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判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(332)平成19年 2月 6日 富山簡裁 平18(ハ)619号 損害賠償等請求事件

判例リスト「営業代行会社 完全成果報酬|完全成功報酬」(332)平成19年 2月 6日 富山簡裁 平18(ハ)619号 損害賠償等請求事件

裁判年月日  平成19年 2月 6日  裁判所名  富山簡裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ハ)619号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2007WLJPCA02066001

要旨
◆原告が金融業を営む被告に対して不当利得に基づき過払金返還請求訴訟を提起し、その際、取引履歴の不開示について不法行為に基づき損害賠償を請求するとともに、民法704条後段に基づき弁護士費用の損害の支払を求めた事案において、過払金返還請求についてはほとんど認め、取引履歴不開示による損害賠償の請求についても、被告には取引履歴を消去した事実が認められるなどとして、慰謝料15万円、弁護士費用2万円を認め、また、民法704条後段による弁護士費用の損害の支払についても、原告は不当利得金返還の実現のため、本件訴訟提起を原告代理人に委任せざるを得なかったのであり、被告は開示義務違反による不法行為上の損害とは別に、民法704条後段の損害を賠償する責任を負うべきであるとした事例

出典
兵庫県弁護士会提供

参照条文
民法703条
民法704条
民法709条
利息制限法1条1項

裁判年月日  平成19年 2月 6日  裁判所名  富山簡裁  裁判区分  判決
事件番号  平18(ハ)619号
事件名  損害賠償等請求事件
裁判結果  一部認容  文献番号  2007WLJPCA02066001

富山市●●●
原告 ●●●
訴訟代理人弁護士 近藤光玉
福井市順化一丁目13番19号
被告 株式会社ドリームユース
代表者代表取締役 ●●●
訴訟代理人 ●●●

 

 

主文

1  被告は,原告に対し,金96万7922円及びうち
金17万円に対する平成18年7月27日から
金69万2061円に対する平成18年5月7日から
金10万円に対する平成18年7月20日から
それぞれ支払済みまで各年5%の割合による金員を支払え。
2  原告のその余の請求を棄却する。
3  訴訟費用は,これを10分し,その2を原告の,その余を被告の負担とする。
4  この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

 

 

