訴する、逮捕は免れない、等と記載した手紙(以下「本件手紙」といい、本件文書、本件葉書と合わせて「本件文書等」という。)を送付した。
二  争点
本件の主たる争点は、
(本訴)
1  被告C川は、原告に対し、本件ファンドのリスク説明義務を負うか(争点一)、
2  被告C川は、原告に対し、リスク説明義務を怠り、リスクの説明をしないで本件ファンドへの投資を勧誘したか(争点二)、
3  原告の損害額(争点三)、
(反訴)
1  原告による本件文書等の送付行為の違法性(争点四)、
2  被告らの損害額(争点五)、
である。
三 当事者の主張
1  争点一について
(一) 原告の主張
被告らは、投資顧問業者として、投資の勧誘に当たっては、重要な事項について、誤解を生じさせるような表示をしてはならず、顧客に対して、商品の持つリスクを十分に説明すべき義務を負う。
(二) 被告らの主張
(1) 争う。
(2) 被告会社には、投資顧問業の登録をした投資顧問業者として、投資顧問業法の規制が及ぶが、同法上、その顧客に対して、顧客が実際に行う投資行為についてリスク説明を行うことは義務付けられていない。また、被告会社は、投資信託の販売を行うものでもないから、金融商品の販売を行う者が、金融商品販売法上負うような、元本欠損についての重要事項の説明義務なども負わない。
(3) リスクの高い金融商品を販売、勧誘することにより収益をあげるような場合には、相手方に不当な損失を被らせないように、民法上、リスク説明を行う義務を負うこともあり得るが、被告会社のような、投資助言のみを行い、成功報酬や販売手数料等を取らずに、一定の顧問料のみで収益を挙げる者には、該当しない。
2  争点二について
(一) 原告の主張
(1) 本件ファンドの実態
本件ファンドは、その説明書によると、株式市場における買い待ち、売り待ちを行うことを狙う戦略による合理的リスクと一致した高いリターンを達成することを投資目的とする、英国領バージン諸島において設立された未上場投資会社であるロータス・キャピタル・インベストメント・ホールディングス社株式とは分離された権利対応証券であり、原則として米国市場で取引されている株式証券に投資し、マネージャーが、その成長可能性を過小評価されていると判断する株式の買い待ち、過大評価されている株式、インデックスの売り待ちを行うものであるが、それが本件ファンドの投資目的に一致するという確証は存在しないとされている。さらに、本件ファンドの株式は、本件ファンドに投資することが投資家の完全な投資プログラムを構成することではなく、また、本件ファンドの特化した投資プログラムのリスクを十分に理解し、そのリスクを取る意思を有する高度な投資家のみに適しており、本件ファンドの投資行動は、その性質により、リスクの実質的効果を含んでいることが考慮されるかもしれない、とされている。このように、本件ファンドは、投資の素人には容易に理解し得ない複雑な構造を有するとともに、高度のリスクを伴うものであった。
(2) 被告C川は、本件ファンドの投資の勧誘を行う被告会社の代表者として、リスク説明義務を負うにもかかわらず、本件レクチャーにおける発言や会員宛ての情報紙において、本件ファンドのリスクを説明しないどころか、リスクが全くないかのような説明をして、原告に、本件ファンドの投資を勧誘した。これは、被告C川が、投資顧問業を営む被告会社の代表取締役の業務執行中にした不法行為であり、被告会社は、これについて商法二六二条三項、民法四四条一項により、責任を負う。
なお、被告らは、原告は投資経験が豊富であると主張するが、原告自身の判断による投資は、被告C川の著書や、被告会社のロイヤル資産クラブに入会した後に初めてしたものである。また、被告らは、リスク説明には十分にしたと主張し、被告C川は、本件レクチャーにおいて「マイナスの年もある。」旨発言してはいるが、これがリスク説明であるというには杜撰に過ぎ、最終的には元本割れはしないとの趣旨にしか考えられないものである。
また、被告C川は、本件ファンドの売上げにより三パーセントのマージンを得ていたものである。
(二) 被告らの主張
(1) 否認ないし争う。
(2) 被告C川が投資勧誘をしていないこと
被告らは、投資に関する情報提供、助言を行うものであり、個別の商品の購入を勧誘することはない。被告らは、投資顧問業法上の助言業務、すなわち、掲載状況や投資信託の価値等の分析に基づく投資判断に関する助言を行う会員制組織としての「ロイヤル資産クラブ」を運営しており、その主旨は、あくまで、助言や情報提供である。
被告C川は、原告と被告会社との間の投資顧問契約に基づき、本件レクチャーや情報紙において、本件ファンドの投資判断に関する助言をしたにすぎない。
