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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(300)平成20年 1月31日 東京地裁 平19(ワ)1741号 特許を受ける権利存在確認等請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(300)平成20年 1月31日 東京地裁 平19(ワ)1741号 特許を受ける権利存在確認等請求事件

裁判年月日  平成20年 1月31日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平19(ワ)1741号
事件名  特許を受ける権利存在確認等請求事件
文献番号  2008WLJPCA01318021

事案の概要
◇原告が被告との間で,本件権利につき売買契約を締結し,その代金を支払ったとして,原告が本件権利を有することの確認を求めるとともに,本件権利の移転を求める交渉における被告の行為が債務不履行ないし不法行為に該当し,それにより原告が損害を被ったとして,その損害賠償を求める事案

出典
ウエストロー・ジャパン

裁判年月日  平成20年 1月31日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平19(ワ)1741号
事件名  特許を受ける権利存在確認等請求事件
文献番号  2008WLJPCA01318021

東京都小平市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 大西洋一
千葉県船橋市〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 古川史高
同 岩田修
同 竹内亜起

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

 

事実及び理由

第1  請求
1  原告が,別紙権利目録記載の権利を有することを確認する。
2  被告は,原告に対し,30万9450円を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が被告との間で,別紙権利目録記載の権利(以下「本件権利」という。)につき売買契約を締結し,その代金を支払ったとして,原告が本件権利を有することの確認を求めるとともに,本件権利の移転を求める交渉における被告の行為が債務不履行ないし不法行為に該当し,それにより原告が損害を被ったとして,その損害賠償を求める事案である。
1  当事者間に争いのない事実等
(1)  株式会社デクスター(以下「訴外会社」という。)は平成17年5月9日に設立された株式会社である。
原告は,同社の発起人であり,現在は,同社の取締役の地位にある。
被告は,原告とともに同社を設立し,取締役に就任して同社を原告と共同経営していたが,平成17年10月30日付けで取締役を辞任している。(争いのない事実,甲1)
(2)  被告は,本件権利に係る広告提供システムに関する発明(以下「本件発明」という。)をし,平成16年3月30日に特許出願をした。
2  争点及びこれに対する当事者の主張
(1)  争点1―本件権利の売買契約における合意の内容及びそれに基づく本件権利の帰属
(原告の主張)
ア 原告と被告は,平成17年4月ころ,被告が所有する本件権利を,原告に300万円で売る契約(以下「本件売買契約」という。)を締結した。
イ 本件売買契約の代金は,被告が,300万円分の訴外会社の株式が欲しいと述べたため,上記代金300万円をもって訴外会社の設立の資本金(株式払込金)とし,被告が負担すべき分を原告が支払うという方法で支払われた。
そして,訴外会社設立時に被告には1株5万円の額面株式60株が割り当てられ,本件権利は原告に帰属した。
(被告の主張)
ア 原告の主張する本件契約を締結した事実は否認する。本件権利の譲渡に関しては,未だ最終的な合意はなされていない。
イ 被告は,原告との間で,本件発明を利用して収益を上げ,その収益を原告と被告とで二分することを合意した。
そして,その方法として,会社を設立し,本件発明を会社に帰属させることを考え,その場合,原告被告とも等分の持分を有することにした。
