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判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(147)平成26年 3月13日 東京地裁 平23(ワ)40755号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(147)平成26年 3月13日 東京地裁 平23(ワ)40755号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成26年 3月13日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(ワ)40755号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA03138010

要旨
◆原告が、原告と業務委託契約を締結していた被告会社、被告会社の代表取締役であり、原告の経理を担当していた被告Y2及び原告の取締役であった被告Y1が共同して、被告会社の利益を図るため、原告の口座から正規の業務委託費等の支払以外に違法に金員を引き出して被告会社に送金したと主張し、被告らに対し、不法行為に基づき、損害賠償を請求した事案において、本件各出金が不法行為に該当すると認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例

参照条文
民法709条
民法719条1項

裁判年月日  平成26年 3月13日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平23(ワ)40755号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2014WLJPCA03138010

神奈川県厚木市〈以下省略〉
原告 X株式会社
同代表者代表取締役 甲山A
同訴訟代理人弁護士 石井琢磨
東京都中野区〈以下省略〉
被告 Y1
山梨県南都留郡〈以下省略〉
被告 Y2
東京都豊島区〈以下省略〉
被告 株式会社Y3
同代表者代表取締役 Y2
被告ら訴訟代理人弁護士 三浦純

 

 

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
被告らは,原告に対し,連帯して,1億3198万5786円及びこれに対する平成23年9月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が,原告と業務委託契約を締結していた被告株式会社Y3(以下「被告会社」という。),被告会社の代表取締役であり,原告の経理を担当していた被告Y2(以下「被告Y2」という。)及び原告の取締役であった被告Y1(以下「被告Y1」という。)が共同して,被告会社の利益を図るため,原告の口座から正規の業務委託費等の支払以外に違法に1億1977万5786円を引き出して被告会社に送金したと主張し,不法行為に基づく損害賠償として,被告らに対し,上記の違法に出金した1億1977万5786円及び違法な出金に係る書類の偽造を立証するための鑑定に要した21万円並びにこれらの合計の約1割に相当する1200万円の弁護士費用相当額の合計1億3198万5786円の支払を求めたものである(附帯請求は,最後の不法行為の日である平成23年9月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金)。
1  前提となる事実(以下の事実のうち,証拠を掲記したもの以外は当事者間に争いがないか弁論の全趣旨により認められる事実である。)
(1)  当事者等
原告は,平成20年10月7日に設立された塗料等の販売を業務とする株式会社である。原告代表者である甲山A(以下「A」という。)は,原告の取締役である甲山B(以下「B」という。)の父親である。
被告Y1は,公認会計士であり,平成20年10月7日から平成23年10月12日まで原告の取締役であった。被告Y1は,原告の取締役に在任当時,原告において,財務を担当していた。
被告Y2は,被告会社の代表取締役である。また,被告Y2は,平成21年1月ころから平成23年9月ころまで,原告の経理を担当するために原告に雇用され,月額60万円の給与の支給を受けていた。
被告会社は,原告と業務委託契約を締結して,原告の受注管理,販売管理,労務管理及び財務管理業務等を行っていた。なお,被告会社の旧商号は,株式会社aであり,平成20年10月1日に現在の商号に変更された(甲20)。
(2)  原告の設立と被告会社への業務委託等
ア 原告代表者であるAは,原告が設立される以前,株式会社b(以下「b社」という。)の代表取締役を務めていた。また,Bは,b社の常務取締役の地位にあった。
Aは,b社の代表取締役を務めていたが,同社の株式を有していないいわゆる雇われ社長の立場にあったため,同社の株式を取得する方法や同社から営業を譲り受ける方法などにより,同社から独立したいとの希望を有していた。その独立の話には,Bも関与していた(甲52)。
被告Y1は,平成20年春ころ,被告Y1とAの共通の知人であるCの紹介により,Aと会った(甲48,乙138)。
イ 原告は,B及び被告Y1を発起人として平成20年10月7日に設立された(乙14)。