被告会社は、定額の顧問料と相談料しか受けず、成功報酬やリべート、ファンド販売の手数料などを受け取っていないのであるから、本件ファンドの投資を勧誘する何らのメリットもない。
(3) 被告らによるリスク説明
① 仮に、被告らにリスク説明義務があったとしても、以下のような事情に照らせば、その程度は高度のものではなかった。
(ア) 原告の経済的・社会的状況及び投資経験
原告は、大学医学部を卒業しており、高学歴で、知的水準も高いといえる。そして、本件ファンド購入当時、病院の内科部長を務める現役の医師であったものであり、年齢も四六歳であった。したがって、高齢者や専業主婦などと比べ、収入面で、一般的な投資への適格性は有していた。現に、当時の原告の経済状況は、年収が約二五〇〇万円、保有資産が約四〇〇〇万円もあり、原告の妻が歯科開業医で収入を得ていることから、原告のみが家計を負担するわけではなく、投資のための余剰資金はあった。
さらに、原告は、本件ファンドへの投資以前に、不動産投資、金投資、外貨預金等を経験し、しかも、いずれでも損をした経験がある。原告は、これらの投資経験は原告自身のものではなく、同人の実父のものであると主張するが、信用性はなく、仮にそうであったとしても、原告は、実父に投資資金を供与していたのだから、実父の損によって、結果的には損をしている。したがって、元本割れのリスクなどを体験したことには違いない。
このような経済的余裕や投資経験を有する原告にとって、本件ファンドへの投資が、社会的にみて、極めて危険性の高い投資であったということはできない。
(イ) リスクの周知性
本件ファンドは、米国ナスダック市場に上場しているIT関連株式に投資することから、株価変動リスクと為替リスクがあるが、株価は下落し得ること、為替相場の変動で資産が目減りし得ることは、常識に属する。したがって、本件ファンドのような株価連動型、為替取引の介在する投資信託の購入には、元本割れのリスクがあることは周知されている。
(ウ) 原告は、本件ファンドを投資目的としていた
原告は、ロイヤル資産クラブに入会する以前から本件ファンドに投資したいと考えていたのであり、短期に巨額の資産を形成して悠々自適の生活を送るために投資を始めたものである。すなわち、元々ハイリスク・ハイリターンの投資を積極的に志向していたものであるから、このような者に対するリスク説明義務の程度は、相対的に低いものとなる。
② 被告らは、投資顧問業者あるいはその代表者として、投資判断の助言をするに当たっては、以下のとおり、様々な形で常にそのリスクを説明し、また、最終的な投資判断は、顧客自身の自己責任において行うことを確認している。
(ア) 被告会社は、「ロイヤル資産クラブ」入会しようとする者に、必ず、被告会社が提供する情報に基づいて個別の投資をする場合には、自己判断により、自己の負担と責任と計算において行うとの確認証を提出させており、原告も提出している。また、被告会社が会員に配布する資料の多くには、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではない旨の注意書きを添えている。
(イ) 被告らは、顧客が、被告らの投資助言に基づき、一定の有価証券に集中して投資を行うことで、膨大な損失を出すことを防ぐために、顧客に対しては、長期保有と複数の有価証券に分散して投資をすること(分散投資)の重要性を一貫して助言している。被告C川は、本件レクチャーにおいても、分散投資の重要性を説いている。被告らは、原告に対しても、同様の助言を繰り返して行った。
③ 被告C川による本件ファンドの紹介、投資助言も、適切であった。
(ア) 原告は、本件発言⑮等をとって、被告C川が本件ファンドを、絶対にリスクのない商品であるかのように説明したと主張するが、被告C川は、その直後に「マイナスの年もある」旨述べているのであるから、このような文脈では、絶対安全であるとの意味が、元本を保証することを意味していないことは認識可能であった。投資家にとって元本が保証されるか否かは、最大の関心事であるから、日頃から細かいことでも遠慮なく質問をする原告が、本件ファンドの購入前に何らかの質問もしなかったことは、これらの点を十分に認識していたからである。
(イ) 本件ファンドは、LCMが投資家に直接販売するもので、目論見書も同社が作成し、投資家に交付するものであって、被告らにはその作成、交付に何ら関与する義務も権利もないし、売買にも関与しないので、被告らが、本件ファンドの目論見書の内容を説明する義務はない。投資家は、交付された目論見書には、自己の判断と責任で目を通すべきである。
