
判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(359)平成17年 4月21日 東京地裁 平16(ワ)15547号 損害賠償請求事件
判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(359)平成17年 4月21日 東京地裁 平16(ワ)15547号 損害賠償請求事件
裁判年月日 平成17年 4月21日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平16(ワ)15547号
事件名 損害賠償請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2005WLJPCA04210007
要旨
◆原告Aが作成した公正証書遺言の内容を当該遺言を預かっていた被告(信託銀行)の従業員がAの長男である原告Bに伝えたことが違法で不法行為を構成するとして、両原告が被告に精神的損害に対する慰謝料をそれぞれ請求した事案において、被告の従業員が遺言の内容を相続人の一人に告げたのは、遺言者である被相続人Aが当時被告から借金をしており、その返済期日が到来したにもかかわらずAに返済資力が無く、当該貸金契約の弁済期を延長する代わりにこれを保証していたBに保証契約の継続を求めた際にAの同意を得て遺言書の内容をBに開示したものであると認定し、かつ、公正証書遺言には二人以上の証人が必要であり、遺言内容を秘密にする場合には秘密証書遺言もあることから、公正証書遺言を選択した場合には被告の従業員に守秘義務違反は認められないとして請求を棄却した事例
◆原告Aは遺言執行者を被告と定め本件遺言を被告に預けており、被告との間の遺言執行引受予諾に関する契約の存在を認定しつつも、これをもって信託法が予定する信託とは認めることはできず、遺言内容を相続人の一人に伝えることは信託法二〇条に基づく善管注意義務違反には当たらないと判示した事例
参照条文
信託法20条
民法709条
民法710条
民法715条
裁判年月日 平成17年 4月21日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平16(ワ)15547号
事件名 損害賠償請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2005WLJPCA04210007
原告 X1
原告 X2
原告ら訴訟代理人弁護士 笠井浩二
被告 みずほ信託銀行株式会社
同代表者代表取締役 E
同訴訟代理人弁護士 中村直人
同 角田大憲
同 松本真輔
主 文
一 原告らの請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第一 請求
1 被告は、原告X1に対し、金163万1000円及びうち金113万1000円に対する平成16年8月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告X2に対し、金20万円及びこれに対する平成16年8月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
4 仮執行宣言
第二 事案の概要
本件は、原告X1(以下「X1」という。)が公正証書遺言を作成して被告の前身である安田信託銀行株式会社三鷹支店に預けていたところ、平成16年2月2日に被告三鷹支店の従業員であるA営業課課長(以下「A課長」という。)が、遺言の内容を原告X1の長男である原告X2(以下「X2」という。)に伝えたことが違法であり不法行為が成立するとして、原告X1が被告に対し、民法709条不法行為、民法715条使用者責任に基づき、X1が受けた精神的損害に対する慰謝料100万円、公正証書作成費用13万1000円、弁護士費用50万円の合計163万1000円の支払と弁護士費用を除いたうち金113万1000円に対する訴状送達の日の翌日から民法所定年5分の割合による損害金の支払を求め、原告X2が被告に対し、民法709条不法行為、民法715条使用者責任に基づき、X2が受けた精神的損害に対する慰謝料20万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から民法所定年5分の割合による損害金の支払を求めた事案である。
一 争いのない事実等
1 原告X1は、明治44年○月○日生まれであり、原告X2は原告X1の長男、訴外B(以下「B」という。)は原告X1の長女であり、原告X1の妻Cは平成15年死亡した。原告X1は、平成11年6月3日、被告を遺言執行者とする公正証書遺言(東京法務局所属公証人D作成平成11年第450号)(以下「本件遺言書」という。)を作成し、本件遺言書を被告三鷹支店に預けておいた。
2 原告X1は、平成11年1月29日、被告から金2240万円を平成16年1月末日に一括返済する約定で借り入れ(以下「本件借入金」という。)、妻のC、長男の原告X2、長女の訴外Bを保証人とした。
