【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(146)平成26年 3月18日 東京地裁 平24(ワ)25835号 損害賠償請求事件 

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(146)平成26年 3月18日 東京地裁 平24(ワ)25835号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成26年 3月18日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)25835号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2014WLJPCA03188022

裁判年月日  平成26年 3月18日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平24(ワ)25835号
事件名  損害賠償請求事件
文献番号  2014WLJPCA03188022

東京都大田区〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 山内堅史
同訴訟復代理人弁護士 渡瀬耕
東京都大田区〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 中村隆史

 

 

主文

1  被告は、原告に対し、119万5924円及びこれに対する平成24年12月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用はこれを7分し、その6を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
4  この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

 

事実及び理由

第1  請求
被告は、原告に対し、872万0924円及びうち577万5000円に対する平成22年10月6日から、うち294万5924円に対する平成24年12月12日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は、被告から【別紙】物件目録1記載の建物(以下「本件建物」という。)のうち1階の【別紙】物件目録2記載の部分(以下「本件店舗」という。)を賃借している原告が、被告に対し、被告において本件建物の本件店舗以外の部分を取り壊した上、原告に暴行、脅迫を加えるなどして違法に本件店舗から立ち退くことを要求したなどと主張して、不法行為に基づく損害賠償として872万0924円とそのうち本件建物の修繕費用相当額の損害577万5000円に対する不法行為の日である平成22年10月6日から、その余の損害294万5924円に対する訴状送達の日である平成24年12月12日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1  争いのない事実等(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)  原告は、昭和37年9月6日、本件建物の当時の所有者であったAから本件店舗を賃借し(以下「本件賃貸借契約」という。)、ここにおいて、a店の屋号で日本茶等の小売販売業を営んでいる(甲1、5、7、13、19(いずれも枝番含む。)、弁論の全趣旨)。
(2)  被告は、b商事の屋号で不動産業を営む者であり、平成22年5月24日、担保不動産競売の手続により本件建物の所有権を取得して、本件賃貸借契約における賃貸人の地位を承継した。
(3)  被告は、平成22年9月4日から同年10月6日までの間に、本件建物のうち本件店舗部分を除く部分(以下「本件工事部分」という。)の基礎(ただし、柱の直下の部分を除く。)、各部屋の内壁と床、廊下等を撤去し、屋根や外壁の一部を取り壊す工事(以下「本件工事」という。)を行った(甲1(枝番含む。)、21、弁論の全趣旨)。
2  争点及び争点に関する当事者の主張
(1)  被告は、本件工事によって、原告の本件店舗の使用収益を妨害し、原告の本件店舗に対する賃借権を侵害したか(争点(1))。
【原告の主張】
被告は、本件工事によって、本件店舗の構造耐力を低下させたことなどにより、原告の本件店舗の使用収益を妨害し、原告の本件店舗に対する賃借権を侵害した。
【被告の主張】
原告の主張は否認し、争う。
本件工事によって本件店舗の構造耐力が低下することはないし、原告の本件店舗の賃借権が影響を受けることはない。
(2)  被告は、原告に対して、本件店舗の明渡しを違法に強要したか(争点(2))。
【原告の主張】