Aとb社らは,同月27日,平成21年1月1日をもって,b社の事業全般をAが設立する会社に譲渡することなどを内容とする事業譲渡に関する基本合意書を締結した(乙121)。
原告とb社は,平成20年12月19日,平成21年1月1日を譲渡日として,b社の事業を原告が譲り受ける旨の事業譲渡契約書を締結した。
ウ 原告は,被告会社に対し,原告の受注管理,販売管理,労務管理及び財務管理等の管理業務を委託し,平成21年1月の原告の業務開始以降,被告会社が原告の上記管理業務を行った(なお,この業務委託に係る業務委託料の額については,争いがある。)。
エ 原告の代表印及び通帳は,遅くとも平成20年12月以降,取締役であった被告Y1が管理していた。
(3)  原告の事務所など
原告の事務所は,神奈川県厚木市(以下,単に「厚木市」という。)に所在し,AとBは,同事務所において勤務していた(甲32,36,48,49,証人A)。
また,原告は,東京都内に所在する被告会社の事務所の一部を月額10万円で賃借し,被告Y1は,基本的に同事務所において執務を行っていた(甲48,49)。被告Y1が原告の財務担当取締役として管理する帳簿類も被告会社内の事務所で保管されていた。ただし,被告Y1は,A及びBと会議を行うために,定期的に厚木市内の原告事務所に出向いていた(甲48,証人A)。
(4)  原告から被告会社への支出等
原告の管理業務を受託していた被告会社は,別紙争点整理表の支払日欄記載の日に同名目欄記載の名目で,同入金額欄記載の金額を被告会社に対して出金する会計処理を行った(ただし,別紙争点整理表の番号71を除く。)。
2  争点及び当事者の主張
原告は,別紙争点整理表記載の被告会社への各出金は,被告Y1が原告の財務担当取締役としての地位を悪用して,原告の経理を担当していた被告Y2と共同して,被告会社の利益を図るために原告代表取締役等の承諾なく正規の業務委託費以上に違法に出金したものであって,被告らの共同不法行為に当たると主張して本件損害賠償請求をしているところ,被告らは,これらの各出金はいずれも正当な支出であって,不法行為に該当しないと主張してこれを争っている。なお,別紙争点整理表の番号71(以下,別紙争点整理表の番号に従い,「争点整理番号71」などという。)は,原告が被告会社に支払をしていない平成23年9月分の業務委託料60万円並びに同月分及び同年10月分の賃料各10万円(前提となる事実(3)記載の賃料10万円)の合計80万円に消費税を加えた84万円を相殺ないし控除するものである。
したがって,本件の争点は,別紙争点整理表記載の各出金が不法行為に該当するか否かであり,争点に関する当事者の主張は,別紙争点整理表の原告の主張及び被告の主張欄記載のとおりである。
第3  当裁判所の判断
1  争点整理番号1,2及び10に係るコンサルタント料等(以下「本件コンサルタント料等①」という。)並びに争点整理番号14,15及び25に係るコンサルタント料(以下「本件コンサルタント料②」という。)の出金について
(1)ア  原告は,本件コンサルタント料等①及び②に係る支出が違法な支出であると主張する。
イ  本件コンサルタント料等①について
前提となる事実並びに証拠(乙18の1,6,乙28から乙32まで,乙33の1から6まで,乙120,乙139,被告Y1(なお,乙29の成立の真正については後記(2)のとおり。))及び弁論の全趣旨によると,Aは,平成20年頃,b社から独立したいとの希望を持っていたこと,Aの子であるBは,同年3月頃,被告Y1に対し,Aがb社から独立するためのコンサルティングを被告Y1ないし被告会社に依頼した場合のコンサルティング料の見積もりを依頼し,被告Y1はその見積りを算出し,これをメールでBに伝えたこと,また,被告会社は,同年5月12日付けで正式な見積書を「株式会社b 常務 甲山B」宛に提出したこと,その頃,A及びBは,注文者を「株式会社b 常務 甲山B」とし,原告代表者であるAが押印した注文書(乙29。以下「乙29の注文書」という。)を被告会社宛に提出したこと,これに対し,被告会社は,注文請書(乙30。以下「乙30の注文請書」という。)をb社宛に提出したこと,被告会社から原告に対し請求書が発出され,争点整理番号1及び2に係る支出については平成20年12月22日ないし同月25日頃,争点整理番号3に係る支出については平成21年3月頃にいずれもBが銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に押印して本件コンサルタント料等①に係る出金がなされたことが認められる。そして,証拠(甲37,乙130の1,2,3,証人B,原告代表者,被告Y1)及び弁論の全趣旨によると,実際に,Y1は,会社分割の提案を行い,また,法的な問題について弁護士に相談し,事業譲渡に係る契約書を作成するなどのコンサルティング業務を行っていたことが認められる。
これらに照らすと,原告の代表者であるAは被告会社にAがb社から独立するためのコンサルティングを依頼し,原告に対するコンサルタント料の請求を受けて,原告において本件コンサルタント料等①を支出する際にBがこれを承認して出金がなされているのであるから(Bは,この支出の際に当然に支出の適否を確認の上で承認を行っているというべきである。),本件コンサルタント料等①に係る支出が違法な支出であると認めることはできない。
ウ  本件コンサルタント料等②について