被告三鷹支店のA課長は、平成16年1月30日、X1の自宅を訪れ、原告X1に対し翌日が本件借入金の返済期日であるが取引を継続したい旨申し入れた。
3 A課長は、平成16年2月2日、原告X2に対し、電話して本件借入金の保証の継続を要請した際に、被告三鷹支店で預かっている原告X1の遺言では、原告X2が原告X1の負債を相続することになっている旨告げた。
4 原告X1が作成した公正証書遺言では、預貯金、一部の有価証券と一部の不動産を相続人である原告X2と訴外Bで2分の1ずつ相続し、原告X2は他の不動産を取得する代償として被告からの借入金債務全額を負担する、訴外Bは残りの有価証券を相続する、遺言執行者として被告を指定するという内容となっていた。(甲6)
5 本件訴状が、被告に対して平成16年8月3日送達されたことは当裁判所に顕著である。
二 争点
1 原告X1は、被告のA課長が原告X2に対し、本件遺言書の内容を告げることを承諾したか。
(原告らの主張)
原告X1は、現在93歳であり、物忘れがひどいが行為の善悪は十分に理解している。平成16年1月30日のA課長とのやりとりを原告X1に尋ねても、原告X1は現時点ではもはや覚えていない。しかし、本件借入金の返済は本件遺言書とは無関係であるから、当日本件遺言書が話題になる理由はなく、原告X1は本件遺言書を作成したことも覚えていないから同人に対して本件遺言書の内容を原告X2に知らせてよいかと尋ねること自体が不思議であり、原告X1が本件遺言書の存在を信じたのであれば本件遺言書の内容を誰にも知らせたくないと答えたはずである。
原告X1は、現在では被告を遺言執行者とする遺言書を作成したことも、被告から遺言書を回収して原告ら代理人に預けたことも、原告ら代理人を遺言執行者に選任したことも覚えていないが、原告ら代理人に遺言執行者を依頼した時点では丁寧にお礼を言っていた。原告X1は、現在でも「自分が遺言書を作ったとすれば、死んだ後に問題を残さないために遺言したもので、死ぬまでその内容を知らせる気持ちがないので公正証書遺言にした。遺言書の内容を相続人を含め誰かに知らせてよいかと聞かれれば、知らせるなと答える。」と回答する。
(被告の反論)
A課長は、平成16年1月30日、原告X1の口座から本件借入金の返済金の引き落としができなかったことから、電話したうえで原告X1宅を訪問し、原告X1に対し、本件借入金の返済について尋ねたところ返済できないとのことであったので、本件借入金を継続する方向で対応することを提案した。
A課長は、本件借入金を継続する場合に、原告X2と訴外Bに保証を継続してもらうことが必要であると考え、原告X1に対し、これからこの場で原告X2と訴外Bに保証意思確認の電話をするが、その際に原告X1が遺言を作成していること、場合によっては遺言の内容を話してもよいか確認したところ、原告X1は「いいよ。」と答えた。そこで、A課長は、原告X1の面前で原告X2宅に電話したが不在であり、次に訴外B宅の電話番号を原告X1に聞いて電話したところ、訴外Bが電話に出て保証の継続を承諾したので、A課長は遺言に関しては訴外Bには何も話していない。
原告らは、本件訴訟で突然原告X1が承諾をした覚えはない旨の主張しているが、本件訴訟を提起するまでの交渉過程では、被告が遺言書の開示について原告X1の承諾を得たので守秘義務違反ではないと主張したのに対し、原告X2は、原告X1が承諾したかどうか覚えていないと一貫して述べるにとどまっていた。
2 被告のA課長が原告X1の本件遺言書の内容を相続人である原告X2に告げたことは違法か。
(原告らの主張)
原告X1は、遺言書を公正証書遺言としたのは、遺言の作成を家族に秘密にしておき死後に明らかにして欲しい意向であったためであり、作成当時、遺言書作成の事実を家族に知らせていなかったことは事実であり、後日遺言書作成の事実が家族に知れた時点でもその内容については秘密にしてきた。
本件遺言書の内容を遺言者の生前に知らせることは、それ自体遺言者の公表しないという意思に反する点で違法である。被告は、信託銀行であるから、信託法20条により信託の本旨に従った善良な管理者の注意義務を負っている。被告の従業員が、本件遺言書の内容を明らかにしたことは、信託法20条違反として違法である。
原告X1が遺言書を作成し、被告を遺言執行者として遺言書を預託した時点で信託契約は発生し、この時点から被告の善管注意義務は生じる。原告X2は、遺言内容につき利害関係を有しており、遺言が効力を発生する前に自己に関連する権利を理由なく公開されれば、善管注意義務違反により被告の損害賠償責任が生じる。
(被告の反論)
信託法上の遺言信託というのは、遺言によって相続財産につき信託を設定する行為をいう。本件遺言書では、被告は遺言執行者となることとされているだけであり、これは信託法上の信託契約ではない。従って、信託契約が存在することを前提とする原告の主張は、失当である。
遺言執行者が就任するのは、遺言の効力発生時すなわち相続が発生した時点であり、平成16年1月ないし2月頃の時点では、未だ被告は遺言執行者とはなっていなかった。従って、被告には、遺言執行者としての注意義務も発生しておらず、仮に原告の主張が遺言執行者としての注意義務違反を意図していたとしても、やはり失当である。
