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判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(204)平成24年 5月14日 東京地裁 平20(ワ)1994号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成功報酬|完全成果報酬 営業代行会社」(204)平成24年 5月14日 東京地裁 平20(ワ)1994号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成24年 5月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)1994号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2012WLJPCA05148007

要旨
◆衣料品の輸入販売等を業とする原告が、経営コンサルタント業を営む被告との間で、海外ブランド品の仕入れルート作りについてのコンサルタント契約を締結し、外国からブランド品を仕入れて販売したことに関し、当該商品が模造品であることを知りながら、原告に仕入れさせたなどと主張して、被告に対し、詐欺による不法行為又は本件コンサルタント契約の債務不履行等に基づき、商品の仕入代金、コンサルタント料等の損害額から粗利分を控除した残額の一部請求として、金員の支払を求めた事案において、外国からの仕入れに関して、被告による欺罔行為及び原告の錯誤は認められないとして、被告の詐欺による不法行為責任を否定し、また、被告には、本件コンサルタント契約締結に関する不法行為及び同契約の債務不履行なども認められないとしたが、原告から預かった慶弔費を被告が着服した事実は認め、請求を一部認容した事例

参照条文
民法415条
民法709条

裁判年月日  平成24年 5月14日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平20(ワ)1994号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2012WLJPCA05148007

埼玉県春日部市〈以下省略〉
原告 X株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 長谷川浩一
東京都杉並区〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 浅見東司
同 園部裕治

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,50万円及びこれに対する平成19年6月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを40分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,2000万円及びこれに対する平成19年6月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,衣料品の輸入販売等を業とする原告が,経営コンサルタント業を営む被告との間で,海外ブランド品の仕入ルート作りについてのコンサルタント契約を締結し,シンガポール及び中国からブランド品を仕入れ,これらを販売したことに関し,被告において,当該商品が模造品(偽物)であることを知りながら,原告に仕入れさせたなどと主張して,被告に対し,詐欺による不法行為,又は,コンサルタント契約の債務不履行若しくは事務管理の不履行に基づき,商品の仕入代金,コンサルタント料等の損害額から粗利分を控除した残額(合計3273万0660円)の一部請求として,2000万円及びこれに対する平成19年6月22日(支払期限の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1  前提となる事実(争いのない事実,及び後掲の証拠により容易に認定できる事実)
(1)  当事者等
ア 原告(旧商号・a社。平成18年8月22日に現在の商号に変更)は,平成16年3月9日,衣料品の輸入販売等を目的として設立された株式会社である。A(以下「A」という。)は,原告の代表取締役であり,B(Aの前夫,以下「B」という。)は,原告の取締役である。
原告は,平成17年頃,b株式会社(以下「b社」という。)との間でb社・ネット・ショップ契約(以下「ネットショップ契約」という。)を締結して,b社・オークションのインターネットサイト上にネット・ショップ(名称:cショップ)を開設した。
(甲1,27,40,弁論の全趣旨)
イ 被告は,個人で経営コンサルタント業を営んでいるものである。
(2)  セレクトショップ「dショップ」(以下「dショップ」という。)の発見
Bは,平成17年12月18日から同月25日までの間,被告を含む数名の者らとともに,シンガポールに渡航し(以下「第1渡航」という。),その際,ブランド品を販売するdショップを見つけた。
Bは,同日,dショップにおいて,被告による通訳を介して,エルメスのネクタイ等数点の商品を購入した。
(乙43,弁論の全趣旨)
(3)  経営コンサルタント契約の締結等
ア 原告は,平成18年4月頃,被告との間で,経営コンサルタント契約(以下「本件コンサルタント契約」という。)を締結し,被告に対し,コンサルタントの報酬として毎月30万円を支払うことを約した。
イ 原告は,平成18年7月頃から同年9月頃までの間,原告が海外からの商品仕入れを行うための経費等として,合計141万6916円を支出した。
原告は,港区六本木所在のマンションを賃借して,その賃料合計124万2000円(平成18年10月分,同年11月分)を支払い,また,被告の携帯電話料金合計18万7425円(平成18年7月分ないし平成19年1月分)を支払った。
ウ 原告は,平成18年9月26日頃,被告に対し,50万円を交付した。
