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判例リスト「営業代行会社 完全成功報酬|完全成果報酬」(457)昭和61年 5月22日 前橋地裁 事件番号不詳 損害賠償請求事件

判例リスト「営業代行会社 完全成功報酬|完全成果報酬」(457)昭和61年 5月22日 前橋地裁 事件番号不詳 損害賠償請求事件

裁判年月日  昭和61年 5月22日  裁判所名  前橋地裁  裁判区分  判決
事件番号  事件番号不詳
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  本訴請求棄却、反訴請求棄却  文献番号  1986WLJPCA05226003

要旨
◆亡Aら4名が搭乗する本件飛行機が山の山腹に激突して、機体が大破し、搭乗者全員が死亡した本件事故につき、亡Aの妻子及び亡Bの妻子である原告らが、亡Cの妻子及び亡Dの妻子である被告らに対し、亡Aら4名の間における操縦者兼運送者は亡Cと亡D、乗客は亡Aと亡Bなる運送契約の不履行又は不法行為に基づき、損害賠償を請求した(本訴)事案において、亡Aら4名の間に運送契約が成立したとは認められない上、亡C及び亡Dの不法行為は認められないとして、原告らの本訴請求を棄却した事例
◆亡Dの妻子らが、原告らが提起した本訴は不当訴訟であるとして、原告らに対し、損害賠償を請求した(反訴)事案において、本件事故の発生が明確である以上、原告ら主張の運送契約の不履行又は、亡Dの操縦上の過失を前提とする不法行為を理由とする本訴の提起、維持は不当ではなく、不法行為を構成するものではないとして、亡Dの妻子らの反訴請求を棄却した事例

出典
交民 19巻6号1793頁

参照条文
民法415条
民法709条

裁判年月日  昭和61年 5月22日  裁判所名  前橋地裁  裁判区分  判決
事件番号  事件番号不詳
事件名  損害賠償請求事件
裁判結果  本訴請求棄却、反訴請求棄却  文献番号  1986WLJPCA05226003

原告(反訴被告) 金井勇
ほか六名
被告(反訴原告) 正田トシ
ほか五名

 

 

主文

一  原告ら七名の各本訴請求及び被告栗原美穂、同栗原美紀、同栗原孝子の各反訴請求をいずれも棄却する。
二  訴訟費用は、本訴反訴を通じて、原告らに生じた費用全部及び被告正田トシ、同正田英子、同正田雅弘に生じた費用全部並びに被告栗原美穂、同栗原美紀、同栗原孝子に生じた費用の五分の四を原告らの負担とし、被告栗原美穂、同栗原美紀、同栗原孝子に生じた費用の五分の一を同被告らの負担とする。

 

 

