【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(23)平成30年 3月 7日 東京地裁 平28(ワ)23315号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(23)平成30年 3月 7日 東京地裁 平28(ワ)23315号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成30年 3月 7日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)23315号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA03078009

裁判経過
控訴審 平成30年 8月22日 東京高裁 判決 平30(ネ)1929号・平30(ネ)1946号 損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件

裁判年月日  平成30年 3月 7日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平28(ワ)23315号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2018WLJPCA03078009

東京都中央区〈以下省略〉
原告 株式会社X
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 有賀大輔
同 藤田武俊
東京都中央区〈以下省略〉
被告 株式会社Y1(以下「被告会社」という。)
同代表者代表取締役 B
東京都港区〈以下省略〉
被告 Y2
(以下「被告Y2」といい,被告会社と併せて「被告Y2ら」という。)
上記両名訴訟代理人弁護士 佐川明生
大阪府吹田市〈以下省略〉
被告 Y3(以下「被告Y3」という。)
同訴訟代理人弁護士 和田宏徳
大阪市〈以下省略〉
被告 Y4(以下「被告Y4」という。)
同訴訟代理人弁護士 横山雅明

 

 

主文

1  被告Y2らは,原告に対し,連帯して,5000万円及びこれに対する平成27年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告Y2らは,原告に対し,連帯して,5000万円及びこれに対する平成27年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
4  訴訟費用は,原告,被告Y2らについて生じた費用を被告Y2らの,被告Y3及び被告Y4について生じた費用を原告の各負担とする。
5  この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告らは,原告に対し,連帯して,5000万円及びこれに対する平成27年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  主文第2項同旨
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,原告が,①原告の記帳代行業務等を担当していた分離前相被告C(以下「C」という。)が,被告Y2,被告Y3及び被告Y4との共謀に基づき,株式会社a(以下「a社」という。)が破産間近の会社であることを秘してa社の転換社債型新株予約権付社債の引受名目で,原告から1億円をa社に送金させる方法により騙取したと主張して,被告らに対し,被告会社につき使用者責任に基づき,その余の被告らにつき共同不法行為に基づき,損害金の一部である5000万円及びこれに対する上記送金の日である平成27年4月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めるとともに,②Cが被告Y2との共謀に基づき,原告代表者に無断で,譲渡株式の代金名目で不正に原告から1億5000万円を譲渡株式の代金名目で不正に他社に送金させたと主張して,被告Y2らに対し,被告会社につき使用者責任に基づき,被告Y2につき不法行為に基づき,損害金の一部である5000万円及びこれに対する上記送金の日である同年5月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
2  前提事実(当裁判所に顕著な事実,争いのない事実又は括弧内挙示の各証拠若しくは弁論の全趣旨により認められる事実)
(1)  当事者等(弁論の全趣旨,争いのない事実)
ア 原告は,化粧品,医薬品,医薬部外品,医療機器及び健康器具の販売,その斡旋及び輸出入,経営コンサルティング等を目的とする株式会社である。
イ 被告会社は,株式投資業務,関連各種企業に対する経営指導,経営コンサルタント業等を目的とする株式会社である。
被告会社は,平成25年4月19日から平成27年7月1日まで,株式会社bという商号であった(以下,商号変更の前後を通じて「被告会社」という。)。
ウ 被告Y2は,被告会社の最高経営責任者としてその業務に従事する者であるが,被告会社の役員等には就任していない。
エ 被告Y3は,平成27年3月頃以降,平成24年9月3日に設立された建築一式工事業,太陽光発電システムの販売及び施工等を目的とするa社の代表取締役であった者である(甲1)。
オ 被告Y4は,平成27年4月頃,a社の経営に関与していた者であり,株式会社c(以下「c社」という。)の代表取締役である(甲18)。
カ 原告代表者は,原告の全株式を保有するとともに,化粧品の製造販売等を業とする株式会社d(平成27年8月18日に商号を株式会社d1に変更。以下,商号変更の前後を通じて「d社」という。)の全株式を保有する者である(甲19)。
キ Cは,d社の代表取締役であった者である(乙イ3)。
(2)  平成27年4月21日の送金
ア 原告とa社との間において,平成27年4月20日付けで,原告がa社から,以下の内容のa社の転換社債型新株予約権付社債(以下「本件CB」という。)の総数の割当てを受けてこれを引き受けることを内容とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債総数引受契約書(以下「本件CB引受契約書」という。甲5)が作成された(甲5)。
(ア) 社債総額及び金額
社債総額は1億円であり,社債の金額は1億円の1種類。
(イ) 利率
年12パーセント
(ウ) 払込金額
社債の払込金額は,社債金額と同額とし,新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しない。
(エ) 償還金額
社債金額と同額
(オ) 償還の方法及び期限
元金は,平成27年7月31日にその全額を償還する。
(カ) 利息支払の方法及び期限
利息は,発行日の翌日から償還期日までこれを付し,償還期日にその日までの利息期間の実日数分(年365日の日割計算)を支払う。
(キ) 社債の払込期日及び新株予約権の割当日
平成27年4月21日
(ク) 社債に付する新株予約権の数
1個
(ケ) 新株予約権の行使可能期間
平成27年4月21日から同年7月31日まで
(コ) 新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及び価額
新株予約権の行使に際して,当該新株予約権に係る社債を出資するものとし,当該社債の価額は,その払込金額と同額とする。
(サ) 転換価額
新株予約権の行使により交付するa社の普通株式の数を算定するに当たり用いられるa社の普通株式1株当たりの価額は,当初1株につき1万円とし,別途調整されることもある。
イ Cは,平成27年4月21日,a社に対し,本件CB引受契約書に基づき,2回に分けて5000万円ずつ,合計1億円を送金した。1回目の送金は同日午前10時21分に,2回目の送金は同11時42分にそれぞれ取扱いがされた。(以下,上記1回目と2回目の送金を総称して「本件送金1」という。甲6の1及び2)
ウ 本件CBが,平成27年4月21日に発行された旨が,同月30日,a社の商業登記簿に登記された(甲1)。
(3)  本件送金1の引き出し
被告Y3及び被告Y4は,平成27年4月21日,本件送金1に係る1回目の振込みにより,5000万円が着金したa社名義の口座から,上記5000万円のうち2000万円を被告会社名義の口座に送金し,残り3000万円を引き出し,同日,その後の本件送金1に係る2回目の振込みの後,同様の方法で5000万円を引き出した。(争いのない事実)
(4)  平成27年5月1日の送金
ア 原告と被告会社との間において,平成27年4月30日,原告が被告会社から,e社(以下「e社」という。)の普通株式10万5878株を代金1億5000万円(1株当たり1416.72円。)で譲渡を受ける旨の同日付け株式譲渡契約書(以下「本件譲渡契約書」という。甲7)が作成された(なお,原告代表者の承諾のもと作成されたか否かについて争いがある。)。