ア 被告は、本件工事によって本件店舗の構造耐力を低下させて原告に精神的・心理的圧力を加えて原告の本件店舗からの退去を図った。
イ 被告は、平成22年10月7日、本件店舗内の勝手口側の水道管と連結している水道管の元栓を閉め、本件店舗において水道を使用できないようにし、同年11月23日、c総業の代表者と名乗るB(以下「B」という。)と共に本件店舗を訪れ、原告に対し、「出て行け」などと告げて立ち退きを要求し、その後も電話で本件店舗の明渡しを要求し、同年12月1日午後、Bと共に本件店舗を訪れ、原告に対し、「出て行け」と怒鳴り、抗議した原告の左顔面を拳で1回殴り、Bをして警察に電話で通報しようとした原告から受話器を取り上げさせてこれを阻止した。
ウ 被告は、平成23年5月から平成24年1月にかけて、書面で本件賃貸借契約の解約及び本件店舗の明渡しを繰り返し求め、また、平成25年5月14日頃、町中で出会った原告に対し、「出て行け」などと怒声を浴びせ、その後本件店舗に押しかけて「出て行け」と執拗に要求し、原告を威迫した。
エ 以上のような態様による被告の原告に対する本件店舗の明渡しの要求は、社会通念上許容される範囲を超えたものであり、不法行為を構成する。
【被告の主張】
原告の主張のうち、被告が本件工事をしたこと、Bと共に本件店舗を訪れたことは認めるが、その余は否認し、争う。
被告は、原告に対し、本件建物を取り壊して再築する建物に入居させることや再築期間中の一時転居先を探すことを提案し、本件店舗の任意の明渡しを求めたにすぎない。
(3)  被告による本件工事の施工及び原告に対する本件建物からの明渡しの強要によって原告に生じた損害の額はいくらか(争点(3))。
【原告の主張】
ア 本件建物の損傷による損害(583万5000円)
本件建物は、1棟の建物全体で構造計算がされているところ、本件工事によって本件建物の一部が取り壊されたことにより、本件店舗の構造耐力が著しく低下し、本件店舗を維持し、存続させて使用するためには、【別紙】復旧工事の範囲目録記載の工事が必要であるから、原告は同工事に必要な費用577万5000円及び同工事の見積費用6万円に相当する額の損害を被った。
イ 本件店舗内の商品の損傷等による損害(8万5924円)
(ア) 原告は、本件工事によって本件建物の屋根の一部及び本件店舗の天井の一部が損壊し、平成24年5月2日の降雨の際、本件店舗に雨漏りが発生し、本件店舗内にあった【別紙】雨漏りによる商品被害目録記載の商品が水浸しになり、売り物にならなくなったことによって、同商品の売価相当額7万2924円の損害を被った。
(イ) 原告は、本件店舗への雨漏りを防ぐため、同月24日、本件建物の2階のうち本件店舗の真上に当たる部分に敷かれていたビニールシートを応急的に修繕し、工事費として1万3000円を支払った。
ウ 慰謝料(150万円)
原告は、被告が本件工事を行った上に、本件店舗に直接押しかけて原告に暴力行為を交えながら威迫的に立ち退きを強要したため、唯一の生活拠点を失いかねないとの恐怖と不安を感じ、しばしば体調を崩すようになった。この精神的苦痛による損害を補填するための慰謝料としては150万円が相当である。
エ 弁護士費用(70万円)
原告は、被告に対して前記不法行為による損害の賠償を求めるために、本件訴訟を提起することを余儀なくされ、平成24年9月5日、原告代理人に対し、その着手金として60万円を支払い、成功報酬として70万円を支払うことを約した。
【被告の主張】
原告の主張は否認し、争う。
ア 原告は、本件店舗の賃借人にすぎず、本件工事部分については何らの法的な権利関係を有していないから、本件工事部分の復旧費及びその見積費用は、原告の損害とはならない。原告は本件店舗で営業を続けており、本件店舗の使用収益は阻害されていないから、原告には損害は生じていない。
イ 本件工事が原因で本件店舗に雨漏りが発生したこと及びその雨漏りによって本件店舗内の商品が売り物にならなくなったことはない。
ウ 被告が原告に対して暴力行為を交えながら威圧的に本件店舗からの立ち退きを強要したことはなく、原告に精神的な損害が生じる理由はない。
第3  当裁判所の判断
1  認定事実
(1)  前記争いのない事実等、後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア 被告は、平成22年5月24日、本件建物を担保不動産競売の手続によって競落した後、原告を含む本件建物の賃借人らに対し、それぞれの賃借部分を明け渡すことを求めた。原告以外の賃借人らは、同年9月上旬頃までにそれぞれの賃借部分を被告に明け渡したが、原告は、本件店舗の明渡しを拒み、営業を継続していた。(甲19、原告本人、弁論の全趣旨)