事実

(当事者の求めた裁判)
第一  本訴につき
一  原告ら
1 被告らは、各自、原告金井忍子に対し金二〇四五万六三九六円、同金井勇、同金井栄、同金井誠に対し各金一三九三万七五九七円、同岩田陽子に対し金一七〇八万〇一七一円、同岩田秀志、同岩田敦志に対し各金一五八八万〇一七一円及び右各金員に対する昭和五六年一月一〇日から各支払ずみまで各年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決及び仮執行の宣言
二  被告正田トシ、同正田英子及び同正田雅弘
1 原告らの同被告らに対する請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
との判決
三  被告栗原美穂、同栗原美紀及び同栗原孝子
1 原告らの同被告らに対する請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
との判決
第二  反訴につき
一  被告栗原美穂、同栗原美紀及び同栗原孝子
1 原告らは、各自、同被告らに対し、各金一〇〇万円及び右金員に対する昭和五七年一月二九日から各支払ずみまで各年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
との判決及び仮執行の宣言
二  原告ら
1 同被告らの請求を棄却する。
2 訴訟費用は同被告らの負担とする。
との判決
(当事者の主張)
第一  本訴につき
一  請求の原因
1 当事者の関係
(一) 原告金井忍子(以下「忍子」という。)は訴外亡金井実(以下「実」という。)の妻、同原告金井勇(以下「勇」という。)はその長男、同金井栄(以下「栄」という。)はその二男、同金井誠(以下「誠」という。)はその三男である(以下、右原告ら四名を併せて原告忍子ら四名という。)。原告岩田陽子(以下「陽子」という。)は訴外亡岩田博志の妻、同岩田秀志(以下「秀志」という。)はその長男、同岩田敦志(以下「敦志」という。)はその二男である(以下、右原告ら三名を併せて「原告陽子ら三名」といい、原告ら七名全員を単に「原告ら」という。)
(二) 被告正田トシ(以下「トシ」という。)は訴外亡正田賢司(以下「賢司」という。)の妻、同正田英子(以下「英子」という。)はその長女、同正田雅弘(以下「雅弘」という。)はその長男である(以下、右被告ら三名を併せて「被告トシら三名」という。)。
被告栗原孝子(以下「孝子」という。)は訴外亡栗原弘光(以下「弘光」という。)の妻、同栗原美穂(以下「美穂」という。)はその長女、同栗原美紀(以下「美紀」という。)はその二女である(以下、右被告ら三名を併せて「被告孝子ら三名」という。)。
(三) 賢司と弘光の営業
(1) 賢司は、飛行機陸上単発限定の自家用操縦士としての技能証明を有するものであつた(但し、事業用操縦士技能証明はなかつた。)(航空法二条三項、二二条ないし二四条)ところ、自己が代表者である訴外ジャパンレンタルプレーン株式会社(以下「ジャパンレンタルプレーン」という。)所有の富士重工式FA―二〇〇―一六〇型JA三五六八単発軽飛行機エアロスバル(以下「本件飛行機」という。)を使用して、遊覧飛行及び佐渡往復飛行等の不定期航空運送事業(航空法二条一六ないし一八項)を営んでいた。
(2) 弘光においても、航空機操縦練習許可書(同法三五条)を有し、前記レンタルプレーンから本件飛行機を借り受け、その賃借料を乗客に負担させるなどして、自ら単独でこれを操縦し、単独或いは賢司と共同で前記遊覧飛行や佐渡往復飛行等の営業を行つていた。
2 本件事故の発生
(一) 賢司、弘光、実及び博志の四名は、昭和五三年八月二日本件飛行機に搭乗し、群馬県太田場外離着陸場(以下「太田飛行場」という。)を午前八時三〇分に離陸し、新潟県佐渡空港に午前一〇時一〇分に到着した。
(二) 右四名は、翌三日帰還のため本件飛行機に再び搭乗し、佐渡空港を午後一時一七分に離陸し、太田飛行場に向け飛行中、午後三時二六分ごろ消息を絶ち行方不明となつた。
(三) 同機は、同日午後三時三五分ころ国有林女峰山の山腹(栃木県日光市大字日光字野州原第一―二四六番地。標高約一五五〇メートル)に激突して機体は大破し、右搭乗者全員は即死したものであり、同月一七日右女峰山の中腹でこれが発見された。
3 責任原因
賢司及び弘光は本件事故につきいずれも運送契約不履行又は不法行為による責任がある。
(一) 運送契約不履行
(1) 運送契約の成立
(イ) 実と博志とは昭和五三年五月ころからの知合いであり、右両名は、これより先の昭和五二年一二月ころからそれぞれ弘光と知合いになつていたが、賢二とは本件事故発生の前日、すなわち昭和五三年八月二日本件飛行機で佐渡に向けて飛び立つ際にはじめて知り合つたのである。
(ロ) 弘光は、実、博志の両名に対して飛行機操縦士の資格証明があるように振る舞つていたが、昭和五三年初夏ころから、両名に対し、自らが操縦する本件飛行機に、その対価として同機の賃借料、燃料代、空港使用料等の費用を負担し乗客として搭乗して太田飛行場から佐渡空港まで往復しないかと誘い掛け、両名においても一応これを承諾していたが、弘光の営む自動車修理業の仕事の都合によつて、同年七月二〇日すぎころ正式に、弘光と右両名との間に同年八月二日、三日両日にわたる右趣旨の運送契約が成立した。
なお、弘光は、そのため同年七月二四日ころジャパンレンタルプレーンの代表者たる賢司に右両日にわたる本件飛行機の賃借方を申し入れた。
(ハ) 賢司は同年八月一日夜になつて操縦者として佐渡往復飛行に加わることになつた。そして、実と博志の両名においては、翌二日朝本件飛行機が佐渡空港に向けて飛び立つ前になつてはじめて賢二と対面し、その際に、右両名、弘光及び賢二の四名の間において、賢司が弘光と実、博志間の前記運送契約にその運送者側の当事者として加わることの合意が成立した。
(ニ) 要するに、まず、同年七月二〇日すぎころ弘光と実、博志との間で運送者を弘光とする前記趣旨の運送契約が成立し、次いで同年八月一日朝出発前に賢司も右契約に加わり、弘光、賢司、実及び博志の四名の間において、操縦者兼運送者は弘光と賢司、乗客は実と博志なる前記日時、航路、対価の運送契約が成立したのである。
(2) 賢司及び弘光は、実と博志に対し、右運送契約に基づき両名を無事太田飛行場まで帰還させる義務があるのに、いずれもこれに違反して本件事故を惹起させた。
