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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(98)平成28年 2月23日 東京地裁 平26(ワ)7075号 不当利得返還等請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(98)平成28年 2月23日 東京地裁 平26(ワ)7075号 不当利得返還等請求事件

裁判年月日  平成28年 2月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)7075号
事件名  不当利得返還等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2016WLJPCA02238015

要旨
◆b社グループ内企業a社らの取締役であった原告が、a社から原告に支払われるべき取締役報酬をb社グループのオーナーで大株主の被告が受領したのは不当利得又は不法行為に当たるとして、被告に対し主位的に不当利得の返還、予備的に不法行為に基づく損害賠償を求めたほか、被告からパワハラの不法行為を受けたとして損害賠償を求めた事案において、本件では、原告の取締役としての報酬金額がa社の定款、株主総会決議又は取締役会決議によって具体的に決定されていたとはいえないから、原告のa社に対する具体的報酬請求権は発生していないとしてa社に対する報酬請求権を前提する主位的請求を棄却し、また、被告による債権侵害の不法行為があったとか、被告の各行為が不法行為に当たるとする原告の各主張は採用できないないとして、その余の請求も棄却した事例
◆株式会社の取締役については、会社法361条1項(同法施行以前については平成17年法律第87号による改正前の商法269条)の趣旨にかんがみ、定款又は株主総会の決議によって報酬の金額又はその金額の具体的な算定方法が定められなければ具体的な報酬請求権は発生せず、定款又は株主総会決議により一定の枠のみが設けられた場合には、各取締役の報酬の金額は取締役会がその業務執行上の判断として決定すべきであり、取締役会が取締役の報酬について具体的な金額又は金額の具体的な算定方法を定める決議をしたときはその取締役に具体的報酬請求権が発生するとされた事例

参照条文
民法703条
民法709条
会社法361条1項
商法269条(平17法87改正前)

裁判年月日  平成28年 2月23日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平26(ワ)7075号
事件名  不当利得返還等請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2016WLJPCA02238015

千葉県松戸市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 佐藤隆男
東京都中野区〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 田中秀幸
近藤祐史
永岡秀一

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は,原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求の趣旨
1  被告は,原告に対し,1億0050万円およびこれに対する平成26年4月13日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は,被告の負担とする。
3  仮執行宣言
第2  事案の概要
1  本件は,原告が,株式会社から原告に支払われるべき取締役報酬を被告が受領したのは不当利得(予備的に不法行為)にあたると主張して,被告に対し,不当利得の返還(予備的に不法行為にもとづく損害賠償)を求める(以下「請求1」という。)とともに,被告は,原告に対し,パワーハラスメントの不法行為を行ったと主張して,被告に対し,不法行為にもとづく損害賠償を求める(以下「請求2」という。)事件である。
2  本件の前提となる事実(当事者間に争いのない事実ならびに後掲証拠および弁論の全趣旨により容易に認められる事実)は,以下のとおりである。
(1)  株式会社aは,飲食店の運営業務等を目的とする株式会社である。Aは,平成7年以前から現在までa社の代表取締役である(甲第1号証,乙第1号証)。
(2)  b株式会社は,内外食料品の販売等を目的とする株式会社である。b社は,株式会社cの株式の過半数を保有しており,c社は,a社の株式の半数を保有しており,その他の子会社と併せてb社グループを構成している(甲第7号証の1および2,第52号証,乙第4号証)。
(3)  被告は,昭和12年生まれの男性で,b社の代表取締役であり,平成13年11月1日からはAとともにa社の代表取締役である者である。被告は,b社グループのいわゆるオーナーとして大株主であった者であり,b社グループのd株式会社,e株式会社,c社,f株式会社の代表取締役でもあり,さらに,b社の大株主であるg株式会社およびその子会社,孫会社から成るg社グループに属する複数の会社の代表取締役でもある(甲第1号証,第38号証の2,第52号証,乙第1号証,第4号証,弁論の全趣旨)。
(4)  原告は,昭和24年生まれの男性で,平成13年9月から平成26年1月31日までb社の取締役であり,平成15年11月1日から平成25年12月31日までa社の取締役であった者である。また,原告は,d社,e社,f社ほかb社グループに属する複数の会社と,g社グループに属する複数の会社の取締役でもあった(甲第1号証,第8号証の1および2,第15号証,第16号証,第29号証,第52号証,乙第1号証,第4号証)。
(5)  原告がa社の取締役であった間,a社の株主総会においては,取締役の役員報酬総額を年間6600万円とする決議がされたことはあるが,a社の取締役会において原告の役員報酬について決議がされたことはなかった。a社が原告に役員報酬を支払ったことはない(争いのない事実)。
