【営業代行から学ぶ判例】crps 裁判例 lgbt 裁判例 nda 裁判例 nhk 裁判例 nhk 受信料 裁判例 pl法 裁判例 pta 裁判例 ptsd 裁判例 アメリカ 裁判例 検索 オーバーローン 財産分与 裁判例 クレーマー 裁判例 クレプトマニア 裁判例 サブリース 裁判例 ストーカー 裁判例 セクシャルハラスメント 裁判例 せクハラ 裁判例 タイムカード 裁判例 タイムスタンプ 裁判例 ドライブレコーダー 裁判例 ノンオペレーションチャージ 裁判例 ハーグ条約 裁判例 バイトテロ 裁判例 パタハラ 裁判例 パブリシティ権 裁判例 ハラスメント 裁判例 パワーハラスメント 裁判例 パワハラ 裁判例 ファクタリング 裁判例 プライバシー 裁判例 プライバシーの侵害 裁判例 プライバシー権 裁判例 ブラックバイト 裁判例 ベネッセ 裁判例 ベルシステム24 裁判例 マタニティハラスメント 裁判例 マタハラ 裁判例 マンション 騒音 裁判例 メンタルヘルス 裁判例 モラハラ 裁判例 モラルハラスメント 裁判例 リストラ 裁判例 リツイート 名誉毀損 裁判例 リフォーム 裁判例 遺言 解釈 裁判例 遺言 裁判例 遺言書 裁判例 遺言能力 裁判例 引き抜き 裁判例 営業秘密 裁判例 応召義務 裁判例 応用美術 裁判例 横浜地裁 裁判例 過失割合 裁判例 過労死 裁判例 介護事故 裁判例 会社法 裁判例 解雇 裁判例 外国人労働者 裁判例 学校 裁判例 学校教育法施行規則第48条 裁判例 学校事故 裁判例 環境権 裁判例 管理監督者 裁判例 器物損壊 裁判例 基本的人権 裁判例 寄与分 裁判例 偽装請負 裁判例 逆パワハラ 裁判例 休業損害 裁判例 休憩時間 裁判例 競業避止義務 裁判例 教育を受ける権利 裁判例 脅迫 裁判例 業務上横領 裁判例 近隣トラブル 裁判例 契約締結上の過失 裁判例 原状回復 裁判例 固定残業代 裁判例 雇い止め 裁判例 雇止め 裁判例 交通事故 過失割合 裁判例 交通事故 裁判例 交通事故 裁判例 検索 公共の福祉 裁判例 公序良俗違反 裁判例 公図 裁判例 厚生労働省 パワハラ 裁判例 行政訴訟 裁判例 行政法 裁判例 降格 裁判例 合併 裁判例 婚約破棄 裁判例 裁判員制度 裁判例 裁判所 知的財産 裁判例 裁判例 データ 裁判例 データベース 裁判例 データベース 無料 裁判例 とは 裁判例 とは 判例 裁判例 ニュース 裁判例 レポート 裁判例 安全配慮義務 裁判例 意味 裁判例 引用 裁判例 引用の仕方 裁判例 引用方法 裁判例 英語 裁判例 英語で 裁判例 英訳 裁判例 閲覧 裁判例 学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例 共有物分割 裁判例 刑事事件 裁判例 刑法 裁判例 憲法 裁判例 検査 裁判例 検索 裁判例 検索方法 裁判例 公開 裁判例 公知の事実 裁判例 広島 裁判例 国際私法 裁判例 最高裁 裁判例 最高裁判所 裁判例 最新 裁判例 裁判所 裁判例 雑誌 裁判例 事件番号 裁判例 射程 裁判例 書き方 裁判例 書籍 裁判例 商標 裁判例 消費税 裁判例 証拠説明書 裁判例 証拠提出 裁判例 情報 裁判例 全文 裁判例 速報 裁判例 探し方 裁判例 知財 裁判例 調べ方 裁判例 調査 裁判例 定義 裁判例 東京地裁 裁判例 同一労働同一賃金 裁判例 特許 裁判例 読み方 裁判例 入手方法 裁判例 判決 違い 裁判例 判決文 裁判例 判例 裁判例 判例 違い 裁判例 百選 裁判例 表記 裁判例 別紙 裁判例 本 裁判例 面白い 裁判例 労働 裁判例・学説にみる交通事故物的損害 2-1 全損編 裁判例・審判例からみた 特別受益・寄与分 裁判例からみる消費税法 裁判例とは 裁量労働制 裁判例 財産分与 裁判例 産業医 裁判例 残業代未払い 裁判例 試用期間 解雇 裁判例 持ち帰り残業 裁判例 自己決定権 裁判例 自転車事故 裁判例 自由権 裁判例 手待ち時間 裁判例 受動喫煙 裁判例 重過失 裁判例 商法512条 裁判例 証拠説明書 記載例 裁判例 証拠説明書 裁判例 引用 情報公開 裁判例 職員会議 裁判例 振り込め詐欺 裁判例 身元保証 裁判例 人権侵害 裁判例 人種差別撤廃条約 裁判例 整理解雇 裁判例 生活保護 裁判例 生存権 裁判例 生命保険 裁判例 盛岡地裁 裁判例 製造物責任 裁判例 製造物責任法 裁判例 請負 裁判例 税務大学校 裁判例 接見交通権 裁判例 先使用権 裁判例 租税 裁判例 租税法 裁判例 相続 裁判例 相続税 裁判例 相続放棄 裁判例 騒音 裁判例 尊厳死 裁判例 損害賠償請求 裁判例 体罰 裁判例 退職勧奨 違法 裁判例 退職勧奨 裁判例 退職強要 裁判例 退職金 裁判例 大阪高裁 裁判例 大阪地裁 裁判例 大阪地方裁判所 裁判例 大麻 裁判例 第一法規 裁判例 男女差別 裁判例 男女差别 裁判例 知財高裁 裁判例 知的財産 裁判例 知的財産権 裁判例 中絶 慰謝料 裁判例 著作権 裁判例 長時間労働 裁判例 追突 裁判例 通勤災害 裁判例 通信の秘密 裁判例 貞操権 慰謝料 裁判例 転勤 裁判例 転籍 裁判例 電子契約 裁判例 電子署名 裁判例 同性婚 裁判例 独占禁止法 裁判例 内縁 裁判例 内定取り消し 裁判例 内定取消 裁判例 内部統制システム 裁判例 二次創作 裁判例 日本郵便 裁判例 熱中症 裁判例 能力不足 解雇 裁判例 脳死 裁判例 脳脊髄液減少症 裁判例 派遣 裁判例 判決 裁判例 違い 判決 判例 裁判例 判例 と 裁判例 判例 裁判例 とは 判例 裁判例 違い 秘密保持契約 裁判例 秘密録音 裁判例 非接触事故 裁判例 美容整形 裁判例 表現の自由 裁判例 表明保証 裁判例 評価損 裁判例 不正競争防止法 営業秘密 裁判例 不正競争防止法 裁判例 不貞 慰謝料 裁判例 不貞行為 慰謝料 裁判例 不貞行為 裁判例 不当解雇 裁判例 不動産 裁判例 浮気 慰謝料 裁判例 副業 裁判例 副業禁止 裁判例 分掌変更 裁判例 文書提出命令 裁判例 平和的生存権 裁判例 別居期間 裁判例 変形労働時間制 裁判例 弁護士会照会 裁判例 法の下の平等 裁判例 法人格否認の法理 裁判例 法務省 裁判例 忘れられる権利 裁判例 枕営業 裁判例 未払い残業代 裁判例 民事事件 裁判例 民事信託 裁判例 民事訴訟 裁判例 民泊 裁判例 民法 裁判例 無期転換 裁判例 無断欠勤 解雇 裁判例 名ばかり管理職 裁判例 名義株 裁判例 名古屋高裁 裁判例 名誉棄損 裁判例 名誉毀損 裁判例 免責不許可 裁判例 面会交流 裁判例 約款 裁判例 有給休暇 裁判例 有責配偶者 裁判例 予防接種 裁判例 離婚 裁判例 立ち退き料 裁判例 立退料 裁判例 類推解釈 裁判例 類推解釈の禁止 裁判例 礼金 裁判例 労災 裁判例 労災事故 裁判例 労働基準法 裁判例 労働基準法違反 裁判例 労働契約法20条 裁判例 労働裁判 裁判例 労働時間 裁判例 労働者性 裁判例 労働法 裁判例 和解 裁判例