会社に本件発明を帰属させる方法としては,本件権利を会社に譲渡する,会社設立にあたって本件発明を現物出資するという方法を検討していたが,その検討を重ねるうちに,原告は当初の予定と異なり,原告自身に本件権利全部を譲渡するように求めてきた。
そのため,被告は,当初の予定と異なるとして,原告に本件権利を譲渡することはできないと主張し,あくまで会社に権利を移す方法を検討しようとした。
しかし,会社を立ち上げる手続は進行しており,被告の出資も必要とされたことから,本件権利の譲渡先及び譲渡金額については,今後も交渉を続けることとした上で,被告は原告から本件権利の譲渡のための一時金を受け取り,出資金とすることにした。そして,原告と被告は,訴外会社の株式60株を被告に割り当てることとし,原告は,被告の出資金として300万円を払い込んだ。
以上のように,訴外会社設立時においては,300万円は一時金とするとの合意しかしておらず,代金総額及び本件権利の最終的な譲渡先については,今後も交渉が続けられる予定であったが,結局交渉はまとまらなかった。
(2)  争点2―被告の債務不履行ないし不法行為の成否及び原告の損害
(原告の主張)
ア 平成17年10月30日,被告が訴外会社の取締役を辞任したことから,原告は被告に対し,本件売買契約に基づき本件権利の移転手続をするように催告した。
しかし,被告は,一応手続に協力する姿勢を見せるものの,印鑑相違や住所の書き間違い等により本件権利の移転手続は完成できなかった。
その後,被告は,原告に対し,任意の交渉をうち切るかのような内容のメールを送信したことから,原告は原告代理人弁護士に依頼し,同人を通じて本件権利の移転手続をするように催告した。
しかし,被告は,本件権利の移転合意自体を否定し,これに応じない。
その後,原告は内容証明郵便により手続の移転を請求したが,いまだにこれに応じない。
イ 被告が正当な理由もなく,本件売買契約の完全な履行を拒み,当事者間の交渉による任意の履行が期待できなくなったことから,原告は弁護士に依頼せざるを得なかった。
そして,原告は,弁護士を通じて交渉を試みたものの,被告は,さらに,本件売買契約の成立自体を争う等,本件契約の任意の履行を不当に拒絶したため,訴訟提起により解決するほかなくなった。
ウ このような被告の不当な履行拒絶は,債務不履行ないし不法行為に該当し,原告が支出を余儀なくされた弁護士費用はそれにより原告が被った損害であり,その価格は30万円とするのが相当である。
また,原告は,本件売買契約締結の事実を立証するため,被告と訴外会社の代表取締役であるAとの間で交わされた会話の録音を書面に起こす費用9450円を負担したが,この費用も,被告の債務不履行ないし不法行為に基づく損害ということができる。
(被告の主張)
原告の主張の事実は否認し,主張は争う。
第3  争点に対する判断
1  争点1について
(1)  原告は,平成17年4月ころ,本件売買契約が成立し,原告が,被告のために株式払込金300万円を負担したことにより,売買代金の支払を完了し,それに基づく株式が被告に割り当てられたことにより,本件権利は確定的に原告に帰属したとし,それに沿う事情として,被告が原告の出捐した300万円の株式払込みにより訴外会社の株式60株の割当を受けていること,被告と原告代理人との交渉においては,被告は300万円が一時金であるとか,譲渡先が会社であるなどの主張をしなかったこと,被告は,原告への本件権利移転の手続を断らず,これに協力する姿勢を見せたこと,被告は,本件権利の譲渡先が訴外会社であるかのようにいうが,そうであれば,300万円は訴外会社から支払われるはずであるところ,原告がそれを支払っていることを挙げ,これに沿う内容の供述をする原告本人(甲24)及びA(甲25)の各陳述書のほか,被告が訴外会社の株式60株を取得したことを示す訴外会社の株主名簿(甲3),被告が本件権利移転に協力する姿勢を見せたことを示すメール(甲4),本件権利移転の手続のために原告が作成した出願人名義変更届(甲5)及びこれといっしょに特許庁に提出された被告が押印したとする譲渡証書(甲6),被告と原告代理人との交渉の経緯を示す書面(甲9から17),本件売買契約の成立を認めたという内容の被告とAの会話録音の反訳書(甲21)を提出し,被告が提出したA作成の「成功報酬に関する覚書」(乙1)に係る交渉は,本件売買契約後の事情であって,それも,A及び原告が,本件売買契約により本件権利の移転合意がなされたことを前提に,早期解決の経営判断のもとになされたものにすぎないし,被告が所有していた訴外会社の株式の移転合意も本件とは関係ない事情であると主張する。