エ 被告は,平成18年10月から同年12月までの間,所持していたB名義のサブ・クレジットカード(以下「Bサブカード」という。)を用いて,合計74万4054円を費消した。
(4)  シンガポールでの商品仕入れ
ア 被告は,平成18年4月18日から同年5月3日までの間,シンガポールに渡航した。また,A及びB(以下「A元夫婦」という。)も,同年4月24日から同月28日までの間,シンガポールに渡航した(以下「第2渡航」という。)。
Bは,第2渡航中,dショップにおいて,原告の商品仕入代金として,現金及びクレジットカードで合計903万8042円を支払った。
イ 原告は,平成18年5月以降,シンガポールで仕入れた商品が入荷したことから,ネット・ショップでこれらの販売を開始した。
(5)  中国での商品仕入れ①
ア 原告は,平成18年7月6日に200万円を,同月14日に500万円を被告の預金口座に振り込んだ。被告は,同月16日に中国に渡航し,同所において,原告の商品仕入れのため,上記振込金のうち500万円を支出した。
イ 被告は,平成18年7月30日まで中国,そして香港に滞在した。また,A元夫婦は,同月25日に香港に渡航し,同月29日まで滞在した(以下「第3渡航」という。)。
(6)  中国での商品仕入れ②
Bは,平成18年9月1日,被告とともに香港に渡航し(以下「第4渡航」という。),C(以下「C氏」という。)の親族が経営しているという香港のブランドショップ等を被告から紹介された。その際,Bは,同店舗で原告のために商品の仕入れを行い,クレジットカードで428万6670円を支払った。
(7)  ネットショップ契約の解除
インターネット・ストア開設者であるb社は,平成18年9月4日,原告がb社・オークション・ストアに展示していた商品は模造品であり,原告の展示・販売行為が商標権侵害であると判断して,ネットショップ契約を解除する旨通知し,同年12月17日頃,正式に同契約を解除した(甲3,40)。
(8)  B名義による商品販売
Bは,平成18年10月以降,販売責任者名義をBとし,b社・オークションでの名義は「B1」として,dショップやC氏の店から仕入れた商品をネットオークションに出品し,販売した。
(9)  原告の催告
原告は,平成19年6月14日,被告に対し,不法行為ないし債務不履行を理由に,原告が被った損害(上記(3)ないし(6)に摘示した支出やネットショップ契約解除による営業損害)2900万円を同月21日までに支払うよう催告した(甲13の1,2)。
(10)  模造品(偽物)と横流し品(正規品)について
模造品(偽物)とは,正規のブランド品に似せて,全く製造権を持っていない工場で製造された商品をいい,横流し品(正規品)とは,ブランドの製造権を有する正規工場で製造されたもののうち,販売権を有する正規の販売店以外で販売する商品をいう(原告代表者,被告本人,弁論の全趣旨)。
2  争点
(1)  不法行為に基づく損害賠償請求
ア シンガポールの仕入れに関して,被告に詐欺による不法行為が成立するか(争点①)
イ 中国の仕入れに関して,被告に詐欺による不法行為が成立するか(争点②)
ウ 被告が,原告に本件コンサルタント契約を締結させたことが詐欺による不法行為に当たるか(争点③)
エ ネットショップ契約の解除に伴い,被告に賠償させるべき損害が生じたか(争点④)
オ 原告が,平成18年9月26日頃,被告に対して50万円を贈与したか(争点⑤)
カ 被告がBサブカードにより74万4054円を費消したことが,原告に対する不法行為となるか(争点⑥)
(2)  本件コンサルタント契約の債務不履行に基づく損害賠償請求
シンガポール及び中国における商品の仕入れに関して,被告は原告に対し債務不履行責任を負うか(争点⑦)
(3)  事務管理に基づく損害賠償請求
シンガポール及び中国における商品仕入れに関して,被告には事務管理者としての善管注意義務違反があるか(争点⑧)
3  争点に関する当事者の主張
(1)  争点①(シンガポールの仕入れに関する不法行為の成否・損害額)
(原告の主張)
被告は,第1渡航中,dショップに立ち寄ったBに対し,「シンガポールで偽物を販売したら死刑になるから偽物は絶対に売らない。」などと言った。
また,被告は,第2渡航中である平成18年4月24日ないし同月28日頃,シンガポールにおいて,A元夫婦に対し,「商品を1200万円分仕入れたが,いくら出せるか。出せるだけ出せ。差額は俺が出しておく。」「ブランド品の工場在庫を買い取ったので,市場の10分の1で大変,安かった。」,「今は,麻薬よりブランド品が儲かるから,儲かるものはマフィアが握っている。エルメスでもヴィトンでも,工場で予定1000枚作る商品を1200枚製作し,200枚余分に出たものはマフィアのものだ。だから,俺がそれをほとんど買い占めた。」などと告げて,実際には模造品であるにもかかわらず,正規の工場で製造された真正な海外ブランド品を格安で仕入れることができたかのように申し向け,A元夫婦をその旨誤信させ,前提となる事実(4)のとおり,被告を介して,商品仕入代金合計903万8042円を支払わせた。Aは,平成18年4月28日頃,実際の商品の一部を検分して不審に感じたが,被告は「もう仕入れてしまった。」などと言ったため,断ることができなかった。
(被告の主張)
被告がA元夫婦に虚偽の事実を申し向け,商品を購入させようとしたことは否認する。そもそも,dショップは第1渡航中にBに同行したD(以下「D」という。)が見つけた店であり,被告は関与しておらず,また,被告の「シンガポールで偽物を販売したら重罪となるから偽物は絶対売っていない。」との発言も,dショップの店員の言葉を通訳したものにすぎない。被告は,平成18年4月15日頃,A元夫婦からdショップで商品を仕入れるよう依頼されたため,A元夫婦から300万円を預かり,シンガポールに渡航した。被告は過去に服飾品を扱った経験がないので,原告が扱うブランド品の知識がなく,また,dショップの商品が模造品であるとも認識していなかったのであり,dショップでの仕入れは全てA元夫婦の指示に基づくものであった。被告は,dショップで商品を選定して預かり金300万円の手付金を支払ったにすぎず,A元夫婦が商品仕入れを断れない状況にもなかった。A元夫婦は,dショップがブランド品を市場価格の半値程度で売る店であることを知っており,通常の商人であればブランド品を市場価格の半値程度で売ることができないことは知っていたし,被告が仕入れた商品が市場価格の10分の1であることも承知していた。したがって,原告には商品が模造品であることの認識があるから,錯誤がない。