(6)  原告は,b社,a社ほかb社グループ各社およびg社グループ各社のうち原告が取締役に就任していたものすべてについて,取締役を辞任した(争いのない事実)。
3  本件の争点は,請求1については下記(1)のとおりであり,請求2については下記(2)のとおりである。
(1)  被告がa社から受領した役員報酬が,原告の損失において被告が不当に利得したものといえるか。仮に,そうでないとした場合,被告がa社から役員報酬の支払いを受け,原告がa社から役員報酬の支払いを受けなかったことが,被告の原告に対する不法行為となるか。
(2)  被告による原告に対するパワーハラスメントの不法行為があったか。
第3  原告の主張
1  請求1に関し
(1)  原告のa社の役員報酬
① 原告がa社の取締役であった期間のうち平成16年10月1日から平成25年9月30日までの9年間,a社の役員報酬に関するa社株主総会決議および取締役会決議の状況は,別紙1「原告主張1」1から9までに記載のとおりである。
② したがって,原告は,上記9年間,a社の株主総会決議および取締役会決議にもとづいて,別紙1「原告主張1」10記載のとおり,役員報酬として,総額9750万円の支払いを受けるべきであった。
③ しかし,a社は,上記9年間の原告の役員報酬9750万円の全額を被告に支払い,原告にはまったく支払いをしなかった。
(2)  原告は,a社から,上記(1)②の9750万円を役員報酬として支払われるべきところ,被告がa社から原告分9750万円を受領しているのは,被告による法律上の原因のない利得であり,原告は同額の損失を受けている。
よって,原告は,被告に対し,不当利得返還請求として,9750万円およびこれに対する訴状送達の日の翌日である平成26年4月13日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
(3)  仮に,被告による9750万円の受領が不当利得にあたらないとしても,被告は,a社が原告に対して支払うべき9750万円を,a社の代表取締役たる地位を利用して自らの口座に送金させたのであるから,これは,原告のa社に対する債権を侵害した不法行為にあたる。
よって,原告は,予備的に,被告に対し,不法行為にもとづく損害賠償として,9750万円およびこれに対する不法行為の後の日(訴状送達の日の翌日)である平成26年4月13日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
2  請求2に関し
(1)  被告は,b社グループおよびg社グループの実質的支配者であり,独裁的立場にある者である。
(2)  原告は,b社の役員に就任後,金融機関での経験を活かして,b社のナンバー2としての責任を果たしてきた。被告は,a社が株式公開の準備ができた段階で,原告にもグループ会社から成功報酬を支払うと約束しており,原告は,b社,a社その他の会社の再生のために努力し,b社の財務体質を健全化し,a社の株式公開をするところまで貢献した。
(3)  ところが,被告は,a社が株式公開の準備段階に入った平成25年1月ころから,突然,優越的立場を利用して,別紙2「原告主張2」(1)から(9)まで記載の原告の追出し工作を行った。
(4)  これは,被告が,原告に報酬を支払うとの約束を反故にするために,嫌がらせを繰り返し,原告を,b社,a社ほかの計13社の取締役辞任届を提出せざるをえないところまで追い込んだもので,原告の人格を侵害する不法行為である。
(5)  被告の不法行為により,原告は,塗炭の苦しみを味わった。これを慰謝するには,慰謝料300万円が相当である。
(6)  よって,原告は,被告に対し,不法行為にもとづく損害賠償として,300万円およびこれに対する不法行為の後の日(訴状送達の日の翌日)である平成26年4月13日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
第4  被告の主張
1  請求1に対し
(1)  株式会社の取締役の役員報酬請求権は,定款または株主総会の決議によって報酬の金額が定めされなければ,具体的な報酬請求権は発生せず,株主総会において役員報酬総額の上限が決議されているだけでは,具体的な金額が定められたということはできない。
a社は,原告に対する報酬の金額を定める取締役会決議を行っておらず,原告は,a社に対する役員報酬請求権を有していない。
したがって,原告の請求1は,その前提において誤っている。
(2)  仮に,原告のa社に対する役員報酬請求権が発生していたとしても,被告に役員報酬が支給されれば原告の役員報酬請求権が減縮するという関係にはないから,原告は,a社に対して役員報酬を請求すれば足り,被告が原告に対する不当利得返還義務を負うことにはならい。
(3)  a社の取締役会は,被告の役員報酬の額を月額200万円(ただし,平成19年1月から平成20年3月までおよび平成21年12月から平成22年5月までは月額100万円)と定める決議を,a社の株主総会で決議された報酬の限度額の範囲内において行っている。
a社の事業報告書における社外取締役2名の報酬の記載は,会社法施行規則121条4号に従ったものに過ぎず,a社の取締役会が,事業報告書記載の内容の決議を行ったものではない。
(4)  原告は,b社から多額の役員報酬を受領しており,原告のa社を含むグループ会社における取締役としての業務の対価は,実質的にはb社の役員報酬として支払われていた。b社グループの取締役は,複数のグループ会社の取締役を兼務しながら,そのうち主として勤務する1社のみから報酬を受領している。
原告自身,b社の専務取締役およびa社の取締役として,このような取り扱いを長年にわたり認識し,承認してきた。
したがって,原告の請求1は,実質論においても著しく失当である。
(5)  原告は,予備的に,債権侵害の不法行為を主張するが,不法行為にあたる具体的事実を何ら主張しておらず,主張自体失当である。