(2)ア  しかし,原告と被告との間で本件売買契約が成立したことを直接的に証する契約書等は作成されていないし,証拠(甲4,8,9,24,乙3)によれば,原告による300万円の出資金の出捐及びそれに基づく訴外会社の株式の割当が,本件売買契約の買主の義務の履行として行われたものであったとしても,それと本来同時履行の関係にある売主の義務の履行としての権利移転手続が,原告による出資時あるいは被告への株式割当時には行われたということもない。
この点,原告はその陳述書(甲24)で,本件権利の移転手続を株式割当時に行わなかったのは,被告に手続を要求すればいつでもできると思っていたし,手続も一応それなりの手間がかかるほか,被告が共同経営者であったことから当面の不都合がないと思っていたからであると供述している。
しかし,本件権利の移転手続といっても,後に原告が試みたように,原告と被告との間で,本件権利につき譲渡証書(甲6)を作成することで足りるのであれば,それほどの手間はかからない。
また,証拠(乙2,3)によれば,訴外会社は,本件発明から得られる利益の分配を目的として設立されたものであり,それを原告と被告とが共同経営し,原告及び被告とも同等の株式を取得し,取締役に就任したことが認められ,そのような設立経緯の中で,本件権利のみはあえて原告に帰属することにしたのであれば,取得者としての原告はその権利の帰属を明確にしておこうとするのが通常であり,原告が,そのような被告側の債務の履行を,自分側の債務の履行時に求めていなかったというは不自然というほかない。
イ  被告が本件権利移転の手続に協力する姿勢を見せていたとの原告の主張については,その前提である被告に本件権利移転の意思があったことを示すものとして,譲受人を原告,譲渡人を被告とし,「下記発明(本件発明)に関する特許を受ける権利を貴殿に譲渡したことに相違ありません。」と記載された「譲渡証書」(甲6)がある。
しかし,この「譲渡証書」の譲渡人の被告名下の印影が被告の印章によるものであることを被告は否定しており,他にそれが被告の印章によるものであることを認めるに足りる証拠はない。
仮に,被告が「譲渡証書」に押印したとしても,この譲渡証書は,本件権利を譲渡したことしか記載されておらず,300万円という売買代金を定めた本件売買契約が成立し,履行されたことを証するものというより,その体裁からして,出願人名義変更届(甲5)に添付する権利の承継を証する書面として作成されたものにすぎないことは明らかである。
また,被告の本件権利移転手続への協力を示すものとして原告が提出した被告の送信メールについて,被告は,その重要な部分(甲4の2から4の16まで)を送信したことを知らないと主張している。加えて,その内容及び特許庁とのやりとりの書面(甲8,9)から窺われるのは,被告が譲渡証書への押印に特許出願時に使用した印章を使用しないとか,その補正のため,印鑑変更届を提出したが,そこに譲渡証書と異なる印章を用いたとか,その後,特許出願時に使用した印章の確認をしないとか,原告に対して誤った住所を伝えるなどしたということであって,このような被告の態度が,本件権利移転手続に協力する姿勢を見せたものということはできず,かえって,被告は,譲渡証書に記載された譲渡の事実を認めない態度をとっていたといわざるを得ない。
さらに,被告のメールに表れた態度が,本件権利の移転手続に協力するものであったとしても,証拠(甲4の19,4の20)によれば,被告は,メールのやりとりをしていた平成18年4月上旬ころまでは,Aとの話合いにより,本件発明あるいは本件権利を利用して得られた利益の分配案が提示されること,すなわち,被告にとっては本件発明あるいは本件権利が正当に評価され,その対価が得られることを期待していた様子が窺われるから,その期待が維持されている状況であった時期においては,本件権利が原告に帰属することを認めた上で,分配金を取得しようと考え,上記手続に協力しようとしていたというにすぎない。
ウ(ア)  原告は,被告が本件売買契約を締結し,その履行として,対価である原告による300万円の出資をもとにした株式60株の割当を受けながら,その後になって,本件売買契約の成立を否定していると言う趣旨のことをその陳述書(甲24)で述べている。