イ Cは,平成27年5月1日,原告の口座から,被告会社の指定する株式会社f(以下「f社」という。)名義の口座に1億5000万円を送金した(以下「本件送金2」という。甲8,争いのない事実)。
(5)  a社の破産等
ア a社は,平成27年4月17日,東京地方裁判所から,株式会社g(以下「g社」という。)の申立てにより,g社のa社に対する売買代金債権5927万0744円を被保全権利として,a社が株式会社hに対して有する立替払請求権及び債権譲渡代金支払請求権のうち,支払期の早いものから同額に満つるまでの債権について,仮差押命令の発令を受けた(甲3)。
イ a社は,平成27年10月2日午前10時,大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けた(甲1,4)。
(6)  原告のCに対する訴訟
原告がCに対し,前記1の事案の概要の①及び②と同様の請求原因事実に基づき,被告らに対するものと同内容の請求を求めた事件について,当裁判所は,平成29年2月13日,Cが口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面を提出しなかったことから,Cにおいて請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして,これを自白したものとみなし,原告の請求を全部認容する判決を言い渡し,同判決は確定した(当裁判所に顕著な事実)。
3  争点
(1)  本件送金1は,被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCによる共同不法行為に該当するか否か(争点1・請求原因)
(2)  本件送金2は,被告Y2及びCの共謀による不正な送金か否か(争点2・請求原因)
(3)  本件送金1及び2が被告会社の事業の執行に当たり,また,被告Y2が被告会社の被用者といえるか否か(争点3・請求原因)
(4)  原告の損害額及び因果関係(争点4・請求原因)
4  争点に関する当事者の主張
(1)  争点1(本件送金1は,被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCによる共同不法行為に該当するか否か)について
ア 原告
(ア) 被告Y2の虚偽説明が不法行為に該当すること
a 故意による虚偽説明
(a) 被告Y2は,平成27年4月11日頃,原告代表者である原告代表者に対し,Cを通じて,a社について,i社の評価が51点の優良企業であること,太陽光関連の販売会社で今期10億円の売上げ,来期40億円の売上げ,4億円の利益獲得を計画している会社であり,原告が本件CBによって融資をすれば,3か月後の同年7月末には返済され,仮に返済が受けられなくとも社債の償還及び利息の支払が受けられるから安全であり,原告の系列会社であり,原告代表者が100パーセント出資したd社に化粧品3000万円の売上げが見込めるとともに宣伝効果があり,販路拡大という相乗効果が得られると述べた。
しかし,上記の説明とは異なり,a社は,i社で51点の評価を受けておらず,第1期(平成25年6月末日締め)の経常損益が24万5351円の損失,第2期(平成26年6月末日締め)の経常損益が25万3931円の利益にすぎず,平成27年4月には事務所を閉鎖して事業を停止したり,g社に対する買掛金を支払えずに仮差押命令の発令を受ける状況であり,多くの負債を抱えた破産間近の会社であって,売上げや利益を見込める状態にはほど遠く,社債の償還や利息の支払を受けたり,化粧品代3000万円を支払うことができない会社であった。
(b) 被告Y2には,本件CBの発行が成立すれば2000万円の収益を得ることができたのであるから,虚偽の事実を告げてでも本件CBの発行に関する契約を締結させる強い動機があった。現に被告Y2は,本件送金1を2回に分けさせ,確実に2000万円の取得ができるよう画策しており,2000万円の確保に強い執着があったといえる。
(c) 以上のとおり,被告Y2は,専ら2000万円を獲得するために,原告による1億円の融資の回収可能性を何ら考慮せずに虚偽を申し向け,これによる原告代表者の誤信を利用して,原告に本件送金1をさせたのであって,かかる行為は不法行為に該当する。
b 過失による虚偽説明
仮に,被告Y2が自らの説明が事実でないことを認識していなかったとしても,2000万円の報酬を受けながら,自らの説明の真実性,特にa社の経営状態及び財務状態について通常行うような確認・調査を行っていないまま,原告代表者に対して虚偽の事実を告知したことに重大な過失があるといえる。
(イ) 被告Y2の行為につき,被告Y3及び被告Y4も共同不法行為責任を負うこと
a 被告Y2,被告Y3及び被告Y4の共謀
被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCは,平成27年4月8日頃,本件CBの払込代金名目で原告の資金を騙取することを共謀し,同資金のうち2000万円を被告会社名義の口座に送金することを取り決めた。そして,原告による振込みにもかかわらず,本件CBは発行されていないから,本件送金1に係る資金が,被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCにより騙取されたことは明らかである。
被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCが上記の共謀をしたことは,以下の各事実から明らかである。
(a) 原告名義の口座からの送金先として,a社がふだん使用していない口座を指定した上,本件送金1後直ちに,1億円の資金全額が引き出されており,a社の収入にならないように計画されていた。
(b) 被告Y4は,部外者であるD(以下「D」という。)の指示を受けて,Dに引き出した現金を交付したと主張している。
(c) 被告Y2とCは接待関係にあった上,Cが原告を辞めた後の再就職の約束まで交わしていた。
(d) 被告Y3は,a社の代表取締役として,預金の引き出しに不可欠の役割を果たす地位におり,そのことを認識していた。
b 客観的関連共同性
(a) 本件送金1に係る資金の騙取は,被告Y2の働きかけを発端として,被告Y3がa社の代表者として立ち会い,被告Y4が送金された1億円全てについて銀行での手続行為をすることで振り込み又は引き出したことにより実現したものであり,被告Y3は上記a(d)の認識のもとで預金の引き出しに不可欠の役割を果たしており,被告Y3及び被告Y4の行為がなければ,被告Y2が2000万円を獲得することもなかった。
(b) 被告Y4は,a社の役員の承諾なく,引き出した現金の中から使途不明金2500万円を自身で取得するとともに,2000万円をa社の外部の人間である被告Y2の口座に振り込み,さらに会社財産の不正利用の実績があるDに残額を交付しているところ,a社の役員でも株主でもない者らに会社財産をこのように交付することは許されない。
被告Y4は,a社の通帳や実印を預かっており,a社の口座内容を把握する立場にあり,また,a社で給与遅配があったこと,経営状態が悪かったことを認識しており,1億円が重要な財産であることを認識していたところ,過去に約8000万円という多額の出金をa社でしたことがなかったにもかかわらず,本件送金1に係る出金をしたのであり,被告Y4には,かかる出金が少なくとも第三者からの借入れであり,当該第三者に損害を与えることについて未必の故意があったといえる。
なお,被告Y4は,上記使途不明金2500万円の受領について,a社に対する立替金の回収であり,a社からの借用書はいつの間にか紛失したと主張するが,当該立替金に関する資料は何ら存在しないし,上記主張は著しく不合理で信用できない。また,仮に立替金が存在したとしても,被告Y4が上記受領の同意を得たとするのは,Dであるところ,Dはa社には何の権限も有さない。
(c) したがって,被告Y2,被告Y3及び被告Y4の各行為の間には客観的関連共同が認められるから,後述するとおり使用者責任の成立する被告会社と併せて被告らには共同不法行為が成立する。
イ 被告Y2ら
(ア) 被告Y2の説明が故意又は過失による虚偽の説明ではないこと
a 原告は,a社の財務内容等や化粧品3000万円の売上げに関する被告Y2の説明が虚偽であると主張するが,被告Y2は,Cに対してa社の財務内容等その他の事項を伝えたとき,次のb以下のとおり,これらが真実であると信じていたから,被告Y2には,故意も過失もない。
b a社は,i社の平成27年2月6日時点の信用調査において,その信用要素別評価で「50」の評価を受けていた。一般にこの評点は中小企業であれば取引に心配のないレベルであると評価されている。