(二) 不法行為
(1) 本件飛行機の操縦者
本件事故当時において、実際に操縦桿を握つて本件飛行機を操縦していたのは左前部の機長席に搭乗していた弘光であるが、同人と、右前部の副操縦席に搭乗していた賢司との飛行時間の量、飛行資格の相違及び当時の悪気象条件等を考慮すると、右両名は、計器を見ること、無線連絡をとること、陸地の形状を見て現在地点を把握すること、飛行コースを選ぶこと、気象条件を見て引き返すか又は先に進むかを判断することなど飛行に必要な一切の役割を分担していたことは明らかであるから、両名共同して本件飛行機を操縦していたというべきである。
(2) 本件事故にいたる経緯
(イ) 賢司及び弘光は事故当日の午後零時一五分ころ相川測候所佐渡空港出張所において約二〇分間飛行コースに関する気象状況のブリーフィングを受け、次いで賢司において、佐渡空港から直通電話を使用して新潟空港事務所に有視界飛行方式(航空法施行規則五条)による飛行計画を通報したが、これによると、十日町、矢木沢、前橋経由で、太田飛行場までの所要時間は二時間二五分、搭載燃料の持久時間は五時間二〇分であつた。
(ロ) 本件事故当日は、台風七八〇八号崩れの低気圧が日本海を北上し、関東から北陸にかけての地域はこの低気圧の前面に入り雲の多い状態が朝から続いていた。
そして、賢司らの受けた前記ブリーフィングによると、気象状況は次のようなものであつた。すなわち、〈1〉定時航空実況気象通報上、本件飛行機の予定飛行経路の前橋では午前九時現在八分の六の並又は雄大積雲(雲高不明)があり(前橋の地上実況気象通報による。)、午後零時現在、右予定経路付近の新潟空港では雲高三〇〇〇フィートで八分の一の積雲、雲高六〇〇〇フィートで八分の四の層積雲、雲高一万フィートで八分の七の高積雲が、宇都宮飛行場では雲高二〇〇〇フィートで八分の五の積雲、雲高二万五〇〇〇フィートで八分の三の絹雲が、東京国際空港では雲高二〇〇〇フィートで八分の七の積雲が、それぞれ発生しており、また、〈2〉国内悪天予相図上、午後三時現在、東北地方を除く本州全般に、積雲が八分の五ないし八分の七で、積乱雲及び雷雨が散在し、雲中において並の乱気流が二〇〇〇フィートから三二〇〇フィートまであり、〈3〉強風警報は、午前九時現在、前記台風が中心気圧九八八ミリバールで北緯三七度、東経一三三・二度の日本海にあり北北東に二二ノットで進んでいる、というものであつた。
(ハ) 本件飛行機は、弘光及び賢司が前記のとおり前部席に、実と博志が後部席にそれぞれ搭乗し、佐渡空港を午後一時一七分に離陸し、太田飛行場にアマチュア無線で、午後二時四〇分ころ十日町上空、同三時五分ころ谷川上空、同時二五分ころ矢木沢付近上空を飛行している旨を、次いで同時二六分ころ「赤城の裏側にいる。前橋経由で帰る。一五時四〇分でフライトプランクローズをお願いします。」との赤城山の裏側上空を飛行している旨をそれぞれ報告した後連絡を断つた。
そして、前記(2の(三))のとおり機体等が発見された。
(ニ) 運輸省航空事故調査委員会の報告書によると、次のとおり推定されている。すなわち
本件飛行機は、十日町までは予定飛行経路を航行したが、その後十日町から矢木沢に向う航路において、有視界飛行状態を維持するため雲を避けて迂回して飛行し、同時に当時の南西の風約五〇ノットの強風をうけ、雲により地形を十分に確認できないまま、飛行計画のコース約四〇キロメートル東方の川俣湖付近に到達した。そこで同湖を矢木沢湖と誤認して前記のとおり三時二六分ころ太田飛行場へ連絡を行つた後南下したが、同時刻前後男体山一帯は雲頂一万三〇〇〇ないし一万五〇〇〇フィートに達する積雲におおわれ、山岳部分は確認できない状況にあり、南下するにつれて雲中飛行の状態に陥り、雲中において悪気流の影響をうけ、機体の姿勢保持が困難となつて、事故現場へ九〇度に近い左傾斜姿勢で墜落した。
(ホ) 本件飛行機は、前記のように佐渡空港から十日町上空までの所要時間は一時間二三分で、矢木沢湖と誤信した川俣湖付近までは二時間八分である。そして、搭載燃料の持久時間は五時間二〇分であつたから、川俣湖付近にいたるまでに佐渡空港や新潟空港まで引き返すことは十分できた。
(3) 過失
右のとおり本件飛行機は「川俣湖」を「矢木沢湖」と見誤り航路を誤認していることからすれば、同機は十日町上空を通過後はすでに有視界飛行状態(VMC)を維持することが困難な状態に立ちいたつていたわけである。したがつて、その時点では、これを共同で操縦していた賢司及び弘光としては、当時の気象状況からすれば、そのまま航行を継続するにおいては、南西の約五〇ノットの強風の影響をうけ、雲により地形を十分確認できないまま積雲の多い山岳地帯にいたり、雲中に巻き込まれて、雲中の悪気流の影響により墜落等の事故の発生することが予見でき、かつ前記のように佐渡空港等に引き返すことは可能であつたから、有視界飛行が困難となつた段階において、直ちに右空港等に引き返すべき注意義務があつたのに、これを怠つて、そのまま飛行し続けた過失により本件事故を発生させたものである。
4 損害
本件事故による損害は次のとおりである。
(一) 原告忍子ら四名について
(1) 葬儀費用
原告忍子は、実の葬儀関係費用として金一〇〇万円以上を支出したが、このうち金八〇万円を請求する。
(2) 捜索費
原告忍子は、実の捜索関係費用として金五〇万円以上を支出したが、このうち三〇万円を請求する。
(3) 逸失利益
(イ) 実は、死亡当時満三八歳の健康な男子で、清掃具のリース業を営んでおり、六七歳までの二九年間は就労可能であつた。
そして、昭和五二年度において右営業による年所得は金四二六万一七六七円であつて、右就労可能期間中の年所得はこれを下回らない。
そこで、生活費として三割を控除し、右就労期間中の喪失利益をライプニツツ式計算によつて法定利率による中間利息を控除し死亡時の一時払額に換算すると金四五一六万九一八九円となる。
(ロ) 原告忍子はその三分の一である金一五〇五万六三九六円を、同勇、同栄、同誠の三名はいずれもその九分の二である金一〇〇三万七五九七円宛を、それぞれ相続により取得した。
(4) 慰藉料
(イ) 実は一家の支柱として、右原告ら四名はその妻又はその息子として、幸福な家庭生活を享受していたところ、実の不慮の死により、いずれも深刻な精神的苦痛をうけた。