(イ) しかし,証拠(以下に記載)によれば,訴外会社が設立されたのは,原告と被告が,被告が特許出願した本件発明を利用して利益を上げることを考えてのことであったこと,会社設立のための出資をするに当たり,被告は,出資額を原告と同等としなければ,本件発明から得られる利益の配分を折半できなくなるおそれがあり,また,会社設立後に,会社における発言権のバランスが崩れてはいけないと考え,最低資本金額1000万円から原告の親戚からの出資分400万円を除いた出資額を原告と折半することにしたこと,しかし,被告にはその折半した出資額である300万円に充てる金銭がなかったことから,原告と相談して,被告の出資分300万円を原告が出捐し,その300万円は,被告が本件発明を提供することの対価の一部とし,本件発明あるいは本件権利につき,いずれ帰属が決まればその際に清算することにしたこと(以上,甲21,乙3),そして,訴外会社設立後,原告と被告はいずれも同社の取締役に就任し,本件発明を利用したサイトを訴外会社において立ち上げ,同社を共同で経営するようになったこと(甲1,24,乙3),平成17年9月下旬ころ,訴外会社に対し営業支援をしてきたAが,原告の依頼により訴外会社に出資して,代表取締役に就任することになり,その出資を受けて訴外会社は同年10月26日付けで増資をし,Aは同月30日付けで代表役締役に就任したこと(甲1,24,25),他方,被告は,訴外会社の取締役を辞任して,同社を退社して,別会社に転職することにしたが,訴外会社の設立後も本件権利の移転及び本件発明から得られる利益の分配が決まらないままであったため,それについての話合いが行われるようになったこと(乙3),その話合いは,被告と,原告,A及び同人と同日付けで取締役に就任したBとの間で行われ,被告の保有する訴外会社の株式譲渡,本件権利の移転及び本件発明から得られる利益の分配が対象事項となっていたところ,株式譲渡については,同月31日ころ,被告が,持株60株のうち,43株をAに,7株をBに,それぞれ1株1万円で譲渡することとし,被告と各譲受人との間で,その譲渡代金を覚書締結日から3年以内に支払うことを約した同月31日付け「株式譲渡に関する覚書」(甲20)が締結され,同月30日付けで,被告は,訴外会社の取締役を辞任したこと(甲1,3,24,25,乙3),また,そのころ,本件発明から得られる利益の分配については,訴外会社から,被告に対し,本件発明を利用したゲームから生じる訴外会社の毎月の粗利益のうち,5パーセントをゲーム発明者に対する報酬として,粗利益が生じてから2年間口座に振り込み支払うなどを約した「成功報酬に関する覚書」(乙1)の案が提示されるなどしたが,結局,交渉はまとまらなかったこと,本件権利の移転については,原告が,本件権利を被告が原告に譲渡したことを示す「譲渡証書」(甲6)を作成し,被告から譲渡人欄の押印を得て,出願人名義変更届(甲5)とともに提出し,本件権利の出願人の名義を変更しようとしたが,被告の協力を得られなかったこと(甲4,7,8,24,乙3)が認められる。
(ウ) 以上の経緯において,被告に訴外会社の株式が割り当てられた際に,本件発明あるいは本件権利について金銭的評価がなされたことは窺われず,それが300万円の価値があることを前提に本件売買契約が締結されたことも窺われない。むしろ,前記事実のとおり,この300万円の出資額は,原告と被告が本件発明を利用して,それから得られる利益の分配のために訴外会社が設立され,その設立に当たって,最低資本金を充たすこと,第三者から400万円の出資を受けること及び原告と被告とが同等の株式を保有するものとすることを前提として算出された数字にすぎず,それがそのまま本件権利の対価を意味していたものということはできない。
この点,被告は,原告代理人との交渉においても,その当初から,被告が訴外会社を退職した後において,本件権利の所在や分配権,シェア割合等について具体的な内容を詰めようと話合いの機会を設けたが,双方の溝が埋められなかったとか(甲10),300万円は本件権利を利用して売上げを分配する権利の一部の対価として認識しているなどと(甲12)主張していたところであり,Aとの交渉においても,300万円を出資しての被告の株式取得は,「表向きは買い取るということにした」ためにすぎず,実際には,原告と被告とで訴外会社における条件(訴外会社に対する発言権や利益分配割合を指す。)を同等にしようという話であったなどと(甲21),あくまで,300万円が本件権利の対価として出た数字ではなく,原告と被告とが訴外会社での立場を同等にするためにそうなった数字である旨を述べていることに合致する。