被告Y2は,同年4月7日,Cに対し,a社について,i社51点と説明しているが,これは記憶違いによるものであるし,1点の差は客観的な評価に違いはない。また,被告Y2は,Cを通じてa社の決算書や試算表などの資料を原告に提供したり,a社を訪れてスタッフが稼働しているのを確認しており,その他の事実についても真実と認識していたか当然のことを説明しただけであって,何ら虚偽の事実を説明したという認識はない。
さらに,被告Y2は,a社について,i社の「Aランク」だと説明したこともない。
c 被告Y2らはa社から仮差押決定を受けているという報告を受けておらず,被告Y2はこのことを知らなかった。a社の代表取締役であった被告Y3ですらa社の経営が悪化していることを知らなかったり,a社の実態を知るE(以下「E」という。),D及び被告Y4が加わったソーシャルネットワーキングサービスのLINEのメッセージのやり取り(以下「本件グループトーク」という。甲11)においても,経営の悪化等に関するやり取りはないのであって,被告Y2が虚偽の事実を説明したことはない。
d 原告は,本件CB発行に当たり,出資の際に通常行うはずの財務面からの検討を全く行わなかったことから,その回収が不能になったにすぎず,原告と本件CBの発行に関して何ら契約関係になく,しかも原告から報酬も受領していない被告Y2らが,原告に対し,a社の財務内容について責任を負うものではない。
むしろ,被告Y2は,本件CBの仲介役であるF(以下「F」という。)とともに,原告の将来の利益を考慮して,原告の社債権の保全を図るための措置をa社に強く求めていたものである。
e 化粧品3000万円分はa社に実際に納品されて,d社に3000万円の売上げが計上されているのであって,その後の被告Y2らのあずかり知らない事情により,その代金が支払われなかったにすぎず,何ら被告Y2の説明は虚偽ではない。
また,化粧品の販売については,売上げの計上という目的に加えて,原告のビジネスが主婦層から,実際に化粧品の販売をしていないにもかかわらず,化粧品の販売名目で資金調達をするという,いわゆるネズミ講に近いネットワークビジネス(連鎖販売)を行っていたことを捉えて提案したものであり,これに魅力を感じた原告代表者はむしろ積極的に本件CBの引受をCに指示していたということが実態である。
(イ) 被告Y3,被告Y4及びCとの共謀について
a 被告Y2らは,本件CB発行以前に,被告Y3及び被告Y4と面識がないから,そもそも共謀の基礎を欠いている。また,被告Y3及び被告Y4とのやり取りは,本件グループトーク(甲11)によるものがほぼ全てであるところ,本件グループトークのメンバーに,共謀したとされるCは加わっておらず,この点でも共謀の基礎を欠く。さらに,本件グループトークにおいて,原告からの騙取や金銭の分配等に関する謀議のようなものはないことからも原告が主張するような共謀が存在しないことは明らかである。
b 被告Y2は,本件CB発行の直近の平成27年2月頃,原告が被告会社に出資することをきっかけにCと面識を持っただけであるところ,被告Y2とCとの間の,本件CB発行及びe社株式の譲渡に関するやり取りがされたチャットワーク(甲9)は,公になることが予定されていないにもかかわらず,このやり取りにおいても,原告からの騙取等の共謀において当然あるはずの金銭の分配についてのやり取りが一切されていないこと,被告Y2らはCに1円も支払っていないことからすれば,原告の主張するようなCとの共謀がなかったことは明らかである。
c 被告会社がa社から受領した2000万円は,a社と被告会社との間のコンサルティング契約に基づく本件CBの発行に対する報酬であるし,被告Y2が本件CBの発行に関する登記書類を作成することも,a社と被告会社との間のコンサルティング契約に基づくものであり,その他原告が主張する事実も何ら不自然ではなく,共謀の事実を推認するものではない。
d したがって,原告が主張するような共謀を被告Y2がしたことはなく,被告Y2が不正を働く意思がなかったことは明らかである。
(ウ) 小括
本件CBは有効に発行され,登記も完了しているところ,以上のとおり,本件CBの引受けは,原告代表者自身が承諾,指示して行ったもので何ら瑕疵がないにもかかわらず,原告は,結果的に失敗に終わった本件CBの引受けの損害の責任を被告Y2らに転嫁しようとしているにすぎない。
ウ 被告Y3
(ア) そもそも,a社の経営は,創業グループであるE,G,Hや後に経営に参加したD,被告Y4らが行っていたところ,被告Y3は,上記経営陣の一部の退職に伴って空いた代表取締役に就任するよう同人らから命じられてやむなく代表取締役に就任したにすぎず,被告Y3が経営に関与することはなかった。
(イ) 平成27年4月8日頃,何者かによって本件CBの代金名目で原告の資金を騙取することの共謀が存在したかどうか自体不明であるし,仮に,そのような計画等があったとしても,被告Y3は全く関与していない。また,被告Y3は,同日頃又は同月25日頃に,原告からの1億円の資金融通の話合いに参加したことはなかったし,同話合いが行われていた本件グループトークにも参加していなかった。
(ウ) 被告Y3が,原告の名前を初めて認識したのは,原告からa社に化粧品が送られてきた時であって,本件CB引受契約書の作成にも関与しておらず,本件送金1に係る1億円の出金もDの指示で,a社の代表者の本人確認のために同行させられただけであり,その使途を聞かされたり,使途について了承を求められたことはなかった。
(エ) したがって,被告Y3が原告に対する詐欺の共謀を行ったとはいえない。
エ 被告Y4
(ア) 原告が,不法行為であると主張する本件送金1に関し,その共謀の証拠として掲げる証拠(甲9,11)及び原告代表者の供述によれば,むしろ,法的には何ら問題のないa社に対する融資が計画されていたところ,原告は,被告Y2から同計画の提案を受け,a社の経営状態を聞くとともにその調査をCに指示し,決算書や試算表を受け取って,かつ,担保も十分であると判断して,本件CBの引受けを承諾し,その対価として本件送金1をしたにすぎないといえる。
(イ) 原告は,本件送金1について被告Y4が共謀したと主張するが,チャットワーク(甲9)のやり取りは,被告Y4との関係では無関係の証拠であるし,被告Y4はC及び被告Y2らとは面識がなく,共謀の基礎を欠いているし,同証拠からもa社の経営悪化や原告からの騙取に関する共謀は窺えない。
また,本件グループトーク(甲11)に被告Y4が参加したのは本件送金1の後であって,被告Y4が従前のやり取りを把握できないのは明らかであり,本件送金1に関与したCは関わっていない。本件グループトークの内容をみてもa社の経営悪化や原告からの騙取に関する共謀は窺えない。本件送金1の後の「Y3さんY4さんEさんみなさん打ち合わせ参加します」とのやり取りについても,これのみから原告主張に係る共謀は推認できず,上記打合せが実施されたことの立証もないことなどからすれば,被告Y4が共謀していないことは明らかである。
さらに,Eの陳述書(甲10)の本件送金1の共謀に被告Y4が関与したとする陳述内容は,客観的な根拠に基づくものではないこと,Eが本件CBの発行に積極的に関与して,キックバックを受領している可能性の高い人物であり,かつ,被告Y4とも敵対する人物の供述であることなどからして,信用できないものである。
(ウ) そもそも被告Y4は,日常的にa社の口座管理を行っていたわけではなく,本件CB発行に関する詳細,本件CB引受契約書の作成,本件CB発行に付随した化粧品販売計画の詳細,化粧品の売買契約やその納品等にも一切関与しておらず,本件送金1には極めて薄い関与しかしていない。被告Y4にはa社の口座に着金した1億円が原告による融資金であること,被告Y2の関連会社に本件送金1に係る資金のうち2000万円が振り込まれたことの認識すらなかった。
(エ) 被告Y4が,a社から1億円を引き出した理由は,以下のとおりで,a社の株主とされるEや代表取締役である被告Y3の承諾のもと実行されたものであり,かつ,十分な理由があるものである。
すなわち,被告Y4は,Dからa社との業務上の協力を打診されたことを契機に,c社又は被告Y4個人としてa社と関わるようになったところ,a社では度々事務所賃料や給与,買掛金等の支払を滞ることがあり,Dから依頼を受けて,被告Y4がこれらの費用を立て替えており,その立替金総額は,5000万円程度となっていた。被告Y4は,度々,Dに上記立替金の支払を求めていたところ,平成21年4月21日頃,a社の口座に1億円の入金が予定されているとDから説明を受け,そのうちの2500万円を上記立替金の返済として受領したにすぎず,このことは,何ら不自然ではない。
(オ) 原告は,被告Y4が,出金した1億円が第三者からの借入金であることに関し未必の故意があったと主張するが,被告Y4は,当時原告の存在や本件CBの発行について,一切認識していなかったのであるから,原告に対して何らかの損害を加えるとの認識を有していたなどとは到底いえない。