それぞれの精神的苦痛に対する慰藉料としては、(あ)実自身については金一四〇〇万円、(い)原告ら四名については各金三〇〇万円宛が相当である。
そして、実自身の慰藉料につき、原告忍子はその三分の一である金四六六万六六六六円を、その余の原告ら三名はいずれもその九分の二である金三一一万一一一一円宛を、それぞれ相続により取得した。
(ロ) そこで、運送契約不履行による損害賠償請求に関しては実自身の慰藉料の相続取得を理由として、不法行為によるそれに関しては原告ら四名の各固有の慰藉料を理由としてそれぞれ三〇〇万円を請求する(右運送契約不履行の場合については、原告忍子ら四名とも、各相続取得分の内金である。)。
(5) 弁護士費用
原告ら四名は本訴を原告代理人に委任し、本訴訟の着手金及び報酬として、原告忍子が金一三〇万円、その余の原告ら三名が各金九〇万円宛をそれぞれ支払う旨約定した。
(二) 原告陽子ら三名について
(1) 葬儀費用
原告陽子は、博志の葬儀関係費用として金一〇〇万円以上を支出したが、このうち金八〇万円を請求する。
(2) 捜索費
原告陽子は、博志の捜索関係費用として金五〇万円以上を支出したが、このうち金三〇万円を請求する。
(3) 逸失利益
(イ) 博志は、死亡当時満三六歳の健康な男子で、六七歳までの満三一年間は就労可能であつた。
そして、死亡当時飲食業を営んでいたが開業して間がないため右営業による収入は明確でないから、昭和五二年の賃金センサス第一巻第一表の産業計企業規模計、学歴計の全年齢平均給与額に物価上昇率等を考慮し、一・〇五八倍して月額を算定すると金二四万九二〇〇円となる。したがつて、博志が生存していたならば、得られたであろう年収額は、右を一二倍した金二九九万〇四〇〇円を下らない。
そこで、生活費として三割を控除し、右就労期間中の喪失利益をライプニツツ式計算によつて法定利率による中間利息を控除し死亡時の一時払額に換算すると金三二六四万〇五一四円となる。
(ロ) 原告ら三名は各自その三分の一である各一〇八八万〇一七一円宛をそれぞれ相続により取得した。
(4) 慰藉料
(イ) 博志は一家の支柱として、右原告ら三名はその妻又はその息子として、幸福な家庭生活を享受していたところ、博志の不慮の死により、いずれも深刻な精神的苦痛をうけた。
それぞれの精神的苦痛に対する慰藉料としては、(あ)博志自身については金一四〇〇万円、(い)原告ら三名については各金四〇〇万円宛が相当である。
そして博志自身の慰藉料につき、原告ら三名はいずれもその三分の一である各四六六万六六六六円宛をそれぞれ相続により取得した。
(ロ) そこで、運送契約不履行による損害賠償請求に関しては弘光自身の慰藉料の相続取得を理由として、不法行為によるそれに関しては原告ら三名の各固有の慰藉料を理由としてそれぞれ請求する(右運送契約不履行の場合については、原告陽子ら三名とも、各相続取得分の内金である。)。
(5) 弁護士費用
原告ら三名は本訴を原告ら代理人に委任し、本訴訟の着手金及び報酬として、原告陽子が金一一〇万円、その余の原告ら二名が各金一〇〇万円宛をそれぞれ支払う旨約定した。
(三) 被告トシら三名は賢司の前記(一)、(二)の債務を、被告孝子ら三名は弘光の右同債務をそれぞれ共同相続した。
5 よつて、賢司及び弘光の運送契約不履行又は不法行為に基づく損害賠償として、被告ら各自に対し、(1)原告忍子は金二〇四五万六三九六円、同勇、同栄及び同誠は各金一三九三万七五九七円、同陽子は金一七〇八万〇一七一円、同秀志、同敦志は各金一五八八万〇一七一円及び(2)右原告らは右各金員に対するいずれも本件各訴状通達の後である昭和五六年一月一〇日から各支払ずみまでの民法所定年五分の割合による遅延損害金を、それぞれ支払うよう求める。
二  請求原因に対する認否
1 被告トシら三名
(一) 請求原因1につき
(1) 同(一)の事実は知らない。
(2) 同(二)の事実中、被告トシら三名と賢司との身分関係は
(3) 同(三)の(1)の事実中、賢司が飛行機陸上単発限定の自家用操縦士としての技能証明を有するものであつた(事業用操縦士としてのそれはなかつた。)ことは認めるが、その余は否認する。
同(2)の事実中、賢司が営業を営んでいたことは否認し、その余は知らない。
(二) 同2の事実はいずれも認める。
(三) 同3に対し
(1)同(一)に対し
(イ) 同(一)、(1)の事実は争う。
本件佐渡飛行は弘光、実及び博志の提唱による海水浴目的のためのものであり、賢司は、右三名から同行を強く要請されたためこれに加わることになつた。そして、本件飛行機も右四名が共同でジャパンレンタルプレーンから賃借し、その賃借料、ガソリン代等は帰着後四人で平等に負担する約定であつて、賢司は、本件飛行に関して他の三名と平等の立場にあるものにすぎず、実、博志との間で運送契約を締結したことはない。
(ロ) 同(2)の主張は争う。
(2) 同(二)に対し
(イ) 同(二)の(1)の事実中、事故当時弘光が機長席に、賢司が副機長席にそれぞれ搭乗し、賢司において本件飛行機を操縦していたことは認めるが、その余は争う。
(ロ) 同(2)につき
同(イ)の事実は認める。但し、気象状況のブリーフィングを受けたのは賢司である。
同(ロ)ないし(ニ)の事実は認める。
同(ホ)の事実中、気象状況上も引き返すことが可能であつたとの点は否認し、その余は認める。
(ハ) 同(3)の事実は争う。
本件事故は不可抗力によるものである。すなわち、賢司は、有視界飛行が可能な状態において雲中飛行を避けようと努力しながら飛行していたにも拘らず、慮外の速さによる雲の移動拡大のため雲に巻き込まれ、悪気流の影響をうけて本件飛行機の姿勢保持が困難となつて墜落したものであつて、賢司にはなんらの過失もない。
(四) 同4につき
(1) 同(一)、(二)の各(1)ないし(3)の事実はいずれも知らない。
各(4)及び(5)の事実はいずれも争う
(2) 同(三)の事実は争う。
2 被告孝子ら三名
(一) 請求原因1につき
(1) 同(一)の事実は知らない。
(2) 同(二)の事実中、被告孝子ら三名と弘光との身分関係は認めるが、その余は知らない。
(3) 同(三)の(1)の事実は認める。
同(2)の事実中、弘光が航空機操縦練習許可証を有していたことは認めるが、その余は否認する。
