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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(282)平成20年11月27日 東京地裁 平20(ワ)12470号 業務委託料等請求事件、貸金等請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(282)平成20年11月27日 東京地裁 平20(ワ)12470号 業務委託料等請求事件、貸金等請求事件

裁判年月日  平成20年11月27日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)12470号・平20(ワ)20888号
事件名  業務委託料等請求事件、貸金等請求事件
裁判結果  甲事件一部認容、乙事件全部認容  文献番号  2008WLJPCA11278005

要旨
◆総合コンサルティング等を業とする甲事件被告との間で業務委託契約を締結し常勤の執行役員として営業サポート等に携わっていた原告が、同被告に対し未払報酬等を請求したところ、同被告が甲事件原告の代表者に対し、数回にわたり貸し付けた金員の返済を請求(乙事件)した事案において、甲事件については業務委託報酬の増額の合意はなかったとして従前の報酬額に基づく請求の限度で認容し、乙事件については交付された金員が貸付の趣旨であったと認めて請求を全額認容した事例

参照条文
民法587条
民法656条

裁判年月日  平成20年11月27日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)12470号・平20(ワ)20888号
事件名  業務委託料等請求事件、貸金等請求事件
裁判結果  甲事件一部認容、乙事件全部認容  文献番号  2008WLJPCA11278005

平成20年(ワ)第12470号 業務委託料等請求事件(甲事件)
平成20年(ワ)第20888号 貸金等請求事件(乙事件)

東京都渋谷区〈以下省略〉
甲事件原告 株式会社エクラビア
代表者代表取締役 X
東京都千代田区〈以下省略〉
甲事件被告・乙事件原告 株式会社CLC
代表者代表取締役 A
訴訟代理人弁護士 高谷裕介
同上 三井拓秀
東京都品川区〈以下省略〉
乙事件被告 X

 

 

主文

1  甲事件被告は,甲事件原告に対し,33万5630円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2  甲事件原告のその余の請求を棄却する。
3  乙事件被告は,乙事件原告に対し,178万円及びこれに対する平成20年5月14日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4  訴訟費用は,甲事件原告と甲事件被告との間においては,20分の1を甲事件被告の,20分の19を甲事件原告の負担とし,乙事件原告と乙事件被告との間においては,乙事件被告の負担とする。
5  この判決第1項及び第3項は仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

