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「営業ノルマ」に関する裁判例(13)平成24年 9月13日 東京地裁 平22(行ウ)356号 遺族補償給付不支給処分取消等請求事件

「営業ノルマ」に関する裁判例(13)平成24年 9月13日 東京地裁 平22(行ウ)356号 遺族補償給付不支給処分取消等請求事件

裁判年月日  平成24年 9月13日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(行ウ)356号
事件名  遺族補償給付不支給処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2012WLJPCA09138003

要旨
◆原告が、同人の夫の自殺はうつ病による休職からの復職後の業務上の心理的負荷によると主張して、遺族補償年金及び葬祭料の請求をしたところ、処分行政庁である労働基準監督署長から不支給決定を受けたことから、同決定の取消しを求めた事案において、本件においては、亡夫が精神障害を発病したと認められる平成15年3月頃までの6か月間に、本件精神障害の発病に関与したと認めるに足りる業務による心理的負荷の事実を認めることはできず、また、平成18年5月における亡夫の症状は、平成23年12月26日の厚生労働省労働基準局長発出に係る「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(新認定基準)が指摘する「精神障害の悪化」とみるべきところ、それまでの6か月間に、新認定基準の「特別な出来事」に該当するような出来事は認められない上、復職の際に症状が軽症化していたとも認められないなどとして、亡夫の死亡につき業務起因性を否定し、原告の請求を棄却した事例

参照条文
労働者災害補償保険法7条1項1号
労働者災害補償保険法16条
労働者災害補償保険法17条

裁判年月日  平成24年 9月13日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(行ウ)356号
事件名  遺族補償給付不支給処分取消等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2012WLJPCA09138003

横浜市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 影山秀人
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 国
同代表者法務大臣 A
処分行政庁 三田労働基準監督署長
被告訴訟代理人弁護士 竹野下喜彦
被告指定代理人 瀧澤秀行
同 渡邊素美
同 山﨑哲夫
同 田中信治
同 中莖昇一

 

 

主文

1  原告の請求を棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
三田労働基準監督署長が,平成20年9月10日付けで原告に対してした労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給をしない旨の処分を取り消す。
第2  事案の概要
1  本件は,原告の夫であった亡B(以下「亡B」という。)が平成19年6月18日に自殺したのは,同年4月2日に亡Bがうつ病による休職から復職した後に受けた業務上の心理的負荷によるものであるなどとして,原告が三田労働基準監督署長(以下「監督署長」という。)に対して遺族補償年金及び葬祭料の請求をしたところ,監督署長が不支給決定をしたことから,原告がこれを不服としてその取消しを求めた事案である。
2  前提事実(当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)  当事者等
ア 原告(昭和34年○月○日生)は,亡Bと平成2年3月に婚姻し,亡Bの妻であった者である。
原告と亡Bの間には,長男(平成3年○月生)及び二男(平成4年○月生)の2人の子がいる。
イ 亡B(昭和32年○月○日生)は,昭和56年3月に神奈川大学経済学部を卒業して,同年4月にa株式会社(以下「a社」という。)東京支店(当時。平成5年11月1日に東京支社へ改組された。)に入社すると同時に,b株式会社(以下「b社」という。)に出向して稼働していたが,平成8年10月,b社への出向が解除され,以後,a社東京支社で電気機械器具販売の営業を行うようになった。なお,亡Bの同月以後の昇進及び昇格の状況は概ね次のとおりである。
平成10年11月1日 課長に昇進
平成12年4月1日 Ⅳ等級(主幹)に昇格
平成17年11月1日 次長に昇進
平成18年4月1日 Ⅴ等級(参事)に昇格
(2)  亡Bは,平成19年6月18日午前3時頃,自宅マンションのベランダから路上に飛び降りて自殺した。
(3)  原告は,亡Bの自殺は業務による心理的負荷によって発病した精神障害のためと思われるとして,監督署長に対し,平成20年2月4日,遺族補償年金支給請求書及び葬祭料請求書を提出してその支給を請求した。
これに対し,監督署長は,要旨,亡Bは平成14年4月頃にICD-10(国際疾病分類第10版)の「F3 気分障害」を発病し,その後も症状が寛解することなく継続していたものであるところ,上記発病について業務起因性を認めることはできないとして(乙29〔枝番を含む。枝番があるものは特に標記しない限り以下同じ。〕),上記各支給請求について平成20年9月10日付けで不支給決定(以下「本件処分」という。)を行い,これを原告に通知した(甲2,3)。
原告は,これを不服として,労働者災害補償保険審査官に対し,審査請求を行ったが(乙30),同審査官は,平成21年6月10日付けで原告の審査請求を棄却し(乙31),さらに原告は,労働保険審査会に対して再審査請求を行ったが(乙32),同審査会は,平成22年2月3日付けで再審査請求を棄却した(甲1)。
(4)  原告は,平成22年7月7日に本件訴訟を提起した。
3  争点及び当事者の主張
本件の争点は亡Bの死亡が業務上の事由によるものか否かであり,これに関する当事者の主張は次の4及び5に各記載のとおりである。
4  原告の主張
(1)  本件に係る事実経過は,概ね以下のとおりである。
ア 亡Bは,a社東京支社に在勤中の平成14年頃,肺気胸(「自然気胸」と同義であり,以下「自然気胸」と表記する。)を発病して入院治療し,その後,平成15年頃から不眠の症状が現れたことに伴い,同年3月4日,小原クリニックを受診して不安神経症と診断され,軽い精神安定剤を継続的に処方されるようになった。
イ(ア) 亡Bは,平成16年頃よりa社のC(以下「C」という。)東京支社長から自宅でパソコンを購入するように言われ,購入後,土日夜間を問わずメールチェックや返信をせざるを得なくなり,返信が遅くなると土日でもCから叱りの電話が入るようになった。そのため,平日は,帰宅後の夜間や早朝出社前の午前5時頃から,毎日メールチェックや返信をし,土日の休日も早朝からパソコンに向かってメールチェックや資料作りをするなど,自宅における残業が過重に増えた。それは,Cが「24時間勤務態勢を取れ。」,「仕事のメールは全部回す。自分の担当でなくとも意見や助言をしろ。」,「メールにはすぐに返信しろ。」などと亡Bに命令していたからである。
(イ) その後も,Cの亡Bに対するプレッシャーには酷いものがあり,例えば,平成17年6月21日の亡Bに対するメールでは,「Bよー。こんなバカ相手にしてるんだぞ。最悪の事態を想定して事前準備して対策を考えろ!と指示してるにこの感性だもんな。バカを絞め殺せたらどんなに楽かを考えてしまうよ。頼むからバカと一緒の次元で発言しないでくるよな。」などというものがあり,また,業務命令として色々な資格試験を受験するよう強要されたりした。さらに亡Bは,平成18年3月,次長に昇格したが,この昇格により仕事量が増え,前よりもひどい不眠の症状に苛まれるようになった。
(ウ) そこで,亡Bは,同年5月15日,小原クリニックで強い精神安定剤を処方されたが,同年10月以降は,職場でもそれと分かるほどに症状が悪化し,小原クリニックの紹介で,同年11月6日から平成19年2月6日まで久里浜アルコール症センターに入院をした。そこでの診断は,ストレスが原因の肝障害とうつ病というものであった。
ウ 原告は,亡Bが久里浜アルコール症センターを退院して間もない同月13日,小原クリニックに行き,同月9日から約3か月の安静加療を要するとの「うつ病」の診断書をもらい,これを同月16日にa社に提出した。
エ 原告及び亡Bは,同年3月29日,a社を訪れてCと会い,亡Bの復職を強く希望した。これを受けて,a社は同年4月2日から亡Bの復職を認めた。
亡Bが復職すると,a社は,亡Bに対し課題を出し,期限を限ってこれに対する報告書の提出を求めた。
オ 同月18日,亡Bはa社のD社長(以下「D社長」という。)及びCと面談した。D社長は,亡Bの体調が悪そうに思えたので療養を勧めたが,亡Bは勤務続行を希望した。そこで,a社は,「職務の遂行に関しては東京支社長殿のご指示に全面的に従い,全知全霊を賭して会社利益拡大へ貢献する決意であります。尚,職務遂行上,不都合が生じた場合には会社側のご指示,ご方針に全面的に従い,一切異議申し立てしないことを誓います。」などの文言が書かれた同月19日付誓約書を亡Bに提出させるとともに,同月末日付で1階級降格処分とした。
カ 亡Bは,同月中は出社したものの,課題に対する報告書の作成ができず,当初の提出期限(同月23日に設定されていた。)は,その後,同年5月7日,同月10日,同月22日,同年6月20日と順次延期された。
また,同年5月に入ると,亡Bは出社すらままならなくなっていった。
キ この間,Cは,職場復帰後体調を崩していく亡Bに対し,以下のようなメール等による業務指示を出し,プレッシャーをかけ続けた。
(ア) 同年4月19日(木曜日)
a 同日午後6時25分,Cは,自分の携帯電話から,亡Bの携帯電話宛に次のようなメールを送った。
「A3×10枚とキングファイ2冊は冗談ではないからね。念のために言っておきます。5月7日ヒアリング資料は職場復帰した時から指示してたはずだし,Bは進んでいると返答してたよな。給料1ケ月分のアウトプットとしたら当たり前だよ。約50万円だよ。汗をかけと昨日も言ったけど,小手先の仕事じゃダメです。もう後が無いんだから必死にやって下さい。頼むよ。」
b 同日午後6時37分,Cは,同様,亡Bの携帯電話宛に,次のようなメールを送った。
「明日午前中には来週の訪問日を確定すること。俺が指示したらすぐに行動しろよ。やることがノロノロしすぎだよ。」
(イ) 同月20日(金曜日)午前8時42分
この日,亡Bは出張に出ていた。
Cは,亡Bに対し,同日午前8時42分に,次のようなメールを送った。
「以下の指示事項を守って下さい。
1.私がメールで発信した事項については必ず返信すること。
2.5月7日のヒアリング対応
A3×10枚とキングファイ2冊は冗談ではないからね。念のために言っておきます。5月7日ヒアリング資料は職場復帰した時から指示してたはずだし,Bは進んでいると返答してはず。給料1ケ月分のアウトプットとしたら当たり前だよ。約50万円だよ。汗をかけと昨日も言ったけど,小手先の仕事じゃダメです。もう後が無いんだから必死にやって下さい。
3.省エネセンター訪問
(黒塗り)(注 判読不能部分。以下同じ。)さんに頼んで見るので,可能なら連休前に訪問すること。
4.4月26日のc社訪問だが,(黒塗り)の代理店として営業訪問するので,是非商談に結び付けて下さい。」
(ウ) 同月26日(木曜日)午前9時26分
亡Bは,この日,出張に出ていた。
Cは,亡Bに対して,次のようなメールを送った。
「先日申し渡した通り,4月30日付けでⅣ等級・主幹に降格してもらいます。今後更に降格するとか,会社を辞めてもらうことにならないよう,身体を張って必死に頑張って欲しい。今回の人事異動通知は君の面子もあるだろうから,支社内に掲示することはやめます。」
(エ) 同月27日(金曜日)
a 同日午前8時41分
出張の翌日,亡Bは,Cに対して,メールで体調不良で病院に行くため休暇を申し出たところ,Cから,亡Bのほか,D社長及び会社幹部と思われる数名宛てに次のような返信がなされた。
「出張翌日の休暇は好ましくないが,体調不良なら致し方ないので充分養生して下さい。今日期限の宿題(支社会議報告,週報)は連休中に作成し,送付しておいて下さい。5月7日期限の新規事業の答申書は君にとって重要な課題なので,連休を活用して全力投球して下さい。」
b 同日午後2時50分
Cは,亡Bの会社及び自宅のパソコン,自分の会社のパソコン宛てに,次のようなメールを送った。
「既に指示しているが,5月7日の答申書には下記の内容を必ず盛り込むこと。
①新規事業,環境事業,炭化装置の市場動向と推進団体,補助金等の調査
②a社として何を?どのようにして?それらに取り組むべきなのか?