弘光は単なる操縦練習生にすぎず、なんら営業行為をなしてはいない(反訴請求原因1、(一)の(1))。
(二) 同2の事実は認める。
(三) 同3につき
(1) 同(一)に対し
(イ) 同(一)、(1)の事実は争う。
(ロ) 同(一)、(2)の主張は争う。
(2) 同(二)に対し
(イ) 同(二)の(1)の事実中、賢司と弘光のいずれが機長席に搭乗していたかは知らない、その余は争う。
本件佐渡飛行は賢司の指揮、監督下で行われたもので、弘光が共同で操縦していたとはいえない(後記反訴請求原因1、(二)の(2))。
(ロ) 同(2)の(イ)の事実は争う。
佐渡空港出張所において気象状況等のブリーフィングを受けたのは賢司であり、弘光は聞いていない。
同(ロ)の事実は知らない。
同(ハ)の事実中、賢司と弘光のいずれが機長席に搭乗していたかは知らない。その余は認める。
同(二)及び(ホ)の事実は知らない。
(ハ) 同(3)の事実は争う。
(四) 同4につき
(1) 同(一)、(二)の各(1)、(2)の事実はいずれも知らない。
各(3)ないし(5)の事実はいずれも争う。
(2) 同(三)の事実は争う。
第二  反訴につき
一  請求の原因
1 原告ら(反訴被告ら)は被告孝子ら三名(反訴原告ら)に対して弘光の運送契約の不履行又は不法行為を理由とする損害賠償請求の本訴を提起、維持しているが、右は不当訴訟である。
(一) 運送契約の不存在
本件佐渡飛行は弘光の練習飛行にすぎず、弘光と実、博志との間になんら運送契約は存在しない。すなわち、
(1) 弘光は、自家用操縦士の技能証明を取得する目的で賢司及び真貝元三郎が主宰していた群馬飛行クラブに入会し、飛行一時間につき二万一〇〇〇円の割合による料金を支払つて賢司から操縦練習を受けていたものである。したがつて、弘光が飛行するときは、常に右の操縦練習の一環としてのものであり、それと関係なく飛行したことはない。また、弘光は賢司の許可により単独飛行をしたことがあるが、これも太田飛行場の周辺に限るものであつて、他の飛行場に着陸するような、いわゆる「野外飛行」を行つたことはない。
本件佐渡飛行は、右練習の一方法として例年賢司が主宰して行つていた総合練習(野外飛行)のためのものである。賢司にとつては、佐渡飛行は収入になるうえ、レジャーを兼ねることもできるので、毎年夏になると右クラブ員に佐渡飛行を積極的に勧誘していたが、本件の場合もこれと同様であり、弘光は賢司から練習目的の佐渡飛行を勧められたので、これに応じて本件飛行機に搭乗するにいたつたのである。
(2) 弘光、実、博志の三名はかねてからの知合いで、実及び博志は、弘光が群馬飛行クラブで賢司から操縦練習を受けていることを熟知しており、弘光の本件佐渡飛行を知つてすすんで同乗を希望した。そこで、弘光はこれを賢司に伝えて同乗できるように便宜を計つた結果、右両名が本件飛行機に搭乗するにいたつたのである。飛行料金も賢司を除いた右三名で平等に負担するということであつた。
(二) 不法行為責任の不存在
原告らは賢司と弘光が本件飛行機を共同で操縦していたことを前提として、弘光に対し責任を追及しているが、次のとおり、弘光には本件飛行につき責任を負うべきいわれはない。すなわち
(1) 弘光は、前記のとおり単なる練習生であり、本件事故当時のような台風の影響下にある悪天候のもとでは、未だ十分操縦をなしうる能力はない。
これに反し、教官の賢司は機長として航空法上航行につき指揮監督権を有し(七三条)、飛行するか否か、離陸の時期、飛行方法、針路の決定等をなす立場にあつた。そして、本件事故当時における飛行も、すべて賢司の判断によつて行われたものであつて、このことは、相川測候所佐渡空港出張所で気象に関するブリーフィングを受けたのは賢司であること、本件飛行機の位置や飛行針路についての地上交信はすべて賢司がなしていること等によつて明らかである。
なお、仮に弘光が機長席に座つていたとしても、練習生は常にその席に座るものであるうえ、本件飛行機は連動式であるから、副操縦席にいる賢司の操縦に不都合はないのであり、右着席の事実は、なんら右主張に矛盾するものではない。
(2) したがつて、本件事故につき仮に責任を問われることがあるとしても、これを負うべきものは賢司であつて、弘光にはなんらの責任もない。
(三) 原告らは、右(一)、(二)の各事実、したがつて弘光にはなんらの損害賠償義務のないことを知りながら、虚偽の事実(本訴請求原因3、(一)、(1)の(イ)ないし(ハ)、(二)の(1)等)を主張してあえて、又はそれを容易に知り得たのに十分な調査もなく軽卒に本訴の提起、維持をなしたものであるから、右は、被告孝子ら三名に対する不法行為を構成する。
2 損害
原告らの右の不当訴訟により、被告孝子ら三名は応訴費用として次の損害を蒙つた。
(一) 弁護士報酬等
被告孝子ら三名は昭和五六年一月二〇日本訴を同被告ら代理人に委任し、その手数料(着手金)として合計金五〇万円を支払い、かつ原告らの本件訴訟につき被告孝子ら三名の勝訴判決が確定したときは成功報酬として合計金二三〇万円を支払うことを約している。
(二) 交通費、通信費、日当
被告孝子ら三名は、昭和五六年二月一八日から昭和五七年一月二八日までの間の口頭弁論期日七回分の訴訟準備等のため、同被告ら代理人に対して各種費用を支払つたが、そのうち、次の費用合計二〇万円を請求する。
(1) 交通費
同代理人事務所(東京)と太田市又は前橋市間の往復交通費の内金三万五〇〇〇円
(2) 通信費
同代理人との間の資料送付費、電語・郵便代等の内金五〇〇〇円
(3) 日当
同代理人の一〇回分の出張に対する日当の内金一四万五〇〇〇円(日弁連報酬基準によれば、出張一日につき金二万円以上と定められている。)
3 よつて、被告孝子ら三名は原告らに対し、不法行為に基づく損害賠償として、同被告らそれぞれに各金一〇〇万円及び損害発生後の昭和五七年一月二九日から支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二  請求原因に対する認否
1 同1、(一)の事実は争う。
同(二)、(1)の事実中、原告らが本訴において弘光と賢司の共同操縦を前提として弘光の不法行為を主張していることは認めるが、その余は争う。
同(2)の事実は争う。
2 同2の事実はいずれも知らない。
第三  証拠関係〔略〕

