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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(253)平成22年 4月15日 東京地裁 平20(ワ)19364号 貸金請求事件、不当利得返還請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(253)平成22年 4月15日 東京地裁 平20(ワ)19364号 貸金請求事件、不当利得返還請求事件

裁判年月日  平成22年 4月15日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)19364号・平20(ワ)28881号
事件名  貸金請求事件、不当利得返還請求事件
裁判結果  第1事件一部認容、第2事件一部認容  上訴等  控訴  文献番号  2010WLJPCA04158023

要旨
◆原告らが、被告会社との間で締結された金銭消費貸借契約に基づき、被告会社及びその連帯保証人に対し、貸金等の支払を求めた(第1事件)のに対し、被告会社が、上記金銭消費貸借契約を含む各金消費貸借契約につき過払金が生じているとして、上記原告らを含む各貸主らに対し、過払金等の支払を求めた(第2事件)事案において、各貸主と被告会社との間で利息制限法の利率を超える金銭消費貸借契約が順次複数締結されて過払金が発生していること、各貸主のうち原告らを除く貸主と被告会社との間で締結された各アドバイザリー契約による報酬等の一部がみなし利息に該当することを認定判示したものの、被告会社が各貸付けに基づく借入金債務につき過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたとは認められないとして、各貸付毎に制限超過利息の元本充当計算をした結果、第1事件請求及び第2事件請求が一部認容された事例

裁判経過
控訴審 平成24年 6月 4日 東京高裁 判決 平22(ネ)3337号 賃金、不当利得返還請求控訴事件

参照条文
利息制限法1条1項
利息制限法3条
民法587条
民法587条

裁判年月日  平成22年 4月15日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)19364号・平20(ワ)28881号
事件名  貸金請求事件、不当利得返還請求事件
裁判結果  第1事件一部認容、第2事件一部認容  上訴等  控訴  文献番号  2010WLJPCA04158023

平成20年(ワ)第19364号 貸金請求事件(以下「第1事件」という。)
平成20年(ワ)第28881号 不当利得返還請求事件(以下「第2事件」という。)

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

 

 

