【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(208)平成24年 3月15日 東京地裁 平22(ワ)16212号 売掛代金等請求事件、損害賠償請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(208)平成24年 3月15日 東京地裁 平22(ワ)16212号 売掛代金等請求事件、損害賠償請求事件

裁判年月日  平成24年 3月15日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ワ)16212号・平22(ワ)33762号
事件名  売掛代金等請求事件、損害賠償請求事件
裁判結果  甲事件請求認容、乙事件請求棄却  文献番号  2012WLJPCA03158015

要旨
◆原告が、被告会社及び被告連帯保証人に対し、原告と被告会社との間の店舗ごとのフランチャイズ契約に基づく売掛債権の支払、店舗ごとの業務委託契約に基づく売上金の引渡し及び売掛債権の支払、エリアエントリー契約に基づく売掛債権の支払及び同契約の解除に基づく違約金の支払、建物等使用契約に基づく未払賃料等の支払を求めるなどした(甲事件)ところ、被告会社が、原告主張の店舗ごとの複数の契約は一体となる基本契約に基づいて締結され、同基本契約は原告による収益保証債務及び正確な情報提供債務の各不履行により、又は詐欺という共同不法行為により締結されたとして、原告及び本件各契約締結当時の原告の役員らに対し、損害賠償を求めた(乙事件)事案において、甲事件に係る請求をすべて認容した一方、被告会社主張に係る原告の債務不履行及び不法行為は認められないなどとして、乙事件に係る請求を棄却した事例

参照条文
民法415条
民法446条
民法709条
民法719条
会社法350条

裁判年月日  平成24年 3月15日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ワ)16212号・平22(ワ)33762号
事件名  売掛代金等請求事件、損害賠償請求事件
裁判結果  甲事件請求認容、乙事件請求棄却  文献番号  2012WLJPCA03158015

平成22年(ワ)第16212号 売掛代金等請求事件(以下「甲事件」という。),
同第33762号 損害賠償請求事件(以下「乙事件」という。)

東京都品川区〈以下省略〉
甲事件原告兼乙事件被告
(以下「原告」という。)
株式会社イタリアントマト
代表者代表取締役 A
東京都大田区〈以下省略〉
乙事件被告
(以下「乙被告」という。)

東京都東久留米市〈以下省略〉
乙事件被告
(以下「乙被告」という。)

原告及び乙被告ら訴訟代理人弁護士 櫻田喜貢穗
同 今井亮
秋田市〈以下省略〉
甲事件被告兼乙事件原告
(以下「被告」という。)
株式会社秋田一番
代表者代表取締役 C
秋田市〈以下省略〉
甲事件被告
(以下「甲被告」という。)

被告及び甲被告訴訟代理人弁護士 南出喜久治

 

 

