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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(194)平成24年 9月12日 東京地裁 平23(ワ)16442号 売買代金返還請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(194)平成24年 9月12日 東京地裁 平23(ワ)16442号 売買代金返還請求事件

裁判年月日  平成24年 9月12日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(ワ)16442号
事件名  売買代金返還請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2012WLJPCA09128010

要旨
◆原告が、被告から未公開株式を買い受けたが、被告は実際には株式を所有していなかったから、被告の詐欺によるものであるとして上記売買契約を取り消す、あるいは、同契約は錯誤により無効であると主張し、主位的には不当利得返還請求権に基づき、上記代金の返還を求め、予備的には詐欺の不法行為による損害賠償請求をした事案において、被告の行為を不法行為とみることは困難であるが、原告による投資の究極の目的がキャピタルゲインの獲得にあったとしても、本件契約に係る本件念書の内容と実際の状況等に大きな差異がある以上、原告には要素の錯誤があったというべきであるとして、原告の主位的請求を認容した事例

参照条文
民法95条
民法703条
民法709条

裁判年月日  平成24年 9月12日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(ワ)16442号
事件名  売買代金返還請求事件
裁判結果  認容  文献番号  2012WLJPCA09128010

千葉市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 阿部正博
東京都世田谷区〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 熊谷真喜
同 高谷裕介
同 小俣健三郎

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,320万円及びこれに対する平成23年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  訴訟費用は,被告の負担とする。
3  この判決は,仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
主文と同旨
第2  事案の概要
本件は,原告が,被告から未公開株式を代金320万円で買い受けたが,被告は実際には株式を所有していなかったから,被告の詐欺によるものであるとして上記売買契約を取り消す,あるいは,それは錯誤により無効であると主張し,主位的には不当利得返還請求権に基づき,上記代金の返還を求め,予備的には詐欺の不法行為による損害賠償請求をする事案である。
1  前提事実
以下の事実は,当事者間に争いがないか,証拠により容易に認められる事実である。
(1)ア  訴外株式会社e(以下「訴外会社」という。)は,経営難に陥っている病院の再生,再建業務を主な目的とする会社であった。
イ  被告は,訴外有限会社a(以下「a社」という。)を経営していたが,その事務所は,訴外会社の事務所と同じビルの5階にあった。a社は,被告の資産管理会社であり,その持分は被告及びその親族が100%保有している(被告の持分の割合は正確には不明である。)。
また,被告は,訴外株式会社b1(旧商号は,株式会社bである。以下,時期を問わずに「b社」という。)の代表取締役であったが,b社は,平成15年9月にヘラクレス市場に株式上場をした(甲6)。
ウ  原告は,野村證券株式会社に約37年間勤務し,定年退職した後,b社の株式上場を準備するとのことから,b社の非常勤監査役に就任し,本件当時は,b社の執行役員副社長であり,その後,同社の関連会社である株式会社cの代表取締役に就任し,平成22年9月15日に退任した(甲6)。
エ  訴外A(以下「A」という。)は,山一証券株式会社に約20年勤務した後,d投信投資顧問会社(以下「d社」という。)の代表取締役をしており,原告及び被告と交流があった。(甲5)
(2)  訴外会社は株式上場を目指して第三者割当増資をしようとしていたところ,これを引き受けるためにアンビシャス-9号e投資事業組合(以下「本件組合」という。)が設立され,a社は,平成17年7月25日までに,本件組合に対し,3200万円(1口当たり払込金額32万円)を出資し,持分100口を取得した(本件組合の出資持分は,全体で305口であった)。そして,本件組合は,同月27日,第三者割当増資により,訴外会社の株式300株を9000万円(1株当たり30万円)を払い込んで取得した(以下「本件株式」という。)。(乙11ないし13)
(3)  原告は,平成17年7月25日,被告との間で下記の内容の念書(以下「本件念書」という。)を交わし,被告に対し,320万円を支払った(以下「本件契約」という。)。本件念書の文案はAが作成したものであった。(甲1,5)