(2)  争点2(本件送金2は,被告Y2及びCの共謀による不正な送金か否か)について
ア 原告
(ア) 本件送金2は,被告会社が保有していたと主張するe社株式の譲渡代金名目で原告の資金を騙取又は奪取するとの被告Y2及びCの共謀に基づき,原告代表者からe社株式の購入の承諾を受けられなかったCが,原告代表者に無断で,本件譲渡契約書を作成して不正に送金したものであり,被告Y2及びCの不法行為によるものである。
すなわち,被告Y2及びCは,平成27年4月頃,原告代表者に対し,原告が被告会社からその保有するe社株式を買い取ることで,e社の株主として,マレーシアの人脈を開拓することを提案して原告代表者の承諾を得て,原告からe社株式の売買代金名目で原告の資金1億5000万円を騙取し,又は,原告代表者が承諾しない場合でも,原告代表者に無断で本件譲渡契約書を作成して,同額を被告Y2が支配しているf社宛てに送金して奪取することを画策した。
しかし,実際には,原告代表者がこれを承諾しなかったことから,Cは,上記共謀に基づき,無断で本件譲渡契約書を作成した上で,無断で本件送金2を行った。
(イ) 被告Y2とCが上記共謀をしたことは以下の各事実から明らかである。
a 被告Y2が自ら1億5000万円という金額を提案して,Cに実体又は価値のないe社株式の本件譲渡契約書を作成させ,原告の会計を担当していたCに同金額をf社宛てに振り込ませたところ,被告Y2は,このことについて原告の許可を得なくてよいと考えていた。
b 被告Y2とCが平成27年4月30日,チャットにおいて,別紙のとおりのやり取りをした。
(ウ) e社の実体は不明であり,原告がe社に連絡しても何らの返信もないし,被告Y2らは,e社に対し,株式を譲渡した旨の通知を全くしていないだけでなく,そもそも被告会社がe社株式を保有していたという明確な証拠がない。e社株式の譲渡が正当な取引であれば,原告の主張に対して,Cは反論が可能かつ容易であるが,Cは何ら反論をしなかったことも,e社株式の譲渡名目の本件送金2が正当な取引でなかったことを裏付ける。
仮に,被告会社がe社株式を有していたとしても,その価値は1091万円であり,本件譲渡契約書における1億5000万円を大きく下回るものであって,e社株式を1億5000万円で譲渡すること自体が,原告に少なくとも1億4000万円の損害を生じさせる行為であり,本件送金2が被告Y2及びCによる奪取であることは明らかである。
(エ) 仮に,e社株式が存在し,かつ,被告Y2が,原告の承諾があったと誤信していたとしても,e社株式を1億5000万円で売却すれば原告に1億4000万円の損害が発生する認識していたといえ,原告に対して損害を加える故意が認められる。
そして,e社株式の売買契約の申込み,価格設定,同契約の締結をしている以上,被告Y2の行為は,Cの不法行為と客観的関連共同が認められる。
(オ) 以上のとおり,本件送金2について,被告Y2の不法行為が成立することは明らかである。
(カ) なお,被告Y2らは,本件の第6回弁論準備手続において,e社の存在を示す資料,平成27年4月30日時点で被告会社がe社株式を保有していたことを示す資料,被告会社がe社に対し,e社株式を原告に譲渡したことを通知したことを示す資料の有無の回答を求めていた原告からの求釈明に対し,既に提出済みの証拠で全てであると回答したにもかかわらず,証拠調べ期日実施の半月以上が経過した後に,乙イ第10号証ないし乙イ第15号証を提出したところ,これは,時機に後れた攻撃防御方法であり,訴訟の完結を遅延させるものであり,被告Y2らに少なくとも重過失があるから,却下されるべきである。
イ 被告Y2ら
(ア) 原告は,e社株式の譲渡を承諾していないと主張するが,被告Y2とCとのチャットワーク(甲9)から明らかなとおり,原告代表者は,平成27年4月18日以降,打合せを重ねて熟慮の上,これを承諾して,その譲渡代金の送金をCに指示した。
すなわち,原告代表者は,同日,マレーシアの件,進めてほしいとe社株式の譲受けを承諾していたところ,一旦は躊躇したものの,同月30日にはCからの説明を受けて納得して,原告のマレーシアにおける事業について議論をし,マレーシアでの人脈作りを期待した上で,本件送金2を承諾し,Cに指示したのである。
仮に,Cが原告代表者に無断で1億5000万円の振込みを行うのであれば,原告代表者と打合せを重ねてその意思を確認する必要はなく,本件譲渡契約書のとおり,同年4月30日に振込みをしたはずであり,振込みが同日から1日遅れた同年5月1日になった事実は,原告代表者の承諾があったことの証左である。
また,被告Y2とCが原告の主張する騙取を共謀していたのであれば,他人の目に触れることのないチャットワーク(甲9)において,被告Y2に虚偽の報告をする必要がないのであるから,Cの被告Y2に対する報告内容は真実といえる。
したがって,被告Y2が,Cと共謀して本件送金2を不正に行ったとはいえない。
(イ) 被告Y2は,Cとともに,e社株式を譲渡した後も,原告のために,e社の人脈等を利用して,マレーシアにおいて原告が扱う化粧品などの商品の販売を拡大する方針で一致しており,真にマレーシアでの原告のビジネスの展開を考えていたのであるから,原告の資産の騙取を共謀するはずがない。
(ウ) e社株式の譲受けは,原告代表者自身が承諾,指示して行ったものであるにもかかわらず,原告は,結果的に失敗に終わった責任を被告Y2らに転嫁しようとしているにすぎない。
(3)  争点3(本件送金1及び2が被告会社の事業の執行に当たり,また,被告Y2が被告会社の被用者といえるか否か)について
ア 原告
被告Y2は,本件送金1及び2の当時,被告会社の最高経営責任者として,経営指導・経営コンサルタント業の一環として本件送金1及び2を行ったのであり,被告Y2は被告会社の被用者として,「事業の執行」について本件送金1及び2を行ったといえるから,被告会社は,使用者責任を負う。
イ 被告Y2ら
被告Y2は,被告会社の最高経営責任者と称して被告会社の業務に従事していたものの,被告会社の役員及び労働者ではなく,指揮命令を受けることはなく,被告Y2独自の判断で当該業務を遂行していたにすぎない。
したがって,被告Y2は,被告会社の被用者ではないから,被告Y2の行為について,使用者責任を負う根拠はない。
(4)  争点4(原告の損害額及び因果関係)について
ア 原告
(ア) 原告は,本件送金1により1億円を騙取されたから,本件送金1と相当因果関係にある損害が1億円を下らないことは明らかである。
(イ) 原告は,本件送金2により1億5000万円を奪取されたから,本件送金2と相当因果関係のある損害が1億5000万円を下らないことは明らかである。仮に,e社自体が存在し,被告会社がe社株式を保有していたとしても,譲渡に係るe社株式が1億5000万円の価値があることは何ら反証されておらず,むしろせいぜい1091万円の価値しかないのであるから,原告の損害を否定する根拠とはならない。
イ 被告Y2ら
(ア) 本件送金1について
本件CBの引受けを原告は承諾しているし,本件CB発行は有効に行われているから,原告に損害は生じていない。
(イ) 本件送金2について
被告会社は,平成26年3月11日,I(以下「I」という。)が保有するe社株式10万5878株を譲り受け,これを保有していたのは明らかであるし,e社は,マレーシアにて登記(登録)されて,ホームページを開設しているなど,現在でもマレーシアにて事業を行っている実体のある会社である。
そして,被告会社は,平成27年4月30日,本件譲渡契約書をもって,その保有する全e社株式を,原告に対し,譲渡代金1億5000万円で譲渡し,同年5月1日,その代金が支払われたことで,e社株式の譲渡の効力は確定的に生じた。
なお,被告会社によるe社株式の取得金額は1091万円であるが,通常の転売ビジネスで購入希望者に取得金額を伝えることはないことからも明らかなとおり,取得価格と転売価格の差をもって損害であるとはいえない。
ウ 被告Y3
争う。
エ 被告Y4
争う。
第3  当裁判所の判断
1  認定事実
括弧内挙示の各証拠又は弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)  原告とC,被告Y2らとの本件に至るまでの経緯
ア 原告は,平成22年10月頃,Cを紹介され,以後,徐々にCに原告の経理処理を任せるようになり,平成26年10月からは,d社においてCを雇う形をとりつつ,実質的に原告の従業員としてCを経理事務に従事させるようになった。この間,原告代表者は,Cには不正等はないと認識していた。
原告代表者は,平成27年3月頃,Cからコンサルタントとして被告Y2の紹介を受け,被告Y2から,当時原告代表者が目指していたd社の株式の店頭公開に向けた協力等を受けることとした。