主文

1  被告及び甲被告は,各自原告に対し,3098万9765円及びこれに対する平成22年5月20日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  被告及び甲被告は,各自原告に対し,別紙物件目録1ないし53記載の物件を引き渡せ。
3  前項の引渡しにつき強制執行不能のときは,被告及び甲被告は,各自原告に対し,前項の各物件につき同項の物件目録記載の金員を支払え。
4  被告の乙事件請求をいずれも棄却する。
5  訴訟費用は,甲事件・乙事件を通じ,被告及び甲被告の負担とする。
6  この判決は,第1項ないし第3項につき,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  甲事件
主文第1項ないし第3項と同旨
2  乙事件
原告及び乙被告らは,被告に対し,1000万円及びこれに対する原告及び乙被告Bに対しては平成22年9月16日から,乙被告Aに対しては同月15日から,それぞれ支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
1  甲事件
本件は,原告が,被告(主債務者)及び甲被告(連帯保証人)に対し,第1に,① 原告と被告(ただし,a店については,原告と合資会社との間のフランチャイズ契約上の地位が被告に移転)との間の店舗ごとのフランチャイズ契約(店舗エントリー契約)に基づく売掛債権の支払(d店(以下「d店」という。)については違約金の支払も含む。),② 原告(委託者)と被告(受託者)との間の店舗ごとの業務委託契約に基づく売上金の引渡し及び売掛債権の支払,③ 原告と被告間のエリア(宮城県と山形県)エントリー契約に基づく売掛債権の支払及び同契約の解除に基づく違約金の支払,④ 原告と被告との間の原告仙台工場及びd店の建物及び設備一式についての使用契約に基づく未払賃料等及び同契約終了後の賃料相当損害金の支払を求める(附帯請求として遅延損害金支払請求を含む。)とともに,第2に,上記建物等使用契約解除に伴う原状回復請求権に基づき,仙台工場及びd店の設備一式の返還を求め,これが強制執行不能のときは,時価相当額の損害賠償請求をしている事案である。原告の上記各請求内容は多岐にわたるものであるところ,それを整理したものが別紙「原告請求一覧表」である。
2  乙事件
本件は,被告が,店舗エントリー契約「a」を除くその余の原告主張の5個の契約は一体となる基本契約(フランチャイズ契約)に基づいて契約されていることを前提とし,この基本契約が原告による収益保証債務及び正確な情報提供債務の各不履行により締結されたとして,仮にそうでないとしても,詐欺(故意に虚偽の情報提供を行ったこと)という共同不法行為により締結されたとして,主位的には債務不履行(乙被告らは原告の債務を連帯保証)に基づき,予備的には共同不法行為に基づき,逸失利益等の損害についての内金(これに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまでの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金を含む。)の支払いを求めている事案である。
なお,被告は,予備的抗弁として,この損害賠償請求権と原告の甲事件請求権との対当額での相殺も主張している。
3  前提事実(証拠等を掲記しない事実は争いがないか,明らかに争わない事実である。以下「本件前提事実」という。)
(1)  原告は,レストラン及び喫茶店など飲食店の経営・経営指導や和洋菓子の製造・販売等を目的とする株式会社である。乙被告A(以下「乙被告A」という。)は,甲事件対象の各契約締結時において,原告の代表取締役の地位にあった者であり,乙被告B(以下「乙被告B」という。)は,同契約締結時において,原告の専務取締役の地位にあった者である。
被告は,ホテル,レストラン及び喫茶店の経営等を目的とする会社であり,甲被告は,被告の代表者である。
(2)  イタリアン・トマトカフェジュニアa店(以下「a店」という。)について
ア 店舗エントリー契約「a」
原告は,平成19年3月1日,合資会社プレザン(以下「プレザン」という。)との間で,a店について,原告をフランチャイザー,プレザンをフランチャイジーとする次の内容のイタリアン・トマト・エントリー・システム契約(以下「店舗エントリー契約「a」」という。)を締結し,プレザンがa店の営業を行うことを許諾した。
① フランチャイザーの義務
プレザンに対し,a店の営業を許諾すること,営業に必要なノウハウを提供すること,総売上高を計算するための情報端末(POSシステム)をレンタルすること及び営業に必要な備品等の物品及び商品を供給すること
② フランチャイジーの義務