(2)  争点②(中国の仕入れに関する不法行為の成否・損害額)
(原告の主張)
被告は,平成18年7月頃,A元夫婦に対し,「ブランド品の製造は,現在,ほとんど中国で行っている。」などと告げて,実際には模造品であるにもかかわらず,中国では真正な海外ブランド品を格安で仕入れることができるかのように申し向け,Aをその旨誤信させ,商品仕入代金として,前提となる事実(5)のとおり,合計金700万円を被告の預金口座に振り込ませた。さらに,被告は,平成18年9月,Bを連れて再び中国に渡航し,実際には模造品であるにもかかわらず,真正な海外ブランド品を格安で仕入れることができるかのように申し向け,Bをその旨誤信させて商品を仕入れさせ,前提となる事実(6)のとおり,その代金として428万6670円をクレジットカードで支払わせた。
(被告の主張)
被告は,原告に対して,C氏の商品が真正な指定工場からの横流し品である旨の説明をしたが,これはC氏の言葉を通訳したものにすぎず,被告による欺罔行為はなかった。また,ブランド品のメーカーの直営店がない中国で真正なブランド品が製造されていないことは誰にでも分かる明白な事実である。したがって,A元夫婦も中国で仕入れた商品が模造品であることを認識していたといえるから,原告に錯誤はなかった。
原告主張の支出は,いずれも株式会社e(以下「e社」という。)によるものなので,原告の損害とはならない。また,平成18年7月6日の振込金200万円は,原告が,シンガポールの仕入販売により儲かったことの特別ボーナスとして被告に支払った金員であるから,原告の損害とはならない。
(3)  争点③(本件コンサルタント契約締結による不法行為の成否・損害額)
(原告の主張)
ア 被告は,平成17年末頃,自らは,海外ブランド品の仕入れに関する十分な知識もノウハウもないのに,「海外生活が長く,海外にブレーンも多いので,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りに協力できる。今まで,コンサルタントしてきた会社は,全部成功している。」などと言い,被告が原告の顧問兼コンサルタントになれば,被告の指導・協力により,確実な海外ブランド品の仕入ルート作りができるかのように告げ,原告を欺いてその旨誤信させ,本件コンサルタント契約を締結した。そして,被告は,以下のとおり,コンサルタント料の名目で,原告に合計300万円を支払わせた。
① 平成18年5月1日,同月29日,同年6月28日,同年7月24日,同年8月28日,同年9月17日 各30万円(合計180万円)
② 平成18年7月24日 25万円
③ 平成18年8月22日 15万円
④ 平成18年10月26日 50万円
⑤ 平成18年11月30日 30万円
イ 前提となる事実(3)イのとおり,被告は,平成18年7月頃から同年9月頃までの間,コンサルタントの立場を利用して,原告に対し,海外仕入れの経緯名目で合計141万6916円を,マンション賃料及び携帯電話料金名目で合計142万9425円をそれぞれ支払わせた。
しかし,原告がシンガポール及び中国で仕入れた商品は全て模造品であったから,被告が,原告に本件コンサルタント契約を締結させたことは,詐欺による不法行為に当たる。したがって,被告は,原告に対し,上記各支出分相当額の損害賠償義務を負う。
(被告の主張)
ア 被告が原告に対して上記アのような発言をしたことは否認する。そもそも本件コンサルタント契約の内容は,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りの協力であり,具体的には,日本・海外で使用できるクレジットカードの取得や経営指導等であるから,被告が原告に対し,シンガポール及び中国で購入するブランド品が本物であることを保証したものではない。
また,原告から支払われたコンサルタント料は,前記①の合計180万円である。前記②,③の合計40万円は,被告が商品輸入送料として宅配業者に支払っており,これは原告が負担するものである。前記④,⑤の合計80万円は,e社による支払であるから,原告の損害とはならない。
イ 海外仕入経費及び携帯電話料金は,原告に求められた業務の遂行中に生じた業務に伴う出費であるので,原告の損害とはならない。被告は,原告に対してマンションを提供するよう求めたことはなく,原告は自らの名義でマンションを借りたのであるから,その費用を被告に求めるのは筋違いである。
したがって,被告は,原告に対し,不法行為に基づく損害賠償責任を負わない。
(4)  争点④(ネットショップの契約解除に伴う損害)
(原告の主張)
前提となる事実(7)のとおり,被告が原告に模造品を仕入れさせ,これを販売させたことにより,原告は,b社からネットショップ契約を解除され,以後,原告名義でネットオークションによる商品販売をすることができなくなったものであり,これによる原告の営業損害は,合計1000万円を下らない。
(被告の主張)
原告は,平成18年10月以降,販売責任者をB名義,b社・オークションでの名義を「B1」として,dショップやC氏の店から商品を仕入れ,これをネットオークションで販売しているから,原告に営業損害は生じていない。
(5)  争点⑤(原告が被告に対し50万円を贈与したか)
(原告の主張)
被告は,平成18年9月26日頃,実際には,慶弔費として支払う意思がないのに,原告に対し,原告の監査役であったE(平成18年9月25日死亡)の葬儀の際の慶弔費を支払うためなどと称して,前提となる事実(3)ウのとおり,被告に50万円を預けさせ,その金員をF(Eの子)に支払わずに着服した。