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(109)平成27年 9月25日 東京地裁 平25(ワ)30973号 損害賠償請求事件

判例リスト「完全成果報酬|完全成功報酬 営業代行会社」(109)平成27年 9月25日 東京地裁 平25(ワ)30973号 損害賠償請求事件

裁判年月日  平成27年 9月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)30973号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2015WLJPCA09258015

要旨
◆本件会社のテレフォンアポインターとして勤務していた被告の勧誘を受けて同社の運営する会員制リゾートクラブについて預託金等を支払った原告らが、本件会社が破産手続開始決定を受けて預託金等の返還を受けられなくなったことにつき、本件倶楽部の会員権システムは破綻必至であったにもかかわらず、被告は預託金等の全額返還ができるなどと虚偽の事実を告げて原告らに金員を支出させた、また、被告の勧誘行為は元本保証をして出資金を受け入れることを制限する出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律に反するなどと主張して、不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案において、各勧誘当時、被告が原告らに対して客観的に不可能であり、虚偽の内容であったと推認される説明をして勧誘したことが認められるが、被告が虚偽であることを認識又は認識し得たと認められないとし、また、出資法違反が直ちに違法性を有し、民法上の不法行為に当たるということはできないなどとして、原告主張に係る被告の不法行為責任をいずれも否定し、請求を棄却した事例

参照条文
民法709条
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律1条
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律2条1項
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律8条3項1号

裁判年月日  平成27年 9月25日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決
事件番号  平25(ワ)30973号
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  請求棄却  文献番号  2015WLJPCA09258015

東京都西東京市〈以下省略〉
原告 X1(以下「原告X1」という。)
東京都町田市〈以下省略〉
原告 X2(以下「原告X2」という。)
東京都豊島区〈以下省略〉
原告 X3(以下「原告X3」という。)
上記3名訴訟代理人弁護士 岩田修一
同 北野香織
同 阿部克臣
静岡県伊豆市〈以下省略〉
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 瀬野俊之

 

 

主文

1  原告らの請求をいずれも棄却する。
2  訴訟費用は原告らの負担とする。

 