(ウ) 被告C川は、本件ファンドにリスクが全くないと発言したことはない。原告が本件ファンドの目論見書記載のリスクについて、被告C川に説明を求めたこともない。
(エ) ファンドが値下がりしている状態で買い増しをすることは、「買い下がり」という、投資の一般的、正常な手法であり、これをアドバイスすることは、何ら不当ではない。
3  争点三について
(一) 原告の主張
(1) 原告は、本件ファンドに、以下のとおり、日本円で換算して合計五一二三万九二一九円を投資した。
① 平成一二年九月二〇日に二〇万四五〇〇ドル送金
同日の為替レートは一ドル当たり一〇七・五〇円
一〇七・五×二〇万四五〇〇=二一九八万三七五〇円
② 平成一二年一〇月一九日に一〇万二一二七・五ドル送金
同日の為替レートは一ドル当たり一〇八・三〇円
一〇八・三×一〇万二一二七・五=一一〇六万〇四〇八円
③ 平成一三年二月一六日に一〇万二一四二・五ドル送金
同日の為替レートは、一ドル当たり一一六・二〇円
一一六・二×一〇万二一四二・五=一一八六万八九五八円
④ 平成一三年四月二七日に五万一〇七八・七五ドル送金
同日の為替レートは一ドル当たり一二三・八五円
一二三・八五×五万一〇七八・七五=六三二万六一〇三円
(2) 原告は、以下のとおり、本件ファンドを解約し、日本円で換算して合計一六八九万五五六四円の払戻しを受けた。
① 平成一五年九月二〇日に五万ドル解約
同年一〇月二三日に四万九九五五ドルの払戻し
同日の為替レートは一ドル当たり一一〇・〇五円
一一〇・〇五×四万九九五五=五四九万七五四七円
② 平成一五年一〇月二〇日に残り約一〇万ドル解約
同年一二月三日に一〇万三八〇七・〇八ドル払戻し
同日の為替レートは一ドル当たり一〇九・八〇円
一〇九・八×一〇万三八〇七・〇八=一一三九万八〇一七円
(3) したがって、原告は、投資額から払戻額の差額である三四三四万三六五五円の損害を受けた。
(二) 被告らの主張
争う。
4  争点四について
(一) 被告らの主張
(1) 被告会社関係
① 原告の、被告会社に対する本件文書の送付行為は、内容及び態様ともに常識及び被告らの予想をはるかに超えた、社会的相当性を欠いたものであり、また、第三者に対する本件文書の送付は、被告会社に関する虚偽の事項を内容とする風説を世情に伝播させるものである。すなわち、原告は、本件文書の送付により、被告会社の日常の業務の経営を阻害する状態を発生させた。
② 現に、A田梅夫という人物を塾長とする「B野」という団体が、「E田社D原竹夫関係会社による被害者への皆様へ」と題する文書を、被告会社の会員の多数に配布したが、同文書には、「茨城県のA野太郎氏及び大勢の皆様からの依頼と情報提供によりE田社、D原氏に被害を受けたと言う人達に対して救済活動を行っております。」等と記載されており、原告の情報提供に起因するものであることが明らかである。
③ しかも、原告は、被告らが代理人弁護士を選任し、連絡はすべて代理人弁護士を介してするよう要請したにもかかわらず、直接に被告会社宛にファクシミリを送付してきているものである。
④ 以上のような行為は、被告会社の業務を妨害するものであり、違法である。
(2) 被告C川関係
① 原告は、本件葉書を発送することで、国会議員を利用してまで被告C川を糾弾しようとし、被告C川に多大な恐怖を与えた。
② また、原告は、面識もないのに、花子にその出身地や病気を指摘する内容の本件手紙を送付することにより、被告C川に、平穏な生活が害され、家族の身に危険が及ぶのではないかと恐怖を与えた。花子は、被告C川の個人事務所に勤務してはいるが、投資顧問業務とは一切無関係である。
③ さらに、原告は、被告会社の会員やE田社の会員に被告C川に関する虚偽の事実を記載した本件文書を送付することにより、被告C川の名誉感情を害するに足りる事項を表示した。
(3) なお、原告は、情報提供を行っていただけであるというが、被告会社の会員でない者にまで文書を送付しているし、内容が虚偽であるから、原告の行為は被告らとの関係において正当化されるものではない。
(二) 原告の主張
(1) 原告が本件文書等を送付したこと及びA田梅夫に対し情報提供を行ったことは認め、違法性を争う。
(2) 被告会社に対する本件文書の送付について
原告は、被告会社に会費を支払っており、納得するまで被告会社の担当者に質問をして構わないとの被告C川の発言に従って、逐次、事実に基づいた情報提供の要求及び自ら情報提供をしていたにすぎない。
(3) 第三者に対する本件文書の送付について
原告は、被告らの不法行為により損害を被っているにもかかわらず、被告らの対応が不誠実であったため、その理不尽な態度に憤慨し、誠実な対応を求めつつ、その一連の行動として、同様の被害者を出さないために、情報提供したにすぎない。