③a社に必要な人材の技術力,質,量は?
④これらの事業の目標数値いくらコミットし,具体的にどのようにして実現するのか?
⑤5W1Hで考え,52期下期,53期,54期について展開せよ。」
c 同日午後4時
Cは,亡Bの自宅及び会社のパソコン,自分の会社のパソコン宛てに次のようなメールを送った。
「26日の(黒塗り)・(黒塗り)との面談内容を出張報告にして作成下さい。世間は5月1日,2日は休みじゃないので,(黒塗り)に俺から報告する必要がある。メール添付で送付して下さい。」
(オ) 同年5月7日(月曜日)(大型連休を含む11日の連続休暇の翌日)
a 同日午前7時19分
亡Bが,Cに対して,休暇及び宿題の提出期限の猶予を申し出たのに対して,Cは,次のように返信している。
「休暇は了承します。が,既に指示したように,26日の(黒塗り)の出張報告を作成して下さい。仕事にはケジメをつけて欲しい。」
b 同日午前8時24分
Cは,亡Bに対し,同日及び翌8日の休暇は了承したものの,宿題の期限の猶予の申し出に対しては,次のようなメールを送った。
「ヒアリングは5月10日(木)10時からにします。1ケ月間これだけをやっていた訳だから,今更暗中模索ということはないはず。」
(カ) 同月9日(水)(大型連休を含む13日の連続休暇の最終日)
a 同日午後3時6分
Cは,休暇中の亡Bに対し,次のようなメールを送った。
「明日(10日)の出社を待っています。10時から宿題のヒアリングをしますので,復職後1ケ月間の仕事の成果がきちんと説明出来ることを期待しています。社長へ提出した誓約書をもう一度読み直して下さい。」
b 同日午後4時28分
亡Bは,Cから上記aのメールを受け取った後,次のようなメールを送った。
「ご迷惑をお掛けし申し訳有りません。明日は出社致しますが,宿題事項については今暫くご猶予賜りたくお願い申し上げます。」
これに対し,Cは,亡Bの猶予を認めず,次のように返答した。
「4月23日期限で指示したことを,連休中頑張れるように5月10日まで待った。本来であれば,明日ヒアリングに耐える成果が出せないのならば,誓約書通り会社を辞めてもらうことになるが,もう一度(本当に最後の)チャンスを与えるので,心して取り組んで,成果を示して欲しい。約束は守らない,成果は出せない人間を雇用しておく余裕はa社にはありません。」
亡Bは,Cの返信に対し,次のように応じている。
「時間が有れば有るほど,中身の質を期待されるからね。期待に沿える様 努力致します。」
(キ) 同月10日(水曜日)
宿題の報告を厳しく求められた翌日,亡Bは,Cに対し,腰に違和感があることを理由として,この週一杯の休暇を申し出ている。これに対して,Cは休暇を認めているが,さらに厳しく宿題の提出を求める次のようなメールを送っている。
「休暇願い了承しました。今日期限の宿題の回答が出来ないのは残念です。昨日もメールしたが,5月22日の宿題回答はBにとって最後のチャンスだから,必死になってやって欲しい。もう日程の順延はしないし,報告内容の質,量次第では会社を辞めてもらうことになるので,覚悟を決めてやってもらいたい。4月27日の休暇から17連休になる。時間は十二分にあったはずである。」
(ク) 同月15日(火曜日)
亡Bは,17日の連続休暇を終えて,同月14日(月曜日)に出社した。その翌日である同月15日(火曜日),亡Bは,Cに対し,休暇を申し出ている。
これに対し,Cは,次のようなメールを送っている。
「休暇願い了解しました。17日ぶりに出勤した翌日に休暇というのはいかがなものかな?」
(ケ) 同月16日(水曜日)
亡Bは,Cに対して,次のようなメールを送っている。
「おはようございます。昨日,家内より報告を受けました。未だ『うつ病』の方が完治していないのですかね。今日,病院へ行って今後の治療方法等について相談してまいります。」
これに対して,Cは,次のように応じた。
「今日社長が東京支社に来られるので,報告しておきます。」
(コ) 同月17日(木曜日)
Cは,亡Bの体調不良を理由とする休暇の申し出を了承した。また,亡Bの妻である原告と電話で話をして,小原クリニックに行ったことを聞いた。
この日,原告は,亡Bに入院加療が必要ではないかと考え,亡Bとともに小原クリニックに行き,北里東病院への紹介状を受け取っている。
(サ) 同月21日(月曜日)
Cは,原告から,北里東病院を受診したこと,北里東病院では医師から,ベッドに空きがないこと,本人も入院したくないと言っていること,「うつ病」は治っているため診断書は書けないと言われたことを聞いた。
なお,この日,原告は,小原クリニックに赴き,北里東病院での受診結果を同クリニックのE医師(以下「E医師」という。)に報告したところ,E医師は亡Bに対して,初めて抗うつ剤を処方した。
(シ) 同月22日(火曜日)
a 同日午前10時9分
Cは,亡Bのうつ病が悪化していることを十分に認識し得たにも関わらず,亡Bに対し,要旨,次のような厳しいプレッシャーをかけるメールを亡Bの自宅のパソコン及び携帯電話宛に送った。
「本日(5月22日10時)が宿題の期限であるが,無断欠勤してヒアリングをすっぽかしたことは真に残念である。宿題の期限をズルズルと引き伸ばした挙句,約束を守らなかったことは就業規則違反により即日解雇に該当するが,本社と相談の結果,もう一度だけチャンスを与える。6月20日(水)までに宿題を完成させ,報告すること。会社ではボーとせず,必死になって課題に取り組むこと。復職時に書いた誓約書を再度読み直し,これらを真摯に受け止め全力を尽くすこと。6月20日に期待する成果が出ない場合は,就業規則違反により解雇します。(社長,社長室長,総務部長承知)宿題ヒアリング日時:6月20日(水)10時~ 5月になって14日(月)の1日だけ出勤しているが,会社は出勤して”なんぼ”なんだから,態度を改めるべきじゃないかな。再確認のため,宿題事項を示す。」
b 同日午後1時30分
Cと亡Bの間には,次のようなメールのやり取りがなされた。
亡BからC宛:昨日クリニックに行ってまいりました 暫く静養が必要との事で薬を出して頂きました 出社日については 追って連絡させて頂きます なにせ鍵もないことですし
Cから亡B宛:今日(22日)は何の連絡もなく休んだので欠勤扱いとしました。明日以降どうするんですか?休暇ならその旨をCに事前に連絡してもらわないと欠勤にします。鍵を返却してもらったのは,5月になって1日しか出勤していないので鍵を紛失されては困るからです。朝は8時過ぎにはCかFが出勤していますので不便は無いはずです。北里病院では「うつ病」は治っているとの診断だそうですが,クリニックがしばらく静養が必要と言っているなら,診断書を提出して下さい。何の病気なんだかさっぱり分かりませんので。今日メールしましたが,本社(社長,社長室長,総務部長)と相談して宿題の期限を6月20日(水)に延ばしました。これが最後,もう待った無しですので,心して取組んで下さい。
c 同日午後1時42分
亡Bは,Cに対し,次のとおり休みを申し出て,Cは了解した。
亡BからC宛:一応今週一杯休暇を頂きたくお願いします。
Cから亡B宛:明日(23日)から25日までの休暇は了解しました。診断書を提出して下さいね。
d 同日午後3時49分
亡BとCとの間で次のようなやり取りがされている。
亡BからC宛:中間F/役員会って何時でしたっけ?
Cから亡B宛:何で知りたいの?