原告に対し,毎月の売上高を営業報告書に記入して速やかに送付すること,総売上高の3%相当額をロイヤリティとして支払うこと,原告から購入した物品及び商品等の代金を支払うこと,POSシステムのレンタル料を支払うこと及びバイジング費用を支払うこと並びに上記債務について毎月末日締切翌月末日払の方法で支払うこと
イ 契約当事者たる地位の移転
その後,平成20年4月11日,プレザンから,原告に対し,店舗エントリー契約「a」におけるフランチャイジーたる地位を被告に移転したい旨の申出がされ,これを原告が了承した。
ウ 未履行債務について
被告は,原告に対し,店舗エントリー契約「a」に関し,平成22年4月15日時点で,25万4759円の未払買掛債務を負っている(甲3)。
(3)  イタリアン・トマトカフェジュニアb店(以下「b店」という。)について
ア 業務委託契約「b」
原告は,平成20年9月30日,被告との間で,b店について,次の内容の業務委託契約(以下「業務委託契約「b」」という。)を締結し,被告に対し,同店舗の営業を委託した。
① 被告の債務
店舗運営業務,日々の売上金の引渡し並びにPOSシステムレンタル料及び購入したケーキ箱等の物品の代金支払
② 原告の債務
業務委託料として,被告から引渡しを受けた1箇月分の売上金から,月額賃料相当額等原告が店舗の大家に支払う金銭債務相当額及び店舗設備使用料(以下「立替金」という。)を控除した残額を被告に支払う。
イ 未履行債務について
被告は,原告に対し,業務委託契約「b」に関し,平成22年1月22日時点で,本来引き渡さなければならない売上金引渡債務のうち926万6425円を未だ引き渡していない(甲5,6)。
ただし,被告が,原告に対し,同店舗及び施設を返還した同月末日までに原告が負担した立替金は280万0249円であって(甲7,8),他方充当していない被告からの売上預かり金が103万2254円残存している(甲9)。そのため,被告から引渡しを受けた売上金が,立替金に充当された後,業務委託料として被告に支払われることを考慮すると,実質的に原告が負担した金額は176万7995円となる(弁論の全趣旨)。
また,被告は,原告に対し,POSシステムのレンタル料及び購入したケーキ箱等の買掛債務として26万0269円の支払が未履行である(甲10)。
(4)  イタリアン・トマトカフェジュニアc店(以下「c店」という。)について
ア 業務委託契約「c」
原告は,平成20年9月30日,被告との間で,c店について,次の内容の業務委託契約(以下「業務委託契約「c」」という。)を締結し,被告に対し,同店舗の営業を委託した。
① 被告の債務
店舗運営業務,日々の売上金の引渡し並びに毎月の総売上高の1%相当額,POSシステムレンタル料及び購入したケーキ箱等の物品の代金支払
② 原告の債務
業務委託料として,被告から引渡しを受けた1箇月分の売上金から,月額賃料相当額等原告が店舗の大家である日本生命保険相互会社に支払う立替金を控除した残額を被告に支払う。
イ 未履行債務について
被告は,原告に対し,業務委託契約「c」に関し,平成22年1月22日時点で,本来引き渡さなければならない売上金引渡債務のうち694万1801円を未だ引き渡していない(甲5,12)。
ただし,被告が,原告に対し,同店舗及び施設を返還した同月末日までに原告が負担した立替金は254万9549円であって(甲13,14),他方充当していない被告からの売上預かり金が68万5787円残存している(甲15)。そのため,被告から引渡しを受けた売上金が,立替金に充当された後,業務委託料として被告に支払われることを考慮すると,実質的に原告が負担した金額は186万3762円となる(弁論の全趣旨)。
また,被告は,原告に対し,POSシステムのレンタル料及び購入したケーキ箱等の買掛債務として22万1412円の支払が未履行である(甲16)。
(5)  イタリアン・トマトカフェd店(以下「d店」という。)について
ア 店舗エントリー契約「d」
原告と被告は,平成20年12月12日,次の内容のイタリアン・トマト・エントリー・システム契約(以下「店舗エントリー契約「d」」という。)を締結し,被告がd店の営業を行うことを許諾した。
① 原告の義務
被告に対し,d店の営業を許諾すること,営業に必要なノウハウを提供すること,POSシステムをレンタルすること及び営業に必要な備品等の物品及び商品を供給すること
② 被告の義務
原告に対し,毎月の売上高を営業報告書に記入して速やかに送付すること,総売上高の4%相当額をロイヤリティとして支払うこと,原告から購入した物品及び商品等の代金を支払うこと,POSシステムのレンタル料を支払うこと及びバイジング費用を支払うこと並びに上記債務について毎月末日締切翌月末日払の方法で支払うこと
イ 未履行債務について
被告は,原告に対し,店舗エントリー契約「d」に関し,現時点で未払買掛債務として188万9874円(甲18)及び違約金として120万円(甲17)の合計308万9874円の未払債務を負っている。