(4) 本件葉書の送付について
原告は、実父が過去に新潟県で土建業を営んでおり、田中の父親である田中角栄と親交があったことから、田中に親近感を持っていたため、同人に対する被告C川の誹謗中傷について、事実に基づき、情報提供をしようとしたにすぎない。
(5) 本件手紙の送付について
原告は、被告C川がかつて「自分の妻は宮城県出身で中学教師をしていた。その妻が乳癌に罹っているが、誰か良い医者はいないか。」と発言していたことを踏まえ、被告らの関連会社に勤務し、本件に関する事情を熟知していると考えられる花子に、本件に対する然るべき正当な対処を促すために、本件手紙を送付したにすぎない。
5  争点五について
(一) 被告らの主張
(1) 被告会社関係
① 原告の本件文書の送付により被告会社の被った損害は、五〇〇万円を下らない。
② そして、被告会社は代理人弁護士に反訴提起を依頼し、その費用は損害額の一割に該当する五〇万円を下らない。
(2) 被告C川関係
① 原告の本件葉書及び本件手紙の送付により被告C川が被った精神的損害は、金銭に換算すれば、二五〇万円を下らない。
② また、原告の本件文書等送付による侮辱行為により被告C川が被った精神的損害は、金銭に換算すれば、二五〇万円を下らない。
③ 被告C川は、代理人弁護士に反訴提起を依頼し、その費用は損害額の一割に相当する五〇万円を下らない。
(二) 原告の主張
争う。
第二  当裁判所の判断
一  争点一(被告C川のリスク説明義務の有無)
1  《証拠省略》及び前記争いのない事実等記載の各事実によれば、以下の事実が認められる。
(一) 投資顧問業者の義務
(1) 投資顧問業とは、顧客に対して投資顧問契約に基づく助言を行う営業をいい、投資顧問契約とは、当事者の一方が相手方に対して、有価証券の価値等又は有価証券の価値等の分析に基づく投資判断に関し、助言を行うことを約し、相手方がこれに報酬を支払うことを約する契約である(投資顧問業法二条一項、二項)。投資顧問業者は、顧客のために忠実に投資顧問業を行うべき忠実義務を負い(同法二一条)、自らの責めに帰すべき事故による損失を除いては、助言に基づく取引により生じた顧客の損失を補填するため財産上の利益を提供することや証券取引行為を行うことが禁止されている(同法一八条、二二条一項四号)。
(2) 本件契約も、上記投資顧問業法の趣旨に従い、被告会社が、原告に対し、投資信託の価値等の分析に基づく投資判断に関し、定期的に投資運用及び経済情報のレポートを送付することを内容としており、分析業務の担当は被告C川及び資産保全コンサルタント部次長C山春夫(以下「C山」という。)、助言業務の担当はC山と定められていた。また、本件契約において被告会社は、原告の投資資産における運用の結果生じた損害の全部又は一部の負担や原告に対する特別の利益の提供はせず、証券取引をしたり、金銭や有価証券の預託を受けたり、金銭や有価証券の貸付け等をしたりしない旨定められていた。
(二) 確認証の提出
原告は、本件契約を締結した平成一二年七月二〇日、被告会社代表者被告C川宛に、「株式会社B山の『ロイヤル資産クラブ』が提供する情報に基づいて個別の投資を行う場合は、自己判断により、自己の負担と責任と計算において行います。」との確認証(以下「本件確認証」という。)を作成、提出した。
(三) 被告会社による投資助言業務と顧客による投資の仕組み
(1) 一般に、被告会社は、投資顧問契約に基づき、会員に、定期的に「ロイヤル資産クラブレポート」という情報紙を送付したり、講演会や研修会を開いたり、その内容を録音したテープを販売したりして、投資助言を行う。また、会員からの、電話ファクシミリによる相談に、C山らの担当者が応答することによっても、投資助言を行う。
(2) このような被告会社からの助言により、特定の金融商品に興味を持った顧客は、当該金融商品の発行者等との間で、直接に、売買契約等を締結する。
(3) 本件ファンドについては、被告会社は、被告C川による本件レクチャーや、ロイヤル資産クラブレポート等で、LCM社の役員で本件ファンドのファンドマネージャーであるブラッド・フォアンの意見等に基づき、その分析結果に基づく助言を行った。
(4) 本件ファンドに興味を持った会員は、本件レクチャーに出席していたブラッド・フォアン本人やLCM社の担当者と知り合い、これらの者に直接連絡をとるのが通常であるが、被告会社が代わってLCMの東京の事務所に対し、その会員に申込書と目論見書を送付するような連絡を入れることもあった。そうすると、LCM社が、当該会員に申込書と目論見書を送付し、以後は、会員とLCM社とで直接に取引をすることになる。