証拠(乙18の10,11,乙45から48まで,被告Y1)及び弁論の全趣旨によると,原告が設立された平成20年10月7日頃,それまでのコンサルタント契約に係る業務負担を大きく超える業務を被告会社が行わなければならなかったことや被告会社の貢献度を考慮して,b社又はその事業を承継する新会社の発行済み株式の過半数を原告が指定する者が取得する取引に係る助言及び契約書作成等を原告が被告会社に委託して,平成21年4月時点でb社が持つ営業権その他権利一切を原告へ継承することの成功報酬として1000万円を支払うことなどを内容とするコンサルティング契約を締結したこと,被告会社から原告に対し請求書が発出され,争点整理番号14及び15に係る支出については平成21年5月頃にいずれもBが銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に押印して本件コンサルタント料等②に係る出金がなされたことが認められる。
これらに照らすと,原告が設立後も引き続きb社から事業譲渡を受けるために被告会社によるコンサルタントが必要であったために,コンサルティング契約を締結し,本件コンサルタント料等②のうち争点整理番号14及び15に係る支出の際にはBがこれを承認し,また,争点整理番号25に係る支出は,契約によって定められた成功報酬の残金を支払うものであるから(なお,前提となる事実(2)イに照らすと,上記認定の成功の定義に該当することは明らかである。),本件コンサルタント料等②に係る支出が違法な支出であると認めることはできない。
(2)  これに対し,原告は,乙29の注文書をAやBが作成したことはないなどと主張し,原告代表者Aは,代表者尋問において,乙29の注文書を見た記憶はなく,押印をしたこともないと供述している(調書2頁から3頁参照)。また,Bも乙29の注文書を見たことがないと供述している(調書3頁から4頁)。
しかし,原告代表者Aは代表者尋問において,乙29の注文書に押印されている印影は,Aの印鑑によるものであること認めており(調書3頁参照),乙29の注文書の「株式会社b 常務 甲山B」名下の印影は原告代表者であるAの印章によるものと認められるので,その印影はAの意思に基づいて顕出されたものと推定されるというべきである。この点について,原告は,Aの印鑑が同人の机の上に置いてあるなど無防備に管理されていた状態であったことから,被告Y1がAの印鑑に接触することができたなどと主張しているが,仮に,Aの印鑑が同人の机の上に置いてあったとの事実が認められるとしても,被告Y1にAに無断で同人の印鑑を使用する機会があったことを認めるに足る証拠やそのような機会があったことをうかがわせるような証拠はないし,そもそも,平成20年の春頃にAに紹介された被告Y1が(前提となる事実(2)ア),乙29の注文書が作成された平成20年5月頃に,b社の事務所において,AやBに無断で,かつ,b社の事務員に見とがめられるなどすることなく,Aの印鑑を乙29の注文書に押印するとは考え難いから,上記推定を覆すに足るものとは認められない。
そうすると,乙29の注文書は,原告代表者によって真正に作成されたものというべきであって,原告の上記主張を採用することはできない(なお,乙29の注文書が「株式会社b 常務 甲山B」名義で作成されている点については,後記(5)で説示する。)。
(3)  また,原告は,被告Y1の助言が有償との説明を受けたことはないと主張し,これに関連して,平成20年3月頃に被告Y1とBとの間でなされたメール(乙120。以下「乙120のメール」という。)のやりとりは株式買取等,事業譲渡以外の方法を選択した場合の実費等の説明であり,コンサルティング費用の説明とは異なる旨主張し,Bも証人尋問においてこれに沿う証言をしている(調書5頁参照)。
しかし,証拠(乙120)によると,被告Y1が平成20年3月27日にBに送信した乙120のメールには,見積金額について,フェーズ1の「相手方に提出する提案書つくり」,「新設会社の株価評価」,「法務確認」について30万円から100万円,フェーズ2の「株式分割の計画策定」,「実行の指導」について50万円から70万円との説明がなされていたことが認められる。そして,上記の「相手方に提出する提案書つくり」,「新設会社の株価評価」,「法務確認」,「株式分割の計画策定」及び「実行の指導」が実費等の説明ではないことは明らかである。
したがって,Bの上記証言を採用することはできず,AやBは被告Y1からコンサルタント料についての見積りを得ていたというべきである(なお,乙29の注文書及び乙30の注文請書には,コンサルタント料の上限が250万円である旨の記載があるところ(乙29,30),この額は,乙120のメールで被告Y1がBに提示した見積りにおいて,250万円を想定するように求めたものと一致しており,被告Y1とBとの見積り等のやりとりの結果,乙29の注文書及び乙30の注文請書の作成に至ったことがうかがわれるというべきである。)。
(4)ア  さらに,原告は,Bが争点整理番号1及び2に係る銀行振込依頼書/入力伝票(乙18の1。以下「乙18の1の振込依頼書」という。)の承認欄に押印したことはないと主張し,Bは,証人尋問においてこれに沿う証言をしている(調書17頁)。