(6)  エリアエントリー契約について
ア エリアエントリー契約
原告と被告は,平成20年12月12日,対象エリアを宮城県,山形県とする次の内容のイタリアン・トマト・エントリー・システム契約(以下「エリアエントリー契約」という。)を締結した。
① 原告の義務
被告に対し,原告の開発したノウハウに基づき,ケーキその他原告の指定する商品類の製造工場の運営を許諾すること,営業に必要なノウハウを提供すること並びに調理器具等の什器,備品及びケーキ類の材料を供給販売すること
② 被告の義務
製造工場で生産されたケーキ類を対象エリア内のイタリアントマト店舗に供給販売すること並びに購入した什器備品及びケーキ類の材料代金を支払うこと
イ 未払債務について
被告は,原告に対し,エリアエントリー契約に関し,現時点でケーキ類等の未払買掛債務として280万5365円(甲20)及び違約金として1100万円(甲18)の合計1380万5365円の未払債を負っている。
(7)  建物等使用契約について
ア 建物等使用契約
上記(5)及び(6)の加盟店契約と同時に,原告は,被告との間で,次の内容の建物・設備使用契約(以下「建物等使用契約」という。)を締結し,被告にイタリアン・トマト仙台工場(以下「仙台工場」という。)並びにd店の建物及び設備一式を貸し渡した。
なお,仙台工場とd店は,○○ショッピングセンター別館一階の一部の場所を二つに分割して利用する形で存在しており,両者は隣り合っている。
① 対象
仙台工場並びにd店の建物及び設備一式
② 建物の賃料
1箇月当たり50万円(税抜き)
③ 諸費用の負担
管理共益費及び看板掲載費以外の諸費用は実費相当額を被告が負担
④ 設備の使用料
原告所有の設備減価償却費,原告がリース会社からリースしている設備のリース料相当額及び敷金300万円に対する年3%の金利相当額の合計額
⑤ 期間
平成20年12月12日から5年間。ただし,契約期間終了の6箇月前までに当事者が予告しない限り,本契約が2年間更新されるものとし,その後も同様とする。
イ 未履行債務及び損害賠償債務について
建物等使用契約は,平成22年1月22日,原告の解除により,終了しているが,被告は,同年2月24日まで仙台工場及びd店を使用していた。
その結果,被告は,原告に対し,建物等使用契約に基づく賃料,諸費用及び設備使用料並びに賃料相当損害金の合計として972万6329円の支払債務を負っている(甲22,23)。
さらに,被告は,同日,仙台工場及びd店から退去したが,原告が翌3月1日に同所に入ってみると,別紙物件目録記載の仙台工場内の設備一式及びd店の設備の一部が収去されていて,未だに返還されていない。これらの各設備の時価相当額は,同表記載の各金額のとおりである(甲24,25,弁論の全趣旨)。
(8)  甲被告は,原告と被告との間で締結された上記(2)ないし(7)の契約の全てに関し,上記契約締結と同時に連帯保証契約を締結し,被告が,原告に対し,負担するすべての債務を書面で保証している(甲1,4,11,17,19,21)。
(9)  各契約解除
ア 業務委託契約「b」,業務委託契約「c」,店舗エントリー契約「d」,建物等使用契約,エリアエントリー契約について
エリアエントリー契約を除くこれらの契約については,被告が債務の支払を2箇月以上怠っていたこと(業務委託契約の契約細則25条1項1号違反,店舗エントリー「d」契約の29条1項1号違反,建物等使用契約の27条6号違反),エリアエントリー契約については,多額の未払債務が存在し,債務額が増加の一途をたどっており,エリアオーナーとして必要なケーキ工場等の賃貸借契約も解除寸前である等の事情から経営上の信用が失われる危険が発生していたこと(エリアエントリー契約18条3項違反)を理由に,原告は,被告に対し,被告に平成22年1月15日に到達した内容証明郵便にて,催告期間を7日間とした上で,停止期限付契約解除の意思表示を行った(甲27,弁論の全趣旨)。
しかし,上記催告期間を経過しても,被告から何の応答もなかったため,上記各契約はいずれも同月22日に解除の効果が発生した(弁論の全趣旨)。
イ 店舗エントリー契約「a」について
a店については,平成21年11月分と12月分の売掛金が弁済期である翌月末日を経過しても原告に支払われず,しかも,被告は,同年12月末日に同店の店舗備品一式及び建物の賃借人たる地位を原告に無断でe有限会社に譲渡し,同店の営業主体を変更してしまっていた。
そこで,原告は,平成22年2月24日,契約書29条1項1号違反及び同項5号違反を超える悪質な事由を理由として,店舗エントリー契約「a」を解除した(甲28,弁論の全趣旨)。
4  争点
(1)  原告の被告に対する収益保証義務違反の有無
(2)  原告の被告に対する情報提供義務違反の有無
(3)  共同不法行為(故意による虚偽情報提供)の成否
