【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(200)平成24年 6月 4日 東京高裁 平22(ネ)3337号 賃金、不当利得返還請求控訴事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(200)平成24年 6月 4日 東京高裁 平22(ネ)3337号 賃金、不当利得返還請求控訴事件

裁判年月日  平成24年 6月 4日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ネ)3337号
事件名  賃金、不当利得返還請求控訴事件
裁判結果  原判決変更  上訴等  上告、上告受理申立て  文献番号  2012WLJPCA06046001

要旨
◆被控訴人法人らが、控訴人会社との間で締結した金銭消費貸借契約に基づき、控訴人会社及びその連帯保証人である控訴人に貸金等の支払を求めたのに対し、控訴人会社が、各消費貸借契約につき過払金の発生を主張して、被控訴人らを含む各貸主らに過払金等の支払を求めたところ、原審が双方の請求を一部認容したため、敗訴当事者らが控訴した事案において、被控訴人法人らのうち外国法人である3社は、文書提出命令に従わないとして、民訴法224条により、同社らの各社債の引受人を他の被控訴人法人やその代表者等である被控訴人とし、被控訴人らの間で資金が循環していたと認めた上で、本件認定事実によれば、被控訴人が被控訴人法人らを完全に支配していたとみられるなどとして、被控訴人法人らの法人格を否認し、原判決を変更して、利息制限法違反の利息を取得していた被控訴人らに対する過払金返還請求を認容する一方、被控訴人らの貸金等請求を棄却した事例
◆法人格否認の法理における法人格の形骸化の判定においては、株主が当該法人を実質的に支配していることに加え、①会社財産と支配株主等の財産の混同(営業所や住所の共有、会計区分の欠如等)、②会社と支配株主等の業務の混同(外見による区分困難、同種事務の遂行等)、③株主総会・取締役会の不開催、株券の違法な不発行など会社法、商法等により要求される手続の無視、不遵守といった徴表がみられるかどうかに着目するのが相当であり、また、法人格の濫用とは、法人格が、株主個人又は親会社により意のままに道具として支配され(支配要件)、その法人格を利用することにつき、支配者に違法または不当な目的(目的要件)がある場合をいうとされた事例

新判例体系
民事法編 > 民法 > 民法〔明治二九年法律… > 第一編 総則 > 旧第三章 法人〔※平… > 第一節 法人の設立 > 第三三条 > ○法人の成立 > (二)法人格の否認 > A 否認事例
◆金銭消費貸借契約において、複数の法人を実質的に支配する貸主がこれを巧みに利用して貸付を行い、利息制限法違反の利息を取得した場合に、法人間に財産の混同・業務の混同、会社法・商法等により求められる手続の不遵守等があるときには法人格を否認すべく、借主からの過払金返還請求が認められる。

民事法編 > 商法 > 会社法〔平成一七年法… > 第一編 総則 > 第一章 通則 > 第三条 > ○法人格 > (一)法人格否認の法理
◆複数の法人を実質的に支配する貸主がこれを巧みに利用して貸付けを行い、利息制限法違反の利息を取得した場合に、法人間に業務の混同、会社法・商法等により求められる手続の不遵守等があるときは、右複数の法人の法人格は否認すべきである。

 

裁判経過
第一審 平成22年 4月15日 東京地裁 判決 平20(ワ)19364号・平20(ワ)28881号 貸金請求事件、不当利得返還請求事件

出典
判タ 1386号212頁
判時 2162号54頁
金商 1401号14頁

評釈
鬼頭俊泰・ひろば 66巻5号62頁
加藤新太郎・民事判例 6号151頁
林昭一・リマークス 48号114頁

参照条文
民法1条
民法33条
民法703条
会社法3条
民事訴訟法224条1項
利息制限法3条

裁判年月日  平成24年 6月 4日  裁判所名  東京高裁  裁判区分  判決
事件番号  平22(ネ)3337号
事件名  賃金、不当利得返還請求控訴事件
裁判結果  原判決変更  上訴等  上告、上告受理申立て  文献番号  2012WLJPCA06046001

第1審第1事件被告・第2事件原告 株式会社X1(以下「控訴人X1社」という。)
同代表者代表取締役 X2
第1審第1事件被告 X2(以下「控訴人X2」という。)
上記両名訴訟代理人弁護士 遠山友寛
同 中川秀宣
同 金山梨紗
同 中川浩輔
第1審第1事件原告・第2事件被告 Y1(以下「被控訴人Y1社」という。)
日本における代表者 Y3
第1審第1事件原告・第2事件被告 Y2(以下「被控訴人Y2社」という。)
日本における代表者 Y3
第1審第2事件被告 株式会社Y4(以下「被控訴人Y4社」という。)
同代表者代表取締役 A
第1審第2事件被告 Y5(以下「被控訴人Y5社」という。)
日本における代表者 Y3
第1審第2事件被告 有限会社Y6(以下「被控訴人Y6社」という。)
同代表者取締役 Y3
第1審第2事件被告 Y3(以下「被控訴人Y3」という。)
上記6名訴訟代理人弁護士 市東譲吉
(上記、各当事者の表記につき、調書及び各当事者提出の書面における表記に関わらず、
上記各カギ括弧記載のとおりにそれぞれ略記する。)

 