a社においては,a社の事業所において実印等が保管されており,代表取締役であるAが送金処理等に関する押印を行っている。被告が,a社の実印等を取り上げて,a社の会計係をして役員報酬をすべて被告の口座に振り込ませたとの原告の陳述は,事実無根である。
(6)  以上のとおり,原告の請求1は,理由がないことが明らかである。
2  請求2に対し
(1)  被告が別紙2「原告主張2」に記載された行為を行ったとの原告の主張は否認する。
(2)  被告は,平成18年7月に,原告をb社の専務取締役に抜擢し,重要な仕事を任せ,時には激しく議論しながらも,原告と極めて良好な関係を維持していた。
ところが,原告が,平成25年11月29日に,突然,退任届を提出したので,被告は慰留に努めたが,原告は,具体的な理由は述べず,家庭の事情であるなどと述べて,これを固辞した。
幹部社員や若手社員とうまくいっていないなど原告にも問題はあり,それに対して被告は厳しく注意してきたが,被告は,原告を評価,重用していたのであり,原告を追い出す工作をする動機がない。
(3)  したがって,被告は,原告に対する不法行為を行っておらず,原告の請求2が成立しないことは明らかである。
第5  当裁判所の判断
1  請求1について
(1)  株式会社の取締役については,会社法361条1項(同法の施行以前については平成17年法律第87号による改正前の商法269条。以下,同じ。)の趣旨にかんがみ,定款または株主総会の決議によって報酬の金額またはその金額の具体的な算定方法が定められなければ,具体的な報酬請求権は発生しないと解すべきである。
そして,定款または株主総会の決議により一定の枠のみが設けられた場合には,各取締役の報酬の金額は,取締役会が,その業務執行上の判断として決定すべきであり,取締役会が取締役の報酬について具体的な金額または金額の具体的な算定方法を定める決議をしたときは,その取締役に具体的報酬請求権が発生するというべきである。
(2)  そこで,まず,a社の定款をみると,27条に,取締役の報酬等は,株主総会の決議によって定めるとの定めがあるが,取締役の報酬の金額またはその金額の具体的な算定方法を定めていない(甲第27号証)。
(3)  次に,a社の株主総会決議についてみると,平成16年12月27日に開催されたa社第37期定時株主総会において,第38期の役員報酬の総額を6600万円とする第3号議案が,株主全員の賛成により可決されており,平成17年12月26日に開催されたa社第38期定時株主総会において,取締役の年額報酬額を6600万円以内とする第4号議案が,株主全員の賛成により可決されている(甲第23号証,乙第3号証)。その後,a社の株主総会において,取締役の報酬等に関する決議が行われたという証拠はないところ,会社法361条1項は毎事業年度ごとの決議までも要求する趣旨とはいえず,いったん株主総会決議が行われれば,その後は増額または減額するときのみ決議をすればよいと考えられるから,a社においては,その後も取締役の年額報酬額を6600万円以内とする上記決議の効力が維持されていると解される。
(4)  そこで,a社の取締役会において,取締役の年額報酬額を6600万円以下とするという株主総会決議の範囲内において,原告の取締役としての報酬の具体的な金額または金額の具体的な算定方法を定める決議をしているかどうかについてみると,本件に提出されたa社の取締役会議事録(甲第6号証,第49号証,乙第2号証,第11号証から第14号証まで)によっても,そのような決議があったと認めることはできない。
(5)  かえって,他の取締役である被告,A,Bについては役員報酬の金額を定める取締役会決議が行われており(乙第2号証,第12号証から第14号証まで),その内容は,a社の第38期から第46期までの決算報告書の一部である各「役員報酬手当等及び人件費の内訳書」(乙第15号証の2から10まで。同号証の7には「第43期事業報告書」との表紙が付されているが,その実質は決算報告書の一部であると認められる。)とも一致しているから,原告の取締役報酬の具体的な金額等を定める決議は,上記の議事録が提出されている取締役会以外においても行われていないと認めるのが相当である。
(6)  原告は,a社の第39期および第44期の事業報告書(甲第2号証,第3号証)の「取締役及び監査役の報酬等の額」の項に,「取締役4名66,000千円(うち社外2名24,000千円)」と記載されていることをもって,a社の取締役会が,取締役の役員報酬の総額6600万円または6600万円以下の範囲内において,社外取締役2名の役員報酬総額を2400万円とする決議をしたといえると主張する。
しかし,事業報告書は,取締役会が,定時株主総会に提供,報告するものであり(会社法437条,438条3項),第39期および第44期においては,現実に,前記(5)のとおり,社外取締役の役員報酬が原告が0円で被告が2400万円であったことから,その総額が2400万円であったと報告する趣旨であり,これをもって,取締役会が,前記(1)の取締役会決議をする趣旨で,社外取締役2名の役員報酬総額を2400万円とする旨の決議をしたと解することはできない。
なお,社団法人日本経済団体連合会経済法規委員会企画部会の「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」が,事業報告書に役員の報酬等の総額を記載する場合,取締役等の員数には,無報酬の役員を含めないと記載していることは認められるが(甲第47号証),同ひな型は同部会による参考資料であり,そもそも会社法施行規則121条4号,5号は,公開会社の事業報告における役員に関する事項の記載に関する定めであり,株式譲渡制限の定めのあるa社(甲第1号証,乙第1号証)には適用されないから(会社法2条5号),上記事業報告書の「社外取締役2名」との記載が,原告と被告の両者に対する役員報酬支払いを前提とした記載であったと評価することはできない。