5  争点についての当事者の主張
(1)  争点(1)について
(被告及び甲被告)
店舗エントリー契約「a」についての契約上の地位の移転,業務委託契約「b」,業務委託契約「c」,店舗エントリー契約「d」,エリアエントリー契約,建物等使用契約の各締結(以下,これらの行為を総称して,「本件各契約の締結」という。)は,これらが一体となる基本契約に基づいて行われており,被告が本件事業展開をするについて,原告は被告に対し,特約条項の合意をし,本件事業における被告の事業利益が確保できることを保証した。
具体的には,① 被告は,プレザンの代表者である甲被告に対し,絶対に儲かるシステムであるから,店舗エントリー契約「a」の契約上の地位の移転を含めて,原告の複数のフランチャイジーになるように再三に亘って勧誘し,② 平成20年7月ころ,原告の代表者である乙被告Aが突然甲被告方を訪問し,原告が被告の投資した元本を保証し,さらに収益保証・利益保証をするので,後日送付する資料をぜひとも検討して欲しいと述べ,③ 同年8月19日,原告の専務取締役である乙被告Bが,東京の被告方本部において,宮城県と山形県をエリアとする事業計画(乙1)等を持参して,別表「被告ら主張の原告収益保証内容」記載のとおり(ただし,純利益額欄は除く。),同表記載の各年度に同表記載の各施設において,同表の金額欄記載の営業利益を保証できる旨説明した(以下,この説明に係る事業計画上の数値を「本件事業計画数値」という。)。
被告は,これらを信じて,本件各契約の締結を行ったが,この事業計画は全くのでたらめであり,全く実現可能性のないものであることが判明し,被告は事業破綻に追い込まれた。
その結果,被告は,次の損害(合計7529万6730円)を被った。
ア 被告は,本件各契約の締結に基づき,平成20年12月16日に銀行振り込みの方法により3400万円と,同月17日に1905万2631円の合計5305万2631円を支払ったから,同額が損害となる。
イ 被告の訴訟代理人に対する報酬契約は,着手金なしで勝訴額の半額を成功報酬とする合意があり,その額は2224万4099円であるから,同額が弁護士報酬の損害となる。
したがって,被告は,原告に対し,債務不履行(収益保証義務違反)に基づく損害賠償として,7529万6730円の支払請求権を有する。
仮に,甲事件についての原告の請求が認められるとしても,被告は,上記債権をもって対当額で相殺し,残余の債権のうち,1000万円及びこれに対する乙事件についての訴状送達の日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(原告及び乙被告ら)
被告及び甲被告(以下「被告ら」という。)の上記主張は否認する。
そもそも,本件各契約の締結は,基本契約に基づくものではなく,それぞれが独立した契約である上に,被告らの主張するような事業利益を保証する特約は結ばれていない。また,原告から被告に交付された事業計画書の中にも,はっきりと「予測数値」であることが明記されている。
(2)  争点(2)について
(被告ら)
フランチャイザーは,フランチャイジーになろうとする者に対し,できるだけ客観的かつ正確な情報を提供する信義則上の義務を負うところ,原告は,これに反し,全くのでたらめで実現可能性のない本件事業計画数値を提供したのであるから,被告は,原告に対し,債務不履行(収益保証義務違反)に基づく損害賠償として,7529万6730円の支払請求権を有する。
仮に,甲事件についての原告の請求が認められるとしても,被告は,上記債権をもって対当額で相殺し,残余の債権のうち,1000万円及びこれに対する乙事件についての訴状送達の日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(原告及び乙被告ら)
上記被告らの主張は否認する。事業計画上の数値は,あくまでも売上等を予測するものであり,このことははっきりと事業計画書の中に明記されており,その数値をフランチャイザーが保証するものではない。
次に,被告らは,本件事業計画数値をもって虚偽の実現性のない数値であると主張するが,この数値は,原告の専務取締役である乙被告Bが,平成20年8月下旬に,甲被告に対し,適正な売上予測に基づいて作成された事業計画に基づいてそれぞれに関係する契約の説明を行ったところ,被告らが,同年9月4日に,乙被告Bに対し,同人から渡されていた事業計画書の数値を設定し直した事業計画書を作成し直すように要請し,乙被告Bに作成し直させた事業計画書の数値と一致している。したがって,本件事業計画数値は,乙被告Bが被告らに説明した数値とは異なるから,被告らの上記主張は理由がない。
(3)  争点(3)について
(被告ら)
原告及び乙被告ら(以下「原告ら」という。)は,共同して,故意に内容が虚偽である情報(本件事業数値)を提供したのであるから,被告は,原告に対し,不法行為(詐欺)に基づく損害賠償として,7529万6730円の支払請求権を有する。