亡BからC宛:今月じゃなかったかと 思っただけですが
Cから亡B宛:だから,なんで中間F/役員会の日を知りたいんですか?と聞いているんです。理由を教えて下さいよ。
亡BからC宛:特に理由は 有りませんか
Cから亡B宛:余計なことに気を回さず期限までに宿題をどうやるか,に専念した方が良いと思うよ。先程メールしたけど,診断書をもらって下さい。静養する理由が知りたいのと何を治療する薬なのか教えて下さい。メールは会社のアドレスにお願いします。
ク 同年6月5日,原告及び亡Bは,羽田空港でD社長と面談した。原告らからは,課題に対する報告書を提出しないと解雇になるのかなどを尋ね,D社長は,解雇を目的として課題を出しているのではなく,社員としての姿勢を見たいのであるといった話があった。
その翌日の同月6日からは,亡Bはa社に連続して出社した。
ケ 同月18日午前3時頃,亡Bは自宅マンションのベランダから路上に飛び降り,自殺した。この日は,課題の最終提出期限である同月20日を前にした社長面談が予定されている日であった。
(2)ア  労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく保険給付において,業務による心理的負荷が社会通念上,精神障害を発病させる程度に過重であるといえる場合,業務と死亡等の災害との間に相当因果関係があると認めることができるが,既存疾病が存する場合でも,業務と当該既存疾病等が共働原因となって災害が発生していると認められる場合,あるいは,被災者の有していた基礎疾患等が業務の遂行によってその自然の経過を超えて急激に悪化したことによって災害が発生したものとみるのが相当な場合にも,相当因果関係を認めることができるというべきである。
イ  しかるところ,亡Bの自殺までの経過は,前記(1)のとおりである。
本件処分は,労働省(当時)労働基準局長が発した平成11年9月14日付け基発第544号「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」と題する通達(以下「判断指針」という。乙36)に基づき,亡Bが精神障害を発病させたのが平成14年4月であるとしてその直前の概ね6か月の間の業務のみに注目をし,それ以降死亡までの約5年間を単なる因果の流れとして切り捨ててしまっている。しかし,亡Bに精神障害の既存疾病があったとしても,それのみで当然に自殺に結びつくものではない。
むしろ,亡Bは,うつ病の既存疾病を有しながらも平成19年4月2日に復職したのに,それ以降,a社から期限を限って課題提出を迫られ,降格処分も受け,最後は解雇を通告されるなどしたため,うつ病が自然経過を超えて急激に悪化し,課題の最終提出期限の2日前である社長の面談予定日の早朝に自殺をしてしまったものと認めるべきである。
したがって,本件は,復帰後の業務とうつ病の悪化による自殺という災害との間に相当因果関係が存する事案であり,業務起因性を認めるべきである。
(3)  被告は,亡Bの死亡(平成19年6月18日)の5年以上前のエピソードである平成14年4月の気分障害を対象疾患の発病ととらえ,その6か月前(平成13年10月から同14年3月まで)の業務の危険性で業務上外の判断をすべきであると主張する。
しかし,そもそも,5年以上も前のある時期の業務の実態など把握することは極めて困難であり,業務の危険性がどの程度あったかは不明としか言いようがない。また,気分障害を,死亡直前のうつ病と同一のものとしてつながるとみていることも疑問である(ICD-10も,持続性気分障害(F34)とうつ病エピソード(F32)とを細分類しており,精神疾患としての重症度も明らかに異なる。)。
(4)  被告は,うつ病発病後は症状の程度に関係なく自殺が起こり得るとして,その発病後の出来事に基づく業務起因性について否定的主張をするが,うつ病には制止(優位)型うつ病と不安・焦燥(優位)型うつ病とがあり,後者においては自殺(企図)の危険は病態の極期にある。判断指針では,制止(優位)型うつ病と不安・焦燥(優位)型うつ病を全体として観察してしまっているので,自殺は極期の前後でも極期でもいつでも起こり得ると考えてしまっているのであり,これは医学的合理性に欠ける。よって,不安・焦燥(優位)型うつ病の症状を呈している患者であれば,うつ病の発病後の業務上の出来事やその心理的負荷であっても,それによりうつ病の症状を悪化させ,極期に至らしめて自殺をしてしまったような場合は,業務と自殺との相当因果関係を認め得るというべきである。
(5)ア  そもそも,以下の点に照らすと,亡Bは,平成18年5月頃には,業務に起因して,それまでの不安神経症とは異なるうつ病を発病したと見るべきである。
(ア) 前記のとおり,亡Bは,平成14年,自然気胸を発病し入院治療をし,その後,平成15年3月4日より,不安や不眠の症状で小原クリニックを受診し,不安神経症と診断されて投薬治療を受けたが,この投薬は軽い精神安定剤によるものであり,その後これを継続したことにより,亡Bは約3年間安定した生活を送っていた。
(イ) そうしたところ,亡Bは,平成18年5月15日,「3日間不眠が続いた。出世について悩んでいる。」などと訴えて,小原クリニックを受診した。この時は,精神がかなり不穏状態,混迷状態であったため,E医師は今までとは全く違う薬を処方している。すなわち,ホリゾンとコントミンを筋肉注射し,相当強い睡眠薬のべゲタミンAを投与した。E医師は,この時期に亡Bの病状が劇的に変化したと感じている。
(ウ) 亡Bは,同年10月16日,「仕事の量が増えて,不眠が増悪した。」と訴えて,小原クリニックを受診した。この時,E医師は,強い精神安定剤であるレボメプロマジン4錠を追加処方している。
(エ) 亡Bは,同年11月4日,ほぼ混迷状態で小原クリニックを受診した。この時の主な訴えは,右肩が痛い,のどが乾く,おしっこが濃い,食欲がない,眠れないというものであった。E医師は,ホリゾンを注射したり点滴に精神安定剤を入れるなどの処方をした。そして,E医師は,久里浜アルコール症センターに紹介状を書き,亡Bは,同月6日から平成19年2月8日まで,同センターに入院した。
なお,平成18年10月27日と同月30日,亡Bと一緒に会食をした上司のCは,亡Bに嚥下障害や歩行障害があったと証言している。
(オ) E医師が亡Bに抗うつ剤のドグマチールを処方したのは,平成19年5月21日が最初である。
(カ) E医師は,亡Bのうつ病の発病は,平成18年5月頃であろうと証言している。
イ  しかるところ,亡Bは,平成16年頃よりCから自宅にパソコンを購入するように言われ,購入後,土日夜間を問わずメールチェックや返信をせざるを得なくなり,自宅における残業が過重に増えたことは前記のとおりである。
平成18年に入った頃の亡Bの自宅における残業時間は,平日の午前5時頃から午前6時頃及び午後8時頃から午後10時頃の少なくとも合計3時間くらいが毎日あり,加えて,土日も少なくとも各3時間がメールチェックやパソコンによる書類作成に費やされたと考えられ,概ね月間90時間くらいはあったものと考えられる(3時間×30日)。
さらに,この頃になると,亡Bが休日,有給休暇,体調不良の日などで自宅にいても,Cからメールで指示が入る始末であった。また,メールの内容も,極めて支配的であり,亡Bに強いプレッシャーを与えるものであった。平成17年6月21日の亡Bに対するメールは前記(1)イ(イ)のとおりであり,その他,Cから亡Bに対するメールには,例えば,次のようなものもあった。
(ア) 平成18年1月5日午後零時9分
近くて便利な場所なら「C」が,遠くて不便な場所なら「B」が出席すべく予定しておきます。
(イ) 同年2月6日午後7時39分
2級合格おめでとう。今年のチャレンジ目標は1級を目指して下さい。募集は3日から始まっているのでタイミングがズレナイよう申し込みをして下さい。来年は東京支社の全員にチャレンジしてもらうつもりなので今年中に合格しておく方が有利ですよ
(ウ) 同月14日午前11時29分
泣く時はB・J一人の方がいいよな。
(エ) 同月28日午後零時18分
定時連絡はどうしたの?
(オ) 同年3月10日午前8時12分
(長男の中学校の卒業式のため有給休暇のお願いをしたことに対して)了解しました。俺なんか一度も出たことないけど。こういう時代なのかな?
(カ) 同年4月10日午後8時53分
役員だけが大変じゃないの。4等級以上の幹部社員は24時間勤務なんだから皆大変なの!(中略)休日会議,お疲れ様です。
(キ) 同月11日午後2時0分
忙しいでしょうがa社存亡の危機ですからね。平日だめなら土日もありますよ!
(ク) 同月12日8時37分
今回の幹部会用の資料は非常に大切です。性根を入れて作成して下さい。15日の土曜日4等級以上の幹部は全員出勤して資料作成したらどうかな。(中略)平日だめなら土日もありますよ!
(ケ) 同日午前9時1分
今電車の中なので後で電話しますが,早く該当者に15日の出勤指示を出して下さい。何でも遅いんですよ!
(コ) 同月20日午後8時2分
赤になれば社員のボーナスも給料も査定で減らさざるを得ないので君ら管理職の血みどろの努力が重要ですから。
(サ) 同年5月10日午後8時13分
一級施工管理技師士に管理職自ら率先してチャレンジしろと言ってるだろう。Bが何で率先してチャレンジするとなぜ表明してくれないのかな?それが残念だな(中略)24時間勤務の本当の意味が理解出来ないのなら,言ってくれ。楽にしてやるから。
(シ) 同月15日午前10時5分
(今日会社に出社致しましたが,熱が下がらず意識が朦朧の状態ですとのBのメールに対して)体調不良の原因は何だったんだ?(その後もしつこく追及)
(ス) 同年6月1日午後1時8分
しかし,携帯電話が通じないのは何故なんだい?困るんだよ。連絡がとれないのは?ぶち切れそうだよ。監督がバントしろと言ったら,黙ってバントしろ。それが出来ないなら……。月曜日にじっくり話そう。
(セ) 同日午後5時17分
上司との電話を途中で切る奴なんて知らんよ。(中略)こうやって不信感がつのっていくんだ。月曜日は覚悟して出て来いな。Bにおちょくられるのはもうたくさんだよ。
(ソ) 同年7月14日午後7時31分
3連休を返上してもいいですから。(五等級管理職には休みなどはありませんからね)(中略)そう簡単な作業じゃないと思うんだけど。この3連休は二人で何日出勤して資料を作るのか楽しみにしています。
(タ) 同年8月2日午前零時0分
下記の指示事項を徹底して下さい。
1.日常の業務に係るメールは,必ずccでいいから,C+F・B⇔B・Jに送付のこと
メールの内容に対しては,直接タッチしていない業務に関しても,意見や助言をすること。
2.Cが指示したメールに対しては,必ず返信すること
3.携帯電話に出られない場合は必ず留守番モードにし,頻繁に留守電内容を確認すること
4.休暇中でも出張中でも仕事はできる。8月21日期限で東京支社の経営についてのレポートを提出してもらう。
ウ  以上のように,亡Bは,自宅における長時間残業や,平日・休日及び早朝・深夜を問わないCからのメール等によるプレッシャーにより,過重なストレスを受け,しかもそれは,平成18年3月のⅤ等級次長昇格によりさらに強まった。亡Bは,このような業務による過重なストレスのため,ひどい不眠の症状にさいなまれ,同年5月頃,うつ病を発病したのであり,同発病には業務起因性がある。