被告と原告は,平成17年7月25日に被告が行った,訴外会社の「株式購入(総株式数100株,1株当り320,000円)について,以下の事項を確認したことを証するため念書を交わした。」
① 原告の購入株式数 10株(金額320万円)。
② 所有権 被告の購入した総株式の100株のうち,10株は原告の所有権とする。
③ 本株式投資に関するリスク 本株式10株の投資リスクの負担は全て原告に帰属するものとする。
④ 売却 本株式が上場した後,売却した場合は,被告の諸経費を控除し被告は原告に払うこととする。
⑤ 売却制限 被告は原告の所有権に属する株式を原告の許可無くして売却してはならない。
(4)  訴外会社は,平成18年8月期に大きな営業損失を出し,平成19年頃には事実上倒産した(乙8ないし10)。
2  争点及びこれに対する当事者の主張
(1)  本件契約を締結するに当たり,被告は詐欺行為をしたか否か
ア 原告
原告とAは,平成17年7月頃,訴外会社の株式が上場されるらしいとの情報を得,上場の可能性が強いので訴外会社の株式を是非取得したいと考えていた。そうしたところ,被告が訴外会社の代表取締役と親交があることを知り,Aは,被告に対し,同人と原告が訴外会社の株式を購入できるようにしてほしいと申し出た。これに対し,被告は,被告自身が本件株式を購入したわけでなく,これを所有しているわけでもないのに,平成17年7月中旬頃,原告に対し,本件株式のうち100株を購入し,所有している,訴外会社の株式の引受募集は既に終了している等と虚偽の事実を述べ(以下「本件欺罔行為」という。),これを信じたA及び原告が被告所有の株式のうち各10株を譲渡してほしい旨を申し出たところ,これを承諾し,同月25日,原告との間で,被告が所有する本件株式のうち10株を代金320万円で売買する旨の本件契約をした。そこで,原告は,同日,被告に対し,320万円を支払った。
このように本件契約は本件欺罔行為によるものであるから,取り消す。(後記イの被告の主張に対する認否)
「一口乗らせてほしい」と申し出たことはなく,株式を譲渡して欲しいと申し出たものであり,被告は,既に本件株式100株を購入して保有していること,引受募集は既に終了していると説明した。
被告は,株式投資のベテランであり,未上場会社の株式取得及び投資事業組合への出資を数多く手がけてきており,投資事業組合に出資してその出資口数を保有することと,株式自体を保有することがほぼ同義であると認識するはずはない。まして,Aは,同年7月20日,被告が購入し保有している本件株式10株は本当に株式かと確認したところ,被告は,株式であると回答しているのである。
イ 被告
本件契約及び原告が320万円を支払ったことは認めるが,本件欺罔行為は否認ないし争う。「被告自身が訴外会社の株式100株を購入した」とAに言ったことはなく,また,Aから被告が購入し保有している本件株式10株は本当に株式かと確認されたこともない。
被告は,自らが経営するa社及びa社の出資先である本件組合を通じて本件株式を間接的に保有していた。これに先立ち,Aは,被告に対し,訴外会社の株式は将来有望なので,是非取得したい,被告が第三者割当増資に参加するならば,自分や原告も一口乗らせて欲しい旨を申し出ていた。これに対し,被告は,前記のように間接的に本件株式を保有することと被告自身が本件株式を保有することはほぼ同義であると認識していたため,誤った事実を伝えるという認識を持たず,近いうちに被告自身が訴外会社の株式を1株30万円で約100株引き受ける予定である旨の回答をした。この回答を受けて,A及び原告は,被告に対し,A及び被告がそれぞれ訴外会社の株式10株分の対価を被告に支払うので,もし訴外会社の株式が上場し,キャピタルゲインを取得できた場合には,10株分のキャピタルゲインに相当する額から諸経費を控除した残額を自分たちに支払って欲しい,訴外会社の株式が上場されなかった場合のリスクは自分たちが負担するなどと申し入れた。被告がこの申し入れを承諾したため,Aは,平成17年7月25日,自己が起案した本件念書を持参し,被告は,上記の内容が反映されているものと判断して,押印した。
このように本件契約の実態は,売買契約ではなく,被告を営業者として原告が320万円の出資をし,被告がその経営するa社及び本件組合を通じて本件株式を間接的に保有することにより得た利益を,原告に分配するという,商法上の匿名組合契約とみるべきである。そして,このような本件契約の性質に加え,訴外会社の株式が上場されず,原告が損失を被ったとしても,投資リスクは原告が負うものとする本件念書3項からすれば,訴外会社の事実上の倒産による不利益は原告が負担すべきである。