(7)  したがって,a社の第38期から第46期までにおいて,原告の取締役としての報酬の金額が,a社の定款,株主総会決議または取締役会決議によって具体的に決定されていたとはいえないから,原告のa社に対する具体的報酬請求権が発生していたとはいえない。
(8)  原告の請求1のうち主位的請求である不当利得返還請求は,原告がa社に対する報酬請求権を有することを前提に,被告の利得により損失が生じたとするものであるから,請求は,前提を欠き,その余の主張について判断するまでもなく,理由がない。
(9)  原告の請求1のうち予備的請求である不法行為にもとづく損害賠償請求については,被告によって侵害されたとする債権自体の存在が認められないし,定款において取締役の報酬の金額等が定められていないa社においては,株主総会または取締役会において原告の取締役報酬の金額等が定められない限り,原告は取締役報酬を受けることができないところ,この間,原告自身も取締役としてa社の取締役会および株主総会に出席しているが,このことに異議を述べた形跡はないから(前記(4)に掲げる取締役会議事録,甲第18号証,第23号証,第24号証,乙第3号証),a社において原告の取締役報酬の金額等が定められないことについて原告も了解していたことがうかがわれるから,被告による債権侵害の不法行為があったとの原告の主張は採用できない。
(10)  したがって,原告の請求1は,主位的請求,予備的請求ともに,理由がない。
2  請求2について
(1)  原告は,被告に別紙2「原告主張2」記載の各行為があったと主張し,それに沿うものとして,原告陳述書(甲第11号証,第12号証,第17号証,第22号証,第26号証,第28号証,第30号証,第34号証,第37号証,第40号証,第42号証,第45号証および第46号証を一括していう(ただし,請求1のみに関するものも含まれている。)。以下,同じ。)を提出し,また,本人尋問における供述をする。
(2)  そこで,個別に検討する。
① 別紙2「原告主張2」(1)記載の行為(以下「行為(1)」という。(2)以下についても同様である。),および行為(2)から行為(4)までについて,原告は,原告陳述書においてそのような事実があったと陳述し,本人尋問においても同様の供述をするけれども,その内容は抽象的なものにとどまっており,具体的に被告がどのような状況で原告に対していかなる行為を行ったのかが明確であるとはいえず,不法行為であると認めるには不十分である。
② 行為(5)について,原告は,平成25年11月28日に,b社の会長室において,被告と昼食をとっていた際,被告から,突然,「お前はきたない,ずるい。」と言われ,原告から役員として不適格ということかと尋ねたところ,被告がそうだと答えたと陳述および供述する(原告陳述書,原告本人)。
一方,被告は,そのような発言をした事実を否定している(乙第7号証,被告本人)。
この点,原告は,甲第11号証においては,被告に対して具体的な話をしてくださいと問い質しても被告は何も返事をしなかったと陳述している一方で,甲第42号証においては,被告が,原告の様々な問題について原告の部下から指摘されているとか原告の言動が原因で金融機関との関係が悪化したとか述べたので,原告が「事実関係につき具体的な話をしてください」と言ったと陳述し,原告本人尋問においても,ずるいって何ですかと聞いたら,被告が具体的な話を三つか四つかしていたと供述しており,仮に後者の陳述および供述内容が正確であるとすれば,説明が十分であったかどうかは別として,b社の代表取締役としての被告が,原告の職務に対する不満から,原告に対してきたない,ずるいという言葉を発した可能性もあり,原告の陳述だけから,被告に,不法行為に当たるような発言があったと認めるには不十分である。
③ 行為(6)は,被告はその事実を否定する陳述をしているし(乙第7号証),原告自身も被告が原告にY家の相談役になってほしいとの趣旨の言葉をかけたことは認めている(原告陳述書,原告本人)。また,原告がb社の取締役を辞任することを決めて辞任届を提出した後は,原告の主張する被告による原告追出しのためのパワーハラスメントをあえて行う必要がないのであり,この点においても,原告の主張は採用できない。
④ 行為(7)については,被告も,原告に対し,原告の口臭の件について話したことは認めている(乙第7号証,被告本人)。しかし,原告が行為(7)が始まった時期として主張および陳述するのは平成23年秋ころであり,これと原告が主張する平成25年1月ころからの追出し工作とどのような関係があるのか不明であるし,被告が助言の意図を超えて,原告の身体的問題を不法に攻撃する意図を有していたと認めるに足りる十分な証拠はなく,これについて不法行為が成立するとは認められない。
⑤ 行為(8)については,被告による会社の経営方針の変更が原告に対する不法行為になるとはいえないし,原告がうつ病などの病気となったことについての医証は提出されていないから,原告の主張は認められない。
⑥ 行為(9)については,原告は,平成26年1月31日の退任最終日に,被告に,「長い間お世話になりました。」と言ったところ,被告が,もう原告と会わなくていいなと言ったと陳述および供述し(原告陳述書,原告本人),一方,被告は,そのような発言を否定する陳述をする(乙第7号証)。原告が被告のこの発言を聞いた場面に関する原告の陳述および供述は具体的であり,被告がそのような発言をしたとの事実は認められるが,10年以上の間,職務上近しい関係にあった者の間でそのような言葉が用いられた場合に,それが適切な挨拶でなかったということはできても,不法行為にあたる言動であると直ちに評価することまではできないというべきである。
(3)  したがって,行為(1)から(9)までが被告による不法行為にあたるとの原告の主張は,いずれも認められないから,その余の主張について判断するまでもなく,原告の請求2は理由がない。
第6  結語
よって,原告の請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判官 松村徹)

 

別紙1
原告主張1