 

 

理由

(本訴について)
第一  当事者の身分関係、本件事故の発生
一  請求原因1、(一)の、原告忍子ら四名と実、原告陽子ら三名と博志との各身分関係は、成立に争いがない甲第一、第二号各証によつて明らかである。
同(二)の事実中の被告トシら三名と賢司との身分関係は、原告らと被告トシら三名との間では争いがなく、原告らと被告孝子ら三名との間では成立に争いがない甲第三号証によつて認められ、被告孝子ら三名と弘との身分関係は、原告らと被告孝子ら三名との間では争いがなく、原告らと被告トシら三名との間では成立に争いがない甲第四号証によつて明らかである。
二  請求原因2の本件事故の発生は当事者間に争いがない。
第二  運送契約の成否
一  原告らは賢司、弘光と実、博志との間に本件佐渡飛行の運送契約(対価を得て、実、博志を太田飛行場と佐渡空港間を飛行機によつて場所的に移動させることを請け負つた、との趣旨に解される。)が成立した旨主張するが、本件口頭弁論に顕れた全証拠によつてもこれを肯認することができず、かえつて、次のとおりかかる契約関係は存在しなかつたことが認められる。
(一) 賢司と弘光との関係
(1) 成立に争いがない乙第四号証、丙第三号証の一、二、原本の存在と成立に争いがない乙第九号証の一、二、丙第五、第六号各証の各一、二、丙第一〇号証の一、弁論の全趣旨によつて成立の認められる丙第三号証の三、被告栗原孝子本人尋問の結果によつて成立の認められる丙第七、第八号各証(但し、第七号証については原本の存在と成立)及び証人伊藤俊治、同関口主計の各証言並びに被告正田トシ、同栗原孝子の各本人尋問の結果によると、次の事実が認められ、右乙第九号証の一、二及び右被告正田トシ本人尋問の結果のうちこれに反する部分は措信できず、他にこれを覆すに足りる証拠はない。
(イ) 賢司は、飛行機陸上単発限定の自家用操縦士の技能証明を有するものであつて、昭和四九年四月、自己が代表者となつて、本件飛行機を所有して「航空機リース業、航空機の整備等」を営業目的とするジャパンレンタルプレーン(自己のいわゆる個人会社)を設立して営業をはじめ、昭和四六年一月ころには、飛行機操縦の技能証明取得のため操縦訓練を受けようとするものを会員とする「群馬飛行クラブ」を作り、その会員を対象として、自ら又は操縦士の技能証明を有する者によつて操縦練習をなしていた。また、自らが操縦者となつて、いわゆる遊覧飛行等も営んでいた。
賢司は、右操縦練習については、練習生から、その報酬として、指導料・本件飛行機の賃借料・燃料代・保険料等を含めて飛行一時間につき二万一〇〇〇円(本件事故当時)を徴収していた(なお、前記遊覧飛行の料金は、人数に関係なく飛行一〇分間につき七〇〇〇円であつた。)。そして、練習生の技術の進歩に応じて練習生一人で操縦をなす、いわゆる単独飛行の許可を与えたが、その場合の飛行範囲は太田飛行場周辺に限定し、他の飛行場に離着陸するいわゆる野外飛行は許可しなかつた。
また、練習生に添乗して指導する際、又は練習生の単独飛行練習の際には練習生の知合いや家族等の同乗を認めており、この場合の指導料は右と同じであつた。
(ロ) 弘光は、昭和四九年六月末ころ技能証明取得を目的として群馬飛行クラブに入会し、操縦練習許可書の交付を受けて、前記所定の指導料を支払い、賢司から操縦練習を受けていた練習生にすぎず、もとより営利目的の操縦等をなしたことはなかつた。
そして、昭和五二年暮ころ賢司から単独飛行を許可され、単独飛行の際知人や家族を同乗させたことがあり、昭和五三年三月ころには博志・原告陽子夫婦を、同年七月下旬には実・原告忍子夫婦をそれぞれ同乗させていた(原告岩田陽子、同金井忍子各本人の供述)。しかし、他の練習生と同様に単独で野外飛行はしなかつた。
(ハ) 賢司は、操縦指導の一環として自己が教官として搭乗する野外飛行、すなわち、太田飛行場と佐渡空港との間を往復する飛行を計画し、本件事故前にも二回にわたつてこれを実行しており、弘光においても、昭和五〇年八月の右往復飛行の際に、飛行一時間につき二万一〇〇〇円(前認定のとおり、通常の指導料と同じ)とその一割増しの金額及び宿泊料を合算した金員を、賢司以外の自己を含む搭乗者三名で平等に負担するとの約で、これに参加し、賢司から操縦指導を受けた。
そして、賢司は昭和五三年夏にも右と同様、操縦練習として佐渡往復飛行を計画し(いわゆるレジャーを兼ねることにもなる。)、クラブ員にこれに参加することを勧めていた。
弘光においては、同年五、六月ころ賢司から勧誘されたので、これに要する費用は前回と同じく賢司以外の搭乗者で平等で負担する約でこれに応じ、同年七月二七日ころには、佐渡一泊二日間を予定とする本件佐渡飛行が決められていた。(なお、クラブ員の岸喜明は賢司の勧めを断つたが、前掲証人伊藤俊治においては、本件事故がなければ、右佐渡飛行をなす予定であつた。)
右の太田飛行場出発の日は、最終的に同年八月一日の夜に翌二日朝と決まつた。
(ニ) かくて、賢司の弘光に対する操縦指導の一環として、前認定(第一の二、すなわち「請求原因2の(一)、(二)」のとおり賢司と弘光は、本件飛行機に実と博志を同乗させ、昭和五三年八月二日午前八時三〇分に太田飛行場を離陸し、同日午前一〇時一〇分に佐渡空港に到着し、翌三日帰環のため太田飛行場に向け佐渡空港を午後一時一七分に離陸した。
(二) 賢司、弘光と実、博志との関係
前認定事実((一)の(ロ)ないし(ハ))と前掲乙第九号証の一、二、丙第一〇号証の一、前掲被告正田トシ、同栗原孝子、原告金井忍子、同岩田陽子の各本人尋問の結果によれば、弘光、実及び博志は同じ町内の青年会の仲間であり、実、博志は、前認定のとおり((一)の(ロ))、弘光が単独で操縦する本件飛行機に搭乗させてもらつたこともあり、また、前認定((一)の(ハ))の操縦練習として弘光が佐渡往復飛行をなしたことを聞かされていた(この点は右各事実から推測される。)ところ、本件佐渡飛行を知り、レジャー目的から弘光にこれに同乗させてもらいたい旨申し入れ、前認定((一)の(ハ))の弘光が負担する費用(指導料等)を弘光と同等の割合、すなわち各自三分の一づつ負担する約束で、本件飛行機に搭乗することになり、賢司においても、実、博志の搭乗を容認し、本件佐渡往復飛行となつたことが認められ、前掲各証拠中右に相違する部分は措信できず、他にこれを左右するに足りる証拠はない。
そして、本件全証拠によつても、実、博志と賢司との間になんら約定の存在が認められないから、賢司においては、前認定((1)の(イ))のように、操縦練習の際に他人の同乗を許していたのと同様の趣旨で実、博志の搭乗を容認したにすぎないものと推測できる。