エ  また,亡Bは,平成19年4月2日に職場復帰したが,職場に戻れるほどであるから,復帰時のうつ病は軽症であったと考えられる(入院治療をして断酒も実践していたことで,うつ病は軽症化していたと思われる。)。
ところが,a社は,前記のとおり,亡Bの症状を把握しないまま,期限を定めた課題の提出を迫り,降格処分をしたり,解雇を通告したりした。これらは,ストレス評価として重いものであり,これにより,亡Bは日常生活にも支障が生じるほどにうつ病を悪化させ,自殺に至ってしまった。
したがって,職場復帰後の安全配慮義務違反の業務の遂行により,自殺に至ったものであるから,この点でも,業務起因性は認められるべきである。
(6)  被告は,亡Bの個体側要因としてアルコールの依存傾向がうかがわれたと指摘しているが,これは気分障害の発病前ではなく,発病後の事情である。原告の立場からすれば,業務上のストレスが,大きかったゆえにアルコールに依存した面もある。
5  被告の主張
(1)ア  労災補償制度は,労働者が従属的労働契約に基づいて使用者の支配管理下にあることから,労務を提供する過程において,業務に内在する危険が現実化して傷病等が引き起こされた場合には,使用者は,当該傷病などの発病について過失がなくても,その危険を負担し,労働者の損失補償に当たるべきであるとする危険責任の考え方に基づくものである。
このような制度の基本的な趣旨に照らすと,業務起因性が認められるためには,業務と疾病との間に条件関係,すなわち,事実的因果関係があるだけでは足りず,上記の両者間に法的にみて労災補償を認めるのを相当とする関係,すなわち,相当因果関係が存在することを要すると解すべきである。そして,精神障害の発病と業務との相当因果関係が認められるためには,①当該業務の負荷が,平均的な労働者,すなわち,日常業務を支障なく遂行できる労働者にとって,業務によるストレスが客観的に精神障害を発病させるに足りる程度の負荷であると認められること(危険性の要件),②当該業務による負荷が,その他の業務外の要因に比して相対的に有力な原因となって,当該精神障害を発病させたと認められること(現実化の要件)が必要である。
原告は,既存疾病が存する場合において,業務と当該既存疾病等が共働原因となって災害が発生していると認められるときでも,相当因果関係を認めることができるというべきであると主張するが,かかる主張は上記見地から妥当なものではない。
イ  本件処分は判断指針に基づき行われたものであるところ,判断指針は,精神障害等の労災認定に係る専門検討会の報告書を踏まえ,当時における最新の精神医学,心理学等の専門的知見に基づいて示された心理的負荷による精神障害等の業務起因性の判断基準であり,以下の3要件をいずれも満たす精神障害については,労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する疾病として取り扱うこととしている。
a 対象疾病(ICD-10の第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される精神障害をいう。)に該当する精神障害を発病していること。
b 対象疾病の概ね6か月前の間に,客観的に当該精神障害を発病させるおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること。
c 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害を発病したとは認められないこと。
その後,判断指針は,厚生労働省労働基準局長発出に係る平成21年4月6日付け「心理的負荷による精神障害等の業務上外の判断指針の一部改正について」(基発第0406001号)によりその一部が改正されたが,その基本的な考え方は変更されていない。なお,判断指針は,その後,平成23年12月26日,新たな認定基準(厚生労働省労働基準局長発出に係る「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(基発1226第1号。以下「新認定基準」という。)が定められたことに伴って廃止されたが,新認定基準においても,上記の基本的な考え方に実質的変更はない。
(2)  専門医3名で構成する東京労働局地方労災医員協議会精神障害等専門部会(以下「専門部会」という。)は,その意見書において,亡Bの精神障害の発病時期とその疾病名について,亡Bが受診した医療機関の意見や原告の供述を検討した上で,「ICD-10の診断ガイドラインに照らして分類すれば,平成14年4月に気胸を発症し呼吸困難発作を起こし,再発不安から抑うつ気分,動悸,息切れ,全身倦怠等の症状が顕著になった平成14年4月にF3の『気分障害』を発病し,その後も症状は動揺を繰り返しながらも寛解することなく継続していたものと推察される。」との見解を示しており,その見解は妥当である。したがって,亡Bの平成14年4月頃に発病した気分障害を対象疾病として,その業務起因性を判断すべきである。
しかるところ,上記対象疾病の発病前おおむね6か月の間である平成13年10月から平成14年3月までの間,亡Bについて,気分障害の発病に関与したと考えられる業務による出来事(判断指針の別表1に該当するような出来事)は認められない。
なお,業務以外の心理的負荷としては,同年4月12日に自然発生による左肺の自然気胸が生じ,川崎幸病院に入院して同月17日まで治療を受けたという出来事があった。また,個体側要因として,アルコールの依存傾向がうかがわれた。久里浜アルコール症センターのG医師は,亡Bが40代に入って酒を飲む機会及び酒量が増大し,昼酒や連続飲酒が出現していることから,40代に入った平成10年頃にアルコール依存症に罹患したと判断している。すなわち,亡Bは,持続性気分障害及びうつ病エピソードの罹患に先行してアルコール依存症を発病していたと考えられる。
(3)  原告は,既存疾病が存する場合でも,被災者の有していた基礎疾患等が業務の遂行によってその自然の経過を超えて急激に悪化したことによって災害が発生したものとみるのが相当な場合にも相当因果関係を認めるべきであるなどと主張する。
しかし,うつ病は,いったん発病すると,多少動揺しながら悪化し,底に達してしばらく持続し,その後,自然に徐々に回復するという過程を経て一つの病相が終わるもので,大小の変動を繰り返しながら悪化し回復するのがうつ病の自然的経過であるとされているから,病状の変化は,病状の悪化ではあっても,労災補償制度で用いられるような「増悪」に直ちに該当するものではない。したがって,発病後の症状の変化について「急激な悪化」という概念を用いて説明しようとすること自体,その前提において誤っている。
また,精神障害を既に発病した者の具体的出来事の受け止め方は,病的状態に起因した思考により,自責・自罰的となり,客観的思考を失うため,些細なストレスであってもそれに過大に反応することは一般的であることから,既に発病している者にとっての悪化(増悪)要因は必ずしも大きなストレスが加わった場合に限らない。それ故,精神障害を既に発病した者にとっては,「症状の悪化」や「自殺」という結果に対して,ストレスの強度と脆弱性の大きさとが相関関係にあるということはできないのであって,正常であった人が精神障害を発病するときの図式に当てはめて業務起因性を判断することも誤りである。
(4)  原告は,平成14年4月頃に発病した気分障害を対象疾病として業務起因性を判断すべきであるとの被告主張を争い,亡Bにつき,平成18年5月頃,新たに業務に起因してうつ病が発病したものであるから,業務起因性を肯定すべきであるなどと主張する。
しかしながら,その頃に亡Bの症状が悪化してうつ病と判断できるような状況となったとしても,以下のとおり,それをもって新たな発病とみることはできないというべきである。
ア ICD-10は,「精神および行動の障害」について,F0からF9まで10に分類し,それぞれの分類について細分類しており,F3の気分〔感情〕障害についても7に細分類している。なお,一般の診断名として多用されている「うつ病」は,F32のうつ病エピソードに該当する。
ところで,精神医学上,気分障害(F3)の細分類であるうつ病エピソード(F32),反復性うつ病性障害(F33)及び持続性気分障害(F34)は,それぞれの関係が非常に深いものとされている。
すなわち,反復性うつ病性障害は,うつ病エピソードが反復し,躁病エピソードの病歴を欠くものとされている。また,持続性気分障害の細分類の一つである気分変調症(F34.1)は,個々のエピソードの重症度あるいは持続期間において,軽症あるいは中等症の反復性うつ病性障害の診断基準を満たさない程度の慢性的抑うつ気分であり,過去において,特にこの障害の発症時には,軽症うつ病エピソードの診断基準を満たすことがあってもよいとされている。
このようなことから,気分変調症と大うつ病(なお,大うつ病は,F32のうつ病エピソードに該当する。)とは,重症度と慢性度とに基づいて鑑別されるが,実際には両疾患が類似の症状をもっており,疾患の発病,期間,重症度を遡及的に評価することが困難であるという事実により,両疾患の鑑別はしばしば困難であるとされている。
したがって,持続性気分障害の経過の中で病態が増悪し,症状がうつ病エピソードの診断基準を満たし,うつ病エピソードとして治療されるような事例においては,経過全体を一連のものとして考え,気分障害(F3)として捉えるのが通常であって,持続性気分障害とうつ病エピソードとを鑑別する必要はない。
イ E医師は,亡Bの精神障害の発病について,平成14年4月頃,「突然発病した気胸及びそれに伴う呼吸困難の出現により再発不安,体力に関する自信喪失が契機」となって,持続性気分障害(F34)及び身体化障害(F45)を発病したと判断している。そして,うつ病については,「不眠,不安,抑うつ気分の増悪に伴いH18.5.15上記疾患と認め薬の投与を増量した」としている。
この点,E医師は,初診時の診断が「不安神経症」であるとした上で,うつ病との関係について,「不安神経症とうつ病,まあ,気分障害ですけれども,ほとんどオーバーラップしてまして,不安があれば憂うつになり,自信がなくなり,倦怠感があり,カルテにも,寝汗をかいたとかありますけれども,食欲もなくなるということで,余り厳密にここからここまでが不安神経症で,ここからここまでがうつ状態というのはなくて,両方混合してると思います。」,「そうですね,本格的になったのは,やはり久里浜に入院する直前の一,二か月前くらいかもしれませんね。あるいは,平成18年の5月にちょっと混迷状態で,ホリゾンとかコントミンというかなり強力な安定剤を打ったときには,不安神経症ではこの薬は打たないですから,うつ病の混迷状態ということも,これを見ると考えられ,この時点も,うつ病として差し支えないと思います。」などと証言している。
すなわち,E医師も,亡Bの「不安神経症」とうつ病とを異質のものとして捉えておらず,連続性のあるものとして捉え,その症状が悪化した時点をもってうつ病としている。