(被告の主張)
被告は,Eのために110万円を用立てたところ,その直後に同人が死亡したために返済を受けられず,手元の資金が欠乏したため,Aから50万円を無償で提供されたのであって,当該金員は原告から被告への贈与であって,被告が着服したものではない。
(6)  争点⑥(Bサブカードに関する不法行為の成否・損害額)
(原告の主張)
被告は,Bに対し,会社の経費として使用すると称し,「使わないから預けてほしい」と説明して,Bサブカードを交付させ,原告に無断で,前提となる事実(3)エのとおり,同カードを用いて,74万4054円を費消した。したがって,被告は,原告に対し,不法行為に基づき,74万4054円の損害賠償責任を負う。
(被告の主張)
被告は,Bサブカードの交付を要求していない。被告がコンサルタントとして,原告の海外仕入れのために各種奔走していたことは明らかであり,その過程で生じた経費を原告が負担するのは当然である。したがって,Bサブカードの使用について,被告が原告に対して不法行為責任を負うことはない。
(7)  争点⑦(本件コンサルタント契約の債務不履行の成否)
(原告の主張)
被告は,原告との間で,真正な海外ブランド品の仕入ルート作りに関する本件コンサルタント契約を締結し,Aがシンガポールや中国に渡航する際の通訳業務も担っていた。被告は,本件コンサルタント契約の趣旨に従い,その業務を行う際,海外から仕入れる商品が模造品でないことを確認すべき注意義務を負っていた。しかし,被告は,軽率にも模造品を真正な海外ブランド品と誤信して,原告に仕入れさせたから,上記注意義務の懈怠があったというべきである。
したがって,被告は,原告に対し,善管注意義務違反に基づき,前記各不法行為責任と同様の損害賠償責任を負う。
(被告の主張)
本件コンサルタント契約に基づく業務内容は,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りの協力であり,具体的には,日本・海外で使用できるクレジットカードの取得や経営指導等であって,海外から購入するブランド品の真贋を確認することは含まれていない。実際,本件コンサルタント契約の報酬にも成功報酬の約定はなかった。
(8)  争点⑧(事務管理者としての善管注意義務違反の有無)
(原告の主張)
海外ブランド品の仕入ルートを作ることが本件コンサルタント契約の内容となっていなかったとしても,被告は,コンサルタント業務の範囲を超えて,商品選定・仕入れの主要部分を行っており,これは事務管理に該当するから,被告は,「最も本人の利益に適すべき方法」(民法697条1項)によって事務を管理する義務(善管注意義務)を負う。それにもかかわらず,被告は,模造品を真正な海外ブランド品と誤信して,原告に仕入れを行わせた過失があるから,原告に対し,前記各不法行為と同様の損害賠償責任を負う。
(被告の主張)
被告が原告の事務管理をしたとの主張は否認する。
第3  当裁判所の判断
1  前提となる事実,証拠(後掲)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)  A元夫婦は,平成16年3月9日,有限会社aを設立し,その頃,b社との間でネットショップ契約を締結して,「cショップ」という店舗名(以下「原告店舗」という。)によって,ブランド品のネットオークション販売を行うようになった。A元夫婦が扱っていた商品は主に衣料品であり,ファミリーセールで販売されている商品(いわゆるブランドメーカーの「横流し品」)を安価で購入し,これをネットオークションで販売することによって利益を挙げていた。
G(Aの姉)及びその夫であるH(以下「G夫婦」という。)も,平成17年頃,有限会社fという会社を立ち上げて,A元夫婦と同様に,ネットオークションによるブランド品の転売業務を行っていた。
(甲1,27,40,乙43,原告代表者)
(2)  被告は,平成17年12月頃,I及びその妻であるD(以下「I夫婦」という。)から,A元夫婦及びG夫婦を紹介された。被告は,「国内外に人脈が広く,経営コンサルタントとして活動していることから,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りの面で協力できる。」「商品仕入れの拡大のため,利用枠の大きいクレジットカード(以下「プラチナカード」という。)が取得できる。」などと述べていた。
(甲27,40,乙43,原告代表者)
(3)  B及びHは,プラチナカードがあれば,当座の資金がなくても大量の仕入れを行うことが可能となることから,その取得に意欲を見せていた。そこで,被告は,平成17年12月18日,Bらにプラチナカードを取得させるため,B,H,さらにI夫婦を伴い,シンガポールに渡航した(第1渡航)。B及びHは,渡航後間もなく,被告の仲介によってプラチナカードを取得したが,その折り,同行したDが,セレクトショップである「dショップ」において,ブランド品が安価に販売されているのを見つけた。
Bは,dショップがブランドメーカーの直営店ではなく,また,扱っているブランド品の価格も極めて安価(正規品の半値以下)であったことから,模造品ではないかとの疑問を抱いたが,被告がdショップ店員の通訳を行い,「シンガポールで偽物を販売すれば,これだよ。」と言って,手で首を切るかのようなそぶりを見せたため,Bは,原告店舗での販売が可能であるかどうかを検討するためのサンプルとして商品数点(エルメスのネクタイ等)を購入し,同月25日に帰国した。
Aは,Bから渡された商品を調査したところ,タグカットがされているなど横流し品としての特徴を備えていたことから,模造品であるとは判断しなかった。
(甲27,40,乙43,48,原告代表者,被告本人)
(4)  G夫婦は,平成18年3月12日,被告及びJ(以下「J」という。)を伴い,シンガポールに渡航した。その際,被告は,dショップの信用調査を行ったところ,dショップの責任者は被告の旧知の間柄であるK夫人であることなどが判明した。G夫婦は,dショップで商品を仕入れ,これを国内で販売して相当額の利益を得た。