2  以上の事実によれば、被告会社は、投資顧問業者として、本件契約に基づき、原告に対し、忠実義務を負っていたものであり、その内容は、投資助言を行うに際しては、その時点における経済状況や投資信託の価値等を分析して、原告に対して忠実に助言するというものであったが、被告会社は、それを超え、本件ファンドについても、被告C川による本件レクチャー等を通じて、その分析結果に基づく助言を行っていたものである。そして、本件ファンドは、前記争いのない事実等記載のとおり、アメリカのナスダック市場株価及び為替の変動に伴ってその価値が変動する性質のものであったのであるから、被告会社は、前記忠実義務から導かれる当然の帰結として、本件ファンドに投資するリスクについても説明をすべき義務を負っていたものというべきである。
被告C川は、被告会社の代表取締役として、その義務執行に当たるとともに、投資助言業務も担当していたのであるから、同人は、投資助言をするにつき、被告会社が顧客に対し負う説明義務と同様の義務を負っていたものというべきである。
二  争点二(被告C川の義務違反)について
1  《証拠省略》及び前記争いのない事実等記載の各事実によれば、以下の各事実が確認できる。
(一) 本件レクチャーにおける被告C川の発言
(1) 被告C川は、本件レクチャーにおいて、「二〇〇五年、日本国破産!?―そのときあなたの財産は大丈夫か?―」と題するレジュメを配布し、通商産業省(平成八年当時)や経済企画庁等が発表した日本の経済成長のシミュレーション結果などに基づき、日本の経済が破綻の危機的状況にあることを「国家破産」と表現し、地震や高齢化などの影響もあって、近い将来にインフレと円安が起きるであろうと説明した上で、円建てとドル建てに分けて投資することを助言した。
(2) 被告C川は、本件レクチャーにおける講演の最後に、以下のように本件ファンドを紹介した。
① 「現在世界で一番私が見ていいなというドル建てのファンドがここに書いてあります。ロータス・ファンドというやつなんですが。」
② 「このファンドの運用者はここに書いてあるブラッド・フォアンという人です。」「すごい男です。天才中の天才。」
③ 「現在ロイヤル資産クラブご紹介しているのは、ロータスⅡの方です。」
④ 「私ブラッド・フォアンとある人を介していろいろ情報交換できるんです。彼がこの間こう言ってきたんです。二月にD原さんの紹介で買った人はちょっと高いんで、これから戻るよと。ブラッド・フォアンさん、五〇万ドル、一口で買うの。五〇〇〇万ですよ。ちょっといくらなんでも、うちの会員さんの五〇万ドル無理だと、そうはいないと。あるいは五〇万ドル全部しかない人が五〇万ドル全部投資するのは無理だよねと私ねばったんです。そして、ブラッド・フォアマンが『分かってた。』と。だったら九月だけ二〇万ドル、もう最後だよと彼言ってました。まだ買っていない人でも二〇万ドル。つまり、それ以前、つまり二月までは一〇万ドルでよかったんです、このファンド。ところが、スイスのあるプライベートバンクがこれ全部買い占めようとしたんです、このファンド。あんまりいいんで。」
⑤ 「これは非常にものはいいと思いますね。こういうものは長期保有、五年とか。そうすると、そのうち円安になれば両方で、五年、一〇年したら、私はかなりいいんじゃないかと思っています。」
⑥ 「今本当にいい買い場だと思いますよ。最高の買い場ですよね。ちょっと調整しましたんで、非常にいい場だと思います。」
(二) 被告C川の情報紙による助言
(1) 被告C川は、原告に対し、平成一二年一〇月一三日付け「D原竹夫からの緊急スポット情報」により、ブラッド・フォアンから、本件ファンドで同人が買っている銘柄であるPMC―SIERRAの株価が上がってきている旨、本件ファンドは一〇月が最大の買い場となるであろうとの情報が入ったことを伝えた。
(2) 被告C川は、原告に対し、平成一三年一月ころ、「ロータスⅡに関するD原竹夫の最新コメント」という文書により、「D原の主観では、このあたりが大底であろうと思います。」、「私はこの辺りがロータスⅡの大底で、ここから最低でも年二〇%で伸びていく可能性が高いと見ています。」、「このように見てきますと、D原の主観としては、ここはむしろロータスⅡ投資及び買い増しの絶好のチャンスとさえ言えるのではないかと考えております。」等と助言した。
(3) 被告C川は、原告に対し、平成一三年三月一六日付け「D原竹夫よりロータスファンドⅡについてのコメント」と題する文書により、「このファンド自体は非常に優れているので五年単位の中長期で見れば必ず持ち直すと考えております。」と助言し、かつ、ブラッド・フォアン作成の「ロータスファンドⅡインベストメント・レポート」という文書を添付して送付した。