第1  請求
(甲事件)
甲事件被告は,甲事件原告に対し,590万5630円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
(乙事件)
主文第3項と同旨。
第2  事案の概要
1  事案の骨子
甲事件は,甲事件被告(乙事件原告)との間で業務委託契約を締結していた甲事件原告が,未払いの業務委託報酬等の支払いを求める事案であり,乙事件は,乙事件原告(甲事件被告)が,甲事件原告の代表者である乙事件被告に貸金の返済を求める事案である。
2  当事者の主張
(甲事件)
〔請求原因〕
(1) 甲事件原告は,業務支援サービス等を業とする実質的に個人経営の会社である。
甲事件被告は,クレジット事業,メディカルソリューション事業及びファイナンシャル事業を含む総合コンサルティング等を業とする株式会社である。
(2) 甲事件原告は,平成18年12月ころ,かねてより知人であった甲事件被告代表者(A)から,同年11月22日付けで登記を完了し,平成19年から本格的に立ち上げる甲事件被告に業務支援という形態で入社することを打診された。
これに対し,甲事件原告は,他社からも平成19年からの業務委託の依頼があったことから,甲事件被告に入社するについて月額75万円の業務委託報酬を条件とする旨伝えたところ,甲事件被告は,同社への入社を業務委託形式とし,平日午前10時から午後6時まで常勤の執行役員として勤務することとして,平成19年1月から同年3月までの試用期間は業務委託報酬を月額50万円(税別),同年4月以降はこれを月額75万円(税別)とすること(増額)を口頭で約したので,甲事件原告はこれを受託し,実際に平成19年1月から甲事件被告の事務所で常勤の執行役員として勤務を開始した。甲事件原告が委託された業務の内容は,甲事件被告の一般的な営業サポート,新規事業企画に関わる提案・指導及び企業経営に関するコンサルティングであり,このほかに,契約社員3名の管理監督,派遣社員の派遣元責任者の業務も行っていた。
しかし,甲事件被告は,平成19年4月以降も業務委託報酬を増額せず,甲事件原告が増額を求めても,「増額については,他の社員とのバランスもあるため,増額分の差額に関しては,甲事件原告は知人なので,毎月どうにでもなるから,会社からの貸付という形態で対応するので,了解してもらいたい。」とか,社員でない甲事件原告に対し,「そろそろ給与も上げないとね。」,「ボーナスもそろそろ支払う時期だね。」などと曖昧な返答を繰り返し,平成19年4月から平成20年3月までの業務委託報酬増額の差額分として,月額26万2500円(税込)を支払う義務があるところ,これを支払っておらず,その総額は315万円となる。
262,500×12=3,150,000
なお,甲事件原告は,平成20年3月31日付けで甲事件被告との業務委託契約を解除した。
(3) 甲事件被告は,平成19年1月から平成20年3月までの間,甲事件原告に対し,毎月の業務委託報酬とは別に日当報酬を支払うという条件で,政治家,会社役員等のVIPに同行する出張を依頼し,甲事件原告はこれに応じて,次のとおり,国内外へ出張した。
① 平成19年10月20日から同月22日まで(3日間)
香港,マカオ
② 同年12月29日から平成20年1月3日まで(6日間)
香港,マカオ
③ 平成20年2月7日から同月10日まで(4日間)
香港,マカオ
④ 平成20年3月2日から同月4日まで(3日間)
大阪,名古屋
甲事件原告は,甲事件被告から日当報酬額の具体的な提示のないままで出張に応じたが,甲事件被告は顧客には甲事件原告を派遣した費用として1日当たり10万円を請求しているので,その25パーセントに当たる額を日当報酬額とするのが相当である。
したがって,甲事件被告の支払うべき出張業務に関する日当報酬の総額は42万円(税込)となる。
26,250×16=420,000
(4) このほかに,甲事件被告は,甲事件原告に対し,平成20年3月分の業務委託基本報酬の残金33万5630円を支払うべきところ,これを平成20年4月15日までに支払う旨約束しているが,未だ支払っていない。
(5) また,甲事件原告は,甲事件被告の株式200株を保有しているところ,甲事件被告との業務委託契約は平成20年3月31日をもって終了しているので,前記株式を保有しておく動機はなく,また,甲事件被告は数名の株主に対しては相当額での株式の買い取りや貸付債権との相殺処理をしており,さらに,甲事件原告は甲事件被告から営業妨害,名誉毀損にも及ぶような威圧行為を受けており,早急に関係を解消することが必要なので,甲事件被告に対し,これらの株式を1株当たり1万円で買い取ることを求める。
(6) よって,甲事件原告は,甲事件被告に対し,増額された業務委託報酬との差額315万円,出張業務に関する日当報酬42万円及び業務委託基本報酬の残金33万5630円の支払いを求めるとともに,被告の株式200株を200万円で買い取ることを求め,併せて,これらに対する訴状送達の日の翌日である平成20年5月20日から支払済みまで商事法定利率を下回る年3分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
〔請求原因に対する認否反論〕
(1) 請求原因(1)は認める。
(2) 請求原因(2)のうち,第1文は認める。