主文

1  第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社及び第1事件被告Bは,第1事件原告・第2事件被告Polar Bear Lulu Limitedに対し,連帯して1020万6874円及びこれに対する平成20年7月4日から支払済みまで年21.9%の割合による金員を支払え。
2  第1事件原告・第2事件被告Romeo Y Julieta Limitedは,第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社に対し,468万1178円及びこれに対する平成20年6月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  第2事件被告株式会社ミュージック・インベストメント・ジャパンは,第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社に対し,1402万3119円及びうち別紙「利息一覧(被告ミュージック社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4  第2事件被告Princess Snow White Inc.は,第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社に対し,1407万8983円及びうち別紙「利息一覧(被告プリンセス社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5  第1事件原告・第2事件被告Romeo Y Julieta Limitedの請求,第1事件原告・第2事件被告Polar Bear Lulu Limitedのその余の請求,第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社の第1事件原告・第2事件被告Romeo Y Julieta Limited,第2事件被告株式会社ミュージック・インベストメント・ジャパン及び第2事件被告Princess Snow White Inc.に対するその余の請求並びに第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社の第1事件原告・第2事件被告Polar Bear Lulu Limited,第2事件被告有限会社石井兄弟社及び第2事件被告Aに対する請求をいずれも棄却する。
6  訴訟費用は,第1事件及び第2事件を通じてこれを10分し,その3を第1事件原告・第2事件被告Romeo Y Julieta Limitedの,その1を第1事件原告・第2事件被告Polar Bear Lulu Limitedの,その2を第2事件被告株式会社ミュージック・インベストメント・ジャパンの,その2を第2事件被告Princess Snow White Inc.の,その余を第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社及び第1事件被告Bの負担とする。
7  この判決は,1項から4項までに限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  第1事件
(1)  第1事件被告・第2事件原告株式会社飛鳥新社(以下「被告兼原告飛鳥新社」という。)及び第1事件被告B(以下,「被告B」といい,被告兼原告飛鳥新社と併せて「第1事件被告ら」という。)は,第1事件原告・第2事件被告Romeo Y Julieta Limited(以下「原告兼被告ロメオ社」という。)に対し,連帯して1568万8524円及びうち1500万円に対する平成20年6月11日から支払済みまで年21.9%の割合による金員を支払え。
(2)  第1事件被告らは,第1事件原告・第2事件被告Polar Bear Lulu Limited(以下「原告兼被告ポーラー社」という。)に対し,連帯して1573万7704円及びうち1500万円に対する平成20年7月4日から支払済みまで年21.9%の割合による金員を支払え。
2  第2事件
(主位的請求)
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,第2事件被告株式会社ミュージック・インベストメント・ジャパン(以下「被告ミュージック社」という。),第2事件被告Princess Snow White Inc.(以下「被告プリンセス社」という。),第2事件被告有限会社石井兄弟社(以下「被告石井兄弟社」という。)及び第2事件被告A(以下,「被告A」といい,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社,被告プリンセス社及び被告石井兄弟社と併せて「第2事件被告ら」という。)は,被告兼原告飛鳥新社に対し,連帯して3688万6546円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(予備的請求)
第2事件被告らは,被告兼原告飛鳥新社に対し,連帯して3539万8517円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  争いのない事実等(末尾に証拠の記載のない事実は,当事者間に争いがない。)
(1)  当事者等
ア 原告兼被告ロメオ社は,平成17年10月24日に資本金の額を100米ドルとして英国領バージン諸島会社法を準拠法として設立された会社であり,日本における代表者は被告Aである。原告兼被告ポーラー社は,平成18年6月1日に資本金の額を1米ドルとして英国領バージン諸島会社法を準拠法として設立された会社であり,日本における代表者は被告Aである。被告ミュージック社は,平成12年6月8日に設立された株式会社であり,代表取締役がCであり,取締役が被告Aである。被告プリンセス社は,平成16年9月2日に資本金の額を1000米ドルとしてドミニカ国会社法を準拠法として設立された会社であり,日本における代表者は被告Aである。被告石井兄弟社は,平成9年7月28日に設立された有限会社であり,代表取締役で唯一の取締役が被告Aである。
イ 被告兼原告飛鳥新社は,昭和54年7月5日に設立された,書籍,雑誌の企画,編集,出版及び販売等を業とする株式会社であり,代表取締役が被告Bである。
(2)  後記各アドバイザリー契約の締結
ア 被告兼原告飛鳥新社は,平成15年7月20日,被告石井兄弟社との間で,被告石井兄弟社が被告兼原告飛鳥新社に対して資金調達を含めた資本政策その他被告兼原告飛鳥新社及び被告石井兄弟社が書面にて合意した項目の情報を提供し,被告兼原告飛鳥新社が被告石井兄弟社に対して定額報酬として月額31万5000円(消費税相当額込み)を支払うとともに,被告石井兄弟社の提供した情報に基づき資金調達等の具体的な案件が成立した場合に各案件の総金額の5%の成功報酬を支払うことなどを内容とする「アドバイザリー契約」(以下「本件アドバイザリー契約1」という。)を締結した(乙8)。被告兼原告飛鳥新社と被告石井兄弟社との間で上記書面にて合意した項目はない(被告A本人)。
イ 被告兼原告飛鳥新社は,平成19年9月1日,被告プリンセス社との間で,被告プリンセス社が被告兼原告飛鳥新社に対して資金調達を含めた資本政策その他被告兼原告飛鳥新社及び被告プリンセス社が書面にて合意した項目の情報を提供し,被告兼原告飛鳥新社が被告プリンセス社に対して被告プリンセス社の提供した情報に基づき,資金調達等の具体的な案件が成立した場合に各案件の総金額の5%の成功報酬を支払うことなどを内容とする「アドバイザリー契約」(以下,「本件アドバイザリー契約2」といい,本件アドバイザリー契約1と併せて「本件各アドバイザリー契約」という。)を締結した(乙12)。被告兼原告飛鳥新社と被告プリンセス社との間で上記書面にて合意した項目はない(被告A本人)。
ウ 被告兼原告飛鳥新社は,平成16年3月から平成20年4月まで,被告石井兄弟社に対し,本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬として総額1575万円(31万5000円×50か月=1575万円)を支払った。
(3)  各消費貸借契約の締結等
ア 原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社は,それぞれ被告兼原告飛鳥新社との間で,平成16年2月から平成20年7月にかけて,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社がそれぞれ別紙「各社貸付状況一覧表」の「年月日」欄記載の日に,利率につき年15%(利息の計算に当たり,「片/両」欄に「片・後」と記載された貸付けについては弁済日を算入せず,「両・後」と記載された貸付けについては貸付日及び弁済日を算入しない。),遅延損害金の割合につき年29%,弁済期につき「弁済期間」欄記載の期間の末日との約定の下,「契約書上借入金とされた額」欄記載の金員を元本として被告兼原告飛鳥新社に貸し付ける,元本及び利息につき被告兼原告飛鳥新社が各貸主に約束手形を振り出す方法により支払うとの内容の各金銭消費貸借契約(以下,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社による上記各金銭消費貸借契約に基づく貸付けを併せて「本件各貸付け」という。)を締結した。
イ 被告Bは,各貸主に対し,被告兼原告飛鳥新社の上記借入金債務を連帯して保証した。
ウ 原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社は,別紙「各社貸付状況一覧表」の「契約書上借入金とされた額」欄記載の金員から「成功報酬(借入額の5%)」欄記載の本件各アドバイザリー契約に基づく成功報酬を控除した金額である「現実交付額」欄記載の金員を被告兼原告飛鳥新社の銀行口座に振り込んだ。