そして,被告が直接本件株式を所有しておらず,間接的に保有していたに過ぎなかった点を本件念書に反映させなかった点をもって欺罔行為であるとすることはできない。被告は,本件株式を間接的に保有することと被告自身が所有することに差異はないと認識していたにすぎず,詐欺の故意はない。また,被告の説明内容が厳密に法的にみれば誤っていたにしても,実質的にみれば被告が本件株式の一部を保有しているということも可能である上,本件契約の重要な点は,本件株式が訴外会社の株式上場によって値上げした場合に,その売却益を原告が取得するという点にあるのであって,法的にみて誰が本件株式の所有者であるかは本件契約の重要な要素ではない。したがって,被告が直接に本件株式を所有しているという,事実と異なる説明がされたとしても,この説明をもって違法行為であるとすることはできないし,それによって原告の出資に係る判断を誤らせたという因果関係はない。
(2)  本件契約を締結するに際し,原告には要素の錯誤があったか否か
ア 原告
本件念書の各文言を素直に解釈すれば,その内容は,被告が保有する総株式数100株のうち,原告が10株を320万円で購入し,その10株について原告が所有者となるというものであるから,本件契約は株式の売買契約である。被告は,原告が取得する10株について原告の許可なく売却してはならないこと(本件念書⑤),10株の投資リスクは当然に原告が負担すること(本件念書③),株式が上場した後に売却したときは,10株の売却代金を被告の経費を控除して原告に支払うこと(本件念書④)は,いずれも本件契約が株式の売買であることを確認したものである。このように,原告は,現物の株式売買であるとの前提で本件契約を締結したが,被告は実際には本件株式を所有していなかったのであるから,要素の錯誤がある。原告が株式上場によるキャピタル・ゲインの獲得を目的として本件契約を締結したとしても,株式売買と匿名組合類似の契約とでは大きく異なるから,錯誤が否定されるものではない。
イ 被告
本件念書締結当時,原告の関心は,訴外会社の株式上場によるキャピタル・ゲインの獲得のみにあり,実際に訴外会社の株式を取得することについては全く関心がなかったのである。すなわち,本件念書においては,株主名簿の名義を書き換えた上で,議決権等の共益権を行使したり利益配当を受けることは予定されていないし,原告と被告との間では,本件以前にも投資事業組合を通じた投資を共同でし,名義人と実質的な利益の帰属主体を分離する取引をしたこともあり(甲2),原告は,キャピタルゲインの帰属主体を自己とすることを目的として本件契約をしたものである。すなわち,本件契約の実態は,被告を営業者として原告が出資し,被告がその経営するa社及び本件組合を通じて本件株式を間接的に保有することにより得た利益を,原告に対して分配するというものであり,商法上の匿名組合契約類似の契約とみるべきであり,本件契約が匿名組合契約類似の契約である以上,売買目的物である株式の所有権者が誰であるかは問題とならない。したがって,原告は,現物の株式売買でなければ,本件契約及びそれに基づく投資をしなかったとはいえず,その錯誤の主張には理由がない。
第3  当裁判所の判断
1  事実関係について
前提事実に証拠を総合すれば,以下の事実を認めることができる。
(1)  Aは,平成16年2月頃,原告と知り合いとなり,また,d社の代表取締役として,被告とも取引があった。すなわち,d社は,多数の会社の資金調達のために,その会社の株式の引受の募集をしたり,その会社に投資をするための投資事業組合を設立して出資を集めるなどしていたところ,被告ないしa社も,Aが業務執行組合員となっている投資事業組合に出資をしたり,Aが紹介した第三者割当増資を引き受けたりしたことがあった。(甲5,証人A)
(2)  原告は,本件以前にも被告を通じて投資をしたことがあった。すなわち,原告と被告は,平成16年11月1日ころ,被告の名義でナレッジファンド5号投資事業組合に対し,100口,3630万円を出資することにし,原告がそのうち10口分を出資することとなり,「甲(注:被告を指す。)及び乙(注:原告を指す。)は,甲名義により下記組合に出資することを確認する。」,「甲及び乙は,前条の組合出資のうち10口については,その実質的所有者は乙であることを確認する。」等の記載がある「確認書」を作成した(以下「出資確認書」という。)。(甲2,3,原告本人)