イ 被告は、同月14日頃、原告に無断で本件工事に着手し、同年10月6日頃までにこれを終えた。本件店舗部分は本件工事の対象とされなかったが、本件工事により、本件工事部分のうち、柱の直下の部分を除いた布基礎及び建物と基礎とをつなぐ土台が撤去されるとともに、1階及び2階の内壁、1階の床板及び2階の床板の一部、1階及び2階の外壁の一部、2階の天井及び屋根裏の一部等も撤去され、屋根の一部に穴が開いた状態となった。また、本件建物の2階のうち本件店舗の真上の部分の床も一部撤去され、同部分にはビニール製のシート(以下「本件ビニールシート」という。)が張られた。(甲1(枝番含む。)、19、21、原告本人、弁論の全趣旨)
ウ 原告は、同月7日、本件建物の水道管の元栓が閉められ、本件店舗において水道を使用することができなくなったため、上記元栓の近くにいて本件工事を施工していた作業員に元栓を開けるよう求めたところ、同作業員は直ちに上記元栓を開けた(甲19、原告本人)。
エ 被告は、同年11月23日、Bと共に本件店舗を訪れた。Bは、原告に対して、「c総業代表 B」などと記載された名刺を渡し、被告と共に「店から出て行け」などと強い口調で本件店舗の明渡しを求めるとともに、その約1週間後、原告に電話をかけ、「出て行け」などと申し向けた。(甲12、19、原告本人)
オ 被告は、同年12月1日、再びBと共に本件店舗を訪れ、原告に対し、「出て行け」などと怒鳴った上、これを拒否する旨回答した原告の左頬を拳で1回殴打した。原告は、被告が再度原告を殴打しようとしたため、警察に電話で通報するために受話器を手に取ろうとしたが、Bに受話器を取り上げられて阻止された。(甲19、原告本人)
カ 被告は、平成23年5月13日、原告に書面を送付し、本件建物の老朽化が著しいこと及び耐震構造が不十分であることを理由に本件賃貸借契約を解約する旨申し入れ、6箇月後までに本件店舗を明け渡すことを求めたが、原告は、同月25日、本件店舗の明渡しには応じられない旨書面で回答した。また、被告は、同年11月16日、原告に書面を送付し、本件賃貸借契約が終了したとして本件店舗の明渡しを求めた。(甲15、乙1及び2(いずれも枝番含む。))
キ 被告は、平成24年5月14日頃、本件建物の近隣の郵便局で偶然原告に出会った際に、原告に対し、「店から出て行け」などと怒鳴り、その後、本件店舗に帰る原告の後を追って本件店舗にまで赴き、「どうして出ないのか、出て行け」などと怒鳴った(甲19、原告本人)。
ク 平成24年5月2日の降雨の際、本件工事によって生じた本件建物の屋根部分の穴から本件建物内に雨が降り込んだため、本件建物の2階のうち本件店舗の真上に当たる部分の床上に設置されていた本件ビニールシートに雨水が貯まって溢れ出し、これが本件店舗の西側部分の天井から本件店舗内に落下した。この雨漏りにより、本件店舗内にあった【別紙】雨漏りによる商品被害目録記載の商品(売価の合計7万2924円)が水に浸かり、商品として販売することができなくなり、店頭の看板灯にも水が入り、損壊した。(甲1、8、10、19(いずれも枝番含む。)、原告本人)
ケ 原告は、本件店舗への雨漏りを防ぐために、有限会社安藤企業に本件ビニールシートを取り替えて上記看板灯を取り付け直す工事を請け負わせ、その代金として1万3000円を支払った(甲11、19、原告本人)。
(2)  証拠判断
ア 被告は、原告に対し、本件店舗の任意の明渡しを求めたにすぎず、暴力を振るったことや「出て行け」などと怒鳴ったことはないと主張する。
しかし、原告の本人尋問における供述の内容は具体的で不自然なところはなく、これに反する証拠もないこと、前記認定のとおり被告が前記認定のような肩書を有するBを繰り返し本件建物に同行して原告に本件店舗の明渡しを求めたのは、原告に威圧を加えることを意図したからであると考えられること、被告が本件工事に及んだのも原告に対して威圧を加えることを意図したものと考えられることなどからすれば、被告の原告に対する本件店舗の明渡しの要求の態様は、相当強硬なものであったと推認するのが相当であり、被告の上記主張は採用することができない。
イ 原告は、本人尋問において、本件工事を施工していた作業員が平成23年10月7日に本件建物の水道管の元栓を閉めて本件店舗において水道が一時的に使用できなくなったことについて、被告が原告に本件店舗の明渡しを求める手段としてされたものであるという趣旨の陳述をしている。
しかし、上記陳述は、推測の域を出るものではなく、その裏付けとなる客観的な証拠はないし、前記(1)ウの認定事実のとおり、原告が上記作業員に水道管の元栓を開けるよう求めたところ、上記作業員が直ちに元栓を開けて本件店舗において再び水道を使用することができるようにしたことからすれば、原告の上記陳述は、信用することができない。
ウ 他に上記(1)の認定を左右するに足りる証拠はない。
2  争点(1)(被告は、本件工事によって、原告の本件店舗の使用収益を妨害し、原告の本件店舗に対する賃借権を侵害したか。)について