原告X2との関係では、被告とは何ら契約関係にないから信託法違反の主張は根拠がない。
3 原告らの損害
(原告らの主張)
(一) 原告X1は、本件遺言書を作成したことも忘れている状態であるが、自己の意思を無視して遺言書の内容を知らされたことに対し、とんでもないという意識を有している。生前に遺言内容を知られると相続人間で不和を生じることをおそれたのであるが、現に一部その内容が知らされたため、原告X2と訴外Bの間はぎくしゃくしていて、訴外Bは本件借入金について保証人とならないと言明している。原告X1は、現在遺言執行者だけを変更しているが、近く全面的に遺言書を書き換える予定であり、A課長が本件遺言書の内容を知らせたことにより本件遺言書の作成は全く無駄となり、作成費用13万1000円は損害となった。
原告X1は、秘密にしておきたかった遺言内容が原告X2に知れたことにより訴外Bへの配慮が必要となって多大の精神的苦痛を受け、その苦痛を慰謝するためには金100万円が相当である。
原告X1は、原告訴訟代理人に本件訴訟の追行を依頼して着手金20万円を支払い、成功報酬30万円の支払いを約束している。
(二) 原告X2は、原告X1の負債を原告X2のみが負担するというA課長の発言から、X1の自宅の土地建物を自分が相続する内容であると理解し、訴外Bに知らせることもできず多大の精神的苦痛を受けた。かかる精神的苦痛を慰謝するためには、金20万円が相当である。
(被告の反論)
(一) 原告X1が被告との間の遺言信託を解約しても、遺言自体は引き続き有効であるから、自らの意思で作成した公正証書遺言作成費用が損害となるわけではない。
A課長が遺言のごく一部を伝えたことによって必然的に遺言信託を解約しなければならなくなるわけではなく、遺言信託を解約するという原告X1自身の意思が介在しているから、A課長の遺言を開示した行為と公正証書遺言作成が無駄となったこととの間には、因果関係はない。
原告X1が主張する訴外Bに対する配慮が何を指すか明らかではないが、配慮が必要になったことと精神的苦痛を受けたことは結びつかない。訴外Bは、原告X1が遺言を作成したことは以前に聞いていた旨述べており、遺言の内容が原告X2に明らかになったことにより訴外Bに対する配慮が必要になるとは考えられない。
(二) 原告らが主張する被告の守秘義務違反は、原告X1に対する義務であり原告X2に対する義務ではない。父親の作成した遺言書の内容を知りたくないという漠然とした感情を侵害しても、相続人によっては被相続人の作成した遺言の内容を知りたいという者もいるのであり、原告X2がたまたま知りたくなかったとしてもそのような感情は法的保護に値しない。従って、原告X2に対しては、権利侵害はない。
不法行為に基づく損害賠償の対象となる精神的苦痛の有無は、平均人を基準として判断すべきである。原告X2は、遺言書の内容を聞いたとしても、そのことを訴外Bに知らせる必要はないのであるから、訴外Bに知らせることができないことによって原告X2が精神的苦痛を受けるとは考えられない。
原告X2は、平成16年2月24日、将来損害が発生した場合にはそれを補填するという内容の示談書を被告に対する解決策として提示しており、当該時点においては、損害が発生していないことを前提としていた。
第三 当裁判所の判断
一 争点2について
信託法20条は、受託者は信託の本旨に従い善良なる管理者の注意をもって信託事務を処理することを要すと定めるが、同法1条は、同法における「信託」の意義を明らかにして、本法において「信託」と称するは、財産権の移転その他の処分をなし、他人をして一定の目的に従い財産の管理または処分をなさしむるをいうと定める。
前記争いのない事実等によれば、本件遺言書には、被告を遺言執行者として選任する旨の条項は存在するが、遺言執行者としての業務の他に被告に対して財産を移転、処分する旨の条項も被告に相続財産の管理、処分をさせる旨の条項も存在しない。乙第2号証によれば、原告X1と被告との間では、遺言執行引受予諾に関する契約が存在するが、その内容は遺言執行に関するものに限定され、信託法が予定する信託に関する合意は存在しない。
従って、原告X1が本件遺言書を作成して被告に預託したことをもって信託法が予定する信託と認めることはできず、被告に、信託法20条に基づき善管注意義務を課すことはできない。
よって、その余の争点について検討するまでもなく、原告らが主張する注意義務を認める根拠を欠くから、A課長が遺言書の内容を開示したことをもって違法とは認められず、原告らの不法行為に基づく請求には理由がなく、不法行為が成立しない以上使用者責任も認める余地はないというべきである。なお当裁判所は、念のため原告X1が承諾したか否かについても判断する。
二 甲第3号証、第4号証、乙第1号証、第2号証、証人Aの証言及び弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。
