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「成果報酬 営業」に関する裁判例(17)平成29年 3月23日 東京地裁 平28(ワ)8000号 売買代金請求事件

「成果報酬 営業」に関する裁判例(17)平成29年 3月23日 東京地裁 平28(ワ)8000号 売買代金請求事件

裁判年月日  平成29年 3月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)8000号
事件名  売買代金請求事件
裁判結果  一部認容、一部棄却  文献番号  2017WLJPCA03238025

要旨
◆被告とコンサルタントに関する業務委託契約を締結していた原告が、被告代表者Bの仲介で貸し付けたe社に対する貸金債権とa社に対する貸金債権を被告に譲り渡したとして未払残代金6500万円の支払を求めた事案において、被告は、被告が平成24年4月24日に原告に対し1500万円を支払ったことにつき原告に自白が成立していると主張するものの、被告は同日の1500万円の支払を援用しておらず、被告が後に原告の同主張を援用したときには原告は既に同主張を撤回していたから、1500万円の支払につき原告の主張撤回前に自白が成立したとはいえないとした上で、未払残代金を5000万円と認めたほか、業務委託契約に基づく報酬支払請求権又は不当利得返還請求権と相殺する旨の被告の主張を退け、請求を一部認容した事例

参照条文
民法466条
民法505条1項
民法555条
民法648条
民法703条
民事訴訟法159条

裁判年月日  平成29年 3月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)8000号
事件名  売買代金請求事件
裁判結果  一部認容、一部棄却  文献番号  2017WLJPCA03238025

東京都渋谷区〈以下省略〉
原告 株式会社メンズスタイル
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 大久保朝猛
同 篠田恵里香
東京都渋谷区〈以下省略〉
被告 インスタイル株式会社
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 船越雄一
同 古屋可菜子