(1)  上記1(1)ア及びイの認定事実によれば、本件工事が実施された当時、本件賃貸借契約は継続していたのであるから、原告には賃借権に基づいて本件店舗を使用収益する権限があったというべきである。
ところが、被告は、原告に無断で本件工事を施工し、本件建物の2階の天井及び屋根裏の一部等を撤去し、屋根の一部に穴を開けた上に、雨水が本件店舗に落下するのを防ぐための応急的な措置として、本件建物の2階の本件店舗の真上の部分に本件ビニールシートを敷いたにすぎず、その結果、降雨の際に本件ビニールシートから貯まった雨水が溢れ出て本件店舗に落下し、本件店舗内にあった商品等が損傷したというのであるから、被告による本件工事の施工は、原告の賃借権に基づく本件店舗の使用収益を妨害するものというべきであり、単に賃貸人の債務不履行であるにとどまらず、不法行為にも該当するものというべきである。
(2)  なお、原告は、本件工事によって本件店舗の構造耐力が低下したとし、そのこと自体によって、原告の本件店舗の使用収益が妨害されたとか、原告の本件店舗に係る賃借権が侵害されたとも主張する。
しかし、上記1(1)イの認定事実のとおり、本件工事は本件店舗を直接取り壊すものではなく、本件賃貸借契約は本件工事後も継続し、原告は本件工事から現在まで3年以上にわたり本件店舗を使用して営業を続けているというのであり、原告の主張によっても、本件工事によって損壊した部分の修繕が可能であるというのであるから、本件工事によって本件店舗の構造耐力が低下したとしても、それによって原告による本件店舗の使用収益が妨害されたとか、原告の本件店舗に係る賃借権が侵害されたということはできない。
(3)  以上のとおり、争点(1)についての原告の主張は、本件工事によって降雨の際に本件店舗に雨漏りが発生するようになり、その結果として、本件店舗の使用収益が一部妨げられることになったことをいう限度で理由があるものというべきである。
3  争点(2)(被告は、原告に対して、本件店舗の明渡しを違法に強要したか。)について
(1)  上記1(1)イの認定事実のとおり、被告は、本件建物の賃借人らに対してそれぞれの賃借部分の明渡しを求め、これを拒否した原告に無断で本件工事に着手し、本件工事後も原告に対して強硬に本件店舗の明渡しを要求していること、被告は、本件工事によって、本件工事部分の基礎、内壁、床等の大部分のほか、2階の天井及び屋根裏の一部等をも撤去し、屋根の一部に穴を開けることすら行っているのに、本件店舗への雨漏りを防ぐために、本件建物の2階の本件店舗の真上の部分に本件ビニールシートを敷くという応急的な措置しか講じなかったことが認められる。
これらのことに加え、被告において原告から本件店舗の明渡しを受ける前にあえて本件工事を行わなければならない事情があったことを認めるに足りる証拠はなく、現に、被告は、本件工事後も本件工事部分やその敷地部分を使用していないことにも鑑みると、本件工事は、本件工事部分を本件店舗に先行して取り壊すという実力行使によって、原告に心理的な圧力を加えて本件店舗を明け渡させる目的で実施されたものと認めるのが相当である。
そうすると、本件工事は、建物の賃借人に対する明渡しの交渉の態様として社会通念上許容される範囲を逸脱したものであり、不法行為に当たるものというべきである。
(2)  また、上記1(1)エ、オ及びキの認定事実のとおり、被告は、複数回にわたり、単独で又はBと共同で、本件店舗を訪れて原告に「出て行け」などと怒鳴って本件店舗の明渡しを要求し、平成22年12月1日には、原告の左頬を拳で1回殴打し、Bをして警察に電話で通報しようとした原告から受話器を取り上げさせて、これを阻止するなどしており、これらの行為は、原告に対し、暴行及び威圧的な言動を用いて本件店舗の明渡しを強要するものであるから、建物の賃借人に対する明渡しの交渉の態様として社会通念上許容される範囲を逸脱したものであり、不法行為に当たるというべきである。
(3)  以上のとおり、被告は、原告に対して、本件店舗の明渡しを違法に強要したものというべきであり、争点(2)についての原告の主張には理由がある。
4  争点(3)(被告による本件工事の施工及び原告に対する本件建物からの明渡しの強要によって原告に生じた損害の額はいくらか。)について
(1)  本件建物の損傷による損害について(認められない。)
原告は、本件工事によって本件店舗の構造耐力が著しく低下したため、本件店舗を維持して存続させ、これを使用するためには修繕工事が必要であり、原告にその工事費用及びその代金の見積費用に相当する額合計583万5000円の損害が発生したと主張し、その証拠として株式会社dの作成に係る工事費の見積書(甲2、18の2)、同社代表取締役Cの陳述書(甲18の1)及び同社取締役Dの報告書(甲21)を援用する。