事実及び理由

第1  請求
1  被告は,原告X1に対し,550万円及びこれに対する平成19年3月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2  被告は,原告X2に対し,550万円及びこれに対する平成20年2月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3  被告は,原告X3に対し,550万円及びこれに対する平成21年11月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2  事案の概要等
1  事案の概要
本件は,原告らが,株式会社オー・エム・シー(以下「オー・エム・シー」という。)のテレフォンアポインター(以下「テレアポ」という。)として勤務していた被告の勧誘を受けて,オー・エム・シーの運営する岡本ホテルグループの会員制リゾートクラブ岡本倶楽部について預託金等を支払ったが,その後オー・エム・シーが破産手続開始決定を受けて預託金等の返還を受けられなくなったことにつき,① 被告は,岡本倶楽部の会員権システムは破綻必至であり,原告らに預託金等を返還することは当初から不可能であったにもかかわらず,預託金等の全額返還ができるなどと虚偽の事実を告げて,原告らに金員を支出させた,② 被告の上記勧誘行為は,元本保証をして出資金を受け入れることを制限する「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)1条及び預り金を制限する同法2条1項に反するなどと主張して,不法行為に基づき,オー・エム・シーに支払った預託金等相当損害金及び弁護士費用相当損害金並びにこれらに対する各原告が最後に預託金等を支払った日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2  前提事実(争いのない事実並びに括弧内に掲げた証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)
(1)  当事者等
ア 原告ら
原告らは,いずれも会員制リゾートクラブである岡本倶楽部の会員となった者である。
原告X1は,昭和25年生まれの女性,原告X2は,昭和16年生まれの男性,原告X3は,昭和25年生まれの女性である。
イ オー・エム・シーは,平成18年10月25日,リゾート施設会員組織の運営,管理,会員権の管理,販売及び各種観光地の開発,企画等を目的として設立された株式会社である。オー・エム・シーは,株式会社岡本ホテルシステムズ(以下「岡本ホテルシステムズ」という。)が平成17年4月頃から運営していた岡本倶楽部を引き継いで運営しており(甲2),東京,熱海,伊豆,名古屋,大阪等に営業所を置き,岡本倶楽部の会員権販売の営業等を行っていた。
オー・エム・シーの全株式を実質的に保有する同社の実質的オーナーはA(以下「A」という。)であり,後記のオー・エム・シーの破産手続開始決定当時(平成22年6月10日)の代表取締役はB(以下「B」という。)であった。Aは,平成25年5月30日に,Bは,同年6月26日に,東京地方裁判所において,岡本倶楽部の預託金及び施設使用料の名目で金銭を詐取したとの犯罪事実の認定を受け,「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」違反の罪により有罪判決の宣告を受けた(甲12)。なお,同人らは,それぞれ各有罪判決を不服として控訴している。
ウ 被告は,平成18年12月1日からオー・エム・シーにパートタイムの従業員として雇用され,同日から平成22年3月31日までは伊東マンダリン営業所において,同営業所が閉鎖された後の同年4月1日から同年5月26日までは熱海営業所において,テレアポとして勤務していた。
(2)  岡本倶楽部の会員権の内容等
ア 岡本倶楽部について
岡本倶楽部は,同倶楽部の会員(以下「本件各会員」ともいう。)が,日本産業株式会社,株式会社鈴幸及び株式会社オカモト(以下,上記3社を併せて「本件運営会社」という。)の運営する熱海岡本ホテルを始めとする国内11か所のホテル(以下,各ホテルを「本件各系列ホテル」という。)において,宿泊サービス等の提供を受けることができる会員制リゾートクラブである。本件各系列ホテルのうちオー・エム・シーが所有するホテルは8か所であった。(甲2)
イ 岡本倶楽部の会員権の内容について
岡本倶楽部の会員募集は,第1次募集から第3次募集に分けて実施された。
本件各会員には,ブロンズ,シルバー,ゴールド及びプラチナという4種類の会員区分が存在し,本件各会員は,岡本倶楽部に入会する際,上記会員区分に応じた預託金及び施設使用料との名目で入会諸費用を支払うこととされ,預託金については入会から5年後に全額返還されることとされていた。なお,第1次募集においては,入会諸費用の全額が預託金であり,5年後に返還されることとされていた。
そして,本件各会員になると,本件各系列ホテルの宿泊料金の割引,優先予約,送迎等の各サービスを受けることができ,本件各系列ホテルにおいて1ポイント当たり1円の価値を有するポイント(以下「宿泊ポイント」という。)を上記各募集時期や上記各会員区分によって定められた一定の割合に従って付与され,宿泊料金に充当したり,未利用の宿泊ポイントを一定の払戻率に従って換金できることとされていた。なお,第3次募集においては,未利用の宿泊ポイントの払戻しはされないこととされた。
各募集時期及び各会員区分における入会諸費用(預託金及び施設使用料の各金額),付与される宿泊ポイント及び未利用の宿泊ポイントの払戻率は,別紙入会諸費用等一覧表記載のとおりである。
ブロンズ会員,シルバー会員及びゴールド会員は,上級の会員区分における入会諸費用と支払済みの入会諸費用との差額を支払うことにより,上級の会員区分の会員となることができた。例えば,第2次ブロンズ会員は,第2次シルバー会員との入会諸費用の差額200万円(預託金175万円及び施設使用料25万円)を支払うことにより,第2次シルバー会員となることができた(以下,この差額の支払によって上級の会員となることを「グレードアップ」という。)。
(3)  オー・エム・シーによる本件各会員募集等
ア 岡本倶楽部の会員募集は,第1次募集(平成17年4月頃から),第2次募集(平成18年2月頃から)及び第3次募集(平成21年7月頃から)に分けて実施された。オー・エム・シーの前身である岡本ホテルシステムズが,平成17年4月頃から第1次募集を開始し,平成18年2月頃から第2次募集を開始したが,その後,同年10月25日に設立されたオー・エム・シーが上記募集業務を引き継いだ。
イ オー・エム・シーは,東京,熱海,伊豆,名古屋,大阪等に営業所を設置し,各営業所に営業員及びテレアポを配置し,岡本倶楽部の会員権販売の勧誘等を行っていた。
営業員とは,オー・エム・シーの正社員であり,テレアポが面会の約束を取り付けた者と面会して岡本倶楽部への入会の勧誘をしたり,入会希望者に入会契約書の交付をしたり,入会者から預託金及び施設使用料名目の金員を受領したりする役割を担っていた。営業員の給料は,毎月の会員からの入金額に応じた歩合給であり,上記金額の3%ないし8%の割合により支払われていた。
テレアポとは,オー・エム・シーのパートタイムの従業員であり,営業員の指導の下,電話により岡本倶楽部への入会の勧誘を行っていた。具体的には,電話の相手が岡本倶楽部に興味を持った場合にはパンフレットを送付し,その後に再度電話をして本件各会員の区分や預託金の返還の仕組みを説明したり,本件各系列ホテルにおける無料宿泊体験を勧めたり,既存の会員に対しグレードアップの勧誘をしたりして,営業員との面会の約束を取り付けるなどの役割を担っていた。
オー・エム・シーにおいては,テレアポ約10名を1グループとし,グループごとにテレアポを指導する営業員1名が配置され,グループごとに岡本倶楽部の会員権募集の勧誘が行われていた。