その後,原告は,同年3月及び同年4月,被告会社との提携等が大きなビジネスチャンスであると捉え,被告会社の株式をその発行済み株式の10パーセント弱に相当する合計2万5000株を約2億円で取得するなどして,被告会社に投資するなどした。
被告Y2とのやり取りはCが窓口となった。(甲19,乙イ1,2,原告代表者,弁論の全趣旨)
イ 原告は,本件CB発行に関し,被告Y2らに何らの対価を支払っておらず,また,原告及び被告Y2らとの間には何らの契約関係も存在しなかった(原告代表者,被告Y2本人,弁論の全趣旨)。
(2)  本件CB発行の勧誘
ア 被告Y2は,平成27年4月7日,Cに対し,原告代表者とのミーティングにおいて,以下の説明をして本件CBの引受けについて原告代表者の内諾を得ることを求めた(甲9,被告Y2)。
(ア) a社は,大阪で太陽光発電設備を電話で販売している被告Y2の顧問先の会社であり,i社の評価は51点で,売上げが今期10億,来期40億・利益4億の急成長している会社である。
(イ) 原告がa社から転換社債型新株予約権付社債を引き受けることで,平成27年4月末か同年5月1日に1億円をa社に資金投下し,本件CBの登記をする。
本件CBの償還は同年7月末を予定しているところ,本件CBは,転換社債型新株予約権付社債であるから,a社から返済がされなければ,社債を株式に転換することでa社を買収でき,それを防ぎたいa社はしっかり返済することが見込まれる。
場合によっては,社債の償還までa社の口座を被告Y2とCで管理できる。
(ウ) 上記(イ)を前提に,d社がa社に3000万円で化粧品を売却する契約を結び,その代金は,平成27年5月末,同年6月末,同年7月末にそれぞれ1000万円を支払わせるため,d社に売上げが計上できる。
(エ) a社は,太陽光発電設備を一戸建ての家庭に対する電話販売をしているところ,契約者に対し,契約の粗品として原告の化粧品をプレゼントすることで,d社としても宣伝効果がある。
イ 原告代表者は,平成27年4月11日,Cから,本件CBの引受けに関して上記ア(ア)ないし(エ)の説明を聞き,Cに対し,i社などを利用してa社の財務状況等について調査するよう指示し,Cから財務状況について問題がない旨の回答を受けた。原告代表者は,それ以上に自ら調査等をすることはしなかった。(甲2,19,原告代表者,弁論の全趣旨)
ウ Cは,本件CB引受契約書の作成・押印,本件送金1の振込手続を行い,原告代表者はこれらには関与していないものの,事後的に本件CB引受契約書の作成及び本件送金1について,承諾をした(原告代表者)。
(3)  本件送金1前後の被告Y2とCのチャットワーク上でのやり取り(甲9)
ア Cは,平成27年4月11日,被告Y2に対し,請求額に合わせてd社がa社に売却する商品を選定して契約書と請求書を作成すると述べ,これに対し,被告Y2は,その選定する商品について,動きが鈍い,売りづらい商品でよい旨回答した。
また,Cは,同月13日,被告Y2に対し,上記商品の売買代金について,商品の数の単位の関係から3000万円ちょうどにはならず,端数が生じることを伝えたところ,被告Y2は,送料で端数調整することを提案した。
イ Cは,平成27年4月15日,被告Y2に対し,本件CB引受けの実行日について,同月21日とすることを原告代表者に了承をとる予定であるところ,当該日付について原告代表者に問題にさせない旨を述べた。
ウ Cは,平成27年4月27日,被告Y2に対し,本件CBに関する社債償還請求書をチャットワークにアップロードする方法で被告Y2に送った。
(4)  被告Y2とa社の内部者等との本件グループトーク上でのやり取り(甲11)
ア 被告Y2は,平成27年4月9日,当時,本件グループトークに参加していたE及びFに対し,本件CB発行によるa社の資金調達について,以下のように説明した。なお,被告Y2は,同日,本件CB発行に関する上記説明をする前に,重要な話であるとして,被告Y4及び被告Y3を本件グループトークから脱退させた。
(ア) 資金調達は,平成27年4月末から同年5月15日までの間に,1億円を,a社の転換社債型新株予約権付社債を発行することで調達し,転換社債型新株予約権付社債については登記もする。
(イ) 資金調達先は,被告Y2の顧問先である化粧品会社である。
(ウ) 1億円の返済期限は平成27年7月末で,金利は年12パーセントと設定し,返済ができない場合には社債が株式に転換されて,発行済株式の51パーセント以上を化粧品会社に保有され,買収される。同月末まで,a社の銀行口座及び実印は,被告Y2が管理する。
(エ) a社に1億円の入金が入った瞬間に,業務委託費として2000万円を被告会社に支払う。業務委託費についてはFと内諾済みである。
また,給与として,月額200万円程度を被告会社に支払う必要がある。
(オ) 1億円の低金利の転換社債型新株予約権付社債の見返りとして,当該化粧品会社から3000万円の化粧品を購入することが必須の条件であり,その支払は平成27年5月末,同年6月末,同年7月末にそれぞれ1000万円ずつ行う。a社に納品される化粧品は,太陽光発電設備の販売時に粗品等でプレゼントすることで販売促進に用いるアイデアがある。
イ その後,本件グループトークでは,被告Y2を中心に,FやEとの間で,本件CB発行に向けた必要な手続等のやり取りがされ,平成27年4月17日には,Dが本件グループトークに参加した。
ウ Fは,平成27年4月21日,本件グループトークに,「Y3さんY4さんEさん皆さん打ち合わせ参加します」とメッセージを送った。なお,この段階では,被告Y4及び被告Y3は,本件グループトークに参加していない。
エ 被告Y4は,平成27年4月21日正午頃,Fからの指示により,本件グループトークに招待され,参加した。
オ 本件グループトークでは,平成27年5月1日以降,浄水器の販売に関する話を中心にやり取りがされていたところ,被告Y2は,同日,a社の従業員であるJから,残高試算表のデータを受領した。被告Y2は同試算表について,改変されているものかそのままのものかを確認し,Jは,ほぼそのままである旨返答した。
(5)  本件送金1の引き出し
被告Y3と被告Y4は,平成27年4月1日,Dの指示のもと,j銀行梅田支店に赴き,被告Y3がa社の代表取締役としての本人確認に応じ,本件送金1に係る1回目の5000万円の振込みがされたa社の銀行口座から,a社の印鑑及び通帳を用いて,5000万円のうち,2000万円を被告会社に対する本件社債の引受けに関するアレンジャー報酬名目で被告会社へ送金し,残りの3000万円を引き出して,これを被告Y4がその持参した鞄に入れてa社に持ち帰った。
Cは,同日,被告会社への2000万円の入金が行われたことを確認し,本件送金2に係る2回目の5000万円の振込みを行った。
被告Y3及び被告Y4は,同日,再度,上記支店に赴き,同様の方法で5000万円を引き出し,被告Y4がこれを鞄に入れてa社に持ち帰った。
被告Y4は,この5000万円のうち2500万円を取得した。(甲12,乙ロ1,被告Y3本人,被告Y4本人)
(6)  e社株式の譲受けの勧誘
ア 原告代表者は,平成27年4月,Cから,e社株式購入の提案を受け,e社株式は,被告会社が保有しているマレーシアの会社の株式であり,その代表者がマレーシアで広い人脈を持っているため,マレーシア市場の拡大に当たってよい案件であるという説明を受けた(甲19,原告代表者)。
イ 原告代表者は,Cの上記提案には消極である旨を伝えた。しかし,Cは,本件株式譲渡契約書を作成し,原告代表者はその作成には全く関与していない(甲19,原告代表者)。
ウ 本件送金2の後,原告に対して,e社株式に関する書類が届いたことはない(原告代表者)。
(7)  本件送金2前後の被告Y2及びCのやり取り(甲9)
ア Cは,被告Y2とCのみとのチャットワークとは別のグループチャットにより,e社株式の譲渡に関する説明を被告Y2から受けていたところ,平成27年4月16日,被告Y2から,e社株式を1億5000万円で売却する話を原告代表者と詰めるよう指示を受けた。
Cは,同月17日,被告Y2に対し,同月18日に原告代表者とe社の件を詰めると説明し,同日の原告代表者との打合せ後,被告Y2に対し,原告代表者が,e社の件を進めてほしいと話していたこと,マレーシアでの人脈作りにかなり期待している様子であることを報告した。
イ 被告Y2は,平成27年4月28日,e社株式の譲渡について,同月29日に原告代表者と打合せすることになったというCからの報告に対して,「30日の件は崩れないよう マレーシア調整しているのでお願いします 後は,得意の暴れちゃうでしょ((笑)」と述べ,これに対して,Cは,「マレーシアの件は大丈夫なように上手に話します。後は,お得意の暴れてガチ切れして退職するって叫びます(笑)」と返答し,被告Y2は,これに「さすがです (笑い」と応じた。
ウ Cは,平成27年4月30日未明,同月29日に予定されていた原告代表者との打合せが同月30日に延期したこと,一部確認してから振込みにしてほしいと原告代表者が述べていることを報告した。