また,被告が,訴外会社を退社しようという同時期に,被告保有の株式の譲渡のほか,成功報酬に関する覚書が提案されようとしたのも,それらの契約書において,株式譲渡の対価については3年内という比較的長期の期限が設けられ,成功報酬の分配については粗利益が生じてから2年間という不確定な期限が設けられたのも,本件権利が原告に帰属することが確定しておらず,未だ特許出願人が被告のままである状況において,被告に,本件発明あるいは本件権利の提供を長く維持してもらうために採られた方策であったと推測することができる。
エ(ア)  原告は,被告と原告代理人との交渉の経緯を示す書面(甲9から17),本件売買契約の成立を認めたという内容の被告とAの会話録音の反訳書(甲21)を提出して,被告が,原告代理人との交渉においては,被告は300万円が一時金であるとか,譲渡先が会社であるなどの主張をしなかったとし,それが,本件売買契約の成立の一事情であると主張する。
(イ) しかし,被告は,原告代理人との交渉の当初から,前記ウ(ウ)で述べた主張のほか,本件権利と株式交換という内容の契約締結はしていないとか,本件権利の譲渡の手続には協力しなかったなどと(甲10)主張していたのであり,その主張内容は本件訴訟に至るまでほぼ変わらないものであることが認められる。
また,Aとの話合いにおいても,300万円が実質的にも本件権利の対価であったことを認めたり,本件権利が移転したことを前提としたりする内容の話はしておらず,300万円は表向きの話であったとの返答を繰り返しているにすぎない。
オ  原告は,被告が譲渡先と主張する訴外会社ではなく,原告が300万円を支払っていることをもって本件売買契約成立の一事情であるとする。
しかし,訴外会社は本件発明を利用して携帯電話用ゲームのサービスを平成18年8月ころから開始したこと(乙2,弁論の全趣旨)及び被告と訴外会社との間で取り交わされようとした「成功報酬に関する覚書」(乙1)の内容に照らしても,前記で認定した訴外会社の設立の経緯に照らしても,訴外会社の設立当時,本件発明あるいは本件権利は確定的な評価をし難いものであったことが推測され,そのような本件発明を利用して利益を上げるために,会社を設立し,そこに集約される利益を分配するという方法を選択したために,しかも,現物出資という方法がとれなかったために,形式上,出資金(株式払込金)という金銭の出捐が必要になり,それを被告が用意できないから原告が負担したにすぎない。すなわち,原告は,被告に対し,本件権利取得の対価として,300万円を出捐したのではなく,原告自身訴外会社の設立を必要とすることから,その出資金を支払ったにすぎないということができる。
(3)  以上のとおり,原告の主張をもってしても,本件権利につき売買代金を300万円とする本件売買契約が成立したことを認めることはできず,他に,本件売買契約が成立したことあるいは本件権利が原告に確定的に帰属することを認めるに足りる証拠はない。
また,出願後の特許を受ける権利は,意思表示のみでは移転せず,特許庁長官への届出が効力発生要件であるところ,前記のとおり,原告による名義人変更届がなされておらず,証拠(甲24)によれば,出願者は被告のままになっていることが認められることに照らしても,原告が本件権利を有しているということはできない。
2  争点2について
前記1のとおり,本件権利につき,本件売買契約あるいはその移転につき確定的な合意が成立したことは認められないから,そのことを前提に被告の債務不履行をいう原告の主張は,前提を欠くものであると言わざるを得ず,その他の点について判断するまでもなく,争点2に係る原告の主張には理由がない。
3  よって,原告の請求にはいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 桑原直子)

 

〈以下省略〉

 

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