主文

1  控訴人X1社及び控訴人X2の控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。
(1)  被控訴人Y2社及び被控訴人Y1社の請求をいずれも棄却する。
(2)  被控訴人らは、控訴人X1社に対し、連帯して、3688万6546円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被控訴人Y1社、被控訴人Y4社、被控訴人Y2社及び被控訴人Y5社の控訴をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は、1審、2審を通じ、すべて被控訴人らの負担とする。
4  この判決の1項(2)は仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  控訴の趣旨
1  控訴人X1社及び控訴人X2の控訴
(1)  主位的請求
主文1項(1)、(2)同旨
(2)  予備的請求
ア 被控訴人Y3及び被控訴人Y1社は、控訴人X1社に対し、連帯して、407万1612円及びこれに対する平成20年6月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
イ 被控訴人Y3及び被控訴人Y5社は、控訴人X1社に対し、連帯して、1414万2046円及びこれに対する平成18年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被控訴人Y1社、被控訴人Y4社、被控訴人Y2社及び被控訴人Y5社の控訴
(1)  原判決を次のとおり変更する。
(2)  控訴人らは、被控訴人Y1社に対し、連帯して、1568万8524円及びうち1500万円に対する平成20年6月11日から支払済みまで年2割1分9厘の割合による金員を支払え。
(3)  控訴人らは、被控訴人Y2社に対し、連帯して、1573万7704円及びうち1500万円に対する平成20年7月4日から支払済みまで年2割1分9厘の割合による金員を支払え。
(4)  控訴人X1社の被控訴人Y1社、被控訴人Y4社及び被控訴人Y5社に対する請求をいずれも棄却する。
第2  事案の概要
1  事案の要旨
(1)  控訴人X1社は、昭和54年7月5日に設立された、書籍、雑誌の企画、編集、出版及び販売等を業とする株式会社であり、控訴人X2は、同社の代表取締役である(以下、控訴人X1社と同X2とを併せて「控訴人ら」ともいう。)。
被控訴人Y1社及び同Y2社は、英国領バージン諸島会社法を準拠法として、また同Y5社は、ドミニカ国会社法を準拠法として、それぞれ設立された会社であり、これら3社の日本における代表者は同Y3である。被控訴人Y4社は、音楽録音物等の原盤の使用権等から生じる債権の売買及び管理等を目的とする株式会社であり、代表取締役がAであり、取締役が同Y3である。被控訴人Y6社は、経営コンサルタント業等を目的とする有限会社であり、同Y3が唯一の取締役である(以下、被控訴人Y3を除く、被控訴人法人5社を「被控訴人法人ら」ともいう。)。
控訴人X1社は、平成15年7月20日、被控訴人Y6社との間で、資金調達を含めた資本政策等の情報の提供を受けることにつき、定額報酬として月額31万5000円(消費税相当額込み)を支払うとともに、被控訴人Y6社の提供した情報に基づき資金調達等の具体的な案件が成立した場合に各案件の総金額の5%の成功報酬を支払うことなどを内容とするアドバイザリー契約(以下「本件アドバイザリー契約1」という。)を締結した。また、控訴人X1社は、平成19年9月1日、被控訴人Y5社との間で、資金調達を含めた資本政策等の情報の提供を受け、これにより資金調達等の具体的な案件が成立した場合に各案件の総金額の5%の成功報酬を支払うことなどを内容とするアドバイザリー契約(以下「本件アドバイザリー契約2」という。)を締結した。
(2)  本件のうち、①第1審第1事件は、(a)被控訴人Y1社が、平成20年2月20日、控訴人X2の連帯保証のもと、同X1社に対し、利息年15%、遅延損害金年29%の約定にて、1500万円を貸し付けた(以下「本件金銭消費貸借契約1」という。)として、控訴人らに対し、経過利息を含め1568万8524円及びうち元金1500万円に対する弁済期の翌日である平成20年6月11日から支払済みまで利息制限法所定の制限額である年2割1分9厘の割合による遅延損害金の支払を、(b)また被控訴人Y2社が、平成20年3月6日、控訴人X2の連帯保証のもと、同X1社に対し、利息年15%、遅延損害金年29%の約定にて、1500万円を貸し付けた(以下「本件金銭消費貸借契約2」という。)として、控訴人らに対し、経過利息を含め1573万7704円及びうち1500万円に対する弁済期の翌日である平成20年7月4日から支払済みまで利息制限法所定の制限額である年2割1分9厘の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求め、②第1審第2事件は、控訴人X1社が、被控訴人法人らの法人格は形骸化しており、または被控訴人Y3に法人格が濫用されているから、被控訴人法人らの法人格は否定され、実質的に営業主体となっている被控訴人Y3と一体であり、控訴人X1社が別紙1-1ないし4「各社貸付状況一覧表」記載の年月日に被控訴人Y2社、同Y1社、同Y4社及び同Y5社(以下「本件貸主」という。)との間に締結した各金銭消費貸借契約に基づく各貸付け(以下「本件各貸付け」という。)は、実質的に全て一体とみなされるべきであり、控訴人X1社が被控訴人Y6社及び同Y5社に支払った成功報酬及び被控訴人Y6社に支払った定額報酬のうち、平成16年3月から平成20年4月までに支払われた部分は、利息の支払とみなされるべきであり、各貸付けについて天引額があり、また利息も1年360日として計算されているところ、本件各貸付けにつき、利息制限法に基づく引き直し計算をすると、それぞれ過払金が発生し、その合計額が主位的に合計6057万6248円、予備的に合計6358万8219円となり、一方、本件金銭消費貸借契約1及び2に基づく貸付金を利息制限法所定の利息に引き直して計算すると貸付金残金は合計2818万9702円となり、この貸付金残金と上記過払金についての不当利得返還請求権とを対当額にて相殺したと主張して、被控訴人らに対し、連帯して、過払金残金として主位的に3688万6546円、予備的に3539万8517円及びこれに対する相殺の意思表示をした日の翌日である平成20年6月17日から支払済みまで民法所定年5分の割合による利息の支払を求めた。