エ 被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けに係る消費貸借契約の締結と同時に被告Aに対し,各貸主を受取人とし,別紙「各社貸付状況一覧表」の「契約書上借入金とされた額」欄記載の金員及びこれに対する「弁済期間」欄記載の期間の末日までの利息(ただし,年365日[平成16年及び平成20年はうるう年であり,年366日]ではなく,年360日で計算した額)を合計した金額の各約束手形を振り出し,上記各金銭消費貸借契約のうち被告兼原告飛鳥新社と原告兼被告ロメオ社との間で平成20年2月20日に締結された元本1500万円の金銭消費貸借契約(以下「本件金銭消費貸借契約1」という。)及び被告兼原告飛鳥新社と原告兼被告ポーラー社との間で同年3月6日に締結された1500万円の金銭消費貸借契約(以下「本件金銭消費貸借契約2」という。)を除き,上記手形を決済することで上記各金銭消費貸借契約に基づく借入金債務をいずれも弁済した。
(4)  被告兼原告飛鳥新社は,平成20年6月16日,第2事件被告らに対し,本件各貸付けに係る過払金返還請求権を自働債権,本件金銭消費貸借契約1及び2に基づく貸金返還請求権を受働債権として対当額で相殺するとの意思表示をした。
2  請求の内容
(1)  第1事件
ア 原告兼被告ロメオ社は,第1事件被告らに対し,被告兼原告飛鳥新社につき本件金銭消費貸借契約1に基づき,被告Bにつき前記連帯保証契約に基づき,連帯して1568万8524円(元本1500万円及びこれに対する平成20年2月20日から同年6月10日までの年15%の約定利率による利息[1500万円×15%÷366日×112日=68万8524円〈円未満切り捨て,以下同じ〉])及びうち元本1500万円に対する弁済期日の翌日である同月11日から支払済みまで利息制限法(以下「法」という。)所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払を求めている。
イ 原告兼被告ポーラー社は,第1事件被告らに対し,被告兼原告飛鳥新社につき本件金銭消費貸借契約2に基づき,被告Bにつき前記連帯保証契約に基づき,連帯して1573万7704円(元本1500万円及びこれに対する平成20年3月6日から同年7月3日までの年15%の約定利率による利息[1500万円×15%÷366日×120日=73万7704円])及びうち元本1500万円に対する弁済期日の翌日である同月4日から支払済みまで法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払を求めている。
(2)  第2事件
被告兼原告飛鳥新社は,被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は,法3条所定のみなし利息に当たり,本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が第2事件被告らの連帯債務となり,本件各貸付けに基づく借入金債務につき法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意がされているのであるから,別紙1-1から1-4まで記載のとおり,原告兼被告ロメオ社につき過払金元金1779万円9811円と平成20年1月25日までの確定利息1万0027円,原告兼被告ポーラー社による貸付けにつき過払金元金379万円0100円,被告ミュージック社による貸付けにつき過払金元金2894万1925円と同年4月21日までの確定利息39万2339円,被告プリンセス社による貸付けにつき過払金元金1411万7041円と平成18年7月31日までの確定利息2万5005円(これらの総合計6507万6248円)が発生しており,仮に上記合意が認められないとしても,別紙2-1から2-4まで記載のとおり,原告兼被告ロメオ社による貸付けにつき過払金元金161万5102円,過払金元金161万7153円,過払金元金107万8101円,過払金元金161万1833円,過払金元金107万9193円,過払金元金161万5925円,過払金元金161万8381円,過払金元金108万0012円,過払金元金162万0427円,過払金元金162万2473円,過払金元金161万5107円,過払金元金162万5328円,原告兼被告ポーラー社につき過払金元金108万0558円,過払金元金108万1103円,過払金元金162万5774円,被告ミュージック社による貸付けにつき過払金元金234万2316円と平成16年6月21日までの確定利息830円,過払金元金233万7846円,過払金元金108万8116円,過払金元金170万5122円と平成17年6月20日までの確定利息1万3266円,過払金元金202万0646円,過払金元金233万7011円と平成18年1月20日までの確定利息2492円,過払金元金201万9555円,過払金元金202万0646円,過払金元金233万8375円と同年11月20日までの確定利息1940円,過払金元金265万5012円と平成19年4月20日までの確定利息1万2156円,過払金元金202万1738円,過払金元金233万8375円,過払金元金265万8361円と平成20年4月21日までの確定利息8963円,被告プリンセス社による貸付けにつき過払金元金492万6575円,過払金元金107万6192円,過払金元金107万7011円,過払金元金53万1821円,過払金元金108万1376円,過払金元金161万3470円,過払金元金107万8921円,過払金元金161万7971円,過払金元金107万5646円(これらの総合計6358万8219円)が発生していると主張して,第2事件被告らに対し,連帯して,主位的に,上記6507万6248円から,いずれも制限超過部分を元本に充当した後の本件金銭消費貸借契約1に基づく貸付金の残額1407万1552円及び本件金銭消費貸借契約2に基づく貸付金の残額1411万8150円の合計2818万9702円を相殺した残額である3688万6546円及びこれに対する相殺の意思表示をした翌日である平成20年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を,予備的に上記6358万8219円から,上記2818万9702円を相殺した残額である3539万8517円及び同日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求めている。
3  争点及びこれに関する当事者の主張
(1)  被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は,法3条所定のみなし利息に当たり,本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が第2事件被告らの連帯債務となるか(争点(1))
(第1事件被告らの主張)
ア 本件各貸付け,本件各アドバイザリー契約の締結並びにこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は,法形式上は別個の法人が行っているが,以下のとおり,被告Aを除く第2事件被告らの法人格は形骸化しているし,本件各アドバイザリー契約の締結並びにこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は,被告Aが法を潜脱する目的で被告Aを除く第2事件被告らの法人格を濫用して行ったものであるということができるから,法人格否認の法理により,被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は,法3条所定のみなし利息に当たり,また,被告Aを除く第2事件被告らは,被告Aと一体であるということができるから,被告Aを介して全体として一体とみなされるべきであり,本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が第2事件被告らの連帯債務となるというべきである。
(ア) 以下の各事情に照らせば,被告Aを除く第2事件被告らの法人格は形骸化しているということができる。
a 被告Aを除く第2事件被告らに実体のある事務所が存在しないこと
原告兼被告ロメオ社と原告兼被告ポーラー社はタックスヘイブンである英領バージン諸島において設立された法人であり,被告プリンセス社はタックスヘイブンであるドミニカ共和国において設立された法人であって,これらの本店所在地は,設立時の登録代理人である各現地の弁護士が所属する事務所の所在地を借用したものにすぎず,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社の各本店は実在しない。
原告兼被告ロメオ社の日本における支店,被告石井兄弟社及び被告ミュージック社の本店の各所在地は,被告Aが営む小学校受験対策の教室であるアンテナ・プレスクールの教室の住所地を利用したものにすぎず,そこに実体のある営業所は存在しない。
被告プリンセス社の日本における支店の所在地は,被告Aの以前の自宅住所地であり,被告Aの妻であるD(以下「D」という。)の親族であると考えられるEが居住しているのであって,そこに実体のある営業所は存在しない。
原告兼被告ポーラー社の日本における支店は,被告Aの現在の住所地であり,そこに実体のある営業所は存在しない。
b 被告Aを除く第2事件被告らに実質的に被告A以外の取締役が存在しないこと
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告プリンセス社及び被告石井兄弟社については,被告Aが代表者又は代表取締役であり,唯一の取締役であった。
被告ミュージック社には,形式上被告Aの外にも数名の取締役が存在するが,これらの取締役は本店所在地において勤務することもなく,取締役らが一同に会して協議や業務を行うこともなかったのであるから,被告ミュージック社も,被告A以外の取締役は名目的な存在であり,実質的には被告A以外の取締役が存在しなかったのと同様であった。