しかし,Bは証人尋問において,乙18の1の振込依頼書の承認欄に押印されている印影は,Bの印鑑によるものであることを認めており(調書17頁参照),乙18の1の振込依頼書の承認欄の印影はBの印章によるものと認められるので,その印影はBの意思に基づいて顕出されたものと推定される。この点について,原告は,Bの印鑑が原告の事務所の同人の机の上に置いてあったことから,第三者が使用することもあった状況であるなどと主張しているが,仮に,Bの印鑑が同人の机の上に置いてあったとの事実が認められるとしても,被告Y2や被告Y1にBに無断で同人の印鑑を使用する機会があったことを認めるに足る証拠やそのような機会があったことをうかがわせるような証拠はないし,被告Y2や被告Y1は,基本的に被告会社の事務所において執務していたのであるから(前提となる事実(3)),被告Y2や被告Y1が原告の厚木事務所でBの印鑑を無断で使用することは相当な困難があるというべきであって,原告の主張及びBの上記証言は上記推定を覆すに足るものとは認められない(なお,Bは,証人尋問において,被告Y1が原告の事務所の1階のミーティングルームから2階にコピーを取りに行くときに1人になったことを証言しているが(調書5頁参照),それだけでは上記推定を覆すに足るものとは認められない。)。
そうすると,Bが乙18の1の振込依頼書の承認欄に押印したというべきであって,原告の上記主張を採用することはできない。
イ  また,Bは,証人尋問において,争点整理番号10,14及び15の支出に係る銀行振込依頼書/入力伝票(乙18の6,10,11。以下「乙18の6等の振込依頼書」という。)は見たことがない旨の証言をしているが(調書19頁から20頁参照),乙18の6等の振込依頼書の押印は,Bが同人の印鑑であると認めている乙18の1の振込依頼書の印影と同一であると認められるため(乙18の1,6,10,11),上記と同様にその印影はBの意思に基づいて顕出されたものと推定される。そして,この推定を覆すに足る証拠は見当たらない。
なお,原告は,争点整理番号15の出金に係る請求書添付の活動実績は虚偽であるなどと主張しているが,同出金に係る銀行振込依頼書/入力伝票(乙18の11)は,上記のとおり,Bが出金の承認を行っていると認められるのであるから,原告の主張を採用することはできない。
(5)  なお,前記認定のとおり,乙29の注文書は「株式会社b 常務 甲山B」名義で作成されている。原告は,この点を捉えて,b社名義の注文書であり,原告が支払義務を有しないなどと主張して論難している。
しかし,この点について,被告Y1は,乙29の注文書作成当時原告がまだ設立していなかったために,便宜的にb社との間で締結することになったと説明しており(乙141(2頁参照)),また,本件コンサルタント料等①に係るコンサルタントは,前記認定のとおり,Aが独立することを希望したために行われたコンサルティングなのであるから,Aの独立の目的を達成するために設立された新会社が支払う趣旨で作成されたものというべきであって,実際にも,前記認定のとおり,Bの承認の下で本件コンサルタント料等①の支払がなされたとの事実が認められる。そうすると,乙29の注文書が「株式会社b 常務 甲山B」名義で作成されていることは上記認定を覆すに足るものとは認められない(なお,証拠(乙130の1,2,3)によると,被告Y1は,当初,b社を会社分割する方法でAが独立できるようなスキームを考えていたことが認められるから,b社名義で注文書を作成することは,このようなY1の当初の企図と整合するというべきである。)。
2  争点整理番号3,4,5及び7に係るコンサルタント料(以下「本件コンサルタント料等③」という。)の出金について
(1)  原告は,本件コンサルタント料等③に係る出金が違法な出金であると主張する。
しかし,証拠(乙18の1,3,乙34から乙39まで,被告Y1)及び弁論の全趣旨によると,原告は,開業の諸手続についての支援や契約関係の移行手続代行等の業務を代金合計500万円で被告会社に委託するコンサルティング契約を締結したこと,被告会社から原告に対し請求書が発出され,争点整理番号3,4及び5に係る支出については平成20年12月22日ないし同月25日頃,争点整理番号7に係る支出については平成21年3月頃にいずれもBが銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に押印して本件コンサルタント料等③に係る出金がなされたことが認められる。
これらに照らすと,本件コンサルタント料等③は,開業の諸手続についての支援や契約関係の移行手続代行等の業務に係るコンサルタント料として支出されたもので,支出に関してBの承認も得ているのであるから,本件コンサルタント料等③に係る出金が違法な出金であると認めることはできない。
(2)  これに対し,原告は,開業の諸手続についての支援や契約関係の移行手続代行等の業務を委託するコンサルティング契約を締結していないなどと主張している。
しかし,前記認定のとおり,争点整理番号3,4及び5に係る支出については平成20年12月22日ないし同月25日頃,争点整理番号7に係る支出については平成21年3月頃にいずれもBが銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に押印したことが認められるところ,開業の諸手続についての支援や契約関係の移行手続代行等の業務を委託するコンサルティング契約を締結していないのであれば,Bが上記の銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に承認印を押すことは考えられない。
したがって,原告の主張を採用できない。
そして,上記のとおり,本件コンサルタント料等③に係るコンサルティング契約が締結されたことが認められることに照らすと,同契約に係る契約書(乙34)も真正に成立したものというべきである。