(三) 原告の質問に対するC山の回答
(1) 原告は、平成一二年一二月五日、C山に対し、本件ファンドへの投資に関して、「昨夜LFⅡ一一月成績一四六と伺いましたが、これはむしろ絶好の『買い場』と考えられませんか? 例えば一二月中に一〇万米ドルLFⅡを『買い増し』するのは奇策でしょうか?」という内容のファクシミリを送った。これに対し、C山は、翌六日、本件ファンドの買い増しは奇策とは思わないが、原告のポートフォリオ全体のバランスから考えると疑問があり、ポートフォリオで重要なのは通貨の分散(円・ドル)と運用手法の分散であるから、一つのものに集中しすぎるのは賢明ではないと助言した上で、他のファンドも含めて十分検討するよう助言をした。すると、原告は、同月七日、C山に対し、円建てのファンドを二つ挙げ、どちらに投資するのがよいか、との質問をファクシミリで送ったので、C山は、可能なら両方に分散することを検討したらよいと助言した。また、C山は、平成一三年一月一六日には、本件ファンドについて価格が上がる良い材料はないかとの原告の質問に対し、現時点では良い材料はない旨回答した。
(2) 原告は、本件ファンドに最後に送金した日の翌日である平成一三年四月二八日、C山に対し、自分のポートフォリオを図にした文書をファクシミリで送付した。当該文書末尾には、自己評価として「分散投資の基本から見て、LFⅡが突出していて、チョットバランスを欠いていると思いますが、お返事は要りません」と記載されていた。
2(一)  以上事実によれば、被告C川は、被告会社の行う投資助言の一環として、原告に対し、本件ファンドを紹介し、よい商品である、買い場である、値下がりしているが持ち直す等と助言をしたが、これは、ブラッド・フォアンの意見や株価の変動状況等の分析に基づき、忠実に、投資に関する判断材料を提供していたものであり、同時に、損失をできるだけ少なくするための分散投資を指導しているのであって、本件ファンドが全くリスクのないものであるかのように発言したものとは認められず、強引に投資を勧誘したということもできない。また、被告C川による本件レクチャーでの発言や情報紙の記載は、参加者や会員に向けられたものであり、原告の資産状況や投資目的等に個別具体的に合致したものといえなかったとしても、それは、C山による個別的な助言により補われていたものであり、原告も、被告C川による助言が、個別的な助言と異なり、必ずしもそのまま原告に当てはまるものでもないことを認識し得たものというべきであるから、被告C川の助言が不適切であったということもできない。実際にも、原告は、前記のとおり、被告C川の助言を参考に、C山に質問をしながら、自らの判断で、自発的かつ積極的に、分散投資の基本を冒していることを認識しながら、本件ファンドへ投資していたものである。
(二) この点、原告は、被告C川は、本件ファンドの販売についてマージンを得て、本件ファンドが元本割れをしないものであるかのような誤解を招くものであり、虚偽の発言をしたと主張し、そのように供述する。しかし、被告C川及び証人C山はこれに相反する供述ないし証言をしていること、被告C川は、本件ファンドについても中長期保有と分散投資を助言していること等に照らせば、被告C川が本件ファンドについてマージンを取得していたと認めるに足りず、また、前記認定のような被告C川の発言が、本件ファンドが元本割れをしない商品であるとの誤解を招くものとは認められない。
(三) したがって、被告C川に、投資顧問業法上の忠実義務に反するようなリスク説明の不足があったものとは認められない。
よって、争点三については判断するまでもなく、原告の本訴請求は理由がない。
三  争点四(原告による本件文書等送付行為の違法性)について
1  《証拠省略》及び前記争いのない事実等記載の各事実によれば、以下の各事実が認められる。
(一) 本件文書の内容
本件文書のうち、被告会社に送付されたものの内容は、別紙記載一ないし七のようなものであった。
(二) 原告は、平成一五年一一月一四日、被告会社主催のシンガポールツアーを企画した旅行代理店であるJTB丸の内本店宛に、別紙記載八のような内容のファクシミリ(全二頁)を送付した。
(三) 本件葉書の内容等
本件葉書の表面には、「去る五月一八日(土曜日)東京で『田中真紀子は鈴木宗男よりヒドイ』とか『うまくやっているから捕まらないだけ』と貴女を侮辱・中傷しました。これは刑事告発すべきです。その男とはD原竹夫(本名)C川松夫(四七才)元D川新聞記者D原竹夫事務所代表です。」と記載され、被告C川の名前から矢印が描かれた先に「危険です。貴女を陥れる男です。」と記載されていた。末尾には、被告C川の個人事務所である、D原竹夫事務所の住所、電話番号、ファクシミリ番号、担当者の名前が記載されていた。また、裏面の差出人欄には、「重要です」との記載が丸で囲まれ、「名誉毀損罪で至急告発(訴訟)して下さい。」と記載されていた。また、本件葉書には、本件葉書のほか、被告C川の講演会を録音したテープを、田中に送付した旨の記載もある。