c 被告Aを除く第2事件被告らが実質的には被告Aが保有する会社であっったこと
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社については,被告Aが唯一の出資者であるから,被告Aが保有する会社であった。被告石井兄弟社については,その唯一の出資者であるDは,被告Aと生計を共にする妻であり,実質的には,被告Aが保有する会社であった。被告ミュージック社については,被告Aがその株式の20.7%を保有する筆頭株主であり,被告A以外の取締役は名目的な存在であるから,実質的には,被告Aが保有する会社であった。
d 被告Aを除く第2事件被告らにおける取締役会,株主総会等の不開催
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社については,被告Aが代表者であり,唯一の取締役であり,同時に唯一の出資者であるから,取締役会や株主総会が開催されているはずがない。被告ミュージック社については,被告A以外の取締役は名目的な存在であり,実質的には被告A以外の取締役が存在しなかったのであり,被告ミュージック社から取締役会や株主総会が開催された証拠が提出されていないのであるから,取締役会や株主総会が開催されていなかったというべきである。被告石井兄弟社については,被告Aが代表取締役であり,唯一の取締役であるから,取締役会が開催されたはずがないし,唯一の出資者であるDは,被告Aと生計を共にする妻であり,被告石井兄弟社から社員総会が開催された証拠が提出されていないのであるから,社員総会が開催されていなかったというべきである。
e 被告Aを除く第2事件被告らの業務の混同
被告Aを除く第2事件被告らが唯一行っていた事業はアンテナ・プレスクールであり,その事業は,当初は被告石井兄弟社が営んでいたが,その後平成16年に被告プリンセス社に移転され,さらに平成18年以降は,原告兼被告ポーラー社に移転され,現在は別の法人に移転されているが,これは被告Aが税務対策目的で行ったものであり,被告Aが自己の行っている事業を被告Aを除く第2事件被告らに振り分けているにすぎないのであるから,被告Aを除く第2事件被告らの業務の混同がみられるというべきである。
f 被告Aを除く第2事件被告らの事業の不存在
原告兼被告ロメオ社,被告ミュージック社は,本件各貸付け開始以降,本件各貸付け以外の事業を行っていないし,原告兼被告ポーラー社,被告プリンセス社及び被告石井兄弟社は,アンテナ・プレスクールの事業を他社に移転させた以降は,実質的には何らの事業も行っていない。
g 被告Aを除く第2事件被告らの従業員の不存在及び転籍
被告Aを除く第2事件被告らにおいて従業員が存在するのは,アンテナ・プレスクールを運営する会社のみであり,かつ,その運営する期間のみである。また,原告兼被告ポーラー社と被告プリンセス社との間で,上記事業の移転に伴って従業員の転籍が行われたが,これは,被告Aがその都合で給与の支払会社を変更したものにすぎない。
h 被告Aは,被告Aを除く第2事件被告らの法人格を意のままに利用し,本件各貸付けにつき,貸付けの準備,貸付けの実行及び貸付金の回収に至るまで一連の過程を一人で決定し,実行していた。
i 被告Aを除く第2事件被告ら間の財産の混同
(a) アンテナ・プレスクールの従業員は,平成16年から平成18年まで被告プリンセス社に,平成18年以降の一定期間原告兼被告ポーラー社に在籍していたにもかかわらず,平成16年から平成20年にかけて,被告石井兄弟社は,アンテナ・プレスクールの従業員に対して給与の一部を支払った。
(b) 本件各貸付けのうち,少なくとも被告ミュージック社が平成16年9月27日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,被告プリンセス社が平成17年5月25日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,被告ミュージック社が平成19年4月27日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,原告兼被告ポーラー社が同年6月26日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円がこれらの各貸主から本件アドバイザリー契約1に基づき成功報酬を取得すべき被告石井兄弟社に支払われた形跡がなく,各貸主において取得したものとみられる。
また,原告兼被告ポーラー社が平成20年3月6日にした1500万円の貸付けに係る成功報酬78万7500円については,被告石井兄弟社が33万7500円,被告プリンセス社が45万円をそれぞれ受領する取決めになっていたにもかかわらず,上記78万7500円全額を被告石井兄弟社が受領している。
(イ) 以下の各事情に照らせば,本件各アドバイザリー契約の締結並びにこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は,被告Aが法を潜脱して被告Aを除く第2事件被告らの法人格を濫用して行ったものであるということができる。
a 前記(ア)a記載のとおり,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社は,ペーパーカンパニーにすぎない。
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社については,被告Aが代表者であり,唯一の取締役であり,同時に唯一の出資者であり,被告石井兄弟社については,被告Aが代表取締役であり,唯一の取締役であるし,唯一の出資者であるDは,被告Aと生計を共にする妻であり,これらの会社については,一時期を除いて従業員もいないのであるから,被告Aが単独で意思決定を行っていたということができる。また,被告Aは,前記(ア)e,i(a)記載のとおり,アンテナ・プレスクールの事業を被告石井兄弟社,被告プリンセス社,原告兼被告ポーラー社へと転々と移転させ,給与の支払元も分散させた。被告ミュージック社については,休眠状態となっており,被告Aが筆頭株主で取締役であったことから,自己が営むアンテナ・プレスクールの教室に事務所を置かせていた。したがって,被告Aは,被告A以外の第2事件被告らを自己の支配下に置いていたということができる。
b 前記(ア)h記載のとおり,被告Aは,被告Aを除く第2事件被告らの法人格を意のままに利用し,本件各貸付けにつき,貸付けの準備,貸付けの実行及び貸付金の回収に至るまでの一連の過程を一人で決定し,実行していた。
c 被告Aによる違法又は不当な目的による第2事件被告らの法人格の利用
本件各アドバイザリー契約は,資金調達先をあっ旋する目的で締結されたものであったが,被告Aは,法を潜脱し,本件各貸付けに際し,被告Aを除く第2事件被告らからの貸付けにより法1条1項所定の上限の利息を取得することに加え,定額報酬及び成功報酬を取得することを目的として第2事件被告らの法人格を利用したものである。このことは,本件各貸付けのうち,被告プリンセス社が被告兼原告飛鳥新社に対して平成16年12月29日ころに1000万円を貸し付けるに際し,被告Aが未払になっていた同年10月分及び11月分,支払期日の到来していない同年12月分から平成17年3月分までの合計6か月分の本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬189万円を支払うことを条件としたこと,被告兼原告飛鳥新社は,平成20年5月ころ,被告Aに対し,資金繰りに余裕ができ,新たな借入れが不要となったために本件各アドバイザリー契約の解除及び定額報酬の支払停止を求めた際,被告Aが本件各貸付けの最終的な弁済期日である同年7月分まで定額報酬を支払うように要求したこと,本件アドバイザリー契約2が締結され,被告プリンセス社が貸主から貸付けの仲介者にその立場を転換したこと,原告兼被告ポーラー社が平成20年3月6日にした1500万円の貸付けに係る成功報酬78万7500円については,被告石井兄弟社が33万7500円,被告プリンセス社が45万円をそれぞれ受領する取決めになっているが,資金調達先のあっ旋の対価であれば,2社の仲介者が同一の資金調達先を同時にあっ旋するようなことはおよそあり得ないこと,本件アドバイザリー契約2の締結は,被告石井兄弟社の事業を被告プリンセス社に移転させるために行われており,被告石井兄弟社が,その後は何らの事業を行っていないにもかかわらず,本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬を受領し続けたこと,前記(ア)i(b)記載のとおり,本件各貸付けのうち,少なくとも被告ミュージック社が平成16年9月27日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,被告プリンセス社が平成17年5月25日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,被告ミュージック社が平成19年4月27日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円,原告兼被告ポーラー社が同年6月26日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円がこれらの各貸主から本件アドバイザリー契約1に基づき成功報酬を取得すべき被告石井兄弟社に支払われた形跡がなく,各貸主において取得したものとみられること,原告兼被告ポーラー社が平成20年3月6日にした1500万円の貸付けに係る成功報酬78万7500円については,被告石井兄弟社が33万7500円,被告プリンセス社が45万円をそれぞれ受領する取決めになっていたにもかかわらず,上記78万7500円全額を被告石井兄弟社が受領していること,被告Aが,原告兼被告ポーラー社が平成19年6月26日にした1000万円の貸付けに係る成功報酬の支払日を上記貸付けの弁済期が被告石井兄弟社の同年7月1日以降の決算期に到来することに合わせて貸付日ではなく同月3日にずらせていることからも明らかである。