Cは,同日,原告代表者が躊躇し始めたことから「ゴリ押し」したこと,同年5月1日に,f社とIへの振込みを行うことを被告Y2に報告したところ,被告Y2は,「何で躊躇したんだろう」,「振込 朝一にやっちゃってください そうすれば,文句ないでしょ((笑) やってしまったもん勝ちだよね」,「振込確認したら次の材料しないとね」と返信した。
エ Cは,平成27年4月30日,被告Y2に対し,本件送金2を同年5月1日の午前中に手配すること,原告代表者がマレーシアの人脈にかなり期待していることを報告した。
(8)  被告Y2とCとのチャットワークでのやり取りにおける態度等
被告Y2は,Cとのチャットワークにおけるやり取りにおいて,Cのことを「Cちゃん」などと呼称し,もし原告に何かあった場合には被告会社で一緒に働くことを提案したり,Cも原告に何かあった場合には被告会社で働くことを希望し,互いのこれを承諾する旨の発言をしていた。
また,被告Y2とCとは,チャットワークにおけるやり取りにおいて,原告代表者が,原告のビジネスの状況がねずみ講であることを理解していないことや原告代表者が信用していないKとCが繋がりを持っていることを理解していないことなどについて「(笑)」などと原告代表者を嘲笑するかのような発言を度々していた。
さらに,被告Y2及びCは,原告代表者が被告Y2及びCの提案を受け入れなければ暴れてもよいという発言もしていた。(甲9,19)
(9)  原告の実印等の預託
被告Y2は,平成27年4月23日,a社の不備への対応とe社株式の譲渡の件に使う目的で,原告の記名印と実印の持参をCに求め,Cはこれに応じた。原告代表者は,遅くとも同日までには,Cに原告の実印と銀行印を預け,この原告の実印は,本件株式譲渡契約書の作成がされるまでは少なくともCが保管していた。(甲9,14)
(10)  被告会社とa社とのコンサルタント業務契約書
ア 被告会社は,平成27年初頭頃までに,a社との間で,資金調達のためのコンサルタント業務を被告会社が行うことを内容とするコンサルタント契約を締結した(乙イ7,被告Y2)。
イ 被告会社とa社は,平成27年4月16日付けで,同年5月1日から,被告会社が,a社の発展に寄与するため,a社の経営・企画等について助言,指導を行うサービスを提供すること,月額の基本コンサルタント料が216万円であること,同コンサルタント業務においてa社に経済的入金があった場合,別途成功報酬をその都度取り決めて支払うことなどを内容とするコンサルタント業務契約書を作成した(乙イ5)。
ウ 他方,被告Y2は,LINEにおいて,a社の経営には関心がない旨述べたりした(甲11,被告Y2)。
(11)  化粧品の売買
a社とd社は,平成27年4月30日,a社がd社から化粧品7605個を3000万円で購入する旨の売買契約を締結し,同年5月1日,同化粧品がa社宛てに発送された。もっとも,d社ないし原告は,同売買契約に係る代金を受領していない。
原告代表者は,同月末日,Cが上記代金を受領したと虚偽の報告をしていたことを知り,同年6月12日,Cと面談し,a社からの振込みがないことを確認し,情報漏えいを防ぎ,証拠隠滅を防止するために,Cの原告内のパソコンをロックし,Cが被告Y2とやり取りをしているチャットワークのデータを入手した。(甲19,原告代表者)
(12)  a社の経営状況等
ア a社の第1期(平成24年9月3日から平成25年6月30日まで)の売上高は557万4800円,経常損失は24万5351円であり,従業員の状況の申告はなく,常勤役員1名の役員報酬36万円が計上されているのみであり,同期末時点の資産の部の合計は941万5219円,負債の部の合計は,166万0570円であり,短期借入金は2万2100円であった。
また,a社の第2期(同年7月1日から平成26年6月30日まで)の売上高は713万0392円,経常利益は25万3931円であり,従業員の申告はなく,上記常勤役員1名の役員報酬を含め役員報酬は計上されておらず,同期末時点の資産の部の合計は795万7609円,負債の部の合計は,1529円であり,借入金は計上されていなかった。(甲2の1・2,10)
イ a社は,平成26年8月頃,太陽光事業に具体的に参入し,同年10月には30名程度に増加し,増資により資本金は3000万円になった。
そして,a社は,その後も従業員数を,同年11月頃には約60名,同年12月頃には約100名,平成27年1月頃には,テレフォンアポインター約100名,営業職約100名,事務職約30名の合計約160名に増加させ,太陽光事業を拡大したが,一方で,不明朗な支出も散見された。(甲10)
ウ 被告Y3は,平成27年1月からa社において,法人向けの太陽光発電の営業職として勤務するようになり,同年3月,E,D及びY4から就任を要請されて,代表取締役に就任したものの,同就任後もその業務内容は従前と変わらず法人営業部の従業員として業務を行い,経営は,E,D及び被告Y4が行い,被告Y3が経営に参画することはなかった(甲12,乙ロ1,被告Y3本人)。
エ i社の平成27年2月6日付け報告では,a社について,以下のような報告がされていた(乙イ8)。
(ア) 評価は50,信用程度はD,従業員数は25名とされ,第2期末までは,外構,エクステリア工事を事業としていたが,同期末以降,業種変更があり,太陽光発電の設置工事に進出するようになった。
(イ) k銀行及びl銀行との間で銀行取引等があるものの,同日時点では借入れはなく,金融機関からの営業攻勢で,平成27年春頃までには新たな金融機関と取引を行う予定である。
資金調達余力について,無借金経営であるから,公的融資制度等を利用して運転資金程度の調達は可能と判断される。
(ウ) 最近の動向と見通しについて,平成27年6月期(第3期)は,本格的に太陽光発電の販売,施工に参入し,通期売上高について,大幅増加の5億3000万円,経常利益1000万円を目標にスタートし,平成26年7月から同年9月までの累計売上高は概ね8000万円弱で推移した。
今後は,テレフォンアポインターの増員等により,更なる売上げ寄与が期待されている一方,電力会社の電力買取り拒否の動きもあり,太陽光発電の販売面で懸念がある。
同年12月末(上半期)までの売上高は2億7498万円,経常利益は4133万円であり,上記通期売上げ等は十分にクリアできることが期待できる。
オ a社は,平成27年3月11日,大阪簡易裁判所から,株式会社mを債権者,顧問契約に基づく報酬請求権及び遅延損害金支払請求権の合計37万6048円を被保全債権とする債権仮差押命令を受け,同年4月17日,東京地方裁判所から,g社のa社に対する売買代金債権を被保全権利とする債権仮差押命令の発令を受け,同年10月2日,大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けた(甲10p7,17,前記前提事実(5))。
カ a社は,平成27年5月末には事業を停止した(甲10,弁論の全趣旨)
2  被告Y2ら提出に係る乙イ第10号証ないし乙イ第15号証について
原告は,乙イ第10号証ないし乙イ第15号証について,時機に後れた攻撃防御方法であるとしてその却下を求めているところ,被告Y2らは,平成29年7月5日に実施された第6回弁論準備手続において,①e社の存在自体を示す資料,②被告会社が平成27年4月30日時点でe社株式を保有していたことを示す資料,③被告会社がe社に対し,e社の株式の原告への譲渡を通知したことを示す資料について提出を求める内容の原告からの求釈明に対し,その回答は乙イ第4号証ないし乙イ第7号証及び従前提出していた書証で全てである旨陳述した。他方,被告Y2らは,弁論準備手続及び証拠調べ期日が終了した後である同年10月23日に実施された第7回弁論準備手続期日において,e社の存在,被告会社がe社株式を保有していたこと等を立証趣旨として,乙イ第10号証ないし乙イ第15号証を提出した。(当裁判所に顕著な事実)
本件では,争点2に関連して,e社株式の存在,被告会社から原告に対するe社株式の譲渡の有無等が事実面での争点となっていたところ,被告Y2らは,上記のような原告からの求釈明とその応答にもかかわらず,弁論終結前に同争点に関する重要な書証を提出するに至ったのであり,そのような経緯と当該書証の提出時期が弁論終結前になったことについて,合理的な説明等がないことに照らせば,被告Y2らにおける,乙イ第10号証ないし乙イ第15号証の提出行為は,故意又は重過失によって時機に後れて提出された攻撃防御方法であるというべきである。
そして,e社株式の存在,被告会社から原告に対するe社株式の譲渡の有無は,争点2に関する重要な間接事実であるということができ,本件の審理の経過に鑑みると,かかる攻撃防御方法の提出によって訴訟の完結を遅延させるものであることは明らかである。