以上のE医師の見解をICD-10に従って整理すると,亡Bの症状は,当初は持続性気分障害(F34)であったけれども,症状が悪化してうつ病エピソード(F32)に該当するようになったが,いずれにしても気分〔感情〕障害(F3)の中における細分類の問題であって,その2つが異質であるとか,持続性気分障害と無関係にうつ病エピソードが新たに発病したとするものではない。この見解は,平成14年4月にF3の『気分障害』を発病し,その後も症状は動揺を繰り返しながらも寛解することなく継続していたとする専門部会の判断と共通であると解される。
ウ 以上のとおり,亡Bの上記症状の悪化は,気分障害における症状の動揺と位置付けるべきであるから,平成18年5月頃に新たにうつ病が発病したとする原告の主張によっても,それをもって新たな発病とみることはできない。
(5)  原告は,平成18年5月頃に新たにうつ病が発病したことを前提として,この頃における亡Bの自宅における長時間残業や,平日・休日及び早朝・深夜を問わないCからのメール等によるプレッシャーにより過重なストレスを受けたこと等によりうつ病を発病したのであり,同発病には業務起因性があると主張する。
しかしながら,平成18年5月頃に新たに発病したうつ病を対象疾病として考慮すること自体がそもそも誤っていることは上記(4)のとおりであり,また,精神障害発病後のストレスと症状の悪化とは必ずしも相関関係があるものではないから,発病後のストレスを問題とすることが相当でないことも上記(3)のとおりである。
(6)  もとより,労災実務においても,精神障害発病後の出来事を業務起因性の判断の対象外としてはいるものの全くの例外を認めないわけではない。精神障害発病後に業務による極度の心理的負荷を引き起こすような特別な出来事に遭遇し,明らかにそれが原因となって自殺したといえる場合には,急性ストレス障害等新たな精神障害発病の可能性を含めて業務上外を検討するものとしており,この点は,新認定基準においても同様である。
そこで,念のため,亡Bの平成18年5月までの業務の状況及び平成19年4月の職場復帰後の業務の状況について検討すると,次のとおりである。
ア 平成18年5月までの業務の状況について
原告は,亡Bが,Cからメール等で「バカを絞め殺せたらどんなに楽か」などとパワハラを受け続け,資格試験の受験を事実上強要され,概ね月間90時間くらいの自宅残業をこなす中,平成18年3月の次長昇格後のプレッシャー増加の中で,ひどい不眠の症状にさいなまれ,同年5月頃のうつ病の発病に至ったなどと主張する。
しかしながら,まず,メール等によるパワハラについては,メールそのものに強い調子の内容があったとしても,Cと亡Bの関係が密で,お互いにざっくばらんで友達口調のメールのやり取りをしていた経緯があることを前提にして判断する必要があるし,また,「バカを絞め殺せたらどんなに楽か」というメールは,その内容からして,「バカ」というのは亡Bではなく第三者であることが明らかであって,亡Bに対するハラスメントには該当しない。いずれにしても,メール等によるパワーハラスメントが,前記「特別な出来事」に該当しないことは明らかである。この点,原告は,前記4(5)イ(ア)ないし(タ)の16のメールを引用してパワーハラスメントがあった旨主張するが,そのうち,(ス)ないし(タ)の4つのメールは,原告が主張する発病時期よりも後のメールであるから,原告の主張を前提としても発病原因の根拠とすることはできない。また,残りの12のメールのうち,(キ)ないし(コ)の4つメールはF部長と亡Bの両名に対するメールである。(ア),(イ)及び(カ)の3つのメールは,亡Bも宛先に含まれているが,主たる宛先は亡B以外の社員である。専ら亡Bに対するものとして送信されたのは,(ウ),(エ),(オ),(サ)及び(シ)の5つメールである。いずれのメールにしても,その内容が極めて支配的であり,亡Bに強いプレッシャーを与えるものであったとまではいえない。
次に,資格試験の受験については,受験費用を会社負担として資格取得を奨励しようとするものであって,a社が受験を強要していたわけではなく,このことは亡Bが受験していないことからしても明らかである。
さらに,自宅での作業については,亡Bがa社で使用していたパソコンの受信メールを分析した結果によれば,平成16年8月8日から亡Bが死亡するまでの約2年10か月間において,Cが亡Bに送信したメール数は合計1588通であるから,1か月平均で約47通,1日平均で約1.6通にすぎず,また,午後10時から午前7時までの時間に送信したメールはそのうちの57通にすぎないから,亡Bが早朝・深夜にCからのメール対応をしたのは月に1,2回程度である。そうすると,原告が主張するように,亡Bがメール対応に追われて自宅で毎日3時間程度,毎月90時間もの時間外労働をしたとか,多数回にわたって早朝・深夜の対応を余儀なくされたとは到底考えられない。
イ 平成19年4月の職場復帰後の業務の状況について
原告は,平成19年4月2日の職場復帰後の状況について,a社は,亡Bの症状を把握しないまま,期限を定めた課題の提出を迫り,降格処分をしたり,解雇を通告したりしたものであるところ,これらはストレス評価として重いものであり,これにより亡Bは日常生活にも支障が生じるほどにうつ病を悪化させ,自殺に至ってしまったなどと主張する。
しかしながら,まず,亡Bに与えられた課題は,亡Bが過去に作成した資料のアップデイトとインターネットによる資料収集が中心であって,特段の困難を伴う作業ではなかった。また,亡Bの作業が進まなかったことから,提出期限を何度も変更し,Cから強い調子の督促メールが亡Bに送信され,同年5月22日のメールには,同年6月20日の提出期限までに期待する成果がでない場合には解雇することまで記載されているが,Cは,同年5月22日の複数回の督促メールを最後にして,その後は亡Bに対して課題提出の督促は行っていないし,D社長が,同年6月5日に原告及び亡Bと面談して,解雇しようとして課題を出したわけではなく,課題に取り組む亡Bの姿勢を見るためであって,提出した内容を問題にするつもりはない旨を説明して,原告及び亡Bを安心させており,それにより,亡Bは,気分が楽になり,翌日から出勤して,特に変わった様子も見せていなかったのであるから,仮に亡Bが課題提出を督促されて強い心理的負荷を受けたとしても,D社長との面談によってその心理的負荷の大半は解消されたから,一時的な負荷にとどまり,新認定基準の「特別な出来事」に該当しないことが明らかである。
次に,同年4月30日付けのⅤ等級(参事)からⅣ等級(主幹)への降格については,ある程度の心理的負荷を受けたものとは考えられるが,亡Bは,降格される際にCから入院前の状態に戻れば再度昇格させる旨の説明を受けていたから,その心理的負荷は相当程度緩和されたはずであり,新認定基準の「特別な出来事」に該当しないことが明らかである。
ウ 結局,以上のとおりであるから,亡Bは,平成14年4月に持続性気分障害(F34)を発病し,その後に症状が悪化して,平成18年5月にうつ病エピソード(F32)に該当するような症状になったものの,その症状悪化の過程において新認定基準の「特別な出来事」に該当するような出来事は見当たらない。また,平成19年4月2日の職場復帰後においても,新認定基準の「特別な出来事」に該当するような出来事は見当たらないから,この観点からしても,亡Bの症状の悪化について,業務起因性を肯定することはできないといわざるを得ない。
(7)  以上のとおりであるから,亡Bの死亡につき,業務起因性を認めることはできない。
第3  当裁判所の判断
1  労災保険法に基づく保険給付は,労働者の業務上の負傷,疾病,障害又は死亡について行われるところ(同法7条1項1号),労働者の疾病等を業務上のものと認めるためには,業務と疾病等との間に相当因果関係が認められることが必要である。また,労災保険制度が,業務に内在ないし随伴する各種の危険が現実化して労働者に疾病の発病ないし増悪,死亡等の損失をもたらした場合に,使用者等に過失がなくとも,その危険を負担して損失の填補の責任を負わせるべきであるとする危険責任の法理に基づくものであることからすると,前記の相当因果関係を認めるためには,当該疾病等が当該業務に内在ないし随伴する各種の危険が現実化したものであると評価し得ることが必要であると解される。
精神障害の発病については,環境由来のストレスと個体側の反応性,脆弱性との関係で精神的破綻が生じ得るかどうかが決まるという「ストレス―脆弱性」理論が広く受け入れられており,労働者に発病した精神障害と業務との間の相当因果関係が認められるためには,ストレス(業務による心理的負荷と業務以外の心理的負荷)と個体側の反応性,脆弱性を総合考慮し,業務による心理的負荷が,社会通念上,客観的にみて,精神障害を発病させる程度に過重であるといえる場合に,業務に内在ないし随伴する危険が現実化したものとして,当該精神障害の業務起因性を肯認するのが相当である。
前記労災保険制度の趣旨に照らせば,業務と疾病との間に相当因果関係が肯定され,労災保険の補償の対象とされるためには,客観的にみて,通常の勤務に就くことが期待されている平均的な労働者を基準として業務自体に一定の危険性があることを要すると解するのが相当である。
そして,精神障害の業務起因性については,特段の事情のない限り,後記認定にかかる平成23年11月8日付け「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」(乙57,以下「平成23年報告書」という。)に示された知見,同報告書に依拠して発せられたと考えられる新認定基準に依拠して検討されるべきものといえる。
2  認定事実
前記前提事実のほか,当事者間に争いのない事実並びに証拠(後掲証拠のほか,甲17~20,23,乙12,13,19,20,47,49,50,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件の基礎となる事実関係として,以下の事実を認めることができ,かかる認定事実を左右するに足りる的確な証拠はない。
(1)  亡B(昭和32年○月○日生)は,昭和56年3月に神奈川大学経済学部を卒業して,同年4月にa社東京支店(当時)に入社した。亡Bは,入社と同時にb社に出向して同社で稼働していたが,平成8年10月,b社への出向が解除されたことに伴い,以降,a社東京支社に勤務するようになった。
(2)  a社東京支社における亡Bの労働条件は,概ね以下のとおりであった。(乙29の2・2頁)
所定労働時間 午前9時~午後5時30分
所定休憩時間 午後零時~午後零時45分
所定休日 土・日曜日,祝祭日,夏期休日,年末年始
勤務形態 日勤勤務
出勤管理 出勤簿による。
(3)  a社東京支社における平成18年頃までの亡Bの配属先・昇格等の状況は,概ね次のとおりであった。この間,亡Bは,出向者及び出向先に対する営業支援業務や,各種ビジネスユニットの営業展開の責任者として,同支社の業務に従事してきた。(乙2,乙29の2・3頁)
平成12年4月~同年12月営業第二部/三部第二課長Ⅳ等級
平成13年11月~平成16年3月 営業第一部第二課長/第一部課長
同年4月~平成17年10月 営業第一部統括課長
同年11月~平成18年3月 営業第一部次長
同年4月~平成19年4月 営業技術部次長Ⅴ等級(この間,平成18年11月6日から平成19年4月1日まで病気休職)
なお,この間の平成16年11月1日,Cがa社東京支社長に就任している。(乙29の2・7頁)
(4)  平成13年10月から平成14年4月までの間における亡Bの勤務状況は,概ね別紙1記載のとおりであった。(乙29の4)