被告は,平成18年12月から平成19年10月まで及び平成21年11月から平成22年3月までの間は営業員であるC(以下「営業員C」という。)の下で,平成19年10月から平成20年6月までの間は営業員であるD(以下「営業員D」という。)の下で,同月から平成21年11月までは営業員であるE(以下「営業員E」という。)の下で,業務に従事していた(甲16)。
被告は,平成19年8月頃からテレアポのグループリーダー(テレアポリーダー)となった(甲16,丙1)。
テレアポである被告の給料は,時給1200円程度であった。勤務開始約2年経過後から,被告の時給には,2か月連続で月に2件新規会員を獲得すると時給が100円増額し,他方,新規会員の獲得が月に1件もないと時給が100円減額となり,最低時給を900円とする昇降条件が設定されていた。また,その他にコミッション料と呼称される新規会員獲得に対する成功報酬として,新規会員獲得1件につき5000円の手当やテレアポリーダーの手当として月1万5000円を支給されていた(甲16)。
ウ オー・エム・シーによる岡本倶楽部の会員の募集は,まず,テレアポが営業員等から配布された名簿や市販の電話帳等に基づき電話をかけ,興味を示した相手に対し,同倶楽部のパンフレットを送付するとともに営業員との面会の約束を取り付けたり,本件各系列ホテルへの無料宿泊体験に勧誘したり,宿泊先ホテルでの営業員との面会を取り付けて勧誘の機会を設けたりするなどの方法が採られていた。
被告の所属する営業所には,A4版サイズの一枚紙で,勧誘のノウハウや伊東温泉の魅力,別荘を所有した場合の管理との比較や預託金の金額,その返還時期,ポイントの利用方法について記載されたトークマニュアルがあり,被告は,そのマニュアルに従い,テレアポとしての業務を行っていた(丙1,被告)。
(4)  原告らによる岡本倶楽部の入会申込み等
ア 原告X1(甲21,24~26,原告X1)
原告X1は,平成19年3月4日,オー・エム・シーとの間で岡本倶楽部の第2次ゴールド会員となる旨の契約を締結し,預託金450万円及び施設使用料50万円の合計500万円のうち5万円を現金で営業員Cに交付し,その後の同月30日,残金495万円を振込送金して支払い,岡本倶楽部の第2次ゴールド会員となった。
イ 原告X2(甲48~50,原告X2)
(ア) 原告X2は,平成19年2月末頃,預託金80万円及び施設使用料20万円の合計100万円をオー・エム・シーに支払い,岡本倶楽部の第2次ブロンズ会員となった。
(イ) 原告X2は,平成20年2月7日,第2次ブロンズ会員から第2次シルバー会員にグレードアップするために必要な預託金及び施設使用料の差額200万円(預託金175万円及び施設使用料25万円)をオー・エム・シーに支払い,岡本倶楽部の第2次シルバー会員となった。
(ウ) 原告X2は,平成20年2月24日,第2次シルバー会員から第2次ゴールド会員にグレードアップするために必要な預託金及び施設使用料の差額200万円(預託金195万円及び施設使用料5万円)をオー・エム・シーに支払い,岡本倶楽部の第2次ゴールド会員となった。
ウ 原告X3(甲31~42,44~47,原告X3,弁論の全趣旨)
(ア) 原告X3は,平成17年5月頃,岡本ホテルシステムズのテレアポから岡本倶楽部への入会の勧誘の電話を受け,同年7月5日,岡本ホテルシステムズに預託金100万円を支払い,第1次ブロンズ会員となった。
(イ) 原告X3は,平成19年7月26日,第1次ブロンズ会員から第1次シルバー会員にグレードアップするために必要な預託金の差額200万円をオー・エム・シーに支払い,岡本倶楽部の第1次シルバー会員となった。
(ウ) 原告X3は,オー・エム・シーに対し,平成20年8月21日に100万円を,平成21年8月31日に49万6000円をそれぞれ振込送金し,同年11月16日,100万円を支払い,その当時保有していた宿泊ポイントの換金分50万4000円をも預託金等に充当して,岡本倶楽部の第2次シルバー会員となった。
(5)  オー・エム・シーの財務状況等(甲2)
ア オー・エム・シーの収入は,本件各会員から支払われる施設使用料,本件各系列ホテルのうちオー・エム・シーの所有する各ホテルの運営会社からの賃料収入及び本件各会員が本件各系列ホテルを利用した際に運営会社が支払う集客手数料(宿泊ポイントの20%相当額)のみであり,これらは年間約7億円から9億円程度であった。これに対し,オー・エム・シーの支出は,会員募集のための諸経費(役員報酬,給料手当等)に加え,未利用の宿泊ポイントの払戻し(例えば,第2次会員の場合,ブロンズ会員であっても最大36万円を払い戻さなければならず,プラチナ会員に対しては最大611万2500円を払い戻さなければならなかった。)や本件各会員が宿泊ポイントを利用して本件各系列ホテルに宿泊した場合の使用ポイントの80%に相当する金額を本件運営会社に支払うなど,合計で年間40億円から45億円に達するものであった。
イ オー・エム・シーは,本件各会員に対し,5年後に預託金の全額を返還する義務を負っていたところ,岡本倶楽部における預託金の総額は,平成21年9月期で約191億8300万円,平成23年3月時点で約213億円に達するとされていた。
ウ オー・エム・シーは,平成18年の設立以降3期連続で債務超過の状態にあった。その債務超過額は,平成19年9月期は約21億6000万円(資産総額約31億0600万円に対し,負債額約52億6700万円),平成20年9月期は約37億5900万円(資産総額約106億4500万円に対し,負債額約144億0500万円),平成21年9月期は約71億0900万円(資産総額約126億9000万円に対し,負債額約197億9300万円)であり,年々増加していた。
エ オー・エム・シーの事業は,上記のとおり破綻を免れない構造となっていたところ,オー・エム・シーにおいては,平成21年9月頃から,未利用の宿泊ポイントの払戻しの遅滞によるクレームやテレアポへの給与支払の遅滞及び事務所の賃料支払の遅滞などが生じ始めた。
そして,平成22年5月21日,岡本倶楽部の会員でありオー・エム・シーに預託金返還請求権を有する債権者により,東京地方裁判所に対して,オー・エム・シーの破産手続の申立てがされ,同社は,同年6月10日,破産手続開始決定を受けた(同庁平成22年(フ)第8801号)。
原告X1は,預託金450万円,宿泊ポイント払戻金72万3727円を,原告X2は,預託金450万円,宿泊ポイント払戻金57万8850円を,原告X3は,預託金555万円,宿泊ポイント払戻金121万4948円を,それぞれオー・エム・シーに対する破産債権として届け出た(甲78,80,81)。
3  争点
(1)  被告による勧誘の有無及び勧誘文言の内容
(2)  詐欺ないし詐欺的行為を理由とする不法行為の成否(被告の故意又は過失の有無)
(3)  出資法違反を理由とする不法行為の成否
(4)  被告による勧誘と相当因果関係を有する原告らの損害の有無
4  争点に関する当事者の主張
(1)  争点(1)(被告による勧誘の有無及び勧誘文言の内容)について
(原告らの主張)
ア 原告X1の主張
被告は,平成19年2月20日頃,原告X1に対し,電話をかけ,5年後に預託金を全額返還できる,宿泊ポイントを換金することができて得である,本件各系列ホテルは全てオー・エム・シー所有であって,倒産した場合も同各ホテルを売却して預託金の返還に充当することができ,安心であるなどと告げて,岡本倶楽部への入会勧誘をした。
イ 原告X2の主張
(ア) 岡本倶楽部への入会の勧誘
被告は,平成19年2月初旬頃,原告X2に対し,電話をかけ,本件各系列ホテルはペットの犬を同伴して宿泊できると話した上,預託金は5年後には全額返還できる,宿泊ポイントを換金することができて得である,本件各系列ホテルは全てオー・エム・シー所有であって,倒産した場合も同各ホテルを売却して預託金の返還に充当でき,安心であるなどと説明し,パンフレットを送付し,岡本倶楽部への入会を勧誘した。
その後も被告が原告X2に対して上記勧誘の電話を執拗にしてきたため,原告X2は,同月21日から同月22日頃,熱川岡本ホテルに無料宿泊をした。その際,原告X2は,営業員D及び被告と面会し,同人らから,預託金を5年後には全額返還できる,損をすることは絶対にないなどとの説明を受けた。