(乙43,被告本人)
(5)  原告(A元夫婦)は,平成18年4月頃,被告との間で本件コンサルタント契約を締結し,被告の報酬を月額30万円と定めた。本件コンサルタント契約において被告が行うべき業務は,経営に関する各種アドバイスの提供や,国内外からの商品仕入ルートの開拓などであった。また,A元夫婦は,G夫婦がdショップの商品の仕入れによって相当額の利益を得たことから,dショップからの商品仕入れについても,被告に相談するようになった。
原告は,同年5月1日,同月29日,同年6月28日,同年7月24日,同年8月28日,同年9月17日,被告に対し,本件コンサルタント契約の報酬として,各30万円(合計180万円)を支払った。
(甲27,40,乙43,原告代表者,被告本人)
(6)  被告は,平成18年4月18日,A元夫婦から,dショップでのブランド品買い付けを依頼された。被告は,それまでブランド品を扱った経験はなく,その知識にも乏しいことから,同年3月頃に秘書として雇い入れたL(以下「L」という。)をバイヤーとして伴い,シンガポールに渡航した。この際,Lは,A元夫婦に電話やメールで連絡をして,その意見を聞きながら,dショップでの仕入商品を選定した。A元夫婦は,同月24日にシンガポールに渡航し(第2渡航),Lが選定したブランド品(「D&G」,「ポロ・ラルフローレン」,「アルマーニ」,「ディーゼル」等)1200万円分を購入した。Bは,同月26日,現金で460万円及び148万円を支払い,同月28日,クレジットカードで4万シンガポールドル(295万8042円,甲8の1~7)を支払い,その余は被告が立て替えた。
A元夫婦は,同年5月頃,dショップでの仕入商品を船便とハンドキャリーに分けて,国内に搬送した。しかし,船便については,運搬業務を担当したg株式会社(甲2)のJから,「原産地表記不明の商品が相当数あるため,通関できない。」との連絡を受けたため,A元夫婦が仕入商品の保管倉庫に出向き,自ら原産地表示のシールを作成して,これを貼り付けるなどして通関を行わせたものの,商品の国内入荷は同年7月以降にずれ込むこととなった。
(甲5,15,27,40,乙43,51,証人L,原告代表者)
(7)  A元夫婦は,平成18年5月以降,dショップで仕入れた商品(ハンドキャリーで運搬した分)がネットオークションで好調な売行きを示したことから,dショップでの商品仕入れを継続することにした(なお,原告は,dショップから仕入れた商品の販売により,最終的に約900万円の利益を得た。)。被告は,A元夫婦から,引き続きdショップでの商品買付けに協力するよう依頼され,同月29日から同年6月7日までの間,Lと共にシンガポールに渡航した。Lは,A元夫婦とメール等で連絡を取り,その意見を聞きながら,dショップにおいて,ブランド品の選定を行い,航空便で商品を搬送した。
この際,被告は,dショップのオーナーを自称するC氏を紹介され,C氏に対し,A元夫婦の依頼によりdショップでのブランド品の買付けを行っていることなどを話した。これに対し,C氏は,C氏の経営する店(以下「C氏の店」という。)では,中国の工場で製造されているブランド品の一部を横流し品として仕入れていること,dショップはC氏の店からブランド品を仕入れていること,そのため,原告がC氏の店から直接商品を仕入れれば,さらに安価な仕入れができることなどを説明した。
(甲17の1~5,18の1~4,28,乙16,17,43,51,証人L,原告代表者)
(8)  被告は,帰国後,C氏の店からブランド品(横流し品)を直接仕入れることをA元夫婦に提案したところ,A元夫婦もこれに興味を示した。そこで,A元夫婦は,平成18年7月11日,C氏の店からブランド品(横流し品)を仕入れるための新会社(後記(10)参照)を設立することを企画して,会議を行い,被告,L,Jらがこれに参加した。
被告は,上記会議において,①C氏の店から仕入れるブランド品は,正規品のうち正規ルートで流通していない「横流し品」であり,そのため,通常よりも安価な仕入れが可能であること,②しかし,C氏の店から仕入れる商品の中には,正規品(横流し品)と異なる商品(模造品)が存在する可能性もあるから,仕入時によく確認する必要があること,また,③C氏の店から仕入れる商品(横流し品)には,正規品であることを示すホログラムシールが貼付されていないものも存在することなどを説明し,その際,ホログラムシールの入手方法・貼付方法などが話題に上った。
(甲40,乙41,証人L,証人J,原告代表者)
(9)  被告は,平成18年7月14日,A元夫婦から仕入代金500万円を預かり,同月16日,Lを伴って中国に渡航した。Lは,C氏の店においてブランド品を選定し,これを香港に運んだ。A元夫婦は,同月25日,香港に渡航し(第3渡航),香港のホテル内で,Lが選定した商品の検分を行った。A元夫婦は,商品の一部にホログラムシールが貼られていないことを指摘したところ,被告及び同行したC氏は,「中国の工場で製造中に抜けてしまったものであり,後で貼り付ければ良い。」などと説明し,ホログラムシールを渡されたことから,これらの商品を仕入れた。仕入れ代金には,被告に予め預けておいた500万円が充てられた。
A元夫婦は,同月29日に帰国したが,その際,香港で仕入れた商品の一部をハンドキャリーで国内に持ち込み,一部を航空便ないし船便で発送した。しかし,同年9月1日,東京税関において,航空便ないし船便で発送した商品の相当部分について商標権侵害等の疑いがあるとの理由で,その輸入が差し止められた。
(甲16の1,2,甲20~23の3,甲27,40,乙43,原告代表者)
(10)  A元夫婦は,平成18年8月24日,海外からの商品仕入れを行うための会社としてe社を設立し,Bがその代表取締役に就任した。
(甲32,乙44の1,2,原告代表者)