(5)  亡Bは,同月8日,背・腰部痛を覚え,次第に呼吸苦痛を覚えるようになったことから,同月12日,これを主訴として川崎幸病院で受診した。そうしたところ,胸部レントゲンにて左気胸所見が認められ,左自然気胸であるとの診断を受け,同病院に入院した。(乙27)
亡Bは,ドレナージ治療を受け,同月17日には退院したが,その際,医師から再発リスクについて説明を受け,咳に対する恐怖感を覚えるようになった。その後,同年10月,再び呼吸困難や動悸の症状が現れ,平成15年1月及び同年2月に至って他院で検査を受けたが異常は見受けられず,動悸,息切れ,不安,寝汗,抑うつ気分が認められるようになり,同年3月4日,小原クリニックを受診した。小原クリニックのE医師は,亡Bの状況から不安神経症(なお,同医師は,後日,亡Bの傷病がF34の持続性気分障害であると診断をしている。)であると診断し,以降,亡Bは,1か月に2回程度継続的にE医師の診察を受け,睡眠導入剤や精神安定剤の処方を受けるようになった。(甲16,17,24,乙13,24,27)
(6)  もっとも,亡Bの精神状態は必ずしも好転せず,平成18年5月15日,亡Bが小原クリニックを受診した際には,今までの診察時におけるのとは異なって,かなり不穏状態,混迷状態が認められ,E医師は,亡Bにホリゾンとコントミンを筋肉注射するという処置をとり,相当強い睡眠作用のあるベゲタミンAを処方した。また,同年10月16日にも,強い精神安定剤であるレボメプロマジン4錠を処方した。(甲16,17,24,乙24)
(7)  亡Bは,同月27日,Cや客先とともに飲食店で昼食中,嚥下障害を起こし,さらに同月30日にもCと飲食中に嚥下障害を起こして,同年11月1日及び同月2日,体調不良により会社を早退した。そして,同月4日,小原クリニックを受診したところ,亡Bは,ほぼ混迷状態にあって,ビールを3,4本飲んで精神状態がかなり悪くなった旨述べており,アルコール症(F10)が認められた。そこで,E医師は,ホリゾンを注射したり精神安定剤を点滴するなどの処置をするとともにアルコール症と認めて久里浜アルコール症センター宛に紹介状を書き,亡Bは,同月6日,同センターに入院することとなった。a社には,同日,「肝障害」により3か月間の入院加療を要する旨の同センターの診断書が提出され,亡Bは,有給休暇を取得した後,傷病欠勤することとなった。(甲16,17,24,乙3,5,24,25)
(8)  亡Bは,同センターにおいて,アルコール依存症(F10)及び大うつ病(F32)と診断され,断酒・離脱期治療及び薬物療法を受けた。アルコール依存症については中期から末期の状況であるとのことであった。そして,平成19年2月6日,同センターを退院し,引き続き,小原クリニックでの受診を継続することとした。(甲16,17,20・25頁,24,乙24,25)
(9)  もっとも,退院後の亡Bは,家に引きこもり,布団の中に入ってぼうっとしているような状態であり,同月13日及び同年3月2日の診察は原告が代わりに亡Bの病状を述べて薬の処方を受けた。なお,E医師は,原告らの求めに応じ,同年2月13日,「うつ病」により同月9日より約3か月の安静加療を要する旨の診断書を作成しており,同診断書は,同日,a社に提出された。(甲5,16,17,24,乙24)
(10)  同年3月初旬,亡Bは,復職の意向を示すようになり,上司であるCに対し,そのための打ち合わせをメールで持ちかけ,同月29日,原告を連れ立って,Cと面談した。その際,亡Bは,アルコール依存症やうつ病は完全に治ったので復職したい旨要望した。Cは,小原クリニックから前記診断書が出ていることを踏まえ,うつ病が治ったという診断書は出ないのかと尋ねたが,亡Bはあくまで治っている旨述べて強い復職意欲を示したため,誓約書を作成してもらった上,同年4月2日からの復職を認めることとした。なお,誓約書の内容は,別紙2のとおりである。(甲20・31頁,乙5,17)
(11)  こうして,亡Bは,同日,復職をした。復職に際しては,契約書類の整理や,亡Bが過去に作成した資料のアップデイト及びインターネットによる資料収集といった作業が指示され,併せて,業務に関する週報の提出が指示された。営業としての売上目標については設定しないこととされた。もっとも,作業の進捗は芳しくなく,その提出期限は,同月23日から同年5月7日に変更された。(甲19・8頁,乙5~7,60,61)
(12)  同年4月18日,D社長が上京し,Cも交えて,亡Bとの面談が行われた。その際,亡Bの瞼が腫れていたことから,D社長から3か月程療養してはどうかとの提案がされた。もっとも,亡Bは,あくまで病気は治っており,これ以上の療養は意味が無いとの回答をしたため,3か月程療養するか,亡Bの言うとおり健常者として復職するか,同日夜,原告と相談して,その回答を翌19日にしてもらうことになった。
亡Bは,翌日,原告と相談した結果,病気は治っているので復職を継続したい旨述べた。そこで,Cは,亡Bに再度,誓約書を提出してもらい,復職を継続させることにした。その際の誓約書の内容は別紙3のとおりである。もっとも,その後の亡Bの作業の進捗は芳しくなく,度々,体調不良等により休暇を申し出て,提出期限も,同年5月7日から同月10日,そして同月22日へと変更される事態となった。この頃の亡BとCとの間のメールのやりとりは,別紙4記載のとおりである。なお,Cは,同年4月18日におけるD社長と亡Bとの面談の際,復職をする場合には負荷軽減の見地から課長職に降格する旨の話をしていた。そして,亡Bは,同年4月30日付けで,亡Bにつき,Ⅴ等級(参事)からⅣ等級(主幹)へと降格している。(甲18・9頁,甲19・11頁,乙5,18,50)
(13)  その後も亡Bの作業は進捗せず,提出期限は最終的に同年6月20日まで伸張された。他方,この間の同年5月16日,亡BはCにメールで休暇を取りたい旨申し出たことから,Cは,原告に電話をし,亡Bの様子を聞いた。これに対し,原告は,専門病院に行ってカウンセリングを受けるように言っているがいうことをきかない,もう一度本人に強く言ってみるとの話をした。そして,小原クリニックにおいてE医師に相談を持ちかけ,北里大学東病院への紹介状を得,同月18日,a社東京支社にCを訪ねて,明日,亡Bとともに病院に行く旨の説明をした。(甲16,17,乙5)
(14)  亡Bは,翌19日,原告に連れられて北里大学東病院で受診した。しかし,亡B自身,入院に拒否的な態度を示していたほか,同病院の医師も亡Bへの問診の状況等から亡Bを適応障害であると認め,入院適応であるとは考えられないなどとして,結局,亡Bが同病院に入院することはなかった。こうした経過の下,同月21日,Cから原告宛に状況を尋ねる電話があったことから,原告は,うつ病は治っているとのことであったなどとして説明し,小原クリニックにE医師を訪ねて,亡Bの会社での今後の身の振り方を含め,相談を持ちかけた。E医師は,入院が叶わなかった経過を踏まえ,抗うつ剤を処方した。(甲16,17,24,乙5,26)
(15)  その後,亡Bは,Cに申し出て休暇を取っていたが,同年6月5日,原告のD社長に対する要請に基づき,同社長と羽田空港で原告を交えて面談した。その際,亡Bは,D社長からのこのまま休職するのか仕事を続けるのかという問いに対し,このまま継続して復職させて欲しいと,また,転勤の話題については,今のところでもう少し頑張ってみると述べた。また,亡Bは,D社長に,提出期限までに期待する成果がでない場合に解雇されることになるのかを尋ねたが,同社長は,解雇しようとして課題を出したわけではなく,課題に取り組む亡Bの姿勢を見るためであって,提出した内容を問題にするつもりはない旨説明し,原告及び亡Bを安心させた。(甲20・17頁・35頁,乙48)
亡Bは,翌日から出勤して,特に変わった様子も見せていなかった。(甲20・18頁)
(16)  亡Bは,平成19年6月18日午前3時頃,横浜市〈以下省略〉先路上において,自宅マンション(3階)ベランダから路上へ飛び降り自殺した。なお,同日は,亡BとD社長との面談が予定されている日であった。(甲18・27頁,甲19・32頁)
(17)  久里浜アルコール症センター退院後,死亡に至るまでの間の亡Bの勤務状況は,概ね別紙5記載のとおりであった。(乙8)
(18)  亡Bは,久里浜アルコール症センターに入院前,缶ビール3,4本程度をほとんど毎日飲酒しており,さらに平成18年10月頃になると,休日には朝から飲酒をすることがあった。なお,亡Bには喫煙癖もあった。(甲20・23頁~25頁)
(19)  Cや亡Bは,職務上,メールを多用しており,亡Bの会社のパソコンのメールアドレスにメールをすると,亡Bの自宅のパソコン宛に転送される設定にしていた。(乙52)
(20)  原告は,その子とともに,a社を被告とし,総額約1億円の損害賠償を求める民事訴訟を平成20年6月6日付けで,横浜地方裁判所に提起し(同裁判所平成20年(ワ)第2238号事件),平成22年2月10日,a社が合計2500万円の解決金を支払う内容の裁判上の和解が成立した。(乙23,34)
3  持続性気分障害,うつ病エピソード等に関する医学的知見
証拠(乙35,36,54,56)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。
(1)  ICD-10は,「精神および行動の障害」について,F0からF9まで10に分類し,それぞれの分類について細分類しており,F3の気分(感情)障害については,F30躁病エピソード,F31双極性感情障害(躁うつ病),F32うつ病エピソード,F33反復性うつ病性障害,F34持続性気分(感情)障害,F38他の気分(感情)障害,F39特定不能の気分(感情)障害の7項目に細分類している。
(2)  上記のうち,うつ病エピソード(F32)は,典型的な症状として抑うつ気分,興味と喜びの喪失及び活力の減退による易疲労感の増大や活動性の減少が認められるものであり,概ね,軽症,中等症,重症等に分類される。また,反復性うつ病性障害(F33)は,うつ病エピソードが反復し,躁病エピソードの病歴を欠くものであり,概ね,軽症,中等症,重症等に分類される。持続性気分障害(F34)は,気分循環症,気分変調症,他の持続性気分(感情)障害等に細分類されており,気分変調症は,個々のエピソードの重症度あるいは持続期間において,軽症あるいは中等症の反復性うつ病性障害の診断基準を満たさない程度の慢性的抑うつ気分であり,この障害の発症時においては,軽症うつ病エピソードの診断基準を満たすことがあってもよいとされる。
(3)  このようなことから,気分変調症と大うつ病(なお,大うつ病は,F32のうつ病エピソードに該当する。)とは,重症度と慢性度とに基づいて鑑別されるが,実際には両疾患が類似の症状をもっており,疾患の発病,期間,重症度を遡及的に評価することが困難であることなどから,両疾患の鑑別はしばしば困難であるとされている。したがって,持続性気分障害の経過の中で病態が増悪し,症状がうつ病エピソードの診断基準を満たし,うつ病エピソードとして治療されるような事例においては,経過全体を一連のものとして考え,気分障害(F3)として捉えるのが一般的である(なお,「現代の職場結合性うつ病の病態は,アメリカの内科医Beardが提唱した神経衰弱に近づけて理解した方が分かりやすい。神経衰弱は,症状に注目すると,不安性障害ともうつ病性障害ともとれる不安と抑うつが混合した症状複合からなるといえ,現在のDSMやICDの『不安障害』と『うつ病性エピソード,大うつ病性障害』などは神経衰弱から分岐したとみることもできる。」との見解も示されている(甲21)。)。