(イ) 第2次シルバー会員へのグレードアップの勧誘
被告は,平成20年1月下旬頃から同年2月初旬頃にかけて,原告X2に対し,電話をかけて,預託金は元本保証で安全であるし,シルバー会員の方が宿泊ポイントの換金率などの条件が良くなる,銀行に預けるよりも利率が高くて得であるなどと説明して,追加の預託金及び施設使用料を支払って第2次シルバー会員へグレードアップするよう勧誘した。
(ウ) 第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘
被告は,原告X2が第2次シルバー会員にグレードアップした平成20年2月7日の直後頃から,原告X2に対し,電話をかけて,第2次ゴールド会員になると更に宿泊ポイントの還元率が良くなる,預託金は5年後には全額返還されるし,投資として最適であるなどと,グレードアップの勧誘の電話を何度もかけてきた。
ウ 原告X3の主張
(ア) 第1次シルバー会員へのグレードアップの勧誘
被告は,平成19年7月頃,その当時岡本倶楽部の第1次ブロンズ会員であった原告X3に電話をかけ,預託金は5年後に必ず返還される,シルバー会員の方が宿泊ポイントの換金率などの点で条件が良くなる,本件各系列ホテルは全てオー・エム・シー所有であって,倒産した場合も同各ホテルを売却して預託金の返還に充当できるなどと説明して,追加の預託金及び施設使用料を支払って第1次シルバー会員へグレードアップするよう勧誘した。
(イ) 平成20年8月21日の100万円の支払に関する勧誘
原告X3が,平成20年7月頃,ポイントを換金しようとオー・エム・シーに連絡したところ,被告は,同年8月初旬頃,原告X3に対し,預託金は5年後には全額返還される,宿泊ポイントも換金することができて銀行に預けるより得であるなどと説明し,第1次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘をした。
(ウ) 平成21年8月31日の49万6000円の支払に関する勧誘
被告は,平成21年8月頃,原告X3に対し,5年後の預託金返還と宿泊ポイントの換金を強調した岡本倶楽部の会員権の買増しの勧誘の電話を執拗にかけてきた。
(エ) 平成21年11月16日の100万円の支払に関する勧誘
被告は,平成21年11月頃,再び原告X3に電話をかけ,5年後の預託金返還と宿泊ポイントの換金を強調した会員権の買増しの勧誘の電話を執拗にかけてきた。
(被告の主張)
ア 原告X1の主張について
被告が,平成19年2月頃,原告X1に対し,岡本倶楽部への入会勧誘の電話をしたこと,預託金は5年後には全額返還できる,宿泊ポイントを一定の払戻率により払い戻すことができて得であると説明したことは認め,その余は否認ないし争う。
被告は,原告X1に対し,本件各系列ホテルは全てオー・エム・シー所有であって,倒産した場合も各ホテルを売却して預託金の返還に充当することができ,安心であるとは告げていない。
イ 原告X2の主張について
(ア) 岡本倶楽部への入会の勧誘について
被告が原告X2に岡本倶楽部への入会を勧誘したこと(原告X2の主張(ア))は否認する。被告が平成19年2月初旬頃に原告X2に勧誘の電話をかけたことはない。また,原告X2は,同月21日から22日頃に熱川岡本ホテルに無料宿泊した際,営業員Dと共に被告とも面会したと主張するが,被告は,上記ホテルに行ったことは一度もないし,その頃は営業員Dの下ではなく,営業員Cの下で働いていた。
(イ) 第2次シルバー会員へのグレードアップの勧誘について
原告X2の主張(イ)のうち,被告が,営業員Dからの指示を受けて,平成20年2月初旬頃,原告X2に電話をかけて,本件各系列ホテルの犬同伴のシステムについて話した上,第2次シルバー会員へのグレードアップの意向について確認し,パンフレットを送付したことは認めるが,その余は否認ないし争う。
(ウ) 第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘
被告が,原告X2に対し,第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘をしたこと(原告X2の主張(ウ))は否認する。
イ 原告X3の主張について
(ア) 第1次シルバー会員へのグレードアップの勧誘
被告が,原告X3に対し,第1次シルバー会員へのグレードアップの勧誘をしたこと(原告X3の主張(ア))は否認する。被告は原告X3を覚えていないが,被告が第1次募集の業務を行ったことはないし,被告が平成22年3月まで在籍していた伊東マンダリン営業所においては,開設当初から第1次募集の業務を行ったことはないと聞いている。また,被告は,原告X3が第1次ブロンズ会員となった際の入会申込書(甲32)に担当者として印鑑が押捺されているFという人物を知らない。被告がグレードアップの勧誘業務をするようになったのは,平成19年11月頃に営業員Dの下で業務に従事するようになった後であって,原告X3が被告から勧誘を受けたと主張する同年7月初旬頃は,営業員Cの下で業務に従事しており,その当時にグレードアップの勧誘をしたことはない。
(イ) 平成20年8月21日の100万円の支払に関する勧誘
被告が平成20年8月初旬頃に原告に第1次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘をしたこと(原告X3の主張(イ))は否認する。被告は,原告X3を覚えていない。原告X3は,営業員Eと被告の連名で原告X3に宛てて送付された書面(甲36)の存在を根拠として,被告による勧誘があった旨主張するが,同書面を作成したのは営業員Eであり,被告はこれを見たことがない。
(ウ) 平成21年8月31日の49万6000円の支払に関する勧誘
被告が平成21年8月頃に原告X3に対して勧誘の電話をかけたこと(原告X3の主張(ウ))は否認する。
(エ) 平成21年11月16日の100万円の支払に関する勧誘
被告が平成21年11月頃に原告X3に対して会員権の買増しの勧誘の電話をかけたこと(原告X3の主張(エ))は否認する。上記支払に係る原告X3の第2次シルバー会員の入会申込書(甲44)は営業員G(以下「営業員G」という。)の印鑑が押捺されているが,被告は営業員Gの下で働いたことはないし,伊東マンダリンホテルで原告X3と会った記憶はなく,被告が原告X3主張の勧誘をした事実はない。
(2)  争点(2)(詐欺ないし詐欺的行為を理由とする不法行為の成否(被告の故意又は過失の有無))について
(原告らの主張)
ア 被告は,原告らに対する各勧誘当時,岡本倶楽部が破綻必至のシステムであり,原告らに預託金を返還することができないこと,口数を限定して会員募集をしていないこと,オー・エム・シーが本件各系列ホテルの全部を所有していないことを認識しており,虚偽説明をしていることにつき故意があった。被告は,原告らに対する各勧誘当時,別紙原告ら主張の〔故意・過失についての評価根拠事実〕一覧表の①ないし⑥記載の事実(岡本倶楽部の会員権の内容が本件各会員に実質的な元本保証をする一方でオー・エム・シーの経済的負担が大きいものであったことや会員権の口数限定が虚偽である可能性)を認識していたのであるから,上記故意があったものと推認できる。
イ 仮に被告が上記認識を有していなかったとしても,岡本倶楽部の会員権販売に関わる者として,原告らに約束した預託金の全額返還及び未利用の宿泊ポイントの一定の払戻率による払戻しの実現可能性を担保するだけの収益を上げる仕組みや預託金の保全の仕組みについて調査確認すべき義務を負っていたというべきであり,上記調査確認義務を尽くしていれば,岡本倶楽部が破綻必至のシステムであり,本件各会員に対して預託金の全額返還及び未利用の宿泊ポイントの一定の払戻率に基づく払戻しの可能性が全くないことを認識し得たのであるから,被告による原告らに対する各勧誘は,少なくとも過失による不法行為に当たる。