したがって,乙イ第10号証ないし乙イ第15号証は,時機に後れた攻撃防御方法として却下する。
3  争点1(本件送金1は,被告Y2,被告Y3,被告Y4及びCによる共同不法行為に該当するか否か)について
(1)  被告Y2の責任
ア 原告は,本件送金1は,被告Y2がa社の財務状況等について,故意に虚偽の事実を申し向け,その誤信を利用してさせたものである旨主張する。
イ(ア) 本件CB発行の経済的合理性
被告会社は,本件CBの発行に関してa社から2000万円の報酬を取得しているところ,前記認定事実(12)エのとおり,i社におけるa社に関する報告においては,a社には銀行からの借入れはなく,金融機関からの営業攻勢もあり,公的融資制度等を利用して運転資金程度の調達は可能であるとされていたのであって,その真偽は別としても,1億円の資金調達に関して年12パーセントの利息の他に,その2割にも相当する2000万円の報酬を支払ってまで原告から資金調達をすることの経済的合理性があったかは疑わしい。
また,前記認定事実(4)ア(オ)のとおり,被告Y2は,上記報酬とは別個に本件CB発行の見返りとして,化粧品会社から3000万円の化粧品の購入が必要であるとしているところ,その化粧品を粗品として販売促進することは飽くまで被告Y2のアイデアとして紹介されているに留まり,化粧品に一定の利用価値は認められ得るものの,その販売促進への効果は不明瞭であって,仮に,本件CB発行が虚偽ではないとすると,a社としては,本件CBの発行において,調達した1億円の資金のうち,その半額に当たる5000万円もの資金を報酬及び化粧品の売買代金として平成27年7月末までの間に支払って,かつ,同月末には利息年12パーセントを含めた社債の償還を要することになる。
しかも,前記認定事実(3)アのとおり,被告Y2は,本件CB発行に伴ってd社からa社が購入することとなっている化粧品の選定に関するCの質問に,動きが鈍い,売りづらい商品でよいとa社の利益を度外視した回答をしている。
これらのことに照らすと,本件CBの発行は,a社が目的としていたとされる資金調達に関する経済的合理性を有するものであったかは極めて疑わしく,そのような経済的合理性に乏しい取引を,a社のことを顧問先であると説明する被告Y2(前記認定事実(2)ア(ア))ないしa社の資金調達に関してコンサルタント契約を締結している被告会社(前記認定事実(10)ア)が提案し,かつ,現実にもa社の利益を考慮せずに話を進めていることからすれば,被告Y2は,本件CBの発行に関して,正常な取引としてこれを行う意思を有していなかったというべきである。
(イ) 被告Y2及びCの提案と原告の了承との関係
前記認定事実(1)アのとおり,Cは,原告の窓口として被告Y2とやり取りをしているものの,前記認定事実(7)のとおり,被告Y2とCとは,親密な関係であることが窺えるやり取りをしているだけでなく,Cは原告の窓口として行動するのではなく,むしろ被告Y2の提案に従って被告Y2とともに,強引な手段を利用してでも原告代表者から本件CBの発行に関して承諾を得ようと行動していたといえ,本件CBの発行について,a社だけでなく,原告との関係においても,正常な取引として行おうとする意思がなかったものというべきである。
(ウ) 本件CB発行に関する被告Y2の説明
前記認定事実(2)アのとおり,被告Y2は,平成27年4月7日,a社の業績の見込みについて,第3期の売上げが10億円,第4期の売上げが40億円,同利益が4億円である急成長の株式会社であることをCに伝えていたところ,前記認定事実(12)エのとおり,i社における報告においては,第3期の売上げの目標を5億3000万円,経常利益1000万円としていたこと,a社の新規の主力事業である太陽光発電事業について懸念がある一方で,第3期の上半期の売上高は2億7498万円で経常利益が4133万円であって,上記目標は十分に達成見込みであることが報告されているにすぎない。
また,前記認定事実(10)アのとおり,被告会社は,a社との間でコンサルタント契約を締結しており,被告Y2の被告会社内における地位からすれば,a社の財務内容について十分に知悉していたといえるところ,前記認定事実(12)オ及び前記前提事実(5)アのとおり,a社は,平成27年3月11日及び同年4月17日に債権仮差押命令を受けており,およそ第1期及び第2期に事実上の休眠会社状態であった状況から今後急成長を見込めるような財務状態にはなかった。
そして,これらのことに加え,前記(ア)及び(イ)のとおり,被告Y2が本件CBの発行に関して正常な取引として行う意思を有していなかったといえることも踏まえれば,被告Y2は,原告に対し,Cを通じて,a社の業績見込みについて,自らの説明及びその前提となるi社における報告が客観的事実と異なることを認識しつつ,しかも同報告と比較しても第3期の売上げを約2倍弱に過大に説明し,また,第4期の売上げについては,資料等に基づかずに説明することで,a社は今後急成長が見込める優良企業であるとの印象を与えつつ,本件CBを誘因していたということができる。
(エ) 小括
以上のとおり,少なくとも被告Y2は,原告が,被告Y2において正常な取引とする意思のない本件CBの引受けをすることで,原告に本件CBの引受代金相当額の損害が生じることを認容した上で,本件CBの発行に関し,a社の業績見込みについて,故意に過大な説明をするなどしてCとともに強引な手段を用いて,原告代表者から了承を得ることで,被告会社において本件CBの発行に係る報酬2000万円を得ようとしていたということができる。
したがって,被告Y2は,原告に対し,本件CBの発行に関してa社の業績見込み等について故意に過大な説明を行ったといえ,不法行為責任を負う。
ウ 被告Y2らは,a社の財務状況等について,i社の報告,a社の財務資料,経営陣の説明及びa社を訪れた際の状況等に基づいて真実と認識して説明をしていたと主張し,被告Y2はこれに沿う陳述又は供述をする。
たしかに,前記認定事実(12)エのとおり,i社の報告においては,今後相当程度の売上及び利益の獲得が見込まれる旨の記載があり,また,原告と何ら契約関係にない被告Y2らが,a社の財務状況等について,原告に対して調査報告義務等を負うものではないから,財務状況について結果的に誤った情報を提供したからといって直ちに本件CBが償還されなかった場合の責任を負うものではない。
しかし,被告Y2が,本件CBの償還の可能性に関し,真摯にa社の財務状況等を検討していたことを窺わせる証拠は全く存在せず,むしろ前記イのとおり,自らの説明がa社の真の財務状況と異なることを認識していたこと及び被告Y2が本件CBの発行について正常な取引として行う意思を有していなかったことを覆すに足る事実を認めることはできないから,被告Y2らの上記主張は採用できない。
エ 被告Y2らは,本件CBについて,原告のために保全のための措置を講じていると主張し,被告Y2はこれに沿う陳述又は供述をする。
しかし,被告Y2が,原告代表者の承諾を得てスムーズに報酬を得るために,転換社債型新株予約権付社債の方法にするなど原告の利益になるスキームを提案することも十分に考えられるから,上記事実をもってしても,前記イのとおり被告Y2が本件CBの発行について正常な取引として行う意思を有していなかったことを覆すものであるとはいえない。したがって,被告Y2らの主張は採用することができない。
オ 以上のとおり,本件送金1は,被告Y2による不法行為に該当するというべきである。
(2)  被告Y3及び被告Y4の責任
ア(ア) 原告は,被告Y3及び被告Y4が,平成27年4月8日頃,被告Y2及びCと本件CBの払込代金名目で原告の資金を騙取することを共謀していたと主張する。
(イ) しかし,前記前提事実(2)イ並びに前記認定事実(4)ア,イ及びエのとおり,被告Y2が,本件グループトークにおいて本件CB発行に関する具体的スキームを説明する前に,被告Y3及び被告Y4は本件グループトークから脱退させられていること,本件グループトークに,被告Y3が以後参加することはなく,被告Y4が再び参加したのも本件送金1がされた後であること,その間のやり取りは被告Y2を中心に,F,E及びDの間でされていたこと,原告が共謀の根拠として主張する各事実は,a社に入金された資金を誰が取得するか等の,a社を被害者とする不法行為等の存在を推認させる事情にはなり得ても,本件CBの払込代金名目で原告の資金を騙取することの共謀の存在を直ちに推認するものではないこと,前記認定事実(4)ウ及びオのとおり,Fが被告Y3及び被告Y4が打合せに参加する旨のメッセージ投稿をしているものの,かかるメッセージが投稿された本件グループトークでは,本件CB発行以外の事項にもやり取りがされていたことが窺え,ここでいう「打合せ」が本件CB発行に関するものであるかは不明であることなどを総合すれば,被告Y3及び被告Y4は,本件CB発行に関して,その共謀に参加していたとまでは認めることができない。