イ 第2事件被告らの法人格を否認することができない場合でも,被告石井兄弟社や被告プリンセス社が仲介行為に相当する行為は何らしていなかったこと,被告Aが本件各アドバイザリー契約に基づく定額報酬及び成功報酬の支払を指示しているが,被告Aが本件各貸付けの各貸主の代表者又は取締役であり,窓口であるから,被告Aの指示を各貸主の指示と同視することができることに照らせば,被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は,法3条所定のみなし利息に当たる。
(第2事件被告らの主張)
第1事件被告らの上記主張は否認する。
ア 第2事件被告らは,いずれも自主独立な法的存在であり,それぞれ個別独立して営業活動を行っており,会社財産や個人財産の混同や相互の取引業務活動の混同はなく,帳簿類も第2事件被告らごとに個別に作成され,会計も明確に区別されているのであるし,会社としての必要な諸手続も適切に行われているのであって,被告Aを除く第2事件被告らの法人格が形骸化しているということはできない。なお,被告石井兄弟社は,管理しているアンテナ・プレスクールの顧客の個人情報に接することがある原告兼被告ポーラー社又は被告プリンセス社の従業員に対して情報の管理の対価を支払ったのであり,給与の一部を支払ったものではない。
イ 本件アドバイザリー契約1は,平成15年7月20日に平成16年2月以降に行われた本件各貸付けの相当前に第三者である会社や金融機関からの借入れを予定し,本件各貸付けとは無関係に締結されたものであり,定額報酬を貸付けの条件とするものでもないのであって,法を潜脱する目的で締結されたものでないことは明らかであるし,本件各貸付けは,被告兼原告飛鳥新社の強い要望により行われたものであり,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社から貸付けを申し出たことは一度もないのであって,被告Aが本件各貸付けを行うに当たり,法を潜脱する目的を有していなかったことは明らかである。
ウ 法3条所定のみなし利息は,金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭をいうのであり,債権者以外の者が受けた金銭は,法3条所定のみなし利息には当たらないところ,本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬は被告石井兄弟社が,本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は被告プリンセス社がそれぞれ受領しており,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告プリンセス社,被告ミュージック社,被告石井兄弟社及び被告Aは,独自に事業を行っており,本件各貸付けの各貸主と被告プリンセス社及び被告石井兄弟社は100%子会社でもなく,上記定額報酬及び成功報酬が他の第2事件被告らに還流したことはないのであるから,これらは法3条所定のみなし利息には当たらない。
(2)  本件貸付けの各貸主と被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けに基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたか(争点(2))
(第1事件被告らの主張)
以下のとおり,本件各貸付けは,従前の貸付けの切替え及び貸増しとして,長年にわたり同様の方法で反復継続して行われていたものであり,前回の返済から期間的に接着し,前後の貸付けと同様の方法と貸付条件で行われたものであるということができるから,本件各貸付けは,一個の連続した貸付取引と解すべきものであり,本件貸付けの各貸主と被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けに基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたと解すべきである。
本件各貸付けの借入期間は,いずれも最短で約50日,最長でも約130日という短期間であったため,資金繰りに窮していた被告兼原告飛鳥新社は,借り入れた運転資金を弁済するとその後の運転資金が不足するという状態に恒常的に陥っており,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社からの貸付けにより従前の借入金の返済をしては,また,新たな運転資金のための借入れを繰り返していた。このような被告兼原告飛鳥新社の資金繰りの状況からすれば,本件各貸付けにつき,返済から次の借入れまでに数日間から約2か月間の空白期間があったとしても,実態としては借換えを繰り返していたものというべきである。
この点,本件各貸付けでは,借入金債務の返済と新たな貸付けを同時に行い,返済額と貸付額の差額を交付するという方法はとられていないが,これは,手形貸付けの方法がとられ,当座預金口座による手形決済による返済が行われていたためであるし,本件各貸付けでは,借入日が手形の決済日直前ではないことや,手形の決済日以降になることもあったが,これは,被告兼原告飛鳥新社において,決済日の2か月前には資金繰りの計画を立てており,手形の決済及び取引先からの売掛金の入金と買掛金の支払を総合的に考慮し,手形の各決済日に返済が行うことができるように資金繰りを計画していたからであり,いずれの事実も被告兼原告飛鳥新社が借換えを繰り返していたことを否定するものではない。
第2事件被告らは,被告兼原告飛鳥新社の資金繰りに窮しており,第2事件被告らからの借入れを繰り返さなければ,事業を継続することができなくなることを認識した上で,本件各アドバイザリー契約を本件各貸付けの基本契約と同視し,平成16年2月25日から平成20年7月まで約4年間にわたり本件各貸付けを行ってきた。
第2事件被告らは,ほぼ間断なく,本件貸付けを行っており,いずれも同一の契約書のひな形が用いられており,貸付額も,平成17年8月2日の被告プリンセス社による500万円の貸付けを除き1000万円か1500万円に限られているし,貸付けの方法も,被告Aが,被告兼原告飛鳥新社から貸付けの申入れを受け,貸付先及び貸付条件等を決定し,本件各貸付けに係る消費貸借契約書を添付してメールで通知し,金員の授受の場所も原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社による貸付けの場合には株式会社みずほ銀行丸の内中央支店,被告ミュージック社による貸付けの場合には株式会社三井住友銀行麻布支店と決まっていたのであるから,本件貸付けは,前回の返済から期間的に接着し,前後の貸付けと同様の方法と貸付条件で行われたものであるということができる。
(第2事件被告らの主張)
第1事件被告らの上記主張は争う。
第3  当裁判所の判断
1  前記第2の1の争いのない事実等,証拠(甲10の1,甲11の1及び2,甲14,乙3から6まで,乙9の1から23まで,乙10,乙11,乙19の1,乙22の1,乙26の1から36まで,乙27の24及び25,乙28及び29の各1から6まで,乙43,乙48から50まで,証人F,被告A本人,被告B本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。
(1)  本件アドバイザリー契約1の締結等
被告兼原告飛鳥新社は,平成15年2月ころ,資金繰りが苦しくなり,運転資金の借入先を探していた。被告兼原告飛鳥新社の営業部長であったG(以下「G」という。)は,同月20日,被告兼原告飛鳥新社の元取締役であるHの仲介により,株式会社a事務所の顧問をしていた被告Aと面会し,被告Aに対し,運転資金の借入先を紹介してくれるように求めた。Aは,被告兼原告飛鳥新社に対し,運転資金の借入先を紹介する条件として,被告Aに対して月額31万5000円(消費税相当額込み)の定額報酬を支払うように要求したが,被告兼原告飛鳥新社は,被告Aの要求した定額報酬が高額であったため,これに応じなかった。
しかし,被告兼原告飛鳥新社は,その後,資金繰りがさらに悪化したため,被告Aの上記要求を受け入れてでも,被告Aから運転資金の借入先の紹介を受け,運転資金を確保するしかないと考え,被告Aの上記要求を受け入れることにし,同年7月20日,被告石井兄弟社との間で,本件アドバイザリー契約1を締結した(前記第2の1の争いのない事実等,乙43,証人F)。
(2)  株式会社フォトグエム・エヌ(以下「フォトグエム・エヌ」という。)及び金融機関からの各借入れ
被告Aは,本件アドバイザリー契約1に基づき,被告兼原告飛鳥新社に対し,平成15年7月28日,運転資金の借入先として被告Aの知人であるIが代表取締役を務めるフォトグエム・エヌを紹介し,被告兼原告飛鳥新社は,同日,フォトグエム・エヌから3000万円を借り入れた。その後,被告兼原告飛鳥新社は,本件アドバイザリー契約1に基づく被告Aの紹介により,同年9月29日,株式会社東京三菱銀行から3000万円,同日,新生ビジネスファイナンス株式会社から1000万円,同年12月31日に商工組合中央金庫から3000万円をそれぞれ借り入れた。これらの借入れについては,被告兼原告飛鳥新社は,本件アドバイザリー契約1に基づく成功報酬を被告石井兄弟社の銀行口座に振り込んで支払った(乙10,乙11,乙43,証人F,被告B本人)。
(3)  本件各貸付け
ア 被告兼原告飛鳥新社は,その後も資金繰りが好転せず,平成16年2月ころ,被告Aに対し,新たな運転資金の借入先を紹介してくれるように求めたことから,本件各貸付けが行われた(前記第2の1の争いのない事実等,甲14,乙10,乙11,乙19の1,乙43,証人F,被告A本人,被告B本人)。