原審は、被控訴人Y6社及び同Y5社に支払われた成功報酬及び平成16年10月分から平成17年3月分までの定額報酬部分のみが、利息制限法3条所定のみなし利息に当たり、過払金の発生につき悪意の受益者性が認められるとし、制限超過部分を本件各貸付けの元本に充当すると、①控訴人X1社は、平成20年6月10日の相殺適状の時点で被控訴人Y1社に対し、過払金元本1779万9035円及び確定利息95万3695円の支払請求権を有し、他方、被控訴人Y1社が本件金銭消費貸借契約1に基づき、元本1407万1552円の貸金債権を有しているから、相殺の結果、控訴人X1社は、被控訴人Y1社に対し、468万1178円及びこれに対する同年6月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しており、②控訴人X1社は、平成20年7月3日の相殺適状の時点で、被控訴人Y2社に対し、過払金元本378万7435円及び確定利息12万3841円の支払請求権を有しており、他方、被控訴人Y2社が本件金銭消費貸借契約2に基づき、元本1411万8150円の貸金債権を有しているから、相殺の結果、被控訴人Y2社は、控訴人X1社に対し、1020万6874円及びこれに対する同年7月4日から支払済みまで利息制限法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金請求権を有しており、③控訴人X1社は、被控訴人Y4社に対し、不当利得返還請求権に基づき、1402万3119円及び原判決別紙「利息一覧(被告Y4社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しており、④控訴人X1社は、被控訴人Y5社に対し、不当利得返還請求権に基づき、1407万8983円及び原判決別紙「利息一覧(被告Y5社)」の「内金」欄記載の金員に対する「起算日」欄記載の日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払請求権を有しているとして、これらの部分の請求を認容し、第1事件における被控訴人Y1社の請求、同Y2社のその余の請求、第2事件における控訴人X1社のその余の請求を棄却した。
これに対し、控訴人ら及び被控訴人Y1社、同Y4社、同Y2社及び同Y5社の双方が、敗訴部分を不服として控訴した。
控訴人X1社は、当審において、被控訴人Y1社及び同Y5社が日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社であり、商法821条1項に違反して、控訴人X1社との間で継続的な金員の貸付取引を行ったから、両社の代表者である被控訴人Y3は、同条2項により、被控訴人Y1社及び同Y5社と連帯して、当該取引により生じた債務を弁済する責任があるとして、第1、1(2)のとおり、予備的請求を追加した。
2  前提事実、争点及び争点についての当事者の主張
前提事実、争点及び争点についての当事者の主張は、3に争点に対する当審における当事者の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」中の「1 争いのない事実等(末尾に証拠の記載のない事実は、当事者間に争いがない。)」、「2 請求の内容」、「3 争点及びこれに関する当事者の主張」に記載のとおりであるから、これを引用する。
3  当審における当事者の主張
(1)  被控訴人Y6社が受けた定額報酬及び成功報酬、被控訴人Y5社が受けた成功報酬は、利息制限法3条所定のみなし利息に当たり、本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が被控訴人らの連帯債務となるか(争点(1))について
(控訴人らの主張)
ア 本件各貸付け、本件各アドバイザリー契約の締結及びこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は、法形式上は別個の法人が行っているが、被控訴人法人らの法人格は形骸化しており、本件各アドバイザリー契約の締結及びこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は、被控訴人Y3が利息制限法を潜脱する目的で被控訴人法人らの法人格を濫用して行ったものであるというべきところ、法人格否認の法理により、被控訴人Y6社が受けた定額報酬及び成功報酬、同Y5社が受けた成功報酬は、同法3条所定のみなし利息に当たり、また、被控訴人法人らは、被控訴人Y3と一体であるということができるから、被控訴人Y3を介して全体として一体とみなされるべきであり、本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が被控訴人らの連帯債務となるというべきである。仮に被控訴人ら全員の連帯債務が認められないとしても、各貸主と背後にいる被控訴人Y3は、各貸主と連帯して責任を負っている。
イ 被控訴人Y1社及び同Y5社は、日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社であるが、商法821条1項に違反して、控訴人X1社との間で継続的な金員の貸付取引を行った。したがって、両社の代表者である被控訴人Y3は、同条2項により、被控訴人Y1社及び同Y5社と連帯して、当該取引により生じた債務を弁済する責任がある(予備的請求)。
(被控訴人らの主張)
ア 被控訴人法人らは、いずれも自主独立な法的存在であり、それぞれ個別独立して営業活動を行っており、会社財産や個人財産の混同や相互の取引業務活動の混同はなく、帳簿類も被控訴人法人らごとに個別に作成され、会計も明確に区別されているのであるし、会社としての必要な諸手続も適切に行われているのであって、被控訴人法人らの法人格が形骸化しているということはできない。
イ 本件アドバイザリー契約1は、平成15年7月20日に本件各貸付けとは無関係に締結されたものであり、定額報酬を貸付けの条件とするものでもないから、利息制限法を潜脱する目的で締結されたものでないことは明らかである。
ウ 利息制限法3条で利息とみなされる金銭は、金銭消費貸借について、貸主が受け取る礼金、割引金、手数料、調査料などの名目の元本以外の金銭をいうとされ、これを交付の相手方いかんにかかわらず、すべてみなし利息に当たるとすることはできない。最(二小)判平成15年7月18日(民集57巻7号895頁)は、債権者(貸主)に保証料等を還流させる意図(目的)があることを同法3条のみなし利息とするための要件としており、債権者以外の者に支払われ、債権者以外の者が現実に受領した債権者に還流させる意図(目的)がない金銭については、みなし利息とすることはできない。
本件アドバイザリー契約1に基づく定額報酬及び成功報酬は、現実に被控訴人Y6社に支払われ、本件アドバイザリー契約2に基づく成功報酬は、現実に被控訴人Y5社に支払われており、本件各貸付けの貸主には還流していない。被控訴人Y6社は、同Y1社、同Y2社、同Y5社及び同Y4社の100%子会社ではなく、被控訴人Y5社も、同Y1社、同Y2社及び同Y4社の100%子会社ではない。