なお,Bは,承認印を押印したことを否定するような証言をしているが,承認印がBの意思に基づいて顕出されたものと推定されることは,前記1(4)で述べたことと同様であり,原告の主張を採用することはできない。
(3)  また,原告は,開業の諸手続についての支援や契約関係の移行手続代行等の業務を委託するコンサルティング契約について,コンサルティングの実体がないなどと主張している。
しかし,原告がb社から営業譲渡を受ければ,それに伴い,譲渡財産の移転に関する登記,通知,その他の手続(なお,これらの手続については,事業譲渡契約書6条1項において,遅滞なくこれを行うこととされている(乙15)。)や契約を変更するなどの必要があることは明らかである。実際にも,証拠(乙136の1から5まで)及び弁論の全趣旨によると,営業譲渡に伴って平成21年1月1日付けで原告が契約当事者となる契約が締結されていることが認められる。本件コンサルタント料等③に係るコンサルタント契約は,契約関係の移行手続代行の業務を含むものであって,上記認定のとおり契約関係の移行手続代行が行われていることからすると,コンサルタントの実体がないということはできず,原告の主張を採用することはできない。
3  争点整理番号12に係るコンサルタント料(以下「本件コンサルタント料④」という。)について
原告は,本件コンサルタント料④に係る出金が違法な出金であると主張する。
しかし,証拠(乙41,18の8)及び弁論の全趣旨によると,本件コンサルタント料④に係る営業コンサルティングに関する請求書が被告会社から原告に発出され,平成21年4月頃にBが銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に押印して本件コンサルタント料④に係る出金がなされたことが認められる。
このように,本件コンサルタント料④に係る出金は,常務であるBが確認の上,承認して出金されているところ,本件コンサルタント料④に係るコンサルティング契約を締結していないのであれば,Bが上記の銀行振込依頼書/入力伝票の承認欄に承認印を押すことは考えられないのであるから,本件コンサルタント料④に係る出金が違法なものということはできない。
なお,Bは,承認印を押印したことを否定するような証言をしているが,乙18の8の振込依頼書の押印はBが同人の印鑑であると認めている乙18の1の振込依頼書の印影と同一であると認められる(乙18の1,8)のであるから,承認印がBの意思に基づいて顕出されたものと推定されることは,前記1(4)で述べたとおりであり,原告の主張を採用することはできない。
4  争点整理番号23及び24の販売システム作成に係る請負代金(以下「本件販売システム代金」という。)の出金について
(1)  原告は,本件販売システム代金に係る出金は違法な出金であると主張する。
しかし,証拠(乙12,13,49から51まで,54,55,133,137,138(枝番を含む。),被告Y1)及び弁論の全趣旨によると,被告会社が平成21年6月3日付けで販売管理システム開発に係る見積書を原告に提出し,原告は,注文書を被告に提出してこれを注文し,被告はこれに応じて注文請書を提出したこと,被告会社は,マイクロソフト社のソフトウエアを利用して,販売管理システムを開発したこと,原告の決算書の貸借対照表にも資産として計上されていることが認められるのであるから,本件販売代金システムに係る出金が違法な出金であると認めることはできない。
(2)  これに対し,原告は,販売システムの開発事実はなく,販売管理に使用されていたのは市販のソフトウエアである○○ソフトであったなどと主張している。
しかし,証拠(乙54,133)によると,被告らが主張する販売管理システムを開発していたとの事実が認められる。原告は,市販のソフトウエアで足り,販売管理システムの開発の必要はなかったなどと主張しているが,証拠(乙133,乙136の1から5まで)及び弁論の全趣旨によると,同一の販売代理業者との間でも製品ごとに販売手数料を算出するために販売価格や輸送費用を把握することが必要であったと認められるから(なお,Bも証人尋問において,製品ごとにその製品を輸送する費用を把握する必要があることを認めている(調書23頁参照)。),販売管理システムの開発の必要はなかったということはできない。
そして,このとおり,開発の実体もあること,決算書にも計上されていることに照らすと,原告が販売システムの開発を注文したとの事実も認められるというべきである(したがって,これに係る注文書(乙50)も真正に成立したものというべきである。)。
(3)  したがって,本件販売システム代金に係る出金は違法な出金であると認めることはできない。
5  争点整理番号9,28,35,40,41,48,56,58,61,66及び68に係る立替経費清算等(以下「本件立替経費清算等」という。)の出金について
(1)  原告は,本件立替経費清算等に係る出金が違法な出金であると主張する。
証拠(乙34,40,57から66まで(枝番を含む。))及び弁論の全趣旨によると,本件立替経費清算等は,前提となる事実(2)ウの原告と被告会社間の業務委託契約に関する経費の精算等として行われていることが認められるところ,本件立替経費清算等が架空に計上された経費であるなど前提となる事実(2)ウの原告と被告会社間の業務委託契約に関して清算することが許されない経費の精算であって,その出金が不法行為に該当すると認めるに足る証拠はない。