(四) 本件手紙の内容等
(1) 本件手紙には、「私の義父にC川松夫さんのビデオを見せた所、『典型的な詐欺師の顔だ』そうです。」、「『告訴』いたします。証拠たくさんあります。いづれ逮捕は免れないでしょう。」、「あなたのご主人さんは失礼乍ら詐欺師もどきです。皆そういっています。」、「被告の本人尋問でご主人様が報道陣(傍聴席で)のさらし者になってしまいますが、しようがありませんね。」、「宮城にはお帰りですか?」、「乳癌のご回復を願いつつ……」等と記載されていた。
(2) 花子は、被告C川が代表取締役を務める有限会社E原の取締役であり、同社は、書籍の編集、出版、経済、経営に関する講演会及び会員制セミナーの実施等を目的としているが、同社における花子の業務は、事務の手伝い程度であり、投資助言等の具体的な業務には関与していない。
(五) 本件文書等の態様
本件文書等は、上記(一)(3)のファクシミリを除いて、いずれも、原告による手書きで、乱雑に書かれたものであった。
(六) 本件文書等の影響
(1) 被告会社の会員らは、A田と称する人物から、平成一五年二月二〇日付けで、「E田社D原竹夫関係会社による被害者の皆様へ」と題する文書を受け取った。当該文書には、「茨城県のA野太郎氏及び大勢の皆様からの依頼と情報提供によりE田社、D原氏の被害を受けたと言う人達に対して救済活動を行っております。」として、A田と「B野の塾生」等(以下「A田ら」という。)が、被告C川が海外視察ツアーで滞在するホテルに行った旨、被告C川によるレクチャーの会場が変更された旨、A田らはツアー参加者らに現地の不動産の正規価格が掲載された雑誌を配布した旨、被告C川の関係者全員の税務調査をするよう国税庁に要請した旨、超党派の国会議員を通じても行動を続ける所存である旨等が記載されていた。
(2) また、A田は、平成一五年三月一九日付けで、被告会社に、被告C川宛文書をファクシミリで送付した。同文書には、被告C川の代理人弁護士から業務妨害行為をしないよう連絡を受けたことについて、「貴殿が取った行動は小生への挑発行為と感じ残念でなりません。」、「小生もこの件については被害者と称する人たちと共に最高裁判所までお付き合いする所存であります。」等と記載されていた。また、平成一六年三月二三日には、同様の文書が、被告会社の親会社と取引関係のある会社にも、送られた。
2  被告会社関係
(一) 上記認定のような、本件文書の内容、態様及び頻度等にかんがみれば、原告は、本件ファンドが値下がりし、原告が損をしたことの責任が、すべて被告らにあると思いこみ、憤慨して、原告と暴力団や右翼団体との関係をほのめかしながら、挑発的な文言で、被告会社や代表者である被告C川を誹謗、罵倒し、あるいは損失を補填するよう脅したものと認めるのが相当であり、かかる行為は、被告会社に無用の対応を余儀なくさせるものであり、これにより被告会社は、有形無形の損害を受けたであろうことは想像に難くないから、違法に、被告会社の正常な業務を阻害したものというべきである。
(二) なお、原告は、遠慮せずに質問をせよとの被告C川の発言に素直に従って被告会社にファクシミリを送付しただけであるし、第三者への本件文書の送付は、被害者を増やさないため、事実に基づいた情報提供にすぎないと主張する。しかしながら、本件文書の内容は、投資顧問契約上顧客に許された質問や情報提供の範囲を逸脱しており、前記認定のように、本件契約上、投資は自己責任であったこと、原告はそのことを認識していたはずであること、被告C川による投資助言が適正であったこと等の事情にかんがみても、投資により損をした責任を被告会社に転嫁し、同社を誹謗中傷するような文書の頒布行為が正当化されるものではない。
3  被告C川関係
(一) 本件葉書及び本件手紙の送付
(1) 原告が、無関係な国会議員や被告の家族に、「告訴」、「詐欺」、「逮捕」等といった文言を使用した本件葉書や本件手紙を送付若しくは発送したことは、それを知った被告C川を畏怖させるに足りる行為である。特に、本件手紙は、被告C川が犯罪者であり、逮捕は免れず、訴訟においてさらし者になるという内容のものであり、さらには、花子の出身地や病気という、極めて個人的な事項にも言及しているところ、これは花子及び被告C川にとって、同人らの身体や財産に危害が及ぶのではないかと、いたずらに不安を煽るものであって、違法である。