(3)  Aは,原告を介して被告とも親しく付き合うようになり,平成16,17年ころ,b社の社外取締役に就任し,被告から未公開株式への投資について相談を受けるなどしていた。被告は,投資家協会の会長であった訴外B,Aや原告とよく飲食をしたり,株式投資の話をしていたが,飲食代等は資産家である被告が負担していた。被告は,平成17年7月頃,宴席において,訴外Bから訴外会社の増資の話題が出たことから,「e社の株式を買った。野村證券も増資に応じたので有力だ。」と話したところ,Aがこれに強い関心を示したので,「株の引受募集は終わっているから,自分の買った株を2人に分けてやろうか。Xさんと2人に10株ずつ分けてやってもいいよ。」と述べた。そこで,Aは,原告と協議し,訴外会社の株式上場が近いと判断して,被告から10株ずつ購入することとし,被告にその旨を申し入れた。これに対し,被告は,被告が訴外会社の株式100株を1株32万円で購入していることから,A及び原告に対し,各10株を320万円で譲ると返答し,合意書(本件念書)の文案は,Aと被告間及び原告と被告間の合意書として利用できるように共通の文案をAが作成することとなった。(甲5,証人A,被告本人)
(4)  そこで,Aは,同人がこれまでに行ってきた念書売買の書式を利用して本件念書の文案を作成し,原告が被告から訴外会社の株式10株を代金320万円で購入する現物株式の売買契約の趣旨で本件念書の文案を作成し,事前に被告にメールで送付した。Aの認識では,念書売買とは,現物の株式を譲渡するが,株式の名義書換はせずに,念書で権利関係を確認して売買をすることを意味していた。そして,平成17年7月25日,a社の社長室において,Aと被告は本件念書の文案に署名押印し,Aは,被告に対し,320万円を交付した。(甲5,証人A)
(5)  被告は,投資事業組合を通じた未公開株投資と未公開株式の直接の購入とが法的に違うことは十分に理解していたが,株式上場がされたらキャピタルゲインを取得して儲かることに代わりはないという考え方から,厳密に両者を区別する必要を感じていなかったし,a社は自分の会社であるから,自分個人の資産とも厳密には区別していなかった。そのため,被告は,Aに対し,a社は本件組合に出資しているのみで,被告個人は現物の株式を取得しているわけではないということを説明せず,あたかも被告個人が訴外会社の未公開株を取得しているかのような説明をした。また,被告は,現物株式であろうと投資事業組合への出資であろうと儲かれば同じという考えであったため,Aが現物株式の売買契約との前提で作成した本件念書の文案にも何ら異議を述べなかった。(乙13,被告本人)
(6)  訴外会社は,平成17年当時は有望な会社と評価されており,平成18年7月1日現在の株主には,全国保証株式会社,三井物産株式会社,みずほキャビタル株式会社,ニッシン債権回収株式会社,東京建物株式会社,第一生命キャピタル株式会社などがいた。本件組合は,平成17年7月27日に,組合財団総額9760万円のうち,9000万円を出資して訴外会社の株式300株(1株30万円)を取得した。ところが,平成18年11月頃,訴外会社に多額の簿外債務があることが判明し,株式上場が困難となった。この簿外債務の存在は訴外会社のCが主導したものであって,訴外会社の常務取締役であったDですら知らなかったものであるから,一般投資家がこれを知ることは困難であった。そして,訴外会社は,平成19年頃には事実上倒産した。(甲7,乙5ないし10)
(7)  Aは,平成19年4月2日頃,訴外会社の株式の件が気になり,友人を通して訴外会社の株主名簿を手に入れたところ,被告個人の名前が株主として記載されていなかったことから,E弁護士に問題の解決を依頼した。そして,E弁護士は,被告に対し,内容証明郵便をもって,訴外会社の現物の株式を譲渡したのに,被告の名前が株主名簿にないが,事情を説明するように求めたところ,同年8月頃,被告は,Aに対し,320万円全額を返還した。そして,Aは,同年10月ないし11月頃,原告に対して,上記の経緯を説明したが,原告は,b社の関連会社の代表取締役をしていた関係で,直ちに320万円の返還は求められない立場にあると回答した。(甲4,7,証人A)
2  詐欺行為の有無について
前記認定事実によれば,被告は,現物株式の売買と投資事業組合への投資が法的に異なることは十分理解していたのに,Aに対し,あたかも被告個人が訴外会社の株式100株を取得するかのような説明をしていたことは事実である。