(2)  この点,原告は,本件立替経費清算等にはD(以下「D」という。)等の被告会社の関連会社である株式会社c(以下「c社」という。)の従業員の費用が含まれており,原告が負担すると合意されていない使途不明金が含まれているなどと主張している。
しかし,Dらが前提となる事実(2)ウの原告と被告会社間の業務委託契約に係る委託業務を遂行していないことを認めるに足る証拠はなく,かえって,証拠(乙128の1から12まで,乙129)によると,Dは,上記業務委託契約に係る委託業務を遂行していたことが認められる。
したがって,原告の上記主張を採用することはできない。
(3)  また,原告は,被告会社が雇用していたE(以下「E」という。)の給与が含まれているから,本件立替経費清算等は違法な出金であると主張している。
確かに,証拠(乙65,66)によると,平成23年6月30日及び同年8月31日にEの給与等合計74万3967円が出金されていることが認められる。
しかし,証拠(乙122,123)によると,上記のEの給与等合計74万3967円は,平成23年8月31日付けの請求書に係る請求の際に請求額から控除されていることが認められる。
そうすると,原告の「被告会社が雇用していたEの給与が含まれているから,本件立替経費清算等は違法な出金である」との主張を採用することはできない。
(4)  したがって,本件立替経費清算等に係る出金が違法な出金であると認めることはできない。
6  争点整理番号29,33,43,45,46,50,52,54,59及び62に係る手数料(以下「乙1の覚書に係る手数料」という。)の出金について
(1)  原告は,乙1の覚書に係る手数料の出金が違法な出金であると主張する。
しかし,証拠(乙1,139,被告Y1(なお,乙1の成立の真正については後記(2)のとおり。))及び弁論の全趣旨によると,被告会社は,顧客先からの受注から納品に関する業務全般,仕入先への発注から納期に関する業務全般,輸出・輸入に関する書類作成及び販売・購買管理システムの運用・維持管理業務全般(販売データ入力,購買データ入力,取引先マスターメンテナンス,仕入先マスターメンテナンス及び商品マスターメンテナンス)の各業務を原告から委託され,これに係る報酬として原告の売上高の3パーセントを受け取るとの契約(以下「乙1の覚書に係る契約」という。)を締結したこと,乙1の覚書に係る手数料は,乙1の覚書に係る契約に基づいて出金されたことが認められる。
したがって,乙1の覚書に係る手数料の出金が違法な出金であると認めることはできない。
(2)  これに対し,原告は,乙1の覚書は偽造されたものであると主張し,乙1の覚書及び乙4の覚書見直しについてと題する書面(以下「乙4の覚書見直しについて」という。)から原告代表者の指紋が検出されなかった旨の株式会社齋藤鑑識証明研究所作成の指紋鑑定(甲1。以下「本件指紋鑑定」という。)及び乙1の覚書はAの筆跡と異なる旨のF作成の筆跡鑑定(甲29。以下「F筆跡鑑定」という。)を提出している。
ア しかし,証拠(甲27,28,証人B,原告代表者,被告Y1)及び弁論の全趣旨によると,原告においては,A,B及び被告Y1が月に数回程度,定期的に経営に関する会議を開催していたこと,被告Y1は,その会議の際に残高試算表を作成し,残高試算表に基づいてA及びBに対する説明を行っていたこと(なお,Bは,証人尋問において,平成22年夏前頃から残高試算表を示されていたことを認めている(調書30頁参照)。),残高試算表には,乙1の覚書に係る手数料が計上されていたこと,平成22年の終わりころには,原告の財務状況が悪くなっていたため,A,B及び被告Y1が参加して開催されていた経営に関する会議においても,原告の財務状況が主題となっていたことが認められる。そして,証拠(甲27,28)及び弁論の全趣旨によると,乙1の覚書に係る手数料は,販売管理費のうちの支払手数料に計上され,支払手数料の大部分を占めていたところ,支払手数料は,販売管理費の中でも給料手当や荷造り運賃と並んで,突出して額が大きかったことが認められる。
上記認定のとおり,少なくとも平成22年の終わりころには,原告の財務状況が会議の主題となっていたのであるから,原告においてどのような支払がなされ,原告の財務状況を圧迫しているのかについて原告の代表取締役であるAや原告の常務取締役であるBが関心を抱かなかったとは考えられないところ,A,B及び被告Y1が定期的に開催していた経営に関する会議において説明資料とされていた残高試算表に乙1の覚書に係る手数料が計上されており,その額は突出して大きかったのであるから,A及びBは,経営に関する会議において,残高試算表等により,乙1の覚書に係る手数料の支払を認識し,認容していたものというべきである。
そうすると,乙1の覚書に係る手数料の前提となる乙1の覚書に係る契約が締結されていたものというべきであって,乙1の覚書は真正に成立したものと認められるというべきである。
イ また,原告は,乙1の覚書等から原告代表者の指紋が検出されなかった旨の本件指紋鑑定(甲1)を提出している。