(2) この点、原告は、本件葉書は、田中に情報を提供する目的で書いたものであり、本件手紙は、被告会社の関連会社に勤務し、本件につき事情を熟知しているであろう花子に然るべき対処を促す目的で送付したものであるから正当化される旨主張する。しかし、田中は、国会議員という立場にあって、日頃からあらゆる場面で国民の批判に晒されている者であること、本件葉書には、告発するよう促す文言が二箇所に記載されていることからは、単なる事実に基づく情報提供の範囲を逸脱している。また、前記認定のとおり、花子は投資顧問業務には従事していないし、本件手紙でも、花子を「C川松夫令夫人」等と称しており、業務との関連性は指摘されていない。また、文面上、正当な対処を求める文言は見当たらない。したがって、本件葉書及び本件手紙の送付行為は、被告C川との関係においても、正当化されるものではない。
(二) 名誉感情の侵害
また、本件文書の多くは、被告C川を、「加害者」と位置付け、誹謗中傷するものであるが、被告C川は、前記争いのない事実等記載のとおり、経済ジャーナリストとして多数の著書を出版しており、また、一七〇〇人を超える会員を有する被告会社の代表者であることにかんがみれば、原告が本件文書を被告会社の会員に送付した行為は、被告C川を侮辱し、同人の名誉感情すなわち自己の人格的価値に対する主観的評価を傷付ける行為であるというべきである。よって、本件文書の頒布は、被告C川の関係においても違法性がある。
四  争点五(被告らの損害額)について
1  被告会社関係
(一) C山の証言によれば、原告が被告会社に対して大量のファクシミリを送付したため、業務上送られてくる他のファクシミリの受信に支障が生じたことが認められる。また、A田が作成し被告会社の会員らに頒布した文書によれば、A田らが、被告会社が海外で開催したイベントの参加者に接触したり、被告会社やその会員らに文書を送付したのは、原告の「情報提供」によるものであることが明らかである。したがって、被告会社は、原告の行為によって、正常な業務遂行を少なからず妨害され、これにより無形的な損害を被ったというべきである。そして、原告の行為態様、被告会社が電話やファクシミリを使って会員へ投資助言を行うことや同社が信用で成り立つ投資顧問業者であること等の事情を総合すれば、その損害は、五〇万円を下らないものと認めるのが相当である。
(二) そして、被告会社は、原告の不法行為により損害賠償を求める反訴提起を訴訟代理人弁護士に依頼し、弁護士費用の負担を余儀なくされたと認められるところ、原告の不法行為と相当因果関係がある弁護士費用の額は、損害の一割である五万円と認めるのが相当である。
2  被告C川関係
(一) 本件葉書及び本件手紙の送付、発送
上記認定のとおり、原告が本件葉書及び本件手紙を田中と花子に送付若しくは発送した行為は、被告C川を畏怖せしめる性質のものであった。そして、被告C川本人尋問の結果によれば、同人がこれにより身の危険を感じ、恐怖感を抱いたことが認められる。かかる被告C川の精神的損害に対する慰謝料としては、三〇万円が相当である。
(二) 名誉感情の侵害
また、上記認定のとおり、原告が本件文書を頒布した行為は、被告C川の名誉感情を傷付ける行為といえるところ、被告C川本人尋問の結果によれば、同人が、これにより地位と名誉が害されたと感じたことが認められる。そして、かかる被告C川の精神的損害に対する慰謝料としては、二〇万円が相当である。
(三) そして、被告C川は、被告会社同様、原告の不法行為により損害賠償を求める反訴提起を訴訟代理人弁護士に依頼し、弁護士費用の負担を余儀なくされたと認められるところ、原告の不法行為と相当因果関係がある弁護士費用の額は、損害の一割である五万円と認めるのが相当である。
五  結論
以上の次第で、原告の本訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却し、被告らの反訴請求は、主文第二項摘記の限度で理由があるからこれを認容し、その余は棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法六一条、六四条本文、六五条一項本文を、仮執行宣言につき同法二五九条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 中川良奈子 裁判長裁判官近藤壽邦、裁判官藤井聖悟は、転補のため署名押印することができない。 裁判官 中川良奈子)

 

〈以下省略〉

 

*******

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。