事実及び理由

第1  請求
被告は,原告に対し,122万4123円及びうち
金40万円に対する平成18年7月27日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%
金71万6829円に対する平成18年5月7日から支払済みまで年6%
金10万円に対する平成18年7月20日から支払済みまで年5%
の各割合による金員を支払え。
第2  事案の概要
本件は,原告が被告に対し,取引履歴開示請求を拒否されたことにより精神的苦痛を被ったとして慰謝料等の損害を求めるとともに,被告との間の全取引について利息制限法所定の制限利率に引き直し計算すると過払いが発生しているとして,不当に利得した金員の返還と悪意の受益者である被告に対する損害の賠償を求めた事案である。
1  争いのない事実(証拠により容易に認定できる事実並びに弁論の全趣旨により明らかに争っていないと認められる事実を含む)
(1)  被告は,消費者金融業者である。
(2)  原告は,被告から,別紙計算書のとおり,借入れ,かつ,返済した(以下「本件取引」という)。
(3)  原告は,本件取引において,利息制限法所定の利率を超える約定による利息・損害金を支払い,被告は,これを受領していた。
(4)  被告は,利息制限法所定の制限利率に従って元本充当計算すると,返済によってすでに元本が消滅し,過払いが生じていることを知っていた。
(5)  原告代理人は,平成18年6月5日,原告から,被告を含む消費者金融業者等5社の多重債務整理の委任を受け,次のとおり,被告に対し,全取引履歴の開示を求めた。
ⅰ 開示請求(1回目)平成18年6月5日
開示期限 平成18年6月19日
開示の日 平成18年6月14日
開示範囲 平成13年6月1日から平成18年5月7日まで
ⅱ 開示請求(2回目)平成18年6月14日
開示期限 平成18年6月21日
(開示なし)
ⅲ 開示請求(3回目)平成18年6月26日
開示期限 平成18年7月3日
開示の日 平成18年6月30日
開示範囲 平成12年3月7日から平成18年5月7日まで
ⅳ 開示請求(4回目)平成18年7月3日
開示期限 平成18年7月10日
開示の日 平成18年7月10日
開示内容 「すでに開示してある取引履歴しか存在しない」(電話での回答)
2  争点
(1)  取引履歴の開示拒否は不法行為に当たるか
(原告の主張)
ア 原告は,被告から遅くとも平成6年9月27日に借入れをしているが,被告は,借入当初からの取引履歴の開示を拒否した。被告は,法定の保存期間を経過した帳簿は廃棄したというが,原告と被告との間の取引は上記借入日から最終弁済日である平成18年5月7日まで継続してきたものであり,被告には,この日から3年間,貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業法」という)19条に規定する帳簿保存義務がある。
イ 貸金業者は,債務者又は代理人弁護士から取引履歴の開示を求められた場合,その開示請求が濫用にわたると認められるなどの特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約上の付随義務として,信義則上,業務帳簿等に基づいて取引履歴を開示する義務があり,この義務に違反して取引履歴の開示を拒否したときは,その行為は違法性を有し,不法行為を構成する。
ウ 原告は,被告の上記不法行為により,適時に債務整理をすることができず,次の損害を被ったので,被告はこれを賠償すべき義務がある。
ⅰ 慰謝料 30万円
ⅱ 弁護士費用 10万円
(被告の主張)
ア 被告は,保有しているコンピュータシステムの容量が,大量のデータ保存や個人情報保護法による漏洩防止措置のために対応できなくなったため,平成12年5月ころ新システムを導入し,さらに平成13年9月ころシステムの入れ替えを行った。しかし,その後も機能低下等の危険があり,業務遂行の支障によって顧客に迷惑をかけることを考え,やむを得ずデータの削除をその都度行ってきたものであり,開示しなかったことには正当な理由がある。
イ 貸金業法上(法19条,同法施行規則17条)の帳簿保存期間は,取引の終了から3年間と定められており,被告は,少なくともこの期間分の帳簿を保存していた。被告は,原告代理人からの開示請求に対し,すでに保存期間が経過していたにもかかわらず保存していた平成12年3月7日以降の取引履歴をすべて開示した。
(2)  本件取引は,一連の連続した取引か
(被告の主張)
ア 本件取引のうち,平成6年9月27日から平成11年12月1日までの取引(以下「第1取引」という)と,平成12年3月7日から平成18年5月7日までの取引(以下「第2取引」という)は別個の取引である。
(原告の主張)
ア 第1取引と第2取引は,第1取引開始時において締結された借入極度額基本契約に基づく一連の継続した取引である。
イ 仮に別個の取引であるとしても,第1取引終了時において発生していた過払金は,再開された第2取引開始時の債務に当然充当されると解すべきである。
ウ いずれにしても,被告が主張するように二つの取引を分離して過払金を計算する方法は,誤りであるというべきである。
(3)  利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の利息の利率
(原告の主張)
ア 本件不当利得返還請求権は,貸金業者による貸付けと弁済の受領という商行為に起因するものであって,商行為により生じた債権に準ずるものである。また,被告は貸金業者として,原告から受領した過払金を営業のために使用して収益を上げていたと解される。
イ 民法704条前段の規定の趣旨は,利得者の取得した利息(運用利益)を返還させることにある。したがって,本件利息の利率は商事法定利率である年6%とするのが相当である。
(被告の主張)
ア 本件不当利得返還請求権は,法律の規定により発生する債権であり,商行為によって生じた債権ではない。したがって,民法404条が適用され,その利息は年5%である。
(4)  被告は「民法704条後段」の損害を賠償すべき責任を負うか
(原告の主張)
ア 原告は,一般市民であり,不当利得返還請求権を実現するために,弁護士である原告代理人に委任し,本件訴訟を提起せざるを得なかった。
イ その際,原告は原告代理人に対し,着手金として1万0500円,成功報酬として回収した過払金額の20%相当額を支払うことを約束した。
ウ 本件訴訟提起と相当因果関係のある弁護士費用は10万円が相当である。
第3  争点に対する判断
1  争点(1)について
(1)  データ削除の正当性
証拠(乙1)によれば,被告は,平成12年5月ころ、その時点ですでに3年を経過した平成9年5月以前の取引履歴を消去した事実が認められる。