そこで検討するに,証拠(甲1)によると,本件指紋鑑定は,平成23年10月28日から同年11月4日までの間に行われているところ,乙1の覚書が作成されたのは,平成21年の春頃と認められるから(乙139),乙1の覚書が作成されてから2年以上経過した後に鑑定が行われていることとなる。しかるに,乙1の覚書のような契約書に付着した指紋が2年以上経過後も指紋を採取できるほどに残存していることを認めるに足る証拠はない(原告は,本のようにきっちりと閉じられた上質の紙について10年前についた指紋でも採取できる旨を記載した文献を書証として提出しているが(甲41),乙1の覚書が本のようにきっちりと閉じられて保存されていたことを認めるに足る証拠はない。また,原告は,紙の場合5年から6年経過したものは鑑定可能であることを記載した株式会社dのGのメール(甲40)を証拠として提出しているが,同メールには,保存状況によるとのただし書が付されており,乙1の覚書の保存状況について,2年以上前に付着した指紋が保存される程度に良好であったことは全く立証されていない。かえって,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によると,乙1の覚書には,多数の鑑定不能の指紋が検出されたことが認められることに照らしても,乙1の覚書に付着した指紋が2年以上経過後も指紋を採取できるほどに残存しているなどということができないというべきである。)。
そうすると,乙1の覚書からAの指紋が検出されなかったとしても,Aが乙1の覚書に触れていないことが立証されたものと認めることはできないのであるから,本件指紋鑑定により,Aが乙1の覚書に署名押印していないと認めることはできないのであって,本件指紋鑑定は,上記認定を覆すに足るものとは認められない。
ウ さらに,原告は,乙1の覚書はAの筆跡と異なる旨のF筆跡鑑定(甲29)を提出している。
しかし,以下のとおり,F筆跡鑑定を採用することはできない。
まず,F筆跡鑑定は,「甲」の文字について,乙1の覚書の筆跡(以下「乙1の筆跡」という。)は,第2画接線と水平方向の交差角度が39度,第3画の同角度が28度であるのに対し,AがF筆跡鑑定のために書いた対照文字(以下「本件対照文字」という。)の同角度は57度から83度の間にあることを別人の筆跡であることの根拠としている(甲29の24頁参照)。しかし,Aが自らの署名であると認めている(甲51)平成21年9月30日付けの金銭消費貸借契約書(乙24)のAの署名は,第2画及び第3画の同角度が乙1の筆跡と同程度のものと認められる。そうすると,同角度を根拠にAの筆跡であることを否定するのは適切な判断とはいい難い。
また,F筆跡鑑定は,「山」の文字について,①第2画の終筆部について,乙1の筆跡は留まりであるのに対し,本件対照文字の筆跡は,ハネないしハネつながりであること,②第4画及び第5画が乙1の筆跡は単独に運筆されているが,本件対照文字の筆跡は,連筆で形状も律動も全く異なっていることから別人の筆跡であることの根拠としている(甲29の24頁参照)。しかし,Aが自らの署名であると認めている(甲51)平成20年12月19日付けの事業譲渡契約書(乙15),平成21年6月29日付けの金銭消費貸借契約書(乙114),同年9月30日付けの金銭消費貸借契約書(乙24),同年11月30日に中野税務署に提出された確定申告書(乙12),平成22年4月1日付けの金銭消費貸借契約証書(乙115)のAの署名の「山」の文字は,いずれも第2画の終筆部は止められていて,はねられているものではないし,上記のうち,判読が困難な平成21年9月30日付けの金銭消費貸借契約書(乙24)を除くその余の署名は,いずれも第4画及び第5画が単独に運筆されていると認められるから,上記を根拠にAの筆跡であることを否定するのは適切な判断とはいい難い。
さらに,F筆跡鑑定は,「A」の文字について,第11画の最終筆跡ハネの部分について,乙1の筆跡は小丸いのに対し,本件対照文字の筆跡はとがっているか角になっていることから別人の筆跡であることの根拠としている(甲29の24頁参照)。しかし,Aが自らの署名であると認めている(甲51)平成21年6月29日付けの金銭消費貸借契約書(乙114)は,第11画の最終筆跡ハネの部分が乙1の筆跡と同様に小丸い状態になっていることが認められることに照らし,上記を根拠にAの筆跡であることを否定するのは適切な判断とはいい難い。
以上述べたことに照らすと,F筆跡鑑定を採用することはできず,同鑑定の存在は,上記認定を覆すに足るものとは認められない。
(3)  以上のとおり,乙1の覚書に係る出金が違法な出金であると認めることはできない。
7  争点整理番号70に係る手数料(以下「乙4の覚書見直しに係る手数料」という。)について
(1)  原告は,乙4の覚書見直しに係る手数料の出金が違法な出金であると主張する。
しかし,証拠(乙2,4,139,141(枝番を含む。),被告Y1(なお,乙4の成立の真正については後記(2)のとおり。))及び弁論の全趣旨によると,被告会社は,原告内の管理業務に関し,会計業務,財務業務,原価計算,税務業務,労務業務及び給与計算業務の各業務を原告から委託され,これに係る報酬を月額120万円と定めたこと,ただし,この月額報酬額については,6か月後に実際の作業量に基づいて見直すこととしたこと,その後,Y1は,平成21年6月30日ころ,乙4の覚書見直しを被告会社の代表者であるAに交付して署名押印を求めたところ,Aがこれに署名押印したこと,同日付けの乙4の覚書見直しの締結により,原告と被告会社との間で上記の月額報酬額を180万円に改定し,同年1月1日に遡って適用するとの合意が成立したこと(以下「乙4の覚書見直しに係る契約」という。),乙4の覚書見直しに係る手数料は,乙4の覚書見直しに係る契約に基づいて出金されたことが認められる。