その他上記共謀を認めるに足る証拠はない。
(ウ) したがって,被告Y3及び被告Y4が,本件CBの発行に関して共謀していたとする原告の上記主張は採用できない。
イ(ア) 原告は,被告Y3及び被告Y4の行為がなければ,被告Y2が2000万円を獲得することがなかったことから,本件送金1の出金に関わった被告Y3及び被告Y4の行為は,被告Y2の不法行為と客観的関連共同が認められるから,共同不法行為が成立すると主張する。
(イ) しかし,被告Y3についてみると,共同不法行為が成立するためには,個々の行為について不法行為が成立する必要があるところ,原告は,本件送金1の出金に関わった被告Y3の行為が不法行為に該当することについて何ら主張立証をしないから,被告Y3に係る原告の上記主張は採用できない。
(ウ) また,被告Y4についてみると,原告は,被告Y4がa社の財務状況を把握できる立場にあったにもかかわらず,a社の役員の承諾なく,本件送金1に係る資金を出金した後,その一部を自身で取得するとともに,その余をa社の外部者たる被告Y2に振り込んだり,会社財産の不正利用の実績があるDに交付するなどしていることからすれば,少なくともかかる資金が第三者からの借入れであり,当該第三者に損害を与えることについて未必の故意があったと主張する。
しかし,被告Y4が本件送金1に係る資金が第三者からの借入れであると認識できる程度にa社の財務状況を把握できる立場にあったと認めるに足る証拠はなく,前記ア(イ)において説示したように被告Y4が本件CB発行に関する本件グループトークから事前に脱退させられていることなどに照らして,被告Y4において本件出金1が第三者からの借入れであることの認識を有していたとはいえない以上,被告Y4の行為がa社との関係で何らかの責任が生じ得るものであるとしても,これが原告に対する不法行為を構成するということはできない。
したがって,原告の上記主張は採用できない。
ウ 以上のとおり,被告Y3及び被告Y4も本件送金1に関して不法行為責任を負うとの原告の上記主張は採用できない。
4  争点2(本件送金2は,被告Y2及びCの共謀によって原告代表者の承諾なくされた不正な送金か否か)について
(1)  原告は,本件送金2が,被告Y2及びCの共謀に基づいて,e社株式の譲渡代金名目で原告の資金を奪取されたものであり,被告Y2に不法行為が成立すると主張する。
(2)  前記認定事実(1)ア,(7)イ及びウ並びに(8)のとおり,Cは,原告の窓口として被告Y2とやり取りをしているものの,被告Y2と親密な関係にあって,むしろ被告Y2の提案に従って被告Y2とともに,強引な手段を利用してでも原告代表者からe社株式の譲渡に関して承諾を得ようと行動していたことが窺える。
また,e社の存在,e社株式を被告会社が有していたこと,e社株式を原告に譲渡したことを窺わせる客観的証拠は,本件譲渡契約書(甲7)及び被告会社の第10期(平成25年10月1日から平成26年9月30日まで)の決算書の抜粋(乙イ4)の他になく,その他これらの事実を認定することができる適法かつ的確な証拠は存在しない。同決算書の抜粋によればe社株式について,平成26年3月11日に買い入れたもので,期末残高は,10万5878株で1091万円であるとの記載があるのみで,かかる記載を前提としても,原告に対する売買価格は,同量について1億5000万円であるとされており(甲7),当該価格設定の根拠について,被告Y2は,その本人尋問において,e社の将来性及び未公開株であることを理由に落とし所が当該価格であった旨の供述をするのみで他に合理的な説明はないこと,本件送金2が前記3で説示した本件送金1から間もない時期に行われていることからすれば,被告会社がe社株式を真実は保有していないか,また保有していたとしても,被告Y2及びCは,これを明らかに過大な金額で譲渡する意思を有していたというべきである。
そして,上記のように存在しないe社株式の譲渡又は明らかに過大な金額でのe社株式の譲渡の意思を有していた被告Y2及びCが,前記認定事実(6)イ及び(7)ウのとおり,原告代表者がe社株式の譲渡について,躊躇したにもかかわらず,これを強引に迫り,既成事実を先に作ってしまうことを話していること,前記(2)で説示したとおり,被告Y2とCは,強引な手段を用いて,e社株式の譲渡に関して原告代表者の承諾を得ようと行動していたことからすれば,原告代表者の承諾なく,Cが本件送金2を行ったということができる。
(3)  これに対し,被告Y2らは,被告会社はe社株式を保有しており,また,原告代表者がe社株式の譲渡を承諾していたと主張する。
しかし,前記(2)で説示したとおり,被告Y2とCは,強引な手段を用いて,e社株式の譲渡に関して原告代表者の承諾を得ようと行動していたことが窺えるし,被告Y2との関係からCが承諾を得たと虚偽の報告をすることも考えられるから,この報告のみから原告代表者がCの報告どおりに承諾していたと認めることはできず,前記認定事実(6)イのとおり,原告代表者は,本件譲渡契約書の作成には関与していないところ,その他これを事後的に明確に承諾したことを認めるに足る証拠はない。
したがって,被告Y2らの上記主張は採用できない。
(4)  以上のとおり,被告Y2には,本件送金2に関して不法行為が成立する。
5  争点3(本件送金1及び2が被告会社の事業の執行に当たり,また,被告Y2が被告会社の被用者といえるか否か)について
(1)  前記前提事実(1)ウのとおり,被告Y2は,被告会社の最高経営責任者としてその業務に従事しているところ,本件送金1は,被告会社とa社との間のコンサルタント契約の業務としての資金調達に係るものであるから,本件送金1及びそれに関する原告への説明が被告会社の「事業の執行について」されたものであることは明らかである。
(2)ア  民法715条における被用者とは,実質的に使用者の指揮監督のもとに事業に従事する者をいう。
イ  前記前提事実(1)ウのとおり,被告Y2は,被告会社の役員等ではないが,最高経営責任者としてその業務に従事しており,本件において認められる事実関係に照らすと,その指揮監督のもとに事業に従事する者であるといえるから,被告Y2は,被告会社の被用者に当たる。
ウ  これに対し,被告会社は,被告Y2は,被告会社から指揮命令を受けることなく,独自の判断で業務を遂行していたにすぎないと主張する。
しかし,被告Y2は,株式を扱っていることが多いこと及び前科があることから役員登記をしていないのであって(被告Y2本人),飽くまで形式的な理由から被告会社の外部者として振る舞っているにすぎず,被告Y2が被告会社から指揮命令を受けることなく独自の判断で業務を遂行していたとはいえず,被告会社の上記主張は採用できない。
(3)  以上のとおり,被告会社は,被告Y2の不法行為について,使用者責任を負うというべきである。
6  争点4(原告の損害額及び因果関係)について
(1)  本件送金1に係る損害
ア 前記前提事実(2)イのとおり,原告は,被告Y2の説明等の結果,本件送金1を行い,1億円をa社に振り込んだのであるから,原告には1億円の損害が生じたというべきである。
イ これに対し,被告Y2らは,本件CBの発行が有効に行われているから,原告に損害はない旨主張するが,原告の損害は,被告Y2の行為によって誤信して,本件送金1を行ったことであるから,本件CBの発行が有効に行われたか否かに関わりなく認められ,被告Y2らの上記主張は採用できない。
ウ したがって,本件送金1に係る原告の損害額は1億円である。
(2)  本件送金2に係る損害
ア 前記前提事実(4)イのとおり,原告は,Cにより,無断で本件送金2が行われ,1億5000万円が失われたのであるから,原告には1億5000万円の損害が生じたというべきである。
イ これに対し,被告Y2らは,e社株式の譲渡が有効に行われ,その効力が生じているから,原告に損害はない旨主張するが,原告の損害は,C及び被告Y2の行為によって,無断で本件送金2を行われたことであるから,e社株式の譲渡が有効か否かに関わりなく認められ,被告Y2らの上記主張は採用できない。
ウ したがって,本件送金2に係る原告の損害額は1億5000万円である。
第4  結論
以上によれば,原告の請求は,①被告Y2らに対し,5000万円及びこれに対する平成27年4月21日から支払済みまでの遅延損害金の連帯支払を求める請求並びに②被告Y2らに対し,5000万円及びこれに対する同年5月1日から支払済みまでの遅延損害金の連帯支払を求める請求の限度で理由があり,その余の請求はいずれも理由がないから,原告の請求を上記限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第5部
(裁判長裁判官 吉村真幸 裁判官 鈴木秀孝 裁判官 野田翼)

 

〈以下省略〉

 

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