したがって、「被控訴人Y3が、被控訴人Y6社及び被控訴人Y5社に成功報酬及び定額報酬を取得させることを意図したこと」のみをもって、利息制限法3条を潜脱するものとし、これらを同条所定のみなし利息に当たるとする原判決は、最高裁判例の判旨に反するものである。
(2)  本件各貸付けの当事者間に借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には、当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当することの合意があると解することができるか(争点(2))について
(控訴人らの主張)
貸主らは、控訴人X1社の資金繰りに窮している状況を認識した上で、本件各アドバイザリー契約を本件各貸付けの基本契約と同視し、平成16年2月25日から平成20年7月まで約4年間にわたり本件各貸付けを行ってきた。本件各貸付けは、借入金債務と新たな貸付けを同時に行うものではないが、従前の貸付けの切替え及び貸増しとして、長年にわたり同様の方法で反復継続して行われたものであり、前回の返済から期間的に接着し、最も長期の空白期間でも平成17年3月31日から同年5月25日までのわずか2か月間の空白期間があるに過ぎず、前後の貸付けと同様の方法と貸付け条件で行われたものであるから、本件各貸付けは、一個の連続した貸付けと解すべきであり、本件貸付けに基づく借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には、当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をしていたと解すべきである。
(被控訴人らの主張)
控訴人らの上記主張は争う。
第3  当裁判所の判断
1  当裁判所は、第1審第2事件における控訴人X1社の被控訴人らに対する主位的請求、すなわち、控訴人X1社が、被控訴人らに対し、連帯して、3688万6546円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求めるのは理由があるから認容し、第1審第1事件における被控訴人Y1社の控訴人らに対する本件金銭消費貸借契約1に基づく請求、及び被控訴人Y2社の控訴人らに対する本件金銭消費貸借契約2に基づく請求は、いずれも理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は、以下のとおりである。
2(1)ア 控訴人らは、本件各貸付け、本件各アドバイザリー契約の締結及びこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は、法形式上は別個の法人が行っているが、被控訴人法人らの法人格は形骸化しており、本件各アドバイザリー契約の締結及びこれに基づく定額報酬及び成功報酬の徴収は、被控訴人Y3が利息制限法を潜脱する目的で被控訴人法人らの法人格を濫用して行ったものというべきところ、法人格否認の法理により、被控訴人Y6社が受けた定額報酬及び成功報酬、同Y5社が受けた成功報酬は、同法3条所定のみなし利息に当たり、また、被控訴人法人らは、被控訴人Y3と一体であるということができるから、被控訴人Y3を介して全体として一体とみなされるべきであり、本件各貸付けによって生じた過払金返還債務が被控訴人らの連帯債務となる旨主張する。
イ  そこで判断するに、前提事実及び関係証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア) 被控訴人Y5社は、平成16年9月2日に1000米ドルでドミニカ国において設立された不動産関係の投資・資金調達・教育事業等を目的とする会社である。被控訴人Y1社は、平成17年10月24日に資本金100米ドルで、被控訴人Y2社は、平成18年6月1日に資本金1米ドルで英国領バージン諸島において設立された不動産投資とそれに関わる資金調達とそれらの斡旋等を目的とする会社である(乙3、4、7、弁論の全趣旨)。被控訴人Y5社、同Y1社及び同Y2社の本店所在地は、いずれも設立時の登録代理人の事務所の所在地と同一であり、これらの各本店所在地において、被控訴人Y5社、同Y1社及び同Y2社の活動の実体はない(乙3、4、7、39ないし41、被控訴人Y3本人)。
(イ) 被控訴人Y1社の日本における支店の所在地は、同Y6社及び同Y4社の本店の所在地と同一である東京都渋谷区〈以下省略〉にある(乙3、5、6)。同所には、被控訴人Y3が営む小学校受験対策の教室である○○の教室があるのみであり、被控訴人Y1社、同Y4社及び同Y6社のいずれについても、同所に実体のある営業所は存在しない(甲9の4、乙4、6、31)。被控訴人Y2社の日本における支店の所在地は、同Y3の現在の住所地にある(乙4、7)。被控訴人Y5社の日本における支店の所在地は、以前、同Y3が居住していた住所地であり、現在は同Y3の妻であるB(以下「B」という。)の親族であるCが居住する住所地にある(乙7、31)。被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社の支店登記がされたそれぞれの所在地の部屋の表札や郵便受けには、各社の名称が記載されておらず、そこに実体のある営業所は存在しない(乙10、31)。被控訴人Y1社、同Y2社、同Y5社の日本における代表者はいずれも同Y3である(乙3、4、7)。被控訴人Y6社は、同Y3が唯一の取締役であり、その唯一の出資者は、同Y3と生計を共にする妻Bである(甲14)。
(ウ) 被控訴人Y4社は、平成12年6月に音楽録音物等の原盤の使用権・著作権等から生じる債権の売買及び管理を目的として設立された会社であり、資金調達の斡旋や貸金業はその目的にはなく、被控訴人Y3が20.7%の筆頭株主であり、取締役4名のうちの一人である(甲15、乙6)。株式会社aの平成21年8月時点の調査によれば、被控訴人Y4社は、音楽ソフト等に対する投資事業を行うべく設立され、資金は投資家から出資の形で集め、平成13年9月時点で現状の資本金1917万円とし、当初は集まった資金を音楽ソフトの原盤権に投資する活動を行っていたが、現在は活発な活動は行っておらず、役員を含めて常勤の従業員はおらず、実質的に固定経費負担がほとんどなく、取引銀行からの借入もなく、現時点ではさほどの事業収入が得られていないと見られ、財務内容や資金状況は動きの少ないものとなっていると窺えるが、投資活動の再開や運営停止などの特筆すべき業態変動の予定は聞かれない(甲17)。また同調査によれば、被控訴人Y4社は、平成13年9月に現状の資本金1917万円に増資して以降、新たな出資を受けておらず、その資金運用額は小規模に留まるものと見られ、近年においては新規投資の実施は行われておらず、実質的に休止に近い状況にあり、現在の本店所在地には、名前を置いているだけで、専従の従業員の常駐はなく、常時業務に携わっている役職員はいない(甲17、被控訴人Y3本人)。