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,5000万円及びこれに対する平成27年10月10日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを13分し,その3を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。
4  この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,6500万円及びこれに対する平成27年10月10日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が,被告に対し,被告代表者B(以下「B」という。)の仲介で貸し付けた,エターナル・パシフィック・パートナーズ・ジャパン株式会社(以下「エターナル社」という。)に対する2億5000万円の貸金債権と株式会社アビリティクリエイト(以下「アビリティ社」という。)に対する1億円の貸金債権を合計3億5000万円で譲り渡したとして,既払金2億8500万円を控除した未払残代金6500万円及びこれに対する催告期間が経過した日である平成27年10月10日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
なお,原告は,訴状において,既払金を3億円とし,支払を求める未払残代金を5000万円としていたが,既払金につき誤りがあったとして,未払残代金を6500万円に変更した(請求の拡張)。これに対し,被告は,訴えの変更(請求の拡張)が許されない旨申し立てたが,当裁判所は訴えの変更を認めた。
1  前提事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠(特に明記しない限り,枝番の表記は省略する。)及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)
(1)当事者
ア 原告は,アパレル製品の通信販売等を目的とする株式会社である(甲1)。
イ 被告は,広告代理店業務,経営コンサルタント業務等を目的とする株式会社である(甲2)。
(2)原告被告間の業務委託契約等
ア 業務委託契約の締結(甲13)
原告と被告は,平成22年5月1日,原告のEコマースの差別化及び販売拡大を目的として,以下のような内容の業務委託契約を締結した。
(ア)原告が被告に委託する業務の内容
① 経営コンサルティング業務
② 広告代理店業務
(イ)契約期間
2年間。ただし,期間満了の6か月前までに,書面による特別の意思表示がないときは,自動的に2年間更新される。
(ウ)業務の対価
① 最低月額報酬として,350万円(税込み)を支払う。
② 成果報酬として,被告の月額売上げの3%を毎月支払う。
③ 実施した広告に応じて月額広告費を支払う。
イ 請求及び支払(甲14,弁論の全趣旨)
被告は,原告に対し,上記業務委託契約に基づき,平成22年5月1日から平成26年5月30日までに合計11億0654万4466円を請求し,原告はこれを支払った。
ウ 原告の被告に対する別訴の提起(弁論の全趣旨)
原告は,平成28年3月11日,被告に対し,上記業務委託契約に基づく業務が行われておらず,毎月支払った報酬などが全て被告の不当な利得となっている等と主張して,不当利得の返還を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した(同裁判所同年(ワ)第8001号不当利得返還請求事件)。
(3)原告による貸付け
原告は,Bの仲介により,エターナル社とアビリティ社に対し,それぞれ以下のとおり貸し付けた。
ア 原告は,平成23年9月26日,エターナル社に対し,1億5000万円を期限の定めなく貸し付けた(以下「本件貸付1」という。甲3の1)。
イ 原告は,平成23年11月4日,アビリティ社に対し,弁済期を平成24年1月4日として,1億円を貸し付けた(以下「本件貸付2」という。甲3の2,甲28,弁論の全趣旨)。
ウ 原告は,平成23年11月14日,エターナル社に対し,1億円を期限の定めなく貸し付けた(以下「本件貸付3」という。甲3の2)。
(4)債権譲渡
ア 原告は,平成23年11月4日,被告に対し,本件貸付2に基づくアビリティ社に対する1億円の貸金債権(以下「本件債権2」という。)を以下の約定で譲り渡す旨合意した(甲6,28)。なお,本件債権2は,最終的に1億円で譲渡された(弁論の全趣旨)。
(ア)本件債権2の弁済期の翌日である平成24年1月5日(以下「譲渡日」という。)において,本件債権2が弁済されていないときは,本契約に定める条件に従い,原告は,被告に対し,本件債権2を譲り渡し,被告は,これを譲り受ける。
(イ)被告は,原告に対し,譲渡日において,本件債権2の対価として,額面額を支払う。
イ 原告は,平成24年11月14日,被告に対し,本件貸付3に基づくエターナル社に対する1億円の貸金債権(以下「本件債権3」という。)を1億円で譲り渡した(甲5,弁論の全趣旨)。
ウ 原告は,平成25年1月7日,被告に対し,本件貸付1に基づくエターナル社に対する1億5000万円の貸金債権(以下「本件債権1」という。)を以下の約定で譲り渡す旨合意した(甲4)。なお,本件債権1は,最終的に1億5000万円で譲渡された(弁論の全趣旨)。
(ア)本件債権1の弁済期後において,本件債権1が弁済されていないときは,本契約に定める条件に従い,原告は,被告に対し,本件債権1を譲り渡し,被告は,これを譲り受ける。なお,債権譲渡の日(以下「譲渡日」)は,別途原告被告の合意により定める。
(イ)被告は,原告に対し,譲渡日において,本件債権1の対価として,残元本の額面額を支払う。
(5)本件債権2の譲渡通知(甲28,29,31)
原告は,C弁護士を代理人として,平成24年9月29日,アビリティ社に対し,本件債権2を被告に譲渡した旨通知した。
(6)被告のアビリティ社に対する訴訟(甲28)
被告は,平成24年11月12日,アビリティ社に対し,本件債権2の支払を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した(同裁判所同年(ワ)第32075号貸金返還請求事件)。
被告が提起した上記訴訟において,平成25年12月26日,アビリティ社が,被告に対し,本件債権2を分割して支払うことなどを内容とする和解が成立した。