しかし,これはキャピタルゲインで儲ければ同じという被告固有の考え方によるものであって,詐欺行為とまで評価できるものではない。前記認定によれば,訴外会社は他の一部上場会社も投資するような評価の高い会社であったこと,被告の個人会社であるa社は,訴外会社の株式300株を有する本件組合の出資持分305口のうち100口を保有していたこと,被告は資産家であって,他人を欺罔して金銭を取得する動機は全くなく,むしろ,Aや原告に対する好意から儲け話を紹介したとみられることに照らすと,詐欺行為とみることは困難である。
したがって,詐欺をいう原告の主張には理由がない。
3  錯誤の有無について
(1)  本件契約は,現物株式の売買契約とみるべきであり,これを匿名組合契約類似の契約であるとする被告の主張は,採用できない。
ア たしかに,被告自身は,現物の株式の売買契約であろうが,投資事業組合に対する出資であろうが,キャピタルゲインで儲けるという点で同じであると考えていたと認められるが,それは,被告の個人的な考え方にすぎず,A及び原告の認識ではなく,本件契約の内容は,当事者がその内容を認識した上で,署名押印した本件念書によって定めるほかない。
イ 本件念書では,冒頭で,被告が行った訴外会社の「株式購入(総株式数100株,1株当り320,000円)について,以下の事項を確認したことを証するため念書を交わした。」として,被告が訴外会社の現物株式100株を保有することが前提となる合意であることが明示されており,原告の「購入株式数 10株(金額320万円)」,「所有権 甲(注:被告)の購入した総株式の100株のうち,10株は乙(注:原告)の所有権とする。」,「売却制限 甲は乙の所有権に属する株式を乙の許可無くして売却してはならない。」とある記載からすると,現物株式の売買契約であることは明らかである。
ウ そのことは,原告と被告の間で締結された匿名組合類似の契約である出資確認書(甲2)の文言と対比すれば明白である。原告も被告も数多くの投資を経験しており,投資事業組合への投資も現物株式の購入も熟知しており,両者の違いは理解していたのであるから,本件契約が現物株式の売買であることは十分に認識していたとみられる。
(2)  そして,被告は訴外会社の株式100株を所有しておらず,本件念書で明示されている前提事実と異なる。また,本件株式の間接的な所有という点についても,本件組合に対する出資者は被告個人ではなくa社であって,a社は被告が支配する会社ではあるが,被告が出資持分の100パーセントを有するわけではないから(乙13),問題がある。さらに,a社が本件株式300株を保有する本件組合の出資持分305口のうち100口を有するにすぎないから,300÷305×100=98.36しか本件株式を実質的に所有していない点でも,異なっている。本件念書において予定されている売却時の「諸経費」は,証券会社に支払う手数料が想定されていると考えられるのに対し,本件組合の場合には,業務執行組合員の通常の報酬(乙12の27条1項),20パーセントの成功報酬(乙12の27条3項)やその他の費用が差し引かれる(乙12の23条1項)ので,投資家の得られる利益には大きな差がある。さらに,本件念書では,株式の売却には原告の同意が必要であるが,本件組合では株式売却の時期は業務執行組合員が決定し,投資家はこれに異議を述べることができない(乙12の13条,14条)のであって,この点でも明確に異なっている。
上記のような重大な差異がある以上,原告による投資の究極の目的がキャピタルゲインの獲得にあったとしても,原告には要素の錯誤があったというべきである。
(3)  本件念書を作成したAが錯誤を主張して代金320万円全額の返還を求めたのに対して,被告はこれに応じたのであるから,本件についてのみ,錯誤を否定しても説得力を欠くものといわざるを得ない。そうすると,本来原告が負うべき投資リスクを被告が負う結果にもなるが,それは被告が客観的事実と異なる本件念書を,そのことを意識しながら締結したことによるものであって,やむを得ない。
(4)  本件契約に要素の錯誤があるとする原告の主張には理由がある。
4  以上によれば,原告の請求は理由があるのでこれを認容することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,仮執行の宣言につき同法259条1項を各適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 齊木敏文)

 

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