(三) 以上認定したところによれば、本件佐渡飛行は、賢司が弘光に対してなした操縦練習としてのものであり、実と博志がこれに搭乗した関係は、弘光の負担になる指導料等(但し、通常の操縦練習の場合より、一時間分の指導料と賢司の宿泊料が加算されている。)を分割して負担することにより、自己のレジャーのため右練習に同乗させてもらつたにすぎないこと、すなわち、実及び博志が賢司或いは弘光に対し運送(請負い)の対価を支払つて佐渡往復飛行を請求しうる旨の契約が成立したものでないことが明らかというべきである。
二  してみると、賢司及び弘光の運送契約不履行を理由とする原告らの請求は、この点においてすでに失当である。
第三  不法行為の成否
一  賢司及び弘光が共同で、又はそのいずれかが、本件飛行機を操縦していたとしても、次のとおり、本件事故の発生につき、右両名の過失を肯定することはできない。
(一) 請求原因3、(二)、2の(イ)ないし(ニ)の事実(本件事故にいたる経緯)は、原告らと被告トシら三名との間においては争いがなく、原告らと被告孝子ら三名との間においては成立に争いがない甲第九号証(成立に争いがない乙第一号証と同一である。)によつて認められる(但し、相川測候所佐渡空港出張所において気象状況のブリーフィングを受けたのが、賢司であることは右甲第九号証によつて明らかである。)。
(二) しかして、右(請求原因3、(二)、(2)の(ニ))によると、運輸省航空事故調査委員会の報告において、本件飛行機は、十日町まで予定飛行経路を航行したものの、十日町から矢木沢に向う航路で、南西の約五〇ノットの強風と雲の影響によつて飛行計画コースを逸れてその約四〇キロメートル東方の川俣湖付近にいたつたのに、同湖を矢木沢湖と誤認して、南下を続けるうちに雲中飛行に陥つて雲中の悪気流の影響を受け、航空機の姿勢保持が困難となり墜落するにいたつたもの、と推定されており、これを覆すに足りる証拠はない。
原告らは、本件飛行機が右の川俣湖を矢木沢湖と誤認している事実に基づき十日町上空を通過後はすでに有視界飛行状態が困難になつたものであるとして、この時点で佐渡空港に引き返すべきであつた旨主張し、前掲甲第九号証と証人小堀達雄の証言によれば、十日町上空を過ぎてもなお新潟空港に引き返すことが可能であつたことが窺われないわけではない。
しかしながら、本件飛行機が前進を続けるか又は引き返すべきかに関する過失の存否については、その飛行中の具体的時点において操縦者が認識し又は認識可能であつた、操縦方法の決定に影響のある具体的事情、すなわち雲の状態(雲の種別、量、高さ、位置等)や風速、風向等を確定することによつてはじめて、その法的判断をなしうるものであることは、いうまでもないところである。
しかるところ、本件飛行機の飛行に関係ある気象状況については、ブリーフィングにより明らかにされていた前認定(請求原因3、(二)、(2)の(イ)、(ロ))のような雲の状態、風向・風力であつたほか、前掲甲第九号証によれば、(1)本件飛行機が十日町から矢木沢湖に向けて飛行していたと推定される午後三時ころ(前認定にかかる請求原因3、(二)、(2)の(ハ)、(ニ))の雲の状態は、〈1〉新潟空港観測では雲高四〇〇〇フィートで八分の一の積雲、雲高六〇〇〇フィートで八分の三の層積雲、雲高一万フィートで八分の五の高積雲が、〈2〉宇都宮飛行場観測では雲高二五〇〇フィートで八分の二の積雲、雲高一万三〇〇〇フィートで八分の五の高積雲、雲高二万五〇〇〇フィートで八分の五の絹雲が、〈3〉前橋観測では雲高不明、八分の七の並又は雄大積雲が、〈4〉日光測候所観測では雲高約七〇〇フィートで一〇分の一〇の積雲がそれぞれ存在していたこと、(2)午後四時ころにおける高度約八五〇〇フィートで飛行中の飛行機からの望見(宇都宮の東から上越方面に向け)によると、「桐生付近から積雲が多く北にだんだん発達し、男体山付近では上方一万三〇〇〇ないし一万五〇〇〇フィートに達していたようであり、また、宇都宮及び今市付近は見えたが山岳部分は雲で見えなかつた。」状態であつたこと、(3)気象庁の気象資料を総合すると、予定飛行経路上の高度八〇〇〇フィート及び一万フィートにおける風向は南西、風速はそれぞれ約四五ノット及び約五〇ノットと推定されたこと、等が認められる。また、前掲証人小堀達雄の証言によれば、台風の東側はその西側に比して乱気流が多く発生し、気象状況が悪いため軽飛行機はその西側を飛行するのが妥当であると、一般的にいわれているところ、本件飛行機はその東側を飛行をしていたので西側飛行に比し乱気流に巻き込まれるおそれが強かつたことが認定できる。
しかし、右認定事実のほか、前掲甲第九号証、成立に争いがない甲第一九ないし第二三号各証によつて認められる気象状況、その他本件全証拠を総合検討しても、原告ら主張の十日町上空以後の飛行中に、本件飛行機の操縦者において、雲や風の状態上有視界飛行が困難になつたとか、又は困難になる蓋然性が高いことを認識し、又は認識し得たものとまでは断定できないところである。
なお、本件飛行機は、川俣湖を矢木沢湖を誤認したまま南下を続けている。しかし、右誤認に陥つたのは、有視界飛行状態を維持するため雲を避けて飛行し、その際約五〇ノットの強風の影響によつて飛行経路を逸れたことと、雲により地形を十分に確認できなかつたこと(この点は、前方の雲の状態とか、本件飛行機が雲の上を飛行していれば、当然ありうることであつて、特段非難すべき事由とはいえない。)によるものであることは、前認定(請求原因3、(二)、(2)の(ニ))のとおりであるから、右誤認をもつて過失といえないことは明らかである。また、誤認に気付かずに飛行を継続したことについても、そのことによつて当然雲中に巻き込まれて墜落事故が発生するとは限らず、かつ、本件全証拠によつても右誤認後の飛行のいかなる段階でどのような状況において雲中に巻き込まれて墜落するにいたつたかは全く不明といわざるを得ないから、右誤認のまま飛行を継続したことをもつて過失であるとか、或いはその飛行継続と雲中に巻き込まれて墜落事故を惹起したこととの間に相当因果関係が存するものとは、いい難いところである。
(なお、右証人小堀達雄は、前認定の気象状態のもとでは十日町上空付近において新潟空港に引き返すのが妥当であつた趣旨の供述をするが、右は飛行中に現実に生起・変ぼうする具体的状況を捨象したうえでの自己の主観的判断を述べているにすぎないから、にわかに採用できないところである。)
二  そうすると、賢司及び弘光の不法行為を理由とする原告らの請求もまた、その余の点を判断するまでもなく理由がない。
