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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(81)平成28年 6月29日 東京地裁 平27(ワ)21982号 成功報酬返還請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(81)平成28年 6月29日 東京地裁 平27(ワ)21982号 成功報酬返還請求事件

裁判年月日  平成28年 6月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平27(ワ)21982号
事件名  成功報酬返還請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2016WLJPCA06298007

要旨
◆被告会社に太陽光発電システムの設計、構築を行う業者等の仲介を依頼し、被告会社の紹介した訴外会社との間で同システムの設計、構築を含む施設の売買契約を締結し、被告会社に仲介報酬を支払った原告会社が、太陽光発電システムが稼働しなかったとして、原告会社と被告会社との間の業務協定に係る本件協定書2条3項の報酬返還合意に基づき、被告会社に対し、支払済みの報酬の返還を求めた事案において、本件協定書2条3項の「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」とは、グリーン投資減税の適用を受けるための期限である平成27年3月末日までに、売主である訴外会社が本件発電所の引渡しをしなかった場合ということができるとし、また、本件協定書2条3項が公序良俗又は信義則に反することもないと判断して、請求を認容した事例

参照条文
民法1条2項
民法90条

裁判年月日  平成28年 6月29日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平27(ワ)21982号
事件名  成功報酬返還請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2016WLJPCA06298007

東京都町田市〈以下省略〉
原告 株式会社キャピタル
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 平石孝行
同訴訟復代理人弁護士 吉浦くにか
千葉県佐倉市〈以下省略〉
被告 有限会社シュクセ
同代表者取締役 B
同訴訟代理人弁護士 小倉良弘
同 小倉元弘