(11)  Bは,平成18年9月1日,被告と共に香港に渡航し(第4渡航),香港にあるC氏の親族が経営しているという店舗で商品の仕入れを行い,クレジットカードで428万6670円を支払った。その後,Bは,被告と共に中国(広州中山)に行き,ブランド品が製造されているという工場を見学するなどした上で,同月5日に帰国した。なお,A元夫婦は,上記商品をハンドキャリーで国内に搬送した。
(甲5,甲27,40)
(12)  原告は,dショップないしC氏の店から仕入れた商品をネットオークションとして出品していたところ,平成18年9月4日,b社から,模造品の販売による商標権侵害の可能性があるという理由で,ネットショップ契約の解除を通知された。原告は,当該通知に異議を出したため,ネットオークション販売を一時停止されただけで,正式な契約解除は留保されたが,同月29日頃,再度,原告の出品した商品が模造品であるとの指摘を受けたことから,同年12月17日頃,ネットショップ契約が解除された。
Bは,同年9月4日以降,原告店舗によるネットオークション販売が停止されたため,「B1」名義で,国内で仕入れた商品と共にC氏の店やdショップから仕入れた商品をネットオークションに出品し,販売した。
(甲3,25,27,40)
(13)  Aは,平成18年9月以降,C氏の店から仕入れた商品の多くが税関を通過しない状態となったため,同月9日,香港に渡航して,C氏の店で商品を仕入れ,同月11日,その一部をハンドキャリーで国内に運ぶなどした(残部は航空分で送付したが,ほとんどが税関を通過しなかった。)。
(甲40)
(14)  A元夫婦は,平成18年11月30日頃,C氏の店で仕入れる商品については,香港経由でハンドキャリーによって運搬する場合は税関で止められる可能性が高いため,いったん船便でシンガポールに搬送し,関税を支払って国内に搬送する方法に切り替えることを検討した。
(乙20,原告代表者)
2  争点①(シンガポールの仕入れに関する不法行為)について
(1)  前記1認定事実によれば,第2渡航中に原告が仕入れたdショップの商品は概ね税関を通過したこと,原告(A元夫婦)は,第2渡航中にdショップから仕入れた商品をネットオークションで販売し,最終的に約900万円の利益を上げていること,Bは,第1渡航中,dショップの扱う商品がブランド品としては相当に安価であることから,模造品ではないかとの疑いを持ち,通訳である被告を介してdショップの店員に確認したところ,「シンガポールで偽物を扱うことは許されない。」という趣旨の回答を得ていたこと,AもBが持ち帰ったdショップの商品を調査したが,模造品であるとは判断しなかったことが認められる。これらの事情に加え,dショップからの仕入れ商品を販売した後も,購入した顧客から原告に対して偽物である等の苦情が寄せられた形跡がないことからすれば,第2渡航中,原告がdショップから仕入れた商品の全部ないし相当部分が模造品であったとは認められず,他にdショップの商品が模造品であったことを認めるに足りる証拠はない。
原告は,平成19年1月10日頃,A元夫婦及びFが中国に渡航して,C氏に直接確認したところ,C氏は原告の購入した商品が全て模造品であることを認めた旨主張し,それに沿う証拠(甲26,27,40)を提出する。しかし,セレクトショップであるdショップがC氏の店から全ての商品を仕入れているとは限らない上,C氏の上記発言も事実であるか否かは即断できず(乙52の1,2によれば,C氏は上記発言を否定している。),これをもって,dショップから原告が仕入れた商品が模造品であったと認めることはできない。
(2)  また,前記1認定事実のとおり,dショップは第1渡航中に,被告やBと同行したDが偶然に見つけた店であること,被告は,ブランド品についての知識・経験に乏しいため,シンガポールに渡航した際も,同伴したLに商品の選定を行わせていたことが認められる。その上,被告が,dショップの商品が模造品であることを知りながら,敢えてA元夫婦を欺罔して,dショップで商品を仕入させる動機にも乏しいことからすれば(なお,被告がdショップからリベートを受領していたことや,被告が為替をごまかすなどして,原告の商品購入代金の一部を不当に領得していたことなどを示す証拠はない。),仮にdショップで扱っていた商品が模造品であったとしても,そのことを被告が認識した上で,dショップでの商品仕入れに協力していたとは認められない。
原告は,第1渡航中,被告がBに対してdショップの商品が本物であることを請け合ったなどと主張するが,被告は単にdショップの店員の言葉を通訳したにすぎないから,同主張は採用することができない。また,Bは,被告の通訳を聞いた後も,なお,dショップの商品が安価であることに疑問を抱き,十数点の商品をサンプルとして購入しており,Bの帰国後,Aが正規店の商品と見比べるなどの調査を自ら行った上で模造品ではないと判断したことからすれば,被告の上記通訳によって,dショップの商品が模造品でないという錯誤に陥ったとも認められない。
なお,原告は,第1渡航後も,被告からdショップの商品が本物である旨の説明を受けたと主張するが,これを裏付ける的確な証拠はない。
(3)  したがって,シンガポールの仕入れに関して,被告による欺罔行為及び原告の錯誤は認められず,被告は,原告に対して,詐欺による不法行為責任を負わない。
3  争点②(中国の仕入れに関する不法行為)について
(1)  前記1認定事実によれば,第3渡航中,原告がC氏の店で仕入れた商品のうち航空便ないし船便で搬送した分については,その相当数が模造品の疑いがあるという理由(商標権侵害)により税関で差し止められたこと,C氏の店で仕入れる商品の一部にはホログラムが付いていないものもあったこと,C氏の店で仕入れた商品は,平成18年9月以降,税関を通過しにくくなっていたこと,そのため,原告は,同年11月,C氏の店から仕入れた商品について,税関を通過させるため,香港からのハンドキャリーではなく,シンガポールを経由して国内に運搬する方法への切替えを考えたことが認められ,これらによれば,C氏の店の商品には少なからず模造品が存在していたことが推認される。