被告Aは,本件各貸付けにつき,法の制限利率を考慮し,利率を法1条1項所定の元本100万円以上の場合の制限利率である年15%とすることを申し入れ,被告兼原告飛鳥新社は,この申入れを承諾した。そして,本件各貸付けは,具体的には,以下の方法で行われた。
①Gが被告Aに対して被告兼原告飛鳥新社に必要な借入額を連絡すると,被告Aが同一のメールアドレス(〈省略〉.jp)から,Gに対し,貸付日,待ち合わせ場所(原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社を貸主とする場合は株式会社みずほ銀行丸の内支店,被告ミュージック社を貸主とする場合は株式会社三井住友銀行麻布支店)及び時間,貸付額,貸付期間,利息額,被告兼原告飛鳥新社の銀行口座への振込額(元本から本件各アドバイザリー契約に基づく5%の成功報酬を控除した額)及び被告兼原告飛鳥新社が振り出すべき約束手形の額面額及び通数等を指定したメールを金銭消費貸借契約書を添付して送信する,②Gは,上記待ち合わせ場所及び時間に上記メールに添付された金銭消費貸借契約書に被告兼原告飛鳥新社の社判及び被告Bの代表者印を押印したものを3部持参し,これに被告Aに貸主となる会社の社判を押印してもらい,そのうち1部を被告Aに交付し,残りの2部をGが被告兼飛鳥新社に持ち帰るとともに,被告兼原告飛鳥新社が各貸主を受取人とし,被告Aが上記メールで指定したとおりに振り出た約束手形を被告Aにこれを交付する,③被告Aは,各貸主に代わって元本から本件各アドバイザリー契約に基づく成功報酬を控除した残額を被告兼原告飛鳥新社の銀行口座に振り込み,Gに対し,別紙「各社貸付状況一覧表」の「成功報酬支払先」欄記載の会社(被告石井兄弟社又は被告プリンセス社)名義の成功報酬に係る領収書を交付する,④被告Aが上記約束手形を銀行窓口に持参し,取立てに回すという一連の手続で行われた。このように,本件各貸付けについては,被告Aが,貸付先,被告兼原告飛鳥新社が振り出すべき約束手形の額面額及び通数等の本件各貸付けの内容及びそれについての弁済方法を決定しており,被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けについて被告A以外の者と協議したことはなかった(乙9の1から23まで,乙11,乙26の1から36まで,乙28の1から6まで,乙43,証人F,被告A本人)。
なお,被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けが開始された後,被告Aの紹介により,平成19年6月28日,フォトグエム・エヌから1500万円を借り入れたことがあった(乙11,乙43,乙48から50まで,証人F)。
(4)  本件アドバイザリー契約1に基づく平成16年10月分から平成17年3月分までの定額報酬の支払
被告兼原告飛鳥新社は,平成16年10月ころ,一時期,資金繰りが安定し,新規で運転資金の借入れをする必要がなくなったことから,被告石井兄弟社に対し,同月分及び同年11月分の各定額報酬を支払うことを取りやめたが,同年12月ころ,再度,資金繰りに不安が生じ,運転資金の借入先を紹介してもらう必要が生じたため,被告Aに対し,運転資金の借入先の紹介を求めた。その際,被告Aは,被告兼原告飛鳥新社に対し,貸付けと本件アドバイザリー契約1は一体であるから,元本及び利息の支払が完済するまでは本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬は支払い続けてもらわなければならないのであり,未払になっていた同年10月分及び11月分,支払期日の到来していない同年12月分から平成17年3月分までの合計6か月分の本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬189万円を支払うことが借入先の紹介の条件であると申し入れ,被告兼原告飛鳥新社は,この申入れを承諾した。そこで,被告プリンセス社は,平成16年12月29日,被告兼原告飛鳥新社に対し,1000万円を貸し付けたが,その際,被告Aは,被告プリンセス社に代わって,元本1000万円から上記定額報酬189万円及び本件アドバイザリー契約1に基づく成功報酬(52万5000円[消費税相当額込み])を控除した758万5000円のみを被告兼原告飛鳥新社の銀行口座に振り込んだ(乙9の1,乙10,乙22の1,乙27の24及び25,乙43,証人F,被告A本人,被告B本人)。
(5)  本件アドバイザリー契約2の締結
ア 被告Aは,平成19年9月ころ,被告兼原告飛鳥新社に対し,被告石井兄弟社との間で締結されていた本件アドバイザリー契約1に加えて,被告プリンセス社との間でもアドバイザリー契約を締結するように申し入れ,被告兼原告飛鳥新社は,上記申入れを承諾した。そこで,被告プリンセス社は,同月1日,被告兼原告飛鳥新社との間で,本件アドバイザリー契約2を締結した(前記第2の1の争いのない事実等,乙10,乙11,乙43,証人F,被告A本人,被告B本人)。
イ 被告兼原告飛鳥新社は,本件アドバイザリー契約2が締結された以降も,被告石井兄弟社に対し,平成20年4月まで毎月,本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬を支払い続けた。また,被告Aは,本件各貸付けのうち本件アドバイザリー契約2が締結された平成19年9月1日以降に行われたものについては,本件金銭消費貸借契約2を除き,本件アドバイザリー契約1ではなく,本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬としてこれを元本から控除し,原告兼被告飛鳥新社に対し,被告プリンセス社名義の領収書を交付した。
被告Aは,被告石井兄弟社及び被告プリンセス社の各決算期の利益を調整するため,被告兼原告飛鳥新社に対し,本件金銭消費貸借契約2に係る成功報酬78万7500円(消費税相当額込み)につき,うち33万7500円については本件アドバイザリー契約1に基づく成功報酬として被告石井兄弟社名義の領収書(乙26の36)を,うち45万円については本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬として被告プリンセス社名義の領収書(乙28の5)を交付したが,上記78万5000円全額を平成20年3月7日に被告石井兄弟社の銀行口座に入金した(前記第2の1の争いのない事実等,甲10の1,乙26の36,乙28及び29の各1から6まで,被告A本人)。
(6)  第2事件被告らの関係
原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告プリンセス社及び被告石井兄弟社については,被告Aが代表者又は代表取締役であり,唯一の取締役であった。原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社については被告Aが唯一の出資者であり,被告石井兄弟社についてはDが唯一の出資者であるが,Dは被告Aと生計を共にする妻であった。被告ミュージック社については,被告A以外の取締役が存在し,被告A以外の株主も存在するが,被告Aは,被告ミュージック社の全株式の20.7%を保有する筆頭株主であり,かつ取締役であった(前記第2の1の争いのない事実等,甲11の1及び2,乙3から6まで,被告A本人,弁論の全趣旨)。
前記(1)の認定事実につき,被告Aの陳述書(甲14)及び本人尋問の結果中には,被告石井兄弟社は,被告兼原告飛鳥新社から運転資金の借入先の紹介ではなく,被告兼原告飛鳥新社の不正経理の調査を求められ,上記調査のため被告兼原告飛鳥新社との間で本件アドバイザリー契約1を締結したとの供述記載部分及び供述部分がある。しかし,上記部分は,被告Aが本人尋問において本件アドバイザリー契約1に係る契約書(乙8)の文案を作成したことを自認しているにもかかわらず,本件アドバイザリー契約1では,被告石井兄弟社が被告兼原告飛鳥新社に対して提供すべきサービスの内容は,資金調達を含めた資本政策その他被告兼原告飛鳥新社及び被告石井兄弟社が書面にて合意した項目の情報を提供することとされており,被告兼原告飛鳥新社と被告石井兄弟社との間で上記書面にて合意した項目もなく,契約書上,不正経理の調査が本件アドバイザリー契約1の契約内容になっていないこと,被告Aが被告石井兄弟社名で被告兼原告飛鳥新社の平成15年12月期の決算につき不正経理の調査をし,平成16年3月9日ころ,上記調査結果をまとめた「報告書―御社平成15年12月期について」と題する書面(甲16,乙52)を作成しているものの,平成15年12月期の決算書類が作成されていない同年7月20日の時点で,被告兼原告飛鳥新社が被告Aに対して同年12月期の決算につき不正経理の調査を求め,毎月31万5000円もの高額な定額報酬の支払に合意するとは考え難いこと,G,F及び被告Bの陳述書(乙10,乙11,乙43)中の反対趣旨の供述記載部分,Fの証言及び被告Bの本人尋問の結果中の反対趣旨の供述部分の各存在に照らしていずれも採用することができない。
上記認定事実に基づき,以下各争点について判断する。
2  被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は,法3条所定のみなし利息に当たり,本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が第2事件被告らの連帯債務となるか(争点(1))について