第2文及び第3文は,甲事件原告と甲事件被告の間の契約が業務委託契約であること,同契約が平成19年1月に締結され,甲事件原告が甲事件被告の事務所で常勤の執行役員として勤務を開始したことは認めるが,他社からの打診は不知であり,甲事件原告が月額75万円の報酬を条件としたことを含め,その余は否認する。甲事件原告が月額70万円程度の報酬を個人的な希望として述べたことはあったが,甲事件被告はこれを明確に断っており,報酬の増額を約束したこともない。甲事件被告は,代表取締役Aと不定期に勤務していた役員のほかには女性派遣社員が2名いるだけの小規模な会社であるところ,「執行役員」という肩書は甲事件原告の意欲を高めるために付与した名称にすぎない。そもそも甲事件被告は主に通訳,翻訳の業務を委託するために甲事件原告と契約を締結したのであって,かかる業務の対価としては,甲事件被告の規模からしても月額50万円が相当である。もっとも,甲事件原告は,当初から,通訳,翻訳の業務のほかに甲事件被告が計画していたいくつかの事業の立ち上げも手伝う意欲を見せていたことから,甲事件被告は,二つの事業について手伝わせて,これらの事業が将来利益を上げるようになったら別途成功報酬を支払ってもいいと述べたことはあったが,実際は,甲事件原告が甲事件被告の下で業務を行っていた時点では何らの成果も上がっていなかった。なお,甲事件被告は甲事件原告との間で勤務時間について取り決めたことはなく,甲事件原告は好きな時間に甲事件被告の事務所に来て仕事をし,好きな時間に帰宅していた。
第4文は否認する。他に派遣社員2名がいるだけなのに,甲事件原告への業務委託報酬をどのように決めるかについて「他の社員とのバランス」など考慮する必要はなく,また,契約締結後に何らの実績も上げていない甲事件原告の報酬を上げる理由などなく,しかも,このような発言は甲事件原告と甲事件被告の間の契約が業務委託契約であることと整合しない。
第5文は認める。
(3) 請求原因(3)のうち,甲事件被告が甲事件原告に海外及び国内の出張を業務委託したことは認めるが,これらの出張に関して毎月の業務委託報酬と別に日当報酬を支払う旨約束したことは否認する。甲事件被告は,海外の顧客の接受を含む通訳業務を主な目的の一つとして甲事件原告と業務委託契約を締結したのであって,この業務について別途報酬を支払う約束などしていない。なお,甲事件原告は,甲事件被告の顧客に対する請求額を根拠として挙げているが,これは甲事件原告と甲事件被告の間の契約とは別であって,両者を一方的に関連づける甲事件原告の請求は到底認められない。
(4) 請求原因(4)は認める。
(5) 請求原因(5)は否認ないし争う。甲事件原告は甲事件被告の株主ではない。
(乙事件)
〔請求原因〕
(1) 乙事件原告(甲事件被告)は,クレジットカードに関する業務全般等を目的とする株式会社である。
乙事件被告は,株式会社エクラビア(甲事件原告。以下,乙事件に関しては「エクラビア社」という。)の代表取締役である。
(2) 乙事件原告は,平成19年1月,主に乙事件原告における通訳,翻訳業務を委託するため,報酬月額50万円という条件でエクラビア社と業務委託契約を締結した。その際,乙事件被告は,エクラビア社の月額報酬として70万円を要求したが,原告は,自社の規模からしても,エクラビア社に委託する業務の内容からしても,また,エクラビア社にも乙事件被告にもそれまで何の業務実績がなかったことからしても,エクラビア社に月額70万円もの報酬を支払う意思はない旨を伝え,最終的には,乙事件原告とエクラビア社は報酬月額を50万円とすることで合意した。
(3) その後,乙事件被告は,乙事件原告に対し,銀行借入の返済等で経済的に困窮しているとして,エクラビア社の報酬50万円と70万円の差額である20万円程度につき,乙事件原告から貸付をして欲しい旨を度々述べたことから,乙事件原告は,その窮状に同情し,乙事件被告に対し,次のとおり,各金員を期限の定めなく貸し付けた(貸付日,貸付金額,貸付方法の順)。これらの貸付を裏付けるものとしては,乙事件原告名義の預金通帳への記帳,乙事件原告の現金手渡しに関するメール,乙事件被告からの金銭借入の依頼のメール,乙事件被告の金銭借入を自認するメール等がある。
① 平成19年1月18日,15万円,現金。
② 同年3月14日,20万円,銀行振込。
③ 同年4月9日,20万円,現金。
④ 同年5月9日,20万円,現金。
⑤ 同年6月11日,23万円,現金。
⑥ 同年8月10日,20万円,銀行振込。
⑦ 同年9月26日,60万円,銀行振込。
(4) 乙事件原告は,平成20年4月29日到達の書面により,乙事件被告に対し,2週間以内に前記貸付金を返済するように催告した。
したがって,乙事件被告は,同年5月13日の経過により遅滞に陥っている。
(5) よって,乙事件原告は,乙事件被告に対し,貸金合計178万円及びこれに対する平成20年5月14日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
〔請求原因に対する認否反論〕
(1) 請求原因(1)は認める。
(2) 請求原因(2)は否認する。エクラビア社の業務委託報酬に関しては,これを月額75万円に増額する旨の合意があった。
(3) 請求原因(3)のうち,金員の交付は認めるが,これらが貸付であることは否認する。これらは,乙事件原告がエクラビア社に支払うべき業務委託報酬の増額分との差額の一部である。
(4) (請求原因(4)の催告の事実について,争うことを明らかにしない。)
第3  当裁判所の判断
1  甲事件について
(1)  請求原因に関する検討
ア 請求原因(1)
争いがない。
イ 請求原因(2)
甲事件原告と甲事件被告の間で業務委託契約が締結されたことは争いがない一方で,同契約に関する契約書は作成されるに至っていないところ,甲事件原告提出の甲第1号証(業務委託契約書雛形)と甲事件被告提出の乙第2号証(業務委託契約書)の一致する範囲で合意が成立して,原告の担当業務の内容として一般的業務サポート,新規事業企画に係わる提案・指導及び企業経営に係わるコンサルティングが想定されていたことが認められ,このほかに,証拠(甲39の1等)及び弁論の全趣旨から,通訳,翻訳といった業務が委託されていたことも認められるものの,業務委託報酬が月額50万円から75万円に増額される旨合意されていたと認めるに足りる証拠はない。すなわち,前掲甲第1号証(業務委託契約書雛形)にその旨の記載はあるものの,雛形であるこの書面の記載内容が両当事者の間で了解されていたのかどうかは明らかでなく(他の者の雇用の際の処理如何(甲16)は,甲事件原告との契約の内容を直ちに裏付けるものではない。),また,担当業務の多寡といった点から直ちに報酬に関する合意の有無が裏付けられるものではないので,甲事件原告の主張はたやすく採用することができない。