しかしながら、上記1(2)で説示したところによれば、本件工事によって、本件店舗の構造耐力がその使用収益を妨げられる程度にまで低下したものと認めることはできないし、仮にそのような事実があるとしても、その修繕は、本件賃貸借契約に基づき賃貸人である被告に対して請求すべきものであって(民法606条1項)、賃借人である原告がこれを行う義務を負うものではない。また、賃借人は、必要費を自ら支出した場合に初めて賃貸人に同額を償還請求できるにとどまり、事前に賃貸人に必要の支払を求めることはできないものと解されること(民法608条1項)からすると、上記修繕を行っていない原告には、未だその主張する工事費用及び見積費用に相当する額の損害が発生していないものというべきである。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
(2)  本件店舗内の商品の損傷等による損害について(認容額8万5924円)
ア 上記1(1)アの認定事実のとおり、本件工事によって本件店舗に雨漏りが発生し、本件店舗内の原告の商品が水浸しになって販売することができなくなったことが認められるから、同商品の売価の合計7万2924円は本件工事と相当因果関係のある損害として認められる。
イ また、上記1(1)イの認定事実のとおり、原告は本件店舗の雨漏り等を修繕するための応急処置の工事費用として1万3000円を支出したことが認められ、この費用も本件工事によって原告が支出を余儀なくされた費用ということができ、本件工事と相当因果関係のある損害として認められる。
(3)  慰謝料について(認容額100万円)
上記1(1)の各認定事実のとおり、被告は、原告に対し、原告において本件店舗を明け渡す義務を負担していないにもかかわらず、本件店舗の明渡しを迫る目的で、原告に無断で本件工事を実施して、本件店舗の使用収益を妨害するとともに、原告に心理的な圧力を加え、複数回にわたって本件店舗を訪れ、「出て行け」などと怒鳴り、拳で左頬を1回殴打するという暴行を加えるなどして、執拗に本件店舗を明け渡すように求めたものである。
このような被告の不法行為の態様からすれば、原告は、上記暴行による肉体的・精神的苦痛を受けたのみならず、本件店舗の明渡しを執拗に強要されてこれを平穏に使用収益する権利を妨害されたことによる精神的苦痛を被ったものといえる。
以上の点を考慮すれば、被告の上記不法行為により原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料としては、100万円が相当である。
(4)  弁護士費用(認容額11万円)
証拠(甲17)及び弁論の全趣旨によれが、原告は、被告に対して上記不法行為による損害の賠償を求めるために本件訴訟を提起することを余儀なくされ、弁護士である原告代理人に対してその提起及び追行を委任し、着手金60万円と成功報酬70万円(いずれも消費税相当額を含まない。)を支払うことを約したことが認められるところ、本件事案の内容、難易、認容額等を考慮すると、上記不法行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害は、11万円と認めるのが相当である。
(5)  以上によれば、被告の不法行為によって原告が被った損害額は、上記(2)ないし(4)の合計119万5924円となる。
第4  結論
よって、原告の請求は、不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、119万5924円及びこれに対する不法行為後の日である平成24年12月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから(なお、原告は、本件建物の修繕費用相当額以外の損害については、訴状送達の日以降の期間について遅延損害金を請求している。)これを認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 矢尾渉 裁判官 家原尚秀 裁判官 池本拓馬)

 

*******

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。


Notice: Undefined index: show_google_top in /home/users/1/lolipop.jp-2394bc826a12fc5a/web/www.bokuore.com/wp-content/themes/rumble_tcd058/footer.php on line 296

Notice: Undefined index: show_google_btm in /home/users/1/lolipop.jp-2394bc826a12fc5a/web/www.bokuore.com/wp-content/themes/rumble_tcd058/footer.php on line 296