被告は,データ消去の理由について,自ら保有しているコンピュータシステムの容量上の問題や個人情報保護上の漏洩防止の必要性を挙げる。しかし,本件取引のように,第1取引と第2取引の間にわずか3ヶ月間の空白期間しかなく,それ故に,一連の連続した取引として解されることに相当な理由がある場合において,保存期間経過後にこれを機械的に削除することは,後日発生することが十分予想される不当利得上の問題に対応できなくなるおそれがある。貸金業を営む被告としては,当然,債務者からの請求若しくは訴訟提起に備え,保存期間が経過した帳簿等についても,これを一定期間保存すべき信義則上の義務があったと解され,自社が保有するコンピュータの容量不足等は,少なくとも原告に対しては,削除を正当化する理由とはならず,削除したことによって受ける不利益は被告自ら負担すべきであると解するのが相当である。
(2)  被告の不法行為と損害
貸金業者は,特段の理由のない限り,債務者からの取引履歴の開示請求に応じる信義則上の義務がある。被告は,開示した取引履歴に係るもの以外の帳簿等はすべて廃棄若しくは削除され存在しないと主張するが,上記のとおり,その廃棄行為等を正当化するに足る理由はなく,廃棄等によって取引履歴の開示を不可能にし,原告の債務整理を遅延させた行為は,違法性を有し,不法行為を構成するというべきである。したがって,被告は,原告が受けた精神的な損害を賠償すべき責任がある。
原告の損害については,開示請求が4回にわたり行われ,その一部について開示されたに過ぎないこと(しかも,理由は不明であるが2回に分けて開示された。),全体の取引履歴の開示は,被告がデータ等を削除したため不可能となり,被告が削除した部分の取引履歴は,原告の積極的な訴訟行為(金融機関に対する調査嘱託申立て)により初めて明らかにされたこと等の事情に照らすと,その慰謝すべき金額は15万円とするのが相当である。また,弁護士費用については,2万円を本件不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
2  争点(2)について
被告は,第1取引と第2取引は別個の取引であると主張するので,これについて検討する。
第1取引は5年余りの期間にわたり行われてきたが,原告は,その期間中,期日に遅れることはあっても,毎月の返済をほぼ欠かさずに行い,平成11年12月1日にすべての支払を完了した。原告は,平成12年3月7日,再び被告から20万円を借入れ,第2取引が開始した。第1取引と第2取引との間には3か月余りの期間しかないことに照らすと,被告は,第2取引の開始に際し,第1取引における原告の優良な上記取引状況等のデータを踏まえ,直ちに第2取引の貸付けを実行したものと推認することができる。
二つの取引が,このような関係にある場合,両取引は,実質的には一連の連続した取引であると解するのが相当であり,過払金の算出に際しては,別紙計算書のとおり,両取引を通じて連続計算すべきである。
3  争点(3)について
本件不当利得返還請求権は,被告が,原告との間の貸金契約に基づき利息制限法を超える利息・損害金を徴収したことにより発生したもの,すなわち,「利息制限法」という法律の規定を根拠として生じた債権であり,商法514条が規定する「商行為」又はこれに準じるものによって生じたものではない。
原告は,本件不当利得返還請求権の利息利率を年6%とすべきである根拠として,貸金業者である被告が,受領した過払金を営業のために使用して収益を得ていることを挙げる。
しかし,民法704条が定めた悪意の受益者についての返還義務は,その後段に規定する趣旨に照らしても,損失者側の損害の填補という観点から設けられたものと解すべきであり,利得者側の事情を考慮するのは相当ではない。
本件において,損失者である原告は,商人ではなく一般消費者であるから,原告が不当利得された財産(利息制限法に定める制限利率を超える利息・損害金を支払わなければ原告の下にとどまっていたはずの金銭)によって運用できたであろうと考えられる範囲の損失は,民事法定利率年5%の利息金相当であると解すべきである。
ところで,原告は,利息計算は,通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律に基づき,1円未満については四捨五入すべきであるとするが,法律において一定の利率が定められている場合,四捨五入することによって法律で制限された利率を超える事態が発生することになる。同法は,法定利率以外の約定利率が適用される場合について規定したものと解すべきであり,本件においてもこの解釈に従い,小数点以下は切り捨てる方法により計算することとする。
以上に基づき算定した結果は,別紙計算書のとおりである。
4  争点(4)について
原告は,原告代理人に本件訴訟提起を委任する際,成功報酬として回収した過払金額の20%相当額を支払う旨約束したので,悪意の受益者である被告は,この報酬額のうち10万円を,民法704条後段に基づく損害として賠償すべきであると主張する。
そこで,原告代理人に対する報酬支払の出費が,原告にとって損害といえるかどうかについて検討する。
本件訴訟の内容は,開示義務違反による損害賠償請求と不当利得返還請求が主なものである。委任時及び訴え提起時においては,暫定的な不当利得額しか明らかになっていないが,これは,上記のとおり被告が開示請求に応じなかったためであり,原告代理人としては,訴訟手続における調査嘱託などを通じて,原告と被告との間の取引関係を明らかにした上,不当利得額の請求を拡張する予定であったものである(弁論の全趣旨)。原告が原告代理人との間で取り決めた「過払金額の20%を報酬とする」趣旨も,そのことを前提としたものであることは明らかである。そして,もし,原告が,本件訴訟を提起するに当たり,弁護士である原告代理人に委任しなかったならば,取引履歴は明らかにされず,被告が不当に利得した金額の計算も困難となったことは容易に推測できるところである。
結局,原告としては,正当な不当利得金返還の実現のために,本件訴訟の提起を原告代理人に委任せざるを得なかったこととなり,被告は,開示義務違反による不法行為上の損害とは別に,原告に対し,報酬額のうち相当額を民法704条後段の損害として賠償する責任を負うべきである。そして,先に認定した不当利得金額等を勘案すると,その損害額は10万円とするのが相当である。
5  以上によると,原告の請求は,次に掲げる限度で理由がある。
①  不法行為(開示義務違反)に基づく損害賠償金 17万円
(内訳 慰謝料15万円,弁護士費用2万円)
②  不当利得金 69万7922円
(内訳 元金69万2061円,利息5861円)
③  民法704条後段の損害 10万円
よって,主文のとおり判決する。
(裁判官 廣瀬信義)

 

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