(エ) 被控訴人Y4社において、平成13年3月22日に取締役会が開催され、増資及びこれによるDのビデオに対する投資案件が承認されたことがある(甲18の2)。
(オ) 被控訴人Y6社は、平成11年ころから、○○を営んでいたが、同事業は平成16年に同Y5社に移転され、さらに平成18年以降には同Y2社に移転され、現在は別の法人に移転されている(甲9の5、被控訴人Y3本人)。一方、平成16年から平成20年当時においても、被控訴人Y6社から○○のスタッフ数名に対し、一定の金員が支払われていた(乙46の1・2、被控訴人Y3本人)。被控訴人Y1社、同Y4社は、本件各貸付け開始以降、本件各貸付け以外の事業を行っておらず、同Y2社、同Y5社及び同Y6社は、○○の事業を他社に移転させた以降は、実質的には何らの事業も行っていない(乙31、証人E)。
(カ) 控訴人X1社は、平成15年ころ、資金繰りが苦しくなり、運転資金の借入先を探していたところ、知人を介し、被控訴人Y3を紹介され、平成15年7月20日に被控訴人Y6社との間に本件アドバイザリー契約1を締結し、被控訴人Y3の媒介により同年7月28日から同年12月31日までの間に株式会社b、株式会社c銀行、d株式会社及びFから合計1億円の融資を受け、その媒介に対する成功報酬として、被控訴人Y6社に対し、446万2500円を支払った(乙10)。その後、平成16年に入り、控訴人X1社が、被控訴人Y3に対し、資金の融資先の紹介を求めたところ、同Y3から同人が取締役を務める会社からの借入れを勧められ、平成16年2月25日に被控訴人Y4社から借入れたのを初めとして、平成20年2月20日の被控訴人Y1社及び同年3月6日の同Y2社との間の本件金銭消費貸借契約1及び2まで、被控訴人Y3の提案するとおり、被控訴人Y4社、同Y1社、同Y2社及び同Y5社からの借入れと弁済を繰り返した(乙10、13ないし24(各枝番を含む。))。この控訴人X1社と被控訴人Y4社、同Y1社、同Y2社及び同Y5社との間の本件各貸付けの内容は、別紙1-1ないし4「各社貸付状況一覧表」記載のとおりである。
(キ) 本件各貸付けの実際の流れは、次のとおりであり、被控訴人Y3が、貸主を始め、貸付けの準備、貸付けの実行及び貸付金の回収に至るまで一連の過程を一人で決定し、かつ、実行し、控訴人X1社は、本件各貸付けについて被控訴人Y3以外の者と行ったことはない(乙9の1から23まで、乙11、乙26の1から36まで、乙28の1から6まで、乙43、証人E、被控訴人Y3本人)。
① 被控訴人Y3が、控訴人X1社のG営業部長(以下「G」という。)から貸付けの申し込みを受けると、Gに対し、貸付日、待ち合わせ場所及び時間、貸付額、貸付期間、利息額、控訴人X1社の銀行口座への振込額(元本から本件各アドバイザリー契約に基づく5%の成功報酬を控除した額)及び控訴人X1社が振り出すべき約束手形の額面額及び通数等を記載した計算メモと金銭消費貸借契約書を添付してメールにて送信する。
② Gは、上記待ち合わせ場所にて控訴人X1社の代表印と連帯保証人の控訴人X2の印の押印済みの金銭消費貸借契約書3部を持参する。被控訴人Y3は銀行内で金銭消費貸借契約書に貸主となる会社の社判を押印して、うち2部をGに交付する。
③ Gは、被控訴人Y3に指定された金額(借入金額に年利15%分の利息を加えた金額)が記載された控訴人X1社振出の約束手形を被控訴人Y3に渡す。
④ 被控訴人Y3は、元本から本件アドバイザリー契約1又は2に基づく成功報酬を控除した残額を各貸主名で控訴人X1社の銀行口座に振り込んだ後、Gに対し、被控訴人Y6社又は被控訴人Y5社名義の成功報酬に係る領収書を交付する。
⑤ 被控訴人Y3が控訴人X1社振出の約束手形を銀行窓口で取立てに回す。
(ク) 控訴人X1社は、新規に運転資金の借入れをする必要がなくなり、平成16年10月及び11月分の被控訴人Y6社に対する定額報酬の支払を停止していた。ところが、同年12月ころ、再度、運転資金の必要が生じ、被控訴人Y3に資金繰りの相談をしたところ、同人から貸付けとアドバイザリー契約は一体であり、元本及び利息の支払が完済されるまで定額報酬は支払わなければならない、未払となっている定額報酬を直ちに支払ってもらいたい、未払となっていた同年10月分及び11月分、当月の12月分の3か月分のほかに、支払期日未到来の平成17年3月分までの計6か月分の定額報酬を天引きすると言われ、合計189万円及び成功報酬を差し引かれ、同年12月29日に被控訴人Y4社から1000万円、被控訴人Y5社から1000万円の貸付けを受けた(乙9の1、10、19の4、22の1、証人E、被控訴人Y3本人)。このように、本件各アドバイザリー契約は、貸付と一体のものであり、貸付けそのものの報酬と位置づけられており、本件アドバイザリー契約1についても、アドバイザリー契約証書(乙8)に定められるような実体を備えたものではなかった(この点につき、原判決27頁19行目から同28頁17行目までを引用する。)。
(ケ) 本件各貸付けのうち、被控訴人Y4社の平成16年9月27日の1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円、同じく被控訴人Y4社の平成19年4月27日の1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円、被控訴人Y2社の同年6月26日の1000万円の貸付けに係る成功報酬52万5000円が、それぞれ貸金元本から天引きされているにもかかわらず、これらの報酬額について本件アドバイザリー契約1に基づき成功報酬を取得すべき被控訴人Y6社には入金されていない(甲10の1、乙26の3、26の11)。また、被控訴人Y2社の平成20年3月6日の1500万円の貸付けに係る成功報酬78万7500円については、被控訴人Y6社が33万7500円、被控訴人Y5社が45万円をそれぞれ受領する取決めになっていたが、これに反して、78万7500円全額を被控訴人Y6社が取得している(甲10の1、乙26の36、28の5)。
(コ) 当審における文書提出命令を受けて提出された被控訴人法人らの決算報告書から判明する事実
a 被控訴人Y1社の第1期(平成17年10月24日から平成18年6月30日)の決算報告書によると、めぼしい資産は1072万円余の車両のみであり、その取得原資として、社債1300万円が発行されている(甲24の1)。被控訴人Y1社の第2期(平成18年7月1日から平成19年6月30日)の決算報告書によると、控訴人X1社に対する貸付金として4000万円が記載され、その原資として社債5000万円が発行されている(甲24の2)。