ウ さらに,被告による原告X3に対する平成21年8月初旬頃及び同年11月初旬頃の各勧誘当時,被告は,上記アの各事実に加え,別紙原告ら主張の〔故意・過失についての評価根拠事実〕一覧表の⑦ないし⑬記載の事実(本件各系列ホテルの全てがオー・エム・シー所有物件であるとの説明が虚偽であること,平成20年11月頃以降のテレアポへの給料支払の遅滞,未利用の宿泊ポイントの払戻しの遅滞等)を認識し,又は,認識し得た。よって,被告は,原告らに預託金の全額返還及び未利用の宿泊ポイントの一定の払戻率に基づく払戻しの可能性が全くないことや,口数限定の募集が虚偽であること等を,認識していたというべきであり,そうでないとしても,上記イの調査確認義務を尽くしていれば容易に認識し得たというべきである。
(被告の主張)
被告は,岡本倶楽部が破綻必至のシステムであり,預託金の返還が不可能であることや,口数限定募集が虚偽であること,オー・エム・シーの保有資産状況について知らなかったし,知り得なかった。被告の故意・過失の評価根拠事実として原告らが主張する事実についての被告の主張は,以下のとおりである。
ア 原告らの別紙原告らの主張の〔故意・過失についての評価根拠事実〕一覧表の①ないし⑤(岡本倶楽部の会員権の内容が本件各会員に実質的な元本保証をする一方でオー・エム・シーの経済的負担が大きいものであったこと)について
テレアポは,オー・エム・シーの経営会議に参加する立場になく,2か月に1回程度の頻度で開催されるテレアポが参加する会議においては募集要項の変更内容や新たな施設が加わった場合の説明をされるにすぎなかった。また,朝礼においては当日の目標(パンフレットの送付数や無料宿泊体験の獲得数)が申告されるにすぎなかったのであり,被告は,オー・エム・シーの財務状況や経営状況を知らなかったし,知る立場にもなかった。
また,被告がオー・エム・シーから配布されたトークマニュアルには,預託金の金額や返還時期,ポイントの利用に関する記載はあったが,岡本倶楽部の保有資産やその資産に担保が設定されているか等の記載はなかった。
イ 原告らの同表の⑥(会員権の口数限定が虚偽である可能性)について
被告は,口数限定募集が虚偽ではないかと疑問に思ったことはあったが,営業員Eにそのことを尋ね,同人から,死亡したり,退会した本件各会員の分の口数があり,その再募集をしている旨の説明を受け,虚偽ではないとの認識を有していた。
ウ 原告らの同表の⑦ないし⑬(本件各系列ホテルの全てがオー・エム・シー所有物件であるとの説明が虚偽であること,平成20年11月頃以降のテレアポへの給料支払の遅滞,未利用の宿泊ポイントの払戻しの遅滞等)について
上記各事実は,オー・エム・シーの東京営業所でのことや同所のテレアポに関するものであり,伊東マンダリン営業所に勤務していた被告が直接関与した事実ではなく,被告は,原告X3に対する平成21年8月初旬頃及び同年11月初旬頃の各勧誘当時,これらを知らなかった。被告に対する給与支払の遅滞が生じたのは,平成20年11月頃ではなく,平成22年2月頃からであるし,被告が,本件各会員に対する未利用の宿泊ポイントの払戻しが遅滞していることを認識したのは平成21年9月頃のことである。
(3)  争点(3)(出資法違反を理由とする不法行為の成否)について
(原告らの主張)
ア 被告は,オー・エム・シーの従業員として,原告らを含む不特定かつ多数の者である本件各会員から,預かった金員の返還及び未利用の宿泊ポイントの払戻しをするとして元本を超える金員を得られることを約束して,金員を拠出させた。被告による上記行為は,元本保証をしての出資金の受入れを禁止する出資法1条違反の行為に当たるとともに,法定の除外事由がないにもかかわらず預り金をしたものであり,同法2条1項違反の行為に当たる。
イ そして,出資法1条の趣旨は一般大衆の財産を保護することにあり,同法2条1項の趣旨は,同法1条と同じ上記趣旨に加え,社会の信用制度ないし経済秩序をも維持する点にあること,上記各条項に違反した場合,3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(併科可)という重い刑罰が定められていることに鑑みれば,上記各条項違反の行為は,特段の理由のない限り社会的相当性を著しく欠き民事上も違法性を有するというべきであり,被告の上記行為は原告らに対する不法行為に当たる。
(被告の主張)
ア 原告らがオー・エム・シーに支払った預託金や施設使用料は,「共同の事業のために拠出される金銭」に当たらないから,被告の行為は出資法1条に反するものではない。
イ 仮に被告の行為が出資法違反に当たるとしても,直ちに民事上の違法性を構成するわけではなく,同法の立法趣旨,社会における非難の程度,一般取引に与える影響などを総合考慮して違法性を有するか否かを判断すべきである。出資法は,同法1条及び2条1項違反の行為については「使用人その他の従業員」を処罰の対象としておらず(同法8条3項1号),被告はオー・エム・シーの従業員にすぎないことからも,被告の行為が出資法違反に当たったとしても,直ちに不法行為が成立するわけではないというべきである。
(4)  争点(4)(被告による勧誘と相当因果関係を有する原告らの損害の有無)について
(原告らの主張)
原告らは,被告による勧誘を受け,同勧誘の内容を信じて岡本倶楽部へ入会することを決意し,入会又はグレードアップに際し,預託金及び施設使用料名目でオー・エム・シーに金員を支払った。したがって,原告らの損害は,別紙原告ら主張の損害金額一覧表の「年月日」欄記載の各日に原告らがオー・エム・シーに支払った同表の「被害(出資)金額」欄記載の各金員相当額である。
また,本件のような投資詐欺の事案では,一般人である原告らがその損害回復のための訴訟提起に当たり弁護士に委任することは必要不可欠であるから,原告らの各損害額の1割に相当する弁護士費用相当額(上記一覧表の「弁護士費用」欄記載の各金員相当額)も被告による不法行為と相当因果関係を有する損害である。
(被告の主張)
原告らの主張は否認ないし争う。
テレアポの仕事は,飽くまでも岡本倶楽部に興味を持ってもらい,営業員による勧誘の機会を作るまでである。原告らは,いずれも営業員による説明によって岡本倶楽部の会員となることを決意し,預託金等の金員を支出したのであり,テレアポである被告の勧誘によって上記金員を支出したのではない。
第3  当裁判所の判断
1  争点(1)(被告による勧誘の有無及び勧誘文言の内容)について
(1)  原告X1に対する勧誘について
ア 被告が,平成19年2月20日頃,原告X1に対し,電話をかけ,岡本倶楽部への入会を勧誘したこと,その際,預託金は5年後に全額返還できる,宿泊ポイントを一定の払戻率で払い戻すことができて得であると説明したことは,当事者間に争いがない。
イ 原告X1は,被告が,上記勧誘の際に,本件各系列ホテルは全てオー・エム・シー所有であって,倒産した場合も各ホテルを売却して預託金の返還に充当することができ,安心であるとも告げた旨主張する。
しかし,原告X1は,本人尋問において,上記勧誘の際に被告はオー・エム・シーの資産状況については分からないと回答したと供述しており,他に被告が本件各系列ホテルが全てオー・エム・シーの所有であると告げたと認めるに足りる証拠はないから,原告X1の上記主張は採用できない。
(2)  原告X2に対する勧誘について
ア 岡本倶楽部への入会の勧誘について
(ア) 原告X2は,平成19年2月初旬頃,被告から岡本倶楽部への入会勧誘の電話があった旨主張し,これに沿う供述をした(甲48,原告X2)。
しかし,原告X2の上記供述は,上記勧誘を受けた当時は,電話をかけた人物は女性であるとの認識があったにすぎず,被告の氏名までは知らず,平成20年2月初旬頃の第2次シルバー会員へのグレードアップの際に,原告X2の妻からの伝聞により被告が入会の際の勧誘の電話の相手であると認識するに至ったと述べるにすぎないもので,原告X2自身の経験を根拠とするものでもないから,その信用性が高いとはいい難い。