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,2247万4800円及びこれに対する平成27年8月19日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は被告の負担とする。
3  この判決は,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
主文と同旨
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,原告が被告に太陽光発電システムの設計,構築を行う業者等の仲介を依頼し,被告が紹介した業者と同システムの設計,構築を含む施設の売買契約を結び,被告に仲介の報酬を支払ったが,原告と被告との間で,太陽光発電システムが稼働しなかった場合には,報酬を返還する旨の合意が交わされており,上記システムが稼働しなかったとして,原告が被告に対し,当該合意に基づき,報酬の返還及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年8月19日から支払済みまで商事法定利率である年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
2  前提事実
(1)  原告は,太陽光発電その他の発電事業並びに不動産の売買,賃貸借,管理及びその仲介を主たる目的とする株式会社である。
被告は経営コンサルタント業務を主たる目的とする有限会社である。
(2)  原告は,太陽光発電事業を新規に行うための候補地を探索していたところ,被告が関連する情報を原告に提供できるということを聞き,原告は被告に対して情報提供を依頼した。平成26年7月頃,原告は,被告から,宮城県黒川郡〈以下省略〉所在土地(地目:山林,地積5万3055m2,以下「本件土地」という。)で計画されていたa発電所(以下「本件発電所」という。)の開発案件の紹介を受け,その取得の検討に入った。
原告は,被告との間で,平成26年7月20日付けで,被告の本件発電所の仲介に対して成功報酬を支払うために業務協定(甲1。以下「本件協定」,協定書のことを「本件協定書」という。)を締結した。本件協定書の内容は以下のとおりである。被告の主たる業務目的は,太陽光発電所の開発案件の仲介であり,原告が被告から紹介された本件発電所に関する太陽光発電所開発案件についてその権利者と原告との間で譲渡契約が締結され,同契約に基づく第1回代金支払期日に,原告が被告に成功報酬を支払うこととされた(甲1。第2条2項)。
ア 業務の内容
(ア) 太陽光発電システム投資案件情報の提供
(イ) 原告が投資判断を行う際に必要となる業務への協力(太陽光発電システム投資案件の現地調査を含む。)
(ウ) 原告が投資する太陽光発電システムが稼働する(電力会社との連系完了後設備の引渡しを受ける)までのフォローアップ業務
イ 対象設備
上記の業務の対象となる太陽光発電設備は,本件発電所とする。
ウ 報酬
(ア) 被告の業務遂行の結果,原告が投資を実行した場合,原告は被告に対して,原告の総投資金額(消費税を含まない。)に3%を乗じた金額を成功報酬(消費税別)として支払う。
(イ) 原告は,設備売買契約締結後,同契約に基づく第1回売買代金支払日(着手金の支払日は含まない。)に被告に成功報酬を支払う。
(ウ) 設備売買契約締結後,原告の責めに帰すことができない事由により太陽光発電システムが稼働しなくなった場合は,被告は原告に対して受領済みの成功報酬を直ちに返還する。
エ 本件発電所の概要
(ア) 所在地 本件土地
(イ) 再生可能エネルギー発電設備の認定
株式会社JCサービス(以下「JC社」という。)は,平成25年2月13日付けで経済産業大臣から,本件土地に設置する本件発電所の設備について,電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法6条2項の規定に基づき,再生可能エネルギー発電設備の認定を受けていた(甲2の別紙)。
(ウ) 系統連系承諾
JC社は,平成25年10月2日付けで,東北電力株式会社仙台北営業所から,本件土地の構内引込第1柱に施設した区分開閉器の電源側接続点を連系地点とする系統連系の承諾を得た(甲2の別紙)。
(エ) 系統アクセス検討の回答
JC社は,平成25年3月11日付けで,東北電力株式会社仙台北営業所から,本件発電所の系統アクセス検討に係る回答(技術審査結果,工事概要,技術要件等を記載したもの)を受けた(甲2の別紙)。
(3)  原告は,被告の仲介により,平成26年7月26日,以下の各売買契約を締結した。
ア 太陽光発電所売買契約(甲2。以下「本件発電所売買契約」という。)
(ア) 売主 株式会社ALL CORPORATION(以下「ALL社」という。)
(イ) 目的 ALL社が本件発電所を設計・構築し,完成後にこれを原告に引き渡すこと。なお,本件発電所に関し,上記(2)エ(イ)ないし(エ)をもって本件発電所の建設・運営を可能にする権利(以下「本件開発権」という。)をその名義人であるJC社から原告に移転させることも本件発電所売買契約の目的に含まれる。
(ウ) 本件発電所の引渡期日
本件発電所売買契約書上,ALL社は平成27年2月末日までに,本件発電所を原告に引き渡すことになっている(6条1項)。
イ 不動産売買契約(甲3。以下「本件不動産売買契約」という。)
原告は,本件発電所売買契約の締結と同時に,本件発電所売買契約と不可分一体のものとして,平成26年7月26日,JC社との間で,本件土地を目的とする不動産売買契約を締結した。