(反訴について)
第一  原告(反訴被告)らの被告(反訴原告)孝子ら三名に対する本訴各請求の理由のないことは前説示のとおりである。しかしながら、本訴の提起、維持がいわゆる不当訴訟として不法行為を構成するのは、請求に理由がないことを認識しながらあえて訴を提起したとか、或いは、これを容易に認識できるにもかかわらず著しい不注意によりこれを認識することなく訴を提起した場合に限られるものと解すべきである。そこで、以下この点を検討する。
第二  運送契約不履行に基づく請求について
一  本訴判断で説示(第二、一の(一)、(二))したとおり、被告孝子ら三名が反訴請求原因(1の(一)、(二))として主張するところと概ね同一の事実が認定できる。
二  しかしながら、前掲原告金井忍子、同岩田陽子の各本人尋問の結果を併せ考えると、原告忍子、同陽子は、(1)右認定にかかる、(イ)弘光は賢司が結成、運営する群馬飛行クラブの会員で、練習許可書しか有しない操縦練習生にすぎなかつたこと、(ロ)本件佐渡飛行は賢司のなす操縦指導の一環であつたこと、等を確認していなかつたものであり、他方、(2)(イ)弘光の単独飛行の際に同乗させてもらつたことがあつて(本訴第二、(一)、(1)の(ロ))、弘光が単独で飛行機を操縦することができることを熟知していたこと、(ロ)本件佐渡飛行に関しては、弘光と実、博志との間の直接の話合いの内容を知らされていなかつたが、それぞれその夫である実、博志から、右飛行は弘光が操縦していくものであり、弘光から云われて各自でその費用を負担することになつている、と聞かされていたこと(なお、原告陽子は具体的金額は聞かされていないが、同忍子においては一人当り三万五〇〇〇円程度と聞いていた。)、また、(ハ)本件八月二日朝の出発はその前夜の弘光からの電話連絡によつて決まつたことを自ら確認していること、等が認められ、これを左右するに足りる証拠はない。
右事実によると、原告らにおいて、弘光が運送者として実、博志からそれぞれ対価を得てその操縦により右両名に対し佐渡往復の飛行をなすことを請け負つた趣旨の約定をなしたものと判断することも、一応理由がないわけではないから、これを理由として本件訴訟を提起、維持したことに過失を認め難い(なお、原告忍子、同陽子以外の原告らは、いずれもその子であり、右原告両名と異る認識を有していたこと認めるべき証拠はないから、原告ら全員は同一の認識で、同一の立場にあるとみるのが相当である。)
なお、前掲証人伊藤俊治の証言、右原告金井忍子、同被告栗原孝子の各本人尋問の結果に徴すると、原告忍子は、本訴提起前の昭和五三年一二月ころ被告孝子宅で弘光と同じクラブ員であつた右伊藤から、はじめて、前認定のような、弘光と賢司の関係及び本件佐渡飛行の目的(前記(1)の(イ)、(ロ))等を聞かされたことが認められる。しかし、かかる事実によつては、右のような原告らの判断が全く理由のないことが明らかになつたといえないことはもとより、本件事案に鑑みると、原告らに対し本訴提起前にさらにこの点の調査を期待すべきものと解するのは相当ではない(むしろ、その真偽こそ訴えによつて判断を求める価値がある。)。
また、原告らが本訴請求原因として主張する弘光の営業行為(第一、1、(三)の(2))については、右原告金井忍子、同岩田陽子の各本人尋問の結果によつてはもとより、その他本件全証拠を総合しても、それが行われていたことを一応にしろ信ずべき根拠は見当らないから、かかる主張をなすことは、いささか軽卒であるとの感を免れないけれども、これをもつても未だ前記判断をなすの妨げとはなし難い。
三  してみると、本件事故の発生が明確である以上(無過失の主張、立証責任は被告らの負担である。)、原告ら主張の運送契約の不履行を理由とする本訴の提起、維持は不当ではなく、不法行為を構成するものではない。
第三  不法行為に基づく請求について
一  (1)本件佐渡飛行は操縦練習の目的であることは前認定のとおりであり、前掲甲第九号証、成立に争いがない甲第一〇、第一三、第一四号各証及び前掲証人小堀達雄の証言により、賢司において、本件事故当日も弘光に操縦させるため同人を機長席に搭乗させ、自己は操縦指導のため副操縦席に搭乗して飛行したが、自己一人で気象状況についてブリーフィングを受けたり、必要な調査をなしており、技能程度を推測させる総飛行時間は、賢司が一二〇六時間三七分であるのに対し弘光が六六時間三〇分にすぎないものであり、かつ、本件飛行機はいわゆる連動式のため賢司が副操縦席から何時でも自己単独で操縦できるものであつたことが認められること、(2)前説示(本訴第三、一の(二))のとおり有視界飛行が不可能又は著しく困難に陥つたものとまで断定できないにしても、前認定の気象状況と十日町から本件事故にいたる飛行状況からすれば、弘光にとつて操縦のたやすい状況にはなかつたことが推測できること、等から考えると、本件事故当時には賢司が自己単独で操縦していたか、又は弘光において完全に賢司の指示どおりに操縦していたものであり、前進するか、引き返すかは賢司の一存で決定できたものと推認するのが相当である(すなわち、弘光には操縦上の過失を問題とされるいわれはない)と解されないわけではない。
二  しかしながら、右の認定は、訴訟の経過に照らして明らかなとおり、審理を盡した結果によるものである。
原告らとしては、前認定のとおり、本件佐渡飛行の目的を確認しておらず、単独飛行の技術を身につけている弘光が操縦したものと考えており、前認定(第二の二)に照らしかく考えたことはなんら不合理ではない(なお、右判断の妥当性を一応裏付けるような、事故後弘光が機長席に搭乗していた事実を確認している。この点は、その形式と記載に照らし本件事故から四か月後の新聞((写))と認められる甲第八号証の一〇及び弁論の全趣旨によつて明らかである。)から、弘光にも操縦上の過失があると主張したことをもつて不当なものであるとはいえない。
三  それ故、弘光の操縦上の過失を前提とする不法行為に基づき本訴の提起、維持をなしたこともまた、なんら不法行為に該当するものではない。
第四  そうすると、反訴原告らの反訴請求は理由のないことに帰する。
(結論)
以上のとおり、原告らの被告らに対する本訴各請求及び被告(反訴原告)孝子ら三名の原告(反訴被告)らに対する反訴各請求は、いずれも理由がないから失当としてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 山之内一夫 市川頼明 佐村浩之)

 

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