かえって,当事者の認識を示す周辺事情として,甲第29号証(平成20年4月8日付AからXへのメール)では,甲事件原告自身が増額の金額は確定されていなかった旨述べているところであり,このほかに,甲第31号証(平成20年4月18日付林氏からXへのメール)におけるX(甲事件原告代表者)からのメールでも,3月分の未払業務委託基本報酬のことは指摘しているものの,より金額の大きいはずの他の要求項目のことは明記していないこと等も勘案すると,甲事件原告と甲事件被告の間では,業務委託契約に基づく業務を開始してから3か月ほど様子を見て,場合によっては業務委託報酬の増額があり得るという程度の話があったにとどまるものと推認される。
したがって,平成19年4月以降業務委託報酬を月額75万円(税別)に増額する旨の合意があったという甲事件原告の主張は認めることができない。
ウ 請求原因(3)
甲事件原告が出張をしていたことは争いがないものの,甲事件原告と甲事件被告の間で,これが月額報酬とは別に報酬支払いの対象とされ,その旨合意されていたことを示す的確な証拠はない。
この点,甲事件原告は,どれほどの大物を接受していたかといったことを強調するが,そのことと基本報酬以外に対価を支払うべきかどうかは別の事柄であって,甲第28号証(平成20年4月8日付AからXへのメール)にあるように,甲事件被告がこれらの接受の対価が基本的に業務委託報酬に含まれていると認識していることが直ちに不当ということにはならない。甲事件被告がこれらの顧客に対価の支払いを求めていたことも,甲事件原告と甲事件被告との契約関係とは別個の事情であって,ここから甲事件原告への報酬支払いの必要性を導くことはできない。
したがって,出張に関する日当報酬が別途支払われるべきであるという甲事件原告の主張は認められない。
エ 請求原因(4)
争いがない。
オ 請求原因(5)
まず,甲事件原告が甲事件被告の株主であるのかどうかが争われているところ,甲事件原告が甲事件被告の株式をどのようにして取得したのかを明らかにする的確な証拠はない。甲第27号証(株主名簿)は,その取得の経緯を明らかにするものではなく,甲第28号証(平成20年4月8日付AからXへのメール)も,甲事件被告代表者(A)は甲事件原告代表者(X)に対し(株式自体ではなく)「株オプション」を「私の善意とこれから一緒にやっていこうと言う意思表示として」付与してもいいと言っていただけで,実際に甲事件原告が甲事件被告の株式を保有するに至ったことまで認めているわけではないから,甲事件原告が甲事件被告の株式を保有していると認めるには疑問が残る(なお,他の者への株式譲渡に関する資料(甲47の添付書面)は,甲事件原告の株式保有を裏付けるものではない。)。
しかも,そもそも,ある会社の株主が同社に自らの保有する株式を買い取ることを求める権利が当然に認められるわけではなく,本件でも,株式の買い取りを求める権利のあることは明らかにされていない。この点,甲事件原告が挙げる条文(甲事件被告の定款第8条,会社法174条)は,そのような権利を株主に認めたものではない。
そうすると,いずれにしても,甲事件原告の株式買取請求は理由がない。
カ その他
訴状送達の日が平成20年5月19日であることは顕著な事実である。
(2)  甲事件に関する帰結
甲事件原告の請求は,33万5630円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで商事法定利率を下回る年3分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるが,その余は理由がない。
2  乙事件について
(1)  請求原因に関する検討
ア 請求原因(1)
争いがない。
イ 請求原因(2)及び(3)
金員の交付については争いがなく,その趣旨について争いがあるところ,乙事件原告(甲事件被告)が貸付であると主張するのに対し,乙事件被告はこれを否認し,エクラビア社(甲事件原告)に対する業務委託報酬の一部(未払いになっている増額分)であるという。
しかし,エクラビア社(甲事件原告)に対する業務委託報酬に関して,これを増額する旨の合意が認められないことは,甲事件について検討し,判示したとおりであるから,その反面として,これらの金員は貸付の趣旨で交付されたと認められるべきことになる。乙事件原告代表者(A)と乙事件原告との間で交わされたメール(乙3,4,6,13)の文面も,これらの金員の交付が貸付であること示すものと解される。
ウ 請求原因(4)
催告の事実について,乙事件被告は,名誉毀損等を主張はするものの,催告としての効力自体を否定するとは述べておらず,その点を争うことを明らかにしない。
(2)  乙事件に関する帰結
乙事件原告の請求は理由がある。
3  結論
よって,甲事件についてはその請求を主文第1項の限度で認容し,乙事件についてはその請求を全部認容することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条本文を,仮執行の宣言につき同法259条1項を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 湯川克彦)

 

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