被告Aは,本件各貸付けにつき,法の制限利率を考慮し,利率を法1条1項所定の元本100万円以上の場合の制限利率である年15%とすることを申し入れていること,被告Aは,各貸主に代わって,元本から本件各アドバイザリー契約に基づく成功報酬を控除した残額を被告兼原告飛鳥新社の銀行口座に振り込んできたのであって,被告兼原告飛鳥新社が上記成功報酬を支払うことを貸付けの条件としたこと,被告Aは,被告プリンセス社が平成16年12月29日に1000万円を被告兼原告飛鳥新社に貸し付ける際,被告兼原告飛鳥新社が上記成功報酬のほかに平成16年10月分から平成17年3月分までの本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬189万円を支払うことを貸付けの条件としたこと,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社,被告プリンセス社及び被告石井兄弟社については,被告Aが代表者又は代表取締役であり,唯一の取締役であったこと,原告兼被告ロメオ社,原告兼被告ポーラー社及び被告プリンセス社については被告Aが唯一の出資者であり,被告石井兄弟社についてはDが唯一の出資者であるが,Dは被告Aと生計を共にする妻であったこと,被告ミュージック社については,被告A以外の取締役が存在し,被告A以外の株主も存在するが,被告Aは,被告ミュージック社の全株式の20.7%を保有する筆頭株主であり,かつ取締役であったこと,本件各貸付けにつき,貸主側の契約締結前の連絡,契約の締結,貸付金の振込み及び貸付金の回収のいずれについても,被告Aのみが関与しているのであるから,各貸主が直接貸付けを行えば足り,本件各貸付けにつき,被告石井兄弟社又は被告プリンセス社の仲介を受ける必要がなかったこと,被告Aは,平成19年9月ころ,被告兼原告飛鳥新社に対し,それまでは貸主であった被告プリンセス社との間でも本件アドバイザリー契約2を締結することを申し入れてこれを締結させたこと,被告Aは,被告石井兄弟社及び被告プリンセス社の各決算期の利益を調整するため,本件金銭消費貸借契約2に係る成功報酬を被告石井兄弟社と被告プリンセス社に振り分けていることに照らせば,被告Aは,法を潜脱し,被告石井兄弟社及び被告プリンセス社に上記成功報酬及び定額報酬を取得させることを意図したものということができるから,上記成功報酬及び定額報酬は,法3条所定のみなし利息に当たるということができるし,制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には,過払金につき民法704条の「悪意の受益者」であるというべきである。そして,上記平成16年10月分から平成17年3月分までの定額報酬を除く,被告石井兄弟社が本件アドバイザリー契約1に基づき支払を受けたその余の定額報酬については,本件各貸付けと直接の関係がなく支払われており,本件各貸付けとの対応関係が明らかではないのであるから,上記定額報酬については,本件各貸付けに係る元本使用の対価であるとまでいうことはできず,法3条所定のみなし利息に当たるということはできない。これに反する第1事件被告らの主張は採用することができない。
第1事件被告らは,いわゆる法人格否認の法理の適用も主張するが,上記主張する事情がすべて認められても,上記の判断で示されたとの同一の判断となるにすぎず,被告Aを除く第2事件被告らが一体であり,制限超過部分を元本に充当したことにより発生した過払金返還債務が連帯債務関係となるということができないから,第1事件被告らの上記主張については判断を要しない。
3  本件貸付けの各貸主と被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けに基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたか(争点(2))について
第1事件被告らは,本件各貸付けは,一個の連続した貸付取引と解すべきものであり,本件貸付けの各貸主と被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付けに基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたと解すべきである主張する。
しかし,本件各アドバイザリー契約が本件各貸付けの基本契約であるということができないし,これと同視することもできないことは明らかである。また,本件各貸付けについては,各貸付けの弁済日から次の貸付けまで,数日間から最大で約2か月間(平成16年12月29日付けの被告ミュージック社及び被告プリンセス社による各1000万円の貸付けの弁済日である平成17年3月31日から被告プリンセス社による同年5月25日付けの1000万円の貸付けまでの期間)もの期間があり,被告兼原告飛鳥新社が次の借入れをするか否かは,その資金繰りの事情によるのであり,借入れの際に次の借入れを想定していたとまでいうことができないのであって,このことは,被告兼原告飛鳥新社の資金繰りが安定したときは,本件各貸付けがされていないことによっても裏付けられていることに照らせば,本件各貸付けは一個の連続した貸付取引であるということはできず,本件貸付けの各貸主と被告兼原告飛鳥新社は,本件各貸付に基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当した結果過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたということはできない。
4  小括
以上のとおり,本件各貸付けがされた平成16年2月以降に被告石井兄弟社が受けた本件アドバイザリー契約1に基づく成功報酬及び上記平成16年10月分から平成17年3月分までの定額報酬,被告プリンセス社が受けた本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬が法3条所定のみなし利息に当たり,かつ,年360日ではなく,年365日(平成16年及び平成20年については年366日)として制限超過部分を本件各貸付けの元本に充当すると,以下のとおりとなる。
ア  被告兼原告飛鳥新社は,本件金銭消費貸借契約1の弁済期日である平成20年6月10日の時点(相殺適状時)で,原告兼被告ロメオ社に対し,別紙「計算書(原告兼被告ロメオ社)」記載のとおり,過払金元本1779万9035円及び確定利息95万3695円の支払請求権を有しており,他方,原告兼被告ロメオ社は,被告兼原告飛鳥新社に対し,同別紙記載のとおり,元本1407万1552円の貸金返還請求権を有しているということができ,相殺の結果,被告兼原告飛鳥新社は,原告兼被告ロメオ社に対し,468万1178円(1779万9035円+95万3695円-1407万1552円=468万1178円)及びこれに対する同月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しているということができる。
イ  被告兼原告飛鳥新社は,本件金銭消費貸借契約2の弁済期日である平成20年7月3日の時点(相殺適状時)で,原告兼被告ポーラー社に対し,別紙「計算書(原告兼被告ポーラー社)」のとおり,過払金元本378万7435円及び確定利息12万3841円の支払請求権を有しており,原告兼被告ポーラー社は,被告兼原告飛鳥新社に対し,同別紙記載のとおり,元本1411万8150円の貸金返還請求権を有しているということができ,相殺の結果,原告兼被告ポーラー社は,被告兼原告飛鳥新社に対し,1020万6874円(1411万8150円-378万7435円-12万3841円=1020万6874円)及びこれに対する同月4日から支払済みまで法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払請求権を有しているということができる。
ウ  被告兼原告飛鳥新社は,被告ミュージック社に対し,別紙「計算書(被告ミュージック社)」記載のとおり,1402万3119円及び別紙「利息一覧(被告ミュージック社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しているということができる。
エ  被告兼原告飛鳥新社は,被告プリンセス社に対し,別紙「計算書(被告プリンセス社)」記載のとおり,1407万8983円及び別紙「利息一覧(被告プリンセス社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しているということができる。
5  結論
以上の次第で,第1事件のうち,原告兼被告ポーラー社の請求は,第1事件被告らに対し,連帯して1020万6874円及びこれに対する平成20年7月4日から支払済みまで法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,これを認容し,原告兼被告ポーラー社のその余の請求及び原告兼被告ロメオ社の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,第2事件のうち,被告兼原告飛鳥新社の原告兼被告ロメオ社に対する請求は,468万1178円及びこれに対する平成20年6月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を,被告兼原告飛鳥新社の被告ミュージック社に対する請求は,1402万3119円及び別紙「利息一覧(被告ミュージック社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を,被告兼原告飛鳥新社の被告被告プリンセス社に対する請求は,1407万8983円及び別紙「利息一覧(被告プリンセス社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求める限度でいずれも理由があるから,これを認容し,被告兼原告飛鳥新社の原告兼被告ロメオ社,被告ミュージック社及び被告プリンセス社に対するその余の請求並びにその余の第2事件被告らに対する請求はいずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 中村也寸志 裁判官 宮島文邦 裁判官中保秀隆は転官につき署名押印することができない。裁判長裁判官 中村也寸志)