仮に,甲事件についての原告の請求が認められるとしても,被告は,上記債権をもって対当額で相殺し,残余の債権のうち,1000万円及びこれに対する乙事件についての訴状送達の日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(原告ら)
被告らの上記主張は否認又は争う。
第3  当裁判所の判断
1  甲事件について
本件前提事実によれば,原告は,甲事件請求に係る請求債権を有している。
2  乙事件中の個人被告に対する請求権の有無について
被告らは,乙被告A及び同Bに対する債務不履行責任が生じる法的根拠として,同被告らが基本契約に基づく原告の収益保証債務について連帯保証したことを主張しているが,書面により連帯保証契約が締結されたとの主張がないから,主張自体失当である。
次に同被告らの共同不法行為責任についてであるが,同被告らが被告に提供した情報が虚偽であったとの事実,さらには,同被告らがこれを認識しながら故意に当該情報を提供したとの事実を認めるに足りる証拠はないから,同被告らについて不法行為(詐欺)は成立しない。
したがって,被告の乙被告らに対する請求は理由がない。
3  乙事件請求中,原告に対する請求権の有無について
(1)  争点(1)(収益保証債務の不履行)について
まず,被告らは,本件各契約の締結は,基本契約に基づくものであり,その基本契約締結の中で,原告と被告との間において,原告が被告に収益を保証する旨の特約をした旨主張するが,そもそもそのような合意は,フランチャイズ契約の性質(フランチャイジーは,独立した事業者として自己の経営責任の下に事業による利潤追求を企図する反面,事業に伴うリスクも自らが負担する立場にある。)と相容れないものであるから,特段の事情がない限り,そのような事実を認め難いというべきところ,本件において,同事実を認めるに足りる証拠はない。
すなわち,① a店について被告がフランチャイジーとなった経緯についても,被告が同店の経営を原告に無断で前オーナーから譲り受けていたことが発端で,ビル管理会社の仲介により,原告が了承して行われたものであり(甲40,被告代表者兼甲被告本人),また,被告は,原告との間で,平成20年5月1日に2店舗(イトーヨーカ堂内にあったイタリアン・トマトケーキショップの店舗)目のフランチャイズ契約も自ら望んで原告との間で締結している(甲40,弁論の全趣旨)。そして,さらに,宮城・山形エリアオーナーになる件についても,その地区のオーナーと原告とのフランチャイズ契約が終了したことを受けて,原告が直営で新しく工場を設立して運営しようと考えていたところ,その情報を得た甲被告から事業計画等を聞きたいという連絡があり,被告が自らオーナーになることを希望したという経緯があるのである(甲40,乙3,乙被告B本人)。そうすると,原告が特に被告を積極的に勧誘したことにより,本件各契約の締結に至ったものではないことから,原告が収益保証まで約束せざるを得ないような状況にはなかったということができる。
また,② 原告の代表者である乙被告Aが,平成20年7月ころ,甲被告を訪問して,積極的に被告をフランチャイズ契約締結に勧誘したという点についても,証拠(乙8)によれば,乙被告Aが甲被告を訪問し,エリアオーナーになることの魅力を話したことは認められるものの,その時点では事業計画も示されていない段階であることから,事業の具体的話にまでは発展せず,後日,担当の乙被告Bより詳しい説明と事業計画を出させるので,原告の本社に来社されたいとの乙被告Aの発言で会談を終えている事実が認められる(乙8)のであるから,同人が甲被告に対して収益保証をしたとの事実は認められない。その時点では,被告は,既に2件のフランチャイズ契約を原告と締結しており,また,店舗エントリー契約「a」を締結する以前から,大手コンビニエンスストアの「サンクス」とフランチャイズ契約を締結した上で,契約の相手方を変更してその店舗を「ファミリーマート」に変更する等,フランチャイズ契約について相応の経験と知識を有しており,さらに,飲食店も複数経営していて,飲食業界についても相応の経験と知識を有していた(乙8,甲被告本人)のであるから,フランチャイザーである原告が,フランチャイジーである被告に対し,収益保証まで約束すること等は通常あり得ないことを認識し得たものとみられる。