b 被控訴人Y2社の第1期(平成18年6月30日から平成19年5月31日)の決算報告書によると、控訴人X1社に対する貸付金として1000万円、被控訴人Y6社に対する貸付金として6000万円が記載され、その原資として社債1億0500万円が発行されている(甲25の1)。
c 被控訴人Y4社の第9期(平成19年1月1日から平成19年12月31日)の決算報告書によると、期首現在の繰越損益金は903万円余の欠損であり、期末においても802万円余の欠損となっており、控訴人X1社に対する一時2000万円に達する貸付金の原資は不明である(甲26の1)。被控訴人Y4社は、平成19年11月26日に控訴人X1社に対し1000万円を貸し付けており、期末にはこの貸金があるはずであるが、上記決算報告書にはその記載はなく、同期間における平成19年4月27日の1000万円、同年8月8日の1000万円の貸付けにかかる利息収入の記載もない(甲26の1、乙19の11・12、20の13)。
d 被控訴人Y5社の第2期(平成17年7月1日から平成18年6月30日)の決算報告書によると、控訴人X1社に対する貸付金として2500万円、被控訴人Y6社に対する貸付金として7500万円が記載され、その原資として社債9500万円が発行されている(甲27の1)。
e 被控訴人Y6社の第9期(平成17年7月1日から平成18年6月30日)の決算報告書によると、期首現在の繰越損益金は1478万円余の欠損であり、期末においては1619万円余の欠損となっており、被控訴人Y5社からの短期借入金として7500万円が記載されている(甲28の1)。
(サ) 上記(コ)のとおり、被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社は、それぞれ多額の社債を発行しているところ、その社債の引受人が被控訴人Y3または被控訴人法人らである場合には、被控訴人ら間で資金が循環していることとなる。当裁判所は、控訴人の申立てに基づき、被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社に対し、各社債にかかる社債原簿その他社債の引受先を示す文書につき提出を命じたが、同被控訴人らはこれに従わない。したがって、民事訴訟法224条により、上記三社の各社債引受人は被控訴人Y3又は被控訴人法人らであり、控訴人らが主張するとおり、その限りで被控訴人ら間で資金が循環しているものと認めることができることになる(この点については、エ(イ)で敷衍する。)。
ウ  法人格が否認されるためには、法人格の形骸化または法人格の濫用のいずれかに該当することが必要である。ここでいう法人格の形骸化とは、法人格が全く形骸にすぎない場合をいい、法人とは名ばかりで会社が実質的には株主の個人営業である状態、または、子会社が親会社の営業の一部門に過ぎない状態がその典型であると解される。このような法人格の形骸化の判定のためには、株主が当該法人を実質的に支配していることに加えて、①会社財産と支配株主等の財産の混同(営業所や住所の共有、会計区分の欠如等)、②会社と支配株主等の業務の混同(外見による区分困難、同種事務の遂行等)③株主総会・取締役会の不開催、株券の違法な不発行など会社法、商法等により要求される手続の無視、不遵守といった徴表がみられるかどうかに着目することが相当である。また、法人格の濫用とは、法人格が、株主個人又は親会社により意のままに道具として支配され(支配要件)、その法人格を利用することにつき、支配者に違法または不当な目的(目的要件)がある場合をいうものと解される。
エ(ア)  以上の判断枠組のもとに、被控訴人法人らの法人格が形骸化しているか、または被控訴人Y3により被控訴人法人らの法人格が濫用されているかを判断する。上記に説示したとおり、法人格否認の前提要件としては、法人格の形骸化または法人格の濫用のいずれかで足りるのであるが、本件においては、同一の事実がいずれの徴表としても評価される面があることから、まず、上記イに認定した事実のうち、法人格の形骸化による法人格否認との評価を導く重要な間接事実について考察していくことにする。
そのような観点からみて、本件における重要な間接事実は、次のように整理される。
① 被控訴人Y5社、同Y1社及び同Y2社は、いわゆるタックスヘイブンで資金調達の斡旋等を目的として、平成16年9月から平成18年6月にかけて設立された資本金をそれぞれ1000米ドル、100米ドル、1米ドルとするペーパーカンパニーであり、いずれも本店所在地に営業の実体がない(上記イ(ア))。
② 被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社の唯一の出資者及び日本における代表者は、いずれも同Y3であり、被控訴人Y6社の唯一の取締役が同Y3で、その唯一の出資者は、同Y3と生計を共にする妻である。被控訴人Y1社、同Y2社、同Y5社、同Y6社及び同Y4社のいずれもが、その日本における支店や本店の所在地が同Y3と密接な関係のある場所にあるとされるが、同所にこれらの法人の実体のある営業所は存在しない(上記イ(イ))。
③ 被控訴人Y4社は、近年においては新規投資は実施されず、実質的に休止に近い状況にあり、現在の本店所在地は、名前を置いているだけで、専従の従業員の常駐はなく、常時業務に携わっている役職員はいない。被控訴人Y3は、株式の20.7%を保有する筆頭株主であり、かつ、取締役である(上記イ(ウ))。
④ 被控訴人Y4社において、平成13年3月22日に取締役会が開催された以外、被控訴人法人らにおける取締役会、株主総会等が開催された事実は証拠上認められない(上記イ(エ))。
⑤ 被控訴人法人らは、被控訴人Y3の税務対策上、○○の事業を転々と移していたが、事業が他の被控訴人法人らに移されたにもかかわらず、被控訴人Y6社から○○のスタッフ数名に対し、一定の金員が支払われるなど業務の混同がみられる(上記イ(オ))。
⑥ 被控訴人Y3は、被控訴人法人らを利用し、本件各貸付けにつき、貸主を始め、貸付けの準備、貸付けの実行及び貸付金の回収に至るまで一連の過程を一人で決定し、実行していた(上記イ(キ))。
⑦ 本件各アドバイザリー契約に基づく成功報酬の入金処理が、被控訴人Y6社にされていなかったり、まとめてされているなど、被控訴人法人ら間の財産の混同がみられる(上記イ(ケ))
⑧ 被控訴人Y4社の事業目的には資金調達の斡旋や貸金業はなく、平成16年当時、活動休止状態にある。第9期(平成19年1月1日から平成19年12月31日)の決算報告書上、期首現在の繰越損益金は903万円余の欠損があり、平成16年中における控訴人X1社に対する一時2000万円に達する貸付金の原資が全く不明である上、平成19年11月26日の控訴人X1社に対する1000万円の貸付けについての記載がなく、同期間における控訴人X1社に対する貸付けの利息収入の記載もない(上記イ(ウ)、(コ)c)。