1 第38期(平成16年10月1日から平成17年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成16年12月27日開催のa社第37期定時株主総会において,第38期の役員報酬総額を6600万円と決議した(乙第3号証)。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第38期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第38期事業報告書(乙第15号証の2)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
取締役会の別段の意思表示がない以上,民法427条により,原告と被告は,等しい割合で役員報酬の権利を有すると解すべきであり,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
2 第39期(平成17年10月1日から平成18年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成17年12月26日開催のa社第38期定時株主総会において,第39期の役員報酬総額を6600万円以内と決議した(甲第23号証)。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第39期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第39期事業報告書(甲第2号証,第24号証)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
3 第40期(平成18年10月1日から平成19年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第40期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第40期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第40期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が1500万円と記載されている。
a社取締役会は,平成19年1月9日に,同月から同年9月までの被告の役員報酬を月額100万円とする旨の決議をしたが(乙第12号証),この決議は,株主総会で承認された上記事業報告書の記載と矛盾し無効である。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第40期役員報酬として1500万円を受領している(乙第15号証の4)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬をその半額である750万円とする決議をしたというべきである。
4 第41期(平成19年10月1日から平成20年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年および平成20年の各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第41期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第41期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第41期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が1800万円と記載されている。
a社取締役会は,平成20年3月26日に,被告の役員報酬を,平成19年10月から平成20年3月まで月額100万円と,同年4月から月額200万円とする旨の決議をしたが(乙第13号証),この決議は,株主総会で承認された上記事業報告書の記載と矛盾し無効である。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第41期役員報酬として1800万円を受領している(乙第15号証の5)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬をその半額である900万円とする決議をしたというべきである。
5 第42期(平成20年10月1日から平成21年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年から平成21年までの各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第42期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第42期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第42期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円以内のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第42期役員報酬として2400万円を受領している(乙第15号証の6)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
6 第43期(平成21年10月1日から平成22年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年から平成22年までの各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第43期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第43期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第42期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が1800万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円以内のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を1800万円とすると決議したことになる。