しかし,前記1認定事実によれば,被告は,平成18年7月11日,新会社設立のための会合に出席した際,C氏の店の商品は,模造品ではなく,ブランドメーカーの正規工場で製造されたもののうち正規のルートで販売されない横流し品であるが,中には正規品ではない模造品が混入する可能性があるから,仕入れ時に確認する必要があるなどと説明していることが認められる。また,前記2(2)で説示したとおり,被告はブランド品についての知識・経験が乏しく,その真贋を判定できる能力があるとはいえないこと,被告が原告を欺罔する動機も乏しいことからすれば,被告が,C氏の店の商品が模造品であることを知りながら,敢えて原告に対し,その仕入れを勧めたとは認められない。
むしろ,A元夫婦は,ブランド品をネットオークションで販売する業務に従事していたこと,C氏の店の商品にはホログラムシールが付いていない商品があることを認識し(乙19参照),ホログラムシールの入手方法や貼付方法について検討していたこと,円滑に税関を通過させるため,仕入れた商品の全部ないし一部をハンドキャリーで運搬していたことなどを考慮すれば,A元夫婦は,C氏の店の商品の中に模造品が混入していることを認識しつつ,これを仕入れていた可能性も否定できないのであって,C氏の店の商品が正規品(横流し品)であるとの錯誤に陥っていたとも認められない。
(2)  したがって,原告は,被告の欺罔行為によって,C氏の店の商品の中に模造品がないという錯誤に陥っていたとは認められないから,中国での各仕入についても詐欺による不法行為は成立しない。
4  争点③(本件コンサルタント契約締結に関する不法行為)について
(1)  前記1認定事実のとおり,被告は,平成17年12月,I夫婦の紹介でA元夫婦と会った際,「国内外に人脈が広く,経営コンサルタントとして活動していることから,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りの面で協力できる。」「商品仕入れの拡大のため,プラチナカードが取得できる。」などと述べたため,A元夫婦がプラチナカードの取得に興味を示し,第1渡航中,被告の仲介でプラチナカードを取得したものであって,被告と会った当初は,海外ブランド品の仕入れルート作りを模索していたわけではないこと,A元夫婦は,G夫婦がdショップの商品を仕入れて利益を上げたことから,dショップからの商品仕入れに興味を抱き,平成18年4月頃,本件コンサルタント契約を締結し,被告に対し,dショップにおける商品仕入れのための協力を求めるようになったことが認められる。そして,被告は,平成17年12月にA元夫婦と対面した際,いまだdショップの存在も知らなかったことも考慮すれば,被告がA元夫婦に対し,「海外生活が長く,海外にブレーンも多いので,経営アドバイスや商品仕入れのルート作りに協力できる。今まで,コンサルタントしてきた会社は,全部成功している。」などと,確実な海外ブランド品の仕入ルート作りができるかのように告げたというのはいささか唐突であって,不自然というほかない。また,被告は,第1渡航において,dショップの店員の説明を通訳して,dショップの商品が本物であるかのように述べたにすぎず,被告がdショップで販売されている商品が模造品であると認識していたとは認められないことは,前記2において認定・説示したとおりである。
したがって,被告が,平成17年12月頃,原告(A元夫婦)を欺く意思で本件コンサルタント契約を締結するよう働きかけたと認めることはできないから,本件コンサルタント契約の締結が被告の詐欺に当たるとはいえず,本件コンサルタント契約は有効というべきである。
(2)  そして,前記1認定事実,証拠(乙1~4,11,原告代表者,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,平成18年4月以降,原告(A元夫婦)の意向に沿う形で,本件コンサルタント契約に基づく業務(経営に関する各種アドバイスの提供,国内外からの商品仕入れルートの開拓)を行っていたものと考えられるから,原告に対し,コンサルタント料として受領した180万円を返還するべき理由はない。
ところで,原告が主張する300万円のうち90万円(①平成18年7月24日の25万円,②同年8月22日の15万円,③同年10月26日の50万円)については,コンサルタント業務の対価であることを認めるに足りる証拠はないが,上記①,②の合計40万円は原告が仕入れた商品の搬送料と推認され(甲5),また,上記③は,原告にプラチナカードを取得させたことに対する報酬と推認される(甲4,甲7の2)。また,④同年11月30日の30万円は,本件コンサルタント契約に基づくコンサルタント料であると推認される(甲4,甲6の7)。したがって,いずれも被告が原告に返還するべき理由はない。
(3)  原告は,被告が平成18年7月から同年9月までの間に海外仕入れのための経費として支出した141万6916円の返還を求めるが,前記(1)のとおり,本件コンサルタント契約は有効であり,かつ,上記支出は被告が本件コンサルタント契約を履行するために必要な支出であったと認められるから(甲9,弁論の全趣旨),原告が被告に返還を求めるべき理由はない。
(4)  原告は,被告に対し,港区六本木のマンションの賃料として支出した124万2000円の返還を求めている。
この点,証拠(甲34の1~3,乙10,35~39,原告代表者,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,Aは,平成18年9月頃,被告が以前携わっていたF1関係で仕事を獲得するチャンスがあると知り,仮に被告が当該仕事を得れば多額の報酬が見込まれるため,原告がネットショップ契約の解除等によって被った損失分も被告から補償してもらえると考え,被告に対し,F1関係の仕事を獲得するための便宜を与える趣旨で,被告居住用のマンションを探し,港区六本木にマンションを見つけたこと,原告は,当該マンションを原告名義で賃借して被告に居住させた上,その賃料(同月分及び同年11月分の合計124万2000円)を負担し,原告の経費(社宅家賃)として計上したことが認められる。そうすると,上記賃料分の支出については,原告(A)の経営判断に基づいて行われたものというべきであるから,原告が被告に返還を求めるべき理由はない。