したがって,乙4の覚書見直しに係る手数料の出金が違法な出金であると認めることはできない。
(2)  これに対し,原告は,乙4の覚書見直しは偽造されたものであり,原告は,被告会社から月額180万円の請求をされたことがなかったと主張し,Aは,陳述書(甲48)において,乙4の覚書見直しは,Aが被告Y1の不正出金を指摘した後に提出された経緯等からして被告Y1が被告会社に対する不正出金の責任を免れるために偽造したものとしか考えられないなどと記載している(甲48の12頁から13頁参照)。
この点,Y1は,被告会社から受け取った乙4の覚書見直しをAに交付して署名押印を求めたところ,Aがこれに署名押印した旨を供述している(乙141(6頁から7頁参照),被告Y1(調書7頁参照))。
証拠(乙17,77,78,80から83まで,139)によると,平成21年10月分から同年12月分については,被告会社は,原告に対し月額180万円の報酬を請求したこと,被告会社は,原告から,同年10月分及び同年11月分については,それぞれ180万円の支払を受けたこと,同年12月分については,被告会社が180万円の請求書を出した後に,原告から60万円の増額分の支払の猶予を求められたため,同年10月分及び同年11月分の増額分合計120万円を同年12月分の支払に充当する形で処理したことが認められる。上記のとおりの会計処理がなされていることは,乙4の覚書見直しに係る契約が上記の会計処理が行われた時点までに締結されたことを裏付けるものであるというべきである。また,上記に認定した経緯に照らすと,Aが陳述書に記載するように不正出金の責任を免れるために偽造したものと認めることもできない。
また,前記6(2)ウのとおりAが自らの署名であると認めている契約書等(乙12,15,24,114,115)のAの筆跡と乙4のAの筆跡を対照すると,「甲」の文字の第1画が左方へへこむ形で湾曲している点,同第2画が左傾している点で特徴が類似している。また,「A」の文字の第5画(つくりの「A」の第1画)が横線ではなく縦線に近い書き方になっている点,及び第11画のハネが長く力強い点で特徴が類似している。これらに照らすと,乙4の覚書見直しの「甲山A」の筆跡は,Aの筆跡と類似するものというべきである。なお,乙4のAの筆跡のうち「山」の文字は,上記の契約書等の筆跡と対照すると,第5画が乙4の筆跡については右湾曲,契約書等の筆跡はおおむね下湾曲と一見異なっているようにも思われるが,本件対照文字の筆跡はいずれも右湾曲であり,上記の契約書等の筆跡のうち平成21年9月30日付けの金銭消費貸借契約書(乙24)の筆跡は同様に右湾曲であることに照らすと,Aは,両様の書き方をしていたものというべきであるから,これが乙4の筆跡がAの筆跡と異なることの根拠となるものということはできない。
他方,A及びBは,乙4の覚書見直しに係る契約を否定し,被告会社に対する業務委託費は月額120万円であると供述等している(甲48,49,51,52)。しかし,本件コンサルタント料等①に係る判断等で説示したとおり,A及びBの供述等は,いずれも事実に反し,採用し難いのであるから,乙4の覚書見直しに係る契約を否定し,被告会社に対する業務委託費は月額120万円であると供述等もにわかに採用することができないものといわざるを得ない。
以上のとおり,実際の会計処理の経緯に照らすと,乙4の覚書見直しに係る契約が締結されたことが裏付けられているというべきこと,乙4の覚書見直しの筆跡はAの筆跡と類似しているというべきこと,乙4の覚書見直しに係る契約の締結を否定するA及びBの供述等を採用することはできないことに鑑みると,AがY1の面前で乙4の覚書見直しに署名押印したとのY1の供述(乙141(6頁から7頁参照),被告Y1(調書7頁参照))を採用することができる。
したがって,乙4の覚書見直しは真正に成立したものというべきであって,乙4の覚書見直しに係る契約が締結されたというべきである。
なお,原告は,本件指紋鑑定を提出しているが,乙4の覚書見直しが作成されたのは本件指紋鑑定が行われた時から2年以上前の平成21年6月30日頃と認められるから(乙139),前記6(2)イのとおり,乙4の覚書見直しからAの指紋が検出されなかったとしても,Aが乙4の覚書見直しに触れていないことが立証されたものと認めることはできない。したがって,本件指紋鑑定により,Aが乙1の覚書に署名押印していないと認めることはできないのであって,本件指紋鑑定は,上記認定を覆すに足るものとは認められない。
また,原告の会計処理上,乙4の覚書見直しに係る手数料の180万円を計上していなかったことが認められるが(甲34),証拠(被告Y1)によると,原告においては,請求書に従って,会計処理を行っていたことが認められるから,その当否はともかく,原告の会計処理上,上記の180万円を計上していなかったことが上記認定を覆すに足るものとは認められない。
(3)  以上のとおり,乙4の覚書見直しに係る手数料の出金が違法な出金であると認めることはできない。
8  まとめ
以上のとおり,別紙争点整理表の各出金が不法行為に該当すると認めることはできないから,原告の請求にはいずれも理由がない。
第4  結論
以上のとおり,原告の請求はいずれも理由がないからこれをいずれも棄却し,主文のとおり判決する。
(裁判官 加藤聡)

 

〈以下省略〉

 

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