⑨ 被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社は、同被控訴人らが発行した各社債の引受先を示す文書につき、裁判所から提出を命じられたにもかかわらず、これを提出しなかった(上記イ(サ))。
(イ) 以上の重要な間接事実のうち、①②③⑥⑦から被控訴人Y3が被控訴人法人らを実質的に支配していたことが推認される上、両者の財産の混同があることの徴表と認められる。また、⑤は被控訴人法人らの業務の混同の徴表であり、④は会社法、商法等により求められる手続の不遵守の、⑧は企業会計上求められるルール無視の徴表であると認められる。また、⑨は訴訟上の事実であるが、このことから上記説示(イ(サ))のとおり、被控訴人Y1社、同Y2社及び同Y5社の各社債引受人は、被控訴人Y3または被控訴人ら法人であるとの事実(被控訴人ら内で資金が循環している事実)が認定できることになる。さらに、提出された被控訴人法人らの決算報告書(甲24ないし28。枝番あり)等には、被控訴人法人らがこれらの社債を有している記載がないことからすると、各社債の引受人は被控訴人Y3であったものと推認するのが相当である。そうすると被控訴人ら間では被控訴人Y3を中核として、資金が循環し、それにより被控訴人らの財務が混同していると評価すべきものと解される。
以上によれば、本件事実関係の下においては、被控訴人Y3が、被控訴人法人らを完全に支配しているとみられるところ、①ないし⑧の事実及び⑨から導かれる事実は、いずれも法人形式を無視する徴表であると評価すべきであるから、被控訴人法人らの法人格は形骸化しているというべきである。
したがって、控訴人らとの間においては、被控訴人法人らの法人格を否認した上、本件各貸付けについて考えていくのが相当である。
(ウ) 法人格否認の法理を適用するためには、以上のとおりの判断で必要十分なのであるが、本件における当事者の攻撃防御方法の展開の過程にかんがみて、法人格の濫用についても判断を示しておくことにする。
本件において、法人格の濫用との評価を導くための支配要件を充たすことについては、上記(イ)に説示したとおりである。そこで、目的要件の有無について判断する。
目的要件を判断するための重要な間接事実は次のように整理される。
① 被控訴人Y3は、平成16年2月に控訴人X1社からの資金繰りの協力要請を受けて、同月25日に被控訴人Y4社との間の金銭消費貸借契約を締結させたが、当時被控訴人Y4社は休眠中であり、控訴人X1社に対し、1000万円もの金員を貸し付ける原資を有していたとは考え難く(上記イ(ウ)、(コ)c)、融資金は被控訴人Y3又は同Y6社にて用意したうえ、控訴人X1社に貸し付けたものと推認される。
② 被控訴人Y3は、控訴人X1社からの融資の申込みが頻繁となった時期に貸金事業を事実上の目的として被控訴人Y5社、同Y1社及び同Y2社を設立したとみる余地がある(上記イ(ア))。
③ 本件各貸付けについては、すべて被控訴人Y3のみが関与し、貸主を誰にするかを決定していたのであるから(上記イ(キ))、被控訴人Y6社及び同Y5社がこれを斡旋する必要はなかったにもかかわらず、両社が斡旋したとして成功報酬を差し引いていた。
④ 被控訴人Y3は、平成16年12月ころ、貸付けとアドバイザリー契約は一体であり、元本及び利息の支払が完済されるまで定額報酬は支払わなければならないと述べ、実際に定額報酬分を差し引いた(上記イ(ク))。
以上の①ないし④の事実によれば、被控訴人Y3は、平成16年2月以降、控訴人X1社と貸金取引をするについて、本来の利息以外に定額報酬及び成功報酬を得る目的で被控訴人法人らの法人格を利用したものと推認され、特段の事情のない限り、利息制限法の規定を潜脱する不当な目的があったものと解するのが相当である。本件においては、特段の事情について認めるに足りる主張立証はないから、被控訴人Y3は、被控訴人法人らの法人格を濫用したものというほかない。
なお、本件にみられる被控訴人ら相互の関係と実態にかんがみると、被控訴人Y3の本件各貸付けに係るビジネスは、構造的に法人格を濫用する違法なものと評価される余地があることを付言する。
オ  以上によれば、控訴人らとの間においては、被控訴人法人らの法人格を否認したうえ、すべて被控訴人Y3と同一視するのが相当であることになる。
そして、本件における法人格否認の効果として、控訴人X1社と被控訴人Y6社及び同Y5社との間の本件各アドバイザリー契約、控訴人X1社と各貸主との間の本件各貸付けは、いずれも控訴人X1社と被控訴人Y3との間に生じたものとみることができる。そして、本件アドバイザリー契約1は、前記説示のとおり、アドバイザリー契約証書(乙8、12)に定める実体は備えていなかった上、本件各アドバイザリー契約の報酬は、本件各貸付けに関するものであって、その実質は利息とみなすことが相当の性質のものと解すべきである。さらに、上記に説示したとおり、被控訴人らの間には資金が循環している事実が認められるから、被控訴人Y6社、同Y5社の取得した報酬は、同Y3に還流していることが推認され、これを利息制限法3条のみなし利息に当たると解することが相当である。
また、実質的な支配者が運営する複数の関連会社の法人格が否認される場合には、支配者のほか、複数の関連会社の全員が一体となって形骸化している法人格及び濫用された法人格による利益を享受しているとみることができるから、複数の関連会社がそれぞれ支配者個人と連帯債務関係に立つと同時に複数の関連会社全体が支配者個人を介して、全員が一体となって連帯債務関係に立つと解すべきである。
(2)ア 控訴人らは、被控訴人Y3らは、控訴人X1社の資金繰りに窮している状況を認識した上で、本件各アドバイザリー契約を本件各貸付けの基本契約と同視し、約4年間に渡り本件各貸付けを行い、本件各貸付けが、従前の貸付けの切替え及び貸増しとして、長年にわたり同様の方法で反復継続して行われたものであることから、本件各貸付けの当事者間に借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には、当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当することの合意があると解することができる旨主張する。
イ  そこで判断するに、上記(1)に認定判断したとおり、控訴人X1社との間においては、被控訴人法人らの法人格は否認され、本件各アドバイザリー契約及び本件各貸付けは、いずれも控訴人X1社と被控訴人Y3との間に生じたものとみることができるところ、被控訴人Y3は、本件各アドバイザリー契約の締結により、控訴人X1社に対し、同社から資金繰りの都合による借入れの相談を受けた場合には、これに応じる義務を負っていたこととなる。