4  精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書及び新認定基準について
(1)  精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会は,平成23年報告書を発表したところ,同報告書には,「既に発病している疾病の悪化の業務起因性」について,要旨,次のとおりの見解が示されている(乙57)。
ア 既に精神障害を発病して治療が必要な状態にある者は,病的状態に起因した思考から自責的・自罰的になり,ささいな心理的負荷に過大に反応するのであり,悪化の原因は必ずしも大きな心理的負荷によるものとは限らない。また,自然経過によって,悪化する過程においてたまたま業務による心理的負荷が重なったにすぎない場合もある。このような精神障害の特性を考慮すると,悪化の前に強い心理的負荷となる業務による出来事が認められたことをもって,直ちにそれが精神障害の悪化の原因であるとまで判断することは現時点では医学上困難であり,したがって,業務起因性を認めることも困難といわざるを得ない。
イ 本検討会では,これらの事情も勘案し,既に精神障害を発病している労働者本人の要因が業務起因性の判断に影響することが非常に少ない極めて強い心理的負荷があるケース,具体的には「特別な出来事」(生死にかかわる等の業務上の病気やケガをした場合や,業務に関連し,他人を死亡させ,又は生死にかかわる重大なケガを負わせた場合,その他これに準ずる程度の心理的負荷が極度と認められるものなど心理的負荷が極度のもの又は発病直前の1か月におおむね160時間を超えるような時間外労働を行った場合などの極度の長時間労働を行った場合)に該当する出来事があり,その後おおむね6か月以内に精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合については,その心理的負荷が悪化の原因であると推認して業務起因性を認めることが適当との結論に至った。
ウ また,精神障害で長期間にわたり通院を継続しているものの,症状がなく(寛解状態にあり),または,安定していた状態で,通常の勤務を行っていた者の事案については,ここでいう「発病後の悪化」の問題としてではなく,治ゆ(症状固定)後の新たな発病として判断すべきものが少なくないことや,発病時期の特定が難しい事案について,ささいな言動の変化をとらえて発病していたと判断し,それを理由にその後の出来事を発病後のものととらえることは適当でない場合があることに留意する必要がある。
(2)  上記報告書を受けて,厚生労働省労働基準局長が発した新認定基準には,「精神障害の悪化の業務起因性」について,次のとおりの見解が示されている(乙58)。
ア 業務以外の原因や業務により弱い(「強」と評価できない)心理的負荷により発病して治療が必要な状態にある精神障害が悪化した場合,悪化の前に強い心理的負荷となる業務による出来事が認められることをもって直ちにそれが当該悪化の原因であるとまで判断することはできず,原則としてその悪化についての業務起因性は認められない。
イ ただし,別表1の「特別な出来事」に該当する出来事があり,その後おおむね6か月以内に対象疾病が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合については,その「特別な出来事」による心理的負荷が悪化の原因であると推認し,悪化した部分について,労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する業務上の疾病として取り扱う。
ウ 上記の「治療が必要な状態」とは,実際に治療が行われているものに限らず,医学的にその状態にあると判断されるものを含む。
5  医師の見解等
(1)  E医師の見解
亡Bを診察していたE医師は,亡Bの精神障害等に関して,要旨,以下のとおりの見解を述べている(甲16,17,24,乙24)。
ア 亡Bを平成15年3月に診察した際,不安神経症と診断した。そして,睡眠導入剤,精神安定剤を平成18年まで継続的に投薬した。不安神経症とうつ病(気分障害)は,ほとんどオーバーラップしている(なお,同医師は,労働基準監督署長からの照会に対しては,持続性気分障害及び身体化障害の発病時期について平成14年4月頃と回答している(乙24)。)。
イ 平成18年5月にはうつ病(大うつ病性障害)の典型的な症状が発症し,それが半年以上持続した。平成18年5月以前の症状は,いわゆる「大うつ病」と分類できるものではない。
ウ 平成19年2月に久里浜アルコール症センター退院後に診察した際は,引きこもり状態ということであり,精神的にはあまり回復しておらず,うつ病と診断した。同年3月30日に診断したのが最後であるが,その際に復職の相談があった。
(2)  H医師の見解
大森西メンタルクリニックのH医師(以下「H医師」という。)は,亡Bの医療記録等を検討した上で,同人の精神障害等に関して,要旨,以下のとおりの見解を述べている(乙55,56)。
ア 本件事案は,平成10年頃よりアルコール依存症が発症し,平成14年の自然気胸を機に同年10月から徐々に気分障害が始まり平成15年2月に症状が完成されていったと考える。平成18年5月頃から徐々にうつ症状が増悪し飲酒量も増していったが入院治療により症状軽快したものの抗うつ薬の中止に伴い症状が再燃していったものと考える。
イ 気分障害の下位分類としてうつ病エピソード,気分変調症(持続性気分障害)がある。気分変調症の経過の中で病態が増悪し症状がうつ病エピソードの診断基準を満たし,うつ病エピソードとして治療されることも通常よく経験されることである。このような事例においては経過全体を一連のものとして考え,気分障害(うつ病性障害)として見ていくことが通常であると考える。
ウ 本件の診断について付加すれば,資料等から平成15年2月にはうつ症状があり,気分障害の診断がなされるべきである。本来可能であれば下位分類として持続性気分障害とするべきなのかうつ病エピソードとするべきであるかについては,明白で詳細な記録がないため検討し得ない。しかしながら,経過の中でアルコール依存症が先行していることを考えると2次性のうつ病が発症していると考えるほうが自然である。
(3)  専門部会の見解
専門部会は,亡Bの傷病について,要旨,次のとおりの見解を述べている(乙28)。
ICD-10の診断ガイドラインに照らして分類すれば,平成14年4月に気胸を発症し呼吸困難発作を起こし,再発不安から抑うつ気分,動悸,息切れ,全身倦怠等の症状が顕著になった同月にF3の『気分障害』を発病し,その後も症状は動揺を繰り返しながらも寛解することなく継続していたものと推察される。
6  検討
(1)  前記認定事実によれば,亡Bは,平成14年4月,自然気胸を発症してその治療を受けたこと,その後,咳に対する恐怖感を覚えるようになり,同年10月には,再び呼吸困難等の症状が現れたこと,そして,平成15年1月ないし2月頃に至って,動悸,息切れ,不安,寝汗,抑うつ気分等が生じ,小原クリニックを受診したこと,E医師は,同年3月4日,不安神経症と診断し(同医師は,後日,亡Bの傷病は「持続性気分障害(F34)」とも診断している。),その後,睡眠導入剤や精神安定剤の処方を受けるようになったことが認められる。これらの事実に,上記E及びH両医師の見解並びに専門部会の見解を総合考慮すれば,亡Bは,平成15年に入り,遅くとも同年3月頃までに,不安神経症あるいは持続性気分障害を発病したと認めるのが相当である。
なお,上記発病時期について,被告は,「平成14年4月」と主張し,この主張に沿うE医師の回答(乙24)及び上記専門部会の見解もあるが,前記認定事実によれば,平成14年4月には,自然気胸の症状以外に有意な症状,あるいは精神障害を裏付けるに足りる症状は認められないのであって,被告の上記主張は採用できない。
精神障害の発病について業務起因性を肯認することができるか否かについては,その発病前概ね6か月間に当該精神障害の発病に関与したと考えられる業務による出来事について検討すべきところ,この6か月間において,上記精神障害の発病に関与したと認めるに足りる業務による心理的負荷の事実を認めることはできない(なお,そもそも,原告は,本件において,平成14年4月あるいは平成15年3月発病の精神障害を対象疾病として業務起因性を判断すべきであるとの主張はしていない。)。
(2)  原告は,亡Bは,平成18年5月頃,新たに業務に起因してうつ病が発病したものであるから,これを対象疾病として業務起因性を判断すべきであると主張する。
ア 確かに,E医師は,前記のとおり,亡Bのうつ病の発病は平成18年5月頃であろうとの見解を述べている。この見解は,同月15日,亡Bの精神状態が,小原クリニックを受診した際,今までの診察時におけるのとは異なって,かなり不穏状態,混迷状態にあり,ホリゾンとコントミンを筋肉注射するという処置をとり,相当強い睡眠作用のあるベゲタミンAを処方したこと,その後,同年10月16日にも,強い精神安定剤であるレボメプロマジン4錠を処方し,同年11月4日,ほぼ混迷状態で受診した亡Bに対し,ホリゾンを注射したり精神安定剤を点滴するなどの処置をし,アルコール症を認めて久里浜アルコール症センター宛に紹介状を書いたこと,亡Bは,同月6日から平成19年2月8日まで同センターに入院したが(なお,同センターでもうつ病エピソードの発病が確認されている。乙25),退院後も精神状態は好転しておらず,ぼうっとしているような状態で布団の中に入り,自宅に引きこもるといった状況が続いたこと等を踏まえたものであって(前記2(6)ないし(9)),かかる点にかんがみると,亡Bが,平成18年5月頃にうつ病エピソードと認められるだけの症状を呈していたとみることができる。
イ しかし,前記3認定の医学的知見等によれば,気分変調症と大うつ病(うつ病エピソード)との鑑別はしばしば困難であり,持続性気分障害の経過の中で病態が増悪し,症状がうつ病エピソードの診断基準を満たし,うつ病エピソードとして治療されるような事例においては,経過全体を一連のものとして考え,気分障害(F3)として捉えるのが一般的であるといえる。そして,亡Bについてみると,平成15年3月に小原クリニックを受診して以来,平成18年5月まで継続的にE医師の診察を受け,睡眠導入剤や精神安定剤の処方を受けていたことが認められるのであって,この間,上記不安神経症ないし持続性気分障害が治癒したと認めることができないことなどからすれば,平成18年5月における亡Bの症状については,新認定基準が指摘するところの,「精神障害の悪化」とみるべきものであり,上記時点において,それまでの精神障害とは別にうつ病を発病したとみることは相当ではない。