a社取締役会は,平成21年12月24日に,被告の役員報酬を,同月から月額100万円とする旨の決議をしたが(乙第13号証),この決議は,株主総会で承認された上記事業報告書の記載と矛盾し無効である。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第43期役員報酬として1800万円を受領している(乙第15号証の7)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を900万円とする決議をしたというべきである。
7 第44期(平成22年10月1日から平成23年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年から平成23年までの各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第44期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第44期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第44期事業報告書(甲第3号証)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円以内のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第44期役員報酬として2400万円を受領している(乙第15号証の8)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
8 第45期(平成23年10月1日から平成24年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年から平成24年までの各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第45期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第45期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第45期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円以内のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第45期役員報酬として2400万円を受領している(乙第15号証の9)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
9 第46期(平成24年10月1日から平成25年9月30日まで)
(1) 株主総会決議
平成19年から平成25年までの各12月下旬に開催が予定されていたa社定時株主総会において役員報酬総額について決議されたという証拠はないから,前記2(1)のa社第38期定時株主総会における決議の効力が第46期にも及んでおり,役員報酬総額を6600万円以内とする決議がされたとみるべきである。
(2) 取締役会決議
a社取締役会がa社第46期定時株主総会に上程して承認決議がされたa社第46期事業報告書(原告の要請にもかかわらず,被告はこれを書証として提出しない。)には,社外取締役2名の報酬総額が2400万円と記載されているから,a社取締役会は,役員報酬総額6600万円以内のうち社外取締役2名(原告と被告)の報酬総額を2400万円とすると決議したことになる。
(3) 原告役員報酬
被告はa社の第46期役員報酬として2400万円を受領している(乙第15号証の10)。
しかし,これは社外取締役2名である原告と被告の分であり,前記1(3)と同様に,取締役会は,原告に対する報酬を1200万円とする決議をしたというべきである。
10 合計
前記1から9までの各(3)の原告役員報酬の合計は9750万円となる。
別紙2
原告主張2
(1) 原告の決裁権限を外す
(2) 原告決済の稟議書を原告に回付しない
(3) 来訪する銀行支店長に会わせない
(4) 人前で原告の人格をけなす発言をする
(5) 平成25年11月28日には、突然「お前は汚い。ずるい」「役員として不適格だ」と言い出し、(具体的に言わない分、言われた方は意味が分からず、こたえてしまうー被告の常套手段)
(6) 平成25年11月29日から辞任届を出した平成26年1月末日まで、被告は原告に対し一切話しかけない(それ以前は毎日会話をしていた)
(7) 平成23年ころから、「お前は歯が臭い。口臭がひどい。」などと繰り返し、このため、原告は総入れ歯とし、現在でも摂食障害の後遺症に苦しんでいる。
(8) 被告が勝手に会社の経営方針を変更することにより、原告だけでなく多数の役員や責任者がうつ病などの病気になってしまった。
(9) 原告が辞任届を提出するや、被告は「これでお前と会わずに済むな」と発言したが、被告は原告を追い出すための常套手段である、辞任届を提出せざるを得なくなる手段を繰り返したということである。すなわち、絶対的な立場の者から、12年間極めて良好な関係を維持していたものを、突然に、原告のような立場にある者には耐えられないような扱いを受けたなら、すなわち、用がないという態度を取られ続けたなら、辞表を提出せざるを得ないのは当然であり、例外は考えられない。現実に、多数の役員や従業員が病気になったり、退職していったのである。

 

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