また、上記(1)に認定し判断したとおり、①被控訴人Y3が、平成16年2月の時点で控訴人X1社から資金の融資先の紹介を求められたのに対し、被控訴人Y4社からの借入れを勧め、平成16年2月25日に1000万円の借入れをさせた時点において、被控訴人Y3は、第三者を融資先として斡旋するのではなくて、自身の意のままとなる被控訴人法人らの法人格を利用して控訴人X1社との間に自ら本件各貸付けをし、以降、平成20年2月20日の被控訴人Y1社及び同年3月6日の被控訴人Y2社との間の本件金銭消費貸借契約1及び2まで、控訴人X1社から借入れの申し入れを受ける都度、被控訴人Y4社、同Y1社、同Y2社及び同Y5社の法人格を利用して控訴人X1社との間に本件各貸付けが実行されたものであること、②本件貸付けの実際は、控訴人X1社が弁済期目を満期とする約束手形を差し入れる方式であることから、手形の満期日に接着した期日に新たな借入金が必要となることが予測され、実際に満期日後間もない時期に再度貸付けが行われることが繰り返されており、実質的に従前の貸付けの切替え及び借増しであると評価されること、③本件貸付けの際に取り交わされた契約書はいずれも同一の書式のものが使用され、利率も年15%、損害金も年29%と同一であり、貸主を始め、貸付けの準備、貸付けの実行及び貸付金の回収に至るまで一連の過程は、控訴人X1社と被控訴人Y3との間で、すべて同一の手順で行われていたこと、④被控訴人Y3は、控訴人X1社からの借入れの申し入れを拒絶したことがないこと(弁論の全趣旨)を総合考慮すると、控訴人X1社と被控訴人Y3との間において、黙示の金銭消費貸借の基本契約が締結され、本件各貸付けが実行されたものと解するのが相当である。
そして、当事者間に金銭消費貸借の基本契約が締結され、1個の連続した貸付取引がされた場合、経験則上、当事者は、一つの貸付けを行う際に、切替え及び借増しのための次の貸付けを行うことを想定しており、複数の権利関係が発生するような事態が生ずることを望まないのが通常であるから、制限超過部分を元本に充当した結果、過払金が発生した場合には、その後に発生する新たな借入金債務に充当することを合意しているものと解するのが合理的な意思解釈であるということができる。
以上によれば、本件各貸付けの当事者である控訴人X1社と被控訴人Y3との間には、借入金債務につき制限超過部分を元本に充当したことにより過払金が発生した場合には、当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当することの合意があるものと解するのが相当である。
ウ  ところで、控訴人らは、本件において、すべての本件貸付けについて、1個の連続した貸付取引として利息制限法の制限利率超過部分の充当計算をするのではなく、貸主4社毎にそれぞれ連続した取引として制限利率超過部分の充当計算をしている。
その当否について判断するに、本件各貸付けが被控訴人Y4社、同Y1社、同Y2社及び同Y5社の法人格を利用して行われたものであること、すべての本件貸付け取引を1本として制限利率超過部分の充当計算する場合に比べて、本件各貸付けにかかる取引をこれら4社毎に取りまとめた場合の方が、過払金の発生額が少なくなり、被控訴人らにとって有利となるものであることを考慮すると、控訴人らの上記の貸主4社毎の充当計算も許されるというべきである。
以上に基づき、本件各貸付けにかかる取引をこれら4社毎に取りまとめ、制限利率超過部分の充当計算をすると別紙2-1ないし4「利息制限法による引き直し計算表」のとおりとなる。すなわち、各貸主との取引終了時点における各過払金及び未収利息は、被控訴人Y4社については、過払金元本2894万1925円及び未収利息39万2339円、同Y5社については、過払金元本1411万7041円及び未収利息2万5005円、同Y1社については、過払金元本1779万9811円及び未収利息1万0027円、同Y2社については、過払金元本379万0100円となる。他方、控訴人X1社は、被控訴人Y1社に対し、本件金銭消費貸借契約1に基づく借入金債務として、別紙3「手形未決済分の借入金残金一覧表」記載のとおり、平成20年6月10日の時点で元本残金1407万1552円を負担し、また被控訴人Y2社に対し、同表記載のとおり、本件金銭消費貸借契約2に基づく借入金債務として、同年7月3日の時点で元本残金1411万8150円を負担している。
エ  控訴人X1社は、上記の各貸主との取引終了時点の各過払金元金及び各未収利息を単純に合計した過払金返還請求権6507万6248円をもって、上記の本件金銭消費貸借契約1及び2にかかる借入金債務とを対当額にて相殺した(相殺の意思表示は平成20年6月16日付け内容証明郵便により、そのころ被控訴人らに到達している。乙36)として、これを差し引き残3688万6546円及びこれに対する相殺の意思表示をした日の翌日である平成20年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求めている。
そこで判断するに、本来は、上記各過払金残元本に対する各取引終了日から相殺の意思表示をした日までの経過利息が発生しているのであるから、これを算出した上で差し引き計算をすることも可能である。しかし、そのような計算をした場合には、相殺後の残過払金元本は多くなるのであるから、控訴人X1社の請求は、本来あるべき債権の一部請求として許されるものというべきである。
(3) 小括
以上によれば、控訴人X1社が、被控訴人らに対し、連帯して、3688万6546円及びこれに対する平成20年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求める(主位的請求)のは理由があるから認容すべきであり、被控訴人Y1社が、控訴人らに対し、連帯して、1568万8524円及びうち1500万円に対する平成20年6月11日から支払済みまで利息制限法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払を求め、被控訴人Y2社が、控訴人らに対し、連帯して、1573万7704円及びうち1500万円に対する平成20年7月4日から支払済みまで利息制限法所定の制限額である年21.9%の割合による遅延損害金の支払を求めるのは、いずれも理由がないから棄却すべきである。
3  結論
以上によれば、控訴人X1社の第1審第2事件の主位的請求は、理由があるから認容すべきであり、被控訴人Y1社及び同Y2社の請求は、理由がないから、いずれも棄却すべきである。
したがって、これと異なる原判決は一部失当であって、控訴人らの控訴は理由があるから、原判決を上記のとおり変更することとし、被控訴人Y1社、同Y4社、同Y2社及び同Y5社の控訴は理由がないから、いずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 加藤新太郎 裁判官 柴田秀 河田泰常)

 

(別紙)1~3〈省略〉

 

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