ウ 上記イの判断を前提とするならば,その精神障害の悪化について,原則として業務起因性は認められないが,別表1の「特別な出来事」に該当する出来事があり,その後おおむね6か月以内に対象疾病が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合については,その「特別な出来事」による心理的負荷が悪化の原因であると推認し,悪化した部分について,労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する業務上の疾病として取り扱うのが相当である。そこで,以上の見地から,上記「特別の出来事」の有無について検討する。
エ 平成18年5月の発病前概ね6か月間に当該精神障害の発病に関与したと考えられる業務による出来事の有無等についてみると,以下のとおりである。
(ア) 前記認定のとおり,亡Bは,平成18年4月,営業技術部次長に昇格しており(前記2(3)),これは,判断指針の「自分の昇格・昇進があった」に該当する出来事(出来事の平均的心理的負荷の強度が「Ⅰ」の出来事)にあたると認められる。
しかし,以上のほか,他に前記精神障害の発病に関与したと考えられる業務による出来事があるとは,本件証拠上認め難い。
(イ) この点,原告は,亡Bが,Cから『バカを絞め殺せたらどんなに楽か』などという内容のメール等の送付を受け,パワーハラスメントを受け続けたほか,資格試験の受験を事実上強要されるなどした経過もあるなどと主張する。
確かに,Cが,平成17年6月21日,亡B宛に,「Bよー。こんなバカ相手にしてるんだぞ。最悪の事態を想定して事前準備して対策を考えろ!と指示してるにこの感性だもんな。バカを絞め殺せたらどんなに楽かを考えてしまうよ。頼むからバカと一緒の次元で発言しないでくるよな。」というメールを送付したこと(甲11),前記第2の4(5)イ(ア)ないし(タ)のメールを送付したことがあったこと(甲22)が認められる。
しかし,前者のメールは,平成17年6月21日に送付されたものであって,うつ病エピソードの発病時期(前記ア)よりも1年近く前にされたものと見ざるを得ないし,その内容も亡Bを「バカ」として非難しているものとは認められない。また,後者のメールについても,そのうち(ス)ないし(タ)の4つのメールは,原告が主張する発病時期よりも後のメールであり,(ア),(イ)及び(カ)の3つのメールは,亡Bも宛先に含まれているが,主たる宛先は亡B以外の社員であることが窺われる(甲22)。その余のメールは,F部長と亡Bの両名に対して出したことの窺われるメール((キ)ないし(コ)の4つメール)も含め,亡Bに対して送信されたものとみることができるが,その中には亡Bの姿勢を批判する趣旨のものもあるとはいえるが((ケ),(サ)のメール),いずれのメールも,業務上の指示・内容に関するものとして,その内容が極めて支配的であり亡Bに強いプレッシャーを与えるものとまでは評価できない。いずれにしても,これらメールの送付が,原告主張のようにハラスメントに当たるとみること相当ではない。
また,資格試験の受験の点についても,確かにa社においては,亡Bを含む東京支社の全社員が資格取得に取り組むものとされ,これが推奨されていたとはいえるが(乙16),さりとて,これに取り組まない場合における不利益が予定されていたとも認められない。
その他,原告は,亡Bにおいて,自宅における長時間残業や,平日・休日及び早朝・深夜を問わないCからのメール等によるプレッシャーにより過重なストレスを受け,しかもそれは平成18年3月のⅤ等級次長昇格によりさらに強まったなどと主張する。
しかし,自宅での長時間労働の有無については,確かに,Cは業務上メールを多用し,亡Bにおいても,同様,メールを多用して,会社のパソコン宛のメールが自宅のパソコン宛に届くよう設定していたことが窺われるところではあるが(前記2(19)),亡Bがこの頃自宅において恒常的にメールチェックや持ち帰り残業をするなどし,長時間これに従事していたと認めるべき客観的証拠として的確なものはなく,むしろ,a社で使用していたパソコンの受信メールを分析した結果によれば,平成16年8月8日から亡Bが死亡するまでの約2年10か月間,Cが亡Bに送信したメール数は合計1588通であり,1か月平均で約47通,1日平均で約1.6通にすぎず,また,午後10時から翌日午前7時までの時間に送信したメールはそのうちの57通にすぎず(乙52),亡Bが早朝・深夜にCからのメール対応をした頻度は月に1,2回程度にとどまることが窺われる。かかる点に照らすと,原告が主張するように,亡Bがメール対応に追われて自宅で毎日3時間程度,毎月90時間もの時間外労働をしたとか,多数回にわたって早朝・深夜の対応を余儀なくされたと認めることは困難である(原告本人は,亡Bが朝夜長時間パソコンに向かって作業をしていたなどとしてこれに沿う供述をするが,上記判示の点に照らし,にわかに採用し難い。)。また,同証拠からは,次長に昇格したことを機に亡Bのメールの件数が急激に増加したとも認められない。
(ウ) 結局,以上のとおりであるから,上記(ア)で認定した出来事のほか,前記精神障害の発病に関与したと考えられる業務による出来事があるとは本件証拠上認められず,上記(ア)認定の出来事の心理的負荷につき業務上の心理的負荷を増すものと認めるべき事由があるとも認められない(心理的負荷の程度は「Ⅰ」にとどまると判断せざるを得ない。)。
オ 以上のとおりであるから,新認定基準の「特別な出来事」に該当するような出来事は認められず,亡Bの症状の悪化について,業務起因性を肯定することはできない。また,前記したところからすれば,仮に平成18年5月に発病したうつ病を対象疾病として業務起因性を判断するとしても,客観的に精神障害を発病させるおそれのある程度の心理的負荷(判断基準別表1の総合評価が「強」と認められる程度の心理的負荷)があったものとは証拠上認められず,その発病に業務起因性があると認めることはできない。
(3)  また,原告は,亡Bがうつ病の軽症化に伴い平成19年4月2日に復職したのに,a社から期限を限っての課題提出を迫られたほか,降格処分も受け,最後には解雇を通告されるなどしたため,うつ病が自然経過を超えて急激に悪化し,自殺をしてしまったものと認めるべきであるとも主張する。
ア そこで検討するに,亡Bが平成15年3月,不安神経症あるいは持続性気分障害を発病した旨の診断を受けて,その後,小原クリニックでの診察を継続的に受けていたこと,そして,平成18年5月には精神障害が悪化し,うつ病エピソードと認められるだけの症状を呈し,同年11月6日,久里浜アルコール症センターに入院し,大うつ病と診断されたこと,平成19年2月6日に同センターを退院したものの,引きこもり状態が継続し,E医師は,うつ病の診断書を作成したことは前記認定(前記2(5)ないし(9))のとおりである。原告は,同年4月の復職の際にはうつ病の症状は軽症化していたと主張するが,そのような経過があるとは小原クリニックの診療録(甲16)に照らしても見受けることはできず,むしろ,同証拠によれば,亡Bは久里浜アルコール症センター退院後も自宅に引きこもるといった状態が続き,診察に来るのも困難で,実家で静養することも視野に入れるような状況であったことが認められるところであり,同年3月30日,亡BがE医師に面談して復職の相談をした経過はあるものの(甲16),その際やその後もうつ症状が軽快していたとも窺われない。これらの点も併せ考慮すると,復職の際に亡Bのうつ病の症状が軽症化していたものと認めることはできない。
イ また,原告が平成19年4月に職場復帰後,自殺に至るまでの経過について検討する。
(ア) 原告は,平成19年4月2日の職場復帰後,a社が,亡Bに期限を定めた課題の提出を迫り,降格処分をしたり,解雇を通告したりしたなどと主張する。
確かに,Cは,職場復帰後の亡Bに対し,誓約書(別紙2・3の内容のもの。)を書かせた上,課題を与え,亡Bからその提出の見込みがないのに応じ,提出期限を何度も変更しているところ(前記2(11)ないし(13)),この間,Cと亡Bとの間では,病気療養の休暇中も含め,Cから強い調子の督促メールが亡Bに送信され,そのやりとりのメールの中には,「もう後がない」,「本来であれば,明日ヒアリングに耐える成果が出せないのならば,誓約書通り会社を辞めてもらうことになるが,もう一度(本当に最後の)チャンスを与えるので,心して取り組んで,成果を示して欲しい。」,「報告内容の質,量次第では会社を辞めてもらうことになるので,覚悟を決めてやってもらいたい。」といった記載があるものも見受けられること,同年5月22日のメールには,同年6月20日の提出期限までに期待する成果がでない場合には解雇するといった記載がされていたこと(同(12)),こうしたやりとりを踏まえ,身分上の地位を心配した亡Bと原告とは,同年6月5日,D社長を訪ね,提出期限までに期待する成果がでない場合に解雇されることになるのかを確認するに至っていること(同(15)),同年4月30日,亡BはⅤ等級(参事)からⅣ等級(主幹)への降格処分を受けていること(同(12)),以上の点を指摘することができる。
そうしてみると,いかにCと亡Bが,お互いにざっくばらんで友達口調のメールのやり取りをしていた経緯がある(乙53の1ないし11)とはいえ,C(同人はうつ病に対する理解が不十分であったといえる。)との上記のやりとり及び降格処分が亡Bに相当に強い心理的負荷を与えるものであったと見ざるを得ない。
(イ) もっとも,亡Bに与えられた課題自体は,亡Bが過去に作成した資料のアップデイトとインターネットによる資料収集が中心であって,特段,困難を伴う作業であったとは認められず,営業ノルマも課せられはいなかった上(前記2(11)),Cは,D社長からの指導を踏まえ,同年5月22日の複数回の督促メールを最後にして,その後は亡Bに対して課題提出の督促は行っておらず(甲19・14頁),亡B及び原告とD社長との面談においても,D社長は,解雇しようとして課題を出したわけではなく,課題に取り組む亡Bの姿勢を見るためであって,提出した内容を問題にするつもりはない旨を説明して,原告及び亡Bを安心させ,それにより亡Bは,翌日から出勤して,特に変わった様子も見せていなかったこと(同(15))を指摘することができ,かかる認定を左右するに足りる証拠はない。そして,前記降格処分についても,復職後の負担を考慮して部下を外した専門職とされたものであり(乙31・40頁),亡Bに対し,またがんばって仕事をしてくれれば再度昇格させる旨の説明もされている(乙31・40頁,乙49・7頁)。
そうしてみると,上記(ア)のように,課題提出の督促や降格処分が亡Bに相当に強い心理的負荷を与えるものであったとはいえるものの,上記のとおり,その心理的負荷には相当程度緩和された面も存するところであって,いずれにしても前記「特別な出来事」に該当する事由があったと認めることは困難である。
ウ 結局,以上のとおりであるから,原告の主張を踏まえても,前記精神障害が業務上の事由に基づき悪化したものとは認められず,亡Bの死亡につき業務起因性を肯認することはできない。
7  以上によれば,原告の本件請求は,理由がないからこれを棄却すべきである。
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 古久保正人 裁判官 大野博隆 裁判官 芝本昌征)

 

〈以下省略〉

 

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