(イ) 他方で,被告は,原告X2に初めて勧誘の電話をしたのは,平成20年2月頃の第2次シルバー会員へのグレードアップの勧誘の電話をしたときであり,平成19年2月頃に原告X2に対して岡本倶楽部への勧誘はしていない旨の供述をしている(丙1,被告)。この被告の供述は,営業員Dからの指示により,犬が好きな原告X2にグレードアップの勧誘をするに至ったことや熱川岡本ホテルには一度も行ったことがないことなどを具体的に供述している上,平成19年2月当時,被告は,営業員Cのグループに所属していて,営業員Dのグループではなかったこと(前提事実(3)イ)とも整合しており,信用性が高いということができる。
(ウ) 以上によれば,原告X2の上記主張供述は採用するに足りず,平成19年2月初旬頃に被告が原告X2に対して岡本倶楽部への入会の勧誘をしたと認めることはできない。
イ 第2次シルバー会員へのグレードアップの勧誘について
被告が,平成20年2月初旬頃に原告X2に電話をかけて,第2次シルバー会員へのグレードアップの意向について確認し,パンフレットを送付したことは,当事者間に争いがないところ,原告X2は,その際,被告が,預託金は元金保証で安心であるし,シルバー会員の方が宿泊ポイントの換金率などの条件が良くなる,銀行に預けるよりも利率が高くて得であるなどと説明したと主張し,これに沿う供述をした(甲48,原告X2)。
被告は,上記勧誘に先立つ平成19年2月頃に原告X1に対する入会の勧誘の際に,預託金は5年後に全額返金できる,宿泊ポイントを一定の払戻率で払い戻すことができて得であるとの説明をしているところ(前記(1)ア),被告から受けた説明内容についての原告X2の上記主張供述は,被告が原告X1に対してした上記説明内容とほぼ同義であること,被告は原告X2の上記主張供述に対して特段積極的な反論はしていないことを勘案すると,平成20年2月初旬頃に被告が原告X2に対してしたグレードアップの勧誘の際に,被告が原告X2の上記主張供述のとおりの説明をしたと認めるのが相当である。
ウ 第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘について
(ア) 原告X2は,同原告が平成20年2月7日に第2次シルバー会員となった直後頃,被告から第2次ゴールド会員へのグレードアップの電話による勧誘が何度もあり,同勧誘によりゴールド会員へのグレードアップの契約をした旨主張し,これに沿う供述をした(甲48,原告X2)。
(イ) これに対し,被告は,原告X2に対して第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘をしたことを否認し,原告X2が第2次ゴールド会員にグレードアップすることは,同人が第2次シルバー会員になった当時,既に営業員Dとの間で話ができていたと供述している(丙1,被告)。
原告X2が平成20年2月7日にシルバー会員にグレードアップする際に提出した岡本倶楽部入会申込書には,追加入会の予定としてゴールドに丸印が記載されていたこと(甲49)や,原告X2が200万円を支払って第2次シルバー会員にグレードアップした日と第2次ゴールド会員にグレードアップして追加で200万円を支払った日との間は,17日という短期間であったことに鑑みれば,当初からその予定であったものと考えるのが自然であることから,被告の上記主張供述の信用性を肯定することができるというべきであり,原告X2の上記主張供述は採用するに足りない。
(ウ) よって,平成20年2月7日の直後頃に被告が原告X2に対して第2次ゴールド会員へのグレードアップの勧誘をしたと認めることはできない。
(3)  原告X3に対する勧誘について
ア 第1次シルバー会員へのグレードアップの勧誘について
(ア) 原告X3は,平成19年7月26日に第1次シルバー会員にグレードアップするに際し,同月初旬頃,被告から電話による勧誘があった旨主張し,これに沿う供述をした(甲31,原告X3)。
(イ) これに対し,被告は,上記の勧誘をしたことを否認し,原告X3について記憶はないものの,第1次募集を扱った経験がないから第1次募集のグレードアップの勧誘をすることはない,平成19年7月頃は営業員Cの下で働いており,同人の下ではグレードアップの勧誘をしたことはない,初めてグレードアップの勧誘業務を経験したのは,営業員Dの下で業務に従事することとなった平成19年11月頃のことであるなどと供述している(丙1,被告)。
原告X3の上記主張供述は他にこれを裏付ける証拠がないこと,他方で,被告の上記主張供述は具体的な理由を述べて原告X3の主張を否定するものであることを勘案すると,原告X3の主張供述を採用するに足りないといわざるを得ない。
(ウ) よって,平成19年7月初旬頃に被告が原告X3に対して第1次シルバー会員へのグレードアップの勧誘をしたと認めることはできない。
イ 平成20年8月21日及び平成21年8月31日の金員支払に関する勧誘について
(ア) 原告X3は,上記各日の金員支払に関して,平成20年7月頃及び平成21年8月初旬頃,被告から勧誘を受けた旨主張供述し(甲31,原告X3),これに沿う内容の営業員Eと被告連名の原告X3宛ての送付書面(甲36)が存在する。
(イ) これに対し,被告は,原告X3を覚えていない,上記書面は営業員Eが作成したものであり,見たことはない旨主張するが,仮に被告が上記書面の存在を知らなかったとしても,少なくとも営業員Eが上記書面を作成したことは被告も争っていないこと,営業員Eが担当でないテレアポの氏名を記載して会員宛ての書面を送付するとは考え難いこと,被告自身上記各勧誘の事実について覚えていないと述べるにすぎず積極的に否認しているわけではないことなどに鑑みれば,被告が上記各金員支払に関して原告X3を勧誘したテレアポであった旨の原告X3の主張供述は,その信用性を肯定することができるというべきである。
また,原告X3は,上記の被告による各勧誘の際に,預託金は5年後には全額返還される,宿泊ポイントも換金することができて銀行に預けるより得であるなどの説明を受けた旨主張供述するところ,既に検討したとおり被告は原告X1及び原告X2に対しても同趣旨の説明をした事実が認められることに照らすと,原告X3の上記主張供述を信用することができる。
(ウ) 以上によれば,原告X3の主張供述のとおり,被告が,平成20年7月頃及び平成21年8月初旬頃,原告X3に対し,預託金は5年後には全額返還される,宿泊ポイントも換金することができ,銀行に預けるより得であるなどと説明して,岡本倶楽部の会員権についての勧誘の電話をしたことが認められる。
ウ 平成21年11月16日の100万円の支払に関する勧誘について
(ア) 原告X3は,第2次シルバー会員になるに先立ち,平成21年11月初旬頃,被告から勧誘された旨主張し,これに沿う供述をした(甲31,原告X3)。
(イ) しかし,原告X3の上記主張供述を裏付けるべき客観的証拠は存在しないのに対し,被告は,原告X3について記憶はないものの,営業員Gの下で働いた経験はなく,また,平成21年11月当時は営業員Cの下で業務に従事していたと具体的に述べて原告X3の上記主張供述を否定する主張供述をしていること(丙1,被告)に鑑みると,原告X3の上記主張供述は採用するに足りないといわざるを得ない。
(ウ) よって,平成21年11月初旬頃に,被告が原告X3に対して第2次シルバー会員への勧誘をしたと認めることはできない。
(4)  以上によれば,被告が,① 平成19年2月20日頃に原告X1に対して岡本倶楽部への入会(第2次会員)の勧誘を,② 平成20年2月初旬頃に原告X2に対して第2次ブロンズ会員から第2次シルバー会員へのグレードアップの勧誘を,③ 平成20年7月頃及び平成21年8月初旬頃に当時第1次シルバー会員であった原告X3に対して勧誘を行い,各勧誘の際に,5年後に預託金は全額返還される,宿泊ポイントも換金することができて得である旨の説明をしたことが認められるが,原告らが主張する被告の勧誘行為及び勧誘の際の説明内容のうち,その余は認めるに足りない。
2  争点(2)(詐欺ないし詐欺的行為を理由とする不法行為の成否(被告の故意又は過失の有無))について