 

別紙
当事者目録
英国領バージン諸島トートーラ〈以下省略〉
(日本における支店)東京都渋谷区〈以下省略〉
第1事件原告・第2事件被告 Romeo Y Julieta Limited
日本における代表者 A
英国領バージン諸島トートーラ〈以下省略〉
(日本における支店)東京都港区〈以下省略〉
第1事件原告・第2事件被告 Polar Bear Lulu Limited
日本における代表者 A
東京都渋谷区〈以下省略〉
第2事件被告 株式会社ミュージック・インベストメント・ジャパン
上記代表者代表取締役 C
ドミニカ国ロゾー〈以下省略〉
(日本における支店)東京都世田谷区〈以下省略〉
第2事件被告 Princess Snow White Inc.
日本における代表者 A
東京都渋谷区〈以下省略〉
第2事件被告 有限会社石井兄弟社
同代表者代表取締役 A
東京都港区〈以下省略〉
第2事件被告 A
上記6名訴訟代理人弁護士 市東譲吉
東京都中央区〈以下省略〉
第1事件被告・第2事件原告 株式会社飛鳥新社
同代表者代表取締役 B
東京都文京区〈以下省略〉
第1事件被告 B
上記両名訴訟代理人弁護士 遠山友寛
同 中川秀宣
同 尾形和哉
同 金子剛
同 金山梨紗
同 中川浩輔
別紙
利息一覧(被告ミュージック社)

内金 起算日 内金 起算日
108万2316円 平成16年6月19日 107万5646円 平成18年8月1日
107万7846円 平成16年11月2日 107万8375円 平成18年11月14日
108万8116円 平成17年2月11日 108万0012円 平成19年3月13日
107万5122円 平成17年4月1日 107万6738円 平成19年8月4日
107万5646円 平成17年10月4日 107万8375円 平成19年11月21日
107万7011円 平成18年1月12日 108万3361円 平成20年3月25日
107万4555円 平成18年4月27日

別紙
利息一覧(被告プリンセス社)

内金 起算日 内金 起算日
492万6575円 平成17年4月1日 161万3470円 平成18年2月21日
107万6192円 平成17年8月30日 107万8921円 平成18年4月27日
107万7011円 平成17年11月10日 161万7971円 平成18年6月13日
53万1821円 平成17年9月22日 107万5646円 平成18年8月1日
108万1376円 平成17年12月27日

〈以下省略〉

 

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