(7)被告による一部支払
被告は,原告に対し,本件債権1ないし3の譲渡代金として,以下のとおり合計2億8500万円を三井住友銀行の原告名義の口座に振り込んで支払った。なお,被告の支払は,支払期が先に到来する本件債権2の譲渡代金,本件債権3の譲渡代金,本件債権1の譲渡代金の順に充当された(民法489条)。
平成24年5月23日 1500万円
平成24年6月20日 1500万円
平成24年7月20日 1500万円
平成24年8月21日 1500万円
平成24年9月5日 1500万円
平成24年9月28日 1000万円
平成24年10月31日 2000万円
平成24年11月28日 2000万円
平成24年12月19日 2000万円
平成25年3月29日 500万円
平成25年4月30日 500万円
平成25年5月31日 500万円
平成26年1月27日 1500万円
平成26年3月24日 1500万円
平成26年4月4日 1000万円
平成26年4月15日 3000万円
平成26年4月25日 1500万円
平成26年7月30日 2000万円
平成26年8月4日 2000万円
(8)催告等
原告は,平成27年9月20日,被告に対し,本件債権1ないし3の譲渡代金合計3億5000万円のうち,少なくとも5000万円の支払がされていないとして,同年10月9日までに支払うよう催告した(甲7,8)。
平成27年10月9日が経過した(当裁判所に顕著な事実)。
2  争点及び争点に対する当事者の主張
(1)譲渡代金の支払
【被告の主張】
ア 支払
被告は,平成24年4月24日,原告に対し,本件債権2の譲渡代金の支払として,1500万円をアビリティ社の名義で原告名義の銀行口座に振り込んだ。
イ 原告の自白
原告は訴状において譲渡代金の支払として被告から3億円の振込がされたことを前提に主張し,被告も準備書面(1)においてそれを前提とした主張をしているから,3億円の支払について既に自白が成立している。
したがって,被告の同意があるか,自白の内容が真実に反し,かつ錯誤によってなされたものと認められなければ,自白の撤回はできない。
【原告の認否反論】
ア 支払について
否認する。原告名義の銀行口座には平成24年4月24日にアビリティ社名義で1500万円が振り込まれているところ,原告とアビリティ社との間には平成23年11月4日付け業務委託契約が締結されている。また,アビリティ社は,前提事実(6)の訴訟において,本件債権2の弁済として,原告に1500万円を振り込んだ旨の主張はしていない。したがって,平成24年4月24日にアビリティ社名義で振り込まれた上記1500万円は,上記業務委託契約の報酬金の支払である可能性が高い。
なお,被告は,平成24年4月24日にアビリティ社名義で振り込まれた上記1500万円について,当初は,アビリティ社による本件債権2の弁済である旨主張していた。そのため,原告は,費用と手間をかけて,上記1500万円の振込みがアビリティ社による弁済ではないことを調査し,その旨の反証を行った。ところが,原告の反証がされるや,被告は,前言を翻し,上記【被告の主張】アの支払の主張をするに至ったのである。このような審理経過に照らすと,被告による上記支払の主張は,訴訟上の信義誠実の原則(訴訟上の禁反言)に反する主張であるから許されず,時期に後れた攻撃防御方法の提出に当たるから認められない。
イ 原告の自白について
原告は,訴状において,被告から平成24年4月24日に1500万円の支払があった旨の主張をしたが,被告による援用がされる前に上記主張を撤回したので,そもそも自白には当たらない。
(2)相殺の抗弁
【被告の主張】
ア 原告被告間の業務委託契約に基づくコンサルティング報酬請求権
被告代表者のBは,時給100万円を稼ぐコンサルタントである。ただ,当初は,原告に資力がないことから,前提事実(2)記載の対価の合意をしたにすぎず,最終的には時給100万円で報酬を精算する約定であった。そして,被告が原告に対し提供した労務時間は,2000時間を超えている。そのため,原告被告間の業務委託契約に基づき,原告から被告に支払われるべきコンサルティング報酬は,少なくとも20億円(100万円×2000時間)以上となる。ところが,原告が被告に対して実際に支払ったコンサルティング報酬の合計は6億2155万円である。なお,上記契約は既に終了しているから,報酬を精算すべき時期が到来している。
したがって,被告は,原告に対し,少なくとも13億7845万円のコンサルティング報酬支払請求債権を有している。
イ 被告の原告に対する不当利得返還請求権
仮に,上記アの契約上の債権が存在しないとしても,上記アのとおり,被告は原告のために相当長時間のコンサルティング業務を提供し,それにより原告が利益を得たことに変わりはない。
そして,本来被告が受領すべきコンサルティング報酬と原告が支払った報酬額との差額である13億7845万円を,原告は,法律上の原因なく利得している。
したがって,被告は,上記13億7845万円について,原告に対し,不当利得返還請求権を有している。
ウ 被告は,原告に対し,平成28年11月10日の第5回口頭弁論期日において,上記アの債権と,また,仮に上記アの債権が存在しないときは上記イの債権と,本件債権1の未払残代金債権とを対当額で相殺するとの意思表示をした。
【原告の認否反論】
被告の主張は否認する。そもそも,被告代表者のBが,○○と称して時給100万円を稼ぐコンサルタントと自称して著書を出版していただけで,実際にBが時給100万円を稼いでいた事実はない。
また,仮に原告と被告との間で,Bの時給を100万円とするような約定が成立していたとしても,そのような約定は暴利行為であるから,公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為として,実体法上無効である。
さらに,被告の主張は,事実的,法律的根拠を欠くものであって,被告においてそのことを知っているか,通常人であれば容易にそのことを知り得るものであるから,訴訟上の信義誠実の原則に反し,訴訟上の権利の濫用として,認められない。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)について
(1)原告の自白について
被告は,被告が平成24年4月24日に原告に対し1500万円を支払ったことにつき原告に自白が成立していると主張するので,この点についてまず検討する。