1 本件借入金の弁済期は、平成16年1月末日に口座引き落としで一括弁済という約定であったが、平成16年1月31日は土曜日であったので、実際の弁済期は同月30日であった。原告X1の口座から2240万円の引き落としができず、原告X1は、弁済期限である同月30日に2240万円を弁済しなかった。
2 そのためA課長は、同月30日、電話したうえで原告X1宅を訪問し、原告X1に対し、本件借入金契約書を示しつつ本件借入金の返済について尋ねたところ、返済できないとのことであった。被告としては、本件借入金の返済原資は、原告X1が所有する土地を処分した代金のうちから一括返済になると予測していたこともあり、本件借入金の弁済期を延期して本件借入金を継続することを提案した。
A課長は、本件借入金を継続する場合には、原告X2と訴外Bに保証を継続してもらうことが必要であると考え、同人らがもしも保証の継続に難色を示した場合には、本件遺言書で原告X2が原告X1の本件借入金債務を相続することになっていることを説明することにより、原告X2が保証を拒否しても相続が発生すれば結局債務を単独で相続することになることを理解すれば保証を拒否しても無意味であることがわかるし、訴外Bは本件借入金債務を原告X2が相続することを理解すれば保証することに抵抗が少ないと考えた。
そこでA課長は、原告X1に対し、これからこの場で原告X2と訴外Bに保証意思確認の電話をするが、その際に原告X1が遺言を作成していること、場合によっては遺言の内容を話してもよいか確認したところ、原告X1は「いいよ。」と答えた。A課長は、原告X1の面前で原告X2宅に電話したが不在であり、次に訴外B宅の電話番号を原告X1に聞いて電話したところ、訴外Bが電話に出て遺言について話すまでもなく保証の継続を承諾した。A課長は、後日改めて原告X2の保証意思確認をすることとして原告X1宅を辞し、本件借入金の弁済期の延期について被告社内で決済をとり、とりあえず2ケ月間弁済期を延期してその間に融資条件を詰めることとで決済が下りた。
3 A課長は、平成16年2月2日、原告X2に電話して本件借入金の保証の継続を要請したところ、原告X2は、基本的に保証については了承したが、A課長が訴外B宅を訪問して保証契約に署名押印をもらう旨話したところ、原告X2は、姉は関係ないので姉のところには一切行かないように強く申し入れ、自分が保証を拒否したらどうなるかと尋ねた。そこでA課長は、本件遺言書で原告X1の本件借入金債務を原告X2が相続することになっていることを告げた。原告X2は、本件遺言書の内容を告げたことについて、そのときは何も苦情を言わなかった。
4 当裁判所は、平成16年12月24日付けで原告らが原告X1の本人尋問を申請しないのであれば、原告X2の本人尋問は不必要として次回弁論期日で終結する可能性があることを原告ら訴訟代理人に伝えたところ、原告ら訴訟代理人は、平成17年1月17日付けで原告X1についても本人尋問申請を追加したので当裁判所は原告X1の本人尋問を採用した。原告X1は、自宅で一人暮らしをしており、平成17年3月7日の第6回口頭弁論期日においてA課長の証人尋問と併せて原告X1本人尋問を実施することになっていたが、当日裁判所まで原告X1を同行する予定の原告X2が出張のため同行できないことを理由として原告X1は出頭せず、原告ら訴訟代理人も出頭しなかった。しかし、原告X1を裁判所まで同行するのは原告X2でなくとも他の家族等で可能であり、原告X1及び原告ら訴訟代理人の不出頭には正当の理由がないものと認め、当裁判所は、A課長の証人尋問実施後、原告X1の本人尋問を実施することなく弁論を終結した。
三 上記認定した事実と前記争いのない事実等を総合すると、争点1について次の通り判断できる。
本件借入金は、確定期限を付された債務であり、被告から返済期日前に何ら連絡がなかったとしても、原告X1が返済期限までに2240万円を支払わない限り、原告らは法律上債務不履行責任を負う。
このように原告らが債務不履行の状態に陥った後、A課長は、本件借入金の弁済期を延期することにより原告らが強制執行による弁済を迫られることを回避しようとして、原告X2や訴外Bの保証契約の継続を求めていたものである。
その際、A課長は、原告X1の同意を得た上で本件遺言書の内容を原告X2に開示したものであり、A課長に守秘義務違反は認められない。
公正証書遺言は、2人以上の証人が必要であり、本当に遺言内容を秘密にしたいのであれば自筆証書遺言か秘密証書遺言によるべきであるが、原告X1が公正証書遺言を選択したことに照らして、真に遺言内容を秘密にしたかったのか疑問が残る。
従って、A課長に過失は存在しないから、被告には、不法行為責任も使用者責任も発生しない。
四 以上によれば、原告らの本訴請求は、その余の争点について判断するまでもなく理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法65条1項本文、61条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 金光秀明)
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