(4)  原告は,被告からの請求(甲4)に基づき,平成26年8月11日に,本件協定書に基づく成功報酬2247万4800円を支払った(甲5)。
第3  争点及び当事者の主張
1  報酬の返還請求権が発生する「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」の意味
(1)  原告の主張
ア ALL社は,本件発電所の引渡期日である平成27年2月末日までに本件発電所の引渡しを行わなかったから,本件協定書2条3項の「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」に該当する。引渡期日は,遅くとも平成27年3月末日である。
イ 仮に,ALL社との本件発電所売買契約の解除が必要だとしても,原告は,平成27年12月10日,ALL社に対し,同社の債務不履行により契約を解除した(甲7,8)のであり,原告はALL社から本件発電所の引渡しを受けることができなくなったことが確定したといえ,本件協定書2条3項の定める「稼働しなかった場合」に該当する。
(2)  被告の主張
ア 本件発電所の引渡しが平成27年2月末日又は3月末日までに行われなかった場合に,本件協定書2条3項の「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」に該当するとの主張は否認する。原告は,平成27年5月12日の時点で,いまだ本件発電所の完成を求めているし,同年6月4日の時点でも原告は,期限を定めないで本件発電所の完成を求め,8億7000万円でこれを転売して,同額を超える代金をALL社及びJC社が取得すること(8億7000万円は原告が取得すること)を提案している。
また,本件発電所売買契約の特約条項(33条の後の31条)には,平成27年3月末日までに電力会社との連系が完了せずグリーン税制の適用が受けられなかった場合には,売買代金の10%をALL社は原告に支払う旨が定められているが,これは,本件発電所を平成27年3月末日以降に引き渡すことも予定されたものといえる。
イ 本件協定書の有効期間は,平成27年7月末日までである(甲1の3条)。すなわち,原告の報酬返還請求権の発生根拠となる本件協定書2条3項の定めは,同日の経過によって失効する。原告が平成27年12月10日にALL社との本件発電所売買契約を解除したとしても上記有効期間経過後のものであり,報酬返還請求権は発生しないというべきである。
2  本件協定書の報酬返還請求の合意が公序良俗違反,信義則違反となるか。
(1)  被告の主張
一般に,仲介者が仲介により成立した契約の付随的業務として,同契約の完結を受託することはある。しかし,確定した契約内容の場合,その履行は,本来,契約当事者間で行うべきもので,仲介者にはどうにもできないことである。仲介者は,もともと契約を成立させるべき義務を負わないが,付随的業務についても同様であり,契約を完結させるべき業務を負うものではない。
本件でも被告の本来的役割は,本件発電所売買契約の仲介業務であり,「太陽光発電システムが稼働するまでのフォローアップ業務は付随的業務に属するものである。被告は,太陽光発電システムを稼働させるべき義務を負うものではなく,また,それを実現させるべき権限もない。
本件協定書2条3項は,原告の責めに帰することができない事由により太陽光発電システムが稼働しなかった場合には被告が受領した成功報酬を返還するべき旨を定めているが,これは同システム稼働につき権限も責任もない被告に対し,結果についてのみの責任を負わせるものであり,あまりに過酷かつ不公平である。
したがって,この条項は,公序良俗又は信義則に反し無効である。そうでないとしても被告に何らかの責めに帰すべき事由がある場合に限ると解すべきである。
(2)  原告の主張
本件協定書の2条3項の報酬返還請求の規定が公序良俗又は信義則に反するという主張は争う。
第4  当裁判所の判断
1  争点1について
(1)  前記前提事実に加え,証拠(後掲)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 原告は,平成26年7月頃,被告から太陽光発電事業の候補地として本件土地の紹介を受けた。原告は,平成26年7月26日,ALL社との間で本件発電所売買契約を締結し(甲2),原告はALL社に対し,売買代金7億4692万円のうち,同年9月末日までに売買代金5億7346万円を支払った(甲2,3,9,乙1)。
イ 原告とJC社とは,平成26年7月26日,本件土地をJC社が原告に売却する旨の本件不動産売買契約を締結した(甲3)。ALL社とJC社とは一体の関係にあるが,契約上はALL社がJC社に太陽光発電設備と敷地の造成工事の設計・施工を発注することになった(乙3)。本件不動産売買契約において,売買代金が2800万円と定められているが,原告がALL社に第2回の売買代金を支払ったときに売主に支払われたものとみなされるとされた(甲3。3条)。
ウ 原告と被告とは,平成26年7月末頃,本件協定(甲1)を締結した。原告は,原告の平成27年3月の決算時期までに,本件発電所の引渡し及び電力会社との連系が完了し,原告がグリーン投資減税(投資設備の一括償却が認められ法人税の繰戻還付を受けることができる減税制度で,原告はグリーン投資減税により還付を受ける金額を9200万円程度と見込んでいた。)の適用を受けるために,本件発電所の引渡時期を平成27年2月末日までとすることが確認された(証人C,証人D)。