確かに,原告は,第2回口頭弁論期日で陳述した訴状において,「被告は,原告に対し,本件債権1ないし3の譲渡代金として21回にわたり原告名義の銀行口座に振り込む方法で合計3億円を支払った。」旨主張しているところ,その中には平成24年4月24日の1500万円も含まれている。そのため,原告は,被告が平成24年4月24日に原告に対し1500万円を支払った旨を先行して主張していたといえる。
しかしながら,被告は,第3回口頭弁論期日で陳述した準備書面(1)において,「被告が,原告に対し,平成24年4月24日の支払を除き,列挙された日にち及び金額のとおり支払を行ったという事実に限り認め,残元本5000万円の支払が未了であることについては否認する。同日付けの支払はアビリティ社からされている。」などと述べている。そのため,この時点で,被告は,同日の1500万円の支払につき,被告から原告に対する支払として援用してはいない。
被告が上記原告の主張を援用したのは,第5回口頭弁論期日で陳述した準備書面(2)においてである。ところが,原告は,それに先立つ第4回口頭弁論期日で陳述した第2準備書面において,上記主張を既に撤回していた。
したがって,原告が主張を撤回する前に,原告に自白が成立したとはいえない。
(2)譲渡代金の支払について
ア 甲3の3によれば,平成24年4月24日に,三井住友銀行の原告名義の口座にアビリティ社名義で1500万円が振り込まれていることが認められるところ,他方で,乙4によれば,同日に,三菱東京UFJ銀行の被告名義の口座から,原告名義の口座に向けて,1500万円を振り込む手続が取られたことが認められる。
そして,弁論の全趣旨によれば,平成24年4月24日ないしはその後数日の間に,1500万円が振り込まれた原告名義の口座がほかにはないことが認められる。
また,前提事実のほか,甲12,31及び弁論の全趣旨によれば,本件債権2は平成24年1月5日に1億円で原告から被告に譲渡されたものと認められる。そのため,同年4月24日に被告が原告に対し本件債権2の譲渡代金として1500万円を振り込むことも,十分にあり得るといえる。また,前提事実(7)のとおり,同年5月以降同年12月まで,ほぼ毎月20日頃に,被告から三井住友銀行の原告名義の口座に振込みがされている。特に,最初の数か月間は金額も同じ1500万円である。そして,同年4月24日に振り込まれた1500万円も含めると,同年9月28日に振り込まれた1000万円までで,合計1億円の振込みとなっている。
なお,前提事実(4)イのとおり本件債権3は同年11月14日に譲渡されているところ,前提事実(7)のとおり同年10月31日に2000万円が振り込まれている。したがって,この2000万円は,本件債権3の譲渡前に被告から原告に振り込まれたことになるが,仮に同年4月24日に振り込まれた1500万円が被告から原告に対する譲渡代金の支払でないとしても,少なくとも上記2000万円のうち500万円は,やはり本件債権3の譲渡前に被告から原告に譲渡代金の支払として振り込まれたことになる。そのため,原告と被告との間では,同年11月14日の本件債権3の譲渡前から,本件債権3の譲渡を前提とした譲渡代金の支払が行われていたものと解するのが相当であり,同年4月24日に振り込まれた1500万円が被告から原告に対する譲渡代金の支払であると認めることの妨げとはならない。
したがって,被告が,平成24年4月24日,本件債権2の譲渡代金として,三菱東京UFJ銀行の被告名義の口座から,三井住友銀行の原告名義の口座に,アビリティ社名義で1500万円を振り込んで支払ったものと認めるのが相当である。
イ これに対し,原告は,上記1500万円は,原告とアビリティ社との間で締結されている業務委託契約の報酬金の支払である可能性が高いと反論する。
確かに,甲30によれば,アビリティ社は,平成23年11月4日,原告に対し,ビジネスコンサルティング業務を委託する旨の契約を締結していることが認められる。しかし,同じく甲30によれば,その報酬は2250万円と定められ,アビリティ社は,これを平成24年1月4日限り,一括して原告に持参又は口座に振り込む方法により支払う旨定められている。そのため,同年4月24日にアビリティ社名義で振り込まれた1500万円については,上記契約で合意された報酬と金額が異なる上に,その支払時期も異なっており,その関連性を認めることができない。
したがって,原告とアビリティ社との間で業務委託契約が締結されていることは認められるものの,平成24年4月24日にアビリティ社名義で振り込まれた1500万円が上記契約の報酬金の支払であったと認めることはできない。
そのため,原告の上記反論を採用することはできない。
ウ また,原告は,被告の支払の主張が,訴訟上の信義誠実の原則に反する主張であるから許されず,時機に後れた攻撃防御方法の提出に当たるから認められない旨主張する。
しかしながら,本件において,被告の支払の主張が,訴訟上の信義誠実の原則に反すると認めるに足りる事情があるとはいえないし,時機に後れた攻撃防御方法の提出に当たると認めるに足りる事情があるともいえない。
(3)まとめ
したがって,本件債権1の未払残代金は5000万円である。
2  争点(2)について
確かに,甲33,乙3及び弁論の全趣旨によれば,被告代表者のBが,○○と称して時給100万円を稼ぐコンサルタントと自称して著書を出版していることは認められるが,Bが,実際に時給100万円を稼いでいたと認めるに足りる証拠はない。
前提事実のほか,弁論の全趣旨によれば,原告被告間の業務委託契約に基づき,原告は,被告に対し,既に6億円以上のコンサルティング報酬を支払っていることが認められる。そして,被告において既に支払を受けた報酬を超える報酬請求権があると認めるに足りる証拠はないし,原告に不当利得があると認めるに足りる証拠もない。
したがって,その余の点について判断するまでもなく,被告の相殺の主張は理由がない。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は5000万円及びこれに対する平成27年10月10日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこの限度で認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第33部
(裁判官 原克也)

 

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