(5)  原告は,被告に対し,平成18年7月から平成19年1月分までの携帯電話料18万7425円の返還を求めているが,前記(1)のとおり,本件コンサルタント契約は有効であり,かつ,上記支出は被告が本件コンサルタント契約を履行するために必要な支出であったと認められるから(甲12の1~8,弁論の全趣旨),原告が被告に返還を求めるべき理由はない。
5  争点④(ネットショップ契約の解除に伴う損害)について
前記2,3で認定・説示したとおり,被告には,dショップないしC氏の店における商品仕入れについて,原告(A元夫婦)を欺罔する意図はなかったものと認められる。したがって,原告がdショップないしC氏の店から仕入れた商品の中に模造品が混入したため,結果的にネットショップ契約が解除されたとしても,当該解除に伴って生じた損害について,被告が不法行為に基づく責任を負うとはいえない(なお,原告は,営業損害が1000万円生じたと主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠もない。)。
6  争点⑤(被告が原告から受領した50万円)について
証拠(甲1,26,証人J)によれば,平成18年9月25日,Eが死亡したこと,原告は,その翌日頃,Eに対する慶弔費として50万円を被告に預けたにもかかわらず,被告は,Eの子であるFに対して,原告からの慶弔費として50万円を交付していないこと,その他Fは,原告名義での慶弔費を受領していないことが認められる。
被告は,Eのために110万円を用立てたところ,その直後に同人が死亡し,被告は手元のお金が無くなったため,Aが被告のために50万円を贈与した旨主張するものの,被告がEに110万円を用立てたことや原告が贈与する意思で50万円を交付したことを裏付ける客観的証拠はなく,上記被告の主張は採用できない。
したがって,被告は,原告から預かったEの慶弔費50万円を着服したものと認められるから,原告に対し,不法行為に基づき50万円の損害賠償責任を負う。
7  争点⑥(クレジットカードの支出に関する不法行為)について
前提となる事実(3)エのとおり,被告は,平成18年10月から同年12月までの間,Bサブカードを使用して,合計74万4054円を支出したことが認められる。
しかし,Bサブカードによる支出額は,名義人であるBに明細書が送付されることによって,Bにも把握することが可能であったと考えられる(甲10の1~3,弁論の全趣旨)。そして,原告は,平成18年10月以降,被告がF1関係の仕事を獲得するために居住用マンションを提供する等の便宜を図っていたこと(前記4(4)),被告がBサブカードを保持していることを知りながら,原告がその返還を求めた形跡もないことをも考慮すると,原告は,被告がBサブカードを使用することを容認していたと認めるのが相当である。
したがって,被告による上記支出は,原告に対する不法行為とはならない。
8  争点⑦(本件コンサルタント契約の債務不履行)について
(1)  前記4(2)で認定・説示したとおり,被告は,本件コンサルタント契約に基づく業務(経営に関する各種アドバイスの提供,国内外からの商品仕入れルートの開拓)を,原告の意向に沿う形で遂行していたものと認められる。
(2)  原告は,被告が海外仕入れルートの調査業務や通訳業務を行う際,仕入れる商品が模造品でないことを確認すべき注意義務を負っていたと主張する。
しかし,前記1認定事実のとおり,平成18年4月当時,被告にはブランド品に関する知識に乏しく,原告もそのことを認識していたものと推認されること(これは,原告が平成18年8月23日に被告宛に送信したメール[乙3]において,ブランド品に関する説明をしていることからも裏付けられる。),本件コンサルタント契約の締結に当たり,A元夫婦と被告との間において,被告に仕入れ商品の真贋の確認義務があるとの確認がされた形跡がないこと,被告は,C氏の店からの仕入れを検討する会議が開かれた際,A元夫婦に対し,C氏の店の商品には模造品が混入する可能性があるから,仕入れに当たっては(A元夫婦による)十分な確認が必要である旨説明していることからすれば,原告がdショップないしC氏の店からブランド品の仕入れを行うにあたり,その真贋を確認する義務は,最終的に当該商品を購入する立場にあった原告(A元夫婦)が負担していたものと考えるのが相当であり,被告が原告主張のような注意義務を負っていたとは認められない。
したがって,被告に,本件コンサルタント契約の債務不履行があったとはいえず,これに反する原告の主張は採用することができない。
9  争点⑧(事務管理者として善管注意義務違反)について
前記1認定事実のとおり,海外商品の選定や仕入れに関して原告に協力することも本件コンサルタント契約の内容に含まれていたから,被告が,シンガポール及び中国・香港において,ブランド品の選定・仕入れに関する事務や通訳業務,クレジットカードの調達等の事務を遂行したことは,本件コンサルタント契約によって被告が原告に対して負担していた債務の履行といえる。そうすると,被告が義務なくして原告の事務を管理したとは認められず,被告がシンガポール及び中国での商品の選定や仕入れに携わったことは,原告のための事務管理であるとはいえないから,原告の主張はその前提において失当である。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は,被告に対し,50万円及びこれに対する平成19年6月22日(催告による支払期限の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由がある。
よって,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 戸田久 裁判官 山口和宏 裁判官 中野雄壱)

 

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