平成26年7月26日,被告代表者は,原告の担当者C(以下「C」という。)にメールをし,業務協定書案を添付した(甲14の1,2)。当該業務協定書案においては,被告に対する報酬は本件発電所売買契約の第1回売買代金支払日とすること,業務協定の有効期間を平成27年7月末日までとし,期間満了の1か月前までに特段の申出がない場合には自動的に更新されること等が記載されていた。業務協定書について,原,被告間で数回やりとりが行われ,最終的に,成功報酬は本件発電所売買契約の第1回売買代金支払日に支払われるが,太陽光発電システムが稼働しなかった場合には,被告は成功報酬を原告に返戻するという条項(甲1。2条3項)が加わり,自動更新条項が外され,有効期間を平成27年7月末日までとするという条項が残る形(3条)となった。
原告は,被告への報酬につき,平成27年3月末日までに本件発電所の引渡しを受け,電力会社との連系がとれてから支払うことを希望していたが,被告から報酬の早期支払を求められたため,上記報酬返還の条項を入れることを被告に求めた(甲9,C証人)。
エ 原告の担当者Cは,平成27年5月12日,ALL社のE会長と被告代表者にあててメールを送信した。その中で,原告の担当者Cは,ALL社に対しては,同年6月22日までに太陽光発電システム建設工事の施工が完成できない場合には,本件発電所売買契約を解約してほしい,その場合には支払済みの代金5億7346万円,売買金額の10%のペナルティである7469万2000円,その他諸経費を請求する旨を伝え,被告代表者に対しては,同年6月22日までに工事が完成しない場合にはALL社との間の契約を解除し,被告との間の本件協定書2条3項に基づき報酬の返還を求める旨を伝えた(乙1)。
(2)ア  上記認定事実のとおり,原告は,グリーン投資減税の適用を受けるために,遅くとも平成27年3月末日までに本件発電所の引渡しを受けて電力会社との連系を図るという意図でALL社との間で本件発電所売買契約を締結し,また,被告にもその旨を伝えていたことが認められる。また,ALL社との契約上もグリーン投資減税の適用を受けられなかった場合にはALL社が原告に売買代金の10%のペナルティを支払う旨の記載があり(甲2。33条の後の31条),原告がグリーン投資減税の適用を受けることに大きな関心を有していたことが推認される。
イ  本件協定書上では,1条③において同じく「太陽光発電システムが稼働」という文言が記されているが,そこではその意味を「電力会社との連系完了後,設備の引渡しを受ける」こととされている(甲1)。そして,本件協定書と同じ頃に作成された原告とALL社との間の本件発電所売買契約(甲2)の第6条では,本件発電所の引渡時期が平成27年2月末日までとされている。これらの条項を併せ考慮すると,太陽光発電システムが稼働しなかった場合とは,平成27年2月末日までに本件発電所の引渡しがされない場合と解することができる。もっとも,最終的には,グリーン投資減税の適用を受けるための期限である平成27年3月末日が基準日とされる。
ウ  これに対し,被告は,原告が平成27年4月1日以降も本件発電所の完成,引渡しを求めていたとして,平成27年3月末日が稼働しなかった場合の判断基準日であるということはあり得ないと主張する。
確かに,前記認定のとおり,原告の担当者Cは,平成27年5月12日,ALL社のE会長と被告代表者にあててメールを送信し,同年6月22日までに本件発電所の完成及び引渡しを求めている。しかしながら,前記のとおり,原告としてはグリーン投資減税の適用を受けることに大きな関心を有していたのであり,それができなくなった平成27年4月1日以降は,原告としては,太陽光発電システムのために投資したALL社に対する売買代金の回収を確実なものにするため,ALL社が本件発電所を完成し,他に転売するなどしてALL社の原告に対する支払を円滑にする行動をとったとしても,不合理とはいえない。
エ  また,被告は,「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」の解釈につき,被告の責めに帰すべき事情によって稼働しなかった場合という限定を付すべきであると主張する。しかし,本件協定書上,そのような限定が付されていないし,上記のように,本件協定書2条3項の規定は,早期に報酬を支払ってほしいとの被告からの要請を容れて,原告が明記することを求めたものであり,被告の責めに帰すべき事由という限定を付す趣旨とは解されない。
(3)  以上によれば,本件協定書2条3項の「太陽光発電システムが稼働しなかった場合」とは平成27年3月末日までにALL社が本件発電所の引渡しをしなかった場合ということができる。
2  争点2について
(1)  証拠(甲9,甲14の1及び2,証人C,証人D)によれば,本件協定書は,被告から協定書案(甲14の1及び2)が送付され,その後,原告と被告との間で,条項案のやりとりが重ねられているのであり,被告が,原告から,本件協定書2条3項の規定を一方的に押し付けられたという事情は認められない。
(2)  証人Dは,本件発電所売買契約に基づく発電所の完成があり得なくなった場合には報酬を返還するのが当然であると供述しており,被告の認識としても,被告の関与しない事由によって報酬の返還がされなければならない場合があることは了解していたものといえる。
(3)  上記認定のとおり,原告としては,グリーン投資減税の適用が確認されてから仲介の報酬を支払いたかったが,被告から早期の支払を求められたため,当該条項を入れたことが認められる。
(4)  以上の事情からすると,本件協定書2条3項が公序良俗又は信義則に反するものであるとまではいえない。
3  結論
以上によれば,原告の請求は全て理由がある。
(裁判官 澤野芳夫)

 

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