(1)  被告が原告らに対する各勧誘の際にした説明の内容が,5年後に預託金は全額返還される,宿泊ポイントも換金することができて得であるというものであったことは,上記1で認定したとおりであるところ,前提事実((1)イ,(2)及び(5))記載のとおりの岡本倶楽部の会員権の内容,オー・エム・シーの財務状況や,オー・エム・シーの実質的オーナー及び代表取締役が東京地方裁判所において岡本倶楽部の預託金及び施設使用料の名目で金銭を詐取したとの犯罪事実の認定を受けて有罪判決の宣告を受けた事実等を踏まえると,オー・エム・シーにおいて,5年後に預託金を本件各会員に全額返還し,かつ,宿泊ポイントも換金することは,上記各勧誘当時から客観的に不可能であり,上記の説明は事実と齟齬する虚偽の内容であったと推認するのが相当である。
そこで,以下,被告が,原告らに対する上記各勧誘当時,原告らに対してした説明内容が虚偽であること,すなわち預託金を5年後に全額返還することができず,宿泊ポイントの換金もできなくなることを認識していたか,又は,認識し得たかについて検討する。
(2)ア  原告らは,要するに,被告は,上記各勧誘当時,岡本倶楽部の会員権の内容が本件各会員に実質的な元本保証をする一方でオー・エム・シーの経済的負担が大きいものであり,システムそのものが破綻必至であることを認識していたから,5年後に預託金を返還することができず,宿泊ポイントの払戻しもできなくなることを知っていた,そうでないとしても,被告は,岡本倶楽部の会員権販売に関わる者として預託金保全の仕組み等について調査確認すべきであった旨主張する。
イ  確かに,被告が原告らに対して勧誘した岡本倶楽部の第2次募集の会員権の内容は,顧客から預かった預託金に加えて未利用の宿泊ポイントの払戻金を支払う必要があるものであるから(前提事実(2)イ),被告は,その内容そのものから顧客に約束した預託金の返還や未利用の宿泊ポイントの払戻しを実現するためには,オー・エム・シーにとって相当の収益を上げる必要があるということを認識し得たということができる。
しかし,顧客への預託金の返還や宿泊ポイントの払戻しが可能か否かは,預託金の返還の仕組みなど岡本倶楽部の事業の詳細について把握するだけではなく,オー・エム・シーの経営状況や資産状況についても具体的に知らなければ判断することができないものであるところ,被告は,オー・エム・シーにおいて正社員である営業員の指導やマニュアルに従って勧誘業務を行っていたパートタイムの従業員であったにすぎず,同社の経営に関与する立場にはなかったから,同社の収益状況や資産状況,営業員へのコミッション料の支払がオー・エム・シーの収支にいかなる影響があるかなどを知り得る立場にあったと認めるに足りない。
そうすると,岡本倶楽部のシステムや被告の立場を根拠として,被告が上記各勧誘時に預託金の返還ができず,宿泊ポイントの払戻しもできなくなるものであると知っていたか,預託金保全の仕組み等について調査確認すべきであったとする原告らの主張は採用することができない。
なお,会員権が口数限定である旨の説明が虚偽である可能性については,前記1で検討したとおりその説明を被告が原告らに対してした事実を認めるに足りないから,上記の可能性の認識の有無が被告の故意・過失の有無に影響する余地はないというべきである。
(3)ア  原告らは,平成21年8月初旬頃の被告による原告X3に対する勧誘当時,オー・エム・シーにおいてテレアポへの給料支払の遅滞や未利用の宿泊ポイントの払戻金の返還の遅滞が生じており,被告はその事実や本件各系列ホテルの全てがオー・エム・シー所有物件であるという説明が虚偽である可能性を認識していたから,被告は遅くともこの時点では預託金を5年後に返還できないことや宿泊ポイントの払戻しができなくなることを知っていた,そうでないとしても,預託金保全の仕組み等について調査確認すべきであった旨主張する。
イ(ア)  原告らが上記のとおり指摘するオー・エム・シーの経営状況の悪化を窺わせる事実については,確かに,証拠(甲18,分離前被告H)によれば,オー・エム・シーの東京営業所においては,平成21年8月初旬頃までに,テレアポへの給料の支払が1日か2日遅れることが時々あったこと,未利用の宿泊ポイントの払戻金の支払の遅滞について会員から苦情が来たことが複数件あったことが認められる。
しかし,被告が当時勤務していた伊東マンダリン営業所においては,被告が自己への給料の支払が初めて遅れたと主張する平成22年2月頃より前にテレアポへの給料の遅配が生じたことや,会員への払戻金の支払遅滞について苦情が来たことを,認めるに足りる証拠はない。
よって,平成21年8月初旬頃に被告が原告X3に勧誘をした当時,オー・エム・シーの経営状況の悪化を窺わせるものとして原告らが主張する給料支払の遅滞や会員への払戻金の支払の遅滞の事実を被告が認識していたということはできないから,その認識を前提とする被告の故意又は過失をいう原告らの主張は採用することができない。
(イ) 仮に,上記給料支払の遅滞や払戻金の支払遅滞の事実を被告が知っていたとしても,オー・エム・シーのパートタイムの従業員にすぎなかった被告において,当時,それが永続的な状況であると判断すべき事情は認められず,これらの事実があったからといって被告において預託金の全額返還が不可能であると判断することはできなかったというべきであり,上記(2)イで検討したのと同様に,オー・エム・シーにおける被告の立場に鑑みて,被告が原告らの主張するような調査確認義務を負っていたと認めることもできないから,結局,被告の故意又は過失を認めることはできない。
(ウ) なお,原告らが被告に本件各系列ホテルの全てがオー・エム・シーの所有物件であるという説明が虚偽である可能性があることの認識があったことを前提として被告の故意・過失を主張する部分については,前記1で検討したとおり被告が原告らに対して本件各系列ホテルの全てがオー・エム・シー所有物件である旨の説明をした事実を認めるに足りないから,上記の認識の有無が被告の故意・過失の有無に影響する余地はないというべきである。
(4)  したがって,被告が,本件における原告らに対する各勧誘当時,預託金が5年後に返還できるとの説明及び宿泊ポイントを換金することができて得であるとの説明が虚偽であることを認識していたか,又は,認識し得たと認めることはできないから,詐欺ないし詐欺的行為を理由とする被告の原告らに対する不法行為責任をいう原告らの主張は理由がない。
3  争点(3)(出資法違反を理由とする不法行為の成否)について
(1)  原告らは,出資法1条及び同法2条1項違反の行為は特段の理由のない限り民事上の違法性を有するから,上記各条項違反の被告の行為は不法行為に当たる旨主張する。
(2)  しかし,出資法1条及び同法2条1項は,一般大衆の財産を保護することを目的とする面はあるものの,これは刑法の財産に対する罪(例えば窃盗罪)のように個々人の個別的な財産を保護法益とするものではなく,同法2条1項は,社会の信用制度や経済秩序の維持を目的として制定されたものであるから,上記各条項違反の行為が,直ちに違法性を有し,原告らの個別の財産権を侵害する民法上の不法行為に当たるということはできない。そして,上記のとおり,被告は,オー・エム・シーのパートタイムの従業員で,営業員の指示やマニュアルに従って勧誘行為を行っていたにすぎず,原告らがオー・エム・シーに支払った預託金等の返還ができないことを認識しながら,又は,認識し得たにもかかわらず,原告らをして金員を支出させたものとまでは認められないことなどに照らすと,仮に被告の行為が出資法1条又は同法2条1項に違反するものであったとしても,そのことを理由に原告らに対する不法行為責任を負うとはいえず,上記原告らの主張は採用することができない。
第4  結論
以上によれば,争点(4)(被告による勧誘と相当因果関係を有する原告らの損害の有無)について判断するまでもなく,原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 市川多美子 裁判官 升川智道 裁判官 内村祥子)

 

〈以下省略〉

 

*******

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。