さらに,③ 乙被告Bが,平成20年8月19日,原告本社を訪れた甲被告に対し,実現可能性のない本件事業計画数値を示して収益保証をしたものであり,同数値は,甲38,39の事業計画表に記載されている数値であると主張している点についても,その説明の際の会話内容を録音した乙3と対比してみれば,甲38,39の事業計画書の数値ではなく,原告らが主張する甲32ないし34であることが明らかである(同会話内容によれば,仙台工場の初年度の月間売上予定は540万円であり,初年度の営業利益は赤字となること,工場に伴う開業費が必要であると説明されており,これは甲38の内容(初年度月刊売上予想額800万円,初年度の営業利益プラス,経費に開業費が計上されていない。)と明らかに異なっている。また,b店についても,甲被告は,原告から,「月20万円位赤字と聞いた。」と認めており(乙8),甲34の事業計画書の数値とほぼ整合する反面,甲39の事業計画書(営業利益プラス)とは明らかに異なっていること等から裏付けられる。)。そして,甲32ないし34の事業計画書を示されて説明されたことを前提とすれば,乙被告Bが,上記説明当時,甲被告に対し,本件事業計画数値を示して収益保証したとの事実は認められない。
以上によれば,原告が,被告に対し,本件各契約の締結の基本契約を締結するに際し,収益保証をするなどということはあり得ず,少なくとも収益保証の合意をしたとの被告ら主張事実を認めるに足りない。
したがって,収益保証債務の不履行は認められない。
(2)  争点(2)(正確な情報提供債務の不履行)について
被告らは,乙被告Bが,甲被告に対し,実現可能性のない本件事業計画数値を示して上記基本契約の締結を勧誘したことが,信義則上の義務である正確な情報提供債務の不履行に当たると主張する。
しかしながら,乙被告Bが被告に提供した事業計画書が仮に被告ら主張の甲38及び39であるとしても,そこには「この損益計画書は,本部が市場状況を考慮した予想数値です。」と表示されており(甲38,39),この数値を原告が被告に保証するものではないことが明らかである(その記載は,原告らが甲被告に示して説明したとする事業計画書である甲32ないし34にも表示されている。)。その上,被告の代表者である甲被告は,原告とエリアエントリー契約を締結する以前から,複数の飲食店を営業するとともに,原告を含む複数のフランチャイザーとフランチャイズ契約を締結していたのであるから,同オーナー契約の締結前に原告から提供された事業計画書の数値がそれをフランチャイザーである原告がフランチャイジーである被告に対し保証するものではないことは十分認識し得たものということができる。加えて,乙被告Bが甲被告に示して事業内容を説明した事業計画書は,甲38及び甲39ではなく,甲32ないし34であることは,上記3の(1)において判示したとおりであり,甲38及び39は,甲被告から依頼されて金融機関の融資用に作成した裏付けの無い事業計画書に過ぎないことが窺われる(甲37,40,乙被告B)のであり,甲32ないし34の事業計画書記載の数値がおよそ実現可能性のない虚偽の数値であることを認めるに足りる証拠はない。もっとも,被告らは,宮城・山形エリアにおいて,原告が主体となって5年以内に13店舗を出店させることを被告に約したかのように主張し,これに符合する乙8の記載部分と甲被告の供述部分がある。しかしながら,乙被告Bの甲被告に対する平成20年8月19日の説明内容を録音した記録(乙3)によれば,乙被告Bは,原告と被告とが協力し合って既設8店舗の外に新たに5店舗開発することを目標に事業計画を立てようと話しているに過ぎず,甲被告も,その新たな店舗は自らの資金で設置しなければならないことは認識していたことが認められるのであるから,上記乙8の記載部分及び甲被告の供述部分はたやすく信用することはできず,他に上記の説明当時,原告が被告に対し,実現可能性のない不正確な情報を提供したり,正確な情報の提供を怠ったことを認めるに足りる証拠はない。
そうすると,原告が被告に対し,正確な情報提供の債務を怠った債務不履行の事実は認められない。
(3)  原告に対する不法行為請求権の存否(争点(3))について
被告の原告に対する不法行為に基づく損害賠償請求は,原告の代表者である乙被告Aの不法行為による会社法350条の責任又は原告の被用者である乙被告Bの使用者責任を根拠としているものと解される(仮に法人である原告自体の不法行為責任を根拠とするものであれば,原告の組織的に不法行為を行ったことの主張,立証が必要なところ,この点の主張,立証はない。)ところ,乙被告A及び同Bについて不法行為が成立しないことは上記(2)記載のとおりであるから,原告に対する会社法350条の責任及び使用者責任は生じない。
4  以上によれば,原告は,被告に対し,債務不履行責任及び不法行為責任を負わない。したがって,被告らの相殺の主張は失当であるから,原告の甲事件請求は理由があり,また,被告の乙事件請求も理由がない。
第4  結論
よって,原告の甲事件請求をいずれも認容し,被告の乙事件請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判官 堀内明)

 

〈以下省略〉

 

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